JP3206315B2 - 車両の減衰力制御装置 - Google Patents

車両の減衰力制御装置

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JP3206315B2
JP3206315B2 JP18373294A JP18373294A JP3206315B2 JP 3206315 B2 JP3206315 B2 JP 3206315B2 JP 18373294 A JP18373294 A JP 18373294A JP 18373294 A JP18373294 A JP 18373294A JP 3206315 B2 JP3206315 B2 JP 3206315B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪と車体との間に設
けられ車体の上下動に対する減衰力を変更可能な減衰力
変更機構を制御するための車両の減衰力制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開昭5
9−227515号公報に示されているように、車体の
振動を検出する振動センサを車体に取り付けるととも
に、同センサにより検出された車体の振動レベルが所定
のしきい値を越えると減衰力変更機構を制御して車体の
振動に対する減衰力を大きく設定し、車体のロールを抑
制するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車体の振動には、車体
(ばね上部材)の共振周波数に関係した車体の上下動す
なわち「あおり」と路面外乱による車体の「ロール及び
ピッチ」とが含まれているが、これらの振動周波数は共
に1〜2Hz程度の周波数範囲内にあるので、これらを
分離して検出することは難しい。一方、前記「ロール及
びピッチ」の振動レベルは「あおり」の振動レベルに対
して小さく、かつ乗員は「ロール及びピッチ」を「あお
り」よりも敏感に感じる。したがって、上記従来装置の
ように、車体のロールを最適に抑制しようとすると、前
記基準値を小さく設定すなわち制御感度を高く設定する
必要がある。しかし、このようにすると、車体に「あお
り」が発生した場合には減衰力が頻繁に大きい側に切り
換えられてしまうので、車両の乗り心地が良好でなくな
る。逆に、前記しきい値を大きく設定すると、車体の
「あおり」に対しては最適の減衰力制御が実現される
が、車体の「ロール及びピッチ」に対しては必要な減衰
力制御が行わないことが多くなる。本発明は上記問題に
対処するためになされたもので、その目的は、車体の路
面外乱による「ロール又はピッチ」に対しても、車体の
「あおり」に対しても減衰力が最適に制御される車両の
減衰力制御装置を提供することにある。
【0004】
【本発明の構成上の特徴及びその作用効果】上記目的を
達成するために、本発明の共通かつ基本的な特徴は、水
平方向の位置を異ならせた車体の少なくとも2箇所に上
下方向の車体の振動をそれぞれ検出する第1及び第2の
振動センサを設け、これらの車体の2箇所の振動によっ
て車体の「あおり」と路面外乱による「ピッチ又はロー
ル」とを分離して検出し、これらの2種類の車体の振動
を個別に抑制できるようにしたことにある。この車体の
振動種類の分離検出のために、本発明では、車体の「あ
おり」の場合には車体各部の振動の位相がほぼ一致すな
わち同相であり、車体の「ピッチ又はロール」の場合に
は車体各部の振動の位相が相違すなわち逆相であるとい
う現象に着目し、同現象を利用している。したがって、
本発明の下記構成上の特徴においては、「同相」とは車
体各部の振動の位相が真に一致していることだけではな
く各振動の位相差が2πの範囲内で小さいことを意味
し、かつ「逆相」とは同位相差が2πの範囲内で大きい
ことを意味する。
【0005】
【0006】本発明の構成上の第1の特徴は、前記のよ
うな第1及び第2振動センサにより検出された各振動が
同相であると判定されたとき車体の振動レベルが第1し
きい値より大きいことを条件に減衰力を大きくするとと
もに、前記各振動が逆相であると判定されたとき車体の
振動レベルが前記1しきい値より小さな第2しきい値よ
り大きいことを条件に減衰力を大きくするようにしたこ
とにある。これによれば、車体の振動が「あおり」に関
するものであれば、同振動がかなり大きくならない限り
減衰力は大きい側へ切り換えられない。一方、車体の振
動が路面外乱による「ピッチ又はロール」に関するもの
であれば、同振動があまり大きくならなくても減衰力は
大きい側へ切り換えられる。これらのことは、車体の
「ピッチ及びロール」の振動レベルは「あおり」の振動
レベルに対して小さいという一般的な物理的特性にも適
合し、かつ乗員が「ピッチ及びロール」を「あおり」よ
りも敏感に感じるという感覚的特性にも適合するもので
あるので、物理的にも感覚的にも最適な減衰力制御が行
われる。
【0007】また、第2の特徴は、前記第1の特徴に
さらに車速センサを設けて車速を検出し、同検出した車
速に基づいて同車速に応じて変化する前記第1しきい値
を決定するようにしたことにある。これによれば、減衰
力が大きい側へ切り換えられる車体の「あおり」に関係
した車体の振動レベルが車速に依存して決定される。し
たがって、車速が高くなるにしたがってダウンフォース
により車体の「あおり」が低くなる物理的特性にも、車
速が高くなるにしたがって乗員の「あおり」に対する感
度が鈍くなるという感覚的特性にも、減衰力制御を適合
させることができるので、同減衰力制御をさらに最適な
ものとすることができるようになる。
【0008】また、第3の特徴は、前記第1の特徴に
さらに車速センサを設けて車速を検出し、同検出した車
速に基づいて同車速に応じて変化する前記第2しきい値
を決定するようにしたことにある。これによれば、減衰
力が大きい側へ切り換えられる路面外乱による車体の
「ピッチ又はロール」に関係した車体の振動レベルが車
速に依存して決定される。したがって、車速が高くなる
にしたがって路面外乱による車体の「ピッチ又はロー
ル」が大きくなる物理的特性にも、車速が高くなるにし
たがって乗員の「ピッチ又はロール」に対する感度が鋭
くなるいう感覚的特性にも、減衰力制御を適合させるこ
とができるので、同減衰力制御をさらに最適なものとす
ることができるようになる。
【0009】さらに、第4の特徴は、減衰力を少なくと
も3段階以上に制御可能な減衰力変更機構に適用され
て、前記各振動が同相であれば車体の振動レベルが複数
の順次大きくなる第1組の各しきい値より大きくなる毎
に減衰力を順次大きくし、前記各振動が逆相であれば車
体の振動レベルが前記順次大きくなる第2組の各しきい
値より大きくなる毎に減衰力を順次大きくし、かつ第1
組の最小のしきい値を第2組の最小のしきい値より大き
く設定したことにある。これによれば、車体の振動が
「あおり」の場合には振動レベルが大きくならないと減
衰力は大きい側切り換えられず、車体の振動が路面外乱
による車体の「ピッチ及びロール」の場合には振動レベ
ルが小さくても減衰力が大きい側に切り換えられる。し
たがって、前記第2の特徴の場合と同様に、減衰力特性
を物理的特性及び感覚的特性に最適に適合させることが
できる。
【0010】また、第5の特徴は、前記第4の特徴の第
1組の複数のしきい値の変化幅を第2組の複数のしきい
値の変化幅より小さくしたことにある。これによれば、
車体に「あおり」が発生して振動レベルがある程度大き
くなってから減衰力が大きい側へ切り換えられても、す
なわち振動エネルギが大きくなってから減衰力が大きい
側に切り換えられても、減衰力は順次速やかに大きい側
へ移行するので、前記エネルギの大きい振動が滑らかか
つ速やかに減衰される。
【0011】また、第6の特徴は、前記各振動が同相で
あれば第1及び第2振動センサにより検出された各振動
のうちの小さい方の振動レベルがしきい値より大きいこ
とを条件に減衰力を大きくするとともに、前記各振動が
逆相であれば第1及び第2振動センサにより検出された
各振動のうちの大きい方の振動レベルが所定値より大き
いことを条件に減衰力を大きくするようにしたことにあ
る。これによれば、車体の「あおり」に対しては大きな
振動レベルにならないと減衰力が大きい側に切り換えら
れず、路面外乱による車体の「ピッチ又はロール」に対
しては小さな振動レベルで減衰力が大きい側に切り換え
られるようになる。したがって、「ピッチ又はロール」
の制御感度が「あおり」の場合よりも高くなり、減衰力
制御を簡単に最適化させることができる。
【0012】
【0013】
【実施例】
a.第1実施例 以下、本発明の第1実施例を図面を用いて説明すると、
図1は本発明に係る車両の減衰力変更機構としてのショ
ックアブソーバ10A〜10Dを概念的に示すととも
に、同アブソーバ10A〜10Dを制御するための電気
制御装置20をブロック図により示している。
【0014】ショックアブソーバ10A〜10Dは、左
右前輪及び左右後輪の各輪詳しくは各輪に接続したロア
アーム(ばね下部材)と車体(ばね上部材)との間にそ
れぞれ配設されている。各ショックアブソーバ10A〜
10Dはピストン11a〜11dにより上下室に仕切ら
れた油圧シリンダ12a〜12dをそれぞれ備え、同シ
リンダ12a〜12dはロアアームにそれぞれ支持され
ている。ピストン11a〜11dにはピストンロッド1
3a〜13dが下端にてそれぞれ接続され、同ロッド1
3a〜13dは上端にて車体をそれぞれ支承している。
油圧シリンダ12a〜12dの各上下室は電磁バルブ1
4a〜14dを介して連通しており、同バルブ14a〜
14dの開度の切り換えによりショックアブソーバ10
A〜10Dの減衰力が大小2段階(ソフトとハード)に
切り換えられる。油圧シリンダ12a〜12dの各下室
には、ピストンロッド13a〜13dの上下動に伴う上
下室の体積変化を吸収するためのガススプリングユニッ
ト15a〜15dがそれぞれ接続されている。
【0015】電気制御装置20は左右前輪(又は左右後
輪)の各近傍に位置する車体の2箇所に組み付けた上下
加速度センサ21,22を備え、各センサ21,22は
車体の前記2箇所における上下方向の振動に伴う加速度
を検出して同加速度を表す検出信号をそれぞれ出力す
る。これらの上下加速度センサ21,22は、通過帯域
を0.5〜2.0Hzとするバンドパスフィルタ23,
24を介してマイクロコンピュータ25に接続されてい
る。この通過帯域は、車体の共振周波数すなわち同共振
周波数に関係した車体全体の上下方向の振動である「あ
おり」の周波数に対応するとともに、路面外乱による車
体の「ロール」の振動周波数にも対応している。したが
って、バンドパスフィルタ23,24は前記「あおり」
及び「ロール」による車体各部の加速度に対応した信号
を抽出するとともに、回路自体の積分作用により車体各
部の変位速度にほぼ等しい信号すなわち車体の左右位置
における上下方向の振動レベルLG,RGを表す検出信
号をマイクロコンピュータ25に出力する。なお、振動
レベルLG,RGは上方を正とし下方を負としている。
【0016】マイクロコンピュータ25は、図2に示す
フローチャートに対応したプログラムを内蔵のタイマ回
路の制御の基に所定の短時間毎に繰り返し実行して、シ
ョックアブソーバ10A〜10Dの減衰力を切り換え制
御する。マイクロコンピュータ25には各ショックアブ
ソーバ10A〜10Dにそれぞれ対応した駆動回路26
a〜26dが接続されており、各駆動回路26a〜26
dはマイクロコンピュータ25からの制御信号に応答し
て電磁バルブ14a〜14dの開度をそれぞれ切り換え
制御する。
【0017】次に、上記のように構成した実施例の動作
を説明する。イグニッションスイッチの投入により、マ
イクロコンピュータ25は図示しない初期設定処理を実
行した後、所定時間毎に図2のステップ100〜128
からなるプログラムを繰り返し実行する。前記初期設定
処理においては、ショックアブソーバ10A〜10Dを
ハード状態に切り換えていることを表すフラグFLG を”
0”に初期設定するとともに、ソフト状態を表す制御信
号を駆動回路26a〜26dに出力する。駆動回路26
a〜26dはこの供給された制御信号を記憶し、前記記
憶した制御信号に基づいて電磁バルブ14a〜14dの
開度を設定するので、ショックアブソーバ10A〜10
Dの減衰力はソフト状態に設定される。
【0018】図2のプログラムにおいては、ステップ1
02にて上下加速度センサ21,22からバンドパスフ
ィルタ23,24を介して車体左右位置の各振動レベル
LG,RGをそれぞれ入力する。前記入力処理後、ステ
ップ104にて振動レベルLG,RGの絶対値|LG
|,|RG|を車体左右位置における振動の大きさLG
1,RG1として設定し、かつ左右位置の振動レベルL
G,RGの正負の符号を車体左右位置における振動の方
向LGA,RGA(正のとき上方、負のとき下方)とし
て設定する。次に、ステップ106にて前記車体左右位
置における振動の大きさLG1,RG1を加算して、同
加算結果を車体の振動の大きさG1として設定する。
【0019】前記ステップ102〜106の処理後、ス
テップ108〜126の処理によりショックアブソーバ
10A〜10Dの減衰力を制御する。まず、車体に振動
が発生しない場合又は車体の振動がわずかである場合に
ついて説明する。車体の振動の大きさG1が小さくてし
きい値GR未満であれば、ステップ108にて「NO」
と判定してプログラムをステップ120に進める。ステ
ップ120においては、最初フラグFLG は”0”に初期
設定されているために「NO」と判定して、プログラム
をステップ128に進め、同ステップ128にてプログ
ラムの実行を終了する。したがって、この場合には、シ
ョックアブソーバ10A〜10Dは以前の状態すなわち
ソフト状態に保たれ続ける。その結果、車体の上下動に
対する減衰力は小さく設定され、車両の良好な乗り心地
が確保される。
【0020】つぎに、車体に対する何らかの衝撃によっ
て車体にあおり(車体の共振周波数に関係した車体全体
の上下動)が発生した場合について説明する。この場
合、車体の左右位置における振動は同相であって振動方
向LGA,RGAは同じであるので、ステップ110の
判定処理においては「YES」と判定されてプログラム
をステップ112に進める。したがって、車体の振動の
大きさG1がしきい値GR以上になるまでは、ステップ
108にて「NO」と判定してプログラムをステップ1
20に進める。また、同振動の大きさG1がしきい値G
Rより大きくてもしきい値GH以上になるまでは、ステ
ップ112にて「NO」と判定してプログラムをステッ
プ120に進める。ただし、しきい値GHはしきい値G
Rよりも予め大きく設定されている。この場合も、フラ
グFLG が”0”に設定されているので、ステップ120
にて「NO」と判定して、ステップ128にてプログラ
ムの実行を終了する。したがって、ショックアブソーバ
10A〜10Dは以前の状態すなわちソフト状態に保た
れ続けて、車体の上下動に対する減衰力は小さく設定さ
れて車両の良好な乗り心地が確保される。
【0021】また、車体のあおりが大きくなって車体の
振動の大きさG1がしきい値GHより大きくなると、ス
テップ112にて「YES」と判定してプログラムをス
テップ114に進める。ステップ114においては、ハ
ードを表す制御信号を駆動回路26a〜26dに出力す
る。駆動回路26a〜26dは以前に記憶していた制御
信号をハードを表す制御信号に更新し、同更新した制御
信号に応じて電磁バルブ14a〜14dの開度を切り換
えてショックアブソーバ10A〜10Dをハード状態に
切り換える。その結果、ショックアブソーバ10A〜1
0Dによる車体の上下動に対する減衰力が大きく設定さ
れる。前記ステップ114の処理後、ステップ116に
てマイクロコンピュータ25に内蔵のタイマの作動を開
始させ、ステップ118にてフラグFLG を”1”に変更
して、ステップ128にてプログラムの実行を終了す
る。
【0022】前記のような減衰力制御により車体の振動
が減衰して、振動レベルの大きさG1が小さくなってし
きい値GH未満になると、ステップ112にて「NO」
と判定してプログラムをステップ120に進める。この
場合、フラグFLG は”1”に設定されているので、ステ
ップ120にて「YES」と判定してプログラムをステ
ップ122に進める。ステップ122においては、前記
作動開始させたタイマが予め定めた所定値までカウント
アップしたか否かを判定する。タイマのカウントアップ
が完了していなければ、ステップ122にて「NO」と
判定して、ステップ128にてプログラムの実行を終了
する。したがって、ショックアブソーバ10A〜10D
は以前の状態すなわちハード状態に保たれ続ける。
【0023】そして、前記ステップ114によるショッ
クアブソーバ10A〜10Dのソフト状態からハード状
態への切り換えから時間が経過して、前記タイマが所定
値までカウントアップすると、ステップ122にて「Y
ES」と判定してプログラムをステップ124に進め
る。ステップ124においては、ソフトを表す制御信号
を駆動回路26a〜26dに出力する。駆動回路26a
〜26dは以前に記憶していた制御信号をソフトを表す
制御信号に更新し、同更新した制御信号に応じて電磁バ
ルブ14a〜14dの開度を切り換えてショックアブソ
ーバ10A〜10Dをソフト状態に切り換える。その結
果、ショックアブソーバ10A〜10Dによる車体の上
下動に対する減衰力が小さく設定される。前記ステップ
124の処理後、ステップ126にてフラグFLG を”
0”に変更して、ステップ128にてプログラムの実行
を終了する。
【0024】このように、車体にあおりが発生し、同あ
おりによる車体の振動の大きさG1がしきい値GHより
大きくなると、ショックアブソーバ10A〜10Dがソ
フト状態からハード状態に切り換えられ、この状態は車
体の振動の大きさG1が小さくなっても所定時間だけ維
持される。したがって、車体のあおりが大きくなると、
同あおりに起因した車体の上下動に対する減衰力は必ず
所定時間だけ大きい側に維持されるので、同車体のあお
りが抑制される。
【0025】つぎに、路面外乱によって車体にロールが
発生した場合について説明する。この場合、車体の左右
位置における振動は逆相であって振動方向LGA,RG
Aは異なるので、ステップ110の判定処理においては
「NO」と判定してプログラムをステップ114に進め
る。したがって、車体の振動の大きさG1がしきい値G
R以上になるまでは、ステップ108にて「NO」と判
定してプログラムをステップ120に進めるので、前述
の場合と同様に、ショックアブソーバ10A〜10Dは
以前の状態すなわちソフト状態に保たれ続けて、車体の
上下動に対する減衰力は小さく設定されて車両の良好な
乗り心地が確保される。
【0026】一方、路面外乱による車体のロールが大き
くなって車体の振動の大きさG1がしきい値GRより大
きくなると、前述したステップ114の処理により、シ
ョックアブソーバ10A〜10Dをハード状態に切り換
えて車体の上下動に対する減衰力を大きく設定する。前
記ステップ114の処理後、前述したステップ116,
118の処理によりタイマが作動開始されるとともにフ
ラグFLG が”1”に変更される。そして、前述したステ
ップ120〜126の処理により、ショックアブソーバ
10A〜10Dは所定時間だけハード状態に維持される
とともに、フラグFLG が”0”に戻される。したがっ
て、路面外乱による車体のロールが大きくなると、同ロ
ールに起因した車体の上下動に対する減衰力は必ず所定
時間だけて大きい側に維持されるので、同車体のロール
が抑制される。
【0027】上記作動説明からも理解できるとおり、上
記第1実施例によれば、車体の振動が「あおり」に関す
るものであれば、振動の大きさG1が比較的大きなしき
い値GH以上にならない限り減衰力は大きい側へ切り換
えられない。一方、車体の振動が路面外乱によるロール
に関するものであれば、振動の大きさG1が比較的小さ
なしきい値GR以上になれば減衰力は大きい側へ切り換
えられる。すなわち、車体のロールに対する減衰力の制
御感度が車体のあおりに対する減衰力の制御感度より高
く設定される。これらのことは、車体のロールの振動レ
ベルはあおりの振動レベルに対して小さいという一般的
な物理的特性にも適合し、かつ乗員がロールをあおりよ
りも敏感に感じるという感覚的特性にも適合するもので
あるので、物理的にも感覚的にも最適な減衰力制御が行
われる。
【0028】b.第2実施例 次に、本発明の第2実施例について説明する。この第2
実施例においては、図1に示すように、上記第1実施例
のマイクロコンピュータ25にさらに車速センサ27が
接続されている。車速センサ27は車速Vを検出して同
車速Vを表す検出信号を出力する。また、この第2実施
例においては、マイクロコンピュータ25は上記第1実
施例のプログラムのステップ100〜112の部分のみ
を図3に示すプログラムの一部で置換したプログラムを
所定の短時間毎に実行するとともに、車速Vに応じて図
4に示す特性で変化するしきい値GR,GHを表すデー
タを記憶したテーブルがマイクロコンピュータ25内に
設けられている。残りの部分については上記第1実施例
と同様である。
【0029】以下、この第2実施例の動作を説明する
と、マイクロコンピュータ25は上記第1実施例と同様
な初期設定処理後、図3のステップ102aに車体の左
右位置の各振動レベルLG,RGの他に車速センサ27
から車速Vを入力する。前記ステップ102aの処理
後、上記第1実施例と同様なステップ104,106の
処理により、車体左右位置における振動の大きさLG
1,RG1、振動の方向ALG,ARG及び振動の大き
さG1を計算して、ステップ150にて内蔵のテーブル
を参照して車速Vに対応したしきい値GR,GH(図4
参照)を決定する。
【0030】次に、上記第1実施例のステップ110と
同様なステップ152の判定処理により、車体の振動が
共振周波数に関係したあおりであるか、路面外乱による
ロールであるか否かを判定する。車体左右位置における
各振動が同相であって車体の振動があおりに関するもの
であれば、ステップ152にて「YES」と判定してプ
ログラムをステップ154に進める。ステップ154に
おいては、車体の振動の大きさG1がしきい値GH以上
であるか否かを判定する。振動の大きさG1がしきい値
GH以上であればステップ154にて「YES」と判定
してプログラムを図2のステップ114に進め、同大き
さG1がしきい値GH未満であればステップ154にて
「NO」と判定してプログラムをステップ120に進め
る。したがって、車体にあおりが発生して同あおりによ
る車体の振動の大きさG1がしきい値GH以上になる
と、同あおりに起因した車体の上下動に対する減衰力は
必ず所定時間だけ大きい側に維持されるので、同車体の
あおりが抑制される。また、車体の振動の大きさG1が
しきい値GH未満に保たれていると、車体の上下動に対
する減衰力は小さく維持されるので、車両の乗り心地が
良好に保たれる。
【0031】一方、車体左右位置における各振動が逆相
であって車体の振動が路面外乱によるロールに関するも
のであれば、ステップ152にて「NO」と判定してプ
ログラムをステップ156に進める。ステップ156に
おいては、車体の振動の大きさG1がしきい値GR以上
であるか否かを判定する。振動の大きさG1がしきい値
GR以上であればステップ156にて「YES」と判定
してプログラムを図2のステップ114に進め、同大き
さG1がしきい値GR未満であればステップ156にて
「NO」と判定してプログラムをステップ120に進め
る。したがって、路面外乱によるロールが車体に発生し
て同ロールによる車体の振動の大きさG1がしきい値G
R以上になると、同ロールに起因した車体の上下動に対
する減衰力は必ず所定時間だけ大きい側に維持されるの
で、同車体のロールが抑制される。また、車体の振動の
大きさG1がしきい値GR未満に保たれていると、車体
の上下動に対する減衰力は小さく維持されるので、車両
の乗り心地が良好に保たれる。
【0032】この場合、車体のあおりに関するしきい値
GHは車速Vが高くなるにしたがって小さくなるととも
に、路面外力による車体のロールに関するしきい値GR
は車速Vが高くなるにしたがって大きくなるようになっ
ている(図4参照)。したがって、上記第2実施例によ
れば、車速Vが高くなるにしたがって、車体のあおりに
対する減衰力は大きい側に切り換えられ易くなるととも
に、路面外乱による車体のロールに対する減衰力は大き
い側に切り換えられ難くなる。このことは、車速が高く
なるにしたがってダウンフォースにより車体のあおりは
低くなるとともに、路面外乱による車体のロールは大き
くなるいう物理的特性に、減衰力制御を適合させること
ができてより良好な減衰力制御が実現される。この第3
実施例の制御は上記第2実施例の制御と相反するように
見えるが、これらの制御は車両の種類に応じて適宜選択
されるものである。
【0033】c.第3実施例 次に、本発明の第3実施例について説明する。この第3
実施例においては、マイクロコンピュータ25が上記第
2実施例のテーブルに代えて車速Vに応じて図5に示す
特性で変化するしきい値GR,GHを表すデータを記憶
したテーブルを記憶していることと、図3のステップ1
50にて同テーブルを参照してしきい値GR,GHを決
定する点で相違するのみである。
【0034】したがって、車体のあおり及び路面外乱に
よる車体のロールは、上記第2実施例の場合と同様に、
車体の振動の大きさG1がしきい値GH,GR以上にな
った時点で抑制される。この場合、車体のあおりに関す
るしきい値GHは車速Vが高くなるにしたがって大きく
なるとともに、路面外力による車体のロールに関するし
きい値GRは車速Vが高くなるにしたがって小さくなる
ようになっている(図5参照)。したがって、上記第3
実施例によれば、車速Vが高くなるにしたがって、車体
のあおりに対する減衰力は大きい側に切り換えられ難く
なるとともに、路面外乱による車体のロールに対する減
衰力は大きい側に切り換えられ易くなる。このことは、
車速が高くなるにしたがって乗員の車体のあおりに対す
る感度は鈍くなるとともに、乗員のロールに対する感度
が鋭くなるいう感覚的特性に、減衰力制御を適合させる
ことができてより良好な減衰力制御が実現される。
【0035】d.第4実施例 次に、本発明の第4実施例について説明する。この第4
実施例においては、ショックアブソーバ10A〜10D
の電磁バルブ14a〜14dの開度が初期状態を含む4
段階に切り換えられ、これに対応して、同アブソーバ1
0A〜10Dの減衰力も4段階にそれぞれ切り換えられ
るようになっている。この初期状態は上記第1実施例の
ソフト状態に対応し、第1〜3状態はこの順に減衰力の
増加方向に対応している。また、この第4実施例におい
ては、マイクロコンピュータ25は上記第1実施例のプ
ログラムに代えて図6〜8に示すプログラムを所定の短
時間毎に実行するとともに、ショックアブソーバ10A
〜10Dの第1〜3状態にそれぞれ切り換えるためのし
きい値GR,GH(図9又は図10)を表すデータを記
憶している。残りの部分については上記第1実施例と同
様である。
【0036】以下、この第4実施例の動作を説明する
と、マイクロコンピュータ25は上記第1実施例と同様
な初期設定処理後、図6のステップ200〜214の処
理を実行する。この初期設定処理においては、ショック
アブソーバ10A〜10Dは初期状態に設定されるとと
もに、車体の「あおり」及び「ロール」に関係した同ア
ブソーバ10A〜10Dの第1〜3状態への切り換え中
であることを表す各フラグHFLG1〜HFLG3,RFLG1〜RFLG3
を”0”に設定する。この初期設定後のステップ202
〜206においては、上記第1実施例のステップ102
〜106(図2)と同様に、車体の左右位置の各振動レ
ベルLG,RGを入力し、同入力した各振動レベルL
G,RGに基づいて車体左右位置における振動の大きさ
LG1,RG1、振動の方向ALG,ARG及び振動の
大きさG1を計算する。
【0037】次に、ステップ208にて車体左右位置に
おける振動方向ALG,ARGに基づいて車体左右位置
の振動が同相であるか否かを判定する。車体左右位置の
振動が同相であればステップ208にて「YES」と判
定し、ステップ210にてあおり制御ルーチンを実行し
てステップ214にてプログラムの実行を終了する。車
体左右位置の振動が逆相であればステップ208にて
「NO」と判定し、ステップ212にてロール制御ルー
チンを実行してステップ214にてプログラムの実行を
終了する。
【0038】あおり制御ルーチンは図7に詳細に示され
ているように、その実行がステップ220にて開始さ
れ、ステップ222〜232の判定処理を実行する。車
体の振動の大きさG1がしきい値GH1,GH2,GH
3のいずれよりも小さければ、各フラグHFLG1,HFLG2,HF
LG3 は共に最初”0”に保たれているので、全てのステ
ップ222〜232にて「NO」と判定し、ステップ2
58にてこのあおり制御ルーチンの実行を終了する。し
たがって、この場合、ショックアブソーバ10A〜10
Dが初期状態に保たれて車体の上下動に対する減衰力は
低く保たれるので、車両の乗り心地が良好に保たれる。
【0039】一方、前記車体左右の各振動が同相である
状態で、車体の振動の大きさG1がしきい値GH1(図
9又は図10参照)以上になると、ステップ230にて
「YES」と判定してプログラムをステップ234に進
める。ステップ234においては、上記第1実施例と同
様に、駆動回路26a〜26dを介して電磁バルブ14
a〜14dを制御して、同バルブ14a〜14dの開度
を切り換えることによりショックアブソーバ10A〜1
0Dを初期状態から第1状態に切り換える。前記ステッ
プ234の処理後、ステップ236にてマイクロコンピ
ュータ25に内蔵したタイマを作動開始させ、ステップ
238にてフラグHFLG1 を”1”に変更する。そして、
上記第1実施例と同様なステップ232,252の処理
によってショックアブソーバ10A〜10Dを所定時間
だけ第1状態に保ち、所定時間の経過後、ステップ25
2,254の処理によって同アブソーバ10A〜10D
を初期状態に戻す。この時点で、ステップ256の処理
によりフラグHFLG1 は”0”に戻される。その結果、所
定時間だけショックアブソーバ10A〜10Dは第1状
態に維持されて減衰力が大きくなるので、車体のあおり
は速やかに抑制される。
【0040】また、前記車体のあおりが前記場合よりも
大きくて、車体の振動の大きさG1がしきい値GH2
(図9又は図10参照)以上になると、ステップ226
にて「YES」と判定してプログラムをステップ240
〜244に進める。ステップ240〜244において
は、前記ステップ234〜238と同様にして、ショッ
クアブソーバ10A〜10Dを第2状態に切り換え、タ
イマを作動開始させ、かつフラグHFLG2 を”1”に変更
する。そして、この場合には、ステップ228,23
2,252の処理によってショックアブソーバ10A〜
10Dを所定時間だけ第2状態に保ち、所定時間の経過
後、ステップ252〜256の処理によって同アブソー
バ10A〜10Dを初期状態に戻すとともに、フラグHF
LG2 を”0”に戻しておく。その結果、所定時間だけシ
ョックアブソーバ10A〜10Dは第2状態に維持され
て減衰力が前記よりも大きくなるので、車体のあおりが
前記場合よりも多少大きくなっても同あおりは速やかに
抑制される。
【0041】さらに、前記車体のあおりがさらに大きく
て車体の振動の大きさG1がしきい値GH3(図9又は
図10参照)以上になると、ステップ222にて「YE
S」と判定してプログラムをステップ246〜250に
進める。ステップ246〜250においては、前記ステ
ップ234〜238,240〜244と同様にして、シ
ョックアブソーバ10A〜10Dを第3状態に切り換
え、タイマを作動開始させ、かつフラグHFLG3 を”1”
に変更する。そして、この場合には、ステップ224,
228,232,252の処理によってショックアブソ
ーバ10A〜10Dを所定時間だけ第3状態に保ち、所
定時間の経過後、ステップ252〜256の処理によっ
て同アブソーバ10A〜10Dを初期状態に戻すととも
に、フラグHFLG3 を”0”に戻しておく。その結果、所
定時間だけショックアブソーバ10A〜10Dは第3状
態に維持されて減衰力がさらに大きくなるので、車体の
あおりがさらに大きくなっても同あおりは速やかに抑制
される。
【0042】次に、ロール制御ルーチンについて説明す
る。ロール制御ルーチンは図8に詳細に示すようにステ
ップ260〜298からなり、各ステップ260〜29
8は前述したあおり制御ルーチンのステップ220〜2
58にそれぞれ対応している。ただし、ステップ26
2,266,270にて車体の振動の大きさG1と比較
されるしきい値GR3,GR2,GR1(図9又は図1
0)、及びステップ264,268,272にて判定さ
れかつステップ278,284,290,296にて”
1”又は”0”に設定されるフラグRFLG3,RFLG2,RFLG1
が前記あおり制御ルーチンの場合と異なる。したがっ
て、このロール制御ルーチンの処理においても、前記あ
おりに関係した車体の振動の大きさG1が大きくなるに
したがってショックアブソーバ10A〜10Dの減衰力
が順次大きい側へ切り換えられたように、ロールに関係
した車体の振動の大きさG1が大きくなるにしたがって
ショックアブソーバ10A〜10D減衰力が順次大きい
側へ切り換えられる。その結果、車体にロールが発生し
なければ車両の乗り心地が良好に保たれ、同ロールが発
生した場合には同ロールの大きさに応じた減衰力制御に
より車体のロールが速やかに抑制される。
【0043】上記のように構成した第4実施例において
は、図9又は図10に示すように、車体のあおりに関係
したしきい値GH1〜GH3のうちの最小のしきい値G
H1は車体のロールに関係したしきい値GR1〜GR3
のうちの最小のしきい値GR1よりも大きな値に設定し
てあるので、ロールに関係した振動があおりに関係した
車体の振動に比べて初期において高感度で制御される。
すなわち、車体の振動があおりの場合には、振動レベル
が大きくならないと減衰力は大きい側切り換えられず、
一方、車体の振動が路面外乱による車体のロールの場合
には、振動レベルが小さくても減衰力が大きい側切り換
えられる。したがって、この場合も、ショックアブソー
バ10A〜10Dの減衰力特性を物理的特性及び感覚的
特性に最適に適合させることができる。
【0044】また、同第4実施例においては、図9又は
図10に示すように、車体のあおりに関係したしきい値
GH1〜GH3の変化幅を車体のロールに関係したしき
い値GR1〜GR3の変化幅より小さくしている。これ
によれば、車体にあおりが発生して振動レベルがある程
度大きくなってから減衰力が大きい側へ切り換えられて
も、すなわち振動エネルギが大きくなってから減衰力が
大きい側に切り換えられても、減衰力は順次速やかに大
きい側へ移行するので、前記エネルギの大きな振動が滑
らかかつ速やかに減衰される。
【0045】なお、上記第4実施例においては、ショッ
クアブソーバ10A〜10Dを初期状態を含む4段階に
切り換えするようにしたが、この段数は3段階でもよい
し、5段階以上でもよい。この場合、電磁バルブ14a
〜14dを前記段数に切り換え可能なショックアブソー
バ10A〜10Dを用意するとともに、図7,8のプロ
グラムを各段に対応した処理を削除又は追加するように
すればよい。また、上記第4実施例においては、ショッ
クアブソーバ10A〜10Dの第1〜3状態への切り換
え時の保持時間を共通にしたが、各状態毎に保持時間を
異ならせる、例えば上位の状態になるにしたがって保持
時間を長くするようにしてもよい。この場合、図7,8
の各ステップ252,292にてタイマのカウントアッ
プする時間を各切り換え状態に応じて異ならせるように
すればよい。
【0046】e.第5実施例 次に、本発明の第5実施例について説明する。この第5
実施例においては、マイクロコンピュータ25が図2の
プログラムに代えて図11のプログラムを実行する点で
上記第1実施例と異なり、残りの部分については上記第
1実施例と同様である。
【0047】以下、この第5実施例の動作を説明する
と、マイクロコンピュータ25は上記第1実施例と同様
な初期設定処理後、図11のステップ302,304の
処理により車体の左右位置の各振動レベルLG,RGを
入力するとともに、同各振動レベルLG,RGに基づい
て車体左右位置における振動の大きさLG1,RG1及
び振動の方向ALG,ARGを計算する。次に、ステッ
プ306〜310の処理により、車体の左右位置におけ
る振動の大きさLG1,RG1のうちの大きい方を最大
振動値Gmax として設定するとともに、小さい方を最小
振動値Gmin として設定する。前記ステップ306〜3
10の処理後、ステップ312にて、上記第1実施例と
同様に、ステップ312にて車体の左右位置における振
動方向LGA,RGAが同じであるか否かを判定するこ
とにより、車体の振動があおりに起因するものであるか
路面外乱によるロールに起因するものであるかを判定す
る。
【0048】両振動方向LGA,RGAが同じであって
車体の振動があおりに関係したものであれば、ステップ
312にて「YES」と判定してプログラムをステップ
314に進める。ステップ314においては、最小振動
値Gmin と予め決めたしきい値Gとを比較して、最小振
動値Gmin がしきい値G以上であるか否かを判定する。
最小振動値Gmin がしきい値G以上であれば、ステップ
314にて「YES」と判定して上記第1実施例のステ
ップ114〜118と同様なステップ318〜322の
処理を実行して、ショックアブソーバ10A〜10Dの
減衰力を大きい側に切り換える。一方、最小振動値Gmi
n がしきい値G未満であれば、ステップ314にて「N
O」と判定して上記第1実施例のステップ120〜12
6と同様なステップ324〜330の処理を実行して、
ショックアブソーバ10A〜10Dの減衰力を所定時間
だけ大きい側に維持し、その後に同減衰力を小さい側に
戻す。
【0049】また、両振動方向LGA,RGAが異なっ
て車体の振動が路面外乱によるロールに関係したもので
あれば、ステップ312にて「NO」と判定してプログ
ラムをステップ316に進める。ステップ316におい
ては、最大振動値Gmax と前記と同じしきい値Gとを比
較して、最大振動値Gmax がしきい値G以上であるか否
かを判定する。最大振動値Gmax がしきい値G以上であ
れば、ステップ316にて「YES」と判定してプログ
ラムをステップ318〜322に進めて、ショックアブ
ソーバ10A〜10Dの減衰力を大きい側に切り換え
る。一方、最大振動値Gmax がしきい値G未満であれ
ば、ステップ316にて「NO」と判定してプログラム
をステップ324〜330に進めて、ショックアブソー
バ10A〜10Dの減衰力を所定時間だけ大きい側に維
持し、その後に同減衰力を小さい側に戻す。
【0050】上記作動説明からも理解できるとおり、上
記第5実施例によれば、車体にあおりが発生した場合に
は最小振動値Gmin がしきい値G以上になると、車体の
上下動に対する減衰力が大きい側へ切り換えられ、かつ
車体に路面外乱によるロールが発生した場合には最大振
動値Gmax がしきい値G以上になると、車体の上下動に
対する減衰力が大きい側へ切り換えらる。したがって、
路面外乱による車体のロールの方が車体のあおりに比べ
て減衰力が大きい側へ切り換えられ易く、すなわち減衰
力の制御感度が高くなる。したがって、この第5実施例
においても、車体のあおりとロールとで、乗員の感覚に
合った最適な減衰力の制御をそれぞれ行うことが可能と
なる。また、最大振動値Gmax及び最小振動値Gminと比
較されるしきい値Gを一種類だけ設ければよいので、構
成が簡単になる。特に、しきい値Gを上記第2及び第3
実施例のように車速Vに応じて変更する場合には、テー
ブルを複数設ける必要がなくなる。
【0051】f.第6実施例 次に、本発明の第6実施例について説明する。この第6
実施例においては、図1に示すように、上記第5実施例
のマイクロコンピュータ25にさらに車速センサ27が
接続されている。車速センサ27は車速Vを検出して同
車速Vを表す検出信号を出力する。また、この第6実施
例においては、マイクロコンピュータ25は上記第5実
施例のプログラムのステップ300〜312の部分のみ
を図11に示すプログラムの一部で置換したプログラム
を所定の短時間毎に実行する。残りの部分については上
記第5実施例と同様である。
【0052】以下、この第6実施例の動作を説明する
と、マイクロコンピュータ25は上記第5実施例と同様
な初期設定処理後、図11のステップ302a,304
〜310の処理により、車体の左右位置の各振動レベル
LG,RG及び車速Vを入力し、同各振動レベルLG,
RGに基づいて車体左右位置における振動の大きさLG
1,RG1及び振動の方向ALG,ARGを計算し、か
つ最大振動値Gmax 及び最小振動値Gmin を設定する。
次に、ステップ340にて車速Vが所定値V1 以下であ
るか否かを判定する。この所定値V1 は図4に示すよう
にあおりに関するしきい値とロールに関するしきい値と
が交差する車速を表している。
【0053】車速Vが所定値V1 以下であれば、ステッ
プ340にて「YES」と判定してプログラムをステッ
プ342に進める。ステップ342においては、上記第
5実施例のステップ312と同様な判定処理により、車
体の振動があおりに関係したものであればプログラムを
ステップ314に進め、車体の振動があおりに関係した
ものであればプログラムをステップ316に進める。し
たがって、車速Vが低中速であれば、上記第5実施例の
場合と同様に、車体にあおりが発生した場合には最小振
動値Gmin がしきい値G以上になると、車体の上下動に
対する減衰力が大きい側へ切り換えられ、かつ車体に路
面外乱によるロールが発生した場合には最大振動値Gma
x がしきい値G以上になると、車体の上下動に対する減
衰力が大きい側へ切り換えられる。すなわち、車体のロ
ールに対する減衰力制御の感度が車体のあおりに対する
減衰力制御の感度より高く設定される。
【0054】一方、車速Vが所定値V1 より大きくなる
と、ステップ340にて「NO」と判定してプログラム
をステップ344に進める。ステップ344において
は、両振動方向LGA,RGAが同じあって車体の振動
があおりに関するものであれば「YES」と判定してプ
ログラムをステップ316に進め、両振動方向LGA,
RGAが異なって車体の振動が路面外乱によるロールに
関するものであれば「NO」と判定してプログラムをス
テップ314に進める。したがって、車体にあおりが発
生した場合には最大振動値Gmax がしきい値G以上にな
ると、車体の上下動に対する減衰力が大きい側へ切り換
えられ、かつ車体に路面外乱によるロールが発生した場
合には最小振動値Gmin がしきい値G以上になると、車
体の上下動に対する減衰力が大きい側へ切り換えらる。
すなわち、車体のあおりに対する減衰力制御の感度が車
体のロールに対する減衰力制御の感度より高く設定され
る。
【0055】このことは、上記第2実施例で述べたよう
に、車速が高くなるにしたがってダウンフォースにより
車体のあおりは低くなるとともに、路面外乱による車体
のロールは大きくなるいう物理的特性にも適合する。し
たがって、この第6実施例によれば、上記第5実施例の
効果に加えて、さらに良好な減衰力制御が実現される。
【0056】なお、この第6実施例において、最大振動
値Gmax及び最小振動値Gminと比較されるしきい値Gを
車速Vが所定値V1 以下とそれより大きい場合とで異な
らせるようにしてもよい。この場合、車速Vが所定値V
1 以下であれば、同実施例と同様に、ステップ342の
判定の基にステップ314,316の処理が実行される
ようにする。そして、ステップ314,316と同様な
処理でしきい値の異なる一対の判定処理を同ステップ3
14,316と並列に新たに設けて、同新たに設けた判
定処理をステップ344の判定の基に行うようにすれば
よい。
【0057】g.第7実施例 次に、本発明の第7実施例について説明する。この第7
実施例においては、マイクロコンピュータ25は上記第
5実施例のプログラムのステップ300〜316(図1
1)の部分のみを図13に示すプログラムの一部で置換
したプログラムを所定の短時間毎に実行する。残りの部
分については上記第5実施例と同様である。
【0058】以下、この第7実施例の動作を説明する
と、マイクロコンピュータ25は上記第5実施例と同様
な初期設定処理後、ステップ302の処理により車体の
左右位置の各振動レベルLG,RGを入力する。この入
力後、ステップ350にて各振動レベルLG,RGの差
LG−RGの絶対値|LG−RG|を計算して、同絶対
値|LG−RG|をレベル差G1として設定する。次
に、ステップ352にてレベル差G1と予め決めたしき
い値G0 と比較して、レベル差G1がしきい値G0以上
であるか否かを判定する。
【0059】レベル差G1がしきい値G0 以上であれ
ば、ステップ352にて「YES」と判定してプログラ
ムをステップ318〜322に進めて、ショックアブソ
ーバ10A〜10Dの減衰力を大きい側に切り換える。
一方、レベル差G1ががしきい値G0 未満であれば、ス
テップ352にて「NO」と判定してプログラムをステ
ップ324〜330に進めて、ショックアブソーバ10
A〜10Dの減衰力を所定時間だけ大きい側に維持し、
その後に同減衰力を小さい側に戻す。
【0060】この場合、車体の振動があおりに起因する
ものであっても車体の左右位置における各振動レベルL
G,RGには多少差があるとともに、同差は小さい。一
方、車体の振動が路面外乱による車体のロールに起因し
ていれば、前記各振動レベルLG,RGの差はかなり大
きなものとなる。したがって、ロールに関する減衰力の
制御感度があおりの場合よりも高くなり、減衰力制御を
簡単に最適化させることができる。
【0061】h.第8実施例 次に、本発明の第8実施例について説明する。この第8
実施例においては、図1に示すように、上記第5実施例
のマイクロコンピュータ25にさらに車速センサ27が
接続されている。車速センサ27は車速Vを検出して同
車速Vを表す検出信号を出力する。また、この第8実施
例においては、マイクロコンピュータ25は上記第5実
施例のプログラムのステップ300〜316(図11)
の部分のみを図14に示すプログラムの一部で置換した
プログラムを所定の短時間毎に実行する。残りの部分に
ついては上記第5実施例と同様である。
【0062】以下、この第8実施例の動作を説明する
と、マイクロコンピュータ25は上記第5実施例及び第
7実施例と同様な初期設定処理後、図14のステップ3
02,350の処理により、車体の左右位置の各振動レ
ベルLG,RGを入力するとともに、各振動レベルL
G,RGに基づいてレベル差G1(=|LG−RG|)
を計算する。次に、ステップ360にて各振動レベルL
G,RGの和LG+RGの絶対値|LG+RG|を計算
して、同絶対値|LG+RG|をレベル和G2として設
定する。これらのレベル差G1及びレベル和G2の計算
後、ステップ362にて車速Vが所定値V1 以下である
か否かを判定する。この所定値V1 は図4に示すように
あおりに関するしきい値とロールに関するしきい値とが
交差する車速を表している。
【0063】車速Vが所定値V1 以下であれば、ステッ
プ362にて「YES」と判定してプログラムをステッ
プ364に進める。ステップ364においては、上記第
7実施例のステップ352と同様な判定処理により、レ
ベル差G1が予め決めたしきい値G01以上であれば「Y
ES」と判定してプログラムをステップ318〜322
に進め、レベル差G1が予め決めたしきい値G01未満で
あれば「NO」と判定してプログラムをステップ324
〜330に進める。したがって、車速Vが低中速であれ
ば、上記第7実施例の場合と同様に、レベル差G1がし
きい値G01以上になると、ショックアブソーバ10A〜
10Dの減衰力が大きい側に切り換えられる。
【0064】一方、車速Vが所定値V1 より大きくなる
と、ステップ362にて「NO」と判定してプログラム
をステップ366に進める。ステップ366において
は、レベル和G2が予め決められたしきい値G02以上で
あるか否かを判定する。この場合、レベル和G2がしき
い値G02以上であれば「YES」と判定してプログラム
をステップ318〜322に進め、レベル和G2がしき
い値G02未満であれば「NO」と判定してプログラムを
ステップ324〜330に進める。したがって、車速V
が高ければ、レベル和G2がしきい値G02以上になる
と、ショックアブソーバ10A〜10Dの減衰力が大き
い側に切り換えられる。
【0065】前述のように、各振動レベルLG,RGの
レベル差G1は、車体の振動があおりに起因するもので
あれば小さく、車体の振動が路面外乱による車体のロー
ルに起因していれば大きい。一方、レベル和G2は、こ
れとは逆に、車体の振動があおりに起因するものであれ
ば大きく、車体の振動が路面外乱による車体のロールに
起因していれば小さいことは明かである。したがって、
車両の低中速走行中には車体のあおりに対する減衰力の
制御感度が車体のロールに対する減衰力の制御感度より
高く設定され、かつ車両の高速走行中には車体のあおり
に対する減衰力の制御感度が車体のロールに対する減衰
力の制御感度より低く設定される。このことは、上記第
2実施例で述べたように、車速が高くなるにしたがって
ダウンフォースにより車体のあおりは低くなるととも
に、路面外乱による車体のロールは大きくなるいう物理
的特性にも適合する。したがって、この第8実施例によ
れば、上記第7実施例の効果に加えてさらに、さらに良
好な減衰力制御が実現される。
【0066】i.同逆相判定の変形例 次に、上記第1〜6実施例で用いた車体の左右位置にお
ける振動の同逆相を判定する手段の変形例について説明
する。この変形例は、上記各実施例のマイクロコンピュ
ータ25が実行する図15の同逆相判定プログラムで構
成されている。
【0067】マイクロコンピュータ25は、図15のス
テップ400〜416の処理を所定の短時間毎に繰り返
し実行する。ステップ402にて車体の左右位置におけ
る各振動レベルLG,RGを図1の上下加速度センサ2
1,22からバンドパスフィルタ23,24を介して入
力する。次に、ステップ404,406の処理により、
前回のプログラムの実行時における振動レベルLG,R
Gを表す旧振動レベルLGo,RGoを今回のプログラム
の実行時における振動レベルLG,RGを表す新振動レ
ベルLGn,RGnでそれぞれ更新するとともに、新振動
レベルLGn,RGnを前記今回入力した振動レベルL
G,RGに設定する。
【0068】前記ステップ402〜406の処理後、ス
テップ408にて車体の左位置における新旧振動レベル
LGn,LGoの積LGn・LGoが負であるか否かによ
り、車体の左位置における振動レベル波形(図16のL
G参照)がゼロクロスしたか否かを判定する。振動レベ
ル波形がゼロクロスすれば、ステップ408にて「YE
S」と判定し、ステップ410にて車体の左位置におけ
る新旧振動レベルLGn,LGoの差LGn−LGoと、車
体の右位置における新旧振動レベルRGn,RGoの差R
Gn−RGoとの積(LGn−LGo)・(RGn−RGo)が正
であるか否かを判定する。このステップ410の判定処
理は、車体の左右位置における振動が同相であるか逆相
であるかを判定するもので、前記各差LGn−LGo,R
Gn−RGoはそれぞれ各振動波形の傾きを表しており、
同相の場合には両振動波形の傾きが一致し(図16のL
G,RG−1に対応)、逆相の場合には両振動波形の傾
きが相違する(図16のLG,RG−2に対応)ことに
基づくものである。
【0069】すなわち、車体の左右位置における振動が
同相であって前記積(LGn−LGo)・(RGn−RGo)が
正であれば、ステップ410にて「YES」と判定し
て、ステップ412にて同逆相フラグSFLGを”1”に設
定する。一方、車体の左右位置における振動が逆相であ
って前記積(LGn−LGo)・(RGn−RGo)が負であれ
ば、ステップ410にて「NO」と判定して、ステップ
414にて同逆相フラグSFLGを”0”に設定する。この
ように設定されたフラグSFLGは、車体の左位置における
振動波形が次にゼロクロスするまでステップ408にて
「NO」と判定され続けるので、前記設定値に維持され
る。したがって、この変形例によっても、車体の左右位
置における各振動の同相又は逆相が判定される。そし
て、この判定結果を上記第1〜6実施例に適用する場
合、図2のステップ110、図3のステップ152、図
6のステップ208、図11のステップ312、図12
のステップ342,344の判定処理を、この変形例に
よる同逆相フラグSFLGの値により行うようにすればよ
い。
【0070】なお、この変形例においては、車体の左位
置における振動波形のゼロクロス時に車体の左右位置に
おける振動の同相又は逆相を判定するようにしたが、車
体の右位置における振動波形のゼロクロス時に車体の左
右位置における振動の同相又は逆相を判定するようにし
てもよい。この場合、ステップ408にて左位置におけ
る新旧振動レベルLGn,LGoの積LGn・LGoを用い
るのに代えて、右位置における新旧振動レベルRGn,
RGoの積RGn・RGoを用いるようにすればよい。
【0071】j.その他の変形例 上記各実施例においては車体の左右位置における振動を
検出するための振動センサとして上下加速度センサ2
1,22を用いるようにしたが、これらの上下加速度セ
ンサ21,22に代えて、車体に組み付けて路面からの
高さを検出する車高センサ、サスペンション装置内に設
けられて車体(ばね上部材)と車輪側部材(ばね下部
材)との相対的な変位を検出するストロークセンサ、シ
ョックアブソーバ内に設けられて同アブソーバに付与さ
れる荷重を検出する荷重センサ、減衰力変更機構として
エアサスペンションを用いた場合におけるエアサスペン
ション内の空気圧、ショックアブソーバ内の油圧を検出
する減衰力センサなどを前記振動センサとして用いるこ
ともできる。
【0072】また、上記実施例においては車体のあおり
と路面外乱による車体のロールとを区別して減衰力制御
するようにしたが、路面外乱による車体のロールと路面
外乱による車体のピッチとはほぼ同一の性質を有してい
るので、上記各実施例を車体のあおりと車体のピッチと
を区別して減衰力制御するものにも適用できる。この場
合、上記実施例の上下加速度センサ21,22又は前記
各変形例に係る振動センサを車体の前後位置、例えば前
後輪位置に設けるようにすればよい。これによれば、各
振動センサにそれぞれ検出される各振動が同相であれば
車体の振動はあおりに関係したものとして扱われ、同検
出された各振動が逆相であれば車体の振動は車体のピッ
チに関係したものとして扱われる。
【0073】また、車体に3個以上の振動センサを平面
上の位置を異ならせて設けるようにしておき、これらの
センサ出力により減衰力の制御を行うようにしてもよ
い。この場合、各センサの位置に対応した平面を想定
し、各センサにより検出された振動に基づいて前記平面
が上下方向に平行に変位する場合すなわち検出した振動
が同相である場合には、車体にあおりに発生している判
定するようにすればよい。また、前記平面がねじれて変
位する場合すなわち検出した振動が同相でない場合に
は、車体にロール又はピッチが発生しているものと判定
するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各実施例に共通した減衰力制御装置
の概略ブロック図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係るプログラムを示す
フローチャートである。
【図3】 本発明の第2実施例に係るプログラムの一部
を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の第2実施例に係る車速に対するしき
い値の変化特性グラフである。
【図5】 本発明の第3実施例に係る車速に対するしき
い値の変化特性グラフである。
【図6】 本発明の第4実施例に係るメインプログラム
を示すフローチャートである。
【図7】 図6のあおり制御ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図8】 図6のロール制御ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図9】 本発明の第4実施例に係るショックアブソー
バの切り換え段数としきい値との関係の一例を示すグラ
フである。
【図10】 同第4実施例に係るショックアブソーバの
切り換え段数としきい値との関係の他の例を示すグラフ
である。
【図11】 本発明の第5実施例に係るプログラムを示
すフローチャートである。
【図12】 本発明の第6実施例に係るプログラムの一
部を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の第7実施例に係るプログラムの一
部を示すフローチャートである。
【図14】 本発明の第8実施例に係るプログラムの一
部を示すフローチャートである。
【図15】 上記第1〜6実施例に用いた車体の左右位
置における振動の同逆相を判定する手段の変形例を示す
プログラムのフローチャートである。
【図16】 車体の左右位置における振動波形図であ
る。
【符号の説明】
10A〜10D…ショックアブソーバ、12a〜12d
…油圧シリンダ、14a〜14d…電磁バルブ、20…
電気制御装置、21,22…上下加速度センサ、23,
24…バンドパスフィルタ、25…マイクロコンピュー
タ、27…車速センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と車体との間に設けられ車体の上下
    動に対する減衰力を変更可能な減衰力変更機構を制御す
    るための車両の減衰力制御装置において、 水平方向の位置を異ならせた車体の少なくとも2箇所に
    設けられて同2箇所における上下方向の振動をそれぞれ
    検出する第1及び第2振動センサと、 前記第1及び第2振動センサにより検出された各振動が
    同相関係又は逆相関係のいずれかにあるかを判定する判
    定手段と、 前記判定手段により各振動が同相であると判定されたと
    き前記第1及び第2振動センサにより検出された振動に
    基づいて決定した車体の上下方向の振動レベルが第1し
    きい値より大きいことを条件に前記減衰力変更機構を制
    御して車体の上下動に対する減衰力を大きくするととも
    に、前記判定手段により各振動が逆相であると判定され
    たとき前記車体の振動レベルが前記第1しきい値より小
    さな第2しきい値より大きいことを条件に前記減衰力変
    更機構を制御して車体の上下動に対する減衰力を大きく
    する減衰力制御手段とを設けたことを特徴とする車両の
    減衰力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の車両の減衰力制御
    装置において、さらに車速を検出する車速センサと、 前記車速センサにより検出された車速に基づいて同車速
    に応じて変化する前記第1しきい値を決定するしきい値
    決定手段とを設けたことを特徴とする車両の減衰力制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の車両の減衰力制御
    装置において、さらに車速を検出する車速センサと、 前記車速センサにより検出された車速に基づいて同車速
    に応じて変化する前記第2しきい値を決定するしきい値
    決定手段とを設けたことを特徴とする車両の減衰力制御
    装置。
  4. 【請求項4】 車輪と車体との間に設けられ車体の上下
    動に対する減衰力を少なくとも3段階以上に変更可能な
    減衰力変更機構を制御するための車両の減衰力制御装置
    において、 水平方向の位置を異ならせた車体の少なくとも2箇所に
    設けられて同2箇所における上下方向の振動をそれぞれ
    検出する第1及び第2振動センサと、 前記第1及び第2振動センサにより検出された各振動が
    同相関係又は逆相関係のいずれかにあるかを判定する判
    定手段と、 前記判定手段により各振動が同相であると判定されたと
    き前記第1及び第2振動センサにより検出された振動に
    基づいて決定した車体の上下方向の振動レベルが複数の
    順次大きくなる第1組の各しきい値より大きくなる毎に
    前記減衰力変更機構を制御して車体の上下動に対する減
    衰力を順次大きくし、前記判定手段により各振動が逆相
    であると判定されたとき前記車体の振動レベルが複数の
    順次大きくなる第2組の各しきい値より大きくなる毎に
    前記減衰力変更機構を制御して車体の上下動に対する減
    衰力を順次大きくし、かつ前記第1組の最小のしきい値
    を前記第2組の最小のしきい値より大きく設定した減衰
    力制御手段とを設けたことを特徴とする車両の減衰力制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載の車両の減衰力制御
    装置において、前記第1組の複数のしきい値の変化幅を
    前記第2組の複数のしきい値の変化幅より小さくしたこ
    とを特徴とする車両の減衰力制御装置。
  6. 【請求項6】 車輪と車体との間に設けられ車体の上下
    動に対する減衰力を変更可能な減衰力変更機構を制御す
    るための車両の減衰力制御装置において、 水平方向の位置を異ならせた車体の少なくとも2箇所に
    設けられて同2箇所における上下方向の振動をそれぞれ
    検出する第1及び第2振動センサと、 前記第1及び第2振動センサにより検出された各振動が
    同相関係又は逆相関係のいずれかにあるかを判定する判
    定手段と、 前記判定手段により各振動が同相であると判定されたと
    き前記第1及び第2振動センサにより検出された各振動
    のうちの小さい方の振動レベルが所定値より大きいこと
    を条件に前記減衰力変更機構を制御して車体の上下動に
    対する減衰力を大きくするとともに、前記判定手段によ
    り各振動が逆相であると判定されたとき前記第1及び第
    2振動センサにより検出された各振動のうちの大きい方
    の振動レベルが前記所定値より大きいことを条件に前記
    減衰力変更機構を制御して車体の上下動に対する減衰力
    を大きくする減衰力制御手段とを設けたことを特徴とす
    る車両の減衰力制御装置。
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