JP3208528B2 - 溶融炭酸塩型燃料電池用電極及びその製造方法 - Google Patents
溶融炭酸塩型燃料電池用電極及びその製造方法Info
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Description
ネルギーを直接電気エネルギーに変換させるエネルギー
部門で用いる燃料電池、特に、溶融炭酸塩型燃料電池の
電極のうち、カソード電極とその製造方法に関するもの
である。
溶融炭酸塩を多孔質物質にしみ込ませてなる電解質板
(タイル)をカソード(酸素極)とアノード(燃料極)
の両電極で両面から挟み、カソード側に酸化ガスを供給
すると共に、アノード側に燃料ガスを供給することによ
りカソード側とアノード側で反応が行われるようにした
ものを1セルとし、各セルをセパレータを介し積層して
スタックとするようにしてある。
酸化ニッケル(NiO)を主成分とするカソード電極
は、従来、原料粉としてNi粉を粉末冶金的手法によ
り、Ni粉に対して1〜5重量%の結合剤、同じく1〜
5重量%の分散剤、同じく1〜5重量%の空孔形成剤、
水と混合してスラリーとした後、板状に成形し、乾燥後
に還元雰囲気で750℃の温度で焼成して、空隙率が7
0〜80%、比表面積が0.05〜0.4m2 /gの金
属多孔質体とし、次いで、電池外あるいは電池内で50
0℃以上に昇温する過程で酸化させて、空隙率が50〜
60%、比表面積が1〜2m2 /gの金属酸化物多孔質
体の電極として作り、使用するようにしている。
に製造された溶融炭酸塩型燃料電池のNiOを主成分と
するカソード電極は、比表面積が大きく、酸化ガス中の
炭酸ガスとの反応により溶融炭酸塩中にNiOが溶解す
る表面積が大きいので、溶融炭酸塩中に溶出して行く量
が多く、電池の寿命に係る大きな問題がある。すなわ
ち、NiOを主成分とするカソード電極は、酸化ガス中
の炭酸ガス(CO2 )との反応により NiO+CO2 →Ni+++CO3 -- の溶解反応を起し、多孔質体の表面から溶解して溶融炭
酸塩中に溶出して行く性質があるが、上記した従来のカ
ソード電極の場合は、溶解される表面積が大きいため、
溶解反応による溶出量が多い。
て来た水素により電解質板の溶融炭酸塩中で還元されて
金属Niとなって析出し、この析出した金属Niにより
カソードとアノード間の短絡が生じ、電池の電流が電池
内部で消費されることになって電池の発電効率を低下す
るという問題があり、又、上記電解質板中での還元反応
において、炭酸塩中のNi++イオンは、炭酸塩中で飽和
することはなく、継続的にカソード電極の表面から炭酸
塩中へのNiの溶出が続くので、電池運転中にカソード
電極が減肉し、多孔質構造を粗にして脆弱化し、電池運
転中の圧縮下で破壊に至り、電池性能が劣化し、電池の
寿命が短かくなる問題がある。
において、炭酸ガスと反応して溶解反応を起すカソード
電極の表面積を小さくして、電池を長時間にわたって高
い特性を維持することができる安定性に優れた溶融炭酸
塩型燃料電池用の電極とその製造方法を提供しようとす
るものである。
決するために、電解質としての溶融炭酸塩を多孔質物質
にしみ込ませてなる電解質板をカソードとアノードの両
電極で両面から挟み、カソード側に酸化ガスを供給する
と共にアノード側に燃料ガスを供給するようにしたセル
をセパレータを介し多層に積層してなる溶融炭酸塩型燃
料電池の上記カソード電極を、Ni粉に焼結助剤と焼結
防止剤を混合して成形すると共に、該成形物を高温で還
元雰囲気にて焼成して空隙率が70〜80%、比表面積
が0.4m2/g以下の金属多孔質体を作製し、且つ該
金属多孔質体を酸化処理して金属酸化物多孔質体として
の比表面積が0.8m2/g以下としてなる多孔質電極
とした構成とする。
態における比表面積を、従来の1〜2m2/gに比して
大幅に小さい0.8m2/g以下としてあるので、溶融
炭酸塩への反応が少なくなって、反応によるNiの溶出
量を少なくすることができる。これに伴い電極の劣化も
少なくなり、又、炭酸塩の組成変化も少なくなって電池
の劣化も少なくなり、電池の寿命を延ばすことができ
る。
して成形した後、高温で還元雰囲気にて焼成し、空隙率
が70〜80%、比表面積が0.4m2/g以下の多孔
質体を作り、次に、該多孔質体を、酸化させて比表面積
が0.8m2/g以下の多孔質電極としたカソード電極
を製造する溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法と
し、上記焼結助剤を、高温で拡散によりNi粉に固溶す
るFe、Cr、Coの如き金属粉又は合金粉を用いるか
又はFeOの如き酸化物粉又は複合酸化物粉を用い、且
つ粒径を1〜20μmとして焼結し易くしているものを
用いると共に、上記焼結防止剤として、高温で拡散によ
りNi粉に固溶しないか固溶しても僅かなMgO、Ca
Oの如き酸化物等をNi粉と分散が良いように1〜20
μmの粒径にしたものを用いるようにすると、従来と同
じ空隙率となるように還元焼成するときの温度を従来よ
り高い900℃以上の高温とすることができるので、強
く焼結させることができて従来より粉体同士の結合が強
くなり、上記焼成処理により作製される金属多孔質体の
表面積を低下させることができる。
0.8m2/g以下のカソード電極とするが、該金属多
孔質体を高温で焼成している影響で酸化による金属多孔
質体の表面の荒れが少なくなって表面積の増加を防止で
きることから、酸化処理後の金属酸化物多孔質体におけ
る比表面積を従来よりも小さい0.8m2/g以下にで
き、上記のように金属酸化物多孔質体としてのカソード
電極の反応面積を小さくすることができることから、炭
酸ガスとの反応によるNiの溶解量の少ないカソード電
極を作成することが可能となる。
合して成形した後、900℃以上の高温で還元雰囲気に
て焼成し、空隙率が70〜80%、比表面積が0.4m
2/g以下の金属多孔質体を作り、次に、該金属多孔質
体を酸化させて、金属酸化物多孔質体としての比表面積
が0.8m2/g以下のカソード電極を製造する方法と
することにより、900℃以上の高温で行う還元焼成の
際、粉体同士を強く結合できて粒界が少なくなり、更に
粉体の焼結位置の太さが太くされることから、作成され
る金属多孔質体の表面積を低下できると共に、後処理の
酸化処理の際における表面の荒れを少なくさせることが
できる。
を参照して説明する。
で、溶融炭酸塩型燃料電池のカソード電極を製造するプ
ロセスフローを示すものである。
粒径に依存するが、Ni粉に対して0.1〜15重量%
の焼結助剤2と同じくNi粉に対して0.1〜15重量
%の焼結防止剤3を添加して混合すると共に、メチルセ
ルロース系の結合剤4、アニオン系の分散剤5、電気泳
動用セルロース粉(メッシュ200〜300)の空孔形
成剤6を、ともにNi粉に対して1〜5重量%混合して
スラリー7とした後、これを成形工程IIで板状(テープ
状)に成形して乾燥させ、乾燥テープ8とする。次に、
これを脱脂工程III で脱脂処理後、焼成工程IVにて真空
又は還元雰囲気の下で従来よりも高温(900℃以上)
で焼成して、空隙率が70〜80%、比表面積が0.0
5〜0.4m2/gの金属の多孔質体9を作るようにす
る。
化させて空隙率が50〜65%、金属酸化物多孔質体と
しての比表面積が0.8m2/g以下のカソード電極1
0を製造するようにする。
化の2通りがあり、電池内酸化の場合は、上記NiO多
孔質体9をカソードとして電解質板に重ね合わせて電池
内に組み込み、カソード側に供給される酸化ガスにより
酸化させるようにするものであり、電池外酸化の場合と
同様に500℃以上に昇温する過程で酸化させるように
する。
において、焼結助剤2としては、高温で拡散によりNi
粉1と固溶し得る金属X又は金属酸化物Yを使用するよ
うにし、金属Xとしては、Fe、Cr、Co、Pd、P
t、V、Cu、Mn、Mo、Re、Ru、W、Nb、R
h、Ti(66at%以下)、Zr(28at%以下)
のいずれか1種又は複数種の金属粉又は合金粉とする。
又、金属酸化物Yとしては、FeO、Fe2 O3 、Fe
3 O4 、Cr2 O3 、NiO、Li2 Oのいずれか1種
又は複数種の金属粉又は合金粉とする。又、粒径は1〜
20μmとする。
よりNi粉1と固溶しないか又は固溶しても僅かな酸化
物、たとえば、MgO、CaO、Al2 O3 の如き酸化
物の粉や、熱分解によりMgO、CaO、Al2 O3 と
なるMgCO3 、CaCO3、Li2 CO3 、K2 CO
3 、Na2 CO3 の如き炭酸塩の粉や、Mg(O
H)2 、Al(OH)3 の如き水酸化物の粉を用いるよ
うにする。又、粒径は1〜20μmとする。
1に、焼結助剤2としてFe、Crの如き金属又はFe
O、Fe2 O3 の如き金属酸化物の粉と、焼結防止剤と
してMgO、CaOの如き酸化物等の粉とを混合してい
るので、焼成工程IVで従来と同じ空隙率70〜80%と
なるように焼成する場合に、従来より高温(900℃以
上)で強く焼結させることができる。この高温で焼結さ
せることにより、従来より粉体同士の結合が強く、又、
粒界が少なくなり、更に、粉体の焼結位置の太さが太く
なり、表面積を低下させることができる。
合では、酸化により表面が荒れて表面積が増大するが、
本発明の場合は、焼成工程IVにて高温で焼成しているた
めに、酸化による表面の荒れが少なくなり、表面積の増
加は防止され、金属酸化物多孔質体としてのカソード電
極10の比表面積を従来のカソード電極の比表面積1〜
2m2/gより大幅に小さくすることができることにな
り、クリプトンガスを使用して測定するB.E.T法に
よると、比表面積は0.8m2/g以下であった。
る表面積が小さいカソード電極とすることができたこと
から、炭酸ガスと反応して溶解反応を起す面積が小さく
て、溶融炭酸塩中への溶出量を少なくすることができ、
これにより電極表面の変化が少なくなって電極の劣化が
少なくなり、又、溶融炭酸塩中への溶出量が少なくなる
ことから炭酸塩の組成変化も少なくなって電池性能の劣
化を防止できることになり、電池寿命を延長できる。
8m2 /g以下としてあるが、これ以上の場合は、従来
のカソード電極と同様に溶融炭酸塩中への溶出量が多く
寿命が短かいことが計算によっても確認された。
の計算について説明する。
ように炭酸ガスとの反応による溶解反応により表面から
溶解するが、図2はカソード電極の比表面積の変化、す
なわち、比表面積が電池の運転時間により減少して行く
状態を、本発明のカソード電極(図中●印)と従来のカ
ソード電極(図中○印)について示すものであり、又、
図3は従来のカソードの電解質板中に溶け込んだNiの
溶出量と電池の運転時間との関係を示すものである。
のように時間Tの約−0.22乗に比例して減少する。
ば、表面積は体積Vの0.5乗である。すなわち、円筒
体の半径をr、円筒体の長さをlとすれば、体積Vは、 V=πr2 l 側面の表面積Sは、 S=2πrl 故に、S=√4πlV=(4πlV)0.5 … 溶解量変化(溶解速度)は表面積変化の2乗に比例する
ので、上記式より AT-0.22 =√4πlV=(4πlV)0.5 つまり、A2 T-0.22 ×2 =4πlV V=(A2 /4πl)×T-0.44 … となり、溶解量は時間の約−0.44乗に比例する。
できる。W=ρ×Vよって、式より W=(A2 ρ/4πl)×T-0.44 =BT-0.44 … B:定数 式を時間Tで積分すると、溶出して炭酸塩中に集積し
て行く集積速度wは、
例していることを示しており、上記集積速度wが時間の
0.56乗に比例することとほぼ一致している。このこ
とは、多孔質構造が円筒状の集合体と考え、表面積変化
は体積変化の0.5乗であることが正しく、溶解量変化
(溶解速度)が表面積の2乗に比例することを意味して
いるので、逆に、表面積を小さくすると、比表面積の2
乗に比例して溶解量変化(溶解速度)が小さくなること
になる。
れば、溶解速度は、2乗に比例するため従来の0.64
倍と約半分になる。そのため、カソードとアノード間で
短絡に至る時間を、従来のカソード電極の場合に比して
大幅に延ばすことができ、これだけ溶融炭酸塩型燃料電
池の寿命を延長させることができる。因に、本発明のカ
ソード電極の場合、図2から明らかなように、比表面積
は時間の約−0.067乗で減少している。
る。 (1) Ni粉としてNi255の粉末と、焼結助剤として
Fe粉を2重量%と焼結防止剤としてMgCO3 粉を3
重量%とを混合し、更に、メチルセルロース系の結合剤
を3重量%とアニオン系の分散剤を1重量%含む結合剤
溶液に混ぜてスラリー状にした後、板状に成形して乾燥
させた。次に、これを500℃位に加熱してメチルセル
ロースを熱分解させることにより除去後、950℃程度
で真空又は還元雰囲気で焼成して、空隙率74%の多孔
質体Ni−Fe−MgOを得た。この多孔質体の比表面
積は、0.19m2 /gであった。これをカソードとし
て溶融炭酸塩型燃料電池内に組み込み、500℃以上に
昇温させる過程で酸化ガスにより溶融炭酸塩の存在下で
酸化させ、NiO−MgO−Fe2 O3 のカソード電極
とした。このカソード電極の比表面積は、0.5m2 /
gであった。このカソード電極を用いた燃料電池の性能
は、650℃の温度の下で標準ガス条件、すなわち、6
0℃加湿飽和とH2 /CO2 =80/20のアノードガ
スと、空気/CO2 =70/30のカソードガスを、1
50mA/cm2 負荷をかけたときに燃料利用率が75
%、酸化剤利用率が50%となるような流量とした場合
において、図4に示す如くであった。図4中、△は電
圧、□は内部抵抗分除去した電圧を示す。 (2) 従来のカソード電極の製法について行った実験結果
を説明すると、Ni粉に、焼結防止剤としてMgCO3
粉のみを3重量%添加して成形、乾燥後、950℃で焼
成したところ、空隙率74%の多孔質体が得られ、その
比表面積は0.4m2 /gであった。これを酸化させて
カソード電極としたが、このカソード電極の比表面積
は、1.4m2 /gと大きかった。又、Ni粉に、焼結
防止剤としてMgCO3 粉を3重量%と、空孔形成剤を
3重量%とを添加して、1000℃で焼成したところ、
空隙率80%の多孔質体が得られ、その比表面積は0.
6m2/gであった。これを酸化させてカソード電極と
したが、このカソード電極の比表面積は1.6m2 /g
と大きかった。
剤、焼結助剤と焼結防止剤を添加して金属多孔質体を得
る実験を行った。その結果を次に示す。Ni粉に、焼
結助剤としてFe粉を2重量%添加して成形、乾燥後、
950℃で焼成したところ、空隙率68%の金属多孔質
体が得られ、Fe粉添加により上記従来の実験結果より
焼結が進むことがわかった。同様にして、Ni粉に、
焼結助剤としてFe粉を2重量%と、焼結防止剤として
MgO粉を0.5重量%とを添加して成形、乾燥後、9
50℃で焼成したところ、空隙率70%の金属多孔質体
が得られ、MgO粉添加によりより焼結による収縮が
減り、その分粉同士の結合焼結は進んでいることがわか
った。同様にして、Ni粉に、焼結助剤としてFe粉
2重量%と、焼結防止剤としてMgO粉を0.5重量%
と、空孔形成剤を3重量%を添加して成形、乾燥後、9
50℃で焼成したところ、空隙率76%の金属多孔質体
が得られた。空孔形成剤のために空隙率は大きくなり、
更に高温で焼結可能となることがわかった。Ni粉
に、焼結助剤としてFe粉を2重量%と、焼結防止剤と
してMgO粉を0.5重量%及びMgCO3粉を5重量
%とを添加して成形、乾燥後、950℃で焼成したとこ
ろ、空隙率78%の金属多孔質体が得られ、その比表面
積は、0.3m2/gであった。これを酸化させて金属
酸化物多孔質体としてのカソード電極としたが、このカ
ソード電極の比表面積は0.7m2/gであった。焼結
防止剤としてMgCO3粉を添加することで、のよう
に空孔形成剤を入れるよりも大きな空隙率のものを得る
ことができた。Ni粉に、焼結助剤としてFe粉を2
重量%と、焼結防止剤としてMgO粉を0.5重量%及
びLi2CO3粉を20重量%とを添加して成形、乾燥
後、950℃で焼成したところ、空隙率77%の金属多
孔質体が得られ、上記のMgCO3に代えてLi2CO
3を上記の添加量として入れても同様な効果があること
がわかった。 (3) Ni粉に焼結助剤としてのFe粉と焼結防止剤とし
てのMgO粉を混合して成形後、焼成した後酸化処理し
て得た本発明による金属酸化物多孔質体NiO−MgO
−Fe2O3の場合(イ)と、Ni粉にMgO粉のみを添
加して成形後、焼成した後酸化処理して得た金属酸化物
多孔質体NiO−MgOの場合(ロ)を、電池外の酸化
ガス雰囲気下で650℃の溶融炭酸塩に、100時間浸
漬した後、溶融炭酸塩中に溶け出た金属の量を調べて比
較してみた。
低い比表面積とした(イ)の方がNiの溶出量がはるか
に少ないことがわかった。又、このときのカソード電極
の比表面積の分析値を運転時間による変化として示した
のが図6であり、●印は図5における(イ)、○印は図
5の(ロ)の場合であり、比表面積は本発明の場合には
0.8m2 /g以下で時間的にも変化が少ない結果が得
られた。
燃料電池用電極及びその作成方法によれば、電解質とし
ての溶融炭酸塩を多孔質物質にしみ込ませてなる電解質
板をカソードとアノードの両電極で両面から挟み、カソ
ード側に酸化ガスを供給すると共にアノード側に燃料ガ
スを供給するようにしたセルをセパレータを介し多層に
積層してなる溶融炭酸塩型燃料電池の上記カソード電極
を、Ni粉に焼結助剤と焼結防止剤を混合して成形する
と共に、該成形物を高温で還元雰囲気にて焼成して空隙
率が70〜80%、比表面積が0.4m2/g以下の金
属多孔質体を作製し、且つ該金属多孔質体を酸化処理し
て金属酸化物多孔質体としての比表面積が0.8m2/
g以下としてなる多孔質電極とした構成とし、又、上記
焼結助剤と焼結防止剤の混合量をそれぞれ0.1〜15
重量%とした構成としてあるので、金属酸化物多孔質体
としてのカソード電極の比表面積を、従来のカソード電
極の比表面積より大幅に小さくすることができることか
ら、炭酸ガスとの反応による溶解反応で表面から溶解す
る量を少なくでき、該溶解反応により溶融炭酸塩中に溶
出する量を少なくすることができて、電極表面の変化を
少なくでき、電極の劣化も少なくなることから、カソー
ド電極の寿命を延ばすことができ、又、溶解反応によっ
て溶け出る量が少ないため、電池内の溶融炭酸塩中に溶
け込む量が少なくなり、炭酸塩の組成変化が少なくなっ
て電池の劣化も少なくすることができ、更に、溶融炭酸
塩中への溶け込み量が少なくなるため、炭酸塩中で再度
金属等に還元析出する量が減少し、析出した金属による
カソードとアノード間の短絡による特性の低下に至るま
での時間を飛躍的に延ばすことができ、したがって、電
池を長時間にわたって高い特性を維持することが可能な
安定性に優れたカソード電極とすることができるという
優れた効果を発揮し、又、Ni粉に焼結助剤と焼結防止
剤を混合して成形した後、高温で還元雰囲気にて焼成
し、空隙率が70〜80%、比表面積が0.4m2/g
以下の金属多孔質体を作り、次に、該金属多孔質体を酸
化させて、金属酸化物多孔質体としての比表面積が0.
8m2/g以下のカソード電極を製造する溶融炭酸塩型
燃料電池用電極の製造方法とし、上記焼結助剤を、高温
で拡散によりNi粉に固溶するFe、Cr、Coの如き
金属粉又は合金粉を用いるか又はFeOの如き酸化物粉
又は複合酸化物粉を用いると共に、上記焼結防止剤とし
て、高温で拡散によりNi粉に固溶しないか固溶しても
僅かなMgO、CaOの如き酸化物等を用いるようにす
ると、従来のカソード電極と同じ空隙率を確保しながら
焼成するときの温度を高くすることができて、強く焼結
させることができ、これにより、従来に比して粉体同士
の結合を強くし、粒界を少なくすると共に、粉体の焼結
位置の太さを太くして金属多孔質体の表面積を低下させ
ることができ、更に、上記焼成時の温度を従来に比して
高くすることができることから、金属多孔質体を酸化さ
せたときに酸化による表面の荒れを少なく抑えることが
できて、金属酸化物多孔質体とする際の表面積の増加防
止することができて、カソード電極の比表面積を0.8
m2/g以下と非常に小さくすることができるという優
れた効果を発揮し、更に又、上記還元焼成処理時の温度
を900℃以上とした方法とすることにより、粉体同士
の結合を強くし、粒界を少なくすると共に、粉体の焼結
位置の太さを太くして金属多孔質体の表面積を低下させ
るのに有利となるという効果を発揮する。
ある。
する状態を示す図である。
性能を示す図である。
す図である。
る変化として示した図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 電解質としての溶融炭酸塩を多孔質物質
にしみ込ませてなる電解質板をカソードとアノードの両
電極で両面から挟み、カソード側に酸化ガスを供給する
と共にアノード側に燃料ガスを供給するようにしたセル
をセパレータを介し多層に積層してなる溶融炭酸塩型燃
料電池の上記カソード電極を、Ni粉に焼結助剤と焼結
防止剤を混合して成形すると共に、該成形物を高温で還
元雰囲気にて焼成して空隙率が70〜80%、比表面積
が0.4m2/g以下の金属多孔質体を作製し、且つ該
金属多孔質体を酸化処理して金属酸化物多孔質体として
の比表面積が0.8m2/g以下としてなる多孔質電極
としたことを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池用電極。 - 【請求項2】 電解質としての溶融炭酸塩を多孔質物質
にしみ込ませてなる電解質板をカソードとアノードの両
電極で両面から挟み、カソード側に酸化ガスを供給する
と共にアノード側に燃料ガスを供給するようにしたセル
をセパレータを介し多層に積層してなる溶融炭酸塩型燃
料電池の上記カソード電極を、Ni粉に、0.1〜15
重量%の焼結助剤と0.1〜15重量%の焼結防止剤を
混合して成形すると共に、該成形物を高温で還元雰囲気
にて焼成して空隙率が70〜80%、比表面積が0.4
m2/g以下の金属多孔質体を作製し、且つ該金属多孔
質体を酸化処理して金属酸化物多孔質体としての比表面
積が0.8m2/g以下となり且つ上記焼結助剤と焼結
防止剤の元素が残留してなる多孔質電極としたことを特
徴とする溶融炭酸塩型燃料電池用電極。 - 【請求項3】 Ni粉に焼結助剤と焼結防止剤を混合し
て成形した後、高温で還元雰囲気にて焼成し、空隙率が
70〜80%、比表面積が0.4m2/g以下の金属多
孔質体を作り、次に、該金属多孔質体を酸化させて、金
属酸化物多孔質体としての比表面積が0.8m2/g以
下のカソード電極を製造することを特徴とする溶融炭酸
塩型燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項4】 Ni粉に、高温で拡散によりNi粉に固
溶し得る金属であるFe、Cr、Co、Pd、Pt、
V、Cu、Mn、Mo、Re、Ru、W、Nb、Rh、
Ti(66at%以下)、Zr(28at%以下)のい
ずれか1種又は複数種の金属粉又は合金粉としてなる焼
結助剤と、高温で拡散によりNi粉に固溶しないか又は
固溶しても僅かなMgO、CaO、Al2O3の如き酸
化物粉か、熱分解によりMgO、CaO、Al2O3と
なるMgCO3、CaCO3、Li2CO3、K2CO
3、Na2CO3の如き炭酸塩粉かあるいはMg(O
H)2、Al(OH)3の如き水酸化物粉としてなる焼
結防止剤を混合して成形した後、高温で還元雰囲気にて
焼成し、空隙率が70〜80%、比表面積が0.4m2
/g以下の金属多孔質体を作り、次に、該金属多孔質体
を酸化させて、金属酸化物多孔質体としての比表面積が
0.8m2/g以下のカソード電極を製造することを特
徴とする溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項5】 Ni粉に、高温で拡散によりNi粉に固
溶し得る金属酸化物であるFeO、Fe2O3、Fe3
O4、NiO、Li2Oのいずれか1種又は複数種の酸
化物粉又は複合酸化物粉としてなる焼結助剤と、高温で
拡散によりNi粉に固溶しないか又は固溶しても僅かな
MgO、CaO、Al2O3の如き酸化物粉か、熱分解
によりMgO、CaO、Al2O3となるMgCO3、
CaCO3、Li2CO3、K2CO3、Na2CO3
の如き炭酸塩粉かあるいはMg(OH)2、Al(O
H)3の如き水酸化物粉としてなる焼結防止剤を混合し
て成形した後、高温で還元雰囲気にて焼成し、空隙率が
70〜80%、比表面積が0.4m2/g以下の金属多
孔質体を作り、次に、該金属多孔質体を酸化させて、金
属酸化物多孔質体としての比表面積が0.8m2/g以
下のカソード電極を製造することを特徴とする溶融炭酸
塩型燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項6】 Ni粉に焼結助剤と焼結防止剤を混合し
て成形した後、900℃以上の高温で還元雰囲気にて焼
成し、空隙率が70〜80%、比表面積が0.4m2/
g以下の金属多孔質体を作り、次に、該金属多孔質体を
酸化させて、金属酸化物多孔質体としての比表面積が
0.8m2/g以下のカソード電極を製造することを特
徴とする溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法。
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JP13771896A JP3208528B2 (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 溶融炭酸塩型燃料電池用電極及びその製造方法 |
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