JP3008241B2 - 六チタン酸カリウム複合繊維およびその製造方法 - Google Patents

六チタン酸カリウム複合繊維およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性、耐熱性、耐
火性、断熱性、補強性等に優れた特性を有し、摺動部
材、塗料用充填材、強化プラスチツク等の補強繊維等と
して有用な、六チタン酸カリウム結晶−チタニア結晶か
らなる複合繊維、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式 K2 O・nTiO2 で表される
チタン酸カリウム繊維、代表的には、六チタン酸カリウ
ム繊維〔K2 Ti6 13〕、四チタン酸カリウム繊維
〔K2 Ti4 9 〕等は、アスベスト繊維代替品とし
て、各種分野での工学的応用が試みられている合成無機
繊維である。なかでも、六チタン酸カリウム繊維は、そ
の優れた耐摩耗性や、熱的安定性により、自動車用ブレ
ーキパツド等の摺動部材の基材繊維、耐熱性塗料の充填
材、あるいは強化プラスチツクの補強繊維等としてその
実用化に関する多くの提案がなされている。
【0003】チタン酸カリウム繊維の代表的な製造法の
一つである溶融法によれば、加熱により二酸化チタン
(TiO2 )となるチタン化合物と、加熱により酸化カ
リウム(K2 O)となるカリウム化合物とを、TiO2
/K2 Oのモル比が約2となるように配合した混合物を
出発原料とし、これを加熱溶融する工程、加熱溶融物を
冷却凝固することにより初生相として生成する二チタン
酸カリウム繊維〔K2 Ti2 5 〕からなる繊維塊を得
る工程、その繊維塊を水、熱水等で処理することによ
り、繊維中のK+ イオンを溶出させると共に、繊維同士
の結合を分離し適当な繊維サイズに分散させる(解繊す
る)工程(脱カリウム・解繊工程)、解繊した繊維(水
和チタン酸カリウム)を洗液中から回収し、乾燥後、そ
の繊維の結晶構造を変換するための焼成処理工程を経て
目的とするチタン酸カリウム繊維が得られる。上記製造
工程における脱カリウム処理工程でのK+ イオンの溶出
量、および焼成処理工程での処理温度の制御により、六
チタン酸カリウム繊維や、四チタン酸カリウム繊維等、
化学組成と結晶構造の異なるチタン酸カリウム繊維を得
ることができる。
【0004】また、単一の結晶相からなるチタン酸カリ
ウム繊維の製造以外に、二種以上の結晶相を有する繊維
(複合繊維)を溶融法により製造する方法として、特開
昭60−34617号公報、特開昭60−259627
号公報には、チタンスラグ、天然ルチルサンド等を二酸
化チタン原料とし、その二酸化チタン原料中に含まれる
Fe、Al、Cr等を利用してプリデライト相〔K2
2 Ti6 16〕(MはFe,Al,Cr等)を生成させ
ることにより、プリデライト−六チタン酸カリウム−ル
チル複合相繊維を得ることができ、このものは特に熱伝
導率が低く、断熱・耐熱用途に有用であることが開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、チタン酸
カリウム繊維、特に六チタン酸カリウム繊維の溶融法に
よる製造工程および繊維特性の改良を目的とした研究過
程で、脱カリウム処理におけるK+ イオンの溶出量、お
よび焼成処理における処理温度の調節により、六チタン
酸カリウム結晶にチタニア結晶が分散析出した複合相を
有する多結晶繊維が得られ、このものは六チタン酸カリ
ウム単相繊維を凌ぐすぐれた特性を有していることを見
出した。本発明はこの知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の六チタン酸カリ
ウム複合繊維は、六チタン酸カリウム結晶〔K2 Ti6
13〕にチタアニア結晶〔TiO2 〕が分散混在した複
合多結晶繊維であることを特徴としている。上記複合結
晶相を有する本発明の六チタン酸カリウム複合繊維の製
造方法は、加熱により二酸化チタン(TiO2 )となる
チタン化合物と、加熱により酸化カリウム(K2 O)と
なるカリウム化合物とを、TiO2 /K2 Oのモル比が
1.5〜2.5となる割合に混合して出発原料とし、こ
れを加熱溶融し、加熱溶融物を冷却して二チタン酸カリ
ウム繊維からなる繊維塊を得、繊維塊を、洗液中で処理
することにより、解繊しながら、繊維中のカリウム含有
量が1〜13.5重量%になるまでK+ イオンを溶出し
た後、温度900〜1300℃で焼成処理する、ことを
特徴としている。
【0007】
【作用】六チタン酸カリウム結晶とチタニア結晶とから
なる本発明の複合多結晶繊維は、二相の混相効果とし
て、六チタン酸カリウム単相繊維に比べ、高い耐摩耗性
を有し、かつ改良された剪断強度を有している。また、
その繊維表面は、2相の混相により形成される微少の凹
凸を有し、その表面凹凸は、これを他材種に混練し結着
したときの界面の結合を強化する。六チタン酸カリウム
複合繊維中のチタニア結晶は、結晶構造の異なるルチル
相もしくはアナターゼ相として、またはそれらの混相と
して存在する。ルチル相はアナターゼ相に比し、高硬度
(モース硬度:ルチル相 約7.0〜7.5、アナター
ゼ相 約5.5〜6.0)であり、従つてチタニア結晶
をルチル相として析出させた複合繊維は、アナターゼ相
として析出させた複合繊維に比べ、高い摩耗抵抗性を示
す。本発明の六チタン酸カリウム複合繊維の製造方法に
よれば、その焼成処理工程(繊維の結晶構造変換工程)
において、六チタン酸カリウム結晶と共に、チタニア結
晶が析出する。チタニア結晶の析出をみるのは、焼成処
理に先行する脱カリウム・解繊工程で、繊維のカリウム
含量が13.5重量%以下となるまでK+ イオンを溶出
していることによる。すなわち、初生相繊維塊(二チタ
ン酸カリウム結晶)からK+ イオンを溶出して回収され
た繊維(水和チタン酸カリウム結晶)の化学組成を、T
iO2 とK2 Oのモル比で表すと、カリウム含有量が1
3.5%重量以下である繊維のそれは、「TiO2 /K
2 O>6」であり、六チタン酸カリウム繊維(TiO2
/K2 O=6)に比べ、チタン含有量が過剰である。こ
のため、焼成処理において、六チタン酸カリウム結晶の
析出と共に、余剰のチタン分がチタニア結晶として析出
するのである。そのチタニア結晶は、焼成処理温度の高
低により、ルチル相として析出し、またはアナターゼ相
として析出する。
【0008】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の六チタン酸カリウム複合繊維におけるチタニア結
晶の占める割合は、繊維の要求特性やその用途等により
厳密ではないが、その混相効果を十分に発現させるため
に、1容積%(約6モル%)以上とするのがよい。本発
明の複合繊維のサイズは、製造条件、特に初生相繊維塊
の脱カリウム・解繊処理工程での処理条件によるが、繊
維径約20〜50μm、繊維長約100〜400μmの
板状多結晶繊維として製造される。また、チタニア結晶
は、後記のように繊維のカリウム含有量や焼成処理温度
により異なつた分散析出形態を有して繊維中に混在す
る。
【0009】次に本発明の複合繊維の製造方法について
工程順に説明する。 〔原料調製〕出発原料を構成する一方の成分であるチタ
ン化合物には、精製アナターゼ、精製ルチル等が使用さ
れる。天然産のアナターゼサンドやルチルサンド等の使
用も可能ではあるが、これらは不純物元素(Fe,S
i,Cr,Al,Zr,V等)を多く含むため、焼成処
理工程で、繊維に多数の亀裂を生じ易く、適正な繊維サ
イズを保持することが困難となる。従つて、比較的高純
度(約98%以上)の精製アナターゼや精製ルチル等を
使用するのが好ましい。上記チタン化合物に混合される
カリウム化合物は代表的には炭酸カリウム(K2
3 )である。このほか、水酸化物や硝酸塩等も使用す
ることができる。チタン化合物とカリウム化合物との混
合割合をTiO2 /K2 Oのモル比で1.5〜2.5と
するのは、その加熱溶融物の冷却凝固工程で、初生相と
して二チタン酸カリウム結晶〔K2 Ti2 5 〕の繊維
を生成させるためである。また二チタン酸カリウム繊維
を初生相として生成させることとしているのは、このも
のが結晶構造上、繊維塊の脱カリウムと解繊を比較的容
易に行うことができるからである。より好ましいモル比
は1.7〜2.2である。
【0010】〔加熱溶融および溶融物の冷却凝固〕上記
チタン化合物とカリウム化合物との混合物を出発原料と
し、これをその融点以上の適当な温度(約950〜11
00℃)に加熱し溶融物とする。ついで、加熱溶融物を
冷却凝固して繊維塊を得る。その繊維塊は、冷却凝固過
程での温度勾配に沿つて初生相繊維として成長した二チ
タン酸カリウム繊維の束状集合体である。
【0011】〔脱カリウム・解繊処理〕上記繊維塊を洗
液に浸漬して初生相繊維からK+ イオンを溶出させると
共に、繊維塊を解繊する。そのK+ イオンの溶出量は、
繊維中のカリウム含有量が1〜13.5重量%となるよ
うに調節される。その繊維(水和チタン酸カリウム)の
TiO2 /K2 O(モル比)は6より大である。このよ
うにカリウムを溶出させることとしたのは、K+ イオン
の溶出量がそれより不足すると、焼成処理においてチタ
ニア結晶が析出しないか、またはその析出量の不足をき
たすことになるからである。この脱カリウム処理は、水
または熱水を洗液として行うこともできるが、効率よく
処理を達成するために、適当な濃度に調節された酸水溶
液、例えば0.01〜1%の硫酸水溶液、0.01〜1
%の塩酸水溶液、0.1〜2%の酢酸水溶液等を使用す
るのが好ましい。その処理は、必要に応じてプロペラま
たはミキサー等による攪拌流下に行われる。K+ イオン
の溶出量は、洗液およびその使用量、攪拌流の強さ、処
理時間等により調節することができる。
【0012】〔焼成処理〕脱カリウムと解繊処理を行つ
て洗液から回収された繊維は、ついで焼成処理に付され
る。回収された繊維(水和チタン酸カリウム多結晶繊
維)は、化学組成的には、六チタン酸カリウム結晶とチ
タニア結晶との混相に相当する組成を有しているが、結
晶構造は、先駆体である二チタン酸カリウム結晶の名残
りをとどめているので、焼成処理によりこれを六チタン
酸カリウム結晶とチタニア結晶に構造変換するのであ
る。この焼成処理は、900〜1300℃の温度域に加
熱保持することにより達成される。処理温度の下限を9
00℃とするのは、それより低い温度(特に800℃以
下)では、得られる複合繊維の結晶性が悪く、化学的に
不安定であるからであり、1300℃を上限とするの
は、六チタン酸カリウム結晶の溶融を防止するためであ
る。焼成処理を低温側(約970℃以下)で行う場合は
アナターゼ相が析出し、高温度側(約1050℃以上)
ではルチル相が析出する。また中間の温度域(約100
0℃前後)での焼成処理ではアナターゼ相とルチル相の
混相として析出する。なお、焼成処理は上記温度域に数
分間保持することにより結晶構造の変換を達成すること
ができるが、処理時間は結晶粒の焼結とそれによる繊維
強度とも関係するので、繊維強度を高める点から数時間
(例えば1〜5Hr)とするのが望ましい。
【0013】
【実施例】
(1)出発原料の調製 精製アナターゼ粉末(純度99.8%)と工業用炭酸カ
リウム粉末(純度99.5%)とを、TiO2 /K2
のモル比が1.8となるように配合した。 (2)加熱溶融 出発原料粉末を白金るつぼに入れ、1050℃で40分
間を要して加熱溶融した。 (3)冷却凝固 加熱溶融物を皿状容器(銅製)に流し込み、二チタン酸
カリウム繊維からなる繊維塊を得た。 (4)脱カリウム・解繊処理 繊維塊の150倍量(重量)の水に硫酸を添加して濃度
調整した硫酸水溶液に繊維塊を投入し、プロペラ攪拌下
にK+ イオンを溶出させると共に解繊を行つた。 (5)焼成処理 解繊された繊維を洗液から回収し、脱水・乾燥(風乾)
の後、アルミナるつぼに入れ、2時間を要して焼成処理
した。
【0014】
【比較例】上記実施例における「脱カリウム・解繊処
理」における洗液として、硫酸水溶液に代え、水(繊維
塊の150倍量)を使用した以外は、同一処理条件の工
程を経て六チタン酸カリウム単相の板状多結晶繊維(従
来材)を得た。
【0015】上記実施例および比較例における脱カリウ
ム・解繊処理後の繊維のカリウム含有量、焼成処理温
度、および最終製品繊維の結晶相等を表1に示す。表
中、「結晶相」欄の6TKは、六チタン酸カリウム結晶
を意味し、(A)および(R)はそれぞれチタニア結晶
のアナターゼ相およびルチル相を意味している。No.
1〜6は発明例、No.11は比較例であり、いずれも
最終繊維形態は、繊維径約30μm(平均)、繊維長約
200μm(平均)の板状多結晶繊維である(走査型電
子顕微鏡写真による)。
【0016】図1〜図5は、それぞれ上記実施例で得ら
れた最終繊維の走査型電子顕微鏡像(倍率 2000)
を示している(6TK:六チタン酸カリウム結晶、T:
チタニア結晶)。図1,図2,図3および図4は、それ
ぞれ発明例No.1,No.3,No.4およびNo.
5の繊維(複合繊維)であり、図5は比較例No.11
の繊維(六チタン酸カリウム単相繊維)である。発明例
および比較例の最終繊維の形態・サイズは特に異ならな
いが、比較例のものが、六チタン酸カリウム結晶のみの
単相繊維であるのに対し、発明例のそれは六チタン酸カ
リウム結晶にチタニア結晶が分散析出した複合結晶相を
有している。更に、発明例の繊維を示す図1〜図4にお
いて、図2,図3,図4(いずれも脱カリウム後のカリ
ウム含有量は9%。但し、焼成処理温度は、図2:95
0℃,図3:1050℃,図4:1150℃)の比較か
ら、焼成温度を高めると共に、結晶粒の大きい複合繊維
となり、また図1と図3(いずれも、焼成温度は105
0℃。但し、カリウム含有量は、図1:4.4%,図
3:9.0%)の比較から、カリウム含有量が少なくな
ると共に、チタニア結晶相の析出量が多くなる。このこ
とから、本発明の複合繊維は、脱カリウム処理工程での
カリウムの溶出量および焼成処理工程での焼成温度によ
り、その複合相の形態を任意に制御調整できることがわ
かる。
【0017】
【表1】
【0018】
【参考例】
−デイスクパツドとその摩擦特性− (1)デイスクパツドの製作 下記組成物を予備成形(加圧力:300kgf/c
2 ,温度:常温,時間:1分間)の後、金型に充填し
て結着成形(加圧力:150kgf/cm2 、温度:1
70℃,時間:5分間)し、離型後、熱処理(180℃
で3時間保持)を施し、ついで研磨加工を加えて供試パ
ツドA1,A2,BおよびCを得る。 基材繊維 30重量部 結合剤(フエノール樹脂) 20重量部 摩擦調整剤(硫酸バリウム) 50重量部供試パツドA1: 基材繊維として、前記実施例欄、表1
のNo.4(発明例)の六チタン酸カリウム複合繊維を
使用供試パツドA2: 基材繊維として、前記実施例欄、表1
のNo.5(発明例)の六チタン酸カリウム複合繊維を
使用供試パツドB: 基材繊維として、前記実施例欄、表1の
No.11(比較例)の六チタン酸カリウム単相繊維を
使用。供試パツドC: 基材繊維としてアスベルト繊維(6クラ
ス)を使用。
【0019】(2)摩擦摩耗試験 各デイスクパツドから試験片を切出し、JIS D44
11「自動車用ブレーキライニング」の規定に準拠した
定速度摩擦摩耗試験(デイスク摩擦面;FC25ねずみ
鋳鉄、面圧:10kgf/cm2 、摩擦速度:7m/
秒)を行つて摩耗率(cm3 /kgm)および摩擦係数
(μ)を測定した。図6および図7にその測定結果を示
す(図6:摩擦係数,図7:摩耗率)。
【0020】図6に示したように、発明例のデイスクパ
ッドA1,A2は、デイスクパツドB(六チタン酸カリ
ウム単相繊維使用)に比べ低温域から高温域に亘つて高
い摩擦係数を維持している。また、図7から明らかなよ
うに、発明例のデイスクパツドA1,A2は、低温から
高温域に亘つて高い摩耗抵抗性を有している。
【0021】
【発明の効果】本発明の六チタン酸カリウム複合繊維
は、チタニア結晶の混相効果として、六チタン酸カリウ
ム単相繊維に比べて、硬度、耐摩耗性、剪断強度等にす
ぐれ、これを例えば自動車等の制動装置の摺動部材を構
成する基材繊維として適用することにより、摺動面に改
良された摩擦摩耗特性を付与することができる。また、
このほか、耐熱・耐摩耗塗料の充填剤、強化プラスチツ
クの補強繊維、耐火・断熱材等の用途において、六チタ
ン酸カリウム単相繊維に代え本発明の複合繊維を使用す
ることにより、その材料特性を更に高めることも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合繊維を示す図面代用顕微鏡写真で
ある。
【図2】本発明の複合繊維を示す図面代用顕微鏡写真で
ある。
【図3】本発明の複合繊維を示す図面代用顕微鏡写真で
ある。
【図4】本発明の複合繊維を示す図面代用顕微鏡写真で
ある。
【図5】六チタン酸カリウム単相繊維を示す図面代用顕
微鏡写真である。
【図6】定速度摩擦摩耗試験によるデイスクパツドの摩
擦係数測定結果を示すグラフである。
【図7】定速度摩擦摩耗試験によるデイスクパツドの摩
耗率測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
6TK:六チタン酸カリウム結晶相、T:チタニア結晶
相。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/00 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六チタン酸カリウム結晶にチタアニア結
    晶が分散混在した複合多結晶繊維であることを特徴とす
    る六チタン酸カリウム複合繊維。
  2. 【請求項2】 加熱により二酸化チタンとなるチタン化
    合物と、加熱により酸化カリウムとなるカリウム化合物
    とを、TiO2 /K2 Oのモル比が1.5〜2.5とな
    る割合に混合した混合物を加熱溶融し、 加熱溶融物を冷却して二チタン酸カリウム繊維からなる
    繊維塊を得、 繊維塊を、洗液中で処理することにより、解繊しなが
    ら、繊維中のカリウム含有量が1〜13.5重量%にな
    るまでK+ イオンを溶出した後、 温度900〜1300℃で焼成処理することを特徴とす
    る請求項1に記載の六チタン酸カリウム複合繊維の製造
    方法。
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