JP4317635B2 - 出隅材取付具及び該取付具を用いた出隅材取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出隅材取付具及び該出隅材取付具により出隅材が取り付けられた出隅材取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建造物出隅部における出隅材の施工方法として、サイディング材と同質の出隅材を直接建造物出隅部に釘打ちで取り付け、その後、釘頭に補修塗料を塗布する方法が主として採用されてきた。しかしながら、この方法では、釘打ちの際に出隅材を破損してしまう虞があるため、施工に際しては細心の注意を払う必要があり、そのため施工に長時間を要し、また、施工後の釘頭が美観を損なうという不都合を有していた。
【0003】
そして、これらの不都合を解決するための手段として、出隅材に取付金具を装着し、この取付金具を建造物出隅部の下地面に固定するという方法がある。かかる取付金具が実公昭62−15395号公報及び実公昭62−15396号公報に開示されている。この取付金具は金属板が略L形に屈曲されて形成されており、その略L形の角部に嵌合部が設けられている。そして、出隅材の内側に設けられた嵌合溝に取付金具の嵌合部を嵌合して出隅材に取付金具を装着し、嵌合部から両側に延びる一対の片部をビス等で建造物出隅部の下地面に固定するものである。このような取付金具を用いることにより、出隅材を直接出隅部に直接釘打ちで取り付ける場合の上記不都合は解消されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる取付金具では、嵌合部が嵌合溝に沿って移動することにより、施工するまでの間に出隅材から取付金具が脱落したり、施工時に取付金具の出隅材への装着位置が変動したりし、また、施工後に出隅材が安定して固定されずにぐらつく、といった問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、出隅材に強固に装着固定することができ、出隅材からの脱落、装着位置の変動及び施工後の出隅材のぐらつきが防止される出隅材取付具を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本出願の発明は、一対の内側面間の隅部に長手方向に延びる嵌合溝が形成された出隅材を建造物出隅部に取り付けるための出隅材取付具であって、
上記嵌合溝に嵌合して係止される嵌合部と、該嵌合部の両側に連続し且つ上記一対の内側面のそれぞれに対応するように形成された一対の片部とを有する弾性板材からなり、該一対の片部は、各々、一端が該嵌合部に連続し且つ対応する該内側面に対向する内側面対向部と、該内側面対向部の他端に連続し且つ建造物出隅部の下地面に固定される下地面固定部とを有し、該一対の片部における内側面対向部のなす角度は、該一対の内側面のなす角度よりも大きく、
上記嵌合部が上記嵌合溝に嵌合して係止されると、これが支点となって上記各内側面対向部が対応する上記内側面を弾性的に押圧し、この押圧力によって上記出隅材に装着されることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、出隅材取付具の両片部における内側面対向部のなす角度が出隅材の両内側面のなす角度よりも大きいので、出隅材に出隅材取付具を装着すると、嵌合部が嵌合溝に嵌合して係止され、これが支点となって各片部における内側面対向部が対応する内側面を弾性的に押圧することとなり、この押圧力によって出隅材取付具は出隅材に強固に装着固定されることとなる。すなわち、従来のように嵌合部が嵌合溝に沿って移動して、施工するまでの間に出隅材から出隅材取付具が脱落したり、施工時に出隅材取付具の出隅材への装着位置が変動したりすることがなく、施工後に出隅材にぐらつきが発生するといった問題が解消されることとなる。
【0008】
ここで、一般的には、出隅材の両内側面のなす角度は90°であり、この場合、両片部における内側面対向部のなす角度が90°より大きければよいこととなる。
【0009】
また、片部における内側面対向部が出隅材の内側面に設けられた凹部に係合する内側面係合突起を備えている構成であってもよい。かかる構成によれば、出隅材の内側面への押圧に加えて、凹部への内側面係合突起の係合によって出隅材の横方向の変位が規制され、出隅材取付具は出隅材により強固に装着固定されることとなる。
【0010】
さらに、出隅材の嵌合溝の開口幅が内部の溝幅より狭められた構成である場合、嵌合部が出隅材の嵌合溝の開口部から挿入できるように弾性圧縮変形可能に形成されていると共に、嵌合溝に係合する嵌合溝係合突起を備えている構成であってもよい。かかる構成によれば、嵌合部を弾性圧縮変形させて出隅材の嵌合溝の開口部から挿入できるので、出隅材の嵌合溝端部から嵌合部を挿入して、それをスライドさせて所定位置に配置する必要がなく、出隅材取付具の出隅材への装着が容易化されることとなる。また、圧縮を解除した際には嵌合溝に嵌合溝係合突起が係合するので、嵌合部の嵌合溝への係止固定も確保されることとなる。
【0011】
また、片部における内側面対向部と下地面固定部とが段違いに形成されている構成であってもよい。かかる構成によれば、出隅材の内側面とそれに対向する建造物出隅部の下地面との間に隙間が形成されることとなり、かかる隙間を通気路等として活用をすることができ、建造物出隅部の施工の自由度が高まることとなる。なお、内側面対向部と下地面固定部との段差の大きさを任意に設定することが可能であるので、所要の大きさの隙間を形成させることができる。加えて、片部における内側面対向部と下地面固定部の機能を分離することができるので、出隅材の内側面を押圧するという内側面対向部の作用に影響を及ぼすことなく下地面固定部を下地面に固定することができる。
【0012】
以上の出隅材取付具を装着した出隅材を建造物出隅部に取り付けた出隅材取付構造では、出隅材は、内側面が出隅材取付具の両片部における内側面対向部に押圧された状態で建造物出隅部に取り付けられることとなるので、出隅材のぐらつきが防止され、強固な出隅材取付構造が実現されることとなる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本出願の発明によれば、出隅材取付具の両片部における内側面対向部のなす角度が出隅材の両内側面のなす角度よりも大きいので、出隅材に出隅材取付具を装着すると、嵌合部が嵌合溝に嵌合して係止され、これが支点となって各片部における内側面対向部が対応する内側面を弾性的に押圧することとなり、これによって出隅材取付具を出隅材に強固に装着固定することができる。従って、従来のように嵌合部が嵌合溝に沿って移動して、施工するまでの間に出隅材から出隅材取付具が脱落したり、施工時に出隅材取付具の出隅材への装着位置が変動したりすることがなく、施工後に出隅材にぐらつきが発生するといった問題を解消することができる。
【0014】
また、片部における内側面対向部が出隅材の内側面に設けられた凹部に係合する内側面係合突起を備えている構成とすることにより、出隅材の内側面への押圧に加えて、凹部への凹部係合突起の係合によって出隅材の横方向の変位が規制され、出隅材取付具が出隅材により強固に装着固定されることとなる。
【0015】
また、出隅材の嵌合溝の開口幅が内部の溝幅より狭められた構成である場合であって、嵌合部が出隅材の嵌合溝の開口部から挿入できるように弾性圧縮変形可能に形成されていると共に、嵌合溝に係合する嵌合溝係合突起を備えている構成とすることにより、嵌合部を弾性圧縮変形させて出隅材の嵌合溝の開口部から挿入できるので、出隅材の嵌合溝端部から嵌合部を挿入して、それをスライドさせて所定位置に配置する必要がなく、出隅材取付具の出隅材への装着が容易化されることとなる。加えて、圧縮を解除した際には嵌合溝に嵌合溝係合突起が係合するので、嵌合部の嵌合溝への係止固定も確保されることとなる。
【0016】
また、片部における内側面対向部と下地面固定部とが段違いに形成されている構成とすることにより、出隅材の内側面とそれに対向する建造物出隅部の下地面との間に隙間が形成されることとなり、かかる隙間を通気路等として活用をすることができ、建造物出隅部の施工の自由度を高めることができる。加えて、片部における内側面対向部と下地面固定部の機能を分離することができるので、出隅材の内側面を押圧するという内側面対向部の作用に影響を及ぼすことなく下地面固定部を下地面に固定することができる。
【0017】
そして、本出願の発明に係る出隅材取付具を装着した出隅材を建造物出隅部に取り付けた出隅材取付構造では、出隅材は、内側面が出隅材取付具の両片部における内側面対向部に押圧された状態で建造物出隅部に取り付けられることとなるので、出隅材のぐらつきが防止され、強固な出隅材取付構造が実現されることとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る外装出隅材取付具Aの(a)上面図及び(b)斜視図である。
【0019】
外装出隅材取付具(以下「取付具」と称する)A10は、1枚の長方形のステンレス板よりなり、断面U字状に屈曲されて形成された嵌合部11と、その嵌合部11の両端のそれぞれに連続して延びた一対の片部12,12とを備え、これらによって嵌合部11が角部から突出した断面略「く」の字形に構成されている。
【0020】
また、嵌合部11の両側には、嵌合部11を構成するステンレス板から切り出され、嵌合部11の外方に突出し且つ嵌合部11端部側に延びるように形成された舌片状の嵌合溝係合突起13,13,…が3個ずつ縦に間隔をおいてそれぞれ設けられている。
【0021】
さらに、各片部12は平板状であり、後述の外装出隅材の内側面に対向する内側面対向部12aと、建造物出隅部の下地面に固定される下地面固定部12bとを備えている。そして、各内側面対向部12aの外装出隅材側となる方の面の嵌合部11近傍には、内側面係合突起14,14,…が3個縦に間隔をおいて立設されている。また、下地面固定部12bの端部近傍の上下には、建造物出隅部の下地面にビス、釘等によって固定するための固定孔15,15が1つずつ設けられている。
【0022】
そして、一方の片部12の内側面対向部12aと他方の片部12の内側面対向部12aとがなす角度は95°となるように形成されている。
【0023】
次に、取付具A10が装着される外装出隅材について説明する。
【0024】
図2は、外装出隅材の(a)上面図及び(b)斜視図である。
【0025】
外装出隅材20は、繊維混入けい酸カルシウムを押出成形して断面略L形に形成されており、長手方向に延びる嵌合溝21と、嵌合溝の開口端両側にそれぞれ連続する一対の内側面とにより内側が構成されている。
【0026】
嵌合溝21は、開口幅が内部の溝幅よりも狭められた開口部を有し、これによって取付具Aの嵌合部11が嵌合すると共に、嵌合溝係合突起13,13,…が嵌合溝21に係合するようになっている。
【0027】
また、両内側面22,22には、嵌合溝21と平行に延びるように断面三角形状の係合溝23,23が設けられており、これに取付具A10の各内側面対向部12aに立設された内側面係合突起14,14,…が係合するようになっている。
【0028】
そして、一方の内側面22と他方の内側面22とがなす角度は90°となっている。すなわち、取付具A10の両内側面対向部12a,12aがなす角度は、内側面22,22がなす角度よりも大きい構成となっている。
【0029】
続いて、取付具A10を装着した外装出隅材20の建造物出隅部への取り付けを含む建造物の外装の施工方法について説明する。
【0030】
図3は、取付具A10への外装出隅材20の装着工程を示す。図4は、外装出隅材20を建造物出隅部に取り付けたときの断面状態を示す。図5は、外装が完成した建造物出隅部の断面状態を示す。
【0031】
まず、取付具A10を外装出隅材20に装着する。図3(a)に示すように、取付具A10の両片部12,12端部に外力を加えて内側に変位させ、取付具A10全体を押し縮めることにより、嵌合部11を外装出隅材20の嵌合溝21に挿入可能な幅となるように弾性圧縮変形させる。図3(b)に示すように、そのままの状態で、嵌合溝21の開口部から嵌合部11を挿入する。そして、両片部12,12端部に加えていた外力を解除する。このとき、図3(c)に示すように、嵌合部11に設けられた嵌合溝係合突起13が嵌合溝21に係合すると共に、両片部12,12における内側面対向部12a,12aが外方に開こうとする弾性力により両内側面22,22が押圧され、また、内側面係合突起14,14,…が係合溝23,23に係合した状態となる。
【0032】
続いて、外装出隅材20を建造物出隅部の柱(下地)に取り付ける。図4に示すように、取付具A10が装着された外装出隅材20の隅部が建造物出隅部の柱30の角に対応するように配置し、両片部12,12の下地面固定部12b,12bに設けられた固定孔15,15,…を通して釘31,31,…を打ち付けることにより、外装出隅材20を建造物出隅部に取り付ける。
【0033】
最後に、外装サイディング材を取り付ける。図5に示すように、外装出隅材20の端部に続いて建造物下地面を覆うようにして外装サイディング材32を取り付け、外装出隅材20と外装サイディング材32との目地部にシーリング材33を詰める。このようにして、建造物の外装の施工が完了する。
【0034】
上記構成の取付具A10によれば、両片部12,12における内側面対向部12a,12aのなす角度(95°)が外装出隅材20の両内側面22,22のなす角度(90°)よりも大きいので、外装出隅材20に取付具A10を装着すると、嵌合部11が嵌合溝21に嵌合して係止され、これが支点となって各内側面対向部12aが対応する内側面22を弾性的に押圧することとなり、この押圧力によって取付具A10は外装出隅材20に強固に装着固定されることとなる。従って、従来のように嵌合部が嵌合溝に沿って移動して、施工するまでの間に外装出隅材から取付具が脱落したり、施工時に取付具の外装出隅材への装着位置が変動したりすることがなく、施工後に外装出隅材にぐらつきが発生するといった問題が解消されることとなる。
【0035】
また、外装出隅材20の両内側面22にそれぞれ設けられた係合溝23,23に係合する内側面係合突起14,14,…が設けられているので、外装出隅材20の内側面22への押圧に加えて、係合溝23,23への内側面係合突起14,14,…の係合によって外装出隅材20の横方向の変位が規制され、上記の装着固定は極めて強固なものとなる。
【0036】
さらに、嵌合部11は、ステンレス板が断面U字状に屈曲されてなり、幅方向に外力を及ぼして弾性圧縮変形させることにより、嵌合溝21の開口部から挿入することができるように形成されているので、外装出隅材20の嵌合溝21端部から嵌合部11を挿入して、それをスライドさせて所定位置に配置するといった必要がなく、取付具A10の外装出隅材20への装着が容易である。また、嵌合部11の圧縮を解除した際には嵌合溝21に嵌合溝係合突起13,13,…が係合するので、嵌合部11の嵌合溝21への係止固定も確保されることとなる。
【0037】
そして、取付具A10を装着した外装出隅材20を建造物出隅部に取り付けた外装出隅材取付構造では、外装出隅材20の両内側面22,22が取付具A10の両片部12,12における内側面対向部12a,12aに押圧された状態で取り付けられることとなるので、建造物出隅部に取り付けられた外装出隅材20のぐらつきが防止され、強固な外装出隅材取付構造となっている。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る取付具B及び外装出隅材を示す。なお、実施形態1と同一部分は同一符号で示している。
【0038】
取付具B10は、1枚の長方形のステンレス板よりなり、側面にスリット状の開口部を有する円筒に形成された嵌合部11と、その嵌合部11の開口部両端のそれぞれから連続して延びた一対の片部12,12とを備え、これらによって嵌合部11が角部から突出した断面略「く」の字L形に構成されている。
【0039】
また、各片部12は平板状であり、外装出隅材の内側面に対向する内側面対向部12aと、建造物出隅部の下地面に固定される下地面固定部12bとを備えている。そして、各内側面対向部12aには、内側面対向部12aを構成するステンレス板から切り出され、外装出隅材の内側面となる側に突出するように2個の舌片状の内側面係合突起14,14が縦に間隔をおいて設けられている。また、各下地面固定部12bの端部中央には、建造物出隅部の下地面にビス、釘等によって固定するための固定孔15が1つ設けられている。
【0040】
そして、一方の片部12の内側面対向部12aと他方の片部12の内側面対向部12aとがなす角度が95°となるように形成されている。
【0041】
外装出隅材20の構成は実施形態1と同一である。
【0042】
そして、取付具B10は、嵌合部11を嵌合溝21端部から挿入して外装出隅材20に装着する構成となっている。
【0043】
実施形態2の作用・効果は、嵌合部が嵌合溝の開口部から挿入可能に形成され且つ係合突起を備えていることによる作用・効果を有しない点を除いては実施形態1と同一である。
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係る取付具C及び外装出隅材を示す。なお、実施形態1と同一部分は同一符号で示している。
【0044】
取付具C10は、1枚の長方形のステンレス板よりなり、断面二等辺三角形状の筒に形成され且つその頂角部に対応する側面にスリット状の開口部を有する嵌合部11と、その嵌合部11の開口部両端のそれぞれから連続して延びた一対の片部12,12とを備え、これらによって嵌合部11が角部から突出した断面略L形に構成されている。その他の構成は実施形態2と同一である。
【0045】
外装出隅材20は、嵌合溝21が断面略二等辺三角形状で、その頂角部分が嵌合溝21の開口部となるように形成されている。その他の構成は実施形態1,2と同一である。
【0046】
そして、取付具C10は、嵌合部11を嵌合溝21端部から挿入して外装出隅材20に装着する構成となっている。
【0047】
また、作用・効果も実施形態2と同一である。
(実施形態4)
図8は、実施形態4に係る取付具D及び外装出隅材を示す。なお、実施形態1と同一部分は同一符号で示している。
【0048】
取付具D10は、1枚の長方形のステンレス板よりなり、このステンレス板が断面略「く」の字形に屈曲されて一対の片部12,12が形成されている。各片部12の角部近傍からは2枚ずつ嵌合部構成突起11a,11aが切り出され、これらが断面円弧状に形成されて角部に突出して上面視で弓形形状を形成する嵌合部11を構成している。その他の構成は実施形態2と同一である。
【0049】
外装出隅材20は、嵌合溝21が実施形態3における断面略二等辺三角形の嵌合溝の溝底に長手方向に延びる断面輪郭円弧状の畝が形成された断面弓形状に形成されている。その他の構成は実施形態1,2と同一である。
【0050】
そして、取付具D10は、嵌合部構成突起11a,11a,…によって構成される嵌合部11を嵌合溝21端部から挿入して外装出隅材20に装着する構成となっている。
【0051】
また、作用・効果は実施形態2と同一である。
(実施形態5)
図9は、本発明の実施形態5に係る取付具Eの上面図及び斜視図である。なお、実施形態1と同一部分は同一符号で示している。
【0052】
取付具E10は、各片部12が嵌合部11端部から延びた内側面対向部12aの終端部分で屈曲して内方に延び、再び屈曲して嵌合部11から遠ざかる方向に下地面固定部12bが延びるように形成されており、断面形状がクランク状をなしている構成となっている。その他の構成は実施形態1と同一である。
【0053】
外装出隅材の構成は実施形態1と同一である。
【0054】
建造物の外装の施工方法についても実施形態1と同一であり、図10は、外装が完成した建造物出隅部の断面状態を示す。
【0055】
図10に示すように、取付具Eを装着した外装出隅材20を建造物出隅部に取り付けた場合、下地面である柱30表面と外装サイディング材32,32との間に隙間が形成されることとなる。
【0056】
上記構成の取付具Eによれば、図10に示すように、外装出隅材20の両内側面22,22とそれに対向する建造物出隅部の下地面との間に隙間が形成されることとなり、かかる隙間を通気路等に活用をすることができ、建造物の外装施工の自由度が高まることとなる。
【0057】
また、各片部12における内側面対向部12aと下地面固定部12bの機能が分離されるので、外装出隅材20の内側面22を押圧するという内側面対向部12aの作用に影響を及ぼすことなく下地面固定部12bが柱30に固定することができる。
【0058】
その他の作用・効果は、実施形態1と同一である。
(実施形態6)
図11は、実施形態6に係る取付具F及び外装出隅材を示す。なお、実施形態1と同一部分は同一符号で示している。
【0059】
取付具F10は、各片部12が嵌合部11端部から延びた内側面対向部12aの終端部分で屈曲して内方に延び、再び屈曲して嵌合部11から遠ざかる方向に下地面固定部12bが延びるように形成されており、断面形状がクランク状をなしている構成となっている。その他の構成は実施形態2と同一である。
【0060】
外装出隅材20の構成は実施形態1と同一である。
【0061】
実施形態6の作用・効果は、嵌合部が嵌合溝の開口部から挿入可能に形成され且つ係合突起を備えていることによる作用・効果を有しない点を除いては実施形態5と同一である。
(実施形態7)
図12は、実施形態7に係る取付具G及び外装出隅材を示す。なお、実施形態1と同一部分は同一符号で示している。
【0062】
取付具G10は、各片部12が嵌合部11端部から延びた内側面対向部12aの終端部分で屈曲して内方に延び、再び屈曲して嵌合部11から遠ざかる方向に下地面固定部12bが延びるように形成されており、断面形状がクランク状をなしている構成となっている。その他の構成は実施形態3と同一である。
【0063】
外装出隅材20の構成は実施形態3と同一である。
【0064】
作用・効果は実施形態6と同一である。
(実施形態8)
図13は、実施形態8に係る取付具H及び外装出隅材を示す。なお、実施形態1と同一部分は同一符号で示している。
【0065】
取付具H10は、各片部12が嵌合部11端部から延びた内側面対向部12aの終端部分で屈曲して内方に延び、再び屈曲して嵌合部11から遠ざかる方向に下地面固定部12bが延びるように形成されており、断面形状がクランク状をなしている構成となっている。その他の構成は実施形態4と同一である。
【0066】
外装出隅材20の構成は実施形態4と同一である。
【0067】
作用・効果は実施形態6と同一である。
(その他の実施形態)
上記実施形態1〜8では、建造物外装における出隅材取付具としたが、特にこれに限定されるものではなく、建造物における他の出隅部における出隅材取付具であってもよい。
【0068】
上記実施形態1〜8では、出隅材取付具の材質をステンレスとしたが、弾性板材であれば特にこれに限定されるものではなく、他の金属板や樹脂成形品であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る外装出隅材取付具Aの上面図及び斜視図である。
【図2】実施形態1に係る外装出隅材の上面図及び斜視図である。
【図3】外装出隅材取付具Aへの外装出隅材の装着工程を示す説明図である。
【図4】実施形態1において外装出隅材を建造物出隅部に取り付けた状態の断面図である。
【図5】実施形態1において外装が完成した建造物出隅部の断面図である。
【図6】実施形態2に係る外装出隅材取付具Bの上面図及び斜視図並びに外装出隅材の上面図である。
【図7】実施形態3に係る外装出隅材取付具Cの上面図及び斜視図並びに外装出隅材の上面図である。
【図8】実施形態4に係る外装出隅材取付具Dの上面図及び斜視図並びに外装出隅材の上面図である。
【図9】実施形態5に係る外装出隅材取付具Eの上面図及び斜視図である。
【図10】実施形態5において外装が完成した建造物出隅部の断面図である。
【図11】実施形態6に係る外装出隅材取付具Fの上面図及び斜視図並びに外装出隅材の上面図である。
【図12】実施形態7に係る外装出隅材取付具Gの上面図及び斜視図並びに外装出隅材の上面図である。
【図13】実施形態8に係る外装出隅材取付具Hの上面図及び斜視図並びに外装出隅材の上面図である。
【符号の説明】
10 外装出隅材取付具
11 嵌合部
11a 嵌合部形成突起
12 片部
12a 内側面対向部
12b 下地面固定部
13 嵌合溝係合突起
14 内側面係合突起
15 固定孔
20 外装出隅材
21 嵌合溝
22 内側面
23 係合溝
30 柱(下地)
31 釘
32 外装サイディング材
33 シーリング材
Claims (6)
- 一対の内側面間の隅部に長手方向に延びる嵌合溝が形成された出隅材を建造物出隅部に取り付けるための出隅材取付具であって、
上記嵌合溝に嵌合して係止される嵌合部と、該嵌合部の両側に連続し且つ上記一対の内側面のそれぞれに対応するように形成された一対の片部とを有する弾性板材からなり、該一対の片部は、各々、一端が該嵌合部に連続し且つ対応する該内側面に対向する内側面対向部と、該内側面対向部の他端に連続し且つ建造物出隅部の下地面に固定される下地面固定部とを有し、該一対の片部における内側面対向部のなす角度は、該一対の内側面のなす角度よりも大きく、
上記嵌合部が上記嵌合溝に嵌合して係止されると、これが支点となって上記各内側面対向部が対応する上記内側面を弾性的に押圧し、この押圧力によって上記出隅材に装着されることを特徴とする出隅材取付具。 - 長手方向に延びる嵌合溝と、該嵌合溝の開口端両側に連続する一対の内側面とにより内側が断面L形に形成された出隅材を建造物出隅部に取り付けるための出隅材取付具であって、
上記嵌合溝に嵌合して係止される嵌合部と、該嵌合部の両側に連続し且つ上記一対の内側面のそれぞれに対応するように形成された一対の片部とを有する弾性板材からなり、該一対の片部は、各々、一端が該嵌合部に連続し且つ対応する該内側面に対向する内側面対向部と、該内側面対向部の他端に連続し且つ建造物出隅部の下地面に固定される下地面固定部とを有し、該一対の片部における内側面対向部のなす角度は90°よりも大きく、
上記嵌合部が上記嵌合溝に嵌合して係止されると、これが支点となって上記各内側面対向部が対応する上記内側面を弾性的に押圧し、この押圧力によって上記出隅材に装着されることを特徴とする出隅材取付具。 - 上記片部における内側面対向部は、上記出隅材の内側面に設けられた凹部に係合する内側面係合突起を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の出隅材取付具。
- 上記出隅材の嵌合溝は、開口幅が内部の溝幅より狭められた開口部を有する一方、
上記嵌合部は、上記嵌合溝の開口部から挿入できるように弾性圧縮変形可能に形成されていると共に、該嵌合溝に係合する嵌合溝係合突起を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の出隅材取付具。 - 上記出隅材の内側面とそれに対向する建造物出隅部の下地面との間に隙間が形成されるように、上記片部における内側面対向部と下地面固定部とが段違いに形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の出隅材取付具。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の出隅材取付具を、一対の内側面の隅部に長手方向に延びる嵌合溝が形成された出隅材に、該嵌合溝に該出隅材取付具の嵌合部を嵌合して係止することにより装着し、該出隅材取付具の両片部における下地面固定部を建造物出隅部の下地面に固定してなる出隅材取付構造。
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