JP3209568U - タイヤデータ収集装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤデータを画一的に収集することが可能なデータ収集装置を提供する。【解決手段】本体部と、タイヤが取り付けられているホイールをチャッキングするチャッキング位置と、各種の測定を行う測定位置との間を移動可能となるように本体部に接続されたアームと、アームによってタイヤのトレッド部に対向する位置に配置され、タイヤの残溝に関する信号を検知するセンサSN1と、測定位置に移動されたタイヤのサイドウォール部に対向する位置に配置され、タイヤサイズ表示を撮影する第1カメラCM1と、測定位置に移動されたホイールの側面に対向し且つタイヤ全体が画角に収まる位置に配置され、ホイールを含むタイヤの側面部分を撮影する第2カメラCM2と、センサ、第1カメラCM1及び第2カメラCM2に接続されたコントローラCT3と、タイヤデータをデータサーバに送信する通信部CD3と、を備える。【選択図】図10
Description
本考案は、タイヤデータ収集装置に関する。
自動車の解体作業においては、タイヤをホイールから取り外す作業(以下、取り外し作業とも称する)を手動(人間による手作業)で行っていた。
しかしながら、手動による取り外し作業では、常に同じスピードで取り外し作業を行うことが困難であり、また、人為的なミスが発生する可能性が有る。また、取り外し作業は数十種類にも及ぶ作業工程からなり、作業者が当該取り外し作業の技術を習得するために多くの時間(少なくとも3年程度)を要する。
これに対して、タイヤ(自動車タイヤ)を手作業によらず機械操作によってホイールから取り外す装置(タイヤ取外し装置)が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、循環型社会の到来により、解体作業で取り外されたタイヤのうち状態の良いものは、再利用されることが求められる。そのためには、再利用可能なタイヤとそれ以外のタイヤとを峻別すべく、取り外されたタイヤの状態を確認する必要が有る。換言すれば、タイヤの状態に関するデータ(以下、タイヤデータとも称する)を収集する必要が有る。
そこで、取り外されたタイヤを作業者が目視確認することにより、タイヤデータを収集すること等が想定される。
しかしながら、目視確認では、作業者による誤差(ばらつき)が生じ易く、タイヤデータを画一的に収集できない可能性が有る。
そこで本考案は、タイヤデータを画一的に収集することが可能なタイヤデータ収集装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案は、タイヤサイズを含むタイヤデータを収集するタイヤデータ収集装置であって、タイヤのサイドウォール部に施されたタイヤサイズ表示を第1カメラで撮影した撮影画像に基づいて、前記タイヤの幅、扁平率及びリム径の少なくとも1つを前記タイヤサイズとして取得するタイヤサイズ取得部と、前記タイヤが取り付けられているホイールを含む前記タイヤの側面部分を第2カメラで撮影した撮影画像に基づいて、前記タイヤのタイヤ外径を取得するタイヤ外径取得部と、前記タイヤのトレッド部をセンサによりセンシングした信号に基づいて、前記トレッド部に施された溝の深さを示す残溝を取得する残溝取得部と、前記タイヤサイズと前記タイヤ外径と前記残溝との少なくとも1つをタイヤデータとしてデータサーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とするタイヤデータ収集装置を更に提供している。
請求項1記載のタイヤデータ収集装置によれば、タイヤデータを画一的に収集することが可能である。
<1.第1実施形態>
本考案の第1実施形態によるタイヤ管理システムについて図1乃至図11に基づいて説明する。
本考案の第1実施形態によるタイヤ管理システムについて図1乃至図11に基づいて説明する。
以下では、先に「タイヤ取り外し作業の概要」を説明し、その後、「タイヤ管理システムの構成」を説明する。
<1−1.タイヤ取り外し作業の概要>
図1は、タイヤ搬入からタイヤデータの測定までの流れを示す概念図である。第1実施形態では、タイヤ取り外し作業を開始する前に、作業者によるタイヤの劣化評価が行われる。
図1は、タイヤ搬入からタイヤデータの測定までの流れを示す概念図である。第1実施形態では、タイヤ取り外し作業を開始する前に、作業者によるタイヤの劣化評価が行われる。
具体的には、作業者は、タイヤの劣化具合を目視確認した上で、評価ランクを設定し、操作入力受付装置(図示せず)を介して入力する。評価ランクは、タイヤの状態が良いものから順に「S」,「A」,「B」,「C」,「D」,「E」の6段階に分けられる。すなわち、最も状態の良いタイヤには評価ランク「S」が設定され、最も状態の悪いタイヤには評価ランク「E」が設定される。操作入力受付装置としては、タッチパネル式表示器等が用いられる。また、操作入力受付装置を介して受け付けられる評価ランクは、後述のデータサーバ3(図10参照)に送信される。
作業者による評価ランクの設定が完了すると、図1に示すように、タイヤ4本(タイヤTR1〜TR4)が1セットとしてタイヤ置台SDに搬入(投入)される。
そして、1本目のタイヤTR1は、前方に転がりチャッキング位置PS1に移動する。一方、2本目以降のタイヤTR2〜TR4は、ストッパーSTによりチャッキング位置PS1の後方に留められる。
この後、タイヤ取外装置4は、アームを作動させて、当該アームの先端部をタイヤTR1のホイールWH1にチャッキング(固定)する。
具体的には、図2に示すように、タイヤ取外装置4は、チャッキング位置PS1において、ホイールWH1の中央にタイヤ取外装置4のアーム先端部を挿入してチャッキングする。なお、図2は、図1の破線部分を後方から見た図である。
図1及び図2に示すように、タイヤ取外装置4は、ホイールWH1をチャッキングした状態でアームを上方に持ち上げる。これにより、タイヤTR1は、チャッキング位置PS1から測定位置PS2に移動する。
図2に示すように、測定位置PS2では、タイヤTR1の上方且つ当該タイヤTR1のトレッド部に対向する位置に変位センサSN1が設けられている。変位センサSN1は、レーザー光や赤外線等の電磁波や超音波を放射し、その反射波を検知することにより、対象物までの距離データに関する信号を出力するセンサ(測距センサとも称する)である。ここでは、変位センサSN1は、トレッド部をセンシング(測定)することにより、トレッド部までの距離に関する信号を出力する。ここでは、変位センサSN1は、トレッド部までの距離が短い部分を山部として検出し、トレッド部までの距離の長い部分を溝部として検出する。
変位センサSN1により出力された信号は、後述のタイヤデータ収集装置2(図10参照)に転送される。なお、後述するように、タイヤデータ収集装置2は、変位センサSN1による信号に基づいて、トレッド部に施された溝の深さを示す残溝値を取得する。詳細には、タイヤデータ収集装置2は、変位センサSN1から山部までの距離と変位センサSN1から溝部までの距離との差を残溝値として算出する。
また、図2に示すように、測定位置PS2では、ホイールWH1の左側の側面に対向する位置に近接センサSN2が配置されている。近接センサSN2は、ホイールWH1に接近した状態で当該ホイールWH1をセンシングする。この近接センサSN2により出力された信号は、後述のタイヤデータ収集装置2(図10参照)に転送される。なお、後に詳述するように、タイヤデータ収集装置2は、近接センサSN2による信号に基づいて、ホイールWH1の材質(詳細には、アルミ材質又はスチール材質)を取得する。
また、図2に示すように、測定位置PS2では、タイヤTR1のサイドウォール部に対向する位置にラインカメラCM1も設けられている。ラインカメラ(ラインセンサカメラ)は、CCD素子(固体撮像素子)が一列に並び、一次元的な画像を撮影するカメラである。なお、ラインカメラCM1は、次述のエリアカメラCM2に比べて、高解像度の画像を撮像することが可能である。
さらに、図2に示すように、測定位置PS2では、ホイールWH1の左側の側面に対向し且つタイヤTR1全体が画角に収まる位置にエリアカメラCM2も設けられている。エリアカメラ(エリアセンサカメラ)は、CCD素子が縦横方向に並び、二次元的に画像を撮影するカメラである。
図3は、タイヤTR1のサイドウォール部に施されたタイヤサイズ表示がラインカメラCM1により撮影される様子を示す図である。図3に示すように、ラインカメラCM1は、一方向に回転するタイヤTR1のサイドウォール部に施されたタイヤサイズ表示を1ラインずつ撮影する。このとき、タイヤTR1は、タイヤ取外装置4のアームの先端部の回転に伴って所定方向に回転する。ラインカメラCM1で撮影された撮影画像は、後述のタイヤデータ収集装置2(図10参照)に転送される。また、後述するように、タイヤデータ収集装置2は、ラインカメラCM1による撮影画像に基づいて、タイヤTR1の幅、扁平率及びリム径をタイヤサイズとして取得する。
図4は、タイヤの側面部分をエリアカメラCM2が撮影する様子を示す図である。図4に示すように、エリアカメラCM2は、タイヤTR1の側面部分の全体を撮影する。エリアカメラCM2で撮影された撮影画像は、後述のタイヤデータ収集装置2(図10参照)に転送される。なお、後に詳述するように、タイヤデータ収集装置2は、エリアカメラCM2による撮影画像に基づいて、タイヤTR1のタイヤ外径を算出する。
測定位置PS2におけるタイヤデータの測定が完了すると、タイヤ取外装置4は、図5に示すように、取外器具5が存在する位置にアームを移動させ、タイヤTR1とホイールWH1との境目に取外器具5の円盤部を差し込む。この後、タイヤ取外装置4は、アームの先端部を回転させることにより、タイヤTR1をホイールWH1から徐々に取り外す。この後、いくつかの工程を経て、タイヤTR1がホイールWH1から取り外される。このタイヤの取り外し作業では、公知のタイヤ取り外し装置が用いられるものとする。
タイヤTR1がホイールWH1から取り外されると、図6に示すように、当該タイヤTR1は、取外器具5の2本の支柱の間隙に一旦置かれる。
その後、タイヤ取外装置4は、タイヤデータ収集装置2からホイールWH1の材質(詳細には、アルミ材質又はスチール材質)を取得する。そして、タイヤ取外装置4は、ホイールWH1の材質に応じたパレットにホイールWH1を収容する。例えば、ホイールWH1の材質がスチール材質の場合、図7に示すように、タイヤ取外装置4は、スチール材質のホイールを収容するためのパレットPL3上にホイールWH1を移動させた上で、チャッキングを解除し、当該ホイールWH1をパレットPL3に収容する。このように、タイヤ取外装置4は、ホイールWHの材質に応じて分類された2種類のパレットPL3,PL4のうち該当するパレット(例えば、パレットPL3)にホイールWH1を収容する。
ホイールWH1のパレットへの収容が完了すると、今度は、タイヤ取外装置4は、タイヤTR1をパレットに収容する。
具体的には、タイヤ取外装置4は、タイヤデータ収集装置2からタイヤTR1の残溝値を取得するとともに、タイヤTR1の新品時の残溝値(本考案に係る基準値の一例)を取得する。そして、タイヤ取外装置4は、新品時の残溝値(基準値)に対するタイヤTR1の残溝値の割合(=タイヤTR1の残溝値/新品時の残溝値)を算出する。この後、タイヤ取外装置4は、図8に示すように、アームの先端部をタイヤTR1の穴に差し込んで持ち上げる。
ここで、新品時の残溝値に対するタイヤTR1の残溝値の割合が40%以上である場合、図9に示すように、タイヤ取外装置4は、パレットPL2上にタイヤTR1を移動させた上で、アームの先端部をタイヤTRの穴から抜き取り、当該タイヤTR1をパレットPL2に収容する。なお、パレットPL2は、新品時の残溝値に対するタイヤの残溝値の割合が40%以上のタイヤを収容するためのパレットである。また、パレットPL1は、新品時の残溝値に対するタイヤの残溝値の割合が40%未満のタイヤを収容するためのパレットである。このように、タイヤ取外装置4は、新品時の残溝値に対するタイヤの残溝値の割合に応じて分類された2種類のパレットPL1,PL2のうち該当するパレット(例えば、パレットPL2)にタイヤTR1を収容する。
以上のような手順に沿って、タイヤTR1がホイールWH1から取り外される。タイヤTR1の取り外し作業が完了すると、2本目以降のタイヤTR2〜TR4についても上記と同様に取り外し作業が順次実施される。
<1−2.タイヤ管理システムの構成>
次に、図10を参照しながら、本実施形態に係るタイヤ管理システム1の構成を詳細に説明する。
次に、図10を参照しながら、本実施形態に係るタイヤ管理システム1の構成を詳細に説明する。
図10に示すように、タイヤ管理システム1は、タイヤデータ収集装置2、データサーバ3、タイヤ取外装置4、クライアントコンピュータ6、ラインカメラCM1、エリアカメラCM2、変位センサSN1及び近接センサSN2等を備えて構成される。なお、ラインカメラCM1及びエリアカメラCM2は、それぞれ、本考案に係る第1カメラ及び第2カメラの一例である。また、変位センサSN1及び近接センサSN2は、それぞれ、本考案に係る第1センサ及び第2センサの一例である。
タイヤデータ収集装置2は、タイヤデータを収集するとともに、収集したタイヤデータをデータサーバ3に送信する装置である。具体的には、図10に示すように、タイヤデータ収集装置2は、記憶部ST2、コントローラCT2及び通信部CD2等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
記憶部ST2は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。この記憶部ST2には、複数のサンプル画像SP1,SP2,…が記憶されている。サンプル画像SP1,SP2,…は、各種のタイヤのサイドウォール部に施されるタイヤサイズ表示に関する画像であり、後述のパターンマッチング処理に用いられる。
また、記憶部ST2には、タイヤTRの残溝値やホイール材質も一時的に記憶される。
コントローラCT2は、タイヤデータ収集装置2に内蔵され、タイヤデータ収集装置2を統括的に制御する制御装置である。コントローラCT2は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラCT2は、CPUにおいて、ROM内に格納されているプログラムを実行することによって、各種の処理部を実現する。
具体的には、図10に示すように、コントローラCT2は、プログラムの実行により、タイヤサイズ取得部21とタイヤ外径取得部22と残溝取得部23とホイール材質取得部24とを含む各種の処理部を実現する。
タイヤサイズ取得部21は、上述のラインカメラCM1から転送されてくる撮影画像に基づいて、サイドウォール部に表示されている文字列からタイヤTRの幅、扁平率及びリム径をタイヤサイズとして取得する処理部である。具体的には、タイヤサイズ取得部21は、ラインカメラCM1による撮影画像と、記憶部ST2内の複数のサンプル画像SP1,SP2,…とをそれぞれ比較し、パターンマッチング処理を実行する。そして、タイヤサイズ取得部21は、ラインカメラCM1による撮影画像にマッチしたサンプル画像のタイヤの幅、扁平率及びリム径を、タイヤTRの幅、扁平率及びリム径として取得する。図3の例では、「175/60R14」という文字列から、幅「175」、扁平率「60」及びリム径「14」が取得される。
タイヤ外径取得部22は、上述のエリアカメラCM2から転送されてくる撮影画像に基づいて、タイヤTRのタイヤ外径を取得する処理部である。具体的には、タイヤ外径取得部22は、焦点距離(画角)及びタイヤTRの側面部分(被写体)までの距離等に基づく一般的な画像処理技術を利用して、タイヤTRのタイヤ外径を算出して取得する。
残溝取得部23は、上述の変位センサSN1から転送されてくる信号に基づいて、タイヤTRの残溝値を算出して取得する処理部である。具体的には、残溝取得部23は、変位センサSN1による信号に基づいて、変位センサSN1からトレッド部の山部までの距離と、変位センサSN1から当該トレッド部の溝部までの距離との差を残溝値として算出して取得する。
ホイール材質取得部24は、上述の近接センサSN2から転送されてくる信号に基づいて、ホイールWHの材質を取得する処理部である。具体的には、ホイール材質取得部24は、近接センサSN2による信号に基づいて、ホイールWHの材質(スチール材質又はアルミ材質)を取得する。
通信部CD2は、ネットワークを介したネットワーク通信を行うことが可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、タイヤデータ収集装置2は、所望の相手先(たとえば、データサーバ3)との間で各種のデータを授受することが可能である。
特に、通信部CD2は、タイヤサイズ取得部21により取得されたタイヤTRの幅、扁平率及びリム径をタイヤデータとしてデータサーバ3に送信する。また、通信部CD2は、タイヤ外径取得部22により取得されたタイヤTRのタイヤ外径をタイヤデータとしてデータサーバ3に送信する。また、通信部CD2は、残溝取得部23により取得されたタイヤTRの残溝値をタイヤデータとしてデータサーバ3に送信する。さらに、通信部CD2は、エリアカメラCM2により撮影された撮影画像をタイヤデータとしてデータサーバ3に送信する。
続いて、データサーバ3の構成について説明する。データサーバ3は、タイヤTRに関する各種のデータを管理するためのサーバである。具体的には、図10に示すように、データサーバ3は、記憶部ST3、コントローラCT3及び通信部CD3等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
記憶部ST3は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。この記憶部ST3は、タイヤデータ収集装置2から受信する撮影画像を記憶するとともに、次述の管理テーブルTB(図11参照)を記憶する。
図11に示すように、管理テーブルTBは、タイヤデータを記憶するための情報テーブルである。
具体的には、管理テーブルTBは、タイヤデータに関する各種項目(「識別ID」、「残溝割合」、「評価ランク」、「幅」、「扁平率」、「リム径」、「タイヤ外径」及び「画像ファイル名」)を有する。
「識別ID」には、タイヤTRに対して付与される識別番号が入力される。たとえば、図11に示すように、タイヤTR1〜TR4には、それぞれ、「T020−1」〜「T020−4」が識別番号として入力されている。ここで「T020」の部分は車体の識別番号を示しており、タイヤTR1〜TR4は、その車体から取り外された4本のタイヤであることを認識することが可能である。
「残溝割合」には、新品時の残溝値に対するタイヤの残溝値の割合(=タイヤの残溝値/新品時の残溝)がパーセントで入力される。具体的には、図10に示す更新部31(後述)は、タイヤの残溝値と、当該タイヤの新品時の残溝値とをタイヤデータ収集装置から取得した上で、新品時の残溝値に対するタイヤの残溝値の割合を算出し、「残溝割合」に入力する。
「評価ランク」には、作業者により入力された評価ランク(「S」,「A」〜「E」の6段階評価)が入力される。
「幅」、「扁平率」及び「リム径」には、タイヤデータ収集装置2のタイヤサイズ取得部21により取得され、当該タイヤデータ収集装置2から受信した値がそれぞれ入力される。
「タイヤ外径」には、タイヤデータ収集装置2のタイヤ外径取得部22により取得され、当該タイヤデータ収集装置2から受信した値が入力される。
「画像ファイル名」には、エリアカメラCM2による撮影画像のファイル名が入力される。
管理テーブルTBは、タイヤデータ収集装置2からタイヤデータを受信する度に更新される。
コントローラCT3は、データサーバ3に内蔵され、データサーバ3を統括的に制御する制御装置である。コントローラCT3は、上述のコントローラCT2と同様の構成を有しており、具合的には、更新部31及び生成部32を含む各種の処理部を実現する。
更新部31は、タイヤデータ収集装置2から受信するタイヤデータに基づいて、記憶部ST3内の管理テーブルTB(図11参照)を更新する処理部である。
生成部32は、クライアントコンピュータ6からの要求に応じて、タイヤデータを視認するための表示用データを生成する処理部である。具体的には、生成部32は、図11に示す管理テーブルTBをクライアントコンピュータ6で閲覧(視認)するための表示用データを生成する。
通信部CD3は、ネットワークNWを介したネットワーク通信を行うことが可能である。当該ネットワーク通信を利用することによって、データサーバ3は、所望の相手先(たとえば、タイヤデータ収集装置2又はクライアントコンピュータ6)との間で各種のデータを授受することが可能である。
特に、通信部CD3は、クライアントコンピュータ6からの要求に応じて、生成部32で生成された表示用データを要求元(クライアントコンピュータ6)に送信する。
以上のように、本実施形態にかかるタイヤ管理システム1によれば、ラインカメラCM1による撮影画像に基づいてタイヤTRの幅、扁平率及びリム径が取得され、タイヤデータとしてデータサーバ3に送信される。
また、エリアカメラCM2による撮影画像に基づいてタイヤTRのタイヤ外径が算出され、タイヤデータとしてデータサーバ3に送信される。
さらに、変位センサSN1による信号に基づいてタイヤTRの残溝値が取得され、タイヤデータとしてデータサーバ3に送信される。
したがって、タイヤTRに関するタイヤデータ(詳細には、幅、扁平率、リム径、タイヤ外径及び残溝値)を画一的に収集することが可能となり、作業者の誤認識等に伴う誤差(ばらつき)を防止することが可能である。また、取り外されたタイヤの在庫を自動で管理することが可能である。
また、操作入力受付装置を介して受け付けられるタイヤTRの評価ランクもタイヤデータとしてデータサーバ3に送信されるので、評価ランクについてもデータサーバ3で管理することが可能である。
また、エリアカメラCM2による撮影画像もタイヤデータとしてデータサーバ3に送信されるので、タイヤの側面部分の画像を顧客に提供することが可能である。
たとえば、本実施形態では、上述したように、クライアントコンピュータ6からの要求に応じて、データサーバ3は、タイヤデータを閲覧するための表示用データを生成して当該クライアントコンピュータ6に送信する。
これに対して、クライアントコンピュータ6は、データサーバ3から送信されてきた表示用データに基づいて、図11に示すような管理テーブルTBを表示する。ここで、特定のファイル名がユーザ(顧客)によって選択されると、クライアントコンピュータ6は、データサーバ3に対して該当する画像ファイルを要求する。
当該要求に応じて、データサーバ3は、該当する画像ファイルを当該クライアントコンピュータ6に送信する。
そして、クライアントコンピュータ6は、データサーバ3から受信する画像ファイルを表示する。
このような動作が行われることにより、クライアントコンピュータ6のユーザ(顧客)は、タイヤの側面部分の画像を閲覧することが可能である。
また、本実施形態では、新品時の残溝値に対するタイヤの残溝値の割合に応じて分類された複数のパレットPL1,PL2のうち該当するパレットにタイヤTRが収容される。そのため、新品時の残溝値に対するタイヤの残溝値の割合に応じて当該タイヤを所定のパレットに自動で収容することが可能である。すなわち、タイヤTRの取り外し後の手間を削減することが可能である。
また、本実施形態では、ホイールWHの材質に応じて分類された複数のパレットPL3,PL4のうち該当するパレットにホイールWHが収容される。そのため、ホイールWHの材質に応じたパレットに当該ホイールWHを自動で収容することが可能である。すなわち、タイヤTRの取り外し後の手間を削減することが可能である。
また、本実施形態に係るタイヤ管理システム1によれば、タイヤ取り外し作業における作業工程の大部分が自動化されるので、作業全体に要する作業時間を大幅に削減することが可能である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態について、以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態について、以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
第1実施形態では、作業者がタイヤの劣化具合を目視で確認し、タイヤの評価ランクが手動で設定される場合を例示した。
一方、第2実施形態では、後述の画像処理を行うことによって、タイヤの評価ランクが自動で設定される場合を例示する。
図12は、第2実施形態に係るタイヤデータ収集装置2のコントローラCT20の構成を示す図である。
コントローラCT20は、図10に示す第1実施形態のコントローラCT2の各要素21,22,23,24に加え、溝部領域特定部25と、切出部26と、二値化変換部27と、評価ランク設定部28とを備えている。
この第2実施形態では、図2の測定位置PS2においてサイドウォール部の撮影が完了すると、タイヤ取外装置4は、図13に示すように、タイヤTRのトレッド部をラインカメラCM1の撮影面に対向させる。この状態にて、ラインカメラCM1は、タイヤTRのトレッド部を撮影する。図14には、ラインカメラCM1により撮影されたトレッド部の撮影画像の一例として、撮影画像MG3が示されている。
タイヤデータ収集装置2は、ラインカメラCM1から撮影画像MG3のデータを受信すると、当該データに基づいて撮影画像MG3を白黒反転し、図15に示す白黒反転画像MG4を生成する。
この後、溝部領域特定部25は、変位センサSN1によりセンシングされて出力される信号に基づいて、白黒反転画像MG4の中から溝部に対応する溝部領域を特定する。具体的には、溝部領域特定部25は、白黒反転画像MGの中から他の部分に比べて距離の長い部分(すなわち、変位センサSN1から離れている部分)を溝部として特定する。
溝部領域特定部25により溝部が特定されると、切出部26は、白黒反転画像MG4の溝部領域の一部を評価対象画像MG40として切り出す(図15及び図16参照)。
その後、二値化変換部27は、評価対象画像MG40(図16参照)を黒部及び白部からなる二値画像MG41(図17参照)に変換する。図17では、白部が溝部のひび割れに対応しており、黒部がそれ以外(ひび割れでない部分)に対応する。
そして、評価ランク設定部28は、二値画像MG41全体に占める白部(ひび割れ部分)の割合に基づいて、タイヤの評価ランクを設定する。第2実施形態では、白部の割合に応じて、6段階の評価ランクS,A〜Eが予め定められているものとする。そのため、評価ランク設定部28は、二値画像MG41全体に占める白部の割合に応じて、6段階の評価ランクS,A〜Eの中から該当する評価ランクを自動的に設定する。なお、第1実施形態と同様に、評価ランクは、タイヤの状態が良いものから順に「S」,「A」,「B」,「C」,「D」,「E」の6段階に分けられているものとする。
したがって、二値画像MG41全体に占める白部の割合が大きければ、ひび割れが多いと判定されるため、比較的悪い評価ランクが設定される。他方、白部の割合が小さければ、ひび割れが少ないと判定され、比較的良い評価ランクが設定される。
以上のように、第2実施形態では、トレッド部の撮影画像MG3(図14)を白黒反転した白黒反転画像MG4(図15)の中から溝部領域が特定される。その後、溝部領域の一部が評価対象画像MG40(図15及び図16)として切り出され、当該評価対象画像が二値画像MG41(図17)に変換される。そして、二値画像MG41に占める白部(ひび割れ部)の割合に基づいて、タイヤの評価ランクが設定される。そのため、タイヤの評価ランクを画一的に設定することが可能である。
なお、第2実施形態では、タイヤの評価ランクを設定する際に、山部の画像ではなく、溝部の画像が用いられる。その理由は、次のとおりである。すなわち、溝部は、山部と異なり通常の車両走行時に道路面に接触しない。そのため、溝部は、ゴム摩耗によらない純粋な経年劣化によるひび割れが生じ易い。よって、溝部の画像を用いれば、より正確なタイヤの劣化評価を行える可能性が高い。
また、第2実施形態では、撮影画像MG3を白黒反転させた白黒反転画像MG4の溝部領域から評価対象画像MG40を切り出し、二値化する場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、撮影画像MG3を白黒反転することなく、撮影画像MG3から評価対象画像を直接切り出し、二値化するようにしてもよい。この場合、評価ランク設定部28は、二値画像全体に占める黒部(ひび割れ部分)の割合に基づいて、タイヤの評価ランクを設定する。
<3.変形例>
本考案によるタイヤ管理システムは上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
本考案によるタイヤ管理システムは上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
例えば、上記各実施形態では、管理テーブルTB(図11参照)の「画像ファイル名」にファイル名が入力される場合を例示したが、これに限定されず、サムネイル画像等が入力されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、ホイールから取り外されたタイヤがパレットPL1,PL2のいずれかに収容される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、新品時の残溝値に対するタイヤTR1の残溝値の割合に応じたより多くのパレットを準備しておき、ホイールから取り外されたタイヤをより細かく分けて収容するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、評価ランクが「S」,「A」〜「E」の6段階の基準で評価される場合を例示したが、これに限定されず、より多くの基準を用いて評価されるようにしてもよく、あるいは、より少ない基準を用いて評価されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、エリアカメラCM2による撮影画像がデータサーバ3の記憶部ST3に記憶される場合を例示したが、これに限定されず、データサーバ3とは別個に設けられた専用サーバ内の記憶部に記憶されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、タイヤのトレッド部がラインカメラCM1により撮影される場合を例示した、これに限定されず、パターンマッチング処理に支障がなければ、エリアカメラCM2と同様に二次元的に画像を撮影するカメラを用いて撮影するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、トレッド部の撮影画像MG3を利用してタイヤの評価ランクが設定される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、サイドウォール部の撮影画像を利用して評価ランクが設定されるようにしてもよい。
具体的には、タイヤのサイドウォール部を撮影した撮影画像のデータがラインカメラCM1から転送されると、タイヤデータ収集装置2は、当該撮影画像を白黒反転し、白黒反転画像を生成する。その上で、切出部26は、当該白黒反転画像の一部を評価対象画像として切り出す。この後、二値化変換部27は、評価対象画像を黒部及び白部からなる二値画像に変換する。そして、評価ランク設定部28は、二値画像MG41全体に占める白部(ひび割れ部分)の割合に基づいて、タイヤの評価ランクを設定する。
以上のように本考案にかかるタイヤ管理システムは、タイヤデータを画一的に収集するのに適している。
1 タイヤ管理システム、2 タイヤデータ収集装置、3 データサーバ、
4 タイヤ取外装置、5 取付器具、6 クライアントコンピュータ、
21 タイヤサイズ取得部、22 タイヤ外径取得部、23 残溝取得部、
24 ホイール材質取得部、31 更新部、32 生成部、CD2 通信部、
CD3 通信部、CM1 ラインカメラ、CM2 エリアカメラ、
CT2 コントローラ、CT3 コントローラ、
PL1,PL2,PL3,PL4 パレット、
PS1 チャッキング位置、PS2 測定位置、SD タイヤ置台、
SN1 変位センサ、SN2 近接センサ、SP1,SP2 サンプル画像、
ST ストッパー、ST2 記憶部、ST3 記憶部、
TB 管理テーブル、TR1〜TR4 タイヤ、WH ホイール
4 タイヤ取外装置、5 取付器具、6 クライアントコンピュータ、
21 タイヤサイズ取得部、22 タイヤ外径取得部、23 残溝取得部、
24 ホイール材質取得部、31 更新部、32 生成部、CD2 通信部、
CD3 通信部、CM1 ラインカメラ、CM2 エリアカメラ、
CT2 コントローラ、CT3 コントローラ、
PL1,PL2,PL3,PL4 パレット、
PS1 チャッキング位置、PS2 測定位置、SD タイヤ置台、
SN1 変位センサ、SN2 近接センサ、SP1,SP2 サンプル画像、
ST ストッパー、ST2 記憶部、ST3 記憶部、
TB 管理テーブル、TR1〜TR4 タイヤ、WH ホイール
上記目的を達成するために、本考案は、タイヤサイズを含むタイヤデータを収集するタイヤデータ収集装置であって、本体部と、タイヤが取り付けられているホイールをチャッキングするチャッキング位置と、各種の測定を行う測定位置との間を移動可能となるように前記本体部に接続されたアームと、前記アームによって前記測定位置に移動された前記タイヤのトレッド部に対向する位置に配置され、前記タイヤのトレッド部をセンシングして前記タイヤの残溝に関する信号を検知するセンサと、前記測定位置に移動された前記タイヤのサイドウォール部に対向する位置に配置され、前記タイヤのサイドウォール部に施されたタイヤサイズ表示を撮影する第1カメラと、前記測定位置に移動された前記ホイールの側面に対向し且つ前記タイヤ全体が画角に収まる位置に配置され、前記ホイールを含む前記タイヤの側面部分を撮影する第2カメラと、前記センサ、前記第1カメラ及び前記第2カメラに接続されたコントローラと、通信ネットワークに接続可能に構成され、前記センサ、前記第1カメラ及び前記第2カメラから前記コントローラに転送される信号に基づき前記コントローラで取得されたタイヤデータをデータサーバに送信する通信部とを備えることを特徴とするタイヤデータ収集装置を提供している。
Claims (1)
- タイヤサイズを含むタイヤデータを収集するタイヤデータ収集装置であって、
タイヤのサイドウォール部に施されたタイヤサイズ表示を第1カメラで撮影した撮影画像に基づいて、前記タイヤの幅、扁平率及びリム径の少なくとも1つを前記タイヤサイズとして取得するタイヤサイズ取得部と、
前記タイヤが取り付けられているホイールを含む前記タイヤの側面部分を第2カメラで撮影した撮影画像に基づいて、前記タイヤのタイヤ外径を取得するタイヤ外径取得部と、
前記タイヤのトレッド部をセンサによりセンシングした信号に基づいて、前記トレッド部に施された溝の深さを示す残溝を取得する残溝取得部と、
前記タイヤサイズと前記タイヤ外径と前記残溝との少なくとも1つをタイヤデータとしてデータサーバに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするタイヤデータ収集装置。
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