JP3194927B2 - 摺動用金属基複合材料 - Google Patents

摺動用金属基複合材料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属基複合材料に係わり、更に詳細には所
定の酸化チタン及びチタン酸カリウム繊維を強化材と
し、アルミニウム軽合金をマトリックス金属とする金属
基複合材料に関するものである。
[従来の技術] 近年、エアコンディショナーにおける室温制御の方法
としてコンプレッサーの回転数制御による方法が主流に
なっているが、ロータリー圧縮機の高速化の要求が増加
している中で、ロータリー圧縮機の主要摺動部品である
ベーン材として高強度の軽量材が求められている。
このような状況の中で最近、ロータリー圧縮機の摺動
部材として必要な耐摩耗性、強度、寸法安定性等の機械
的性質に優れた炭化ケイ素ウイスカーで強化したアルミ
ニウム軽合金を大型のロータリー圧縮機のベーンに採用
した報告例がある。しかしながら、炭化ケイ素ウイスカ
ーは高価格である為に炭化ケイ素ウイスカーで強化した
アルミニウム軽合金の価格も必然的に高価格となり、今
後使用機種を増やすためには材料の低価格化が課題であ
るとされている。
低価格で強度、寸法安定性等の機械的性質に優れた繊
維強化アルミニウム軽合金としてはチタン酸カリウム繊
維強化アルミニウム軽合金が知られている。しかし、こ
の軽合金はロータリー圧縮機の摺動部材として必要な機
械的性質の一つである耐摩耗性については良好な性質を
有してはいない。
強化材としてチタン酸カリウム繊維を使用しマトリッ
クスの耐摩耗性を向上させる方法として、炭化ケイ素、
窒化ケイ素やアルミナのようなモース硬度の高い繊維あ
るいは粒子とチタン酸カリウム繊維とを混合使用する方
法が特開昭63−190127号及び特開昭63−190128号に開示
されている。しかし、上記の方法は、チタン酸カリウム
繊維と上記の繊維あるいは粒子とを均一に混合すること
が難しいという欠点を有していた。その結果として、軽
合金と無機物との複合化時に大きさや形状が異なる異種
の繊維あるいは繊維と粒子との混合割合の不均一性が助
長され、一定の物性を有する複合材料を再現性よく製造
することが困難であった。
[発明が解決しようとする課題] このように、例えばロータリー圧縮機の摺動部材とし
て使用する際に必要な耐摩耗性、強度、寸法安定性等の
機械的性質に優れた従来の金属基複合材料は高価であっ
たり、あるいは製造技術に問題があったりして工業材料
として好ましいものではなく、新規な複合材料の開発が
望まれていた。
本発明は従来の複合材料の欠点を有しない、安価でか
つ容易に製造できかつ耐摩耗性、強度、寸法安定性等の
機械的性質に優れた金属基複合材料を提供することを目
的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記の課題を解決する為鋭意研究を行っ
た結果、強化材として所定の酸化チタン及びチタン酸カ
リウム繊維を使用することが効果的であることを見出
し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は所定の酸化チタン、チタン酸カリ
ウム繊維及びアルミニウム軽合金を含む耐摩耗性、強度
及び寸法安定性等の機械的性質に優れた金属基複合材料
を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に使用できる
チタン酸カリウム繊維としては、従来のチタン酸カリウ
ム繊維及び結晶構造中から溶出可能な遊離カリウムの量
が15ppm以下である六チタン酸カリウム繊維(K2Ti
6O13)があり、好ましくは結晶構造中から溶出可能な遊
離カリウムの量が15ppm以下、特に好ましくは5ppm以下
である六チタン酸カリウムウイスカーが有効に使用され
る。結晶構造中から溶出可能な遊離カリウムの量が15pp
m以下好ましくは5ppm以下である六チタン酸カリウムウ
イスカーとは、六チタン酸カリウム結晶内部に存在する
層状構造チタン酸カリウムの存在量を極端に少なくした
チタン酸カリウム繊維であり、そのため軽合金との複合
化時の反応性が少なく、良好な補強効果を有する。この
ようなチタン酸カリウム繊維は、代表的には以下の方法
で製造される。
即ち、一般式K2O・nTiO2(但しn=2〜4)で示され
る割合で配合されたチタン原料化合物とカリウム原料化
合物との混合物を900〜1200℃で焼成して塊状のチタン
酸カリウム繊維を生成せしめ、次いで該塊状生成物を水
又は温水中に浸漬してチタン酸カリウム繊維を単一繊維
に分離した後、該スラリーに酸を添加してpHを9.3〜9.7
に調整することにより、チタン酸カリウム繊維の組成が
TiO2/K2O(モル比)で5.95〜6.00の組成になるように組
成変換処理し、更に900〜1150℃で1時間以上加熱後、
酸洗浄すれば良い。
このチタン酸カリウム繊維の製造に際し、チタン原料
化合物としては、含水酸化チタン、二酸化チタン及びル
チル鉱等を挙げることができ、カリウム原料化合物とし
ては焼成時にK2Oを生じる化合物、例えばK2O,KOH,K2CO3
及びKNO3等を挙げることができる。
ちなみに、チタン酸カリウム繊維中の遊離カリウム量
の測定は以下の方法により行うことができる。
すなわち、チタン酸カリウム繊維の所定量を水中に分
散した後、煮沸することによって溶出したカリウムを、
高周波誘導結合プラズマ発光分析法、炎光分光分析法、
原子吸光分光分析法等により測定すれば良い。また、チ
タン酸カリウムの結晶構造から遊離したカリウムは、煮
沸後の水溶液中において水酸化カリウムとして存在する
為、溶液のpHを測定し、算出することも可能である。
また、チタン酸カリウム繊維の形状は、平均繊維長が
5μm以上で、かつ平均アスペクト比(平均繊維長/平
均繊維径)が10以上であることが好ましい。
本発明に使用される酸化チタンとしては、ルチル型酸
化チタン、アナターゼ型酸化チタン及びこれらを還元し
て得られる底次酸化チタン、例えばTi2O3,TiO等があ
る。
酸化チタンの形状及び大きさは特に限定されないが、
溶湯鋳造法により複合化を行う場合には繊維状の酸化チ
タンを使用する方がチタン酸カリウム繊維と酸化チタン
とが均一に混合した予成形体(プリフォーム)を作製し
易く実用的である。
繊維状酸化チタンとしては、層状構造チタン酸アルカ
リ繊維の結晶構造中のアルカリイオンをイオン交換反応
により抽出した後、400℃以上に加熱する方法で製造さ
れるアナターゼ型酸化チタン繊維やルチル型酸化チタン
繊維及びこれらの混合相繊維が特に有効に使用される。
即ち、前記の方法で作製される酸化チタン繊維は、チタ
ン酸カリウム繊維とほぼ同一の形状及び大きさを有して
いる為に、チタン酸カリウム繊維と均一な混合物を作製
することが容易であり、また複合化時に不均一になるこ
ともない。
又、酸化チタン粒子を用いた場合でも、その表面の性
質がチタン酸カリウム繊維の表面と比較的似かよってい
るため、炭化ケイ素やアルミナのような全く異なる表面
の性質を有する強化材を使用する場合に比べて、はるか
に容易に均一な混合を達成することができるという長所
を有する。
さらに、驚くべきことに、酸化チタンはアルミニウム
軽合金と成形工程中に反応し、新たな化合物を作ること
が見い出された。酸化チタンはそのままの形で複合材中
に残存し、その本来の硬度をもって耐摩耗性の改善に寄
与するのではなく、アルミニウム軽合金と、硬度の高い
新たな物質を形成し、その物質が耐摩耗性の改善に寄与
していたのである。
すなわち、本発明にかかる複合材においてチタン酸カ
リウム繊維は繊維形状の補強材としてアルミニウム軽合
金の強度及び寸法安定性の改良材として働き、酸化チタ
ンはアルミニウム軽合金との複合化時にアルミニウム軽
合金と反応して硬度の高い物質を形成することによりア
ルミニウム軽合金に耐摩耗性を付与する働きをしている
のである。
尚、本発明において使用されるアルミニウム軽合金と
は、例えばAl−Mg系、Al−Mn系、Al−Si系、Al−Mg−Si
系、Al−Cu系、Al−Cu−Si系、又はAl−Cu−Mg−Ni系等
をいい、通常用いられるアルミニウム軽合金は本発明に
おいて、何ら問題なく使用される。
又、本発明にかかる複合材料は、上記強化材とアルミ
ニウム軽合金とを加熱下に成形することにより得られ
る。
本発明の複合材料の組成については、マトリックス軽
合金の体積率は94〜50Vol%が好ましく、より好ましく
は88〜60Vol%であり、酸化チタンの体積率は1〜15Vol
%が好ましく、より好ましくは2〜10Vol%であり、チ
タン酸カリウム繊維の体積率は5〜35Vol%が好まし
く、より好ましくは10〜30Vol%の範囲である。該酸化
チタンの体積率が1Vol%未満では耐摩耗性の改良効果が
不充分であり、15Vol%を越える場合には複合材料が硬
く成り過ぎ、チタン酸カリウム繊維強化軽合金の特徴で
ある加工性が損なわれる為好ましくない。またチタン酸
カリウム繊維の体積率が5Vol%未満では強度及び寸法安
定性の改善効果が悪く、35Vol%を越える場合には該チ
タン酸カリウム繊維の体積率の増大に伴う複合材料の強
度向上度合いが小さく、コストの点から好ましくない。
上記のようにして得られた本発明に係る金属基複合材
料は強度及び耐摩耗性に優れており、ロータリー圧縮機
のベーン材だけではなく、ピストン耐摩環、ピストンリ
ング、軸受等のような摺動部材の製造に好適である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
以下の実施例は単に例示の為に記すものであり、発明の
範囲がこれらによって制限されるものではない。
[実 施 例] 実施例 1 アナターゼ型酸化チタン1400gと炭酸カリウム800gと
を乾式混合した後、アルミナ製ルツボに入れ、電気炉中
で昇温速度250℃/時、保持温度950℃、保持時間2時間
の条件で焼成した後、150℃/時の速度で降温した。生
成物を焼成物Iとする。
焼成物Iをステンレス製容器中10の温水に投入して
5時間浸漬した後、600rpmで撹拌を開始し、水温を60℃
に調整した。5N−硫酸を滴下してpHを1.0に調整した。
濾過後、500℃で1時間焼成した。
この繊維をX線回折により同定したところ、アナター
ゼ型酸化チタンの単一相であった。又、走査型電子顕微
鏡により繊維を観察したところ、平均繊維長は40μm
で、平均繊維径は0.6μmであった。
前記焼成物Iをステンレス製容器中10の温水に投入
して5時間浸漬した後、600rpmで撹拌を開始し、水温を
60℃に調整した。5N−塩酸を滴下してpHを9.5に調整し
た。この後撹拌を更に続けると四チタン酸カリウムの層
間からカリウムイオンが溶出する為、pHが高くなるが、
塩酸滴下後、30分間撹拌を続けた場合のpHの上昇が0.1
以下になるまで、30分間隔で塩酸を滴下してpHを9.5に
調整した。
濾過後、1000℃で2時間焼成した。該焼成物を10の
温水中に分散した後、1−N塩酸を滴下して、pHを4に
調整した、濾過、乾燥してチタン酸カリウム繊維を得
た。
この繊維をX線回折により同定したところ、トンネル
構造・六チタン酸カリウムの単一相であった。又、走査
型電子顕微鏡により繊維を観察したところ、平均繊維長
は40μmで、平均繊維径は0.6μmであった。次いでこ
のチタン酸カリウム繊維を石川式らいかい機で粉砕した
後、所定量採取して水中に分散後、10分間煮沸し、水溶
液中のカリウムイオン量を日本ジャーレルアッシュ製IC
AP−505型高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置に
より分析し、また水溶液中の塩素イオン量を日立製作所
製分光光度計100−0101により分析した。これにより塩
化カリウムとして含まれるカリウム分を除去してチタン
酸カリウムの結晶構造から溶出した遊離カリウムを算出
したところ、3.1ppmであった。
上記のようにして得られたアナターゼ型酸化チタン繊
維20Vol%及びチタン酸カリウム繊維80Vol%からなる混
合物を水中に分散した後、繊維重量に対し5重量%のコ
ロイド状シリカを添加混合後に濾過、加圧後、80℃で乾
燥して、繊維含有率30Vol%のプリフォームを作製し
た。
次に該プリフォームを約600℃に予熱後、あらかじめ2
50℃に加熱してある金型に設置した後、約740℃のJIS規
格AC8A材の溶湯を注ぎ、直ちに1000kg/cm2の圧力を加え
たまま急速に冷却凝固して、AC8A、アナターゼ型酸化チ
タン繊維及びチタン酸カリウム繊維からなる複合素材を
製造した。
なお、複合素材の繊維含有率はプリフォームと略同等
であり、以下の実施例、比較例についても同様である。
比較例 1 実施例1と同じチタン酸カリウム繊維を水中に分散
後、繊維重量に対し5重量%のコロイド状シリカを添加
混合後に濾過、加圧した後、80℃で乾燥して、繊維含有
率30Vol%のプリフォームを作製した。この後実施例1
と同様な条件でAC8A/チタン酸カリウム繊維複合素材を
製造した。
実施例1及び比較例1で得られた複合素材JIS T6熱
処理を施した後、プリフォームの幅方向に切断砥石で角
柱状片を切り出し、両端にネジ部を持つJIS 4号相当
の試験片を作製して、室温における引張強度及び弾性率
を測定した。又熱膨張率はTMA測定装置により測定し
た。
耐摩耗性試験は前記各複合素材から直径50mm、厚さ4m
mの円盤状の試験片を作製し、第1図に示す試験装置の
回転盤3の上にセットした後、該試験片の上部に相手材
2を置き、150kg/cm2の重荷Fを加えながら試験片1を
回転速度380rpmで3時間回転させ、各試験片の摩耗量を
測定した。この時の相手材2としては第2図に示すよう
な形状のものを使用し、その材料としてはSCr420鋼とク
ロム鋼の2種類を用いた。尚、第2図中の切欠きは相手
材2の動きを固定する為の物である。試験結果を第1図
に示す。この表には比較の為、AC8A単独の場合の物性値
も示した(比較例2)。
前記摩耗量欄の記号は以下の通りである。
Ds:相手材摩耗量(材質にSCr420鋼を使用) Dc:相手材摩耗量(材質に硬質クロム鋼を使用) Cs:複合材摩耗量(相手材がSCr420鋼の時) Cc:複合材摩耗量(相手材が硬質クロム鋼の時) 第1表に明らかなように、AC8A、アナターゼ型酸化チ
タン繊維及びチタン酸カリウム繊維からなる複合材料は
従来のAC8A/チタン酸カリウム繊維複合材料と略同等の
引張強度、弾性率及び熱膨張率を有しており、又相手材
摩耗量は双方の複合材料間で特に差はないが、複合材摩
耗量については本発明のAC8A、アナターゼ型酸化チタン
繊維及びチタン酸カリウム繊維からなる複合材料の方が
著しく小さい。アナターゼ型酸化チタンのモース硬度は
5.5〜6とされているが、このような比較的柔らかい材
料を少量充填することにより著しく耐摩耗性が改善され
ることは驚くべきことであり、酸化チタンとアルミニウ
ム軽合金成分との反応生成物が耐摩耗性改善に関係して
いると判断されるが、この物質の同定は現在のところな
されていない。
実施例 2 アナターゼ型酸化チタン1400gと炭酸カリウム780gと
を乾式混合した後、アルミナ製ルツボに入れ、電気炉中
で昇温速度250℃/時、保持温度900℃、保持時間2時間
の条件で焼成下後、150℃/時の速度で降温した。
焼成物をステンレス製容器中10の温水に投入して4
時間浸漬した後、400rpmで撹拌を開始し、水温を60℃に
調整した。4N−塩酸を滴下してpHを1.0に調整した。濾
過後、800℃で1時間焼成した。
この繊維をX線回折により同定したところ、ルチル型
酸化チタンの単一相であった。又、走査型電子顕微鏡に
より繊維を観察したところ、平均繊維長は15μmで、平
均繊維径は0.4μmであった。
上記ルチル型酸化チタン繊維15Vol%及びチタン酸カ
リウム繊維(チタン工業製:HT−200)85Vol%からなる
混合物を水中に分散後、繊維重量に対し、4重量%のコ
ロイド状シリカを添加混合後に濾過、加圧した後、80℃
で乾燥して、繊維含有率25Vol%のプリォームを作製し
た。次に該プリフォームを約600℃に余熱後、あらかじ
め250℃に加熱してある金型に設置した後、750℃のJIS
規格AC7B材の溶湯を注ぎ、直ちに1000kg/cm2の圧力を加
えたまま急速に冷却凝固して、AC7B、ルチル型酸化チタ
ン及びチタン酸カリウム繊維からなる複合素材を製造し
た。
比較例 3 チタン酸カリウム繊維(チタン工業製:HT−200)を水
中分散後、繊維重量に対し4重量%のコロイド状シリカ
を添加混合後に濾過、加圧した後、80℃で乾燥して、繊
維含有率25Vol%のプリフォームを作製した。この後実
施例2と同様な条件でAC7B/チタン酸カリウム繊維複合
素材を製造した。
実施例2及び比較例3で得られた複合素材JIS T4熱
処理を施した後、実施例1と同様な方法により強度、熱
膨張率及び耐摩耗性の測定を行った。結果を第2表に示
す。尚、この表には比較の為、AC7B単独の場合も示した
(比較例4)。
前記摩耗量欄の記号は以下の通りである。
Ds:相手材摩耗量(材質にSCr420鋼を使用) Dc:相手材摩耗量(材質に硬質クロム鋼を使用) Cs:複合材摩耗量(相手材がSCr420鋼の時) Cc:複合材摩耗量(相手材が硬質クロム鋼の時) 第2表に明らかなように、AC7B、ルチル型酸化チタン
繊維及びチタン酸カリウム繊維からなる複合材料は従来
のAC7B/チタン酸カリウム繊維複合材料と略同等の引張
強度、弾性率及び熱膨張率を有しており、又相手材摩耗
量は双方の複合材料間で特に差はないが、複合材摩耗量
については本発明のAC7B、ルチル型酸化チタン繊維及び
チタン酸カリウム繊維からなる複合材料の方が著しく小
さく、従来のAC7B/チタン酸カリウム繊維複合材料の摩
耗量の1/1000以下の値である。
実施例 3 TiO229.1%,SO31%を含む含水酸化チタンスラリー200
0gを撹拌しながら、炭酸ナトリウム粉末310gを添加し
た。このスラリーを入口温度240〜250℃、出口温度90〜
100℃の条件で噴霧乾燥した。次に、この乾燥物をアル
ミナ製ルツボに入れて、電気炉中で昇温速度200℃/
時、焼成温度950℃、保持時間3時間の条件で焼成した
後、200℃/時の速度で降温した。
焼成物をステンレス製容器中の8の温水中に投入
後、ホモミキサーで30分間撹拌下後、4N−硫酸を滴下し
てpHを1.2に調整した。濾過洗浄後、850℃で1時間焼成
した。
この繊維をX線回折により同定したところ、ルチル型
酸化チタンの単一相であった。又、走査型電子顕微鏡に
より観察したところ、平均長さ4μm、平均径0.7μm
の針状結晶であった。
上記ルチル型針状酸化チタン20Vol%及び実施例1に
用いたチタン酸カリウム繊維80Vol%とからなる混合物
を水中に分散後、繊維重量に対し6重量%のコロイド状
シリカを添加混合後に濾過、加圧した後、80℃で乾燥し
て、繊維含有率25Vol%のプリフォームを作製した。次
に該プリフォームを約600℃に余熱後、あらかじめ250℃
に加熱してある金型に設置した後、720℃のJIS規格AC1A
材の溶湯を注ぎ、直ちに1000kg/cm2の圧力を加えたまま
急速に冷却凝固して、AC1A、ルチル型酸化チタン及びチ
タン酸カリウム繊維からなる複合素材を製造した。
比較例 5 実施例1に用いたチタン酸カリウム繊維を水中に分散
後、繊維重量に対し6重量%のコロイド状シリカを添加
混合後に濾過、加圧した後、80℃で乾燥して、繊維含有
率25Vol%のプリフォームを作製した。この後実施例3
と同様な条件でAC1A/チタン酸カリウム繊維複合素材を
製造した。
実施例3及び比較例5で得られた複合素材にT6熱処理
を施した後、実施例1と同様な方法により強度、熱膨張
率及び耐摩耗性の測定を行った。結果を第3表に示す。
尚、この表には比較の為、AC1A単独の場合も示した(比
較例6)。
前記摩耗量欄の記号は以下の通りである。
Ds:相手材摩耗量(材質にSCr420鋼を使用) Dc:相手材摩耗量(材質に硬質クロム鋼を使用) Cs:複合材摩耗量(相手材がSCr420鋼の時) Cc:複合材摩耗量(相手材が硬質クロム鋼の時) 第3表に明らかなように、AC1A、ルチル型酸化チタン
繊維及びチタン酸カリウム繊維からなる複合材料は従来
のAC1A/チタン酸カリウム繊維複合材料と略同等の引張
強度、弾性率及び熱膨張率を有しており、又相手材摩耗
量は双方の複合材料間で特に差はないが、複合材摩耗量
については本発明のAC1A、ルチル型酸化チタン繊維及び
チタン酸カリウム繊維からなる複合材料の方が著しく小
さい。
参考例 1 アルミニウム軽合金と酸化チタンとを複合する時に生
成する反応物を同定する目的で、アナターゼ型酸化チタ
ンの粉末(チタン工業製:KA−10)をプレス機で加圧成
形した後、実施例1と同様な条件でAC8A/アナターゼ型
酸化チタン複合素材を作製し、その複合素材をX線粉末
回折装置で調べた。AC8A及びAC8A/アナターゼ型酸化チ
タン複合素材のX線粉末回折図を第1図に示す。この図
に明らかなように、AC8A/アナターゼ型酸化チタン複合
素材のX線粉末回折図には、AC8Aの構成成分及びアナタ
ーゼ型酸化チタンの回折線以外の新たな回折線が認めら
れる。
また、該複合素材のモース硬度を調べたところ、8〜
9の値を示した。
アナターゼ型酸化チタンのモース硬度は5.5〜6とさ
れているので、AC8Aとアナターゼ型酸化チタンとの複合
化時に生成した反応生成物のモース硬度が高い為に、複
合素材のモース硬度が高くなったと判断される。
[発明の効果] 本発明の金属基複合材料は耐摩耗性、強度、寸法安定
性等の機械的性質に優れており、ピストン耐摩環、ピス
トンリング、軸受、ロータリー圧縮機用ベーン及びロー
ラー等のような摺動部材用途で有効性を発揮する。
また、本発明の摺動用金属基複合材料においては酸化
チタンとして、層状構造チタン酸アルカリ繊維を経由し
て得られる酸化チタンを用いているため、成形工程中に
アルミニウム合金と反応して硬度の高い新たな物質を形
成することにより、低価格であるが耐摩耗性が不十分で
あったチタン酸カリウム繊維強化アルミニウム軽合金に
おいて耐摩耗性を著しく向上させることできる。更に、
上記の層状構造チタン酸アルカリ繊維を経由して得られ
る酸化チタンは、チタン酸カリウム繊維とほぼ同一の形
状及び大きさを有している為、チタン酸カリウム繊維と
均一な混合物を作製することが容易であり、また複合化
時の不均一性を防止することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はAC8A及びAC8A/アナターゼ型酸化チタン複合素
材のX線粉末回折強度測定結果を示す図であり、第2図
は耐摩耗試験方法を示す要部説明図、第3図は相手材を
示す斜視図である。 1……試験片、2……相手材 3……回転盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 49/14 C22C 47/08 - 47/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維状の酸化チタン及びチタン酸カリウム
    繊維を含む混合物をアルミニウム軽合金の溶湯と混合し
    これを加圧急冷して得られる摺動用金属基複合材料であ
    って、該複合材料中に前記酸化チタンと前記アルミニウ
    ム軽合金との反応物が形成されたことを特徴とする上記
    摺動用金属基複合材料。
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