JP3188247B2 - 単管フープ足場及びその仮設工法 - Google Patents

単管フープ足場及びその仮設工法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、橋梁や高架道路におい
て、コンクリート製地覆部の補修と高欄の交換を行うた
めの仮設足場としての単管フープ足場に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、橋梁や高架道路の補修を行う場合
には、片側交互交通として道路規制を行い、コンクリー
ト製地覆部の補修と高欄の交換を行うための仮設足場を
組み立て、この補修工事を行うようにしている。この補
修工事は、仮設足場の施工方法が複雑であり、かつ仮設
足場の組立てに施工日数を要すると共に、足場組立作業
員の安全性が低いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、補修工事の
ための仮設足場の施工方法が単純であり、かつ仮設足場
の組立ての施工日数が少なく、かつ足場組立作業員の安
全性が高い仮設足場である単管フープ足場を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために、本発明の単管フープ足場は、橋梁又は高架
道路のコンクリート製地覆部及び高欄を囲むように支柱
単管パイプ、屋根単管パイプ、側柱単管パイプ、足場単
管パイプを組み立てて略正方形の単管フープ足場枠を形
成し該単管フープ足場枠の支柱単管パイプに溶接され
た第一ベースプレートを橋梁又は高架道路の路面上にア
ンカーボルトにより固定し、該単管フープ足場枠の足場
単管パイプに溶接された第二ベースプレートを橋梁又は
高架道路の地覆部の側面下部にアンカーボルトにより固
定し、橋梁又は高架道路の地覆部に沿って等間隔に多数
配置固定すると共に、各単管フープ足場枠同士を橋梁又
は高架道路方向に沿って長尺単管パイプにより相互連結
するものである。また、支柱単管パイプ及び足場単管パ
イプには支柱補強板及び足場補強板が一体溶接されて補
強されているものである。そして、本発明の単管フープ
足場の仮設工法は、橋梁又は高架道路のコンクリート製
地覆部及び高欄を囲むように支柱単管パイプ、屋根単管
パイプ、側柱単管パイプ、足場単管パイプを組み立てて
略正方形の単管フープ足場枠を形成し、橋梁又は高架道
路の路面上にアンカー打ち込み位置をマーキングし、そ
のマーク位置にハンマードリルによりアンカーボルト打
ち込み削孔を明け、該削孔にアンカーボルト用急硬定着
材を水に浸して挿入し、先端を45゜に切断したアンカ
ーボルトをハンマードリルで打ち込み、養生後、前記ア
ンカーボルトに支柱単管パイプの第一ベースプレートの
アンカーボルト穴を嵌合してナットで締付け固定すると
共に、地覆部に地覆バンドを被覆固定し、地覆バンドの
鎖を介して足場単管パイプの第二ベースプレートを支持
して単管フープ足場枠を仮固定し、このようにして仮固
した単管フープ足場枠を橋梁又は高架道路に沿って等
間隔に多数配置固定し、各単管フープ足場枠間に足場板
及び手摺を取り付け、次に、前記第二ベースプレートの
アンカーボルト穴からコンクリート床版にハンマードリ
ルでアンカーボルト削孔を明け、該削孔に樹脂系接着剤
を挿入し、先端を45゜に切断したアンカーボルトをハ
ンマードリルで打ち込み、第二ベースプレートから突き
出ているアンカーボルトをナットで締付け第二ベースプ
レートを地覆部の側面下部に固定し、地覆バンドを撤去
するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】まず、橋梁又は高架道路のコンク
リート製地覆部及び高欄を囲むように支柱単管パイプ、
屋根単管パイプ、側柱単管パイプ、足場単管パイプを組
み立てて略正方形の単管フープ足場枠を形成し、道路の
地覆部内側より1mの所に仮設の防護柵を地覆部の高欄
と平行に設置し、地覆部の上面に単管フープ足場枠の取
付位置をマーキングする。つぎに、支柱単管パイプの
一ベースプレートのアンカーボルト穴と同じ穴を形成し
た定規により、そのマーク位置で橋梁又は高架道路の路
面上にアンカー打ち込み位置をマーキングし、そのマー
ク位置にハンマードリルによりアスファルト舗装の厚さ
50〜80mm、コンクリート部分100mm以上のアンカ
ーボルト打ち込み削孔を明ける。そして、該削孔にアン
カーボルト用急硬定着材を水に浸して挿入し、先端を4
5゜に切断したアンカーボルトをハンマードリルで打ち
込み、安定させるために約1日養生する。養生後、前記
アンカーボルトに第一ベースプレートのアンカーボルト
穴を嵌合してナットで締付け固定すると共に、地覆部に
地覆バンドを被覆固定し、地覆バンドの鎖を介して足場
単管パイプの第二ベースプレートを支持し、単管フープ
足場枠を一応形成し、さらに必要ならば、支柱単管パイ
プ及び屋根単管パイプに筋かいを渡して単管フープ足場
枠の強度を高める。このようにして、単管フープ足場枠
を橋梁又は高架道路に沿って等間隔に固定し、各単管フ
ープ足場枠間に足場板及び手摺を取り付ける。次に、足
場板上の安全な場所で、第二ベースプレートのアンカー
ボルト穴からコンクリート床版にハンマードリルでアン
カーボルト削孔を明け、該削孔に樹脂系接着剤を挿入
し、先端を45゜に切断したアンカーボルトをハンマー
ドリルで打ち込み、第二ベースプレートから突き出てい
るアンカーボルトをナットで締付け第二ベースプレート
を地覆部の側面下部に固定する。その後、樹脂系接着剤
が硬化したら、地覆バンドを取り外し、安全ネット及び
シート屋根を取り付けて単管フープ足場の仮設作業が完
了する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。本発明の単管フープ足場1は、図1に示すよ
うに、橋梁又は高架道路のコンクリート製地覆部2及び
高欄3を囲むように支柱単管パイプ6、屋根単管パイプ
15、側柱単管パイプ25、足場単管パイプ9を組み立
てて略正方形の単管フープ足場枠4を形成し該単管フ
ープ足場枠4を橋梁又は高架道路の地覆部2に等間隔に
多数配置固定し、各単管フープ足場枠4同士を橋梁又は
高架道路方向に沿って長尺単管パイプ5により相互連結
することにより形成される。また、前記単管フープ足場
枠4は、支柱単管パイプ6に溶接された第一ベースプレ
ート7を橋梁又は高架道路の路面上にアンカーボルト8
により固定され、足場単管パイプ9に溶接された第二ベ
ースプレート10を橋梁又は高架道路の地覆部2の側面
下部にアンカーボルト8により固定される。
【0007】前記単管フープ足場枠4は、図1のA部拡
大側面図である図2に示すように、支柱単管パイプ6
と、該支柱単管パイプ6に沿って該支柱単管パイプ6を
補強するための支柱補強板11を一体溶接し、両者の下
端を第一ベースプレート7に溶接固定し、さらに該第一
ベースプレート7を橋梁又は高架道路の路面上にアンカ
ーボルト8により固定する。なお、アンカーボルト8
は、全面にネジを形成し、後端にナットを螺合し先端を
約45度の角度で切断して、橋梁又は高架道路の路面上
のアスファルト舗装12からコンクリート床版13に到
達する長さのものが用いられる。
【0008】道路側から見た正面図である図3に示すよ
うに、前記支柱補強板11は、支柱単管パイプ6の中央
に位置し、かつ支柱単管パイプ6に沿って設けられてお
り、支柱単管パイプ6の下端に溶接された第一ベースプ
レート7は支柱単管パイプ6の幅よりアンカーボルト8
の分だけ幅が広く形成されている。
【0009】また、上方から見た平面図である図4に示
すように、第一ベースプレート7は長方形をなし、四隅
にアンカーボルト8を挿入するアンカーボルト穴14が
形成されると共に、支柱補強板11で補強された支柱単
管パイプ6は第一ベースプレート7の中心より道路側と
反対側に偏って、すなわち支柱補強板11が道路側に面
して第一ベースプレート7に溶接固定される。
【0010】さらに、単管フープ足場枠4の強度が足り
ない場合には、図5の一部拡大側面図に示すように、支
柱単管パイプ6の上部に、屋根単管パイプ15の中央部
と連結する筋かい16を接続クランプ17により連結し
て単管フープ足場枠4を補強し、接続クランプ17の位
置する部分の支柱補強板11には切欠き部18を設けて
接続クランプ17が係合固定できるようにする。
【0011】次に、前記単管フープ足場枠4は、図1の
B部拡大側面図である図6に示すように、足場単管パイ
プ9と、該足場単管パイプ9の下面に沿って該足場単管
パイプ9を補強するための根太補強板19を溶接固定
し、両者の左端を第二ベースプレート10に溶接固定
し、さらに該第二ベースプレート10を橋梁又は高架道
路の地覆部2の側面下部にアンカーボルト8により固定
する。なお、アンカーボルト8は、全面にネジを形成
し、後端にナットを螺合し先端を約45度の角度で切断
して、橋梁又は高架道路の地覆部2の側面下部のコンク
リート床版13に固定する所定長さのものが用いられ
る。
【0012】道路と反対側から見た背面図である図7に
示すように、前記根太補強板19は、足場単管パイプ9
の下面中央に位置し、かつ第二ベースプレート10の下
端部までの幅を有し、足場単管パイプ9の左端に溶接さ
れた第二ベースプレート10は、足場単管パイプ9が溶
接された個所から上辺に向かって長方形のベースプレー
ト補強板20を溶接固定して、該ベースプレート補強板
20を挟んで第二ベースプレート10両側にアンカーボ
ルト8が挿入されるアンカーボルト穴14が4個形成さ
れる。
【0013】そして、仮設足場枠の仮設工事の初期にお
いては、図8に示すように、断面L字型アルミ枠をコン
クリート製地覆部2の断面形状に一致するようにコ字形
に溶接して地覆バンド21を形成し、該地覆バンド21
を道路側のボルトナット22の締付けにより地覆部2に
締付け固定し、一方、反対側に設けた鎖23に第二ベー
スプレート10のベースプレート補強板20の穴に前記
鎖23を嵌合させて足場単管パイプ9を仮支持するよう
になっている。したがって、第二ベースプレート10を
地覆部2の側面下部にアンカーボルト8により固定した
後は、上記地覆バンド21はコンクリート製地覆部2か
ら撤去される。
【0014】このようにして、橋梁又は高架道路に沿っ
て等間隔に仮設された単管フープ足場枠4には、図8に
示すように、足場単管パイプ9間に足場板24が渡され
ると共に、側柱単管パイプ25間に手摺26が渡され接
続クランプ17で固定され、さらに側柱単管パイプ25
及び足場単管パイプ9の外面全体を安全ネット27で覆
う。さらに、図1に示すように、屋根単管パイプ15間
には、建築用防炎シート28を掛け渡し、該防炎シート
28の両端を長尺単管パイプ5に止め紐29で固定す
る。
【0015】次に、本発明の単管フープ足場の仮設作業
の施工方法について述べると、まず、道路の地覆部2内
側より1mの所に仮設の防護柵(例えば、H型鋼の平板部
にガードレールを固定したもの。)を地覆部2の高欄3
と平行に設置し、地覆部2の上面に単管フープ足場枠4
の取付位置をマーキングする。第一ベースプレート7の
アンカーボルト穴14と同じ穴を形成した定規により、
そのマーク位置で橋梁又は高架道路の路面上にアンカー
打ち込み位置をマーキングし、そのマーク位置にハンマ
ードリルによりアスファルト舗装12の厚さ50〜80
mm、コンクリート床版13部分100mm以上のアンカー
ボルト打ち込み削孔を明ける。そして、該削孔にアンカ
ーボルト用急硬定着材、例えば電気化学工業(株)のデ
ンカクイックカプセルを水に浸して挿入し、先端を45
゜に切断したアンカーボルト8をハンマードリルで打ち
込み、固定させるために約1日養生する。なお、先端を
45゜に切断したアンカーボルト8を使用するのは、急
硬定着材の撹拌を円滑にするためである。
【0016】養生後、前記アンカーボルト8に第一ベー
スプレート7のアンカーボルト穴14を嵌合してナット
で締付け固定すると共に、地覆部2に地覆バンド21を
被覆固定し、地覆バンド21の鎖23を介して第二ベー
スプレート10を支持し、単管フープ足場枠4を一応形
成する。さらに必要ならば、支柱単管パイプ6及び屋根
単管パイプ15に筋かい16を渡して単管フープ足場枠
4の強度を高める。このようにして、単管フープ足場枠
4を橋梁又は高架道路に沿って等間隔に固定し、各単管
フープ足場枠4間に足場板24及び手摺26を取り付け
る。
【0017】次に、足場板24上の安全な場所で、第二
ベースプレート10のアンカーボルト穴14からコンク
リート床版13にハンマードリルでアンカーボルト8削
孔を明ける。そして、該削孔に樹脂系接着剤、例えば樹
脂カプセルアンカ旭化成ケミカルセッターを挿入し、先
端を45゜に切断したアンカーボルト8をハンマードリ
ルで打ち込み、第二ベースプレート10から突き出てい
るアンカーボルト8をナットで締付け第二ベースプレー
ト10を地覆部2の側面下部に固定する。
【0018】その後、樹脂系接着剤が硬化したら、地覆
バンド21を取り外し、安全ネット27及び防炎シート
28を取り付けて単管フープ足場1の仮設作業が完了す
る。
【0019】
【効果】このように、本発明の単管フープ足場は、補修
工事のための仮設足場の施工方法が単純であり、かつ仮
設足場の組立ての施工日数が少なく、かつ足場組立作業
員の安全性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単管フープ足場の側面図である。
【図2】本発明の単管フープ足場のA部拡大側面図であ
る。
【図3】本発明の単管フープ足場のA部拡大正面図であ
る。
【図4】本発明の単管フープ足場のA部拡大平面図であ
る。
【図5】本発明の単管フープ足場の一部拡大側面図であ
る。
【図6】本発明の単管フープ足場のB部拡大側面図であ
る。
【図7】本発明の単管フープ足場のB部拡大背面図であ
る。
【図8】本発明の単管フープ足場の地覆バンドを取付け
た状態の一部拡大側面図である。
【符号の説明】
1 単管フープ足場 2 地覆部 3 高欄 4 単管フープ足場枠 5 長尺単管パイプ 6 支柱単管パイプ 7 第一ベースプレート 8 アンカーボルト 9 足場単管パイプ 10 第二ベースプレート 11 支柱補強板 12 アスファルト舗装 13 コンクリート床版 14 アンカーボルト穴 15 屋根単管パイプ 16 筋かい 17 接続クランプ 18 切欠き部 19 根太補強板 20 ベースプレート補強板 21 地覆バンド 22 ボルトナット 23 鎖 24 足場板 25 側柱単管パイプ 26 手摺 27 安全ネット 28 防炎シート 29 止め紐

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁又は高架道路のコンクリート製地覆
    部及び高欄を囲むように支柱単管パイプ、屋根単管パイ
    プ、側柱単管パイプ、足場単管パイプを組み立てて略正
    方形の単管フープ足場枠を形成し該単管フープ足場枠
    支柱単管パイプに溶接された第一ベースプレートを橋
    梁又は高架道路の路面上にアンカーボルトにより固定
    し、該単管フープ足場枠の足場単管パイプに溶接された
    第二ベースプレートを橋梁又は高架道路の地覆部の側面
    下部にアンカーボルトにより固定し、橋梁又は高架道路
    の地覆部に沿って等間隔に多数配置固定すると共に、各
    単管フープ足場枠同士を橋梁又は高架道路方向に沿って
    長尺単管パイプにより相互連結することを特徴とする単
    管フープ足場。
  2. 【請求項2】 支柱単管パイプ及び足場単管パイプには
    支柱補強板及び足場補強板が一体溶接されて補強されて
    いることを特徴とする請求項1記載の単管フープ足場。
  3. 【請求項3】 橋梁又は高架道路のコンクリート製地覆
    部及び高欄を囲むように支柱単管パイプ、屋根単管パイ
    プ、側柱単管パイプ、足場単管パイプを組み立てて略正
    方形の単管フープ足場枠を形成し、 橋梁又は高架道路の路面上にアンカー打ち込み位置をマ
    ーキングし、そのマーク位置にハンマードリルによりア
    ンカーボルト打ち込み削孔を明け、該削孔にアンカーボ
    ルト用急硬定着材を水に浸して挿入し、先端を45゜に
    切断したアンカーボルトをハンマードリルで打ち込み、 養生後、前記アンカーボルトに支柱単管パイプの第一ベ
    ースプレートのアンカーボルト穴を嵌合してナットで締
    付け固定すると共に、地覆部に地覆バンドを被覆固定
    し、地覆バンドの鎖を介して足場単管パイプの第二ベー
    スプレートを支持して単管フープ足場枠を仮固定し、 このようにして仮固定した単管フープ足場枠を橋梁又は
    高架道路に沿って等間隔に多数配置固定し、各単管フー
    プ足場枠間に足場板及び手摺を取り付け、 次に、前記第二ベースプレートのアンカーボルト穴から
    コンクリート床版にハンマードリルでアンカーボルト削
    孔を明け、該削孔に樹脂系接着剤を挿入し、先端を45
    ゜に切断したアンカーボルトをハンマードリルで打ち込
    み、第二ベースプレートから突き出ているアンカーボル
    トをナットで締付け第二ベースプレートを地覆部の側面
    下部に固定し、地覆バンドを撤去することを特徴とする
    単管フープ足場の施工方法。
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