JPH07100840A - 化粧板用賦形型の製造方法 - Google Patents

化粧板用賦形型の製造方法

Info

Publication number
JPH07100840A
JPH07100840A JP24479693A JP24479693A JPH07100840A JP H07100840 A JPH07100840 A JP H07100840A JP 24479693 A JP24479693 A JP 24479693A JP 24479693 A JP24479693 A JP 24479693A JP H07100840 A JPH07100840 A JP H07100840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal substrate
convex
conduit
photo
peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24479693A
Other languages
English (en)
Inventor
Sachiko Haba
幸子 羽場
Yoshiaki Aota
良明 青田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP24479693A priority Critical patent/JPH07100840A/ja
Publication of JPH07100840A publication Critical patent/JPH07100840A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 深い部分と浅い部分とよりなる天然導管にほ
ぼ正確に対応する凸版部を有しかつ天然木材の背景部の
微細な凹凸に対応した凹凸模様を有する化粧板用賦形型
の製造方法を提供する。 【構成】この製造方法は、露光工程とエッチング工程と
を含んでいる。露光工程において用いられるマスク2は
天然導管の深度の浅い部分から深い部分に対応して濃度
が濃から淡に変化する導管陰影部2aを有している。こ
のマスクフィルム2を通して光硬化層に露光すれば、濃
淡のある導管陰影部に対応して露光される。このように
して作られた光硬化層を用いて第1エッチング工程およ
び第2エッチング工程を介して基板を腐食させることに
より、天然導管に正確に対応したプロフィールを有する
導管対応凸状部を備えた賦形型が得られる。また、賦形
型の偏平部4hにはサンドブラストで微細な凹凸を形成
して、天然木目の背景部の凹凸模様に酷似した賦形型を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧板用賦形型の製造
方法に関し、詳しくは、木材の木目や石材の地紋等の模
様が人工的に賦形され、かつ、紙や合成樹脂等の材料よ
りなる化粧板のプレス工程において使用される賦形型の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば木目模様を有する化粧板
の場合、木目を形成する導管の模様、すなわち凹状の無
数の線模様が一般に形成される。したがって、このよう
な化粧板を形成するための賦形型には木目(導管)に対応
した無数の凹状線模様が形成されることになる。従来、
このような賦形型を形成する方法として、図1に示した
ような天然の木材の木目(導管1)を写真フィルムに撮影
し、この写真フィルムを原版として、基板上に形成した
感光性樹脂膜に焼き付けを行い、その後ケミカルエッチ
ング手法を用いて導管に対応する部分を凸部として形成
する方法が知られている。
【0003】従来の製造方法は、このように、目的とす
る木目等の模様に対応して凹凸模様を形成するものであ
るが、従来方法によっては、写真階調のごとき階調のあ
る化粧板を作るための賦形型は実現不可能であった。
【0004】このような写真階調のごとき階調のある化
粧板を作るための賦形型は、化粧板に天然の導管とほぼ
同一の凹凸模様を賦形することがもっとも良い解決方法
であることは言うまでもない。すなわち、天然木材の導
管は図2,3に示されるように、浅い部分と深い部分と
を有しており、このような形状に対応した凸型を賦形型
に形成する必要があるのである。
【0005】図2,3について説明すれば、図2は天然
木材を示し、その木材表面に模式的に示した三角状の導
管1が無数に表れている。図においてA−B,C−Dは
各線分を含む平面で切断することを示している。この断
面状態を図3に示している。導管は樹体内の水分の通路
の働きをなすものであり、長いパイプ状のものである。
そして、切断された木材の表面には図2に示したような
導管切断端部が表れるのである。図3(I)では切断線A
−Bにおいては導管1が斜め方向に切断されている状態
が明らかである。また、(II)および(III)に示すよ
うに断面C−Dにおいては、導管1の上部あるいは上半
分程度が切断された状態が示されている。このように、
導管そのものは本来パイプ状のものであるため、木材表
面に表われる導管の切断部は周辺浅部1aとその中心側
の深部1bとで形成されているのである。そしてその深
さ変化は徐々に変化しているのである。
【0006】従来の賦形型製造方法において使用される
原版としての写真フィルムにはこのような導管の深さに
対応した階調は到底得られず、導管部全体がフィルムに
陰影部として撮影されるため(ポジフィルムの場合)、そ
のマスクフィルムを使用して製造した賦形型は必然的に
天然木材の導管の形状に正確には対応していなかったの
である。
【0007】また、天然木材は、導管以外の背景部分に
は微細な凹凸が存在し、決して平坦な面にはなっていな
い。しかし、従来方法では、この微細な凹凸まで再現で
きるような賦形型は得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
解決しようとする技術的課題は、写真階調のごとき階調
のある化粧板を製作できる賦形型の製造方法、すなわ
ち、深い部分と浅い部分とで形成される天然導管にほぼ
正確に対応する凸版部を有するとともに、天然木材の導
管以外の背景部の微細な凹凸に対応した凹凸模様を有す
る賦形型を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段・作用・効果】上記技術的
課題を解決するために、本発明によれば以下の構成の賦
形型製造方法が提供される。すなわち、この賦形型製造
方法は、天然導管の深度の浅い部分から深い部分に対応
して濃度が濃から淡に変化する導管陰影部を有しかつ導
管陰影部以外の地部がほぼ透明であるマスクフィルムを
通してカーボンティッシュの光硬化層に露光して、地部
に対応する部分を十分光硬化させて周囲硬化部を形成す
ると共に、導管陰影部に対応する部分をその濃度に対応
したプロフィールの深さで光硬化させて周囲硬化部に囲
まれた凸状硬化部を形成する露光工程と、露光済の光硬
化層を金属基板に貼合せて温湯にて光硬化層の凸状硬化
部に隣接する未硬化部を除去する現像工程と、次いで、
光硬化層の上から腐食液を浸透させるとともに、その下
方の金属基板に光硬化層の厚み形状に対応したプロフィ
ールの深さに腐食液を浸透させて金属基板の上層を腐食
・除去することにより、光硬化層の凹凸形状に対応する
凹凸形状を転写して、光硬化層の周囲硬化部に対応する
周囲凸部と該周囲凸部に囲まれる凸版部とを形成する第
1エッチング工程と、次いで、金属基板の凸版部の凸表
面に高硬度皮膜を形成する高硬度皮膜形成工程と、次い
で、第1エッチング工程で作られた金属基板の周囲凸部
に囲まれかつ凸版部上部に位置する空間に非浸透性詰物
を充填した状態で、金属基板にその上方より腐食液を浸
透させて周囲凸部を腐食・除去して凸版部より低い平坦
部を形成する第2エッチング工程と、金属基板の平坦部
の表面を粗面加工する粗面加工工程と、金属基板の凸版
部の凸表面に形成されている高硬度皮膜を除去する高硬
度皮膜除去工程を含むことを特徴としている。
【0010】このようにして形成された導管対応凸状部
は図3に図解した天然の導管の凹形状にきわめて近似し
ており、従ってこの賦形型によりプレス工程で化粧板に
エンボス加工すれば天然導管に酷似した導管を形成する
ことが出来るのである。
【0011】また、賦形型の平坦部は粗面であるので、
化粧板の導管の背景部には微細な凹凸が形成され、これ
が天然の木目にさらによく近似することになる。
【0012】上記粗面加工としては、通常は、サンドブ
ラストが好適に使用される。また、上記高硬度皮膜とし
ては、通常は、クロムメッキ皮膜が好適に使用される。
【0013】
【実施例】以下に、図4〜16に従って、上記技術的課
題を解決するための本発明一実施例に係る製造方法につ
いて詳細に説明する。
【0014】図4〜16は本発明にかかる化粧板用賦形
型の製造方法を図解している。この製造方法においては
一例として示すマスクフィルム2が使用される。図4に
従ってこのマスクフィルム2についてまず説明する。
【0015】このマスクフィルム2は、天然導管1の深
度の浅い部分から深い部分に対応して濃度が濃から淡に
変化する導管陰影部2aを有し、かつ導管陰影部2a以外
の地部2cがほぼ透明に形成されている。図4におい
て、符号2bの部分は導管陰影部2aの濃淡分布を示して
いる。すなわち、天然導管1の周辺浅部1aに対応する
部分(1a)の濃度は濃く、一方天然導管1の深部1bに対
応する中央部分(1b)は薄くなっている。
【0016】このマスクフィルムは、写真技術を利用し
て形成することも出来ようが、もっとも原始的方法とし
ては、導管の深部1bから周辺浅部1aに向かって濃度を
次第に濃くした手書き原稿をポジフィルムに撮影するこ
とにより作ることができる。
【0017】本発明方法においては、まず始めに上記マ
スクフィルム2を用いた露光工程が行なわれる。この露
光工程を図5に示している。図5に示されるように、マ
スクフィルム2を通して光硬化層3aに光Lを露光し
て、地部2cに対応する部分を十分光硬化させて周囲硬
化部3eを形成すると共に、導管陰影部2aに対応する部
分をその濃度に対応したプロフィールの深さで光硬化さ
せて周囲硬化部3eに囲まれた凸状硬化部3cを形成す
る。光硬化した部分を斜線で示している。図示の実施例
においては、カーボンティッシュ3が使用されている。
このカーボンティッシュ3自体は公知のものであって、
光硬化層3aとベース紙3bより形成されている。図5に
光Lの光線を矢印で示している。これより明らかなよう
に、マスクフィルム2の地部2cはほぼ透明であるから
光Lは光硬化層3aに対して十分深く浸透する一方、マ
スクフィルム2の導管陰影部2aの部分については、そ
の濃淡に応じた量だけ光Lが達する。すなわち導管陰影
部2aの周囲部分は濃い陰影となっているため光Lの透
過深さが小さく、一方導管陰影部2aの中心部分は濃度
が薄くなっているので周辺部分より深く光が達してい
る。したがって、凸状硬化部3cは天然導管1に対応す
る断面形状を呈している。なお、図において3dは光L
が達していない部分すなわち未硬化部を示している。
【0018】次いで、露光済のカーボンティッシュの光
硬化層3aを基板4、例えば銅板に貼りつけ、温湯にて
現像することにより未硬化部3dを除去し、またベース
紙3bを剥すことにより、基板4の表面にエッチング用
の光硬化膜を形成する。この状態を図6に示している。
【0019】図7は上記した第1エッチング工程を示し
ている。この工程では光硬化層3aの上から腐食液Qを
浸透させる。腐食液の浸透部分を点模様で示している。
そしてこれにより、基板4に、光硬化層3aの厚み形状
に対応したプロフィールの深さに、腐食液Qを浸透させ
て、金属基板4の上層を腐食すると共にその腐食部分を
除去する。すなわち、腐食液Qは光硬化層3aの中を上
から下に浸透していくわけであるが、その厚みの厚い部
分は浸透に時間がかかる一方その厚みが薄い部分はその
浸透時間が速いことになる。したがって、予め定められ
た時間が経過したとき、例えば図示のように腐食液Qが
周囲硬化部3eの底部付近に達したとき、このエッチン
グ工程を停止して腐食部分を洗浄すると、光硬化層3a
の形状とほぼ同一の形状が金属基板4に転写されること
になる。すなわち光硬化層3aの周囲硬化部3eに対応し
て金属基板4には周囲凸部4dが形成される。一方、光
硬化層3aの凸状硬化部3cと同形状の凸版部4cが形成
されることになる。このように形成された基板を図8に
示している。
【0020】次いで、例えばクロムメッキ皮膜のような
高硬度皮膜7を上記第1エッチング工程において形成さ
れた金属基板4の凸版部4cの表面に形成する。この高
硬度皮膜7は、後述するサンドブラストのごとき粗面加
工に関連している。この形成工程を図9〜11(第1実
施例)及び図14,15(第2実施例)に示している。
図9〜11及び図14,15はそれぞれ実施例を示すも
のであって、勿論その他の方法でも実現可能である。
【0021】先ず、図9〜11の実施例について説明す
る。図9の工程において、金属基板4の表面全体に例え
ばクロムのメッキを施す。このクロムメッキは、通常電
気メッキ法で行う。したがって、図示の例では、金属基
板4の凸版部4cの凸表面、周囲凸部4dの表面及び周
囲凸部4dで囲まれる空間4gの内側面の全てがメッキさ
れている。しかし、本発明では、本来、メッキの必要な
部位は金属基板4の凸版部4cの凸表面のみであって、
周囲凸部4dの表面のメッキは除去しなければならな
い。周囲凸部4dで囲まれる空間4gの内側面のメッキは
そのままでも差し支えない。
【0022】したがって、この実施例では、図10、1
1の工程で、周囲凸部4dの表面のメッキを除去してい
る。すなわち、図10の工程で、例えばオフセットイン
キのような、酸に対して非腐食性の詰物5を空間4gに
詰める。そして、この状態でクロムを腐食させる酸で洗
浄し、周囲凸部4dの表面のメッキを除去するのであ
る。このとき、詰物8は、その位置に残留する。
【0023】次いで、第2エッチング工程が行なわれ
る。この第2エッチング工程を図12に示している。こ
の工程においては、金属基板4にその上方より腐食液Q
を浸透させて周囲凸部4dを腐食・除去して凸版部4cよ
り十分低い平坦部4hを形成する。このようにして形成
された化粧板用賦形型を図13に示している。上記した
凸版部4cがいわゆる導管対応凸状部4eとして形成され
ている。
【0024】本発明では、さらに、図13の賦形型叉は
金属基板に対して粗面加工を行う。その結果を図14に
示している。すなわち、金属基板の平坦部4hの表面を
サンドブラスト等により粗面加工を行う。このとき、凸
版部4cの凸表面はクロムメッキ等の高硬度皮膜7で保
護されているので、この部分の表面は粗面にならない。
尤も、サンドブラストが強く行われると、場合によって
は凸版部4cの凸表面が多少は粗面になることもある
が、その程度は差し支えない。なお、粗面加工の前に詰
物5を有機溶剤を使用してブラシで除去してもよいが、
この事前除去がない場合には、サンドブラスト工程自体
により除去される。
【0025】そして最後に、凸版部4cの表面に形成さ
れた高硬度皮膜7を一旦除去し、その後、好ましくは、
再度、クロム等の高硬度皮膜を平坦部4hおよび凸版部
4cの全面に形成し、賦形型の耐摩耗性を図る。
【0026】上記実施例では、金属基板4の表面に全体
に高硬度皮膜7を塗布し、その後、周囲凸部4dの表面
の皮膜7を除去したが、図15,16の実施例では、図
15において、周囲凸部4dのみの表面に電気的に絶縁
性を有する材料9、例えばオフセットインキ、を塗布
し、その状態で、図16に示すように電気クロムメッキ
を実施して、凸版部4c及び空間4gの内側面にクロムメ
ッキの皮膜を形成している。その後に、絶縁皮膜9を除
去すれば、図11と同一のものが得られる。
【0027】このようにして形成された導管対応凸状部
4eは図3に図解した天然の導管の凹形状にきわめて近
似しており、従ってこの賦形型によりプレス工程で化粧
板にエンボス加工すれば天然導管に酷似した導管を形成
することが出来るのである。
【0028】また、賦形型の平坦部4hは粗面であるの
で、化粧板の導管の背景部には微細な凹凸が形成され、
これが天然の木目にさらによく近似することになる。
【0029】以下に、本発明の好ましい具体例を示す。
【0030】(1)マスクフィルム2 マスクフィルム2の導管陰影部2aの濃度差すなわち階
調は、ハイライト部(明るい部分)で濃度(写真濃度の
透過濃度)0.6〜0.7、シャドウ部(暗い部分)で濃
度1.8〜2.0になるように設定する。この濃度差は、
より階調を出すためには上記値よりも大きくするのがよ
いが、導管陰影部のように狭い面積の部分で濃度差をさ
らに大きくすることは現実には困難である。
【0031】(2)露光工程 光源:水銀灯(4KW) 光源とカーボンティッシュとの間の距離:3〜4m 露光時間:4〜5分 ※一般のグラビア印刷版と異なり網目スクリーンは使用
しない。
【0032】(3)第1エッチング工程 腐食液は、一般のグラビア印刷版のエッチングに使用す
るものよりも濃度の高い39ボーメの塩化第2鉄溶液を
使用する。腐食液は、濃度が高い方がカーボンティッシ
ュ3への浸透性が弱く、腐食時間が長いという欠点はあ
るにしても、カーボンティッシュ3のプロフィールによ
り正確に対応した浸透深さが得られる。濃度の低い腐食
液を使用した場合には、得られるべき凸版部4cの頂部
が平坦となる欠点がある。
【0033】第1エッチング,終点は、多くの凸状硬化
部3cの中で最も高い部分の下方における金属基板4に
浸透する浸透深さが10〜15ミクロン程度になったと
きとする。この浸透深さは図9における空間4gの最も
浅いところに対応している。浸透深さがこれ以下である
と、詰物5を空間4gに安定して保持し難く、つまり詰
物が空間4gを完全に埋めつくせない。一方、浸透深さ
がこれ以上であると、エッチング時間が長くなりすぎ、
その結果凸版部4cの頂部が平坦になる傾向がある。
【0034】前記濃度差を有するマスクフィルムを露光
工程で使用した場合は、図7において凸版部4cの頂部
上の浅い部分の浸透深さが10〜15ミクロンとすれ
ば、凸版部4cの両側の深い部分の浸透深さは40〜5
0ミクロンとなる。
【0035】(4)詰物(8,5) オフセットインキ(溶剤で希釈したもの)ないしは常温
硬化性の樹脂を使用する。常温硬化性の樹脂を使用する
のは腐食液の浸透を阻止するレジスト効果を高めるため
である。
【0036】詰物を行う方法は、常温硬化性の樹脂の溶
液を図10,12の金属基板4の上面全面に塗布し余分
の樹脂をスクイージーでかき取り、空間4gにのみ完全
に樹脂を詰める方法を採用する。その後24時間室温で
放置して樹脂を硬化させる。樹脂が完全に硬化した後に
周囲凸部4dのフラット面に付着している樹脂を砥石で
研磨して除去して、空間4g以外の部分に樹脂の付着が
ないようにする。
【0037】(5)クロムメッキ 無水クロム酸 : 硫酸 = 100 : 1 のメッキ浴にて
行う。浴温度は50〜60゜。陰極電流密度は10〜1
00A/dm2。メッキ厚みは5〜50ミクロン、一般には
10〜20ミクロン (6)クロムメッキの除去 塩酸5〜10%の水溶液(液温は40〜50゜)に浸漬す
る。 (7)サンドブラスト 平坦部4hに形成するこの粗面は、1〜10ミクロンの
凹凸が好適である。したがって、サンドブラストに使用
するサンド粒は50〜300メッシュ程度が好適であ
る。 (8)第2エッチング工程 腐食液は第1エッチングと同様に39ボーメの濃い液を
使用してエッチングを行い、第1エッチングでエッチン
グされなかった空間4g以外の部分を除去する。第1エ
ッチングより遥かに広い面積をエッチングする必要があ
るため10分ぐらいの時間が必要である。
【0038】第1エッチングで形成された空間4g以外
の部分を完全に除去した後さらにエッチングを続行し
て、一番高い凸版部4cの頂部の高さが70〜80ミク
ロンになった時点でエッチングを停止する。
【0039】凸版部4cの高さが100ミクロン程度あ
る方がエンボス版としては好ましいのであるが、凸版部
4cの高さを高くするために長時間エッチングすると、
第1エッチングで形成された空間4gの一番浅い部分は
詰物によるレジスト膜の厚さが薄いのでエッチング液が
浸透するという事態が生じるため、山の頂部が平坦にな
り諧調が乏しくなってしまうという問題がある。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】 導管模様を有する天然木材の表面を示す平面
図である。
【図2】 図1の天然木材の導管を模式的に示す図であ
る。
【図3】 図1,2の天然導管の断面を示す説明図であ
る。
【図4】 本発明にかかるマスクフィルムの側面図であ
る。
【図5】 本発明にかかる露光工程を示す断面図であ
る。
【図6】 本発明の製造方法において光硬化層と金属基
板とを積層した状態を示す断面図である。
【図7】 本発明における第1エッチング工程を示す図
である。
【図8】 上記第1エッチング工程及びその後の洗浄工
程の結果作られた基板を示す断面図である。
【図9】 本発明における高硬度皮膜塗布工程を示す図
である。
【図10】 上記高硬度皮膜塗布工程の後空間に詰物を
詰めた工程を示す図である。
【図11】 図9,11で形成された周囲凸部の表面の
高硬度皮膜を除去する工程を示す図である。
【図12】 本発明における第2エッチング工程を示す
図である。
【図13】 上記第2エッチング工程により形成された
賦形型を示す図である。
【図14】 本発明の製造方法において形成された賦形
型を示す断面図である。
【図15】 本発明の第2実施例に係る高硬度皮膜形成
工程の前半工程を示す図である。
【図16】 上記高硬度皮膜形成工程の後半工程を示す
図である。
【符号の説明】
1 導管 1a 周辺浅部 1b 深部 2 マスクフィルム 2a 導管陰影部 2b 濃淡分布 2c 地部 3 カーボンティッ
シュ 3a 光硬化層 3b ベース紙 3c 凸状硬化部 3d 未硬化部 3e 周囲硬化部 4 金属基板 4c 凸版部 4d 周囲凸部 4e 導管対応凸状部 4g 空間 4h 平坦部 5 詰物 7 高硬度皮膜 9 絶縁皮膜 L 光 Q 腐食液

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然導管(1)の深度の浅い部分から深い
    部分に対応して濃度が濃から淡に変化する導管陰影部
    (2a)を有しかつ導管陰影部(2a)以外の地部(2c)がほ
    ぼ透明であるマスクフィルム(2)を通してカーボンティ
    ッシュの光硬化層(3a)に露光して、地部(2c)に対応す
    る部分を十分光硬化させて周囲硬化部(3e)を形成する
    と共に、導管陰影部(2a)に対応する部分をその濃度に
    対応したプロフィールの深さで光硬化させて周囲硬化部
    (3e)に囲まれた凸状硬化部(3c)を形成する露光工程
    と、 露光済の光硬化層(3a)を金属基板(4)に貼合せて温
    湯にて光硬化層(3a)の凸状硬化部(3c)に隣接する未硬
    化部(3d)を除去する現像工程と、 次いで、光硬化層(3a)の上から腐食液(Q)を浸透させ
    るとともに、その下方の金属基板(4)に光硬化層の厚み
    形状に対応したプロフィールの深さに腐食液(Q)を浸透
    させて金属基板(4)の上層を腐食・除去することによ
    り、光硬化層(3e)に対応する周囲凸部(4d)と該周囲凸
    部(4d)に囲まれる凸版部(4c)とを形成する第1エッチ
    ング工程と、 次いで、金属基板(4)の凸版部(4c)の凸表面に高硬度
    皮膜(7)を形成する高硬度皮膜形成工程と、 次いで、第1エッチング工程で作られた金属基板(4)の
    周囲凸部(4d)に囲まれかつ凸版部(4c)上部に位置する
    空間(4g)に非浸透性詰物(5)を充填した状態で、金属
    基板(4)にその上方より腐食液(Q)を浸透させて周囲凸
    部(4d)を腐食・除去して凸版部(4c)より低い平坦部
    (4h)を形成する第2エッチング工程と、 金属基板(4)の平坦部(4h)の表面を粗面加工する粗面
    加工工程と、 金属基板(4)の凸版部(4c)の凸表面に形成されている
    高硬度皮膜(7)を除去する高硬度皮膜除去工程を含むこ
    とを特徴とする化粧板用賦形型の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記高硬度皮膜形成工程は、 上記第1エッチング工程後の上記金属基板(4)の表面全
    体に高硬度皮膜のメッキを施すメッキ工程と、 次いで、金属基板(4)の上記空間(4g)に非浸透性詰物
    (5)を充填した上で、金属基板(4)のメッキ表面を酸に
    より腐食して、上記周囲凸部(4d)の表面のメッキのみ
    を除去するメッキ除去工程とを含むことを特徴とする請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記高硬度皮膜形成工程は、 上記第1エッチング工程後の上記金属基板(4)の上記周
    囲凸部(4d)に電気絶縁材料(9)を塗布する塗布工程
    と、 次いで、金属基板(4)の上記凸版部(4c)の表面に高硬
    度皮膜の電気メッキを施すメッキ工程とを含むことを特
    徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記粗面加工はサンドブラスト工程であ
    ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記高硬度皮膜(7)はクロムメッキ皮膜
    であることを特徴とする請求項1叉は4記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 天然導管(1)に対応する多数の凸版部
    (4c)と、凸版部(4c)の背影をなし、かつ粗面加工され
    た平坦部(4h)とを有することを特徴とする化粧用賦形
    型。
JP24479693A 1993-09-30 1993-09-30 化粧板用賦形型の製造方法 Pending JPH07100840A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24479693A JPH07100840A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 化粧板用賦形型の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24479693A JPH07100840A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 化粧板用賦形型の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07100840A true JPH07100840A (ja) 1995-04-18

Family

ID=17124066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24479693A Pending JPH07100840A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 化粧板用賦形型の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07100840A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8088268B2 (en) 2007-12-13 2012-01-03 Hyundai Motor Company Method of fabricating mask for forming wood grain patterns
KR20190045314A (ko) 2016-09-09 2019-05-02 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 표면 경화강 및 그 제조 방법 그리고 기어 부품의 제조 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8088268B2 (en) 2007-12-13 2012-01-03 Hyundai Motor Company Method of fabricating mask for forming wood grain patterns
KR20190045314A (ko) 2016-09-09 2019-05-02 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 표면 경화강 및 그 제조 방법 그리고 기어 부품의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4405709A (en) Process for fabricating gravure printing plate blank
KR100498262B1 (ko) 금속스티커 제조방법
JP3654936B2 (ja) エンボス版及びその製造方法
KR101845205B1 (ko) 노광기술에 의해 2차도금증식된 금속층을 이용한 위조방지용 인쇄판 제조방법과 위조방지용 인쇄판을 이용한 위조방지용 금속박막 제조방법 및 이에 의해 제조된 위조방지용 금속박막
JPH07100840A (ja) 化粧板用賦形型の製造方法
JPH0955577A (ja) 印刷配線板の製造方法
DE2401413A1 (de) Matrize zum ausbilden eines geflechts
JP3274912B2 (ja) 化粧板用賦形型の製造方法
JPH0789032A (ja) プラスチック製木目化粧シート及び化粧シート製造用賦形型
JP3165755B2 (ja) 化粧板用賦形型の製造方法およびその方法に使用するマスクフィルム
JPH07243086A (ja) 装飾板及びその製造方法
JP3274887B2 (ja) 化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法
KR20090065896A (ko) 미세 회로가 형성된 필름 기판 및 그 제조방법
JPH0516322A (ja) 凹版の製造方法
JPH07195378A (ja) 化粧板用賦形型の製造方法およびその方法に使用するマスクフィルム
JP3429404B2 (ja) エンボス版の製造方法及びエンボス版並びにそれを用いて賦型した化粧シート及び化粧板
KR100940537B1 (ko) 금속 패턴 형성 방법
JPH0825783A (ja) エンボス版の製造方法及びエンボス版並びにそれを 用いて賦型した化粧シート
JPH039358A (ja) グラビア印刷用版およびその製造法
JPH07287384A (ja) エンボス版形成用マスクフイルムの製造方法
JPH081770A (ja) エンボス版及びその製造方法
US444951A (en) Process of preparing plates or surfaces for ornamentation
KR20090065899A (ko) 미세 회로가 형성된 필름 기판 및 그 제조방법
JP2004218033A (ja) エッチング製品及びエッチング方法
JPH04308799A (ja) 木目調化粧シート及び木目調化粧材