JPS5932665Y2 - 階段構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、階段がそのまま屋根や外壁となる、内部空間
の有効利用が可能な階段構造に関する。

第１図は本考案に係る階段構造を適用する建造物の一例
を示すもので、体育館、美術館等の建築主体Ａの全周囲
又は一部の周囲を階段Ｂで囲繞する場合を示す。

このような建造物では従来階段Ｂはコンクリートを打設
して形成するのが普通であり、したがって階段Ｂの内側
を有効に利用するという着想は存在しなかった。

本考案は、例えば上記のような階段の内側を空間として
利用することができる階段構造を得ることを目的になさ
れたもので、階段の傾斜に沿わせて所要の間隔で斜設し
た支持材に、水平部分と垂直部分とを有して垂直部分の
一部に締結凹部を形成した支持フレームを固定し、上記
支持フレームの水平部分に載る踏板部分と垂直部分に沿
う縦板部分とを有する階段素板を支持フレーム間に渡架
し、階段素板の縦板部分背面に設けた掛止フックと支持
フレームの締結凹部内に設けた締結具とを係合させて締
付ねじの締着により階段素板を支持フレームに向って引
き付け、階段素板の縦板部分を支持フレームの垂直部分
に支持するとともに、階段素板の踏板部分を支持フレー
ムの水平部分に支え、かつ階段素板の踏板部分先端に設
けた囲繞係止縁を下側に位置する階段素板の縦板部分上
端に設けた挿入係止縁に係合させたことを特徴とする。

以下図示実施例について本考案を説明する。

第２図は本考案に係る階段構造の断面図であって、１は
階段の傾斜に沿わせて斜めに設けたＨ鋼等からなる支持
材、２はこの支持材１上に溶接その他の手段により固定
した支持フレームを示す。

この支持材１および支持フレーム２は第１図に破線で示
すように適当な間隔をおいて階段面に対し垂直方向に設
けるものである。

支持フレーム２は、階段の輪郭を作るべく、階段の踏づ
らに相当する水平部分３と、けあげに相当する垂直部分
４とを有しており、垂直部分４の下方一部には締結凹部
５が設けられている。

この支持フレーム２は一連の部材から構成することが望
ましいが、階段数段分を単位としてこれを適宜接続して
用いてもよい。

階段素板６は所要の間隔で設けた二組上の上記支持フレ
ーム２間に渡架するもので、支持フレーム２の水平部分
３に載る踏板部分７と垂直部分４に沿う縦板部分８を有
する断面り字形に形成されている。

縦板部分８の背面下方には、上記支持フレーム２の締結
凹部５内に位置する掛止フック９を突出形成し、この掛
止フック９には締結凹部５内に位置し、外側（裏側）の
締付ねじ１０によって締結操作ができる締結具１１を係
合させる。

そしてこの階段素板６の踏板部分７の先端には、下方内
方に屈曲した逆コ字状の囲繞係止縁１２が形成され、縦
板部分８の上端には斜め前方下方に折り返した鉤状の挿
入係止縁１３が形成されていて、両係止縁１２，１３が
上下の階段素板６，６間で係合するようになっている。

上記構成の階段を施工するには、適当な支持部材を用い
て支持材１を斜設した後その上に支持フレーム２を固定
し、この支持フレーム２上に下方から順次階段素板６を
固定していけばよい。

階段素板６の掛止フック９を締結凹部５側の締結具１１
に噛み合わせて締付ねじ１０を締めれば、該素板６の縦
板部分８が支持フレーム２の垂直部分４に、踏板部分７
が水平部分３にそれぞれ密着する。

更に基板６の踏板部分７がフレーム２に向って引き付け
られるので、上方の素板６の囲繞係止縁１２は下方の素
板の挿入係止縁１３に確実に且つ強固に係合し、基板６
が上下方向に強固に連結されるとともに、下方の素板６
の挿入係止縁１３は上方の素板６の囲繞係止縁１２に包
まれて留められるため、上下の階段素板６間の雨仕舞を
確保しつつ階段を構成することができるのである。

両係止縁１２，１３間の雨仕舞をより確実にするには、
両係止縁間に毛細管現象の防止空間１４が形成されるよ
うに両係止縁の形状を設定するのがよい。

図面の実施例はその形状例をも示すものであるが、他の
形状によっても毛細管現象の防止空間を形成できるのは
明らかである。

また両係止縁１２．１３間は溶接その他の手段によって
結合しないことを原則とする。

温度変化に基因する階段素板６やタイトフレーム２の伸
縮を両係止縁の保合部分で吸収することができるからで
ある。

以上要するに本考案に係る階段構造によれば、斜設した
支持材の上に支持フレームを固定し、この支持フレーム
上に階段素板を下方から順次固定していくことによって
階段を構成することができ、階段の構築を著しく簡便に
、且つ迅速にすることができる。

しかも、踏板部分と縦板部分とを有する階段素板を該縦
板部分背面に設けた掛止フックと支持フレームの締結凹
部内に設けた締結具とを係合させて締付ねじの締着によ
り、階段素板を支持フレームに向って引き付けることが
できるので、階段素板の縦板部分を支持フレームの垂直
部分に密着させて支持できるとともに、各階段素板は互
いに係合する囲繞係止縁と挿入係止縁とにより確実に且
つ強固に連結でき、階段の構築後、階段素板がめくれ上
ったり、ガタ付いたりすることなく、長い年月に沿って
使用に耐える階段構造を提供できる。

又、各階段素板の連結部分は下方の素材の挿入係止縁が
上方の素材の囲繞係止縁に包みこまれているため、継ぎ
目部分が表面に露呈せず、階段素板の連結部分から雨水
が浸入することがなく、階段の内側空間をそのまま物置
きや倉庫などとして利用できるばかりでなく、雨水の浸
入が防止されるので階段の内部からの老朽化や腐食化を
防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る階段構造の適用建造物の例を示す
斜視図、第２図は同縦断面図である。 １・・・・・・支持材、２・・・・・・支持フレーム、
３・・・・・・水平部分、４・・・・・・垂直部分、５
・・・・・・締結凹部、６・・・・・・階段素板、７・
・・・・・踏板部分、８・・・・・・縦板部分、９・・
・・・・掛止フック、１０・・・・・・締付ねし、１１
・・・・・・締結具、１２・・・・・・囲繞係止縁、１
３・・・・・・挿入係止縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 階段の傾斜に沿わせて所要の間隔で斜設した支持材に、
   水平部分と垂直部分とを有して垂直部分の一部に締結凹
   部を形成した支持フレームを固定し、上記支持フレーム
   の水平部分に載る踏板部分と垂直部分に沿う縦板部分と
   を有する階段素板を支持フレーム間に渡架し、階段素板
   の縦板部分背面に設けた掛止フックと支持フレームの締
   結間部分に設けた締結具とを係合させて締付ねじの締着
   により階段素板を支持フレームに向って引き付け、階段
   素板の縦板部分を支持フレームの垂直部分に支持すると
   ともに、階段素板の踏板部分を支持フレームの水平部分
   に支え、かつ階段素板の踏板部分先端に設けた囲繞係止
   縁を下側に位置する階段素板の縦板部分上端に設けた挿
   入係止縁に係合させてなる階段構造。