JP3209145B2 - 枠体の取付装置 - Google Patents

枠体の取付装置

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JP3209145B2
JP3209145B2 JP16602897A JP16602897A JP3209145B2 JP 3209145 B2 JP3209145 B2 JP 3209145B2 JP 16602897 A JP16602897 A JP 16602897A JP 16602897 A JP16602897 A JP 16602897A JP 3209145 B2 JP3209145 B2 JP 3209145B2
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谷 一 郎 水
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三協アルミニウム工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅やビルの窓や
出入り口などの躯体開口部に、サッシ枠やドア枠のよう
な枠体を取付けるための枠体の取付装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、集合住宅やオフィスビルなどのコ
ンクリート建築物の外壁や内壁に窓やドアなどを設ける
ために、躯体開口部にサッシ枠やドア枠などを取付ける
に際しては、躯体開口部内に枠体を嵌め込み、適当な治
具によって仮止めしたのち、枠体の垂直、水平および前
後の倒れを水準器や水糸などにより確認しつつ、開口部
の周辺にマーキングされた芯墨、陸墨、出入墨などの基
準線に従い、楔の打込み量を調整することによって枠体
の取付位置を決定する。
【0003】そして、枠体に取付けた金具に、躯体側に
あらかじめ埋め込まれ、開口部の内周面から突出してい
るアンカー部材用差金を溶接したのち、枠体と躯体との
間の隙間にモルタルを詰め込むようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の枠体の取付作業においては、アンカー部材用
差金と枠体側の金具とを溶接することによって枠体を開
口部内の所定位置に固定する関係上、作業に溶接作業資
格が必要となって作業者が限定されるばかりでなく、溶
接機の搬入・搬出、電源配線工事が必要であること、さ
らには、溶接の火花から保護するために枠体や周囲への
養生が必要であること、溶接の熱歪みによって枠体の取
付位置に狂いが生じ、取付精度が低下する可能性がある
ことなどの問題点があって、このような問題点を解消す
ることが、枠体の取付工事におけるコスト削減および工
期の短縮を図るうえでの課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、従来の躯体開口部への枠体の
取付作業における上記課題に着目してなされたものであ
って、上記したような種々の問題を伴う溶接作業を行う
ことなしに、躯体開口部内に位置決めされた枠体をその
位置に容易に固定することができ、取付作業時間を短縮
し、コスト低減を図ることができる枠体の取付装置を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る枠体の取付装置は、枠体の外周部に取付けるアンカー
部材と、アンカー部材に躯体の開口部内周面に向けて摺
動可能に取付けてあり、開口部内周面に接着される接着
ピースを有し、アンカー部材には、接着ピースを案内す
るガイド溝を備えた支持部が設けてあり、ガイド溝が開
口部内周面に向けて傾斜していると共にアンカー部材の
支持部がガイド溝に平行な傾斜部を有しており、さらに
ガイド溝および傾斜部が開口部内周面に向けて45°に
傾斜しており、接着ピースには、アンカー部材の支持部
を受け入れるスリットと、アンカー部材のガイド溝に係
合する軸部がスリット内に形成してあり、スリット内に
はアンカー部材の傾斜部に当接する当接部が設けてあ
り、当接部が軸部に平行な面に対して45°に傾斜して
いると共に、スリットが軸部に平行な第1の面から軸部
に平行であって第1の面に連続する第2の 面に貫通して
おり、さらにスリットが開口している第1の面と第2の
面の寸法が相違している構成とし、本発明の請求項2に
係わる枠体の取付装置は、枠体の外周部に取付けるアン
カー部材と、アンカー部材に躯体の開口部内周面に向け
て摺動可能に取付けてあり、開口部内周面に接着される
接着ピースを有し、アンカー部材には、接着ピースを案
内するガイド溝を備えた支持部が設けてあり、ガイド溝
が開口部内周面に向けて傾斜していると共にアンカー部
材の支持部がガイド溝に平行な傾斜部を有しており、さ
らにガイド溝および傾斜部が開口部内周面に向けて45
°に傾斜しており、接着ピースには、アンカー部材の支
持部を受け入れるスリットと、アンカー部材の支持部に
圧接して接着ピースの自重による移動を阻止する圧着部
がスリット内に形成してあり、スリット内にはアンカー
部材の傾斜部に当接する当接部が設けてあり、当接部が
軸部に平行な面に対して45°に傾斜していると共に、
スリットが軸部に平行な第1の面から軸部に平行であっ
て第1の面に連続する第2の面に貫通しており、さらに
スリットが開口している第1の面と第2の面の寸法が相
違していることをことを特徴としており、枠体の取付装
置におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決
するための手段としている。
【0007】本発明の請求項3に係わる枠体の取付装置
は、枠体の外周部に取付けるアンカー部材と、アンカー
部材との螺合に基づいて躯体の開口部内周面に向けて移
動して開口部内周面に接着される接着ピースとを備え、
アンカー部材および接着ピースの一方にはおねじ部が、
他方にはめねじ部を備えたホルダー部がそれぞれ設けて
あって、ホルダー部には、めねじ部内に連通すると共に
おねじ部の径より小さい開口幅を有し、弾性変形によっ
ておねじ部を受け入れ、おねじ部の軸方向以外からのめ
ねじ部への螺合を許容する開放部が形成してある構成と
し、本発明の請求項4に係わる枠体の取付装置は、枠体
の外周部に取付けるアンカー部材と、アンカー部材との
螺合に基づいて躯体の開口部内周面に向けて移動して開
口部内周面に接着される接着ピースとを備え、アンカー
部材および接着ピースの一方にはおねじ部が、他方には
めねじ部を備えたホルダー部がそれぞれ設けてあって、
おねじ部は、軸部が方向によって幅寸法が異なる断面を
有し、軸部の最大幅寸法となる部分の周囲にホルダー部
のめねじ部に螺合するねじ山が形 成してあり、ホルダー
部には、めねじ部内に連通すると共に、おねじ部の最大
幅寸法より小さく最小幅寸法よりも大きい開口幅を有
し、おねじ部の軸方向以外からのめじ部への螺合を許容
する開放部が形成してある構成とし、枠体の取付装置に
おけるこのような構成を前述した従来の課題を解決する
ための手段としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる枠体の取付装
置は、枠体側に取付けるアンカー部材と、アンカー部材
と躯体の開口部内周面の間に位置する接着ピースから構
成され、接着ピースにはアンカー部材の支持部を受け入
れるスリットと、アンカー部材のガイド溝に係合する軸
部が設けてあるので、このスリット内にアンカー部材の
支持部を嵌合すると共に、アンカー部材のガイド溝に接
着ピースの軸部を係合させた状態で接着ピースを開口部
内周面に向けて移動させ、枠体と開口部内周面との距離
に応じた位置、すなわち接着ピースの一端側が内周面に
当接した位置で接着ピースを開口部内周面に接着するこ
とにより、枠体が躯体開口部内の所定位置に固定される
ことになる。このとき接着ピースはアンカー部材のガイ
ド溝によって案内されるのでアンカー部材に対する摺動
が安定した円滑なものとなる。さらに、アンカー部材の
ガイド溝が傾斜し、アンカー部材の支持部にはガイド溝
に平行な傾斜部を備え、接着ピースのスリット内に設け
た当接部がアンカー部材の傾斜部に当接するようになっ
ているので、移動に際して接着ピースの回転が規制さ
れ、接着ピースの開口部内周面への接着面が水平に保持
された状態で平行移動することになり、また、アンカー
部材のガイド溝および傾斜部が開口部内周面に向けて4
5°に傾斜し、接着ピースの当接部が軸部に平行な面に
対して45°に傾斜し、スリットが軸部に平行な第1の
面から軸部に平行で第1の面に連続する第2の面に貫通
しており、さらに第1の面と第2の面の寸法が異なって
いるので、接着ピースの接着方向を変えても接着ピース
の回転が規制され、接着ピースが平行移動すると共に、
装着方向を変えて長辺と短辺の向きを変えることによっ
て、枠体と開口部内周面との距離に対する適用範囲が拡
大することになる。
【0010】本発明の請求項2に係わる枠体の取付装置
は、同様に枠体側に取付けるアンカー部材と、接着ピー
スから構成され、接着ピースにはアンカー部材の支持部
を受け入れるスリットが設けてあるので、このスリット
内にアンカー部材の支持部を嵌合した状態で接着ピース
を開口部内周面に向けて移動させ、接着ピースの一端側
が内周面に当接した位置で接着ピースを開口部内周面に
接着することにより、枠体が躯体開口部内の所定位置に
固定されることになる。このとき、接着ピースにはアン
カー部材の支持部に圧接する圧着部が設けてあるので、
枠体の上枠や竪枠に適用した場合でも、接着剤が硬化す
るまでの間に接着ピースが自重によって位置ずれするよ
うなことがない。さらに、アンカー部材のガイド溝が傾
斜し、アンカー部材の支持部にはガイド溝に平行な傾斜
部を備え、接着ピースのスリット内に設けた当接部がア
ンカー部材の傾斜部に当接するようになっているので、
移動に際して接着ピースの回転が規制され、接着ピース
の開口部内周面への接着面が水平に保持された状態で平
行移動することになり、また、アンカー部材のガイド溝
および傾斜部が開口部内周面に向けて45°に傾斜し、
接着ピースの当接部が軸部に平行な面に対して45°に
傾斜し、スリットが軸部に平行な第1の面から軸部に平
行で第1の面に連続する第2の面に貫通しており、さら
に第1の面と第2の面の寸法が異なっているので、接着
ピースの接着方向を変えても接着ピースの回転が規制さ
れ、接着ピースが平行移動すると共に、装着方向を変え
て長辺と短辺の向きを変えることによって、枠体と開口
部内周面との距離に対する適用範囲が拡大することにな
る。
【0012】本発明の請求項に係わる枠体の取付装置
は、同様のアンカー部材とアンカー部材との螺合によっ
て躯体の開口部内周面に向けて移動する接着ピースとか
ら構成され、アンカー部材および接着ピースの一方にお
ねじ部が設けてあり、他方に設けたホルダー部に備えた
めねじ部には、おねじ部の径よりも小さい開口幅の開放
部が形成してあって、ホルダー部の弾性変形によってこ
の開放部からおねじ部を受け入れ、おねじ部のめねじ部
への軸方向以外からの螺合が許容されるようになってい
るので、おねじ部をホルダー部のめねじ部にあらかじめ
捩じ込んでおく必要がなく、例えば接着ピースのおねじ
部を開口部内周面に近い位置において、アンカー部材に
設けたホルダー部の側方からねめじ部内に押し込むこと
によってより少ない回転によって接着ピースが開口部内
周面に当接することになり、接着ピースの位置調整が
やかなものとなる。
【0013】本発明の請求項に係わる枠体の取付装置
は、同様にアンカー部材および接着ピースの一方におね
じ部が設けてあり、他方にめねじ部を備えたホルダー部
が設けてあって、おねじ部には方向によって幅寸法が異
なる断面を有する軸部の最大幅寸法となる部分の周囲に
ホルダー部のめねじ部に螺合するねじ山が形成してある
と共に、ホルダー部のめねじ部には外部に開口し、おね
じ部の最大幅寸法よりも小さく最小幅寸法よりも大きい
開口幅の開放部が設けてあって、この開放部からおねじ
部をめねじ部内に受け入れ、おねじ部の軸方向以外から
のめねじ部への螺合が許容されるようになっているの
で、おねじ部をホルダー部のめねじ部にあらかじめ捩じ
込んでおく必要がなく、例えば接着ピースのおねじ部を
開口部内周面に近い位置において、アンカー部材に設け
たホルダー部の側方からねめじ部内に押し込むことによ
って、あるいは接着ピースに設けたホルダー部のめねじ
部をアンカー部材に設けたおねじ部の側方からおねじ部
に螺着するようになすことによって、請求項に係わる
取付装置と同様に、より少ないない回転によって接着ピ
ースが開口部内周面に当接することになり、接着ピース
の位置調整が速やかなものとなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。
【0017】実施例1 図1ないし図3は、本発明の第
1の実施例に係わる枠体の取付装置の構造を示すもので
ある。
【0018】すなわち、この実施例に係わる枠体の取付
装置1は、図1(a)に示す形状のアンカー部材2と、
図1(b)に示す形状の接着ピース3からなり、図1
(c)に示すように、枠体50に取付けられたアンカー
部材2に接着ピース3を図中に実線で示す位置と仮想線
で示す位置の間で摺動可能に装着し、枠体50と躯体A
の開口部内周面A1 との距離に応じた位置で接着ピース
3を開口部内周面A1 に接着することによって、枠体5
0を開口部B内の所定位置に固定することができ、この
取付装置1は、枠体50の上枠材および竪枠材に取付け
るようになったものである。なお、このとき、必要に応
じて接着ピース3をアンカー部材2の側に接着するよう
にしてもよい。
【0019】アンカー部材2は、金属のプレス成形品で
あって、枠体50の外周部に相対向して形成した逆L字
状断面を有する係止片50a、50aに係合する係止部
2c、2cを備えたベース部2aと、ベース部2aから
立上がり、相対向する開口部内周面A1 に向けて突出す
る支持片(支持部)2bを備え、この支持片2bには4
5°に傾斜し、後述する接着ピース3の軸部3cを摺動
可能に受け入れるガイド溝2dと、同じく45°に傾斜
してガイド溝2dと平行な傾斜部2eが設けてある。
【0020】一方、接着ピース3は、図1(b)および
図2(a)〜(h)に示すように、全体的には直方体状
の外形をなすと共に、図2(g)に示すようにH字形断
面を有する樹脂製の部材であって、図2(a)および
(d)に示すように、その前面から底面に連なるスリッ
ト3aを備えている。
【0021】このスリット3aは、図2(e)および
(f)の断面図に示すように、前面(第1の面)から底
面(第2の面)に貫通し、前面から背面側に進むにつれ
て徐々にスリット深さが浅くなる形状を備え、前面およ
び底面に対して45°に傾斜する当接部3bが形成され
ている。
【0022】そして、前面と底面とが交差する部分には
軸部3cがスリット3aを跨ぐ位置に形成されると共
に、図2(b)および(f)、さらに図2(h)に拡大
して示すように、スリット3aを形成する壁面の一方に
は、壁部をU字状に切除することによって舌片状をなす
圧着部3dが形成してある。
【0023】このような構造を備えたアンカー部材2お
よび接着ピース3からなる枠体の取付装置1において
は、アンカー部材2の係止部2c、2cを枠体50に形
成してある係止片50a、50aに係合させることによ
って、図1(c)に示したように、まずアンカー部材2
が枠体50の外周部に取付けられる。このときアンカー
部材2の係止部2c、2cは、一方側が弧状に切除して
あるので、斜めにした状態で枠体50の係止片50a、
50aの間に挿入したのち、時計回り方向に回転させる
ことによって係止部2c、2cを係止片50a、50a
に係合させることができると共に、係止部2c、2cが
ベース部2aに対して係合方向に傾斜した状態に成形し
てあるので、枠体50に強固に取付けることができるよ
うになっている。
【0024】そして、アンカー部材2を取付けた枠体5
0を躯体開口部B内に嵌め込み、位置調整を行なったの
ち、アンカー部材2の支持片2bに接着ピース3を装着
する。接着ピース3を装着に際しては、図3(a)およ
び(b)に示すように、接着ピース3のスリット3a内
にアンカー部材2の支持片2bを挿入し、アンカー部材
2の支持片2bに形成したガイド溝2d内に接着ピース
3の軸部3cを嵌め込む。このとき、支持片2bのガイ
ド溝2dと傾斜部2eの距離と、接着ピース3の軸部3
cと当接部3bとの距離が等しく、傾斜部2eが当接部
3bに当接するようになっているので、接着ピース3の
回転が阻止され、接着ピース3の平行移動が可能にな
る。そして、アンカー部材2のガイド溝2d,傾斜部2
eおよび接着ピース3の当接部3bが共に45°に傾斜
しているので、図3(a)および(b)に示すように、
接着ピース3の装着方向を変えることができ、枠体50
と開口部内周面A1 との距離の変動に広く対応ができる
ようになる。
【0025】すなわち、枠体50と開口部内周面A1 と
の距離が比較的小さい場合には、図3(a)に示すよう
に、接着ピース3を横にした状態で内周面A1 に向けて
移動させ、接着ピース3の図中上面が内周面A1に当接
したところで、接着ピース3を開口部内周面A1 およ
び、必要に応じてアンカー部材2の支持片2bに接着す
ることによって枠体50を開口部B内の所定位置に固定
することができる。また、図3(b)に示すように、接
着ピース3を縦にすることによって枠体50と開口部内
周面A1 との距離が比較的大きい場合に対応することが
できる。
【0026】このとき、接着ピース3のスリット3a内
には、前述のように圧着部3dが設けてあり、素材樹脂
の弾力性によって、アンカー部材2の支持部2bに圧接
するようになっているので、接着剤が硬化して接着ピー
ス3が開口部内周面A1 に完全に固定されるまでの間に
接着ピース3が自重によって位置ずれするようなことは
ない。
【0027】なお、枠体50と開口部内周面A1 との距
離がさらに大きい場合には、例えば、図4に示すよう
に、接着ピース3の先端側に接続溝3e、3eを形成し
て、係止部4a、4aおよび接続溝4b、4bを備えた
続用接着ピース4を順次継ぎ足すようにすることも可能
である。
【0028】実施例2 図5ないし図7は、本発明の第
2の実施例に係わる枠体の取付装置の構造を示すもので
あって、図5(a)はこの実施例に係わる取付装置に用
いるアンカー部材の形状を示す斜視図である。
【0029】すなわち、この実施例に係わる枠体の取付
装置11は、図5(b)に示すように枠体50の下枠材
に取付けることによって枠体50の上下方向の位置調整
をも可能にしたものであって、アンカー部材12と、図
1(b)および図2(a)〜(h)に示した第1の実施
例に係わる取付装置1に用いたものと同様の接着ピース
3と、上下位置調整用の支持ボルト13(図5(b)参
照)から構成されている。
【0030】アンカー部材12は、図5(a)に示すよ
うに、図1(a)に示した第1実施例に係わるアンカー
部材2と同様に金属のプレス成形品であって、枠体50
の下枠材に設けた係止片50bに係合する係止部12d
を備えたベース部12aと、ベース部12aから垂下す
る支持片(支持部)12bと、ベース部12aの支持片
12bに対向する側に連続するL字状断面を備えた第2
支持部12cを備え、支持片12bには第1実施例と同
様な45°に傾斜するガイド溝12eが形成してあると
共に、第2支持部12cにはバーリング加工が施され、
めねじ12fが設けてある。さらに、第2支持部12c
の先端部が段差状に成形されており、枠体50の下枠材
に連結される水切り51に形成された係止片51aに係
合する係合部12gとなっている。
【0031】このような構造を有する枠体の取付装置1
1においては、アンカー部材12の係止部12dを枠体
50の係止片50bに係合させると共に、枠体50に連
結された水切り51の係止片51aに係合部12gを係
止することによって、アンカー部材12が枠体50の下
枠材にまず取付けられる。
【0032】そして、第2支持片12cのめねじ12f
に支持ボルト13を螺着した状態で、アンカー部材12
を取付けた枠体50を躯体開口部B内に嵌め込み、支持
ボルト13のねじ込み位置を調整することによって枠体
50の上下位置調整を行うと共に、左右位置、前後位置
(開口部内外方向)の調整を行ったのち、第1実施例と
同様に、接着ピース3のスリット3a内にアンカー部材
12の支持片12bを挿入すると共に、軸部3cを支持
片12bのガイド溝12e内に嵌入することによって、
接着ピース3をアンカー部材12の支持片12bに装着
し、接着ピース3を躯体Aの開口部内周面側に移動させ
て、接着ピース3の下端面が開口部下面A2 に当接した
ところで、接着ピース3を開口部下面A2 および、必要
に応じてアンカー部材12の支持片12bに接着するこ
とによって、図5(b)に示すように、枠体50が躯体
開口部B内の所定位置に固定されることになる。
【0033】図6(a)および(b)は、本発明の第2
実施例に係わる枠体の取付装置11を下辺勾配が設けて
ある躯体開口部Bに適用した例を示すものである。
【0034】すなわち、第2の実施例に係わる枠体の取
付装置11においては、図6(a)に示すように、アン
カー部材12の支持片12bに形成したガイド溝12e
と傾斜部12hとの間の寸法が第1実施例に係わるアン
カー部材2の場合よりも小さくなっているので、この実
施例では接着ピース3に約15°までの回転が許容され
るようになっており、開口部下面A2 の勾配に対応する
ことができる。
【0035】このとき、支持ボルト13の頭部は、開口
部下面A2 に対して斜めに当接することになるので、図
6(b)に示すように、支持ボルト13の頭部に設けた
保持具14を開口部下面A2 に接着することにより、支
持ボルト13が位置調整された位置からずれないように
し、枠体50の取付精度を確保するようにしている。
【0036】この保持具14は、図7(a)に示すよう
な形状をなす樹脂製部品であって、一方側に開放され、
この開放部から挿通した支持ボルト13の頭部を遊嵌す
る収納部14aと、収納部14aの上方に開口して収納
部14a内に頭部を収納した支持ボルト13の軸部が突
出する突出部14bが形成してある。
【0037】この突出部14bは、収納部14aの開放
側から奥行き方向に進むにつれて開口幅が狭くなってお
り、これによって支持ボルト13の軸部の回動を可能に
している。すなわち収納部14aの開放端から最も離れ
た位置に支持ボルト13を位置させることにより、図7
(b)に示すように支持ボルト13が躯体Aの開口部下
面A2 に対して垂直に保持され、開放端側に位置させる
ことによって、図7(c)に示すように、傾斜した状態
(この実施例では15°まで)に保持できるようになっ
ている。
【0038】なお、保持具14は、枠体50が躯体開口
部B内に嵌め込まれ、枠体50の位置調整が終了した時
点で枠体50を支持している支持ボルト13に対して、
水平方向から装着され、ボルト13の軸部が突出部14
bの側部に当接した位置において開口部下面A2 に接着
される。
【0039】なお、この場合、支持ボルト13の頭部が
保持具14を介して開口部下面A2に固定されるので、
支持片12bおよび接着ピース3がなくても枠体50を
開口部内に固定することができ、枠体50のサイズや併
用する取付装置の数によっては、支持片12bおよび接
着ピース3を省略することも可能である。
【0040】実施例3 図8は、本発明の第3の実施例
に係わる枠体の取付装置の構造を示すものである。
【0041】すなわち、この実施例に係わる枠体の取付
装置21は、第1実施例に係わる取付装置1と同様に、
枠体50の上枠材あるいは竪枠材に取付けるようになっ
たものであって、ホルダー部23を備えたアンカー部材
22と、ホルダー部23に設けためねじ部23aに螺合
するおねじ部24aを備えた接着ピース24から構成さ
れており、枠体50に取付けられたアンカー部材22の
ホルダー部23に螺着したボルト状接着ピース24を回
転させて接着ピース24を移動し、ピース24の頭部が
躯体Aの開口部内周面A1 に当接したところで接着ピー
ス24を内周面A1 に接着することによって、枠体50
を躯体Aに固定するものである。
【0042】アンカー部材22は、金属のプレス成形品
であって、枠体50の係止片50a、50a(図1
(c)参照)に係合する係止部22c、22cを備えた
ベース部22aと、このベース部22aから立上がった
挿入片22bを有し、この挿入片22bを以下に述べる
ホルダー部23に形成した挿入孔23bに圧入すること
によってホルダー部23を固着するようになっている。
【0043】ホルダー部23は、適度の弾性を備えた樹
脂材料からなるものであって、アンカー部材22の挿入
片22bが圧入される挿入孔23bを備えると共に、め
ねじ部22aが設けてある。そして、このホルダー部2
3には、めねじ部23aの外周部を断面C字状に開放す
ることによって、接着ピース24のおねじ部24aの外
径よりもやや小さい開口幅を有する開放部23cが形成
されており、図示するように、接着ピース24のおねじ
部24aを開放部23cに外側から押し付けることによ
ってめねじ部23aの周辺部が弾性変形することから、
開放部23cの開口幅が拡がって、おねじ部24aがめ
ねじ部23a内に嵌め込まれるようになっており、ホル
ダー部23の前面側から接着ピース24をめねじ部23
aに螺着することができるようになっている。
【0044】このような構造を備えた枠体の取付装置2
1においては、各実施例と同様に、ホルダー部23を備
えたアンカー部材22を枠体50にまず取付け、アンカ
ー部材22を備えた状態の枠体50を躯体開口部B内に
嵌め込んで位置調整したのち、ホルダー部23のめねじ
部23aに接着ピース24を螺着し、ねじ戻し方向に回
転することにより、接着ピース24の頭部を開口部内周
面A1 に当接させて接着し、これによって枠体50が躯
体Aに固定される。
【0045】この接着ピース24のホルダー部23への
螺着に際しては、ホルダー部23の開放部23cから接
着ピース24をめねじ部23a内に圧入することができ
るので、接着ピース24を開口部内周面A1 に可及的に
近い位置でめねじ部23aに螺着することができるの
で、接着ピース24を何回も回転させることなく速やか
な枠体50の取付が可能になる。
【0046】なお、この実施例においては、アンカー部
材22の側にホルダー部23を設けた例を示したが、ア
ンカー部材22の側におねじ部を設けて、接着ピースの
側に開放部を有するめねじ部を備えたホルダー部を設け
ることも可能である。
【0047】実施例4 図9および図10は、本発明の
第4の実施例に係わる枠体の取付装置の構造を示すもの
であって、図9(a)および(b)はこの実施例に係わ
る取付装置に用いるアンカー部材の形状を示すものであ
る。
【0048】すなわち、この実施例に係わる枠体の取付
装置31は、第2実施例に係わる取付装置11と同様
に、枠体50の下枠材に取付けるものであって、第3実
施例と同様のホルダー部23を備え、第2実施例に係わ
るアンカー部材12とほぼ同様の形状にプレス成形され
たアンカー部材32と、アンカー部材32に備えたホル
ダー部23のめねじ部23aに螺着される接着ピースと
してのボルト33と、第2実施例と同様の支持ボルト1
3から構成されている。
【0049】アンカー部材32は、図5(a)に示した
アンカー部材12(第2実施例)と同様に、枠体50の
下枠材に形成した係止片50bに係合する係止部32b
を備えたベース部32aと、ベース部32aに連続する
L字状断面の支持片32cを備え、この支持片32cに
は上下位置調整用の支持ボルト13を螺着するためのめ
ねじ32dがバーリングにより形成してあると共に、枠
体50の下枠材に連結された水切り51の係止片51a
に係合する係合部32eが設けてある。
【0050】そして、ベース部32aの支持片32cに
対向する側には、ベース部32aから垂下し、第3実施
例に係わるアンカー部材22と同様の鋸歯状部分を備え
た挿入片32fを備え、この挿入片32fに、図8に示
した第3実施例と同様のホルダー部23を装着するよう
になっている。
【0051】このような構造を備えた枠体の取付装置3
1においては、枠体50の下枠材に、挿入片32fにホ
ルダー部23を装着すると共に、めねじ32dに支持ボ
ルト13を螺着した状態のアンカー部材32が第2実施
例に係わるアンカー部材12と同様の要領により取付け
られる。
【0052】アンカー部材32を取付けたのち、枠体5
0は躯体開口部B内に嵌め込まれ、支持ボルト13のね
じ込み、あるいはねじ戻しによる上下位置調整と共に、
左右および前後位置調整が行われる。位置調整が終了し
たのち、ホルダー部23の開放部23cから接着ピース
としてのボルト33をめねじ部23a内に圧入してボル
ト33の頭部を開口部下面A2 に当接させて接着するこ
とにより、図10(a)および(b)に示すように、枠
体50を躯体開口部B内の所定位置に固定することがで
きる。
【0053】なお、この実施例に係わる枠体の取付装置
31においても、支持ボルト13およびボルト33の頭
部に、図7に示したような形状の保持具を取付けること
によって、図6に示したような開口部下面A2に勾配の
ある躯体開口部Bに適用することができることは言うま
でもない。
【0054】実施例5 図11ないし図15は、本発明
の第5の実施例に係わる枠体の取付装置の構造を示すも
のである。
【0055】すなわち、この実施例に係わる枠体の取付
装置41は、第1実施例および第3実施例に係わる取付
装置1および21と同様に、枠体50の上枠材あるいは
竪枠材に取付けるものであって、図11に示すように、
偏平形状をなす樹脂製のおねじ部材43を備えたアンカ
ー部材42と、おねじ部材43(おねじ部)のねじ山4
3aに螺合するめねじ部44aを備えたホルダー部とし
ての接着ピース44から構成されており、枠体50に取
付けられたアンカー部材42に装着したおねじ部材43
に螺合させた接着ピース44を回転させて移動し、ピー
ス44の頭部が躯体Aの開口部内周面A1 に当接したと
ころで接着ピース44を内周面A1 に接着することによ
って、枠体50を躯体Aに固定するようになすものであ
る。
【0056】アンカー部材42は、両端部に枠体50の
係止片50a、50aに係合する係止部42c、42c
を備えたベース部42aと、このベース部から立ち上が
る挿入片42bを備えた金属のプレス成形品である。
【0057】おねじ部材43は、中央部に挿入孔43b
を備えた偏平状基板の両側縁部に、ねじ山43aを鋸歯
状に形成した樹脂製部品であって、アンカー部材42の
挿入片42bを挿入孔43b内に圧入することによって
アンカー部材42に固着され、おねじ部となるようにし
てある。なお、このようなおねじ部材43を取付ける代
わりに、アンカー部材42の立上がり片にねじ山43a
を直接形成して偏平なおねじ部を形成することもでき
る。
【0058】なお、おねじ部の形状については、このよ
うな偏平形状のもののみに限定されず、方向によって幅
寸法が相違する断面形状のものであればよく、通常のお
ねじのような真円形断面でない限り、楕円形、矩形、三
角形、多角形などの断面形状のものを用いることがで
き、その最大幅寸法部分にねじ山が形成される。
【0059】接着ピース44は、図12に示すように、
略立方体形状の樹脂製部品であって、内部に形成しため
ねじ部44aに、約4分の1周分に相当するねじ山44
bおよび44cを備えると共に、アンカー部材42のお
ねじ部43の厚さ寸法(最小幅寸法)よりわずかに大き
い開口幅の開放部44dが形成してあり、この開放部4
4dからアンカー部材42のおねじ部43を挿入して回
転することにより、おねじ部43のねじ山43aがめね
じ部44aのねじ山44b、44cに螺着するようにな
っている。
【0060】このような構造を備えた枠体の取付装置4
1においては、上記した各実施例と同様に、まずアンカ
ー部材42が枠体50の外周部に取付けられ、アンカー
部材42を備えた状態の枠体50が躯体開口部B内に嵌
め込まれ、位置調整がなされる。
【0061】そして、枠体の位置調整が終了したのち、
図13(a)、(b)に示すように、接着ピース44を
水平移動させ、開放部44dに枠体50に取付けられた
アンカー部材42のおねじ部43を嵌め込み、図14
(a)、(b)に示すように、接着ピース44が躯体A
の開口部内周面A1に最も近い位置において、おねじ部
43のねじ山43a、43aにめねじ部44aのねじ山
44b、44cを噛み合わせる。そして、さらに接着ピ
ース44を図15(a)中に矢印で示すように、反時計
回り方向に回転させることにより、図15(b)に示す
ように接着ピース44が開口部内周面A1 に向けて上昇
するので、接着ピース44を開口部内周面A1 に当接さ
せて接着することによって、枠体50が躯体Aに固定さ
れることになる。
【0062】このとき、接着ピース44は、開口部内周
面A1 に可及的に近い位置でアンカー部材42のおねじ
部43に螺着するようにしているので、接着ピース44
を何回も回転させる必要がなく、枠体50への速やかな
固定が可能になる。
【0063】なお、この実施例の場合も、アンカー部材
42の側にホルダー部を設け、接着ピースの側に異形断
面のおねじ部を設けることができることはいうまでもな
い。
【0064】施工例 次に、本発明に係わる枠体の取付
装置を用いて、躯体開口部B内に枠体50を取付ける要
領について簡単に説明する。
【0065】まず、枠体50の四隅に、コーナー調整部
品60を取付けると共に、本発明の第1実施例に係わる
枠体の取付装置1のアンカー部材2を枠体50の上枠材
および左右竪枠材のそれぞれ3箇所に取付ける。そし
て、さらに枠体50の下枠材には、本発明の第2実施例
に係わる枠体の取付装置11のアンカー部材12を3箇
所に取付ける。このとき、下枠材に取付けたアンカー部
材12のうち、中央部に位置するアンカー部材12のみ
に支持ボルト13を螺着しておく。
【0066】そして次に、図16に示すように、このよ
うにコーナー調整部品60およびアンカー部材2、12
を取付けた枠体50を躯体Aの開口部B内に嵌め込む。
【0067】コーナー調整部品60は、図17に拡大し
て示すように、枠体50の竪枠材の端部に取付けられる
ホルダー61と、ホルダー61に摺動自在に取付けら
れ、調整ねじ62aの回転操作によって前後方向(開口
部内外方向)に移動する略L字形のスライダー62と、
スライダー62に摺動自在に取付けられると共に、コイ
ルばね63aによって開口部内周面A1 の縦壁に向けて
水平方向に突出付勢されるロッド63と、このロッド6
3をスライダー62に固定するための固定ねじ62b
と、頭部を開口部下面A2 に向けてスライダー62に螺
着され、ねじ込み、ねじ戻しによって枠体50の高さ位
置を調整する調整ボルト64を備えたものである。
【0068】なお、調整ボルト64は、上枠材側に取付
けるコーナー調整部品60には不要となるので取り外し
てあると共に、開口部内周面の四隅には、コーナー調整
部品60のロッド63が当接する部分に係合具65があ
らかじめ埋設してある。
【0069】このようにして、コーナー調整部品60お
よびアンカー部材2、12と共に、躯体開口部B内に嵌
め込まれた枠体50は、コーナー調整部品60の調整ボ
ルト64および取付装置11の支持ボルト13によって
支持されると共に、突出付勢されているコーナー調整部
品60のロッド63が開口部内周面A1 の縦壁上下位置
に埋め込まれた係合具65にそれぞれ係合しているの
で、脱落することなく開口部B内に保持される。
【0070】この状態において、コーナー調整部品60
の調整ボルト64、64および取付装置11の支持ボル
ト13を回転させることによりねじ込み位置を変えて、
枠体50の上下位置および水平度を調整すると共に、枠
体50を左右に動かして左右方向の位置調整を行う。こ
のとき、枠体50を左右に移動させても、コイルばね6
3aの伸縮によってロッド63の係合具65との係合状
態が維持されるので、枠体50が開口部から脱落するよ
うなことはない。
【0071】左右方向の位置調整が終了したら、スライ
ダー62の固定ねじ62bを締め付けることによってロ
ッド63をスライダー62に固定し、これ以上の枠体の
左右方向移動を規制する。
【0072】そして、コーナー調整部品60の調整ねじ
62aを操作し、ホルダー61に対してスライダー62
を移動させ、枠体50の前後方向(開口部内外方向)の
位置調整を行う。
【0073】以上によって、枠体50の取付位置が決定
されるので、図18に示すように、アンカー部材2およ
び12の支持片2bおよび12bに接着ピース3を装着
し、枠体50と開口部内周面A1 、A2 との間の隙間寸
法に応じた位置で、接着ピース3を内周面A1 、A2 お
よび、必要に応じて支持片2b、12bに接着し、枠体
50を躯体Aに固定する。
【0074】接着剤が硬化し、枠体50が躯体Aに完全
に固定されたら、枠体50と開口部内周面A1 ,A2 と
の間にモルタルを充填し、各取付装置1、11およびコ
ーナー調整部品60をモルタル内に埋設する。
【0075】なお、上記においては、本発明の第1およ
び第2実施例に係わる枠体の取付装置を使用した例を示
したが、これら取付装置に換えて本発明の第3ないし第
5実施例に係わる枠体の取付装置21、31あるいは4
1を用いても、枠体50の固定を同様に行うことができ
ることは言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係わる枠体の取付装置においては、枠体側に取付けた
アンカー部材と躯体開口部の間を接着ピースを介して連
結することにより、作業資格や配線、さらに熱歪みや養
生など種々の問題を伴う溶接作業を行うことなく、良好
な作業性のもとに枠体を開口部内の所定位置に固定する
ことができ、取付精度の向上、工期の短縮、コスト低減
などの優れた効果がもたらされると共に、接着ピース移
動時の回転を防止して平行移動することができ、さら
に、接着ピースの向きを換えることによって開口部内周
面との間の距離に対する対応範囲を拡大することができ
るという優れた効果がもたらされる。
【0077】また、本発明の請求項2に係わる枠体の取
付装置によれば、同様に溶接作業が不要となり、取付精
度の向上、工期の短縮、コスト低減などの効果と共に、
接着剤が硬化するまでの間の接着ピースの位置ずれを
止することができると共に、接着ピース移動時の回転を
防止して平行移動することができ、さらに、接着ピース
の向きを換えることによって開口部内周面との間の距離
に対する対応範囲を拡大することができるというさらに
優れた効果がもたらされる。
【0078】さらに、本発明の請求項3に係わる枠体の
取付装置においては、アンカー部材に接着ピースをねじ
込みによって連結するようにし、しかも接着ピースをめ
ねじ部に軸方向以外から螺着することができるので、接
着ピースの速やかな位置調整が可能となり、本発明の請
求項4に係わる枠体の取付装置においては、接着ピース
をおねじ部に軸方向以外から螺着することができるの
で、請求項3に係わる取付装置と同様に、より少ない回
転によって接着ピースの速やかな位置調整ができるよう
になるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の第1の実施例に係わる枠体の
取付装置を構成するアンカー部材の形状を示す斜視図で
ある。 (b) 本発明の第1の実施例に係わる枠体の取付装置
を構成する接着ピースの形状を示す斜視図である。 (c) 本発明の第1の実施例に係わる枠体の取付装置
の使用状況を示す説明図である。
【図2】(a) 図1(b)に示した接着ピースの形状
を示す正面図である。 (b) 図2(a)に示した接着ピースの左側面図であ
る。 (c) 図2(a)に示した接着ピースの右側面図であ
る。 (d) 図2(a)に示した接着ピースの底面図であ
る。 (e) 図2(a)の切断線E−Eについての断面図で
ある。 (f) 図2(a)の切断線F−Fについての断面図で
ある。 (g) 図2(c)の切断線G−Gについての断面図で
ある。 (h) 図2(b)の切断線H−Hについての拡大断面
図である。
【図3】(a) 接着ピースを横にした場合の枠体と開
口部内周面との距離への対応範囲を示す概略図である。 (b) 接着ピースを縦にした場合の枠体と開口部内周
面との距離への対応範囲を示す概略図である。
【図4】枠体と開口部内周面との距離がさらに大きい場
合の対応方法の一例を説明する斜視図である。
【図5】(a) 本発明の第2の実施例に係わる枠体の
取付装置に用いるアンカー部材の形状を示す斜視図であ
る。 (b) 本発明の第2の実施例に係わる枠体の取付装置
の使用状況を示す側面図である。
【図6】(a)および(b)は本発明の第2の実施例に
係わる枠体の取付装置を下辺勾配のある躯体開口部に適
用した場合の取付状態を示す説明図である。
【図7】(a) 図6(b)に示した保持具の形状を示
す斜視図である。 (b)および(c)は保持具によるボルトの支持状況を
示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係わる枠体の取付装置
の構造を示す斜視図である。
【図9】(a) 本発明の第4の実施例に係わる枠体の
取付装置に用いるアンカー部材の形状を示す斜視図であ
る。 (b) 図9(a)に示したアンカー部材の背面図であ
る。
【図10】(a) 本発明の第4の実施例に係わる枠体
の取付装置の使用状況を示す側面図である。 (b) 図10に示した枠体の取付装置の室内側からの
正面図である。
【図11】本発明の第5の実施例に係わる枠体の取付装
置の構造を示す分解斜視図である。
【図12】(a) 図11に示した接着ピースの平面図
である。 (b) 図12(a)の切断線B−Bについての縦断面
図である。
【図13】(a)および(b)はアンカー部材への接着
ピースの装着要領を示す平面説明図および断面説明図で
ある。
【図14】(a)および(b)はアンカー部材への接着
ピースの螺合状態を示す平面説明図および断面説明図で
ある。
【図15】(a)および(b)は回転によって接着ピー
スが開口部内周面に当接した状態を示す平面説明図およ
び断面説明図である。
【図16】コーナー調整部品およびアンカー部材を取付
けた枠材を躯体開口部内に嵌め込んだ状態を示す正面図
である。
【図17】図16に示したコーナー調整部品の構造を示
す説明図である。
【図18】本発明に係わる枠体の取付装置を用いて枠体
を躯体開口部内の所定位置に固定した状態を示す正面図
である。
【符号の説明】
1、11、21、31、41 枠体の取付装置 2、12、22、32、42 アンカー部材 2b、12b 支持片(支持部) 2d、12e ガイド溝 2e 傾斜部 3、24、34 接着ピース 3a スリット3b 当接部 3c 軸部 3d 圧縮部 13 支持ボルト 14 保持具 12f、32d めねじ 23 ホルダー部 23a、44a めねじ部 23c、44d 開放部 24a、43 おねじ部 44 接着ピース(ホルダー部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 1/56 - 1/60 F16B 35/00 - 37/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枠体の外周部に取付けるアンカー部材と、
    アンカー部材に躯体の開口部内周面に向けて摺動可能に
    取付けてあり、開口部内周面に接着される接着ピースを
    有し、アンカー部材には、接着ピースを案内するガイド
    溝を備えた支持部が設けてあり、ガイド溝が開口部内周
    面に向けて傾斜していると共にアンカー部材の支持部が
    ガイド溝に平行な傾斜部を有しており、さらにガイド溝
    および傾斜部が開口部内周面に向けて45°に傾斜して
    おり、接着ピースには、アンカー部材の支持部を受け入
    れるスリットと、アンカー部材のガイド溝に係合する軸
    部がスリット内に形成してあり、スリット内にはアンカ
    ー部材の傾斜部に当接する当接部が設けてあり、当接部
    が軸部に平行な面に対して45°に傾斜していると共
    に、スリットが軸部に平行な第1の面から軸部に平行で
    あって第1の面に連続する第2の面に貫通しており、さ
    らにスリットが開口している第1の面と第2の面の寸法
    が相違していることをを特徴とする枠体の取付装置。
  2. 【請求項2】枠体の外周部に取付けるアンカー部材と、
    アンカー部材に躯体の開口部内周面に向けて摺動可能に
    取付けてあり、開口部内周面に接着される接着ピースを
    有し、アンカー部材には、接着ピースを案内するガイド
    溝を備えた支持部が設けてあり、ガイド溝が開口部内周
    面に向けて傾斜していると共にアンカー部材の支持部が
    ガイド溝に平行な傾斜部を有しており、さらにガイド溝
    および傾斜部が開口部内周面に向けて45°に傾斜して
    おり、接着ピースには、アンカー部材の支持部を受け入
    れるスリットと、アンカー部材の支持部に圧接して接着
    ピースの自重による移動を阻止する圧着部がスリット内
    に形成してあり、スリット内にはアンカー部材の傾斜部
    に当接する当接部が設けてあり、当接部が軸部に平行な
    面に対して45°に傾斜していると共に、スリットが軸
    部に平行な第1の面から軸部に平行であって第1の面に
    連続する第2の面に貫通しており、さらにスリットが開
    口している第1の面と第2の面の寸法が相違しているこ
    とをことを特徴とする枠体の取付装置。
  3. 【請求項3】枠体の外周部に取付けるアンカー部材と、
    アンカー部材 との螺合に基づいて躯体の開口部内周面に
    向けて移動して開口部内周面に接着される接着ピースと
    を備え、アンカー部材および接着ピースの一方にはおね
    じ部が、他方にはめねじ部を備えたホルダー部がそれぞ
    れ設けてあって、ホルダー部には、めねじ部内に連通す
    ると共におねじ部の径より小さい開口幅を有し、弾性変
    形によっておねじ部を受け入れ、おねじ部の軸方向以外
    からのめねじ部への螺合を許容する開放部が形成してあ
    ることを特徴とする枠体の取付装置。
  4. 【請求項4】枠体の外周部に取付けるアンカー部材と、
    アンカー部材との螺合に基づいて躯体の開口部内周面に
    向けて移動して開口部内周面に接着される接着ピースと
    を備え、アンカー部材および接着ピースの一方にはおね
    じ部が、他方にはめねじ部を備えたホルダー部がそれぞ
    れ設けてあって、おねじ部は、軸部が方向によって幅寸
    法が異なる断面を有し、軸部の最大幅寸法となる部分の
    周囲にホルダー部のめねじ部に螺合するねじ山が形成し
    てあり、ホルダー部には、めねじ部内に連通するすると
    共に、おねじ部の最大幅寸法より小さく最小幅寸法より
    も大きい開口幅を有し、おねじ部の軸方向以外からのめ
    ねじ部への螺合を許容する開放部が形成してあることを
    特徴とする枠体の取付装置。
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