JP3215845B2 - 歩行型草刈機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、畦や農道に生えて
いる比較的短い雑草を刈り取る歩行型の草刈機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】歩行型の草刈機として、機枠の前側に地
面に沿って水平回転する刈刃を設け、機枠の後側に一輪
あるいは左右二輪からなる走行輪を設け、機枠の上部か
ら斜め後方に向けてハンドル杆を立設し、作業者がこの
ハンドル杆の後端を持って歩行しながら刈刃で雑草を刈
る構成のものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の歩行型草刈機で
刈り倒した草は、刈刃の周囲に散乱し、刈り跡が乱れて
いる。また、刈刃によって跳ね飛ばした石等が機体後部
を歩いてる作業者に当たることがあり危険である。そこ
で、本発明では、刈り倒した草を走行輪で踏み付けるこ
とによって刈跡を美しくすると共に、刈刃で跳ねた石が
作業者に当たらないようにすることを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明では、前側の左右
に立設する回転軸１，２に刈刃３，４を上下二段に配設
し、この後側に少なくとも前記回転軸１，２の軸間隔よ
りも幅広く刈刃３，４の刃先の描く回転軌跡幅よりも狭
い幅の走行輪５を設け、前記刈刃３，４の回転軌跡の両
外側から走行輪５の両端部へ向けて狭めて左右外側を覆
う外側面６，６と刈刃３，４の上側を覆う上側面７を一
体に形成した刈刃カバー８を設けるとともに、回転軸
１，２と走行輪５に駆動力を伝動するギヤケース９をカ
バー８の上方に設け、該ギヤケース９から走行輪５を軸
支駆動するアーム２５，２６を刈刃カバー８両外側面
６，６後部の幅狭部に配置してなる歩行型草刈機の構成
とする。

【０００５】また、回転軸１，２と走行輪５に駆動力を
伝動するギヤケース９をカバー８の上方に設け、このギ
ヤケース９から回転軸１，２に駆動力を伝動する伝動機
構１０を設け、刈刃３，４を覆うカバー８の前側をその
前端１１が前記伝動機構１０よりも高くなるまで斜め前
方に向けて起立して歩行型草刈機を構成した。

【０００６】

【発明の作用及び効果】この歩行型草刈機で草の刈り取
り作業を行うと、刈刃３，４によって草を刈り、走行輪
５で機体を前進走行するが、刈り取られた草や刈刃３，
４によって跳ね飛ばされる石等は走行輪５の両端部へ向
け狭められたカバー８の外側面６，６や上側面７でカバ
ー８外への飛び出しを防がれ、左右幅広い走行輪５によ
って踏み付けられ、刈刃３，４等で跳ねた石等の作業者
側への跳ね出しを防ぎ安全な作業が行える。

【０００７】また、回転軸１，２と走行輪５に駆動力を
伝動するギヤケース９をカバー８の上方に設け、このギ
ヤケース９から回転軸１，２に駆動力を伝動する伝動機
構１０を設け、刈刃３，４を覆うカバー８の前側をその
前端１１が前記伝動機構１０よりも高くなるまで斜め前
方に向けて起立すれば、草がカバー８の前端１１で押し
倒されながら刈刃３，４で刈り倒されるため、伝動機構
１０に草が絡まることが少なく、全体の高さを低くで
き、傾斜面の刈り取りにおける取り扱いが楽になる。

【０００８】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。機体の中央に設けるギヤケース９の後部にエ
ンジン２２を取り付け、このギヤケース９から左右に延
ばした支持筒２３，２４の先端から下方に向けてアーム
２５，２６を設け、このアーム２５，２６の下端部に走
行輪５を軸支している。一方のアーム２５には内部にチ
ェン伝動機構を設け、ギヤケース９の出力軸から走行輪
５の入力軸に動力を伝動して、走行輪５を駆動して走行
する。

【０００９】支持筒２３，２４の下側には、走行輪５の
上部を覆う機枠カバー２７を取り付けている。ギヤケー
ス９の下側に前方へ向けて取付枠２８を取り付け、この
取付枠２８の下側に、左右に回転軸１，２を軸支する伝
動ケース２９と、回転軸１，２に取り付けた切刃３，４
の回転軌跡を覆う刈刃カバー８と、ギヤケース９から伝
動ケース２９に動力を伝動する伝動機構１０を覆う伝動
カバー３０とを取り付けている。

【００１０】伝動ケース２９は、下方へ向けて２本の回
転軸１，２を左右振り分け状態に軸支するもので、回転
軸１，２の上方突出側にプーリ３１，３２を固着し、ギ
ヤケース９の出力軸に固着したプーリ３３にベルト３４
を巻き掛けて伝動機構１０を構成している。回転軸１，
２にはそれぞれ平板状の刈刃３，４を上下に９０°位相
をずらせて取り付けている。この回転軸１，２は、上方
より見て左右の刈刃３，４が前側で中央に向って回転す
るよう互に逆回転するようにしている。

【００１１】刈刃カバー８は、刈刃３，４の回転軌跡の
外側から走行輪５の両端部へ向けて狭めた外側面６，６
と刈刃３，４の上面から機枠カバー２７までに到る上側
面７とを一体的に形成し、この刈刃カバー８の前部は斜
め前上方に向けて起立し、その前端１１は左右中央が後
方に向けて凹んだ形状としていて、この前端に沿ってガ
イド杆３５を取り付けている。又、この刈刃カバー８の
外側面６，６後部の幅狭部に前記アーム２５，２６を配
置してある。５１は、ギヤケース９を覆うカバーであ
る。

【００１２】走行輪５は、図１及び図５に示す如く、そ
の幅を回転軸１,２の軸間隔よりも広く、又、刈刃３，
４の刃先が描く回転軌跡幅よりも狭く構成するとともに
左右両側部１３，１４が大径で中間部１５を小径として
いて、刈刃３，４で刈り倒した草が中間部１５の下側を
通過し易くしている。両側部１３．１４の外側端には、
周面に凹凸を形成したゴムラグ３６を取り付け、両側部
１３，１４の外周面にＵ字状の鉄製ラグ３７を取り付け
ている。この鉄製ラグ３７の突出高さはゴムラグ３６の
突出高さよりも低くしている。また、機枠カバー２７の
下側には、鉄製ラグ３７に対応してスクレパ３８を設
け、鉄製ラグ３７に巻き付く草を取り除くようにしてい
る。

【００１３】中間部１５の周面には、側面視で三角状に
突出する板状突起１６をその板面が周方向に対して約１
５°傾けて取り付けている。この板状突起１６の傾き
は、走行輪５に駆動力を付与し、かつ草が絡み付かない
ようにするもので、周方向に対して１０°から４５°程
度の傾きとすればよい。また、この板状突起１６の突出
高さは、両側部１３，１４の径よりも小さくしている。
ギヤケース９の上部には、取付台３９を取り付け、この
取付台３９にハンドル基台４０を水平回動可能に取り付
けている。４１はハンドル基台４０の取付台３９に対す
る水平回動位置を固定する固定具で、真後位置から左右
２０°，２５°，７０°，９０°の各回動位置で固定で
きるようにしている。

【００１４】ハンドル基台４０には、支軸１７を立設
し、この支軸１７の上部に後方へ向けてブラケット５０
を突設し、このブラケット５０にハンドル杆１８の基部
を横軸４２で上下回動可能に枢支している。ハンドル杆
１８の下端に固着した係止片４３の凹部に係止ピン４４
が係合することでハンドル杆１８の傾斜起立角度を変更
している。また、支軸１７には、前記ブラケット４１と
逆方向に取っ手１９を突設し、この支軸１７部を覆うカ
バー２０に開口部２１を形成し、この開口部２１から作
業者の手を取っ手１９に差し込んで、機体を持ち上げら
れるようにしている。

【００１５】ハンドル杆１８の先端にはループ状の取っ
手４５を取り付け、この取っ手４５にエンジン２２に継
がるアクセルレバー４６を取り付け、ハンドル杆１８と
の取付部にハンドル杆１８の上下回動固定具４４にワイ
ヤーで連結した上下固定レバー４７と水平固定具４１に
ワイヤーで連結した水平固定レバー４８を取り付けてい
る。ハンドル杆１８に対して取っ手４５を締付具４９で
締め付けて固定しているので、この結付具４９を緩めて
取っ手４５の取付角度を変更をできる。

【００１６】このように構成した草刈機を使用する場合
には、上下固定レバー４７を操作して取っ手４５が作業
者の持ち易い高さとなるようにして、前進走行しながら
草を刈り倒す。刈り倒された草は刈刃３，４の回転で左
右中央に集まりながら走行輪５の中央部１５の下方を通
過して後方へ排出される。畦の上面を作業者が歩きなが
ら、畦の傾斜面の草を刈る場合には、水平固定レバー４
８を操作してハンドル杆１８を機体の横向きにして作業
者が畦道を歩きながらハンドル杆１８を持って機体が傾
斜面を横方向へ走行するように操作する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の全体平面図である。

【図２】本発明実施例の全体側面図である。

【図３】本発明実施例の一部拡大側面図である。

【図４】本発明実施例の一部拡大正面図である。

【図５】本発明実施例の一部拡大平面図である。

【符号の説明】

１ 回転軸 ２ 回転軸 ３ 刈刃 ４ 刈刃 ５ 走行輪 ６ 外側面 ７ 上側面 ８ カバー ９ ギヤケース １０ 伝動機構 １１ カバー前端

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−81723（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−129907（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−52532（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−148613（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−9228（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−103827（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−21836（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−106763（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01D 34/63 - 34/90

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前側の左右に立設する回転軸（１），
   （２）に刈刃（３），（４）を上下二段に配設し、この
   後側に少なくとも前記回転軸（１），（２）の軸間隔よ
   りも幅広く刈刃（３），（４）の刃先の描く回転軌跡幅
   よりも狭い幅の走行輪（５）を設け、前記刈刃（３），
   （４）の回転軌跡の両外側から走行輪（５）の両端部へ
   向けて狭めて左右外側を覆う外側面（６），（６）と刈
   刃（３），（４）の上側を覆う上側面（７）を一体に形
   成した刈刃カバー（８）を設けるとともに、回転軸
   （１），（２）と走行輪（５）に駆動力を伝動するギヤ
   ケース（９）をカバー（８）の上方に設け、該ギヤケー
   ス（９）から走行輪（５）を軸支駆動するアーム（２
   ５），（２６）を刈刃カバー（８）両外側面（６），
   （６）後部の幅狭部に配置してなる歩行型草刈機。
2. 【請求項２】回転軸（１），（２）と走行輪（５）に駆
   動力を伝動するギヤケース（９）をカバー（８）の上方
   に設け、このギヤケース（９）から回転軸（１），
   （２）に駆動力を伝動する伝動機構（１０）を設け、刈
   刃（３），（４）を覆うカバー（８）の前側をその前端
   （１１）が前記伝動機構（１０）よりも高くなるまで斜
   め前方に向けて起立してなる請求項１に記載の歩行型草
   刈機。