JP3184292B2 - 画像処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、画像処理装置に関
し、さらに詳しくは、元画像の指定された被拡大部分を
設定された拡大率に拡大した拡大画像を表示する画像処
理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従来の一例の画像処理装置５１
のブロック図である。図２は、前記画像処理装置５１の
表示部４の表示画面４Ｇについての説明図である。この
画像処理装置５１において、拡大するための元画像デー
タは、元画像記憶部２に記憶されている。前記元画像デ
ータは予め表示制御部５３によって元画像記憶部２から
読み出され、表示部４の元画像表示エリア４Ｇａに表示
されているものとする。

【０００３】元画像表示エリア４Ｇａの円カーソルＫａ
は、その円内の領域を被拡大部分として指定し，その半
径の伸縮で拡大率を設定するためのものである。ユーザ
はトラックボール５をＡモードで回転させて、その回転
量に応じた移動量で円カーソルＫａを移動させて元画像
データの被拡大部分を指定する。また、トラックボール
５をＢモードで回転させて、その回転量に応じた伸縮率
で円カーソルＫａの半径を伸縮させて拡大率を設定す
る。

【０００４】画像拡大部５８は、前記移動量のデータと
拡大率のデータとに基づいて、元画像記憶部２から被拡
大部分の画像データを読み込んで拡大し、拡大した拡大
画像データを拡大画像記憶部１０に記憶させる。拡大画
像記憶部１０に記憶された拡大画像データは、表示制御
部５３を介して表示部４の拡大画像表示エリア４Ｇｂ
に、円Ｋｂの大きさに円カーソルＫａの大きさを合せた
拡大率で表示されることになる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】高画質な拡大画像を得
ようとすると、演算時間が掛かるためリアルタイム性が
犠牲になる。反対に、リアルタイム性を重視すると、拡
大画像の画質が犠牲になる。したがって、従来の画像処
理装置５１では、拡大画像の画質とリアルタイム性を妥
協させなくてはならない問題点があった。そこで、この
発明の目的は、拡大画像の画質とリアルタイム性とを両
立させられるようにした画像処理装置を提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の画像処理装置
は、元画像の指定された被拡大部分を設定された拡大率
に拡大した拡大画像を表示する画像処理装置において、
指定された被拡大部分を設定された拡大率に高画質で拡
大する高画質拡大手段と、指定された被拡大部分を設定
された拡大率に高速で拡大する高速拡大手段と、被拡大
部分の指定と拡大率の設定とに変更がないときは前記高
画質拡大手段を起動させ，前記被拡大部分の指定あるい
は拡大率の設定に変更があるときは前記高速拡大手段を
起動させる拡大制御手段とを具備したことを構成上の特
徴とするものである。

【０００７】

【作用】この発明の画像処理装置では、高画質拡大手段
が、指定された被拡大部分を設定された拡大率に高画質
で拡大する。また、高速拡大手段が、指定された被拡大
部分を設定された拡大率に高速で拡大する。拡大制御手
段は、被拡大部分の指定と拡大率の設定とに変更がない
ときは前記高画質拡大手段を起動させ，前記被拡大部分
の指定あるいは拡大率の設定に変更があるときは前記高
速拡大手段を起動させる。

【０００８】したがって、ユーザが、前記被拡大部分の
指定あるいは拡大率の設定のために例えばポインティン
グデバイス等で連続的に操作している間は、前記高速拡
大手段が起動され続け、リアルタイム性に優れた拡大画
像が得られる。また、前記被拡大部分の指定，拡大率の
設定のためにポインティングデバイス等を操作し終えた
後では、前記高画質拡大手段が起動され、高画質な拡大
画像が得られるため、ユーザは画像を詳細に観察できる
ことになる。

【０００９】

【実施例】以下、図に示す実施例に基づいてこの発明を
さらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限
定されるものではない。図１は、この発明の一実施例の
画像処理装置１のブロック図である。図２は、前記画像
処理装置１の表示部４の表示画面４Ｇについての説明図
である。

【００１０】この画像処理装置１において、拡大するた
めの元画像データは、元画像記憶部２に記憶されてい
る。前記元画像データは予め表示制御部３によって元画
像記憶部２から読み出され、表示部４の元画像表示エリ
ア４Ｇａに表示されているものとする。

【００１１】元画像表示エリア４Ｇａの円カーソルＫａ
は、その円内の領域を被拡大部分として指定し，その半
径の伸縮で拡大率を設定するためのものである。例えば
ユーザがトラックボール５をＡモードで回転させると、
拡大制御部７が、その回転量に応じた移動量で円カーソ
ルＫａ（の中心）を移動させ，元画像データの被拡大部
分を指定する。また、トラックボール５をＢモードで回
転させると、拡大制御部７がその回転量に応じた伸縮率
で円カーソルＫａの半径を伸縮させる。

【００１２】拡大画像表示エリア４Ｇｂには、円Ｋｂの
大きさに円カーソルＫａの大きさを合せた拡大率で前記
被拡大部分を拡大した拡大画像データが表示される。拡
大率については、例えば円カーソルＫａ＞円カーソルＫ
aa（点線）である。

【００１３】次に、拡大画像表示エリア４Ｇｂに拡大画
像データを表示させる処理について図３のフローチャー
トに従って説明する。初期モードで円カーソルＫａは、
例えば拡大率が５倍に相当する半径で元画像表示エリア
４Ｇａの中央に固定されているものとする。表示制御部
３は、前述のように予め拡大するための元画像データを
元画像記憶部２から読み出して表示部４の元画像表示エ
リア４Ｇａに表示させると共に、元画像表示信号を拡大
制御部７へ送る。

【００１４】拡大制御部７は、元画像表示信号を受け
て、ステップＳ１にて、（初期モードでの）円カーソル
Ｋａの中心座標｛Ｘ，Ｙ｝，拡大率｛Ｍ｝からなる円カ
ーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝を高画質拡大部８へ送出す
る。ステップＳ２にて、高画質拡大部８は、前記円カー
ソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝に基づいて、元画像記憶部２
から被拡大部分の元画像データを読み込んで，Ｍ（初期
モードでは例えばＭ＝５）倍の拡大率に、例えば４点ス
プライン補間により高画質で拡大する。

【００１５】そして、拡大した拡大画像データを拡大画
像記憶部１０に記憶させると共に拡大終了信号を拡大制
御部７へ送る。なお、前記円カーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，
Ｍ｝に対応する前記拡大画像データの中心座標を｛ｘ，
ｙ｝とし，拡大率を｛ｍ｝として、拡大画像データ
｛ｘ，ｙ，ｍ｝と表記する。拡大画像記憶部１０に記憶
された拡大画像データ｛ｘ，ｙ，ｍ｝は、表示制御部３
を介して表示部４の拡大画像表示エリア４Ｇｂに表示さ
れる。

【００１６】ステップＳ３にて、拡大制御部７は、前記
拡大終了信号を受けて、表示中の拡大画像データ｛ｘ，
ｙ，ｍ｝と円カーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝とに差を生
じるまで、つまり、ユーザによってトラックボール５が
操作されるまで待機する。

【００１７】ユーザによってＡモード，Ｂモードのいず
れかでトラックボール５が操作されて、円カーソルデー
タ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝に変更があれば、拡大制御部７は、図
４に示すような割込み処理を実施する。すなわち、トラ
ックボールのＸ軸方向回転量ｄｘ，軸方向回転量ｄｙお
よびモードの状態ｓに基づいて円カーソルデータの変更
分を算出するサブルーチンｆ（ｄｘ，ｄｙ，ｓ）と変更
前の円カーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝とによって、新た
な円カーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝を算出し、その円カ
ーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝で変更前の円カーソルデー
タを更新する。こうして、前記割込み処理が終了したと
ころで、ステップＳ３にて、表示中の拡大画像データ
｛ｘ，ｙ，ｍ｝と円カーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝とに
差を生じ、ステップＳ４に進む。

【００１８】ステップＳ４にて、拡大制御部７は、前記
円カーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝を高速拡大部９へ送出
する。ステップＳ５にて、高速拡大部９は、前記円カー
ソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝に基づいて、被拡大部分の元
画像データを元画像記憶部２から読み込んで，Ｍ倍の拡
大率に直線補間により高速で拡大する。そして、拡大し
た拡大画像データで拡大画像記憶部１０に記憶されてい
る拡大画像データを書換え，且つ拡大終了信号を拡大制
御部７へ送る。拡大画像記憶部１０に記憶された拡大画
像データは、表示制御部３を介して表示部４の拡大画像
表示エリア４Ｇｂに表示される。

【００１９】ステップＳ６にて、拡大制御部７は、前記
拡大終了信号を受けて、表示中の拡大画像データ｛ｘ，
ｙ，ｍ｝と円カーソルデータ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝とに差があ
るか否かを、つまり、ユーザによってトラックボール５
が再び操作されたか否かを判断する。

【００２０】ユーザによってＡモード，Ｂモードのいず
れかでトラックボール５が操作されて、円カーソルデー
タ｛Ｘ，Ｙ，Ｍ｝に変更があれば、上述の割込み処理を
実施して、ステップＳ４，Ｓ５を繰り返す。したがっ
て、ユーザがトラックボール５を連続的に操作している
間は高速拡大部９が起動され、ユーザの操作に追随して
拡大画像データが拡大画像表示エリア４Ｇｂに表示され
る。

【００２１】また、前記否と判断されると、ステップＳ
１，Ｓ２にて、高画質拡大部８が起動され、拡大画像表
示エリア４Ｇｂに表示された高速拡大部９による拡大画
像データが高画質な拡大画像データに更新される。した
がって、被拡大部分の指定，拡大率の設定のためにトラ
ックボール５を操作したのち、ユーザが拡大画像表示エ
リア４Ｇｂに表示され拡大画像を詳細に観察するときに
は、高画質な拡大画像データが表示されていることにな
る。

【００２２】

【発明の効果】この発明の画像処理装置によれば、被拡
大部分の指定，拡大率の設定のためのユーザの操作があ
るときはリアルタイム性に優れた拡大画像が得られると
共に、操作終了後は自動的に高画質な拡大画像を得られ
るようになる。このため、医師がリアルタイムに操作し
且つ診断のために高画質な拡大画像が要求される医用画
像処理装置として特に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の画像処理装置のブロック
図である。

【図２】図１の装置の表示部の表示画面についての説明
図である。

【図３】図１の装置の動作についてのフロー図である。

【図４】図１の装置に係る割込み処理についてのフロー
図である。

【図５】従来の画像処理装置の一例のブロック図であ
る。

【図６】図５の装置の表示部の表示画面についての説明
図である。

【符号の説明】

１ 画像処理装置 ２ 元画像記憶部 ３ 表示制御部 ４ 表示部 ５ トラックボール ６ モードセレクタ ７ 拡大制御部 ８ 高画質拡大部 ９ 高速拡大部 １０ 拡大画像記憶部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−96876（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−108294（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−244436（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G09G 5/36 G06T 1/00 G06T 3/40

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 元画像の指定された被拡大部分を設定さ
   れた拡大率に拡大した拡大画像を表示する画像処理装置
   において、 指定された被拡大部分を設定された拡大率に高画質で拡
   大する高画質拡大手段と、指定された被拡大部分を設定
   された拡大率に高速で拡大する高速拡大手段と、被拡大
   部分の指定と拡大率の設定とに変更がないときは前記高
   画質拡大手段を起動させ，前記被拡大部分の指定あるい
   は拡大率の設定に変更があるときは前記高速拡大手段を
   起動させる拡大制御手段とを具備したことを特徴とする
   画像処理装置。