JPH0152537B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、隣接する両建物の躯体、例えば屋
根と屋根、屋根と壁、壁と壁（入角部を含む）、
壁と床、壁と天井、床と床、天井と天井等を接続
するエキスパンシヨンジヨイントに関し、詳しく
は地震、地盤沈下、建物の膨張、収縮等による変
動に対処することのできるエキスパンシヨンジヨ
イントの改良に関するものである。

この発明の目的は、構造が簡単で、かつ、固定
部材に対するカバー部材の装着を容易に行うこと
ができて、製作、施工のコスト低減等を図ること
ができるエキスパンシヨンジヨイントを提供する
ことである。

以下、この発明の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図から第４図に示す第１実施例において、
隣接する両建物の躯体（屋根と屋根）K₁，K₂を
接続するエキスパンシヨンジヨイント１が示され
ている。このジヨイント１において、両躯体K₁，
K₂の躯体面には、長尺で対称状をなす両固定部
材２，３がビス４，５によつてそれぞれ固定され
ている。なお、一方（第１図では右側）の躯体
K₂の躯体面には固定部材３用のアングル材６が
固着されており、アングル材６及び固定部材３の
外側（右側）縁部と躯体面との間にはコーキング
材７が充填されている。

両固定部材２，３の対向する内端部には表面側
にウエブを有する中空箱形断面等の支持部２ａ，
３ａが形成されている。これら支持部２ａ，３ａ
のウエブ２ｂ，３ｂ内端側において、その背面側
には合成樹脂、ゴム等よりなる止水板８の両端を
嵌着する嵌着部２ｃ，３ｃが突設される一方、表
面側には水切部材９，１０用のホルダ１１，１２
の一端を嵌着する断面略Ｃ字状の保持部２ｄ，３
ｄが形成されるとともに、該保持部２ｄ，３ｄの
表面にばね部材１８を係着する突起状の係止部１
３，１４が付設されている。係止部１３，１４の
先端１３ａ，１４ａは断面円弧状、断面山形状等
に形成され、同係止部１３，１４の両側面には断
面でのこ刃状の係止面１３ｂ，１４ｂが形成され
ている。これら係止面１３ｂ，１４ｂのうち、最
先端ののこ刃面の突出量が他の部分より所定量だ
け大きく形成されてばね部材１８の外れを積極的
に防止している。

両固定部材２，３における支持部２ａ，３ａの
ウエブ２ｂ，３ｂ外端には、水切部材９，１０用
のホルダ１１，１２を係止するための係止縁２
ｅ，３ｅが形成されるとともに、同ウエブ２ｂ，
３ｂの外端部背面側には水切笠木１５の一端を係
止する係止突縁２ｆ，３ｆが形成されている。な
お、水切笠木１５は必要に応じて配設されるもの
で、この実施例では一方の躯体K₁に対してのみ
配設され、この躯体K₁の躯体面には水切笠木１
５用の短尺のホルダ１６が所定ピツチで配設され
る。

両固定部材２，３のウエブ２ｂ，３ｂ表面側に
は短尺の所定数のホルダ１１，１２によつて長尺
の水切部材９，１０が取りつけられている。ホル
ダ１１，１２は水切部材９，１０の背面側に沿つ
て断面Ｌ字状に形成され、同ホルダ１１，１２の
背面には固定部材２，３の保持部２ｄ，３ｄに嵌
込まれる嵌込片１１ａ，１２ａと、固定部材２，
３の係止縁２ｅ，３ｅの背面に係合する係止爪１
１ｂ，１２ｂ及び係止縁２ｅ，３ｅの表面側に当
接する押え片１１ｃ，１２ｃがそれぞれ形成され
ている。そして、ホルダ１１，１２によつて保持
される水切部材９，１０の両端にはホルダ１１，
１２の両端と係合する断面かぎ形状の係合縁９
ａ，１０ａが形成されている。

両躯体K₁，K₂間の隙間Ｓを塞ぐ長尺のカバー
部材１７は、短尺の所定数のばね部材１８によつ
て両固定部材２，３の水切部材９，１０の表面に
沿つて移動（傾動、スライド等の移動）可能に装
着されるもので、このカバー部材１７の背面側両
端部には水切部材９，１０の表面に密接して気
密、水密を保持するパツキン１９，２０を嵌着す
るあり溝を有する嵌着部１７ａ，１７ｂが形成さ
れている。また、カバー部材１７の両嵌着部１７
ａ，１７ｂの内側面には、同カバー部材１７の長
手方向へ別のカバー部材を接続するための排水能
を有する継手２１の両端を保持する保持縁１７
ｃ，１７ｄが形成されている。カバー部材１７の
背面、略中央部にはばね部材１８を係着する突起
状の係止部２２が所定の高さで突設されており、
この係止部２２の先端２２ａは断面円弧状、断面
山形状等に形成され、同係止部２２の両側面には
断面のこ刃状の係止面２２ｂが形成されている。
これら係止面２２ｂのうち、最先端ののこ刃面の
突出量が他の部分より所定量だけ大きく形成され
てばね部材１８の外れを積極的に防止している。

両固定部材２，３の水切部材９，１０表面に沿
つてカバー部材１７を移動可能に保持する短尺の
ばね部材１８は、両躯体K₁，K₂の上下、左右、
前後等の変動に対応して弾性伸縮可能に断面略Ｗ
字状をなし、その中央部にはカバー部材１７の係
止部２２と弾性係着する受止部２３が形成され、
両端部には両固定部材２，３の係止部１３，１４
とそれぞれ弾性係着する両受止部２４，２５が形
成されている。この実施例において、ばね部材１
８は、断面略Ｖ字状をなす２つのばね板部１８
ａ，１８ｂを主体として構成されるもので、これ
らばね板部１８ａ，１８ｂの対向する内板部の上
部がリベツト、ビス、点溶接等によつて固着１８
ｃされて一体状をなす。そして、両ばね板部１８
ａ，１８ｂの接合部先端には、カバー部材１７の
係止部２２が挿入される挿入口を有し、かつ、該
挿入口の開口縁両側に係止部２２の係止面２２ｂ
と弾性係着する係止爪２３ａを有する受止部２３
が形成されている。両ばね板部１８ａ，１８ｂの
外板部先端には、両固定部材２，３の係止部１
３，１４が挿入される挿入口を有し、かつ、該挿
入口の開口縁両側に係止部１３，１４の係止面１
３ｂ，１４ｂとそれぞれ弾性係着する係止爪２４
ａ，２５ａを有する受止部２４，２５が形成され
ている。さらに、カバー部材１７の係止部２２と
ばね部材１８の中央部の受止部２３とを弾性係着
させた状態において、ばね部材１８の両端部の受
止部２４，２５上面がカバー部材１７の背面に弾
性圧接するとともに、第３図に示すように、両受
止部２４，２５間の距離L₁が両固定部材２，３
の係止部１３，１４間の距離L₂よりもａだけ大
きくなるように、ばね部材１８の各受止部２３，
２４，２５の配設位置が設定されている。すなわ
ち、カバー部材１７の係止部２２とばね部材１８
の受止部２３とを弾性係着させた状態において、
カバー部材１７を固定部材２，３側へ押圧するこ
とで、ばね部材１８の両ばね板部１８ａ，１８ｂ
の外板面が固定部材２，３の係止部１３，１４の
先端１３ａ，１４ａに沿つて摺動し、この案内作
用によつてばね部材１８の両端の受止部２４，２
５が両固定部材２，３の係止部１３，１４と確実
に弾性係着するとともに、この状態において、ば
ね部材１８のばね力によつてカバー部材１７を固
定部材２，３側へ付勢し、同カバー部材１７両端
のパツキン１９，２０を両水切部材９，１０の表
面に所定圧力で圧接させ得るように、ばね部材１
８のばね力が設定されている。しかも、上記した
ように、カバー部材１７を装着した状態におい
て、両躯体K₁，K₂が変動してばね部材１８が弾
性伸縮するときに、同ばね部材１８における両ば
ね板部１８ａ，１８ｂのＶ字折曲部に応力が集中
して作用することがないように、両ばね板部１８
ａ，１８ｂの折曲部には応力を分散する断面略Ω
状、波板状等の弾性変形部１８ｄ，１８ｅが形成
されてばね力の持続性、耐久性等の向上が図られ
ている。

なお、上記両固定部材２，３、ホルダ１１，１
２、水切部材９，１０、カバー部材１７等の各部
材は軽合金（アルミ合金等）の押出成形による型
材を用いることもできる。

上述したように構成されるエキスパンシヨンジ
ヨイント１において、両躯体K₁，K₂が上下、左
右、前後等へ変動したときには、この変動に対応
してばね部材１８が弾性伸縮する一方、カバー部
材１７はばね部材１８に保持された状態で、両固
定部材２，３の水切部材９，１０の表面に沿つて
移動（傾動、スライド等の移動）する。このた
め、カバー部材１７の変形、損傷等が防止され、
両躯体K₁，K₂間の隙間Ｓはカバー部材１７によ
つて常に良好に密閉保持される。

さて、両固定部材２，３の水切部材９，１０の
表面にカバー部材１７を装着する場合、まず、カ
バー部材１７の係止部２２とばね部材１８の中央
部の受止部２３とを弾性係着させ、次に、カバー
部材１７を両固定部材２，３側へ押圧すること
で、両固定部材２，３の係止部１３，１４に対し
ばね部材１８の両端部の受止部２４，２５とが弾
性係着し、これによつてカバー部材１７の装着作
業が完了する。

次に、第５図に示す第２実施例において、両建
物の躯体（屋根と壁）K₁，K₂を接続するエキス
パンシヨンジヨイント１が示されている。このジ
ヨイント１において、一方の躯体K₁の躯体面に
取りつけられる固定部材２、ホルダ１１及び水切
部材９は第１実施例とほぼ同様である。

他方の躯体K₂の躯体面にビス５によつて固定
される長尺の固定部材３は、その下端部に一方の
固定部材２に向けて張出す支持部３ａが形成され
て断面Ｌ字状をなす。この支持部３ａ先端には、
その表面側にカバー部材１７の背面を支承する支
承縁３ｇが突設され、背面側に断面Ｌ字状の突縁
３ｈが突設されている。突縁３ｈには、その先端
面に止水板８の一端を嵌着する嵌着部３ｃが形成
され、先端部表面にばね部材１８を係着する係止
部１４が付設されている。固定部材３の上端部に
は補助カバー２６を係止する断面かぎ形状の掛止
縁３ｉが形成され、同固定部材３の基板部表面に
は補助カバー２６を係着する受止部２７が形成さ
れている。

両躯体K₁，K₂間の隙間Ｓを塞ぐ長尺のカバー
部材１７は第１実施例とほぼ同様のばね部材１８
によつて両固定部材２，３の間に移動可能に装着
される。このカバー部材１７の一端部背面側には
固定部材２の水切部材９表面に密接するパツキン
１９を嵌着するためのあり溝を有する嵌着部１７
ａが形成され、同カバー部材１７の他端部表面側
には補助カバー２６の背面に密接するパツキン２
０を嵌着するためのあり溝を有する嵌着部１７ｂ
が形成されている。さらに、カバー部材１７の他
端縁には継手２１用の保持縁１７ｄが形成され、
同カバー部材１７の背面、略中央部には、ばね部
材１８の中央部の受止部２３に対応する係止部２
２が形成されている。

補助カバー２６は、他方の躯体K₂の躯体面及
びカバー部材１７の表面に沿つて断面Ｌ字状に形
成され、その背面側隅角部には固定部材３の受止
部２７に係着される係止突起２９が形成されてい
る。なお、この実施例では係止ばね２８によつて
弾性係着される。さらに、補助カバー２６の一端
部にはカバー部材１７の表面に密接するパツキン
５８を嵌着するためのあり溝を有する嵌着部２６
ａが形成され、同補助カバー２６の他端部には固
定部材３の掛止縁３ｉに係合する断面かぎ形状の
係合縁２６ｂが形成されている。なお、第５図
中、３０，３１はコーキング材である。

上記のように構成されるエキスパンシヨンジヨ
イント１は第１実施例とほぼ同様の作用をすると
ともに、補助カバー２６は、カバー部材１７が装
着された後、固定部材３に対し押込み操作によつ
て容易に取りつけられる。なお、補助カバー２６
は必要に応じて設けられるもので、カバー部材１
７と一体成形することも可能である。

次に、第６図に示す第３実施例において、両建
物の躯体（床と床）K₁，K₂を接続するエキスパ
ンシヨンジヨイント１が示されている。このジヨ
イント１において、両躯体K₁，K₂の躯体面には
ビス溶接等によつて所定数の取付部材３２，３３
が所定ピツチで配設されており、これら取付部材
３２，３３には取付片３４と係合部３５との係合
によつて長尺の両固定部材２，３が固定されてい
る。

両固定部材２，３は左右対称状をなす中空箱形
断面等に形成され、その対向する内端部には止水
板８の両端を嵌着する嵌着部２ｃ，３ｃが形成さ
れている。嵌着部２ｃ，３ｃの背面側には取付部
材３２，３３の先端部背面と係合する係合縁２
ｊ，３ｊが形成され、同嵌着部２ｃ，３ｃの表面
側にはばね部材１８を係着する係止部１３，１４
が付設され、これら係止部１３，１４の基端には
水抜き孔３６，３７が貫設されている。両固定部
材２，３の表面側外端にはガスケツト３８，３９
の外端を嵌着するあり溝を有する嵌着部２ｋ，３
ｋが形成されている。

両躯体K₁，K₂間の隙間Ｓを塞ぐ長尺のカバー
部材１７は、第１実施例とほぼ同様のばね部材１
８によつて両固定部材２，３の表面跨がつて移動
可能に装着される。このカバー部材１７の背面側
両端には、ガスケツト３８，３９の内端部に凹設
される抜止溝３８ａ，３９ａ嵌合する突縁１７
ｅ，１７ｆが形成され、同カバー部材１７の背
面、略中央部には、ばね部材１８の中央部の受止
部２３に対応する係止部２２が垂下状に形成され
ている。なお、両固定部材２，３の表面に配設さ
れるガスケツト３８，３９は合成樹脂、ゴム等よ
りなり、かつ、伸縮可能の中空蛇腹状に形成され
ている。

上記のように構成される第３実施例のエキスパ
ンシヨンジヨイント１は第１実施例とほぼ同様の
作用をするとともに、両固定部材２，３に対しカ
バー部材１７が移動するときには、この移動に追
従してガスケツト３８，３９が伸縮する。

次に、第７図に示す第４実施例において、両建
物の躯体（床と壁）K₁，K₂を接続するエキスパ
ンシヨンジヨイント１が示されている。このジヨ
イント１において、一方の躯体K₁の躯体面に配
設される取付部材３２及び固定部材２は第３実施
例とほぼ同様である。

他方の躯体K₂の躯体面にはビス５によつて長
尺の固定部材３が固定されており、この固定部材
３のビス止部にはビス５の頭部が収納される凹部
３ｌが形成され、該凹部３ｌには長尺のキヤツプ
５１が取りつけられている。なお、この実施例で
は係止ばね５０によつて弾性係着されている。固
定部材３の下部にはガスケツト３９の外端を嵌着
するためのあり溝を有する嵌着部３ｋと中空箱形
断面等の支持部３ａとが順に形成されている。こ
の支持部３ａの表面は一方の固定部材２の表面と
ほぼ同一平面をなし、同支持部３ａの内端部に
は、その表面側に支承片３ｇが突設され、背面側
に止水板８の一端を嵌着する嵌着部３ｃが形成さ
れている。この嵌着部３ｃの表面側にはばね部材
１８を係着する係止部１４が垂設され、該係止部
１４の基端には水抜孔３７が貫設されている。ま
た、固定部材３の上端部背面側には躯体面に密接
するパツキン５２を嵌着するためのあり溝を有す
る嵌着部３ｍが形成されている。

両躯体K₁，K₂間の隙間Ｓを塞ぐカバー部材１
７及びこのカバー部材１７を両固定部材２，３の
間に移動可能に保持するばね部材１８は第３実施
例とほぼ同様である。

上記のように構成される第４実施例のエキスパ
ンシヨンジヨイント１は第３実施例とほぼ同様の
作用をする。

次に、第８図に示す第５実施例において、両建
物の躯体（壁と壁、又は天井と天井）K₁，K₂を
接続するエキスパンシヨンジヨイント１が示され
ている。このジヨイント１において、両躯体K₁，
K₂の躯体面には、左右対称状をなす長尺の両固
定部材２，３がビス４，５によつて固定されてお
り、両固定部材２，３のビス止部にはビス４，５
の頭部が収納される凹部２ｌ，３ｌが形成され、
該凹部２ｌ，３ｌには長尺のキヤツプ５１がそれ
ぞれ取りつけられている。なお、この実施例では
係止ばね５０によつて弾性係着されている。両固
定部材２，３の背面、略中央部には躯体面に当接
する断面Ｌ字状の当接縁２ｎ，３ｎが突設され、
両固定部材２，３の対向する内端部には断面Ｌ字
状の突縁２ｈ，３ｈが形成され、該突縁２ｈ，３
ｈの表面側にはばね部材１８を係着する係止部１
３，１４が付設され、背面側には止水板８の両端
部を嵌着する嵌着部２ｃ，３ｃが必要に応じて設
けられる。すなわち、躯体K₁，K₂が内壁や天井
の場合、止水板８を必ずしも設ける必要性がない
ため、嵌着部２ｃ，３ｃは設けなくともよい。な
お、第８図中、５３，５４はコーキング材、気密
材等である。

両躯体K₁，K₂間の隙間Ｓを塞ぐカバー部材１
７及び該カバー部材１７を両固定部材２，３の間
に移動可能に保持するばね部材１８は第１実施例
とほぼ同様である。

上記したように構成されるエキスパンシヨンジ
ヨイント１は第１実施例とほぼ同様の作用をす
る。

次に、第９図に示す第６実施例において、両建
物の躯体（入角部における壁と壁、又は壁と天
井）K₁，K₂を接続するエキスパンシヨンジヨイ
ント１が示されている。このジヨイント１におい
て、一方の躯体にビス４によつて固定される固定
部材２は第５実施例とほぼ同様で、異なるところ
は、固定部材２の外端部背面に、躯体面に密接す
るパツキン５５を嵌着するためのあり溝を有する
嵌着部２ｍが形成される。

他方の躯体K₂の躯体面にビス５によつて固定
される固定部材３の下端には一方の固定部材２に
向けて張出する支持部３ａが形成され、該支持部
３ａの先端部表面側には支承縁３ｇが形成され、
背面側には断面Ｌ字状の突縁３ｈが形成されてい
る。突縁３ｈの表面側にはばね部材１８を係着す
る係止部１４が突設され、背面側には止水板８の
一端を嵌着するための嵌着部３ｃが必要に応じて
設けられる。また、固定部材３の上端部背面には
躯体面に密接するパツキン５２を嵌着するための
嵌着部３ｍが形成されている。

両躯体K₁，K₂間の隙間Ｓを塞ぐカバー部材１
７及び該カバー部材１７を両固定部材２，３の間
に移動可能に保持するばね部材１８は第１実施例
とほぼ同様である。

上記のように構成される第６実施例のエキスパ
ンシヨンジヨイント１は第１実施例とほぼ同様の
作用をする。

なお、上述した各実施例においては、躯体K₁，
K₂の躯体面に対し、固定部材２，３がビス４，
５によつて直接固定される場合や取付部材３２，
３３を介して固定される場合を例示したが、第１
０図に示すように、躯体K₂，K₁の躯体面にビス
５６等によつて固定されるばねホルダ５７によつ
て固定部材３，２を弾性係着させてもよい。

また、カバー部材１７の係止部２２とばね部材
１８の中央部の受止部２３とにおいて、第１１図
と第１２図に示すように、カバー部材１８の背面
に１対の係止部２２，２２を形成し、これら係止
部２２，２２の内外両面あるいは少なくとも一側
面に係止面を形成する一方、ばね部材１８の中央
頂部に両係止部２２と２２間に挿入される受止部
２３を形成し、該受止部２３に係止部２２，２２
の係止面と弾性係着する係止爪２３ａを形成して
もよい。さらに、カバー部材１７の背面ほぼ中央
部に、同カバー部材１７と一体又は別部材よりな
る受止部２３を配設する一方、ばね部材１８の略
中央部に、同ばね部材１８と一体又は別部材より
なる係止部２２を配設してもよい。さらに、係止
部２２と受止部２３との形状は弾性係着するもの
であればどのような形状であつてもよい。

また、両固定部材２，３の係止部１３，１４と
ばね部材１８の両端部の受止部２４，２５とにお
いて、ばね部材１８の両端部に、該ばね部材１８
と一体又は別部材よりなる係止部１３，１４を配
設し、両固定部材２，３に、該部材２，３と一体
又は別部材よりなる受止部２４，２５を配設して
もよい。さらに、係止部１３，１４と受止部２
４，２５との形状は限定するものではなく、押込
み操作によつて弾性係着するものであればどのよ
うな形状であつてもよい。

また、ばね部材１８において、両ばね板部１８
ａ，１８ｂを一枚板によつて形成してもよく、線
状材等によつて形成してもよい。さらに、ばね部
材１８が断面略Ｗ字状の場合、その折曲部のう
ち、中央頂部の折曲部のみに応力を分散させる弾
性変形部を形成してもよい。さらに、ばね部材１
８を、第１３図に示すように、略Ｕ字状、Ｖ字状
等に形成し、その折曲部に応力を分散させる弾性
変形部１８ｄを形成してもよい。

また、上記した第１実施例及び第２実施例にお
いては、カバー部材１７を水切部材９，１０の表
面に架設したが、水切部材９，１０は必ずしも設
ける必要はなく、例えば、第１４図に示すよう
に、固定部材２，３の内端部に支持部２ａ，３ａ
を設け、該支持部２ａ，３ａの上端内側に、ばね
部材１８を係着する係止部１３，１４を設け、上
端外側に、カバー部材１７の背面に密接して該カ
バー部材１７を支承するパツキン５９を嵌着する
ためのあり溝を有する嵌着部２ｐ，３ｐを形成し
てもよい。さらに、支持部２ａ，３ａの上部に
は、必要に応じて設けられる水切笠木６０の上端
部を係止する係止突縁２ｆ，３ｆを形成してもよ
い。

以上述べたように、この発明は、隣接する両建
物の躯体に配設されて対をなす両固定部材と、こ
れら両固定部材の間に架設されて前記躯体間の隙
間を塞ぐカバー部材とを備え、前記カバー部材の
背面に、弾性伸縮可能のばね部材をそのほぼ中央
部において弾性係着して取付け、さらに、前記ば
ね部材の両端部には受止部をそれぞれ形成する一
方、これら各受止め部と対向する前記両固定部材
表面側の所定部位には、前記カバー部材の背面と
略直交する方向から前記各受止め部とそれぞれ嵌
め合つて弾性係着する係止部を配設したエキスパ
ンシヨンジヨイントである。

したがつて、カバー部材とばね部材とをボルト
やねじ等によつて締付ける必要がなく、その分だ
け部品点数を減少して構造を簡単にすることがで
きるとともに、カバー部材にばね部材をボルトや
ねじによつて締付ける作業も節減することができ
る。

さらに、両固定部材の間にカバー部材を装着す
る場合、まず、カバー部材の背面にばね部材をそ
の略中央部に弾性係着し、次に、前記ばね部材両
端の各受止部を、固定部材の各係止部と対応させ
た状態において、前記カバー部材を固定部材側へ
押圧するのみの装着操作で、前記各係止部と前記
各受止部とが相互に嵌め合つて強固に弾性係着
し、これによつて、カバー部材の装着作業を容易
にかつ手早く確実に行うことができて、製作・施
工のコスト低減等を図ることができる。しかも、
カバー部材の板面にねじ等の締結部材に対応する
取付孔を明ける必要がないので、雨仕舞や外観美
の向上を図ることができる等の効果もある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１
図は第１実施例のエキスパンシヨンジヨイントを
示す断面図、第２図は同じくカバー部材とばね部
材とを示す断面図、第３図はカバー部材を固定部
材に装着する状態を示す断面図、第４図はばね部
材を示す斜視図、第５図は第２実施例のエキスパ
ンシヨンジヨイントを示す断面図、第６図は第３
実施例のエキスパンシヨンジヨイントを示す断面
図、第７図は第４実施例のエキスパンシヨンジヨ
イントを示す断面図、第８図は第５実施例のエキ
スパンシヨンジヨイントを示す断面図、第９図は
第６実施例のエキスパンシヨンジヨイントを示す
断面図、第１０図は固定部材の他の実施例を示す
断面図、第１１図はカバー部材とばね部材との弾
性係着部の他の実施例を示す断面図、第１２図は
同じくばね部材を示す斜視図、第１３図はばね部
材の他の実施例を示す側面図、第１４図は第１実
施例及び第２実施例の別態様を示す断面図であ
る。 １……エキスパンシヨンジヨイント、２，３…
…固定部材、１３，１４……係止部、１７……カ
バー部材、１８……ばね部材、２２……係止部、
２３……受止部、２４，２５……受止部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 隣接する両建物の躯体に配設されて対をなす
   両固定部材と、これら両固定部材の間に架設され
   て前記躯体間の隙間を塞ぐカバー部材とを備え、
   前記カバー部材の背面に、弾性伸縮可能のばね部
   材をそのほぼ中央部において弾性係着して取付
   け、さらに、前記ばね部材の両端部には受止部を
   それぞれ形成する一方、これら各受止め部と対向
   する前記両固定部材表面側の所定部位には、前記
   カバー部材の背面と略直交する方向から前記各受
   止め部とそれぞれ嵌め合つて弾性係着する係止部
   を配設したことを特徴とするエキスパンシヨンジ
   ヨイント。 ２ 前記ばね部材は、前記カバー部材を前記固定
   部材側へ付勢するばね力を有することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のエキスパンシヨン
   ジヨイント。