JPS6222588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は外壁パネル接合装置に関する。

近時、古い建物の外壁の改装工法として、古い
建物の外壁を、外壁パネルから組立てられた新し
い外壁でもつて覆うような、改装工法が普及しつ
つある。

本考案はこのような外壁改装工法に適用して極
めて有用な、外壁パネル接合装置を提供すること
を目的としてなされたもので、即ち本考案は、古
い建物の外壁面ａに、中央部上面に凹凸条付傾斜
面１ａを有する金物台１の複数個が、縦方向に列
をなすように上下に適当な間隔を存して、両側部
の横長取付穴１ｃに於て、止着金具２の適用下に
取付け固定され、この金物台１の縦列上に、断面
Ｕ型であつて両側板３ａ，３ａの上端部内側に係
止突部３ｂ，３ｂを有する固定金物３が、その下
面の凹凸条付傾斜面３ｃと上記金物台１上面の凹
凸条付傾斜面１ａとの係合下に、該固定金物３の
横長取付穴３ｄより金物台１のねじ穴１ｂに螺入
される止着金具４を用いて取付け固定され、この
固定金物３の両側板３ａ，３ａの係止突部３ｂ，
３ｂに、左右一対の外壁パネルＡ，Ａの接合端の
コ字型折曲部A₁，A₁のそれぞれが、上記係止突
部３ｂ，３ｂの内面に長手方向に沿つて装着され
た弾性パツキング５の適用下に係止され、この係
止された外壁パネルＡ，Ａ相互の接合端の間の間
隙６から、該間隙６と略々等しい左右巾を有する
断面型の押え金具７が、その両側板７ａ，７ａ
基端部の外面に長手方向に沿つて装着された弾性
パツキング８の適用下に挿入され、この挿入状態
に於て、押え金具７の両側板７ａ，７ａ先端の爪
部７ｂ，７ｂが、固定金物３底部の２本の平行す
る係合用爪部３ｅ，３ｅに係止されていることを
特徴とする外壁パネル接合装置に係る。

以下に本考案を、添附図面にもとづき、施工工
程順に説明すると次の通りである。

最初に、古い建物の外壁面ａに、金物台１がそ
の両側部の横長の取付穴１ｃに於て、アンカスク
リユーなどのような止着金具２を用いて取付け固
定される。第２図に金物台１及び止着金具２が、
また第３図に外壁面ａに対する金物台１の取付け
状況が示され、第３図から明かなように、金物台
１は外壁面ａに対し、縦方向に列をなすように上
下に適当な間隔を存して取付けられる。尚金物台
１の縦列の相互の間には、外壁パネルＡの左右巾
に対応する間隔があけられている。

次にこの金物台１上に各縦列ごとに、固定金物
３が第１図に示すように、その下面の凹凸条付傾
斜面３ｃと、金物台１上面の凹凸条付傾斜面１ａ
との係合下にビスなどのような止着金具４を用い
て横長の取付穴３ｄとねじ穴１ｂに於て取付け固
定される。この取付け状況が第４図に示されてい
る。

このようにして取付けられた固定金物３は、垂
直性を有していることが必要であるに拘わらず古
い建物の外壁面ａの影響を受けて僅かに狂いを生
じていることが多い、このような垂直性の狂いは
次のごとくして微調整される。即ち例えば第１図
を参考にして説明すると、図示の状態から止着金
具２，４を緩るめ、仮止め状態にした後、横長の
取付穴１ｃ及び３ｄの許容する範囲に於て、金物
台１を左右方向に移動すると、固定金物３はこの
金物台１の移動につれ、接触部の傾斜面の案内に
より取付け高さが高低変る。而してこのように金
物台１を移動して固定金物３の取付高さを所定寸
法をとるように微調整した後、凹凸条付傾斜面１
ａ，３ｃの係合下に本締めすることにより、容易
に微調整の目的を達し得る。このような微調整は
必要あらば各金物台１ごとに行なわれる。斯くし
て固定金物３は、古い建物の外壁面ａの状況（多
くの場合垂直性に多少の狂いを生じている）とは
無関係に、所定寸法通り外壁面ａに対し取付けら
れる。

次にこの固定金物３の両側板３ａ，３ａの係止
突部３ｂ，３ｂに、左右一対の外壁パネルＡ，Ａ
の接合端のコ字型折曲部A₁，A₁のそれぞれが、
上記係止突部３ｂ，３ｂの内面に長手方向に沿つ
て装着された弾性パツキング５の適用下に係止さ
れる。係止突部３ｂに対する外壁パネルＡの折曲
部A₁の係止操作は、例えば第５図に概略的に示
すように、最初に一方の折曲部A₁を一方係止突
部３ｂに深く係止し、次にこの係止部を支点とし
て外壁パネルＡを回動するようにして他方折曲部
A₁を他方係止突部３ｂまで送り込み、次に外壁
パネルＡを第５図に於て矢符の方向に僅かに戻し
折曲部A₁，A₁のそれぞれを係止突部３ｂ，３ｂ
に対し略々1/2づつの係止巾を持つように係止す
るというような、所謂やり送り手段が適用され
る。左右２枚の外壁パネルＡ，Ａを取付けた状態
が第６図に示されている。尚第７図の部分拡大図
に示すように、外壁パネルＡの上下両端にＬ型部
材A₂を溶接などの手段を適用して取付けてお
き、これを固定金具３の両側板３ａ，３ａの切欠
き３ｆに係入するようにしてもよい。

次にこのようにして取付けられた外壁パネル
Ａ，Ａの接合端の間隙６から該間隙６と略々同じ
巾の断面型の押え金具７が、その両側板７ａ，
７ａ基端部外面に装着された弾性パツキング８の
適用下に挿入されると共に、この挿入状態に於
て、押え金具７の両側板７ａ，７ａ先端の爪部７
ｂ，７ｂが固定金物３底部の２本の平行する係合
用爪部３ｅ，３ｅに係止され、茲に第１図に示す
通り外壁パネルＡ，Ａ相互の接合の目的を達し得
る。尚第８図及び第９図は、弾性パツキング５及
び８の装着部の拡大図であつて、弾性パツキング
５，８としては図示のような中空構造のものを有
利に使用できる。

このように本考案に於ては、金物台１とこれに
取付け固定される固定金物３との接合面のそれぞ
れに、凹凸条付の傾斜面を設け、この傾斜面を利
用して固定金物３の取付け高さを適宜微調整し得
るようになすと共に、凹凸条の係合により微調整
された位置を安定確実に保持し得るようになした
ので、仮に古い建物の外壁面ａに凹凸や緩るい傾
斜があるような場合であつてもこれらに影響され
ることなく固定金物３の有効高さを所定寸法通り
に保持することが可能となり、このような固定金
物３に外壁パネルＡを取付けることにより、古い
建物の外壁面とは無関係に、垂直にして寸法精度
の高い外壁を組立てることができる特長がある。

更に本考案に於ては、このように金物台１、固
定金物３及び押え金物７を用いて外壁パネルＡを
接合する方式であり、施工が容易であると共に、
押え金具７が目地材として機能するのみならず該
押え金具７に装着した弾性パツキング８が防水材
として機能し、よつて従来にみられるような目地
部へのパテなどの充填を省略でき、全体として施
工を著しく簡略化できる特長がある。

更に本考案に於ては、弾性パツキング５及び８
の保有弾性により、温度変化により生ずる各部材
の膨脹、収縮を吸収し得るので接合部に無理が生
ずることなく、接合部の水密性をいつまでも保持
できると共に、仮に弾性パツキング８の部分を通
じて内部に雨水が侵入しても、固定金物３が樋と
して機能し、侵入雨水を外部に排出するので、優
れた防水性をいつまでも保持できる特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施の一例を示す要部拡大断面
図、第２図は本考案装置に用いる金物台及び止着
金具を示す斜面図、第３図は古い建物の外壁面に
対する金物台の取付け状況を示す正面図、第４図
は金物台に対する固定金物の取付け状況を示す正
面図、第５図は固定金物に対する外壁パネルの取
付け手段の一例を概略的に示す説明図、第６図は
固定金物に対する外壁パネルの取付け状況を示す
正面図、第７図は第６図の〜線に沿う拡大縦
断面図、第８図及び第９図は弾性パツキングの装
着状況を示す拡大縦断面図である。 図に於て、１は金物台、２は止着金具、３は固
定金物、４は止着金具、５は弾性パツキング、６
は間隙、７は押え金具、８は弾性パツキングであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 古い建物の外壁面に、中央部上面に係合用凹凸
   条付傾斜面を有する金物台の複数個が、縦方向に
   列をなすように上下に適当間隔を存して、両側部
   の横長取付穴に於て、止着金具の適用下に取付け
   固定され、この金物台の縦列上に、断面Ｕ型であ
   つて両側板の上端部内側に係止突部を有する固定
   金物が、その下面の凹凸条付傾斜面と上記金物台
   上面の凹凸条付傾斜面との係合下に、該固定金物
   の横長取付穴より金物台のねじ穴に螺入される止
   着金具を用いて取付け固定され、この固定金物の
   両側板の係止突部に、左右一対の外壁パネルの接
   合端のコ字型折曲部のそれぞれが、上記係止突部
   の内面に長手方向に沿つて装着された弾性パツキ
   ングの適用下に係止され、この係止された外壁パ
   ネル相互の接合端の間の間隙から、該間隙と略々
   等しい左右巾を有する断面型の押え金具が、そ
   の両側板基端部の外面に長手方向に沿つて装着さ
   れた弾性パツキングの適用下に挿入され、この挿
   入状態に於て、押え金具の両側板先端の爪部が、
   固定金物底部の係合用爪部に係止されていること
   を特徴とする外壁パネル接合装置。