JP3187149B2 - 難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物Info
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Description
香族ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
工性、耐薬品性に優れており、自動車部品、電気/電子
部品、機械部品など種々の分野で使用されている。特
に、電気/電子部品においては、耐ハンダ性及び難燃性
に対する要求が強く、この難燃性についてはUL規格が
広く採用されておりV−0相当であることが必要条件と
なっている。耐ハンダ性に優れた成形品を得るために
は、例えば、280℃以上の耐熱性をもった高融点ナイ
ロン、例えば、芳香族ナイロン及び4,6−ナイロンの
使用が検討されており、また難燃性を付与した高融点の
芳香族ポリアミド樹脂組成物も開発されている。例え
ば、熱安定性かつ成形性に優れた難燃性芳香族ポリアミ
ド樹脂として芳香族ポリアミド樹脂に臭素化ポリスチレ
ンとアンチモン化合物を配合した樹脂組成物が広く知ら
れている。
リスチレンを用いただけの難燃性芳香族ポリアミド樹脂
組成物は、溶融成形時の温度が高いために、難燃剤の分
解や劣化が生じ易く、成形性の悪化及び成形品の外観不
良を起こしがちであった。
成形性及び作業安定性に優れた難燃性芳香族ポリアミド
樹脂組成物を提供することを目的とする。
は、原料の溶融粘度、スクリューの剪断力及びバレル温
度など様々な要因によって決まる。これらプロセス温度
を決定する要因を最小限に抑えることができれば、より
低い温度で混練、成形が可能となり、高温条件による樹
脂の劣化及び難燃剤の分解、変色などを抑制することが
できる。これらの要因のうち、我々は、特に難燃剤の粘
度に着目し、低粘度難燃剤を用いるという手段により、
多大な剪断力をかけることなく、すなわち、プロセス温
度の上昇を伴わずに、良質の難燃性芳香族ポリアミド樹
脂組成物を生産することを考えた。
流動性ジブロモポリスチレン((株)グレートレイクス
社製PDBS80及びPDBS10)を使用することに
した。これらは、広く一般に使用されるトリブロモポリ
スチレン((株)日産フェロ社製パイロチェック68P
B)と比較すると、下記にみるように、同一条件ではか
なり低い粘度を示すことがわかる。 難燃剤の粘度(剪断速度100 sec-1,単位:Pasec ) 測定温度 PDBS80 PDBS10 パイロチェック68PB 250℃ 300 50 1000< 280℃ 90 10> 200 320℃ 20 1 90 即ち、本発明は、(A)融点が280℃以上340℃以
下の芳香族ポリアミド樹脂100重量部に対して、
(B)温度250℃、剪断速度100sec -1において7
00パスカル秒以下の粘度を有する臭素化ポリスチレン
10〜100重量部、及び(C)酸化アンチモン及び/
又はアンチモン酸ナトリウム0.5〜40重量部を配合
させたものから本質的に成る難燃性芳香族ポリアミド樹
脂組成物である。
テレフタル酸成分及び/又はテレフタル酸成分以外の芳
香族ジカルボン酸成分からなるジカルボン酸成分と、
(b)脂肪族及び/又は脂環族ジアミン成分からなるジ
アミン成分とから成る。本発明のジカルボン酸成分
(a)の組成はテレフタル酸成分単独であっても、テレ
フタル酸成分とテレフタル酸成分以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分との混合物であってもよい。更にテレフタル酸
成分以外の芳香族ジカルボン酸成分単独であってもよ
い。テレフタル酸成分以外の芳香族ジカルボン酸成分と
しては、例えば、イソフタル酸、フタル酸及び2−メチ
ルテレフタル酸等を挙げることができる。本発明におい
て好ましく用いられるジカルボン酸成分はテレフタル酸
又はテレフタル酸とイソフタル酸との混合物であって、
混合物中のイソフタル酸が40モル%以下である芳香族
ジカルボン酸成分である。
成分単独であっても、脂肪族ジアミン成分と脂環族ジア
ミン成分との混合物であってもよい。更に脂環族ジアミ
ン成分単独であってもよい。脂肪族ジアミン成分は炭素
数4〜25、好ましくは、特に6〜18の直鎖状又は分
岐鎖状アルキレンジアミン成分である。脂環族ジアミン
成分は炭素原子数が6〜25個であり、かつ少なくとも
1個の脂環族炭化水素環を含むジアミンである。本発明
において好ましく用いられるジアミン成分は、ヘキサメ
チレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジアミンの
混合物であって、混合物中ヘキサメチレンジアミンを4
0モル%以上含む脂肪族ジアミン成分である。
は、前記の粘度を有する臭素化ポリスチレンであり、例
えば、ジブロモポリスチレン(グレートレイクス社製P
DBS80及びPDBS10)である。なお、樹脂の粘
度は(株)東洋精機キャピログラフ1Bにより測定され
たものである。
ミド樹脂100重量部に対して10〜100重量部であ
り、好ましくは15〜75重量部である。難燃剤である
臭素化ポリスチレンの混合量が10重量部よりも少ない
と難燃効果が発現されず、100重量部を越えると成形
品の機械的強度において問題が生じる。
ンチモン酸ナトリウムであり、その混合量は、芳香族ポ
リアミド樹脂100重量部に対して0.5〜40重量部
であり、好ましくは1〜15重量部である。難燃助剤の
混合量が0.5重量部よりも少ないと難燃効果が発現さ
れず、40重量部よりも多いと成形品の機械的強度が問
題となる。前記酸化アンチモンは、例えば、三酸化アン
チモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等であ
る。酸化アンチモンはアンチモン酸ナトリウムと組み合
わせて用いてもよい。本発明の難燃助剤としてはアンチ
モン酸ナトリウムが最適である。
無機補強材を成形品の用途に応じて200重量部まで含
有させることができる。前記無機補強材としてはガラス
繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム、ウイスカ、タル
ク、マイカ等が上げられる。その中でもガラス繊維が最
適である。
その特性を損なわない程度で、前記成分に加えて熱安定
剤、可塑剤、酸化防止剤、核剤、染料、顔料、離型剤等
の添加剤を配合することができる。
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。
H−CO−p-Ph−CO−)n [但し、Tはテレフタル酸,Iはイソフタル酸,p-Phは
p-フェニレン、m-Phはm-フェニレン、6はヘキサメチレ
ンジアミン、 2MPは2−メチルペンタメチレンジアミン
を示す。]
50であるポリアミド共重合体、又は6T及び 2MPTの
比率が50:50であるポリアミド共重合体、ポリジブ
ロモスチレン((株)グレートレークス社製PDBS8
0及びPDBS10)、アンチモン酸ナトリウム(日産
化学(株)製サンエポックNA1070L)、五酸化ア
ンチモン(日産化学(株)製サンエポックNA103
0)、三酸化アンチモン((株)CAMPINE社製ホ
ワイトスターN)、四酸化アンチモン(日産化学(株)
製サンエポックNA5050)、マイクログラスチョッ
プチップドストランド((株)日本板硝子製TP64)
を、表1に示す重量部で混合後、2軸スクリュー押出機
(東芝TEM35)を使用し、以下に述べる所定の設定
条件で生産した。
45:5:50であるポリアミド共重合体、又は6T及
び 2MPTの比率が50:50であるポリアミド共重合
体、ポリトリブロモスチレン((株)日産フェロ社製パ
イロチェック68PB)、アンチモン酸ナトリウム(日
産化学(株)製サンエポックNA1070L)、、五酸
化アンチモン(日産化学(株)製サンエポックNA10
30)、三酸化アンチモン((株)CAMPINE社製
ホワイトスターN)、四酸化アンチモン(日産化学
(株)製サンエポックNA5050)、マイクログラス
チョップドストランド((株)日本板硝子製TP64)
を、表1に示す重量部で混合後、前記実施例と同様に生
産した。 表1:実施例及び比較例の配合組成 PA1:6T/6I/ 2MPT=45/5/50 PA2:6T/ 2MPT=50/50 FR1:ポリジブロモスチレン((株)グレートレークス社
製PDBS80) FR2:ポリジブロモスチレン((株)グレートレークス社
製PDBS10) FR3:ポリトリブロモスチレン((株)日産フェロ社製パ
イロチェック68PB) Sy1:アンチモン酸ナトリウム(日産化学(株)製サンエ
ポックNA1070L) Sy2 五酸化アンチモン(日産化学(株)製サンエポック
NA1030) Sy3:三酸化アンチモン((株)CAMPINE社製ホワ
イトスターN) Sy4:四酸化アンチモン(日産化学(株)製サンエポック
NA5050) GR: マイクログラスチョップドストランド((株)日本
板硝子製TP64)
低粘度臭素化ポリスチレン(実施例)との高温粘度の比
較評価を行った。 押出し機バレル温度: 320℃ スクリュー回転数 : 200rpm
トの生産を行い、生産結果及び樹脂ペレットの熱安定性
を評価した。生産結果及び各測定値の評価方法を以下に
示す。これら評価法に基づき実施例及び比較例を評価す
ると表2に示す通りになる。 ◎スクリュートルク電流 押出し機スクリューにかかる負荷をモーター消費電流
(A) で表したもの。
樹脂の劣化、難燃性の分解によるガスの発生などによ
り、生産性及び作業の安全性に問題のある例を不良、な
いものを良とした。
度100 sec-1の下で樹脂温度340℃における溶融樹
脂粘度の時間変化を測定した。評価基準は、2分間保持
した際の溶融粘度変化が10パスカル秒未満のものを
A、10パスカル秒以上20パスカル秒未満のものを
B、20パスカル秒以上のものをC、分解が激しく測定
不可能なものをDとした。
ト2000、及びTGA2950により高温時の重量減
量を測定した。10℃/minで350℃まで昇温した
ときに、温度が350℃に達した時点をt0 、さらに3
50℃で保持してから5分後をt5 とし、t0 、t5 に
おける昇温前の状態からの重量減量を表示した。評価基
準は、t5 における減量が10%以下のものをA、20
%以下をB、30%以下をC、30%を超えるものをD
とした。 表2:生産結果及び熱安定性の評価
−5A)により、射出成形し、厚さ1/32インチのU
L−94燃焼試験片を得た。燃焼試験は、前記試験片を
用い、以下に示すUL規格の規定に準じて行った。
ットし、該試験片の下端に規定の炎を10秒間当てて離
し、該試験片の燃焼時間(1回目)を測定する。消火し
たら直ちに該試験片の下端に炎を10秒間当てて離し、
該試験片の燃焼時間(2回目)を測定する。試験片の5
片について同じ測定を繰り返し、1回目燃焼時間及び2
回目燃焼時間を各5個づつ、計10個のデータを得る。
10個のデータの合計値をS,10個のデータのうち最
大値をMとする。
プまで燃え上がらず、炎のついた溶融物が落ちて、12
インチ下の脱脂綿に着火するようなことがなければV−
0相当、Sが250秒以下、Mが30秒以下で炎のつい
た溶融物が落ちて、12インチ下の脱脂綿に着火するよ
うなことがあればV−2相当となる。
形品の外観など、成形品の生産性及び作業の安全性に問
題のあるものについては不良、問題のないものについて
は良好と評価した。燃焼試験の結果及び成形性評価を表
3に示す。 表3:燃焼性及び成形性評価
特許請求の範囲にあるような、特定の難燃剤を芳香族ポ
リアミド樹脂の難燃化に用いることにより、熱安定性、
成形性及び作業安定性に優れた難燃性ポリアミド樹脂を
提供することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)融点が280℃以上340℃以下
の芳香族ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)
温度250℃、剪断速度100sec -1における粘度が7
00パスカル秒以下である臭素化ポリスチレン10〜1
00重量部、及び(C)酸化アンチモン及び/又はアン
チモン酸ナトリウム0.5〜40重量部から本質的に成
ることを特徴とする難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成
物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20397492A JP3187149B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物 |
PCT/US1993/012282 WO1995016737A1 (en) | 1992-07-30 | 1993-12-16 | Flame resistant aromatic polyamide resin composition |
Applications Claiming Priority (2)
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---|---|---|---|
JP20397492A JP3187149B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物 |
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Publications (2)
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JPH06263985A JPH06263985A (ja) | 1994-09-20 |
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ID=16482712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20397492A Expired - Lifetime JP3187149B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
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---|---|
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW521082B (en) | 2000-09-12 | 2003-02-21 | Kuraray Co | Polyamide resin composition |
WO2006123469A1 (ja) | 2005-05-16 | 2006-11-23 | Mitsui Chemicals, Inc. | 難燃性ポリアミド組成物 |
-
1992
- 1992-07-30 JP JP20397492A patent/JP3187149B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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