JP3187569B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いたps版 - Google Patents

感光性樹脂組成物及びこれを用いたps版

Info

Publication number
JP3187569B2
JP3187569B2 JP32479992A JP32479992A JP3187569B2 JP 3187569 B2 JP3187569 B2 JP 3187569B2 JP 32479992 A JP32479992 A JP 32479992A JP 32479992 A JP32479992 A JP 32479992A JP 3187569 B2 JP3187569 B2 JP 3187569B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
resin composition
plate
compound
chem
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32479992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06148885A (ja
Inventor
博司 駒野
武 岩井
勝行 大田
俊身 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd filed Critical Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority to JP32479992A priority Critical patent/JP3187569B2/ja
Priority to GB9322792A priority patent/GB2273101B/en
Priority to DE19934338437 priority patent/DE4338437C2/de
Publication of JPH06148885A publication Critical patent/JPH06148885A/ja
Priority to US08/889,566 priority patent/US6010824A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3187569B2 publication Critical patent/JP3187569B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルゴンイオンレーザ
ー等の可視光により硬化可能な、高感度の感光性樹脂組
成物及びこれを用いたPS版に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ等電子デバイス技術
の発達により、印刷業の分野でもFA化が進み、原稿や
画像データの入力、編集、校正から製版までが一括して
行えるようになった。上記製版においては、レーザービ
ームを用いて直接描画する方法が採用され、このレーザ
ービームとしては可視領域の範囲にある488nmの波
長を持つアルゴンイオンレーザーが好適に用いられてい
る。このため、可視光線に対して感光性を有する樹脂組
成物の開発が望まれ、例えば特開昭63−260909
号、特開平1−105238号、特開平1−20341
3号、特開平1−203414号、特開平2−1714
号、特開平2−73813号、特開平2−127404
号、特開平3−239703号の各公報に記載されるよ
うに種々提案されている。
【0003】上記技術のうち、特開昭63−26090
9号、特開平1−105238号、特開平1−2034
13号、特開平1−203414号、特開平2−171
4号、特開平2−73813号の各公報はいずれも光重
合開始剤としてアクリジン及びトリハロメチル基含有ト
リアジンを使用している。また、特開平2−12740
4号及び特開平3−239703号公報では上記光重合
開始剤に加えてメタロセン化合物を使用している。
【0004】一方、平版印刷版に使用するに好適なPS
版(Pre-Sensitized Plate)については、図1に示すよ
うに粗面化したアルミニウム基板1上を陽極酸化処理し
て酸化被膜2を形成し、この表面を親水化した後、感光
性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層3を形成する技術
が知られている。また、必要に応じてこの上に酸素の遮
断を目的としたオーバーコート層4を設けることもあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のPS版等は、エ
ネルギーの高い紫外線等によって露光する場合には、原
版フィルムを使用する必要があるため、このフィルム自
身の精度の問題、及びフィルムと感光性樹脂層との密着
不全による精度不良の問題等があった。一方、レーザー
光を用いる場合には原版フィルムは使用せず直接スキャ
ニングを行うため上記の問題は発生しない。しかし、高
エネルギーを有する低波長レーザーは寿命が短いため実
用上問題がある。また比較的長波長のアルゴンイオンレ
ーザー等はエネルギーが低いため高感度の感光性樹脂組
成物を使用する必要があり、このような感光性樹脂組成
物の出現が望まれていた。
【0006】しかし、上述の各公報に記載のアクリジン
及びトリハロメチル基含有トリアジンを用いる技術では
アルゴンイオンレーザーに対する感度が不十分であり、
露光時間の長大化、硬化不良による精度低下等の問題は
未解決のままであった。また、特開平2−127404
号公報に記載のメタロセン化合物を併用する技術につい
ても、感度、密着性、現像性、パターン形状の全てを満
足するものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め本発明の感光性樹脂組成物は、高分子バインダー、多
官能モノマー及び光重合開始剤を含有する感光性樹脂組
成物であって、光重合開始剤としてチタノセン化合物並
びに下記(化1)、(化2)及び/又は(化3)に記載
のトリアジン化合物(但し、R1、R2は夫々独立して水
素原子又はメチル基を表し、R3は炭素数1乃至3のア
ルキル基を表す。)を使用する。また前記光重合開始剤
として、更にアクリジン化合物を併用してもよい。
【0008】
【化1】
【化2】
【化3】
【0009】また本発明のPS版は、機械的研磨及び電
解研磨により粗面化され、更に陽極酸化被膜処理及びこ
れに続く親水化処理を施されたアルミニウム基板上に感
光性樹脂層が形成されているPS版であって、感光性樹
脂層として上記本発明の感光性樹脂組成物を塗布して形
成する。この感光性樹脂層の上には、更にポリビニルア
ルコールを主成分とする酸素遮断用のオーバーコート層
を設けることが好ましい。
【0010】本発明の感光性樹脂組成物は、光重合開始
剤として(化1)、(化2)及び/又は(化3)に記載
の特殊なトリハロメチル基含有トリアジン化合物を用
い、且つチタノセン化合物を併用することによって可視
光に対する感度を改良し、アルゴンイオンレーザーによ
る硬化を十分可能としたものである。またこの組成物を
用いたPS版はアルゴンイオンレーザーを用いて焼き付
けを行えるため、原版フィルムが不要である。従って焼
き付け精度がよく、また製版工程数を減らすことができ
る。
【0011】本発明の感光性樹脂組成物に使用する高分
子バインダーは、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アク
リレート等の芳香族水酸基を有するモノマー、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族水酸基を
有するモノマー、(置換)アルキル(メタ)アクリレー
ト類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、
ビニルエステル類、ビニルケトン類、スチレン等のアル
キレン基置換芳香族類、オレフィン類、(メタ)アクリ
ロニトリル類、或いはアクリル酸等の不飽和二重結合を
有するモノマーの一種又は数種を重合又は共重合させた
ものである。
【0012】上記モノマーにカルボン酸等の有機酸を付
加させることによってアルカリ現像可能なバインダーと
することができる。この場合、形成される高分子バイン
ダーの酸価は100〜150が好ましく、平均分子量は
10,000〜20,000が好ましい。また高分子バ
インダーが水酸基又はカルボン酸基を有する場合は、グ
リシジル(メタ)アクリレート等で修飾して、更に不飽
和二重結合を付加させてもよい。
【0013】上記高分子バインダーとして特に好ましい
モノマーの組み合わせとしては、メタクリル酸/メチル
メタクリレート/ベンジルメタクリレート/ヒドロキシ
フェニルメタクリレートの組み合わせ、メタクリル酸/
メチルメタクリレート/スチレン/ヒドロキシフェニル
メタクリレートの組み合わせ等が挙げられる。
【0014】また架橋剤としての多官能モノマーとして
は、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
トリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサメタクリレート、カルドエポキシジアクリレ
ート等が用いられる。
【0015】本発明の光重合開始剤としては前記の通り
チタノセン化合物並びに(化1)、(化2)及び/又は
(化3)のトリアジン化合物が用いられる。チタノセン
化合物は可視光域での感光性を高分子バインダーに付与
することができるものであり、例えば特開平2−127
404号、同3−27393号及び同3−239703
号の各公報に記載の、下記(化4)化合物(但し、R4
及びR5は置換されていてもよい同種又は異種のシクロ
ペンタジエニル基を表わし、R6及びR7は置換されてい
てもよい同種又は異種のフェニル基を表わす。)を使用
することができる。このチタノセン化合物は感光性樹脂
組成物の固形分に対して10〜30重量%、好ましくは
12〜20重量%使用する。この使用量が10重量%未
満では可視光域での感度が十分に上がらないことがあ
り、一方、30重量%を超えるとレジストパターンの強
度低下が現われることがある。
【0016】
【化4】
【0017】また本発明のトリアジン化合物は、従来使
用されてきたビストリハロメチルトリアジン、或いはト
リストリハロメチルトリアジン等と比較してピペロニル
基及び/又は置換スチリル基を含有する等の構造的及び
物性的な特徴があり、このため感光性樹脂組成物の感度
をチタノセン化合物単独添加の場合に比較して10倍程
度引き上げることが可能である。これら(化1)〜(化
3)のトリアジン化合物は単独又は混合して、感光性樹
脂組成物の固形分に対して0.1〜15重量%、好まし
くは0.5〜5重量%使用する。この使用量が0.1重
量%未満では感度の向上が認められないことがある。ま
た、15重量%を超えると現像残渣の発生或いは溶解不
良による異物発生等の問題が生ずることがある。なお、
上記トリアジン化合物に加えて従来公知のトリハロメチ
ルトリアジン化合物を、その総量がトリアジン化合物全
量の50重量%を超えない範囲で添加してもよい。
【0018】本発明においては、空気中での酸化による
感光性樹脂組成物の感度の低下を抑えるために、アクリ
ジン化合物を用いることが好ましい。このようなアクリ
ジン化合物としては、例えば9−フェニルアクリジン、
9−(4−置換)フェニルアクリジン、9−置換アミノ
アクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタ
ン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,
3−ビス(9−アクリジニル)プロパンが挙げられる。
アクリジン化合物は感光性樹脂組成物の固形分に対して
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%使用
する。この使用量が0.1重量%未満では酸素による感
度低下を防止する対策が十分発揮できないことがある。
また、10重量%を超えると現像速度の急激な低下や、
残渣が残る等の問題が生ずることがある。
【0019】本発明の感光性樹脂組成物は、上記成分の
他に感度をさらに上昇させるための増感剤としてクマリ
ン化合物を用いることが好ましい。このクマリン化合物
としては(化8)、(化9)に示す化合物或いは三井東
圧染料(株)製のLS−157、LS−153、LS−
158等の化合物が好適であるが、これらに限定される
ものではない。クマリン化合物は488nmにおける感
光性樹脂組成物の吸光度が0.1〜1.5、好ましくは
0.3〜0.8の範囲になるように配合される。この吸
光度が0.1未満或いは0.8を超えると、共に感度の
減少がみられることがある。
【0020】
【化8】
【化9】
【0021】上述の感光性樹脂組成物を用いてアルゴン
イオンレーザー用レジストを作製するには、先ず、公知
の有機溶剤である例えばメチルエチルケトン、トルエ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−メト
キシエタノール等で感光性樹脂組成物を固形分濃度5〜
20重量%程度に希釈する。そしてこの液をアルミニウ
ム等の基板上、或いはドライフィルムレジストを作製す
る場合にはポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム上に乾燥膜厚1〜4g/m2となるように塗布し、
常温で送風・乾燥して感光性樹脂層とする。
【0022】上記感光性樹脂層の上には、更にポリビニ
ルアルコール(PVA)を主成分とする酸素遮断用のオ
ーバーコート層を設けることが好ましい。このPVA
は、平均分子量300〜1000、ケン化率(アセチル
基の加水分解率)70〜90%のものが好ましく、塗布
性を考慮して固形分濃度5〜20重量%に水で希釈して
使用する。その際、PVAとほぼ同量のSiO2パウダ
ー、及び適量の例えばノニルフェニルエチレンオキシド
付加物等の界面活性剤を添加することが好ましい。ま
た、このオーバーコート層は乾燥膜厚1〜2μmとする
ことが好ましい。
【0023】このようにして完成したアルゴンイオンレ
ーザー用レジストは、O.5〜3mW(1〜3mJ/c
2)のアルゴンイオンレーザー光(波長488nm)
で感度よく露光することができる。この場合のホールド
時間(保持時間)は30分〜1時間程度が好ましい。レ
ーザーを用いた露光は、制御装置からの指示によってス
キャニングしながらレーザー光を微細なノズルから発す
るものであって、原版フィルムを使用する従来の紫外線
照射法に比較して遥かに正確な露光を行うことができ、
しかも操作を簡略化することができる利点もある。露光
後には、例えば希Na2CO3水溶液を用いて常温で1分
前後ブラッシングすることによって現像を行う。上記ア
ルゴンイオンレーザー用レジストはPS版、凸版印刷
版、凹版印刷版、プリント配線板等のエッチングレジス
トとして使用するのに好適である。
【0024】本発明のPS版は上述のレジスト作製の方
法に従って作製されるものである。使用されるアルミニ
ウム基板又はその合金板としてはJIS A-1050材、JIS A-
1100材、JIS A-3003材、JIS A-3103材、JIS A-5005材等
が挙げられる。これらのアルミニウム基板は、機械的粗
面化処理されるに先だって、必要に応じて表面の圧延油
を除去するため、又は、清浄なアルミニウム面を表出さ
せるために、前処理が行われてもよい。前者のために
は、トリクロロエチレン等の溶剤、界面活性剤、或いは
ケイ酸ソーダ類が、また、後者のためには、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリエッチングが広く
用いられる。
【0025】上記前処理に引き続き機械的研磨を行な
う。アルミニウム基板の表面を機械的に粗面化する方法
としては、従来公知の種々の方法を使用することができ
る。例えば、サンド・ブラスト、ボールグレイン、ワイ
ヤーグレイン、ブラシグレインなどの方法が含まれ、こ
れらの内でも、特にブラシグレインが好ましい。ブラシ
グレイン方法の詳細については、特公昭51-46003号公報
(又は米国特許第3,891,516号明細書) 及び特公昭50-40
047号公報に記載されている。機械的な粗面化は、本発
明の方法により得られるPS版用支持体の中心線平均粗
さRaが0.2〜1.0μmとなるように施されることが好まし
い。この機械的粗面化によってアルミニウム基板の表面
には、比較的周期の大きな起伏(第1次構造)と、この
起伏上全面に渡って微小な尖った凹凸(第2次構造)と
が形成される。
【0026】上記によって機械的に粗面化されたアルミ
ニウム基板の表面を、次は化学的にエッチングする。こ
の化学的エッチング処理は機械的粗面化されたアルミニ
ウム基板の表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑な
どを取り除き、また上記の微小な尖った凹凸を取り除く
作用を有し、その後に施される電気化学的な粗面化をよ
り均一に、しかも効果的に達成させることができる。こ
のような化学的エッチング方法の詳細は、米国特許第3,
834,998号明細書に記されており、アルミニウムを溶解
し得る酸又は塩基の水溶液へ浸漬する方法である。上記
の酸としては、例えば硫酸、過硫酸、塩酸などが含ま
れ、上記の塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸ナトリウム、第
三燐酸カリウム、第二燐酸カリウム、アルミン酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウムなどが含まれる。これらの内でも
特に後者の塩基の水溶液を使用する方がエッチング速度
が早いので好ましい。上記化学的エッチングを、塩基の
水溶液を用いて行なった場合には、一般にアルミニウム
の表面にスマットが生成するので、この場合には、燐
酸、硝酸、硫酸、クロム酸又はこれらの内の2以上の酸
を含む混酸で処理する、所謂デスマット処理を施すこと
が好ましい。
【0027】以上のように処理されたアルミニウム基板
を、次に酸性電解液中で電気化学的に粗面化する。この
酸性電解液とは、硝酸、塩酸又は硝酸と塩酸との混合
物、及び、これらの酸と有機酸、硫酸、リン酸等の他の
酸を混合したものの水溶液であり、これらの電解浴に
は、更に腐食抑制剤(又は安定剤)等を含有させておく
ことができる。本発明の方法による電気化学的な粗面化
は、バッチ処理、半連続法、連続法のいずれでも実施す
ることが可能である。
【0028】上記電解粗面化終了後、アルミニウム基板
を再度塩基で化学エッチングする。このエッチングは前
記の塩基の水溶液へ浸漬する方法と同様であり、前記の
水酸化ナトリウム等の塩基が使用される。この塩基によ
る化学エッチングの後、リン酸、硝酸、硫酸、クロム酸
等でデスマット処理することが好ましい。
【0029】以上のように処理したアルミニウム基板を
次に陽極酸化処理する。この陽極酸化処理は周知の方法
にしたがって行うことができる。例えば、硫酸、燐酸、
シュウ酸、クロム酸、アミドスルホン酸又はこれらの二
種以上の混合物、或いはこれらにAl3+イオンを含有す
る水溶液或いは非水溶液などを電解液とし、主として直
流を用いて陽極酸化処理するが、交流又はこれらの電流
の組み合わせを使用することもできる。
【0030】以上のように陽極酸化したアルミニウム基
板は、更に米国特許第2,714,066号及び米国特許第3,18
1,461号の各明細書に記載されているようにアルカリ金
属シリケート、例えば珪酸ナトリウムの水溶液に浸漬す
るなどの方法により親水化処理することができる。上記
シリケート処理に続いて更にホスホン酸で親水化処理す
ることも好ましい。また、特開昭59-101651号公報に記
載されているスルホン酸基を有するモノマー単位を含む
高分子化合物から成る下塗り層や、特開昭60-149491号
公報に記載されている、NH4基、COOH基、SO3
基を有する化合物からなる下塗り層なども用いることが
できる。
【0031】このようにして得られたPS版用支持体の
上には、本発明の感光性樹脂組成物による感光性樹脂層
を設けてPS版を得ることができる。この感光性樹脂層
を塗布するには、例えばバーコーター、ホイラー等を用
いる。そして、例えば80℃前後で4〜8分乾燥する。
このときの乾燥膜厚は1〜10g/m2、好ましくは2
〜4g/m2である。この乾燥膜厚が1g/m2未満では
耐刷不良、着肉不良等の問題が生ずることがあり、一方
4g/m2を超えると実用感度が得られない等の問題が
生ずることがある。
【0032】次に、感光性樹脂層の上に、前記ポリビニ
ルアルコール(PVA)を主成分とする酸素遮断用のオ
ーバーコート層を設ける。このオーバーコート層も例え
ばローラーコーーター、ホイラー等を用いて、例えば8
0℃前後で1〜3分乾燥する。こうして本発明のPS版
が完成する。
【0033】
【作用】本発明によれば、光重合開始剤として特殊なト
リアジン化合物とチタノセン化合物とを組み合わせるこ
とにより、エネルギーの低いアルゴンイオンレーザー光
に対して十分な感度を有する感光性樹脂組成物を形成す
ることができる。また、この感光性樹脂組成物を用いて
作製したPS版は、アルゴンイオンレーザー光によって
製版することができるため、精密な像を得ることがで
き、また、製版工程数を減らすことができる。
【0034】
【実施例】以下に本発明に基づく実施例及び比較例を説
明する。実施例1 0.3mm厚のアルミニウム基板(JIS A-1050材)を10%N
aOH水溶液中に50℃で20秒間浸漬して脱脂を行った後
水洗し、次いで25%H2SO4水溶液で30秒間中和して水
洗した。次いでナイロンブラシと400メッシュのパーミ
ストン水懸濁液を用いてこのアルミニウム基板の表面を
ブラシ研磨し、その後よく水洗した。更に70℃の20%N
aOH水溶液を用いて、アルミニウムの溶解量が10g
/m2になるようにアルカリエッチングした。
【0035】その後水洗し、25%硝酸水溶液でデスマッ
トしてから水洗した。このようにして処理したアルミニ
ウム基板を電解粗面化を行なった。使用した電解液は、
硝酸を15g/l含み、液温は50℃であった。更に電解粗面
化に続いて70℃の1%NaOH水溶液を用いてAlの溶解
量が1g/m2になるようにアルカリエッチングし、10%
2SO4水溶液で50℃で2分間浸漬してデスマット処理
した後、同じく10%H2SO4水溶液中で陽極酸化処理を
行って、2.5g/m2 の酸化皮膜を設けた。このよう
にして作製した支持体を2.5%珪酸ソーダ水溶液に80℃
で1分間浸漬し、PS版用支持体を用意した。
【0036】一方、感光性樹脂組成物として 高分子バインダー メチルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシフェニルメタクリレート/ ベンジルメタクリレート=50/20/10/20 100重量部 多官能アクリル化合物 トリメチロールプロパントリアクリレート 55 〃 光重合開始剤 ・チタノセン化合物 下記(化5)記載の化合物 25 〃 ・トリアジン化合物 トリアジンP(PANCHIM社製) 7 〃 ・9−フェニルアクリジン 3 〃 増感剤 クマリン 2 〃 溶剤 メチルエチルケトン/トルエン=7/2 160 〃 を調製した。
【0037】
【化5】
【0038】前記支持体上に上記感光性樹脂組成物を、
乾燥膜厚が3.5g/m2となるように塗布し、乾燥
後、酸素遮断膜のためと定在波による悪影響を防止する
ために、PVAとSiO2パウダーとの水溶液(PVA/
SiO2/水=7/7/86;重量比)を乾燥膜厚が1.
5g/m2となるように塗布した。こうして得られたP
S版に1mJ/cm2強度のアルゴンイオンレーザーを
走査露光してパターンを描いた。露光後26℃のNa2
30.5%溶液に3分間浸漬して印刷パターンを得
た。このパターンは現像液による膜減りも少なく、未露
光部のレジスト残渣のない良好なものであった。そして
最後に、アラビアゴムでガム引きした後、メタルハライ
ドランプで1J/m2後露光し印刷版を完成した。
【0039】実施例2 実施例1において、感光性樹脂組成物調製の際のトリア
ジンPに代えてトリアジンPES(PANCHIM社製)7重
量部を用いた以外は実施例1と同様にしてPS板を得
た。このPS板に2.5mJ/cm2のアルゴンイオン
レーザーを走査露光して現像を行ったところ、実施例1
と同様の良好な印刷パターンが得られた。
【0040】実施例3 実施例1において、感光性樹脂組成物調製の際のチタノ
セン化合物の量を10重量部に代えた以外は実施例1と
同様にしてPS板を得た。このPS板にアルゴンイオン
レーザーを12mJ/cm2走査露光して現像を行った
ところ、露光部の膜減りは若干あったが、部分的な欠け
や剥がれ等は確認できなかった。チタノセン化合物量を
本例よりも減少させた場合には、本発明の効果は得られ
なくなるものと思われる。
【0041】比較例 実施例1において、感光性樹脂組成物調製の際のトリア
ジンP7重量部に代えて2,4-ビス-トリクロロメチル-
6-(4-スチリルフェニル)-S-トリアジン7重量部を用
いた以外は実施例1と同様にしてPS板を得た。このP
S板にアルゴンイオンレーザーを3.5mJ/cm2
査露光して現像を行ったが、露光部の膜減りが大きく、
また一部に欠け、剥がれが見られた。また未露光部の一
部にレジスト残渣が見られた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明の感光性樹脂
組成物は、光重合開始剤として(化1)、(化2)及び
/又は(化3)に記載の特殊なトリハロメチル基含有ト
リアジン化合物を用い、且つチタノセン化合物を併用し
たため、エネルギーの低い可視光域のアルゴンイオンレ
ーザー光に対しても十分な感度を有する感光性樹脂組成
物を形成することができる。また、この感光性樹脂組成
物を用いて作製したPS版は、アルゴンイオンレーザー
光によって製版することができるため、原版フィルムが
不要である。従って焼き付け精度がよく、また製版工程
数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PS版の構成を示す模式図
【符号の説明】
1…アルミニウム基板、2…酸化被膜、3…感光性樹脂
層、4…オーバーコート層。
【化6】
【化7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/11 501 G03F 7/11 501 (72)発明者 青山 俊身 神奈川県川崎市中原区中丸子150番地 東京応化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−258903(JP,A) 特開 平2−127404(JP,A) 特開 平4−261554(JP,A) 特開 平4−219756(JP,A) 特開 昭60−105667(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/029 G03F 7/00 503 G03F 7/004 G03F 7/027 G03F 7/11 501 B41N 3/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子バインダー、多官能モノマー及び
    光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物において、前
    記光重合開始剤としてチタノセン化合物、アクリジン化
    合物並びに下記(化1)、(化2)及び/又は(化3)
    に記載のトリアジン化合物(但し、R1、R2は夫々独立
    して水素原子又はメチル基を表し、R3は炭素数1乃至
    3のアルキル基を表す。)を含むことを特徴とする感光
    性樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 機械的研磨及び電解研磨により粗面化さ
    れ、更に陽極酸化被膜処理及び親水化処理を施されたア
    ルミニウム基板上に、感光性樹脂層が形成されているP
    S版において、前記感光性樹脂層は請求項1に記載の感
    光性樹脂組成物からなるものであることを特徴とするP
    S版。
  3. 【請求項3】 前記感光性樹脂層の上に、更にポリビニ
    ルアルコールを主成分とするオーバーコート層が設けら
    れていることを特徴とする請求項2に記載のPS版。
JP32479992A 1992-11-10 1992-11-10 感光性樹脂組成物及びこれを用いたps版 Expired - Fee Related JP3187569B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32479992A JP3187569B2 (ja) 1992-11-10 1992-11-10 感光性樹脂組成物及びこれを用いたps版
GB9322792A GB2273101B (en) 1992-11-10 1993-11-05 Photosensitive resin composition
DE19934338437 DE4338437C2 (de) 1992-11-10 1993-11-10 Lichtempfindliche Harzzusammensetzung
US08/889,566 US6010824A (en) 1992-11-10 1997-07-08 Photosensitive resin composition containing a triazine compound and a pre-sensitized plate using the same, and photosensitive resin composition containing acridine and triazine compounds and a color filter and a pre-sensitized plate using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32479992A JP3187569B2 (ja) 1992-11-10 1992-11-10 感光性樹脂組成物及びこれを用いたps版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06148885A JPH06148885A (ja) 1994-05-27
JP3187569B2 true JP3187569B2 (ja) 2001-07-11

Family

ID=18169816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32479992A Expired - Fee Related JP3187569B2 (ja) 1992-11-10 1992-11-10 感光性樹脂組成物及びこれを用いたps版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3187569B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5738974A (en) * 1994-09-05 1998-04-14 Mitsubishi Chemical Corporation Photopolymerizable composition and photosensitive lithographic printing plate
US5800965A (en) * 1996-02-29 1998-09-01 Mitsubishi Chemical Corporation Photopolymerizable composition for a photosensitive lithographic printing plate and photosensitive lithographic printing plate employing it
JPH1026834A (ja) * 1996-07-09 1998-01-27 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 画像形成方法
KR100359884B1 (ko) * 1998-08-18 2002-12-18 주식회사 엘지화학 테트라히드로퀴놀리닐 및 인돌리닐 트리아진계 화합물 및광중합 개시제
US6558875B1 (en) 1999-07-27 2003-05-06 Mitsubishi Chemical Corporation Method for treating photosensitive lithographic printing plate
JP2005221739A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Hitachi Chem Co Ltd 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、フォトレジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法
KR101598240B1 (ko) 2008-07-01 2016-02-26 제이에스알 가부시끼가이샤 네가티브형 감방사선성 수지 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06148885A (ja) 1994-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4512281B2 (ja) ネガ型平版印刷版原版
US6010824A (en) Photosensitive resin composition containing a triazine compound and a pre-sensitized plate using the same, and photosensitive resin composition containing acridine and triazine compounds and a color filter and a pre-sensitized plate using the same
EP0762208B1 (en) Light sensitive composition
JP3187569B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いたps版
US5240808A (en) Light-sensitive compositions containing photosensitive polymeric compound having both photocross-linkable groups capable of cycloaddition, and functional groups carrying P--OH bonds
JP3882811B2 (ja) 感光性平版印刷版及びその製版方法
US4539285A (en) Photosensitive negative diazo composition with two acrylic polymers for photolithography
JP2007025220A (ja) 感光性平版印刷版
JPS6233692A (ja) 平版印刷版用支持体
GB2273101A (en) Photosensitive resin composition
JPH0714670B2 (ja) 感光性平版印刷版用支持体の製造方法
JP2639732B2 (ja) 感光性組成物
JP4152559B2 (ja) ネガ型感光性平版印刷版
JP3263172B2 (ja) 光重合性組成物
JPS63145092A (ja) 平版印刷版用支持体
JPS6356498A (ja) 平版印刷版用支持体
JPH0421184B2 (ja)
JPH0431876B2 (ja)
JPH1165096A (ja) 感光性平版印刷版及びその製造方法
GB2315128A (en) Image formation method
JP2003057831A (ja) 光重合性平版印刷版とその処理方法
JP3443722B2 (ja) 感光性平版印刷版及び画像形成方法
JP2639728B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP3574987B2 (ja) 感光性平版印刷版材料及び平版印刷版の作成方法
JP2005329663A (ja) 感光性平版印刷版材料用アルミニウム板支持体、その製造方法及び感光性平版印刷版材料

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010424

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees