JP3209075B2

JP3209075B2 - インクジェットプリンタ

Info

Publication number: JP3209075B2
Application number: JP03776196A
Authority: JP
Inventors: 基人村木
Original assignee: Brother Industries Ltd
Current assignee: Brother Industries Ltd
Priority date: 1996-02-26
Filing date: 1996-02-26
Publication date: 2001-09-17
Anticipated expiration: 2016-02-26
Also published as: JPH09226148A; US6241336B1; US6007180A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、インクジェットプリンタは、イ
ンク液滴を吐出し、紙送り装置により送給される印刷用
紙にドット記録を行うものであるが、インクの不吐出あ
るいは吐出不良が生じることがある。かかるインクの不
吐出あるいは吐出不良は、インク液滴を吐出するノズル
の先端にゴミが付着したり、インク供給源からのインク
に気泡が混入したり、ノズル内でインクが乾燥したり、
印字中に記録媒体からの紙粉がノズルに付着する等の各
種の理由によって生ずる。

【０００３】そこで、従来より、このようなインクの不
吐出あるいは吐出不良を解消して正常な状態に回復する
回復装置として、吸引キャップを印字ヘッドのノズル面
に当てて吸引ポンプで印字ヘッドからインクを吸引する
パージ装置を設けることが知られている（特開昭６１ー
１１８２５５号公報参照）。即ち、吸引キャップを保持
するキャップスライダがキャップホルダにスライド移動
可能に嵌合され、キャップスライダをキャップホルダに
対しスライド移動させることで、吸引キャップを印字ヘ
ッドのノズル面に当てるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような装置においては、吸引キャップを印字ヘッドの
ノズル面に位置精度よく当てるために、キャップスライ
ダとキャップホルダとはそれらの間にほとんど遊びがな
いようにスライド移動可能に嵌合されており、印字ヘッ
ドのノズル面に対する、吸引キャップのキャップ面の平
行度が悪い場合には、吸引キャップを印字ヘッドに当て
た場合にそれらの密着性が悪く、ノズルからのインク吸
引が良好に行われなかった。また、非記録時にノズル面
の乾燥を防止するための保護キャップでは、印字ヘッド
との密着性が悪いと、インクが乾燥してしまうという問
題があった。

【０００５】本発明は、従来のキャップの、印字ヘッド
のノズル面に対する位置精度を確保して、印字ヘッドの
ノズル面に対するキャップの密着性を高めたインクジェ
ットプリンタを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、イン
ク液滴をノズルから吐出する印字ヘッドと、該印字ヘッ
ドのノズル面を覆うキャップを有するキャップ装置とを
備え、前記キャップ装置は、前記キャップを前端部に支
持するキャップホルダと、該キャップホルダが移動可能
に遊嵌合されかつフレーム部材にスライド移動可能に支
持されている可動ケーシングと、該可動ケーシングとキ
ャップホルダとの間に介装されたスプリング部材とを有
し、前記スプリング部材は、その一端部が前記キャップ
ホルダに直接接触して前記可動ケーシングと前記キャッ
プホルダとの間に介装され、前記可動ケーシングは、そ
の内周に前記キャップホルダを隙間をもって嵌合すると
ともに、その内周から該キャップホルダに向かって突出
した規制凸部であって、該キャップホルダとの相対位置
関係を規制し、かつ前記キャップが前記ノズル面に合致
する方向に該キャップホルダを回転可能とする前記規制
凸部を有している構成とする。

【０００７】請求項１の発明によれば、キャップ装置の
キャップが印字ヘッドのノズル面を覆う際、通常はキャ
ップホルダと可動ケーシングがスプリング部材のスプリ
ング力によって一体化され、フレーム部材に対してスラ
イド移動して精度よく印字ヘッドに接近する。キャップ
が印字ヘッドのノズル面に合致せず、密着性が悪いと、
キャップホルダが、可動ケーシングの内周との間の隙間
と規制凸部とによって、キャップホルダと可動ケーシン
グとの相対位置を規制しながら回転し、キャップをノズ
ル面に合致させる。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１のインクジェ
ットプリンタにおいて、前記可動ケーシングは、前記可
動ケーシングとともに前記キャップを前記印字ヘッドの
ノズル面を覆う位置と該ノズル面から離れた位置との移
動を制御するカム部材のカム部に係合する係合部を有す
る。

【０００９】請求項２の発明によれば、可動ケーシング
の係合部とカム部材のカム部との係合関係で、キャップ
装置の駆動、即ちキャップの進退等が制御される。

【００１０】請求項３の発明は、インク液滴をノズルか
ら吐出する印字ヘッドと、該印字ヘッドが搭載されたキ
ャリッジを往復移動させるキャリッジと、前記印字ヘッ
ドのノズル面を覆うキャップを有するキャップ装置とを
備え、前記キャップ装置は、前記キャップを前端部に支
持する保持枠と、該保持枠が移動可能に遊嵌合されると
ともに前記キャリッジの移動方向にスライド移動可能に
支持されている可動ハウジングと、該可動ハウジングと
保持枠との間に介装されたスプリング部材とを有し、前
記可動ハウジングは、前記キャリッジと係合する係合部
を有し、前記キャリッジの移動にともない、前記係合部
がキャリッジと係合した状態で、該キャリッジと同方向
に移動するとともに、前記キャップが前記ノズル面を覆
う方向に移動するように案内傾面に沿って案内され、前
記スプリング部材は、その一端部が前記保持枠に直接接
触して前記可動ハウジングと前記保持枠との間に介装さ
れ、前記可動ハウジングは、その内周に前記保持枠を隙
間をもって嵌合するとともに、その内周から前記保持枠
に向かって突出した規制凸部であって、前記保持枠との
相対位置関係を規制し、かつ前記キャップが前記ノズル
面に合致する方向に前記保持枠を回転可能とする前記規
制凸部を有している。

【００１１】

【００１２】

【００１３】請求項３の発明によれば、キャリッジの移
動にともない、可動ハウジングがキャリッジと同方向に
移動するとともに、キャップが案内傾面に沿って印字ヘ
ッドのノズル面を覆う方向に移動するように案内され
る。このとき、通常は保持枠と可動ハウジングがスプリ
ング部材のスプリング力によって一体化され、精度よく
印字ヘッドに接近する。キャップが印字ヘッドのノズル
面に合致せず、密着性が悪いと、保持枠が、可動ハウジ
ングの内周との間の隙間と規制凸部とによって、保持枠
と可動ハウジングとの相対位置を規制しながら回転し、
キャップをノズル面に合致させる。

【００１４】

【００１５】

【００１６】

【００１７】

【００１８】

【００１９】

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００２１】インクジェットプリンタの外観を示す図１
において、インクジェットプリンタ１は、左右方向に延
びる回転軸（図示せず）によってプリンタフレーム２に
回転可能に支承される円筒形状のプラテンローラ３を有
する。プラテンローラ３は、給紙カセット又は手差し給
紙部から供給された印刷用紙４を、インクジェット式の
印字ヘッド５に対面させながら搬送するものであり、紙
送り装置の一部を構成している。

【００２２】尚、前記印刷用紙４は、プリンタフレーム
２の後方の図示しない用紙供給口から矢符Ａの方向に供
給され、プラテンローラ３の回転により矢符Ｂの方向に
送給され、図示しない用紙排出口から矢符Ｃの方向に排
出されるように構成されている。

【００２３】前記プラテンローラ３の前方には、キャリ
ッジ６がプラテンローラ３の軸線に沿って矢符Ｄの方向
に移動可能に設けられている。キャリッジ６は、前記印
字ヘッド５のほか、該印字ヘッド５に供給するためのイ
ンクを収容するインクカートリッジ７（本例では４色）
がそれぞれ着脱可能に搭載されている。また、キャリッ
ジ６は、プラテンローラ３の軸線と平行に設けられたキ
ャリッジ軸８にスライド移動可能に嵌挿され、これによ
って、キャリッジ６に搭載された印字ヘッド５は、プラ
テンローラ３の軸線に沿って、スライド移動により往復
移動可能となっている。

【００２４】前記キャリッジ６を往復移動させるキャリ
ッジ移動手段は、キャリッジ駆動モータ１１によって、
ベルト１２及びプーリ１３，１４を有するベルト駆動機
構１５を介してキャリッジ６を駆動するように構成され
ている。尚、キャリッジ駆動モータ１１としてはステッ
プモータあるいはＤＣモータが使用される。

【００２５】また、前記プラテンローラ３に対応する印
字エリアの右側には、印字ヘッド５の不吐出あるいは吐
出不良を回復するための回復装置ＲＭが配設された回復
エリアが形成されている。このような回復装置ＲＭを設
けているのは、インクジェット式の印字ヘッド５は、使
用中に内部に気泡が発生したり、吐出面上にインクの液
滴が付着したりする等の原因により吐出不良を起こすの
で、これを良好な吐出状態に回復させるためである。

【００２６】前記回復装置ＲＭとしては、図２〜図４に
詳細を示すように、印字ヘッド５のノズル面をワイピン
グするワイピング部材２１を有するワイピング装置２
２、印字ヘッド５内の残留インクを吸引するパージ装置
２３、印字を行わない際に印字ヘッド５のノズル面を覆
いインク蒸発を防止してノズル面が乾燥するのを回避す
る保護キャップ装置２４が設けられている。

【００２７】前記パージ装置２３は、印字ヘッド５の移
動経路内に突出した突出位置と印字ヘッド５の移動経路
より後退した待機位置との間を移動可能で、印字ヘッド
５を覆う吸引キャップ２５を有するキャップ装置の該キ
ャップ２５に連結され、前記突出位置において、印字ヘ
ッド５が吸引キャップ２５に覆われているときに、吸引
ポンプ２６により負圧を発生させ、印字ヘッド５内の残
留インクを吸引して良好な吐出状態を回復させるもので
ある。

【００２８】前記吸引キャップ２５は、吸引キャップ装
置において、浮動可能に支承されている。具体的には、
図２及び図３に示すように、吸引キャップ２５がキャッ
プホルダ２７の前端部に支持され、該キャップホルダ２
７が可動ケーシング２８に移動可能に支持され、該可動
ケーシング２８がフレーム部材２９にスライド移動可能
に支持されている。そして、キャップホルダ２７と可動
ケーシング２８との間にスプリング部材３０が介装さ
れ、該スプリング部材３０のスプリング力によって、キ
ャップホルダ２７に荷重が作用しない通常時には、キャ
ップホルダ２７と可動ケーシング２８とが一体化するよ
うになっている。

【００２９】前記キャップホルダ２７は、前端に係合凸
部２７ａが、後端に可動ケーシング２８からの離脱を防
止する係止部２７ｂがそれぞれ形成され、可動ケーシン
グ２８に移動可能に遊嵌合されている。前記キャップホ
ルダ２７には吸引通路２７ｃが形成され、該吸引通路２
７ｃに、可動ケーシング２８を貫通して吸引ポンプ２６
まで延びる吸引チューブ３１の一端部が接続されてい
る。

【００３０】一方、前記可動ケーシング２８は、後端部
にカム部材３２のカム部３２ａに係合する係合部２８ａ
を有し、該カム部３２ａによってパージ装置２３の駆動
が制御されるようになっている。

【００３１】また、可動ケーシング２８の前端部には、
キャップホルダ２７の係合凸部２７ａに係脱可能に係合
し該キャップホルダ２７との位置関係を規制する、規制
凸部２８ｂが形成され、それらの係合関係と、キャップ
ホルダ２７が可動ケーシング２８に移動可能に遊嵌合さ
れていることから、可動ケーシング２８に対してキャッ
プホルダ２７が、上下方向においては回転可能となるよ
うに浮動可能に構成され、吸引キャップ２５が印字ヘッ
ド５のノズル面に合致せず、密着性が悪いと、上下方向
においてキャップホルダ２７が回転して合致し、密着性
が高まるように修正されるようになっている。

【００３２】前記吸引ポンプ２６は、吸引キャップ２５
と吸引チューブ３１を介して接続され、また、前記吸引
ポンプ２６には、吐出チューブ３３の一端部が接続され
ており、該吐出チューブ３３の他端部が吸着材３４が収
容された廃インクタンク３５に接続されている。従っ
て、吸引ポンプ２６によって吸引チューブ３１を通じて
吸引された印字ヘッド５のノズル内の残留インクは、吐
出チューブ３３を通じて廃インクタンク３５に吐出さ
れ、そして廃インクタンク３５内の吸着材３４に吸着さ
れるようになっている。

【００３３】前記ワイピング装置２２のワイピング部材
２１の進退、吸引キャップ２５の進退及び吸引ポンプ２
６の駆動は、回転可能に支持されたカム部材３２を回転
することで制御されるようになっている。

【００３４】即ち、ワイピング部材２１を保持するワイ
パーホルダ４１の後端部がカム部材３２の第１カム溝３
２ａに、吸引キャップ２５を支持する可動ケーシング２
８の後端部が第２カム溝３２ｂに、吸引ポンプ２６の１
対のピストン４２，４３の駆動軸４４，４５の後端部が
第３及び第４カム溝３２ｃ，３２ｄに係合することでそ
れぞれ制御されるようになっており、このように制御さ
れることで一連の回復動作が行われることになる。尚、
前記ワイパーホルダ４１は、キャップホルダ２７と共
に、フレーム部材２９にスライド移動可能に支持されて
いる。

【００３５】また、前記カム部材３２には、紙送り装置
の駆動モータ等の駆動手段により常時回転駆動される駆
動ギヤに、選択的に噛み合うギヤ４６が一体的に形成さ
れている。

【００３６】また、前記キャリッジ６の移動方向と平行
となるように廃インクタンク３５にガイドロッド５１が
配設され、該ガイドロッド５１に、保護キャップ装置２
４がスライド移動可能かつ回動可能に支承されている。

【００３７】保護キャップ装置２４は、可動ハウジング
５２を備え、該可動ハウジング５２に、キャリッジ６に
形成された被係合部６ａと係脱可能に係合する係合部５
２ａが形成され、それによって係合部５２ａがキャリッ
ジ６の被係合部６ａに係合すると、キャリッジ６の移動
に追従して、可動ハウジング５２（保護キャップ装置２
４）がガイドロッド５１に沿ってスライド移動するよう
になっている。それと共に、前記可動ハウジング５２
は、背面側の左右方向略中央において後方に突出する案
内凸部５２ｂを有し、可動ハウジング５２がスライド移
動する際に、後方に位置し廃インクタンク３５と一体に
形成された案内部５３の案内傾面５３ａとの係合関係
で、ガイドロッド５１を回転中心として印字ヘッド５側
に回転するようになっている。

【００３８】このように回転することで、保護キャップ
装置２４は、印字ヘッド５の移動経路内に突出した突出
位置と、前記印字ヘッド５の移動経路より後退した待機
位置との間を移動可能であり、また、前記突出位置にお
いて印字ヘッド５のノズル面を覆う保護キャップ５４を
有し、該保護キャップ５４が浮動可能に支持されてい
る。具体的には、前記保持枠５５が、可動ハウジング５
２に上下方向において回転可能に遊嵌合され、保持枠５
５と可動ハウジング５２との間にスプリング部材５６が
介装されている。そして、保持枠５５は、前端部に係合
凸部５５ａを、後端部に可動ハウジング５２からの離脱
を防止する係止部５５ｂを有する一方、可動ハウジング
５２は、保持枠５５の係合凸部５５ａと係脱可能に係合
し該保持枠５５との位置関係を規制する規制凸部５２ｃ
を有し、保持枠５５が可動ハウジング５２に対し浮動可
能となっている。

【００３９】よって、保護キャップ５４に無理な荷重が
作用しない通常時は、スプリング部材５６のスプリング
力によって可動ハウジング５２と保持枠５５とが一体化
され、印字ヘッド５のノズル面に対する位置精度が確保
される一方、印字ヘッド５のノズル面に保護キャップ５
４が当接した際、それらがうまく沿わず密着しない場合
には、保持枠５５がスプリング部材５６のスプリング力
に抗して変位し、うまく沿い密着性が高まるように保持
枠５５と可動ハウジング５２との相対位置関係がずれる
ようになっている。

【００４０】続いて、吸引キャップ２５が連結されたパ
ージ装置２３及び保護キャップ装置２４の保護キャップ
５４の動作について説明する。−パージ装置２３−図示
しない制御手段による制御によって、キャリッジ６は、
回復動作が指示された印字ヘッド５の特定の色のノズル
を、吸引キャップ２５と対向させる位置まで移動する。

【００４１】そうすると、カム部材３２の回転により吸
引キャップ２５が前進せしめられ、前記印字ヘッド５の
ノズル面を覆い、それから吸引ポンプ２６が駆動され、
印字ヘッド５内から残留インクが吸引される。

【００４２】この印字ヘッド５のノズル面を覆う際、キ
ャップホルダ２７が可動ケーシング２８に移動可能に遊
嵌合され、可動ケーシング２８の規制凸部２８ｂとキャ
ップホルダ２７の係合凸部２７ａとが係合し、可動ケー
シング２８に対してキャップホルダ２７が、脱落するこ
となく、上下方向においては回転可能となるように浮動
可能に構成されていることから、吸引キャップ２５が印
字ヘッド５のノズル面に合致せず、両者の密着性が悪い
と、上下方向においてキャップホルダ２７が回転して合
致するように位置変化し、密着性が高まるように修正さ
れるようになっている。尚、通常時は、スプリング部材
３０のスプリング力によってキャップホルダ２７と可動
ケーシング２８が一体化しており、それらの相対位置が
変化することはない。

【００４３】その後、吸引キャップ２５が後退される一
方、ワイピング部材２１が前進され、キャリッジ６が前
記ノズルをワイピング装置２２を横切る方向に移動し
て、そのノズルをワイピングする。

【００４４】尚、前記印字ヘッド５の複数色のノズルに
対して回復動作を行うときは、各色のノズルに対して前
記と同様な動作を繰り返す。−保護キャップ装置２４−
回復エリアにおいて、キャリッジ６の被係合部６ａが可
動ハウジング５２の係合部５２ａに係脱可能に係合し、
その係合関係でキャリッジ６と一緒に可動ハウジング５
２がガイドロッド５１に沿ってスライド移動せしめられ
る。このとき、上述したように、案内凸部５２ｂと案内
傾面５３ａとの係合関係で保護キャップ装置２４が印字
ヘッド５側に回転するので、保護キャップ５４が印字ヘ
ッド５のノズル面を覆い、インクの蒸発が防止される。

【００４５】上記保護キャップ５４がノズル面を覆う
際、保護キャップ５４がノズル面にうまく沿わず、両者
がうまく密着しない場合には、保持枠５５がスプリング
部材５６のスプリング力に抗して、可動ハウジング５２
に対し上下方向において回転して相対変位し、保持枠５
５と可動ハウジング５２とがうまく沿い密着性が高まる
ようにそれらの相対位置関係がずれるようになってい
る。尚、通常時は、スプリング部材５６のスプリング力
によって保持枠５５と可動ハウジング５２が一体化され
ており、両者の相対位置が変化することはないのは、パ
ージ装置２３の場合と同様である。

【００４６】上記実施の形態においては、吸引キャップ
２５及び保護キャップ５４を浮動可能に支持するため
に、キャップホルダ２７が可動ケーシング２８に対し、
また、保持枠５５が可動ハウジング５２に対し、上下方
向のみに回転可能なるように構成しているが、上下方向
だけでなく、左右方向にも回転可能なるようにすること
もできるのは勿論である。

【００４７】また、上記の実施の形態においては、パー
ジ装置２３に連結されるキャップ装置は、吸引キャップ
２５を前端部に支持するキャップホルダ２７が可動ケー
シング２８に移動可能に遊嵌合され、該可動ケーシング
２８がフレーム部材２９にスライド移動可能に支持され
るようにしているが、上述した保護キャップ５４のよう
に、吸引キャップを前端部に支持するキャップホルダ
（保持枠）が、ガイドロッドに回動可能かつスライド移
動可能に支持されている可動ケーシング（可動ハウジン
グ）に移動可能に遊嵌合されるように構成することもで
きる。

【００４８】

【発明の効果】請求項１の発明は、インク液滴をノズル
から吐出する印字ヘッドと、該印字ヘッドのノズル面を
覆うキャップを有するキャップ装置とを備え、前記キャ
ップ装置が、前記キャップの前端部に支持するキャップ
ホルダと、該キャップホルダが移動可能に遊嵌合されて
かつフレーム部材にスライド移動可能に支持されている
可動ケーシングと、該可動ケーシングとキャップホルダ
との間に介装されたスプリング部材とを有し、前記スプ
リング部材が、その一端部が前記キャップホルダに直接
接触して前記可動ケーシングと前記キャップホルダとの
間に介装され、前記可動ケーシングが、その内周に前記
キャップホルダを隙間をもって嵌合するとともに、その
内周から該キャップホルダに向かって突出した規制凸部
であって、該キャップホルダとの相対位置関係を規制
し、前記キャップが前記ノズル面に合致する方向に該キ
ャップホルダを自由に回転可能とする前記規制凸部を有
している。したがって、キャップ装置のキャップが印字
ヘッドのノズル面を覆う際、通常はキャップホルダと可
動ケーシングがスプリング部材のスプリング力によって
一体化され、フレーム部材に対してスライド移動して精
度よく印字ヘッドに接近することができる。また、キャ
ップが印字ヘッドのノズル面に合致せず、密着性が悪い
と、キャップホルダが、可動ケーシングの内周との間の
隙間と規制凸部とによって、キャップホルダと可動ケー
シングとの相対位置を規制しながら回転し、キャップを
ノズル面に合致させることができ、ノズル面に対するキ
ャップの密着性を高めることができる。

【００４９】

【００５０】請求項２の発明は、可動ケーシングの係合
部とカム部材のカム部との係合関係で、キャップ装置の
駆動、即ちキャップの進退等を制御するようにしている
ので、簡単にキャップ装置の駆動を制御することができ
る。

【００５１】請求項３の発明は、インク液滴をノズルか
ら吐出する印字ヘッドと、該印字ヘッドが搭載されたキ
ャリッジを往復移動させるキャリッジと、前記印字ヘッ
ドのノズル面を覆うキャップを有するキャップ装置とを
備え、前記キャップ装置は、前記キャップを前端部に支
持する保持枠と、該保持枠が移動可能に遊嵌合されると
共に前記キャリッジの移動方向と平行にスライド移動可
能に支持されている可動ハウジングと、該可動ハウジン
グと保持枠との間に介装されたスプリング部材とを有
し、前記可動ハウジングは、前記キャリッジと係合する
係合部を有し、前記キャリッジの移動にともない、該係
合部がキャリッジと係合した状態で、該キャリッジと同
方向に移動するとともに、前記キャップが前記ノズル面
を覆う方向に移動するように案内傾面に沿って案内さ
れ、前記スプリング部材が、その一端部が前記保持枠に
直接接触して前記可動ハウジングと前記保持枠との間に
介装され、前記可動ハウジングは、その内周に前記保持
枠を隙間をもって嵌合するとともに、その内周から該保
持枠に向かって突出した規制凸部であって、該保持枠と
の相対位置関係を規制し、前記キャップが前記ノズル面
に合致する方向に該保持枠を自由に回転可能とする前記
規制凸部を有している。したがって、キャリッジの移動
にともない、可動ハウジングがキャリッジと同方向に移
動するとともに、キャップが案内傾面に沿って印字ヘッ
ドのノズル面を覆う方向に移動するように案内される一
方、このとき、通常は保持枠と可動ハウジングがスプリ
ング部材のスプリング力によって一体化され、精度よく
印字ヘッドに接近することができる。また、キャップが
印字ヘッドのノズル面に合致せず、密着性が悪いと、保
持枠が、可動ハウジングの内周との間の隙間と規制凸部
とによって、保持枠と可動ハウジングとの相対位置を規
制しながら回転し、キャップをノズル面に合致させるこ
とができ、ノズル面に対するキャップの密着性を高める
ことができる。

【００５２】

【００５３】

【００５４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るインクジェットプリンタの全体構
成を示す概略斜視図である。

【図２】回復エリア付近の同概略断面平面図である。

【図３】パージ装置とカム部材との関係を示す断面図で
ある。

【図４】保護キャップ装置の説明図である。

【図５】パージ装置の動作の説明図である。

【図６】パージ装置の動作の説明図である。

【図７】保護キャップ装置の動作の説明図である。

【図８】保護キャップ装置の動作の説明図である。

【符号の説明】

１インクジェットプリンタ６キャリッジ６ａ被係合部１０駆動モータ２１ワイピング部材２２ワイピング装置２３パージ装置２４保護キャップ装置２５吸引キャップ２６吸引ポンプ２７キャップホルダ２８可動ケーシング２９フレーム部材３０スプリング部材３２カム部材３２ａカム部５２可動ハウジング５２ａ係合部５５保持枠５６スプリング部材

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】インク液滴をノズルから吐出する印字ヘ
ッドと、該印字ヘッドのノズル面を覆うキャップを有す
るキャップ装置とを備え、前記キャップ装置は、前記キャップを前端部に支持する
キャップホルダと、該キャップホルダが移動可能に遊嵌
合されかつフレーム部材にスライド移動可能に支持され
ている可動ケーシングと、該可動ケーシングとキャップ
ホルダとの間に介装されたスプリング部材とを有し、前記スプリング部材は、その一端部が前記キャップホル
ダに直接接触して前記可動ケーシングと前記キャップホ
ルダとの間に介装され、前記可動ケーシングは、その内周に前記キャップホルダ
を隙間をもって嵌合するとともに、その内周から該キャ
ップホルダに向かって突出した規制凸部であって、該キ
ャップホルダとの相対位置関係を規制し、かつ前記キャ
ップが前記ノズル面に合致する方向に該キャップホルダ
を回転可能とする前記規制凸部を有していることを特徴
とするインクジェットプリンタ。
【請求項２】前記可動ケーシングは、前記可動ケーシ
ングとともに前記キャップを前記印字ヘッドのノズル面
を覆う位置と該ノズル面から離れた位置との移動を制御
するカム部材のカム部に係合する係合部を有するところ
の請求項１記載のインクジェットプリンタ。
【請求項３】インク液滴をノズルから吐出する印字ヘ
ッドと、該印字ヘッドが搭載されたキャリッジを往復移
動させるキャリッジと、前記印字ヘッドのノズル面を覆
うキャップを有するキャップ装置とを備え、前記キャップ装置は、前記キャップを前端部に支持する
保持枠と、該保持枠が移動可能に遊嵌合されるとともに
前記キャリッジの移動方向と平行にスライド移動可能に
支持されている可動ハウジングと、該可動ハウジングと
保持枠との間に介装されたスプリング部材とを有し、前記可動ハウジングは、前記キャリッジと係合する係合
部を有し、前記キャリッジの移動にともない、前記係合
部がキャリッジと係合した状態で、該キャリッジと同方
向に移動するとともに、前記キャップが前記ノズル面を
覆う方向に移動するように案内傾面に沿って案内され、前記スプリング部材は、その一端部が前記保持枠に直接
接触して前記可動ハウジングと前記保持枠との間に介装
され、前記可動ハウジングは、その内周に前記保持枠を隙間を
もって嵌合するとともに、その内周から前記保持枠に向
かって突出した規制凸部であって、前記保持枠との相対
位置関係を規制し、かつ前記キャップが前記ノズル面に
合致する方向に前記保持枠を回転可能とする前記規制凸
部を有していることを特徴とするインクジェットプリン
タ。