JP2013001732A - 金属粉末分散液 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難であるといった問題があった。
他方、顔料または染料を含む組成物による記録媒体への記録方法として、インクジェット法やグラビア印刷法等の各種印刷法による記録方法が用いられている。これらの印刷法では、微細なパターンの形成や、グラデーションのある色調を好適に表現できるという点で優れており、特に、インクジェット法では、上記のような効果がより顕著に得られるとともに、オンデマンド性が高く、多品種生産への対応が容易であり、曲面部への記録にも好適に適用できるという点で優れている。また、上記のような印刷法において、耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を特に優れたものとするため等に、重合性化合物を含み、紫外線を照射すると硬化する組成物が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
これにより、金属粉末分散液の保存安定性を特に優れたものとすることができる。
本発明の金属粉末分散液では、前記金属粉末は、少なくとも表面付近が主としてAlで構成されたものであることが好ましい。
Alは、本来、各種金属材料の中でも特に優れた光沢感を呈するものであるが、印刷用組成物に、Alで構成された粉末を適用しようとした場合に、金属粉末分散液の保存安定性は特に低いものとなり、印刷用組成物による印刷部の記録媒体への密着性、耐擦性の低下等の問題が特に顕著に発生することを本発明者は見出していた。これに対し、本発明では、表面がAlで構成された粉末を用いた場合であっても、上記のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、金属粉末が、少なくとも表面が主としてAlで構成されたものであることにより、本発明の効果は特に顕著に発揮される。
これにより、印刷用組成物を用いて製造される記録物の光沢感、耐擦性等を特に優れたものとすることができる。
本発明の金属粉末分散液では、前記金属粉末の平均粒径が、500nm以上2.0μm以下であることが好ましい。
これにより、印刷用組成物を用いて製造される記録物の光沢感、高級感をさらに優れたものとすることができる。また、金属粉末分散液の保存安定性をさらに優れたものとすることができる。また、印刷用組成物がインクジェット法に適用される紫外線硬化型インクジェット組成物である場合、当該紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。
これにより、金属粉末分散液の保存安定性、印刷用組成物を用いて形成される印刷部の光沢感、耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、印刷用組成物がインクジェット法に適用される紫外線硬化型インクジェット組成物である場合、当該紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。
これにより、印刷用組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性等を特に優れたものとすることができる。
本発明の金属粉末分散液では、前記重合性化合物として、フェノキシエチルアクリレートを含むものであることが好ましい。
これにより、金属粉末分散液の保存安定性を優れたものとしつつ、印刷用組成物を記録媒体上に付与した後の印刷用組成物の反応性を特に優れたものとし、記録物の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、形成されるパターンの耐擦性等を特に優れたものとすることができる。
これにより、金属粉末分散液の保存安定性を優れたものとしつつ、印刷用組成物を記録媒体上に付与した後の印刷用組成物の反応性を特に優れたものとし、記録物の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、形成されるパターンの耐擦性等を特に優れたものとすることができる。また、印刷用組成物がインクジェット法に適用される紫外線硬化型インクジェット組成物である場合、当該紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。
これにより、金属粉末分散液の保存安定性をより優れたものとしつつ、形成されるパターンの耐擦性等をさらに優れたものとすることができる。また、印刷用組成物がインクジェット法に適用される紫外線硬化型インクジェット組成物である場合、当該紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。
《金属粉末分散液》
まず、本発明の金属粉末分散液について説明する。
本発明の金属粉末分散液は、インクジェット法やグラビア印刷法等の各種印刷法による記録方法に用いられる組成物(印刷用組成物)の調製に用いられるものであり、重合性化合物と、金属粉末とを含むものである。
しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難であるといった問題があった。
他方、顔料または染料を含む組成物による記録媒体への記録方法として、インクジェット法やグラビア印刷法等の各種印刷法による記録方法が用いられている。これらの印刷法では、微細なパターンの形成や、グラデーションのある色調を好適に表現できるという点で優れており、特に、インクジェット法では、上記のような効果がより顕著に得られるとともに、オンデマンド性が高く、多品種生産への対応が容易であり、曲面部への記録にも好適に適用できるという点で優れている。また、上記のような印刷法において、耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を特に優れたものとするため等に、重合性化合物を含み、紫外線を照射すると硬化する組成物が用いられている。
そこで、発明者は、上記のような問題を解決する目的で鋭意研究を行った結果、本発明に至った。すなわち、本発明の金属粉末分散液では、重合性化合物、金属粉末とともに、下記式(1)で示される部分構造を有する物質Aを含む。
このように、本発明の効果は、印刷用組成物がインクジェット法に適用される紫外線硬化型インクジェット組成物である場合により顕著に発揮されるものであるため、以下の説明では、印刷用組成物がインクジェット法に適用される紫外線硬化型インクジェット組成物である場合について代表的に説明する。
上述したように、本発明の金属粉末分散液は、金属粉末を含むものである。
本発明では、このような金属粉末を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)を用いて、金属材料に特有の光沢感、高級感を呈する印刷部を形成することができる。
金属粉末を構成する金属材料としては、単体としての金属や各種合金等を用いることができるが、金属粉末は、少なくとも表面付近が主としてAlで構成されたものであるのが好ましい。Alは、本来、各種金属材料の中でも特に優れた光沢感、高級感を呈するものであるが、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)に、Alで構成された粉末を適用しようとした場合に、紫外線硬化型インクジェット組成物調製用の金属粉末分散液の保存安定性は特に低いものとなり、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性の低下、印刷部の記録媒体への密着性、耐擦性の低下等の問題が特に顕著に発生することを本発明者は見出していた。これに対し、本発明では、表面がAlで構成された粉末を用いた場合であっても、上記のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、金属粉末が、少なくとも表面が主としてAlで構成されたものであることにより、本発明の効果は特に顕著に発揮される。なお、本明細書において、「主として」とは、対象となる部位の全構成成分のうち含有率がもっとも高いものであればよく、対象となる部位における含有率が50質量%以上であるのが好ましく、80質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
また、上記のような方法で、粉砕を行う場合、前記液体としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン等の炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルおよびジエチレングリコールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン等のエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、アセトニトリル等の極性化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものを用いるのが好ましい。これにより、金属粉末の不本意な酸化等を防止しつつ、金属粉末の生産性を特に優れたものとし、また、各粒子間での大きさ、形状、特性のばらつきを特に小さいものとすることができる。
重合性化合物は、紫外線の照射により重合し、硬化する成分である。このような成分を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)を用いて製造される記録物の耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を優れたものとすることができる。
重合性化合物は、液状をなすものであり、金属粉末分散液、紫外線硬化型インクジェット組成物において、金属粉末を分散する分散媒として機能するものであるのが好ましい。これにより、別途、記録物の製造過程において除去される(蒸発する)分散媒を用いる必要がなく、記録物の製造においても、分散媒を除去する工程を設ける必要がないため、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、分散媒として一般に有機溶媒として用いられているものを使用する必要がないため、揮発性有機化合物(VOC)の問題の発生を防止することができる。また、重合性化合物を含むことにより、様々な記録媒体(基材)に対する、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の密着性を優れたものとすることができる。すなわち、重合性化合物を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物は、メディア対応性に優れたものとなる。
物質Aは、上記式(1)で示される部分構造を有するものである。金属粉末分散液が、このような化学構造を有する物質Aを含むことにより、金属粉末分散液の保存安定性を優れたものとすることができ、また、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)の吐出安定性、硬化性を優れたものとすることができ、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される記録物においては、印刷部の光沢感、耐擦性を優れたものとし、記録物の耐久性を優れたものとすることができる。
本発明の金属粉末分散液は、上述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、着色剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが好ましい。
また、本発明の金属粉末分散液は、記録物の製造工程において除去される(蒸発する)有機溶剤を含まないものであるのが好ましい。これにより、揮発性有機化合物(VOC)の問題の発生を効果的に防止することができる。
次に、上述した本発明の金属粉末分散液を用いて調製される紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)について説明する。
紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)は、上述したような金属粉末分散液と、重合開始剤とを混合することにより調製することができる。
重合開始剤は、紫外線照射によってラジカルやカチオン等の活性種を発生し、上記重合性化合物の重合反応を開始させるものである。このような重合開始剤を含むことにより、重合性化合物の重合反応を速やかに開始・進行させることができ、記録物の生産性を優れたものとすることができるとともに、最終的に得られる記録物の印刷部において、未反応の重合性化合物が残存してしまうことを効果的に防止することができるため、印刷物の耐擦性等を優れたものとすることができる。
また、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)は、重合開始剤として、下記式(2)で示される物質B1を含むものであってもよい。
式(2)中のR1、R2は、それぞれ、独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6の炭化水素基であればよいが、水素原子、フッ素原子、塩素原子または炭素数2〜3の炭化水素基であるのが好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
また、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)は、重合開始剤として、下記式(3)で示される物質B2を含むものであってもよい。
式(3)中のR1、R2、R3は、それぞれ、独立に、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシル基であればよいが、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜3のアルコキシル基であるのが好ましい。これにより、上述したような本発明の効果がより顕著に発揮される。
紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)中における物質Aの含有率をXA[質量%]、重合開始剤の含有率をXB[質量%]としたとき、0.005≦XA/XB≦0.150の関係を満足するのが好ましく、0.010≦XA/XB≦0.070の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)の保存安定性、液滴の吐出安定性を特に優れたものとしつつ、紫外線硬化型インクジェット組成物の硬化性(硬化反応の進行速度、形成される印刷部の硬度等)、製造される記録物の耐久性を特に優れたものとすることができる。
紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)中における物質Aの含有率は、0.1質量%以上0.5質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以上0.4質量%以下であるのがより好ましい。これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)の吐出安定性、硬化性を特に優れたものとすることができるとともに、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される記録物の光沢感、耐擦性等を特に優れたものとすることができる。
紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)の室温(20℃)での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、3mPa・s以上18mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法による液滴吐出を好適に行うことができる。
次に、記録物について説明する。
上述したような紫外線硬化型インクジェット組成物(印刷用組成物)を記録媒体上に付与し、その後、紫外線を照射することにより、記録物を得ることができる。このような記録物は、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を有し、耐久性に優れたものである。
インクジェット法による紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出は、公知の液滴吐出装置を用いて行うことができる。
紫外線源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザダイオード(UV−LD)等を用いることができる。中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザダイオード(UV−LD)が好ましい。
例えば、上述した実施形態では、本発明の金属粉末分散液がインクジェット法に適用される紫外線硬化型インクジェット組成物の調製に用いられる場合について代表的に説明したが、本発明の金属粉末分散液は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、タコ印刷法等、インクジェット法以外の印刷法に適用されるものであってもよい。
[1]金属粉末分散液の製造
(実施例1)
まず、表面が平滑なポリエチレンテレフタレート製のフィルム(表面粗さRaが0.02μm以下)を用意した。
次に、シリコーンオイルを塗布した面側に、蒸着法により、Alで構成された膜を形成した。
次に、Alの膜が形成されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(基材)を、ジエチレングリコールジエチルエーテルで構成された液体中に入れ、超音波振動を付与した。これにより、鱗片状のAl製の金属粉末を得た。
このようにして得られた金属粉末の平均粒径は0.8μm、平均厚さは、55nmであった。
金属粉末分散液の調製に用いる原料の種類・比率を変更することにより、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして金属粉末分散液を製造した。
(比較例1)
金属粉末分散液の調製に用いる原料の配合比率を変更することにより、表1に示すように物質Aを含まない組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして金属粉末分散液を製造した。
金属粉末分散液の調製に用いる原料の種類、配合比率を変更することにより、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記比較例1と同様にして金属粉末分散液を製造した。
(比較例3)
金属粉末として、ガスアトマイズ法を用いて製造された球形状のAl粉末を用いた以外は、前記比較例1と同様にして金属粉末分散液を製造した。
(比較例4)
金属粉末分散液の調製に用いる原料の種類、配合比率を変更することにより、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記比較例3と同様にして金属粉末分散液を製造した。
[2.1]振とう試験
前記各実施例および比較例の金属粉末分散液を、それぞれ、同一の種類(構成材料、形状、大きさが同一)の容器に同一量だけ収納し、振とう機を用いて、振とう数:200回/分、振幅:45mmという条件で6時間の振とう処理を施し、その後、60℃の環境下18時間静置した。これを1サイクル(24時間)とし、このサイクルを20回繰り返した。その後、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された前記各実施例の金属粉末分散液の20℃における粘度を測定し、製造直後からの粘度の上昇率を求め、以下の基準に従い、評価した。
B:粘度の上昇率が5.0%以上10.0%未満。
C:粘度の上昇率が10.0%以上15.0%未満。
D:粘度の上昇率が15.0%以上20.0%未満。
E:粘度の上昇率が20.0%以上、または、異物の発生が認められる。
前記各実施例および比較例の金属粉末分散液を、それぞれ、同一の種類(構成材料、形状、大きさが同一)の容器に同一量だけ収納し、−20℃の環境下に2時間静置し、その後、50℃の環境下に移動し2時間静置した。これを1サイクル(4時間)とし、このサイクルを20回繰り返した。その後、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された前記各実施例の金属粉末分散液の20℃における粘度を測定し、製造直後からの粘度の上昇率を求め、以下の基準に従い、評価した。
B:粘度の上昇率が5.0%以上10.0%未満。
C:粘度の上昇率が10.0%以上15.0%未満。
D:粘度の上昇率が15.0%以上20.0%未満。
E:粘度の上昇率が20.0%以上、または、異物の発生が認められる。
次に、前記各実施例および比較例で得られた金属粉末分散液について、それぞれ、下記式(B1)で表される重合開始剤と混合することにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を得た。このとき、金属粉末分散液と重合開始剤との配合は、紫外線硬化型インクジェット組成物中における金属粉末の含有率が2.0質量%となるようにして行った。また、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された前記各実施例に係る紫外線硬化型インクジェット組成物の20℃における粘度は、いずれも、3mPa・s以上15mPa・s以下の範囲内の値であった。
前記各実施例および比較例に係る紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて、下記に示すような試験による評価を行った。
まず、チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した液滴吐出装置および前記各実施例および比較例に係る紫外線硬化型インクジェット組成物を用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、25℃、55%RHの環境下で、各紫外線硬化型インクジェット組成物について、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、2000000発(2000000滴)の液滴の連続吐出を行った。その後、液滴吐出装置の運転を停止し、液滴吐出装置の流路に各紫外線硬化型インクジェット組成物が充填された状態で、25℃、55%RHの環境下に、360時間放置した。
B:ズレ量dの平均値が0.9μm以上1.5μm未満。
C:ズレ量dの平均値が1.5μm以上1.8μm未満。
D:ズレ量dの平均値が1.8μm以上2.2μm未満。
E:ズレ量dの平均値が2.2μm以上。
前記各実施例および比較例に係る紫外線硬化型インクジェット組成物について、エプソン製インクジェットプリンター;PM800Cへ導入し、記録媒体として三菱樹脂(株)製、ダイアホイル G440E(厚さ38μm)を用いて、インク量wet 9g/m2にて、ベタ印刷を行い、印刷後、ただちにLED−UVランプ;フォセオン社製 RX firefly(ギャップ6mm ピーク波長395nm 1000mW/cm2)を用いて紫外線の照射を行い、紫外線硬化型インクジェット組成物が硬化したか否かを確認し、以下の5段階の基準に従い、評価した。硬化したか否かは、FT−IR(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、製品名「MAGNA−IR 860 Nicolet」)を用いて、活性放射線の照射前後の各放射線硬化型インク組成物おけるビニル基の吸収スペクトルのピーク(810cm−1)によって判断した。具体的には、まず、照射前の810cm−1のピーク高さA0と、照射後の810cm−1のピーク高さAtと、をIRスペクトルから求め、下記式(X)を用いて硬化率を計算した。
これにより、放射線硬化型インク組成物が硬化率90%以上となるとき、「硬化」と判断した。
なお、下記A〜Eの照射量に該当するかどうかは、ランプを何秒照射したかによって算出できる。
B:100mJ/cm2以上200mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
C:200mJ/cm2以上500mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
D:500mJ/cm2以上1000mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
E:1000mJ/cm2以上の紫外線照射量にて硬化する。もしくはまったく硬化
しない。
各実施例および比較例に係る紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて、それぞれ、以下のようにして、記録物としてのインテリアパネルを製造した。
まず、紫外線硬化型インクジェット組成物をインクジェット装置に投入した。
その後、ポリカーボネート(旭硝子社製、カーボグラス ポリッシュ 2mm厚)を用いて成形した曲面部を有する基材(記録媒体)上に、所定のパターンで、紫外線硬化型インクジェット組成物を吐出した。
上記のような方法を用いて、各実施例および比較例に係る紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて、それぞれ、10個のインテリアパネル(記録物)を製造した。
上記のようにして得られた各記録物について、以下のような評価を行った。
[7.1]記録物の外観評価
前記各実施例および比較例に係る記録物を目視により観察し、以下の7段階の基準に従い、評価した。
B:高級感に溢れる光沢感を有し、非常に優れた外観を有している。
C:高級感のある光沢感を有し、優れた外観を有している。
D:高級感のある光沢感を有し、良好な外観を有している。
E:光沢感に劣り、外観がやや不良。
F:光沢感に劣り、外観が不良。
G:光沢感に劣り、外観が極めて不良。
前記各実施例および比較例に係る記録物のパターン形成部について、光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°での光沢度を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度が300以上。
B:光沢度が200以上300未満。
C:光沢度が100以上200未満。
D:光沢度が100未満。
前記各実施例および比較例に係る記録物について、記録物の製造から48時間経過した時点で、サウザーランドラブテスターを用い、JIS K5701に準じて耐擦性試験を行い、上記[7.2]で述べたのと同様の方法により、耐擦性試験後の記録物についても光沢度(煽り角度60°)を測定し、耐擦性試験前後での光沢度の低下率を求め、以下の基準に従い評価した。
B:光沢度の低下率が6%以上14%未満。
C:光沢度の低下率が14%以上24%未満。
D:光沢度の低下率が24%以上28%未満。
E:光沢度の低下率が28%以上、または、金属粒子が脱落して記録媒体の表面が
露出したもの。
Claims (10)
- 金属粉末分散液は、重合開始剤を含有しないものである請求項1に記載の金属粉末分散液。
- 前記金属粉末は、少なくとも表面付近が主としてAlで構成されたものである請求項1または2に記載の金属粉末分散液。
- 前記金属粉末は、鱗片状をなすものである請求項1ないし3のいずれか一項に記載の金属粉末分散液。
- 前記金属粉末の平均粒径が、500nm以上2.0μm以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の金属粉末分散液。
- 前記物質Aの含有率をWA[質量%]、前記金属粉末の含有率をWM[質量%]としたとき、0.02≦WA/WM≦0.85の関係を満足する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の金属粉末分散液。
- 前記重合性化合物の含有率が60質量%以上である請求項1ないし6のいずれか一項に記載の金属粉末分散液。
- 前記重合性化合物として、フェノキシエチルアクリレートを含むものである請求項1ないし7のいずれか一項に記載の金属粉末分散液。
- 前記重合性化合物として、前記フェノキシエチルアクリレートに加え、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、および、4−ヒドロキシブチルアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである請求項8に記載の金属粉末分散液。
- 前記重合性化合物として、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートおよび/またはアミノアクリレートを含むものである請求項1ないし9のいずれか一項に記載の金属粉末分散液。
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JPH05186725A (ja) * | 1992-01-10 | 1993-07-27 | Seiko Epson Corp | インクジェットプリンタ用インクおよびその印字機構 |
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- 2011-06-13 JP JP2011131641A patent/JP2013001732A/ja not_active Withdrawn
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