JP3204407B2 - インクジェットプリンタ用インクおよびその印字機構 - Google Patents
インクジェットプリンタ用インクおよびその印字機構Info
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Description
タ用のインクおよびその印字機構に関する。
ことにより印字するインクジェットプリンタは、コンパ
クトで比較的安価な構成要素から成るため、今後のカラ
ープリンタの主流となり得ると目されている。
しては、水系溶媒に色材として染料を溶解した水系イン
クと、常温で固化するワックス系溶剤に染料を溶解し、
加熱溶融した状態でヘッドより噴射し印字するソリッド
インクとがある。
ル部に滞留しているインクが乾燥により目詰まりを起こ
すため、保水作用を持つグリセリン等が添加されて用い
られている。
ンタ用インクについては、特開昭63−235382に
記載されているものの、具体的内容に乏しいものであっ
た。
次の問題点があった。
合、例えば第1色目を印字し第1色目が乾燥した後、第
2色目を印字した場合、第1色目のドット上に第2色目
のドットが重なると、第2色目のインクの水分により第
1色目のドットの色材である染料が再溶解してにじんで
しまい、印字品質が悪化する問題があった。このため、
普通紙あるいは再生紙にはインクジェット方式によるカ
ラー印字が困難であった。一方、ワックス系のソリッド
インクは、上述のようなにじみの問題は回避できるもの
の、インクの性質上印字ドットが厚いもので10〜20
ミクロン程度となり、かつワックスという軟らかい材質
であるため、弱い摩擦力でも容易に印字ドットが削れて
しまった。すなわち、耐擦性が低いため印字後の信頼性
に問題があった。また、一般に有機溶剤を含むインク
は、溶剤臭を発散するため好ましくなかった。
ヘッドノズル部に滞留する期間が長いと、乾燥により色
材が析出することによるノズルの目詰まりが発生し問題
となっていた。この対策として、様々な添加物が考えら
れてきたが、これらは本来乾燥を防止する作用を持つこ
とが要求されているため、一方で印字後のインク速乾性
を悪化させていた。
光硬化の感度を増し硬化性を著しく向上させようとする
場合、一般には反応開始剤あるいは反応促進剤の増量で
対応できるが、一方で保存時の暗反応が進行しやすくな
るため、保存安定性に問題が生じた。
いては、樹脂分が硬化する時に樹脂分と色材である染料
が分離してしまい、前述1に記したにじみ防止の効果が
低減する場合があった。
紫外線照射による硬化の際に通常100mJ/cm2を越える
露光がなされると、一般にアゾ基を持つ染料の退色が進
行する。従って、アゾ基を持つ染料を用いる場合、10
0mJ/cm2以下の露光量で少なくとも最表面だけでも硬化
する必要性が見いだされた。
ンタ用インクにおいて、特に色材として有機顔料を用い
るインクの場合、一旦ヘッドノズル内でインクの乾燥が
起こると、顔料粒子が凝集し水分が補給されても再分散
することが困難であった。
ためのもので、その目的とするところは、以下の内容を
持つインクジェットプリンタ用インクおよびそのための
インクジェット記録装置を提供することにある。
材として含むインクでありながら、印字後、再度水分
(第2色目以降の印字によるインク)が付着しても染料
がにじまない効果を有するインクを提供する。
ではなく、紫外線硬化型樹脂のプレポリマーを用いるこ
とにより、乾燥防止剤を添加しなくてもヘッドノズル内
で乾燥しにくいインクを提供する。
いて、インクの保存安定性を向上させるため、樹脂分と
反応開始剤を別々に保存し、別々のヘッドノズルから噴
射して印字ドットを形成するためのインクジェット記録
装置を提供する。
樹脂分の硬化時に染料分と樹脂分が分離しないよう、染
料分子が吸着しやすい樹脂を用いたインクを提供する。
色材である染料が紫外線照射時に退色しないインクを提
供する。
インクにおいて、特に色材として有機顔料を用いた時
に、ヘッドノズル内での乾燥による顔料凝集を防止でき
るインクを提供する。
ットプリンタ用インクは、紫外線を照射することにより
硬化する特性を有するインクジェットプリンタ用インク
であって、水と、モノマー構造で官能基を2つ以上含む
水溶性の光硬化型樹脂プレポリマーと、水溶性または非
水溶性の光重合開始剤と、および水溶性染料とを少なく
とも含んでなるものである。
インクは、紫外線を照射することにより硬化する特性を
有するインクジェットプリンタ用インクであって、光硬
化型樹脂プレポリマーもしくはモノマーまたはそれらの
混合物を含んでなりかつ実質的に水を含まないベース溶
液を含んでなり、該ベース溶液が非水溶性染料および光
重合開始剤を少なくとも含んでなり、インクの粘度が3
0cps以下のものである。
ンクにあっては、光硬化型樹脂が、水溶性染料吸着サイ
トを持つものが好ましい。また染料としてアゾ系染料の
ものを用いることが出来る。また、本発明の好ましい態
様によれば、インクは紫外線照射量が100mJ/cm2
以下で少なくとも表面硬化する。
化合物をコロイド状態で含んでなる、水性インクジェッ
トプリンタ用インクが提供される。。
線照射硬化型インクジェット記録方法が提供され、この
方法は、印字紙に、溶液1と溶液2とを噴射して印字ド
ットを形成することにより印字を行うものであり、溶液
1が、染料と、光硬化型樹脂または光重合開始剤のどち
らか一方を含んでなり、溶液2が、光硬化型樹脂または
光重合開始剤のどちらか一方を含んでなり、かつ、溶液
1と溶液2のいずれか一方が、光硬化型樹脂を含んでな
るとき、他方が光重合開始剤を含んでなるものである。
録方法を行うインクジェット記録装置が提供され、この
装置は溶液1を印字紙上に噴射するインクジェット記録
手段と、溶液2を印字紙上に噴射するインクジェット記
録手段と、紫外線を照射する手段とを含んでなるもので
ある。
クを作成した。なお、染料にシアン色を用いた場合とア
ゼンタ色を用いた場合の2種のインクを作成した。
ンキ化学工業(株)製) *2 ダロキュア 1173(メルク製) *3 シアン色もしくはマゼンタ色 最初に、作成したシアン色のインクを用いた。
いて普通紙に印字後、ヘッド横に設置した光ファイバー
から紫外線を照射した。紫外線の照射は、約5秒であり
約100mJ/cm2であった。
分な硬度が感じられる硬度に硬化した。
うに、マゼンタ色の印字を行なった。続いて、紫外線を
約5秒照射し、マゼンタ色のインクの硬化を確認した。
観察した結果、第1色目のシアン色インクの染料が第2
色目の印字によって再溶解してにじみを発生している形
跡は全くなく、本発明の効果が確認できた。
量比)のインクを作成した。
PEG400DA(いずれも日本化薬(株)製)の1:
1混合物 *2 KAYARAD−DTEXとEPA(いずれも日
本化薬(株)製)の3:1混合物 *3 油溶性染料 表2の組成から明らかなように、本インクは光硬化型樹
脂モノマーが溶液ベースとなっており全く水を含んでい
ない。この時粘度は30cps(摂氏20度)以下とな
り、圧電体素子を用いたヘッドでも印字が可能である。
このインクをヘッド内に入れ、2ヶ月間放置した。2ヶ
月後、そのままの状態で印字したが、ノズルの目詰まり
は全く起こらず、揮発性の低いモノマーをインクベース
に用いれば、水を用いた場合と異なりシンプルなインク
組成でヘッド内での乾燥を起こりにくくすることが可能
であることが確認できた。
例1と同様ににじみが起こりにくいことも確認できた。
から反応開始剤を抜いた組成のインクを作成した。一
方、反応開始剤だけを水だけに溶解し、表1の組成の2
倍量となる濃度に調整した。ただし、この場合反応開始
剤にはダロキュア2529(メルク製)を用いた。
ジェットヘッドノズルから同一ポイントに噴射し、直ち
に約60mJ/cm2の紫外線を照射した。
量して反応させることが可能になったため、容易に硬化
した(約3秒の紫外線照射時間)。
別々にされているため、保存時に樹脂分の硬化が全く進
まなかったことは自明である。
始剤を最初から樹脂分と混ぜたインクを作成し、常温
(暗所)で2ヶ月保存したが、反応開始剤が多い組成の
ため暗反応による樹脂のマイクロゲルが発生した。
量比)を作成した。
基を分子構造内に持つプレポリマーである。表3の組成
のインクで印字した結果、染料と樹脂の硬化時の相容性
が極めて良く、相分離が全く起こらず、耐にじみ性が向
上した。
されるものではなく、一般の水溶性染料が吸着しやすい
官能基を持つ光硬化性樹脂ならば特に限定はしない。
ク組成であるが、染料として耐光性の弱いアゾ系染料を
用いた。樹脂硬化は100mJ/cm2以内の露光で完了し
た。紫外線の照射前後で染料の退色はなかった。
ンク組成であるが、染料としてアゾ系油溶性染料を用い
た。樹脂硬化は50mJ/cm2程度の露光で完了した。この
場合も染料の退色はなかった。すなわち、実施例1及び
実施例2で作成したインクは、100mJ/cm2以下の低い
紫外線露光量で硬化するため、アゾ系色素も使用できる
光硬化型のインクであることが確認できた。
顔料(カーボン粒子)を分散した水性インクジェットプ
リンタ用インクに、フッ素系界面活性剤の水性エマルジ
ョン(フォンブリンEM,モンテカチーニ(株)製)を
3%添加した。このインクを印字ヘッドノズル内に入れ
たまま2ヶ月間放置し、その後そのままの状態で印字し
たところ、ノズルの目詰まりは全く確認されなかった。
また、フッ素系水性エマルジョンの印字品質に対する影
響については、特に認められなかった。
全く添加しなかった同インクについて同じテストを行な
ったところ、ノズルの目詰まりが発生した。
認できた。
ンタ用のインクおよびその印字機構に関し、 インク色材のにじみが起こらないため、普通紙・再生
紙が印刷媒体として適用できる。(特にカラー印字に効
果がある。) インクの目詰まりが防止できる。
脂分と反応開始剤が別々に保存され、別々のノズルから
吐出され印字されるので、インクの硬化性・保存安定性
が向上した。。
のインクジェットプリンタ用水性インク一般において、
特に有機顔料を用いたインクの場合に、ヘッドノズルの
目詰まり防止に効果が得られた。
Claims (5)
- 【請求項1】紫外線を照射することにより硬化する特性
を有するインクジェットプリンタ用インクであって、 水と、モノマー構造で官能基を2つ以上含む水溶性の光
硬化型樹脂プレポリマーと、水溶性または非水溶性の光
重合開始剤と、および水溶性染料とを少なくとも含んで
なる、インク。 - 【請求項2】光硬化型樹脂が、水溶性染料吸着サイトを
持つものである、請求項1に記載のインク。 - 【請求項3】紫外線照射量が100mJ/cm2 以下で、
少なくとも表面硬化する、請求項1または2に記載のイ
ンク。 - 【請求項4】前記染料がアゾ系染料である、請求項1〜
3のいずれか一項に記載のインク。 - 【請求項5】フッ素系界面活性剤の水性エマルジョンを
コロイド状態で含んでなる、請求項1〜4のいずれか一
項に記載のインク。
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