JP3191941B2 - 電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法並びに炭素電極および電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法並びに炭素電極および電気二重層キャパシタ

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琢志 大崎
章 若泉
光男 木暮
章寛 中村
信一 丸茂
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日本酸素株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、電気二重層キャパシタの電極に使用される
炭素材に関する。本発明は、硫酸イオンなどの電解質イ
オンが電気二重層を好適に形成できるミクロ孔および/
またはサブミクロ孔構造を有する炭素材および炭素電極
の製造方法に関する。
背景技術 電気二重層キャパシタは、パソコンなどの電子機器の
バックアップ用電源として実用されており、また自動車
の補助バッテリーなどの急速放電または大電流用電源と
しても開発が行われている。電気二重層キャパシタの電
極は分極性電極とも称され、導電性のある活性炭が使用
されている。電気二重層キャパシタは、微小な電流で長
時間使用する場合、短時間に大電流を使用する場合、ま
たはその中間的使用など種々の使い方がある。
電極用炭素材の原料としては、石炭、コークス、やし
殻炭、などの動植物質が炭化したもの、フェノール樹
脂、フラン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの各種樹脂を
不活性ガス雰囲気下で加熱(乾留)したもの、などが利
用されている。本発明では、これらの原料を総称して炭
素化合物、炭素化合物を乾留して得たものを乾留炭と呼
称する。
活性炭を得る慣用的な方法としては、水蒸気、炭酸ガ
ス、空気、などの酸化性ガスで賦活処理する方法が知ら
れている。
水蒸気賦活の例としては特開平1−242409号公報、炭
酸ガス賦活の例としては特開平5−132377号公報、水蒸
気および/または炭酸ガス賦活と空気(酸素)賦活を組
み合わせた方法としては特公平5−49606号公報、ま
た、ナトリウムやカリウムの水酸化物による賦活の例と
しては、特開平2−97414号公報(特公平5−82324号公
報)がある。
しかし、通常の賦活処理では賦活収率が40〜80%程度
であり、炭素の損失が20〜60%にも及ぶ。また、細孔径
が均一な細孔を形成することはできない。
ここで、賦活収率は、処理前の炭素化合物の重量を10
0としたときの処理後の重量を表す。
炭素材を電極とする電気二重層キャパシタとしては、
特開平1−321620号公報(カーボンペースト電極)、特
開平3−180013号公報(電気二重層コンデンサ)、特公
平6−56827号公報(分極性電極およびその製造方
法)、特公平4−44407号公報(電気二重層キャパシ
タ)、特公平4−70770号公報(電気二重層キャパシ
タ)、などがある。
特公平4−44407号公報は、フェノール樹脂とポリビ
ニルアルコールとでん粉とからフェノール樹脂発泡体を
作製し、これを賦活処理して得た活性炭を分極性電極と
する電気二重層キャパシタを開示している。比表面積が
2000m2/g以上の多孔性活性炭が得られるため、大容量の
電気二重層キャパシタ用の炭素電極とすることができる
としている。
特公平4−70770号公報は、活性炭の平均細孔径を15
Å以上とすると温度特性の良い炭素電極となることを開
示している。
特開平3−180013号公報は、粉末活性炭の酸素含有量
を20〜35重量%にすることにより、単位体積当たりの静
電容量を増加できることを開示している。
従来、電気二重層キャパシタの電極は、粉末の活性炭
基材を硫酸溶液と混合してペースト状として用いられて
いるが、活性炭粒子間の接触抵抗が大きく、大きな電流
を流せなかった。また、繊維状活性炭を使用する場合も
同様に、繊維間の接触抵抗が大きく単位体積当りの活性
炭密度が小さく、大電流を得ることができなかった。
炭素材の構造は、原料により、また、製造方法によ
り、種々の構造をとり得る。
チャーやこれを賦活して得た活性炭は、微晶質炭素
(結晶子)、鎖状構造をとる炭素、などから成り立って
いる。難黒鉛化性炭素の場合は、結晶子が乱雑に積層し
た構造をとっており、これら結晶子の間隙にはミクロ孔
からマクロ孔まで広範囲の細孔が形成されている。
結晶子は、数層の平行な炭素六員環の網面が積み重な
ったものであり、炭素六員環を構成するグラファイト炭
素は、SP2混成軌道を利用して結合している。炭素六員
環からなる網面を基底面という。
易黒鉛化性炭素は、高温度で加熱することにより結晶
子が成長し、最終的には黒鉛(グラファイト)になる。
難黒鉛化性炭素には、通常、未組織炭素が含まれてい
る。未組織炭素とは、グラファイト炭素とのみ化学結合
しているグラファイト炭素以外の炭素であり、鎖状構造
を有する炭素、炭素六員環の周辺に付着している炭素、
炭素六員環の最外縁(プリズム面)にある炭素、炭素六
員環(結晶子)どうしの架橋構造にあずかっている炭
素、などをいう。未組織炭素には、C−H、C−OH、C
−OOH、C=Oなどの形で水素原子、酸素原子などと結
合しているものや、炭素二重結合(−C=C−)などが
ある。
細孔径が8Å以下のものをサブミクロ孔、細孔径が8
〜20Åの範囲のものをミクロ孔という。これらの領域の
細孔径は、電解質イオンの径とほぼ同一のオーダーであ
り、電気二重層の形成に関与していると考えられている
細孔である。現在の測定技術ではサブミクロ孔領域の細
孔構造を直接観察することができないため、一般的理論
として確立されていないのが現状である。
しかし、従来の電気二重層キャパシタ用の炭素材の製
造方法においては、ミクロ孔および/またはサブミクロ
孔が充分に発達していないため、電気化学的エネルギー
の貯蔵容量が小さく、静電容量が不十分であった。ま
た、炭素収率が低いという問題があった。また、急速放
電における性能が不十分であった。
発明の開示 本発明の目的は、優れた静電容量を有し、電気二重層
キャパシタ用炭素電極に好適に用いられる炭素材を高い
炭素収率で製造する方法を提供することにある。さら
に、本発明の目的は、急速放電における静電容量が大き
な電気二重層キャパシタ用炭素材を提供することにある 本発明の第1の態様は、乾留炭をハロゲンガスに接触
させてハロゲン化乾留炭を得るハロゲン化処理の工程
と、該ハロゲン化乾留炭中のハロゲンの一部または全部
を脱離させる脱ハロゲン処理の工程とを備えたことを特
徴とする電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法であ
る。
前記第1の態様において、前記ハロゲンガスは、塩素
および臭素からなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンを含有するものでよい。
また、前記第1の態様において、前記ハロゲン化処理
は、不活性ガスで希釈したハロゲンガス中350〜1000℃
の温度で加熱する処理でよい。
また、前記第1の態様において、前記脱ハロゲン処理
は、減圧下500〜1200℃の温度で加熱する処理でよい。
また、前記第1の態様において、前記脱ハロゲン処理
は、不活性ガス中500〜1200℃の温度で加熱する処理で
よい。
また、前記第1の態様において、前記乾留炭は、やし
殻、フェノール樹脂、フラン樹脂、および塩化ビニリデ
ン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つを乾留し
て得られた乾留炭でよい。
また、前記第1の態様において、前記脱ハロゲン処理
は、不活性ガスで希釈した水素化合物ガス中600〜850℃
の温度で加熱する処理でよい。この水素化合物は、水お
よび低級炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも一
種の化合物を含有するものでよい。
また、前記第1の態様において、前記ハロゲン化処理
の前に、乾留炭を粉砕し、結合剤を加えて成型体とする
成型処理の工程と、該成型体を不活性ガス雰囲気で加熱
する炭化処理の工程とを設けてもよい。この結合剤は、
フェノール樹脂粉末、有機溶剤および親油性溶剤を含有
した組成物でよい。また、前記炭化処理は、20〜500℃/
hの速度で昇温した後、400〜1000℃の温度で加熱する工
程を備えた処理でよい。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の製造方法に
よって得られたキャパシタ用炭素材を粉砕し、この粉砕
した炭素材に硫酸を加えて混練して得られたことを特徴
とする電気二重層キャパシタ用炭素電極である。
この電気二重層キャパシタ用炭素電極は、前記成型体
にハロゲン化処理および脱ハロゲン処理を施して得られ
たキャパシタ用炭素材に硫酸を含浸して得られたもので
もよい。
前記第2の態様の電気二重層キャパシタ用炭素電極
は、電解質イオンとして硫酸イオンを用いて、540mVか
ら360mVまで4mA/cm2の定電流放電したときの静電容量が
55〜85F/cm3である炭素電極とすることができる。
前記成型体から得られた電気二重層キャパシタ用炭素
電極は、電解質イオンとして硫酸イオンを用いて、540m
Vから360mVまで300mV/cm2の定電流放電したときの静電
容量が30〜50F/cm3である炭素電極とすることができ
る。
本発明の第3の態様は、前記第2の態様による炭素電
極を有することを特徴とする電気二重層キャパシタであ
る。
図面の簡単な説明 図1は本発明の電気二重層キャパシタ用炭素および電
極の製造方法の工程図である。
図2は本発明のもう一つの電気二重層キャパシタ用炭
素および電極の製造方法の工程図である。
図3はハロゲン処理設備の概略図である。
図4は静電容量測定セルの概略断面図である。
図5は表2に示した比較例と実施例の静電容量を対比
するグラフである。
図6は表3に示した比較例と実施例の静電容量を対比
するグラフである。
発明を実施するための最良の形態 以下の記載において、ハロゲン処理に使用するハロゲ
ンガスとして主に塩素ガスを例にして説明するが、同じ
技術的思想で臭素などのハロゲンガスにも適用すること
ができる。
本発明の一つの実施の形態である電気二重層キャパシ
タ用粉末炭素材および電極の製造工程の概要を図1に示
す。また、本発明のもう一つの実施の形態である電気二
重層キャパシタ用成型体炭素材および電極の製造工程の
概要を図2に示す。
本発明の電気二重層キャパシタ用の炭素材の製造方法
は、乾留炭にハロゲン処理を施すことを特徴としてい
る。本発明のハロゲン処理は、乾留炭を、ハロゲンガス
に接触させてハロゲン化乾留炭を得るハロゲン化処理
と、しかる後該ハロゲン化乾留炭中のハロゲンの一部ま
たは全部を離脱させる脱ハロゲン処理とを備えた処理で
ある。
塩素を例にすれば、塩素化乾留炭の塩素化の程度は、
塩素と炭素の原子数比(Cl/C)で表される。当該原子数
比は、塩素化処理前の乾留炭の重量を炭素の重量として
求められる炭素の原子数と、塩素化処理における重量増
加を塩素の重量として求められる塩素の原子数とを用い
て、塩素の原子数を炭素の原子数で割って求められる。
また、脱塩素の程度は、脱塩素処理後に残留する塩素と
炭素の原子数比で表される。この原子数比は、脱塩素処
理による重量減少を塩素の減量として原子数に換算し
て、これを塩素化乾留炭の塩素原子数から減じた値を、
塩素化処理前の炭素の原子数で割って求められる。
ハロゲンガスとして臭素を用いる場合の原子数比(Br
/C)も上記塩素の場合と同様に求められる。
実際のハロゲン処理においては、炭化の進行に伴う乾
留作用や水蒸気の賦活作用(炭素のガス化)があるた
め、前記定義による原子数比が負の値になることがあ
る。
(ハロゲン化処理) 塩素化処理は、乾留炭を窒素などの不活性ガスで希釈
した塩素ガス中350〜1000℃、好ましくは400〜800℃の
温度で加熱する処理でよい。
塩素化処理の加熱の温度が1000℃を超える場合、乾留
が進行して水素原子の量が低下するため、塩素化の程度
が小さくなり、好ましくない。また、塩素化処理の加熱
の温度が350℃未満の場合、塩素と未組織炭素の反応速
度が遅すぎるので、塩素処理に長時間を要し、好ましく
ない。
塩素ガスの供給速度は、塩素の濃度が約10容量パーセ
ントのとき、空塔速度で0.2〜0.3L/(min・cm2)程度で
ある(Lはほぼ大気圧、室温でのガスの体積である(以
下同じ))。塩素化処理の時間は、当該温度範囲の高温
域の場合は30分程度であるが、400℃に近い低温域の場
合は120分程度必要である。
ハロゲン化処理として臭素化処理を行う場合も、塩素
ガスに代えて臭素ガスを用いるほかは、上記と同じ条件
で処理を行うことができる。
塩素化処理においては、主として、乾留炭中の水素原
子が塩素原子に置換されるので、排ガス中に塩素水素
(HCl)が検出される。同様に、臭素化処理において
は、臭化水素(HBr)が検出される。
上記塩素化処理により、塩素と炭素の原子数比が好ま
しくは0.03以上、より好ましくは0.07以上の塩素化乾留
炭が得られる。なお、この原子数比が0.03未満の場合、
ミクロ孔形成への寄与が小さいので好ましくない。
また、上記原子数比の上限は、乾留炭中の水素原子の
量、すなわち、乾留温度により決まるが、0.315以下で
あれば本発明の所望の効果が得られることが判ってい
る。
臭素化処理においては、臭素の炭素に対する原子数比
(Br/C)が0.01程度であっても本発明の効果が得られ
る。
(脱ハロゲン処理) 脱ハロゲン処理は、高温脱ハロゲン処理と低温脱ハロ
ゲン処理とを順次行う処理としてもよい。
脱塩素処理を行う場合、脱塩素の程度は、前記原子数
比(Cl/C)が0.02以下であることが好ましいが、必ずし
も完全に塩素を脱離させる必要はない。また、脱臭素処
理を行う場合、脱臭素の程度は、原子数比(Br/C)が0.
01以下であることが好ましいが、必ずしも完全に臭素を
脱離させる必要はない。
脱塩素処理においては乾留炭中の塩素は、主として、
塩化水素として脱離するので、排ガス中に塩化水素が検
出される。同様に、脱臭素処理においては臭化水素が検
出される。
高温脱塩素処理は、真空排気下または不活性ガス中50
0〜1200℃、好ましくは、600〜1000℃の温度で加熱する
処理でよい。真空排気の程度は特に限定されないが、真
空度が10mmHg程度の真空排気で充分である。加熱処理の
時間は、20〜30分程で充分である。
不活性ガス中で行う高温脱塩素処理を1200℃を超える
処理温度で行った場合、熱収縮により細孔入り口が小さ
くなりすぎて電解質イオンが細孔内に入ることができな
くなるため、所望の静電容量が得られないことがある。
また、高温脱塩素処理を500℃未満の処理温度で行った
場合、充分に塩素を脱離させることができない。
なお、高温脱塩素処理では、乾留炭中の塩素が完全に
脱離せず、一部が残留する。
高温脱臭素処理も、上記高温脱塩素処理と同じ条件で
行うことができる。高温脱臭素処理後は、乾留炭中の臭
素が完全に脱離せず、一部が残留する。
低温脱塩素処理は、水素化合物ガス中または不活性ガ
スで希釈した水素化合物ガス中600〜850℃、好ましくは
650〜750℃の温度で加熱する処理でよい。加熱処理の時
間は、20〜30分程で充分である。
低温脱塩素処理では、乾留炭中の塩素がほぼ完全に脱
離する。
ここで水素化合物ガスとは、水蒸気(H2O)、水素、
もしくはメタン(CH4)、エタン(C2H6)、エチレン(C
2H4)、プロパン(C3H6)、プロピレン(C3H6)、ブタ
ン(C4H10)、ブチレン(C4H8)などの低級炭化水素、
およびこれらの混合ガスである。不活性ガス中の水素化
合物としては、LPG(液化石油ガス)が不完全燃焼した
ときの排ガスが、工業的に好適に利用することができ
る。前記排ガスの組成は、例えば、水蒸気13〜17容量
%、炭酸ガス9〜12容量%、一酸化炭素0.01〜1容量
%、窒素68〜74容量%、未燃分低級炭化水素0.01〜3容
量%程度である。
前記水素化合物が水蒸気である場合、水蒸気の濃度は
特に限定されないが、空塔速度が0.05〜0.15L/(min・c
m2)のとき、3容量%程度であれば充分である。
なお、前記水素化合物が水蒸気である場合、850℃を
超える温度で加熱処理すると、水蒸気による賦活作用が
進行しすぎるため、ミクロ孔の形成が阻害され、炭素収
率が低下する上、本発明の効果が低下する。なお、前記
水素化合物が水素ガスである場合は、賦活作用がないの
で、上記の上限温度の制約はない。
低温脱臭素処理も、上記低温脱塩素処理と同じ条件で
行うことができる。低温脱臭素処理では、乾留炭中の臭
素がほぼ完全に脱離する。
脱ハロゲンのための処理方法としては、高温脱ハロゲ
ンのみの処理を行う方法と、低温脱ハロゲンのみの処理
を行う方法と、それらを組み合わせた方法として、高温
脱ハロゲン処理と低温脱ハロゲン処理とを順次行う処
理、低温脱ハロゲン処理と高温脱ハロゲン処理とを順次
行う処理、高温脱ハロゲン処理と低温脱ハロゲン処理と
高温脱ハロゲン処理とを順次行う処理、の五つである。
これらを表1に示す。
以上説明した脱ハロゲンの処理方法のうち、高温脱ハ
ロゲン処理と低温脱ハロゲン処理とを順次行う処理を採
用し、水素化合物が水蒸気または水蒸気と低級炭化水素
の混合ガスであるとき、本発明の効果がもっともよく発
現する。
(成型処理) 乾留炭またはハロゲン化乾留炭の粉砕は、通常使用さ
れる装置で行うことができる。粉砕された粒子の平均径
は数〜十数μmでよい。
成型のための結合剤としては、フェノール樹脂粉末を
アルコール類や、アセトンなどのケトン類、等の有機溶
剤とクレオソート油、コールタール、アセトラセン油、
灯油、流動パラフィン、エチレングリコール、グリセリ
ンなどの親油性溶剤に溶解したものが使用できる。成型
は通常の技術で使用される装置が使用できる。
(炭化処理) 成型処理された成型品の炭化処理は、窒素ガス気流
下、昇温速度が20〜500℃/h、好ましくは50〜400℃/h
で、温度が400〜1000℃、好ましくは450〜800℃で、時
間が10分間〜8時間、好ましくは30分間〜4時間加熱処
理して行なう。
昇温速度が遅すぎると処理時間が長くなり効率が悪
く、早すぎると成型体炭素に変形(膨らみ・反り)や破
損(割れ・亀裂・剥離)が発生して良好な形状が得られ
ない。加熱温度が400℃未満であると炭化が充分行われ
ず、1000℃よりも高すぎると細孔構造の形成に悪影響を
与える。
本発明で成型体炭素材とは、炭化処理またはハロゲン
処理を施し、前記結合剤が、これらの処理において基材
の炭素と一体化された炭素構造の状態である炭素材をい
う。
上記電極用炭素材の製造方法は、種々の乾留炭に適用
することができるが、特に、やし殻、フェノール樹脂、
フラン樹脂または塩化ビニリデン樹脂を乾留して得た乾
留炭を原料とするのが最適である。
(電極の作製) 本発明の一つの実施の形態においては、上記ハロゲン
化処理と脱ハロゲン処理を順次行って得られた炭素材
は、好ましくは数μm以下の粒径に粉砕される。この粉
砕は通常の乾式法や溶剤を加えた湿式粉砕法などの当該
分野で周知の粉砕法により行ってよい。さらに、乾式粉
砕を実施した後、それに電解質溶液を加えて湿式粉砕し
ながら混練を行ってもよい。
粉砕された炭素材は電解質溶液を加えて混練し、均一
な炭素電極とする。この電解質は、当該分野において周
知の電解質を使用して良く、好ましくは硫酸などが使用
される。粉砕された炭素材に加える電解質溶液の量は、
通常、ペースト状の炭素電極材料が得られるように設定
されるが、電解質溶液の量を増減して液状、あるいは固
体状の炭素電極材料とすることも可能である。
また、本発明のもう一つの実施の形態において、ハロ
ゲン処理を施した成型体炭素材を用いて炭素電極を作製
する場合、所望の形状に切断した炭素材を電解質溶液に
浸漬して電極にすることができる。この際、真空または
減圧にしながら炭素材を電解質溶液に浸漬すると、電解
質溶液が炭素材の内部まで浸透するので好ましい。
この塩素処理を施した粉末状炭素材を用いた電気二重
層キャパシタ用炭素電極は、電解質イオンとして硫酸イ
オンを用いて、540mVから360mVまで4mA/cm2で定電流放
電したときの静電容量が55〜85F/cm3である炭素電極と
することができる。ここで、Fはファラッド(Farad)
を、cm3は炭素電極(正極と負極の合計)の体積を表
す。
臭素処理を施した粉末状炭素材を用いた電気二重層キ
ャパシタ用炭素電極も同様に、電解質イオンとして硫酸
イオンを用いて、540mVから360mVまで4mA/cm2で定電流
放電したときの静電容量が55〜85F/cm3である炭素電極
とすることができる。
この塩素処理を施した成型体炭素材を用いた電気二重
層キャパシタ用炭素電極は、電気二重層キャパシタの電
解質イオンとして硫酸イオンを用いて、540mVから360mV
まで300mA/cm2で定電流放電したときの静電容量が30〜5
0F/cm3である炭素電極とすることができる。
臭素処理を施した成型体炭素材を用いた電気二重層キ
ャパシタ用炭素電極も同様に、、電気二重層キャパシタ
の電解質イオンとして硫酸イオンを用いて、540mVから3
60mVまで300mA/cm2で定電流放電したときの静電容量が3
0〜50F/cm3である炭素電極とすることができる。
電解液としては、硫酸H2SO4、水酸化カリウムKOH、塩
酸HCl、硫酸ナトリウムNa2SO4などの水溶液が用いられ
る。また、ポリプロヒレンカーボネート、γ−ブチルラ
クトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2
−ジメトキシエタン、スルホランあるいはニトロメタン
などの溶媒に、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、フ
ルオロホウ酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸リチ
ウム、アルカリ金属塩、アミン塩、テトラアルキルアン
モニウム塩、またはテトラアルキルホスホニウム塩など
を溶解させたものが用いられる。
以下、本発明の作用について説明する。
(ハロゲン処理) 炭素材の構造は、原料により、また、製造方法によ
り、種々の構造をとり得る。
チャーやこれを賦活して得た活性炭は、微晶質炭素
(結晶子)、鎖状構造をとる炭素、などから成り立って
いる。難黒鉛化性炭素の場合は、結晶子が乱雑に積層し
た構造をとっており、これら結晶子の間隙にはミクロ孔
からマクロ孔まで広範囲の細孔が形成されている。
結晶子は、数層の平行な炭素六員環の網面が積み重な
ったものであり、炭素六員環を構成するグラファイト炭
素は、SP2混成軌道を利用して結合している。炭素六員
環からなる網面を基底面という。
難黒鉛性炭素には、通常、未組織炭素が含まれてい
る。未組織炭素とは、グラファイト炭素とのみ化学結合
しているグラファイト炭素以外の炭素であり、鎖状構造
を有する炭素、炭素六員環の周辺に付着している炭素、
炭素六員環の最外縁(プリズム面)にある炭素、炭素六
員環(結晶子)どうしの架橋構造にあずかっている炭
素、などをいう。
乾留炭に塩素ガスを接触させると、塩素は未組織炭素
と反応する。これらの反応には、炭素二重結合への塩素
付加反応、未組織炭素に結合している水素原子と塩素原
子の交換反応(塩素と等モルの塩化水素が発生する)、
脱水素化反応(塩素の二倍の塩化水素が発生する)、な
どがある。
前記塩素化反応のとき、および脱塩素反応のとき、次
式に示す反応が起きて、新たな炭素原子−炭素原子結合
(以下炭素結合)が形成されていると推測される。
なお、乾留炭に臭素ガスを接触させた場合も、塩素に
代えて臭素が反応に関与する以外は、上記と同様の反応
により炭素結合が形成されると推測される。
この新たな炭素結合の形成により、炭素網面または結
晶子のグラファイト構造の欠陥を修復する作用、結晶子
の成長作用、結晶子の集合状態を変える作用、等の作用
を果たすと考えられるが、詳細は不明である。しかしな
がら、これらの作用により、硫酸イオンなどの電解質イ
オンが電気二重層を好適に形成できるミクロ孔および/
またはサブミクロ孔構造が多数形成されるものと推定さ
れる。
(成型体) ハロゲン処理を施さない炭素材の粉末にペースト化剤
を加えてペースト状にした電気二重層キャパシタにおい
ては、ハロゲン処理を施していない分静電容量が小さ
い。また、ペースト化剤は充電または放電に寄与しない
から、その分だけ、炭素の重量あたり、または電極の体
積あたりでは放電容量が小さい。
それに対して本発明の一つの形態では、ハロゲン処理
を施した炭素材の粉末を使用するので、電気二重層の形
成が向上していて、特に微小電流放電で使用する場合に
は好適である。しかし、粉末にペースト化剤を添加した
ペースト状電極では、粉末の集合体であるから電気抵抗
が大きいので、急速放電に使用する場合における静電容
量が不十分である。
本発明のもう一つの形態においては、結合剤は炭化さ
れている上にハロゲン処理が施されているので、成型体
全体が充放電に寄与でき、抵抗も小さいので急速放電に
おいても大きな静電容量が得られる。
炭化処理においては、成型処理において添加した結合
剤が炭素化されてガス化成分が発生し、成型体の内部か
ら外部へと移動する。したがって、昇温速度が早すぎる
と、ガスの発生速度が早く、成型体の変形や破損の発生
の原因となるので、昇温速度は早すぎないことが好まし
い。
以下に、本発明を実施例および比較例に基づき、具体
的且つ詳細に説明する。
(原料乾留炭) 本実施例では、原料乾留炭およびその製造方法を次の
記号で示す。
乾留炭A;フィリピン産やし殻炭を微粉砕(粉砕機:中央
化工機(株)MB−1型)し、コールタールをバインダー
として2mmφ×5〜6mmのペレットに成形(成形機:不二
パウダル(株)製PV−5型)し、窒素ガス気流下600℃
で乾留したもの。
乾留炭B;フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製PGA−4
560商品名レヂトップ)を160℃で硬化させ、微粉砕した
後、レヂトップをバインダーとして2mmφ×5〜6mmのペ
レットに成形し、窒素ガス気流下600℃で乾留したも
の。
乾留炭C;フラン樹脂(日立化成工業(株)VF−302)に
硬化剤を加えて硬化させた後、550℃で乾留し、微粉砕
した後、コールタールをバインダーとして2mmφ×5〜6
mmのペレットに成形し、窒素ガス雰囲気下550℃で乾留
したもの。
乾留炭D;塩化ビニリデン樹脂(市販の商品名サランラッ
プ)を窒素ガス気流下550の温度で乾留し、微粉砕した
後、レヂトップをバインダーとして2mmφ×5〜6mmのペ
レットに成形し、窒素ガス気流下550℃で乾留したも
の。
(成型処理) 乾留炭を振動ボールミル(日陶科学(株)製NB−0)
で、約60分間粉砕する。得られる炭素粉末の平均粒径は
およそ8μmである。
粉砕された乾留炭粉末100重量部に対し、結合剤とし
てフェノール樹脂15重量部、エタノール8重量部、およ
びクレオソート20重量部を加えて混練し、圧力500kgf/c
m2でプレスして、50×50×1(mm)の板状に成型した。
成型品の重量は1枚がおよそ2.5〜3gである。
(炭化処理) 成型処理した後の炭化処理は、窒素ガス気流下、昇温
速度100〜200℃/hで加熱し、550〜700℃の温度で約30分
間保持することにより行った。
(ハロゲン処理、炭化処理設備) 本発明を実施するためのハロゲン処理または炭化処理
設備の概要を図3に示す。塩素処理を例に説明するが、
臭素処理も同様である。図3中で、1は温度制御機能付
き管状電気炉(管状炉:(株)吉田製作所製、温度制御
装置:(株)チノー製MODEL SU、熱電対JIS R)、2は
石英管、3は炭素材容器(ガス透過性)、4は炭素材、
5は窒素ガス供給管、6は塩素、臭素、水蒸気、または
メタン等の供給管、7はガス排出管、8はゴム栓であ
る。各ガスの供給圧力はほぼ大気圧とした。
塩素化処理では管5から窒素ガスと管6から塩素ガス
を所定量流す。高温脱塩素処理では管6から窒素ガスを
所定量流す。低温脱塩素処理では管5から窒素ガスと管
6から水蒸気、メタンなどを含む窒素ガスを所定量流
す。炭化処理では管5から窒素ガスを所定量流す。流量
は、フロート形面積流量計(塩素ガス:流体工業(株)
製PGF−N型、その他ガス:日本フローセル(株)製ST
−4型)で測定した。
(重量、比表面積、細孔容積の測定) 重量、電子天秤((株)島津製作所製LIROR EB−430H
W)で測定した。
比表面積は、−196℃(液体窒素の沸点)の温度にお
ける窒素ガスの吸着量を測定し、Brunauer−Emmett−Te
llerの吸着式から求めた。機器は(株)島津製作所製ア
キュソーブ2100−02型を用いた。
細孔容積は、ベンゼンの吸着量(g Benzene/g Carbo
n)を液体ベンゼンの密度(0.879g/cm3)で除した(割
る)値として求めた。
(静電容量の測定) 粉末状炭素材から電極を作製する場合には、塩素処理
した乾留炭を振動ボールミル(日陶科学(株)製NB−
0)で、約60分間粉砕する。得られる炭素粉末の平均粒
径はおよそ8μmである。この粉末状炭素に30%硫酸を
加えてペースト状にして、直径25mm、深さ2mmの円盤状
にくり抜いた型枠に入れたもの2枚を作り電極とする。
炭素電極の厚さは2mmである。ただし、実施例7(粉末
状炭素材)においては電極の形状は直径14mmで深さ1mm
とする。
成型体炭素から電極を作製する場合は、塩素処理を施
した良好な成型体炭素から、直径14mm、厚さ1mmの円板
を2枚切り出し、減圧下で30wt%硫酸溶液を含浸させ
る。
硫酸溶液を含浸させたものを炭素電極と呼ぶ。それに
対し炭素電極に加工する前の粉末状または成型体の炭素
を電気二重層キャパシタ用炭素材と呼ぶ。
これら2枚の電極をポリプロピレン製セパレータをは
さんで向かい合わせに重ね、両側から白金製の集電極で
挟み込み、図4に示す測定用セルを作製し、静電容量を
求める。図2中、符号11は炭素電極、12はガスケット、
13は集電極、14はセパレータである。静電容量C(単
位、ファラッド:F)は一般に、ある電圧で充電した後、
一定電流I(A)で放電し、電圧がV1からV2(V)まで
低下する時間Δt(s)を測定し、C=I×Δt/(V1
V2)から計算することができる。
放電電流Iが小さい場合を緩速放電と言い、静電容量
の値は大ききな値になる。放電電流Iが大きい場合を急
速放電と言い、静電容量は小さな値になる。放電電流が
300mA/cm2の場合は急速放電である。cm2は炭素電極の断
面積である。
本発明の粉末状炭素材から作製した電極では、900mV
で24時間充電した後、I=4mA/cm2で定電流放電し、V1
=540mVからV2=360mVまで電圧が降下するときの時間を
測定して静電容量を求めた。
また、本発明の成型体炭素材から作製した電極では、
900mVで24時間充電した後、I=300mA/cm2で定電流放電
し、V1を540mV、V2を360mVとする。
(比較例1;炭酸ガス賦活、粉末) 乾留炭Bを900℃の温度で加熱処理し(15分)、次い
で、900℃の温度で炭酸ガス賦活した(炭酸ガス雰囲気
下)。賦活時間を、110分(賦活収率81.0%)、190
分(賦活収率69.6%)、300分(賦活収率57.5%)、
345分(賦活収率50.9%)、として4種類の試料を作
成した(賦活収率=賦活後の乾留炭重量/賦活前の乾留
炭重量)。4種類の試料の比表面積は、990m2/g、1
370m2/g、1750m2/g、1920m2/g、また、細孔容積
は、0.33cm3/g、0.45cm3/g、0.60cm3g、0.70cm
3/g、であった。これらを、それぞれ、約8μmに粉砕
し、30wt%硫酸水溶液を加えてペースト状にしたものを
2週間放置した。4種類の試料の静電容量は、放電電流
が4mA/cm2のとき、49.6F/cm3、51.4F/cm3、45.7F
/cm3、45.7F/cm3であった。
賦活収率が低いほど、比表面積および細孔容積は増加
したが、静電容量は減少した。静電容量は最大で51.4F/
cm3、最小で45.7F/cm3であった。
(比較例2;水蒸気賦活) 乾留炭Bを900℃の温度で加熱処理し(15分)、次い
で、水蒸気を含む窒素ガスを流して、800℃の温度で水
蒸気賦活した。賦活時間を60分(賦活収率77.0%)、
90分(賦活収率68.6%)、143分(賦活収率55.1
%)、として3種類の試料を作成した。3種類の試料の
比表面積は、1120m2/g、1380m2/g、1810m2/g、ま
た、細孔容積は、0.35cm3/g、0.43cm3/g、0.58cm
3/g、であった。これらを、それぞれ、約8μmに粉砕
し、30wt%硫酸水溶液を加えてペースト状にしたものを
2週間放置した。3種類の試料の静電容量は、放電電流
が4mA/cm2のとき、37.8F/cm3、34.6F/cm3、33.6F
/cm3であった。
賦活収率が低いほど、比表面積および細孔容積は増加
したが、静電容量は減少した。静電容量は最大で37.8F/
cm3、最小で33.6F/cm3であった。比較例1に比べて静電
容量は小さかった。
(実施例1) 乾留炭Aを500℃の温度に加熱し、窒素0.9L/minに塩
素0.1L/minを混合したガスを流し込み塩素化した(60
分)。次に、窒素ガス気流下(3L/min)700℃の温度で2
0分間加熱処理し、更に、室温で水蒸気を飽和させた窒
素ガス気流を700℃の温度の炉に流して30分間加熱処理
し、塩素を脱離させた。静電容量は、放電電流が4mA/cm
2のとき、70.0F/cm3、であった。
この静電容量は、比較例1に比べて、最大で24.3F/cm
3、最小でも18.6F/cm3大きかった(36〜53%の増加であ
った)。
(実施例2;乾留炭C、フラン樹脂炭) 乾留炭Cを500℃の温度に加熱し、窒素0.9L/minに塩
素0.1L/minを混合したガスを流し込み塩素化した(60
分)。次に、窒素ガス気流下(3L/min)700℃の温度で2
0分間加熱処理し、更に、室温で水蒸気を飽和させた窒
素ガスを700℃の温度の炉に流して30分間加熱処理し、
塩素を脱離させた。静電容量は、放電電流が4mA/cm2
とき、85.0F/cm3、であった。
この静電容量は、比較例1に比べて、最大39.3F/c
m3、最小でも33.6F/cm3大きかった(65〜86%の増加で
あった)。
(実施例3;塩素化の温度依存性、乾留炭B) 乾留炭Bを原料とする6種類の試料(各15g)それぞ
れを、400℃、450℃、500℃、550℃、600
℃、650℃、の温度に加熱し、窒素1.0L/minに塩素0.1
L/minを混合したガスを流し込み塩素化した(120分)。
次に、6種類の試料をそれぞれ窒素ガス気流下(3L/mi
n)750℃の温度で15分間加熱処理し、更に、水蒸気を含
む窒素ガスを700℃の温度の炉(炉内の水蒸気濃度は約8
5容量%)に流し、15分間加熱処理し、塩素を脱離させ
た。6種類の塩素化乾留炭の重量を測定すると、塩素化
処理前の重量を基準として、それぞれ、59.4wt%(0.
201)、51.2wt%(0.173)、42.5wt%(0.144)、
25.0wt%(0.084)18.5wt%(0.062)、12.0wt%
(0.041)、それぞれ重量増加していた(()内の値はC
l/C原子数比である。以下同じ)。窒素ガス中の脱塩素
処理後の重量は、塩素化処理前の重量を基準として、そ
れぞれ、1.9wt%(0.006)、3.4wt%(0.011)、
4.0wt%(0.014)、4.6wt%(0.016)、4.3wt%
(0.014)、2.8wt%(0.009)、それぞれ重量増加し
ていた。水蒸気を含む窒素ガス気流下での加熱処理後の
重量は、塩素化処理前の重量を基準として、87.0wt
%、86.8wt%、86.3wt%、86.4wt%、86.2wt
%、86.1wt%であった。6種類の試料の静電容量は、
放電電流が4mA/cm2のとき、70.0F/cm3、71.0F/c
m3、75.2F/cm3、79.0F/cm3、74.5F/cm3、75.4F
/cm3、であった。
実施例3の塩素処理した炭素材の静電容量は、比較例
1の炭酸ガス賦活処理した炭素材に比べ、最大で33.3F/
cm3、最小でも18.6F/cm3大きかった(36〜73%の増加で
あった)。塩素化の温度は400〜650℃の広い温度範囲で
有効であった。また、炭素の収率も比較例1の試料に
比べて大きかった。
(実施例4;乾留炭B、窒素中の加熱温度の依存性) 乾留炭Bを原料とする5種類の試料(各15g)それぞ
れを550℃の温度に加熱し、窒素1.0L/minに塩素0.1L/mi
nを混合したガスを流し込み塩素化した(120分)。次
に、窒素ガス気流下(3L/min)5種類の試料それぞれ
を、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃、
温度で15分間加熱処理した。更に、水蒸気を含む窒素ガ
スを700℃の温度の炉(炉内の水蒸気濃度は約85容量
%)に流し、15分間加熱処理し、塩素を脱離させた。5
種類の試料の比表面積は、780m2/g、790m2/g、79
0m2/g、830m2/g、806m2/g、また、細孔容積は、
0.31cm3/g、0.32cm3/g、0.33cm3/g、0.33cm3/g、
0.33cm3/g、であった。5種類の試料の静電容量は、
放電電流が4mA/cm2のとき、80.5F/cm3、79.0F/c
m3、78.5F/cm3、76.5F/cm3、75.0F/cm3であっ
た。
実施例4の塩素処理した炭素材の静電容量は、比較例
1の炭酸ガス賦活処理した炭素材に比べ、最大で34.8F/
cm3、最小でも23.6F/cm3大きかった(46〜76%の増加で
あった)。窒素中の加熱処理温度は650〜850℃の広い温
度範囲で有効であった。
(実施例5;乾留炭B、窒素中の加熱の温度依存性) 乾留炭Bを原料とする6種類の試料(各15g)それぞ
れ550℃の温度に加熱し、窒素1.0L/minに塩素0.1L/min
を混合したガスを流し込み塩素化した'120分)。次に、
窒素ガス気流下(3L/min)6種類の試料それぞれを、
600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100
℃の温度で15分間加熱処理した。更に、水蒸気を含む窒
素ガスを700℃の温度の炉(炉内の水蒸気濃度は約85容
量%)に流し、15分間加熱処理し、塩素を脱離させた。
6種類の試料の静電容量は、放電電流が4mA/cm2のと
き、67.5F/cm3、82.0F/cm3、78.0F/cm3、71.0F
/cm3、64.0F/cm3、57.5F/cm3であった。
実施例5の塩素処理した炭素材の静電容量は、比較例
1の炭酸ガス賦活処理した炭素材に比べ、最大で36.3F/
cm3、最小でも6.1F/cm3大きかった(12〜79%の増加で
あった)。窒素中の加熱処理温度は600〜1100℃の広い
温度範囲で有効であった。
(実施例6;乾留炭B,臭素処理) 乾留炭B(各15g)を、8wt%の臭素ガスを含む窒素ガ
ス気流(1L/min)下、試料は500℃で3時間、試料
は600℃で2時間、試料は700℃で1時間、それぞれ加
熱して臭素化処理を行った。次に、各試料を窒素ガス気
流(3L/min)下、800℃の温度で30分間加熱し、さらに
室温で水蒸気を飽和させた窒素ガスを流して15分間加熱
し、脱臭素処理を行った。この臭素処理炭を微粉砕し、
炭素電極を作製し、静電容量を測定した結果、放電電流
が4mA/cm2のとき、74.3F/cm3、70.6F/cm3、65.6F
/cm3であった。
実施例6の臭素処理した炭素材の静電容量は、比較例
1の炭酸ガス賦活処理した炭素材に比べ、最大で28.6F/
cm3、最小でも14.2F/cm3大きかった(28〜63%の増加で
あった)。臭素処理でも効果があった。
比較例1〜2、実施例1〜6の結果を表2に示す。ま
た、これら実施例と比較例の静電容量を対比するグラフ
を図5に示す。
(比較例3;塩素処理なし、成型体) 乾留炭Bを700℃の温度で再度乾留したものを原料乾
留炭とした。乾留炭を粉砕し、結合剤を加えて成型し、
炭化処理した。100℃/hの昇温速度で加熱し、試料で
は600℃、試料では800℃、試料では1000℃、試料
では1200℃の温度に30分間保持して炭化処理をした。得
られた成型体炭素の形状は良好であった。これらの成型
体炭素材から電極を作製し静電容量を測定した結果、放
電電流が300mA/cm2のとき、9.5F/cm3、21.4F/cm3
19.5F/cm3、11.8F/cm3であった。
(実施例7;塩素処理、粉末品) 乾留炭Bを700℃の温度で再度乾留したものを原料乾
留炭とした。図1の製造工程にしたがい、乾留炭15g
に、10容量%の塩素ガスを含む窒素ガス気流下(1L/mi
n)600℃の温度で60分間加熱した塩素化処理を行った。
つぎに、窒素ガス気流下(3L/min)での加熱の温度を、
試料では600℃、試料では800℃、試料では1000
℃、試料では1100℃とした。さらに、室温で水蒸気を
飽和させた窒素ガス700℃の温度の温度の炉に流し15分
間加熱し、脱塩素処理をした。これらの炭素材を粉砕
し、前記の方法にしたがい電極を作製した。ただし、本
実施例においては電極の形状は、直径14mmで厚さは1mm
とした。静電容量を測定した結果、放電電流が300mA/cm
2のとき、22.5F/cm3、26.5F/cm3、25.5F/cm3,2
2.4F/cm3であった。
(実施例8;成型体、塩素処理、塩素化処理の温度の影
響) 乾留炭Bを700℃の温度で再度乾留したものを原料乾
留炭とした。図2の製造工程にしたがい、乾留炭を粉砕
し、結合剤を加えて成型処理した。窒素ガス気流(1L/m
in)下、100℃/hの速度で加熱し700℃に30分間保持して
炭化処理をおこなった。この炭化処理した成型体に、塩
素ガス10容量%を含む窒素ガス気流(1L/min)下、試料
では500℃、試料では600℃、試料では7000℃、試
料では800℃で60分間加熱して塩素化処理を行った。
つぎに、窒素ガス気流下(1L/min)900℃で30分間加熱
し、さらに、室温で水蒸気を飽和させた窒素ガスを700
℃の温度の炉に流して15分間加熱し、脱塩素処理をし
た。成型体は良好な形状であった。これらから電極を作
製し、静電容量を測定した結果、放電電流が300mA/cm2
のとき、38.0F/cm3、36.5F/cm3、35.0F/cm3、3
2.5F/cm3であった。
なお、炭化処理における昇温速度を、550℃/hとする
と、成型体が変形したりひび割れが生じたりした。500
℃/h以下の昇温速度であれば、良好な形状が得られた。
(実施例9;成型体、塩素処理、窒素ガス気流下の加熱温
度の影響) 乾留炭Bを700℃の温度で再度乾留したものを原料乾
留炭とした。図2の製造工程に従い、乾留炭を粉砕し、
結合剤を加えて、成型処理した。窒素ガス気流(1L/mi
n)下、200℃/hの速度で加熱し700℃に40分間保持して
炭化処理をおこなった。この炭化処理した成型体に、塩
素ガス10容量%を含む窒素ガス気流(1L/min)下、600
℃の温度で60分間加熱して塩素化処理を行った。つぎ
に、窒素ガス気流(1L/min)下での加熱を、試料では
600℃、試料では800℃、試料では1000℃、試料で
は1100℃の温度で30分間行い、さらに、室温で水蒸気を
飽和させた窒素ガスを700℃の温度の炉に流して15分間
加熱し、脱塩素処理をした。成型体は良好な形状であっ
た。これらから電極を作製し、静電容量を測定した。結
果は、放電電流が300mA/cm2のとき、30.5F/cm3、3
9.0F/cm3、33.6F/cm3、30.6F/cm3であった。
(実施例10;乾留炭B、成型体、臭素処理) 乾留炭Bを700℃の温度で再度乾留したものを原料乾
留炭とした。乾留炭を微粉砕し、結合剤を加えて成型し
た。成型品を窒素ガス気流(1L/min)下、100℃/hの昇
温速度で加熱し、700℃の温度で30分間保持して炭化処
理を行った。次に、8wt%の臭素ガスを含む窒素ガス気
流下(1L/min)で、試料では500℃、試料では700
℃、試料では500℃、および試料では500℃の温度で
それぞれ60分間加熱して臭素化処理を行った。つぎに、
窒素ガス気流(1L/min)下で、試料では850℃、試料
では850℃、試料では750℃、および試料では1100
℃の温度で加熱した。さらに、室温で水蒸気を飽和させ
た窒素ガスを700℃の温度の炉に流して15分間加熱し、
脱臭素処理をした。成型体は良好な形状であった。これ
らから電極を作製し、静電容量を測定した結果、放電電
流が300mA/cm2のとき、39.0F/cm3、34.4F/cm3、3
8.2F/cm3、30.3F/cm3であった。
(実施例11;乾留炭C、成型体) 乾留炭Cを粉砕し、結合剤を加えて成型した。図2の
工程に従い、窒素ガス気流(1L/min)下、昇温速度200
℃/hで550℃まで昇温し、550℃に30分間保持して炭化処
理した。この炭化処理成型体を、塩素ガス10容量%を含
む窒素ガス気流(1L/min)下、試料では650℃、試料
では800℃、試料では550℃、および試料では550
℃の温度でそれぞれ60分間加熱して塩素化処理を施し
た。つぎに、窒素ガス気流(1L/min)下での加熱を、試
料では950℃、試料では950℃、試料では850℃、
試料では1050℃の温度でそれぞれ30分間おこない、さ
らに、室温で水蒸気を飽和させた窒素ガスを690℃の温
度の温度の炉に流して20分間加熱し、脱塩素処理をおこ
なった。四つの試料から電極を作製した。静電容量を測
定した結果、放電電流が300mA/cm2、35.4F/cm3、3
0.5F/cm3、38.5F/cm3、30.7F/cm3であった。
(実施例12;乾留炭A、成型体) 乾留炭Aを微粉砕し、結合剤を加えて成型した。窒素
ガス気流(1L/min)下150℃/hの昇温速度で加熱し、600
℃の温度で30分間保持して炭化処理した。塩素ガス10容
量%を含む窒素ガス気流(1L/min)下、試料とは60
0℃、試料は700℃の温度で60分間加熱して塩素化処理
をした。次に、窒素ガス気流(1L/min)下で、試料は
800℃、試料とは1100℃の温度で加熱し、さらに、
室温で水蒸気を飽和させた窒素ガスを700℃の温度の炉
に流して15分間加熱し、脱塩素処理した。
得られた成型体の形状は良好であった。これから電極
を作製し、静電容量を測定した結果、放電電流が300mA/
cm2のとき、試料は34.2F/cm3、試料は31.2F/cm3
試料は30.8F/cm3であった。
(実施例13;乾留炭D、成型体) 乾留炭Dを微粉砕し、結合剤を加えて成型した。窒素
ガス気流(1L/min)下、100℃/hの昇温速度で加熱し、6
00℃の温度で30分間保持して炭化処理した。炭化された
成型体を10容量%の塩素ガスを含む窒素ガス気流(1L/m
in)下、650℃の温度で60分間加熱して塩素化処理し
た。次に、窒素ガス気流(1L/min)下で、試料は700
℃、試料は1050℃の温度で加熱し、さらに、室温で水
蒸気を飽和させた窒素ガスを炉に流して加熱し、脱塩素
処理を行った。これから電極を作製し、静電容量を測定
したところ、放電電流が300mA/cm2のとき、試料は35.
7F/cm3、試料は32.8F/cm3であった。
比較例3と実施例7から13の結果を表3にまとめて示
す。また、これら実施例と比較例の静電容量を対比する
グラフを図6に示す。
表3から明らかなように、乾留炭を粉砕し結合剤を加
えて成型し、炭化処理した炭素材の静電容量(比較例
3)は9.5〜21.4F/cm3である。乾留炭を塩素処理したの
ち粉砕しペースト状にした場合の静電容量(実施例7)
は22.4〜26.5F/cm3であり、比較例3に対し静電容量は
最大で17.0F/cm3、最小でも2.0F/cm3大きかった。9〜1
78%増であった。また、成型し炭化処理したのちハロゲ
ン処理をほどこした炭素材の静電容量(実施例8〜13)
は30.3〜39.0F/cm3であり、比較例3に対し静電容量は
最大で29.5F/cm3、最小でも8.9F/cm3大きかった。43〜4
10%増であった。
産業上の利用可能性 以上説明したように、本発明によれば乾留炭をハロゲ
ン化し、その後に脱ハロゲン処理を施すことにより、優
れた静電容量を有する、電気二重層キャパシタ用炭素電
極に好適な炭素材が得られる。さらに本発明の電気二重
層キャパシタ用炭素電極の製造方法によれば、炭素の損
失が少ないので、高い収率で電気二重層キャパシタ用炭
素材を製造できる。
また、本発明によれば、乾留炭を粉砕し、結合剤を加
えて成型し、炭化処理を行い、炭化された成型体にハロ
ゲン処理を施すことにより形状が良好で、急速放電にお
ける静電容量が大きな電気二重層キャパシタ用炭素材が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 章寛 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (72)発明者 丸茂 信一 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (72)発明者 宮川 俊哉 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (72)発明者 安達 忠男 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−18986(JP,A) 特開 昭62−292612(JP,A) 特開 平8−279358(JP,A) 特開 平8−268773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/058

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾留炭をハロゲンガスに接触させてハロゲ
    ン化乾留炭を得るハロゲン化処理の工程と、該ハロゲン
    化乾留炭中のハロゲンの一部または全部を脱離させる脱
    ハロゲン処理の工程とを備えたことを特徴とする電気二
    重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ハロゲンガスが、塩素および臭素から
    なる群から選ばれる少なくとも一種のハロゲンを含有す
    ることを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気二重層
    キャパシタ用炭素材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ハロゲン化処理が、不活性ガスで希釈
    したハロゲンガス中350〜1000℃の温度で加熱する処理
    であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気二
    重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記脱ハロゲン処理が、減圧下500〜1200
    ℃の温度で加熱する処理であることを特徴とする請求の
    範囲第1項記載の電気二重層キャパシタ用炭素材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記脱ハロゲン処理が、不活性ガス中500
    〜1200℃の温度で加熱する処理であることを特徴とする
    請求の範囲第1項記載の電気二重層キャパシタ用炭素材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記乾留炭が、やし殻、フェノール樹脂、
    フラン樹脂、および塩化ビニリデン樹脂からなる群より
    選ばれる少なくとも一つを乾留して得られた乾留炭であ
    ることを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気二重層
    キャパシタ用炭素材の製造方法。
  7. 【請求項7】前記脱ハロゲン処理が、不活性ガスで希釈
    した水素化合物ガス中600〜850℃の温度で加熱する処理
    であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気二
    重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
  8. 【請求項8】前記水素化合物が、水および低級炭化水素
    からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有
    することを特徴とする請求の範囲第7項記載の電気二重
    層キャパシタ用炭素材の製造方法。
  9. 【請求項9】前記ハロゲン化処理の前に、乾留炭を粉砕
    し、結合剤を加えて成型体とする成型処理の工程と、該
    成型体を不活性ガス雰囲気で加熱する炭化処理の工程と
    を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気
    二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
  10. 【請求項10】前記結合剤が、フェノール樹脂粉末、有
    機溶剤および親油性溶剤を含有した組成物であることを
    特徴とする請求の範囲第9項記載の電気二重層キャパシ
    タ用炭素材の製造方法。
  11. 【請求項11】前記炭化処理が、20〜500℃/hの速度で
    昇温し、400〜1000℃の温度で加熱する工程を備えた処
    理であることを特徴とする請求の範囲第9項記載の電気
    二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
  12. 【請求項12】請求の範囲第1項記載の製造方法によっ
    て得られたキャパシタ用炭素材を粉砕し、この粉砕した
    炭素材に硫酸を加えて混練して得られたことを特徴とす
    る電気二重層キャパシタ用炭素電極。
  13. 【請求項13】請求の範囲第9項記載の製造方法によっ
    て得られたキャパシタ用炭素材に硫酸を含浸して得られ
    たことを特徴とする電気二重層キャパシタ用炭素電極。
  14. 【請求項14】電解質イオンとして硫酸イオンを用い
    て、540mVから360mVで4mA/cm2の定電流放電したときの
    静電容量が55〜85F/cm3であることを特徴とする請求の
    範囲第12項記載の電気二重層キャパシタ用炭素電極。
  15. 【請求項15】電解質イオンとして硫酸イオンを用い
    て、540mVから360mVまで300mA/cm2の定電流放電したと
    きの静電容量が30〜50F/cm3であることを特徴とする請
    求の範囲第13項記載の電気二重層キャパシタ用炭素電
    極。
  16. 【請求項16】請求の範囲第14項記載の炭素電極を有す
    る電気二重層キャパシタ。
  17. 【請求項17】請求の範囲第15項記載の炭素電極を有す
    る電気二重層キャパシタ。
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