JP3183555B2 - 描画速度・分解能積を増倍する方法及び描画データの構成方法 - Google Patents

描画速度・分解能積を増倍する方法及び描画データの構成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインク・ジェット・プリ
ンタのようなラスタ画像装置の速度と解像度の積を増倍
するための方法とデータ構造に関し、特に高解像度の論
理ピクセル画像を変更して前記画像装置によってプリン
されるピクセル画像データ構造を作成し、サイズ、形
状及びエッジ定義においてより高いコストと高い解像度
のプリンタで作成されるような優れた適合性を有するよ
り高い解像度の画像を効率的に作成する方法に関する。
これは例えば論理的ピクセル画像をプリンタのピクセル
画像又は重複しないドット画像へと写像することによっ
てプリンタのハードウェア、ファームウェア又はソフト
ウェアにおいて行われる。
【0002】
【従来の技術と問題点】ラスタ画像出力装置はドット連
続ラスタ走査パターンにてアドレス指定された、ここで
はドット・マトリクスと称する(垂直の列もしくはライ
ン及び水平の行から成る)二次元ピクセル配列内の一連
のオン及びオフ・ピクセルとして画像を描写する。ラス
タ画像出力装置のなかには縦軸に沿ってインチ当たり
(2.54cm当たり)300ドット(300dpi)
及び水平軸に沿って600dpiに及ぶ解像度を有する
ものがあり、そのうちの水平軸が従来はラスタ走査軸で
ある。このようなピクセル画像は各ピクセルがオンであ
るかオフであるかにより定義される瞬時のピクセル画像
によって特徴付けられるテキスト、図形又は任意の抽象
的フォルムから成ることができることが理解されよう。
ピクセル画像の解像度が高いほど出力の画質は高くな
る。
【0003】このようなラスタ画像出力装置の一つにイ
ンク・ジェット・プリンタがある。インク・ジェット・
プリンタは用紙上にピクセル画像を形成する個々の浮動
インク滴の特徴が丸いことにより、代表的にはほぼ等し
い垂直及び水平解像度、例えば300dpiを有してい
る。インク・ジェットをより高速度で付勢、もしくは点
弧するだけでインク・ジェット・プリンタの有効解像度
を水平のラスタ走査軸に沿って高めることは可能である
が、そのために本質的なヘッド再設計の努力を必要と
し、その結果コストが大幅に高くなるであろう。プリン
ヘッドが用紙に対して移動する速度を減速することに
よって実効解像度を高めることは可能であるが、それに
よって当然プリンタの処理量が低下する。ラスタ走査軸
に沿った解像度を高めるいずれの試みも過剰のインク滴
が重複することにより用紙上に過剰のインクが置かれる
結果になる。
【0004】ほとんどのプリンタは生来、それを超える
プリントヘッドの電子及び機械アセンブリの双方又は
一方に過度のストレスを加える最大点弧反復速度又は最
小周期時間を有している。この最大再点弧速度はラスタ
走査軸に沿ったプリンタの解像度を決定する要因の一つ
である。プリンタの中にはプリントヘッドが過度に急激
に再点弧しないように、これらの物理的制約を受信され
たピクセル画像データに加えているものがある。これら
のプリンタはある種のピクセル・データを無視して、そ
れを実現している、例えば所定のラスタ走査行における
オン・ピクセルを単に1つおきに無視するだけで前記の
制約を加えている。プリント出力の水平ピクセル密度は
確実に減少する。
【0005】このような技術はラスタ出力装置の出力の
品質を低下させる。その理由は、画像境界でのピクセル
をターン・オフすると、円滑なエッジが必要であるのに
不要に段付きの、もしくはギザギザがあるエッジが生ず
るからである。画質の低下はピクセル画像の隣接する行
に(垂直に)位置合わせされるべき論理ピクセルがプリ
ンタによって無視される場合にも生じ、それによってベ
タの“黒”の(又はカラーの)プリント画像があるべき
箇所に眼にみえる垂直の“白”の(又は未印刷の)空白
が生ずる。
【0006】
【発明の目的】本発明はより低い水平解像度を定義する
プリントヘッドの電気機構造を有するインク・ジェット
・プリンタのようなラスタ出力装置でプリントした場合
も、有効に所定の(高い)水平解像度を有する物理的ピ
クセル又はドット画像を作成するために、所定の(高
い)水平解像度を有する論理ピクセル画像を処理する方
法を提供するものである。
【0007】
【発明の概要】本発明の方法には、重複するドットを有
さず、大幅に改良されたエッジ定義を伴う変更された論
理ピクセル画像又はピクセル・データ構造を作成するた
めに、オンである論理ピクセル画像内のピクセルを選択
的にターン・オフすることが含まれる。このピクセル細
線化方法によってインク・ジェットが点弧されるタイミ
ングが変更され、解像度がより高い論理ピクセル画像の
タイミングに対応するようにされる。好ましい方法と、
それによって生ずるピクセル・データ構造に従って、タ
ーン・オフ・ピクセルの隣接する行が(垂直に)位置合
わせされる場合に生ずる出力の、眼にみえる垂直の空白
は、予め定められた隣接基準に従って特定のピクセルを
オンに保つことにより回避される。
【0008】
【発明の実施例】ここに使用されるようなラスタ走査出
力装置は、それに限定されるものではないが、コンピュ
ータ・システムからプリンタ制御装置を介して受信され
るピクセル画像のラスタ走査処理によってプリントされ
た画像を作成するインク・ジェット感熱式及び衝撃式プ
リンタを含むものと理解されよう。このようなコンピュ
ータ・システムの使用に際しての不都合な制約は、出力
装置の解像度に関する予測知識に基づいてピクセル画像
が作成される必要があることによるものである。すなわ
ち、論理ピクセル画像は通常は所定の高解像度様式で記
憶される。このような論理ピクセル画像データは必要に
応じて特定の出力装置と接続された周辺制御装置によっ
て、ピクセル・データを解像度と適合させるため、且
つ、出力装置に設定されている特有の要求と適応させる
ために処理される。
【0009】最初に図4を参照すると、代表的な300
dpi×600dpiの論理ピクセル。マトリクスすな
わち画像が図示されており、全てのオン・ピクセルは陰
影を付けて示した水平10行と垂直7列によって定義さ
れている。図4の論理ピクセル画像は図示する目的で選
択されたものであるが、その理由は図4には限定された
解像度のラスタ出力装置で正確に再現することが従来困
難であった特徴を備えているからである。当業者には本
発明の方法は汎用であり、任意の高解像度ピクセル画像
プリントにおいてラスタ出力装置の速度−解像度の積
を増倍、例えば2倍にするのに有効てあることが理解さ
れよう。
【0010】図2A及び図2Bは例えば図4の論理ピク
セル画像の各行における他の全てのピクセルのプリンタ
による点弧の作用を示している。図2Aは高解像度の論
理ピクセル画像を、行が隣接した論理ピクセルの区分化
により300dpi×300dpiの物理的、すなわち
プリンタのドット・マトリクスへと有効に写像する態様
を示している。図2Bは図2Aのピクセル画像の従来の
プリントから生ずるプリントされた出力を示している。
オリジナルの論理ピクセル画像とのサイズ及び形状の合
致の欠如及びエッジ定義の欠如は明白である。図2Aは
プリントヘッドの電気機械アセンブリを保護するために
所定の行内のピクセルを1つおきに無視するある種のプ
リンタの動作を図示したものである。
【0011】図3A及び3Bは本発明に従ったピクセル
細線化処理を示したものである。ドットの重複を回避し
つつ、論理ピクセル画像を細線化して、細線化されたプ
リンタ・ピクセル画像すなわちドット画像が作成され
る。それにより、プリントヘッドを点弧することによっ
て水平解像度が向上して、その水平位置がより高い解像
度の論理画像のタイミングに基づくドットが作成され
る。且つ、それによりオン・ピクセルを画像の右境界の
内側にピクセル一つを戦略的に配置することによってオ
リジナルのピクセル画像のエッジ定義が保持される。図
3Aは論理ピクセル画像からプリンタ・ドット画像への
写像を示したものである。この場合、選択されたピクセ
ルがターン・オフされ、行が隣接するピクセルがまとめ
られてプリント可能なドットを表す。図3Bはピクセル
・データのこのような部分的な処理の出力を示してい
る。オリジナルのピクセル・データとエッジ定義との形
状の適合性が図2A及び図2Bに示した処理と比較して
大幅に向上している。出力の亜鈴状の垂直の空白は図3
Aの細線化されたピクセル画像における隣接行の2ピク
セル幅の空白、すなわちオフ・ピクセル領域が垂直に位
置合わせされたためである。図示したピクセル細線化処
理の誤差を説明するために示した。
【0012】前述のように論理ピクセル画像を細線化し
たピクセルは出力画像の水平解像度を有効に二倍にし、
同時に従来のインク・ジェットプリント機構を公称点弧
速度で利用できる。プリント速度、ひいては処理量は等
しく確保しつつ、有効水平解像度にはオリジナルのピク
セル画像のより高い解像度、例えば600dpiのプリ
ンタの、限定されたより大きいドット・サイズの逆数例
えば300dpiに対する比率だけ増倍される。その結
果がここでは速度−解像度の積の増倍と称される。専門
家は本発明の精神の範囲内で別の速度−解像度の積の増
倍を達成可能であることが理解されよう。例えば、90
0dpi(水平)解像度の論理ピクセル画像は例えば細
線化された配列内の行が隣接したオン・ピクセルと、速
度−解像度の積を事実上3倍にするようなより大きなド
ット・サイズを有する従来のインク・ジェット・プリン
タでプリントされた変更されたピクセル画像との間の行
が隣接した一対のピクセルをターン・オフすることによ
って細線化することができよう。
【0013】本発明が準拠するピクセル細線化算法を図
4及び図1Aないし図1Dを参照して説明する。図4は
インク・ジェット・プリンタを使用してプリントするこ
とが求められる代表的な論理ピクセル画像を示してい
る。楕円形のピクセルは300dpiの行(垂直)解像
度×600dipの列(水平)解像度を定義するものと
して示され、画像内の全ての論理ピクセルは陰影で示さ
れるようにオンである。図1Aは本発明の好ましい実施
例に基づく左から右へのピクセルの細線化の作用を示し
ており、図4でオンである選択された一つ一つのピクセ
ルは図1Aでは陰影なく示されているようにオフであ
る。図1Bは好ましい方法に基づく部分的な右から左へ
のピクセル細線化の作用を示しており、図4の選択され
たオン・ピクセルはオフである。図1Cは後述する態様
で左から右及び右から左への細線化処理を組み合わせた
好ましい方法によって作成されるドット画像を示してお
り、この場合、ドットはオリジナルの画像の所定の行内
の選択された隣接する論理ピクセルを囲む円で示されて
いる。図1Dは本発明のピクセル細線化、解像度増倍方
式を利用して可能になった正確で円滑な300dpi×
600dpiの解像度のインク・ジェットプリントされ
た画像を示している。
【0014】図4と図1Cを比較することによって、
リントされた画像の水平解像度が事実上2倍になり、そ
の結果生じたプリンタのドット画像内には重複するドッ
トがないことが分かる。図4Dからは、プリントされた
画像のエッジ定義が図2B及び3Bのそれと比較して大
幅に向上していることが分かる。正に、所定の行内に正
確に一つ又は3つのオン・ピクセルがある場合だけ、物
理的ピクセル画像のエッジを300dpi×600dp
iのプリンタによって作成されたであろう物理的ピクセ
ル画像のエッジと視覚的に区別できる。僅かに幅広くさ
れた行1及び3はあらゆる場合にドットの重複なしでは
600dpiの(水平)解像度ピクセル画像をプリンタ
・ドット画像へと写像することが困難であることを表し
ている。このような制約にも係わらず、本発明のピクセ
ル細線化、解像度増倍方式は大幅に向上したプリント
質をもたらすことが明らかであろう。
【0015】さて、図5を参照すると、ピクセルの細線
化が重要な部分である速度−解像度積を増倍する本発明
の好ましい方法が説明されている。図5は好ましい方法
がハードウェア、ファームウェア又はソフトウェア(又
はその組合せ)によって実現できる全体的な方法の流れ
図を示している。段階12でプリンタは論理ピクセル画
像データの行を受け、このデータは図4に示したような
高解像度、論理ピクセル画像の一部を表すものとして理
解されよう。段階16、18及び20を含めるために大
括弧で示されているピクセル変更もしくはビット写像段
階14は論理ピクセル画像を物理的ドット画像へと写像
する。すなわち、この段階は受信されたピクセル画像の
現在の行を変更して、ピクセル“伸張”ラスタ画像装置
により実際にプリントされると、受信されたピクセル画
像のエッジ定義を実質的に保持する受信されたピクセル
画像及び高解像度よりも少ないオン・ピクセルを有する
プリント可能な変更された画像を作成する。
【0016】好ましい方法に基づくこのような変更段階
14は段階16で現在の行が奇数であるか偶数であるか
を判定する段階を含んでいる。奇数である場合は、受信
されたピクセル画像は段階18で左から右へと細線化さ
れ、偶数である場合は受領されたピクセル画像は段階2
0で右から左へと細線化される。専門家は細線化の方向
が隣接する行の間で逆転されれば奇数の行又は偶数の行
が左から右へ、又は右から左へのどちらに細線化されて
も問題がないことを理解しよう。すなわち、判断段階1
6の成果は反転でき、又は細線化段階18、20は図5
に示したプロセスと交換することができる。
【0017】細線化段階18、20は好ましくは図6
A、6B及び7を参照して詳細に説明されるプロセスに
よって実行され、それによって高解像度格子上に位置す
る重複しないドットを表す細線化されたピクセル画像が
作成される。このような変更段階14は現在の行と直前
の行内の位置合わせされた空白が、そうしなければ前記
ピクセル細線化から生ずるであろう場合には、現在の行
のオン・ピクセルを実質上、選択的に“シフト”するこ
ととして理解されるものである。段階22では、細線化
され、必要な場合は実質的に“シフト”されたピクセル
を有する変更されたピクセル画像の行がラスタ走査さ
れ、又はプリントされる。段階24では、それ以上の行
が処理されるべきかどうかが判定される。そうである場
合は、論理ピクセル画像の次の行が段階26で、例えば
配列ポインタを増分することにより選択され、論理ピク
セル画像の別の行が同様に処理される。そうでない場合
は、段階28でピクセル・データ処理は停止する。
【0018】受信されたピクセル画像は所定の軸、例え
ばラスタ走査軸に沿って定義された解像度を有してお
り、且つ、受信されたピクセル画像は少なくとも一つの
エッジ、又はエッジ領域及び内部画像領域を定義する複
数のオン・ピクセルを有していることが理解されよう。
陰影で示されたオン・ピクセルが細長い五角形の画像の
エッジと内部領域を定義する図4に示されたピクセル画
像は受信されうる理想的には無制限なピクセル画像の単
に一例に過ぎない。(これは勿論テキストでも図形でも
抽象画像でもよい。)
【0019】 変更段階ハ本発明の好ましい方法に従っ
て、所定の軸に沿って互いに間隔を隔てた選択されたオ
ン・ピクセルを作成し、その際には図1A及び図1Bで
示すように、好ましくは一つ又は二つのオフ・ピクセル
によって作成するために実行される。変更段階は更に、
好ましい方法に従って、行1及び3を除く全ての奇数行
で最も右のピクセルがオフであるという事実によって、
図1A及び図1Bに示すように、受信されたピクセル画
像のエッジ領域から所定の軸に沿って内側に間隔を隔て
た選択されたオン・ピクセルを作成するためにも実行さ
れる。相互の、及び受信されたピクセル画像のエッジ定
義領域から内側へのこのような選択された間隔隔離は、
図6A,6B及び7を参照して詳細に説明するように、
隣接及びエッジ近接判断基準を含む所定の判断基準に従
って実行される。
【0020】ラスタ走査段階はそのドット・サイズが論
理ピクセル配列内のピクセルの幅よりも広いインク・ジ
ェット・プリンタによって行われることが好ましい。図
1Bにおける行隣接ピクセルを囲む広い円によって表さ
れる変更された論理ピクセル配列、もしくはドット配列
の、プリント可能な物理的ピクセルへの写像は、配列内
の各ピクセルが例えば用紙のような出力媒体へと転写さ
れる際の各ピクセルの“伸張”を含むものと考えること
ができる。インク・ジェット・プリンタにおいて実質的
な600dpi(水平)解像度ピクセル画像を作成する
ために600dpi(水平)解像度・ピクセル画像が細
線化される、ここに説明する速度−解像度2倍化方式
は、各々のより高い解像度のピクセルをピクセル幅のほ
ぼ2倍のドットへと、もしくはインク・ドットの直径へ
と“伸張”することによるものである。
【0021】このようなピクセルの“伸張”は本発明の
思想の範囲内で、感熱式又は衝撃式プリンタにおいて、
例えば衝撃式ドット・マトリクス・プリンタで用紙上に
ドットを形成することを補助する剛性ワイヤの断面が一
般に丸く、オリジナルの論理ピクセル画像の600dp
i−1のピクセル幅よりも大きい実効ドット直径を作成
するという事実によって達成されよう。出力に明確なエ
ッジ定義を生ずるのは、交互の行内の変更された画像の
最も左及び最も右のオン・ピクセルがピクセル画像のエ
ッジから内側に一つのピクセル幅だけ間隔隔離されるこ
とと共に、この“伸張”であり、それによって受信され
たピクセルがラスタ走査軸に沿って定義された解像度で
複製される。
【0022】変更段階14及び走査もしくはプリント
階22は変更されたピクセル画像の隣接するオン・ピク
セル間の任意の間隔もしくは空白が複製されるピクセル
画像では見えないように実効される。言い換えると、隣
接するオン・ピクセルから2つのオフ・ピクセル分だけ
間隔を隔てた変更されたピクセル画像の各オン・ピクセ
ルは、(例えば図1Cにおいて、8行目、第1列及び第
4列のオン・ピクセルは同じ行の第2及び第3列の2つ
のオフ・ピクセルによって間隔を隔てられている)隣接
するオン・ピクセルと充分に密接して位置しているの
で、走査又はプリントされた場合、図1Dに示すように
隣接するオン・ピクセル間には眼にみえる空白がない。
本発明のこの重要な特徴は交互のピクセル行において、
左から右への細線化段階18と右から左への細線化段階
20に従ってピクセルが細線化される順序を逆にするこ
とに準拠している。このように、位置合わせされたピク
セル幅の空白はドット画像には存在しない。
【0023】変更もしくは写像は高解像度格子によって
定義された第2のセル(例えば図1Cの正方形のセル
c’)内に位置するドットに対する高解像度格子によっ
て定義された第1のセル(例えば図1Cの方形のセル
c)内に位置するピクセルの写像である。上記において
第2のセルは第1のセルよりも大きい。重要なことは、
その選択されたエッジ領域を定義するオリジナルの論理
ピクセル画像のピクセルはプリント可能なドット画像を
生成するドットを有するピクセルと対応するピクセルへ
と写像されることである。すなわち、好ましい方法に従
って、図4の論理ピクセル画像の少なくとも左と右のエ
ッジ領域(及び好ましくは全てのエッジ領域)を定義す
る各オン・ピクセルは図1Dのようにプリントされるべ
きドットを表す図1Cの円に囲まれている。重要なこと
にオリジナルのピクセル画像のエッジ定義を保持し、同
時にドットの重複と隣接するドット間の一つの論理ピク
セル幅よりも大きいスペースを回避するこのような写像
の後、ドット画像はラスタ走査されてインク・ジェット
・プリンタのようなハードコピー画像生成装置を点弧す
ることによって、例えば用紙のような出力媒体に受領さ
れたピクセル画像を複製する。
【0024】図5からはドットへのピクセルの写像には
前述の算法に従って所定の順序、例えば奇数番の行で左
から右へと所定のピクセル画像行のオン・ピクセルを分
析し、且つ、ドット画像の対応する位置の選択されたピ
クセルをターン・オフして重複しないドット画像行を作
成する段階が含まれることが分かる。その結果生じたド
ット画像行の各ドットは所定のピクセル画像行の残りの
オン・ピクセルと1−2−1の対応関係にあることが好
ましい。写像のこのような分析及びターン・オフ段階は
受信されたピクセル画像の連続する所定のピクセルの近
接性に関する所定のピクセル隣接及びエッジ近接判断基
準に従って繰り返されるが、オン・ピクセルが分析され
る所定の順序及び態様は交互のピクセル画像行ごとに異
なる。その結果、プリントされた画像の不要な空白は回
避される。
【0025】本発明の好ましい方法に基づく写像は図1
A,図1B及び図1Cを参照して以下に説明するピクセ
ル画像データ構造を作成する。図1A及び図1Bは直交
に配列されたオン及びオフ・ピクセル(複数のオン・ピ
クセル及び複数のオフ・ピクセルを含む)を含むインク
・ジェットによりプリント可能なピクセル画像を示して
いる。理解されるように、インク・ジェットによりプリ
ント可能なピクセル画像の所定の行内の隣接するオン・
ピクセルは2つ以下の隣接するオフ・ピクセルによって
互いに間隔を隔てられている。言い換えると、隣接する
オン・ピクセルはもし間隔を隔てられている場合は、1
つ以上のオフ・ピクセルによって、又、2つ以下の隣接
するオフ・ピクセルによって間隔を隔てられ、所定の行
の任意の2つの隣接するオフ・ピクセル間の2つ以下の
ピクセル幅の間隔すなわち空白を残す。このような写像
によって、オリジナルの論理ピクセル画像が5つのピク
セル幅の行の垂直に位置合わせされた流れを有している
場合を除いた全ての場合に、出力に見える空白なくプリ
ントできるピクセル・データ構造が作成される。このよ
うな流れがオリジナルの論理ピクセル画像に出現する例
外的な場合は、そうしなければ不可避である出力の空白
を残すよりも、インク・ジェットを二重点弧して交互の
行内に重複するドットを作成する方がよりましであろ
う。
【0026】左から右と右から左へのピクセル細線化処
理の結果が異なり、又、連続する行上で2つの処理が交
互に行われることにより、行内で隣接するオフ・ピクセ
ルが生じた場合は、これらのピクセルはピクセル画像の
隣接する行内での同様のピクセルの出現と位置合わせさ
れない。図1Cから分かるように、このような2つの隣
接するオフ・ピクセルの少なくとも一つ、例えば8番目
の行の第2及び第3列の隣接するオフ・ピクセルはこれ
に隣接する最初の行にオン・ピクセルを有する。それは
例えば7番目の行の第3列のオン・ピクセルである。更
に、所定の行内の2の隣接するオフ・ピクセルの一つは
これに隣接する2番目の行内にオン・ピクセルを有す
る。それは例えば9番目の行の第3列のオン・ピクセル
である。このように、変更されるピクセル画像内に単一
ピクセル幅のオフ・ピクセルの列があり得るが、垂直に
位置合わせされた隣接するオフ・ピクセル又は一対のピ
クセルはない。行の逆方向のピクセル細線化を含む本発
明の好ましい方法によって、図1Cに最も明解に示され
ているように、所定の行内の隣接するドット間の単一ピ
クセル幅の間隔しか生じないとみなし得る写像された
リント可能なピクセル画像が作成され、前記の間隔はイ
ンク滴が用紙に供給された時にプリント出力には空白を
生じるものではない。
【0027】重複しないドットと良好なエッジ定義を達
成するためのピクセルの細線化は当該のピクセルもしく
はビットに位置設定されたピクセル隣接及びエッジ近接
の判断基準に従って実行されるので、ラスタ出力装置の
速度−解像度積を最小のラスタ化画像行バッファリング
で増倍することが可能である。本発明の好ましい方法に
従って、ドットの重複、ドット間の空白及びエッジ定義
に影響を及ぼす全てのピクセル・オン/オフ決定を行う
には単一のラスタ化されたピクセル画像行バッファリン
グしか必要としない。このことによってピクセル・デー
タ処理の複雑さ及びそれがプリンタの処理量に及ぼす衝
撃が大幅に軽減され、同時にプリンタ制御装置又はプリ
ンタのコストが高い多重行又はページのバッファを回避
することができる。このようにして実質的にオン・ザ・
フライ・ピクセル画像データ処理が可能になり、これは
データ処理の待ち時間がほとんどなく、ハードウェア、
ファームウェア又はソフトウェアによって実行可能であ
る。
【0028】さて図6A及び6Bを参照すると、定義が
必要な種々の記述用語を使用した左から右へのピクセル
細線化ルーチンが示されている。“CURRENT”と
はドット画像を作成する上でそれがターン・オフされる
べきかどうかが分析される現在の当該論理オン・ピクセ
ルである。“LAST”は現在の行内の直前の論理ピク
セルである。“NEXT”とは現在の行内の直後の論理
ピクセルである。“NEXTNEXT”は現在の行内の
NEXTの論理ピクセルの直後の論理ピクセルである。
“NEXTNEXTNEXT”はNEXTNEXTの論
理ピクセルの直後の論理ピクセルである。状態変数
‘A’,‘B’,‘C’,‘D’,‘E’,‘F’及び
‘G’は論理ピクセル画像の現在のピクセルが変更され
るピクセル画像においてオンに留まるか、ターン・オフ
されるべきかを決定する論理ピクセル状態の集合の決定
木の終端であり、‘B’以外の全ては図1Aに示したピ
クセル画像内の同一の符号を付した論理ピクセルと対応
する。
【0029】例えば、Aの符号を付したピクセルはオン
論理ピクセルの流れの現在の(水平)“LENGTH”
が1であるピクセル位置と対応する。すなわち、Aの符
号を付したピクセルは論理ピクセル画像の現在の行の最
初に遭遇するオン・ピクセルであり、(LENGTH−
長さ)が0から1に増分されると、対応するピクセルは
A−形式のピクセルとして扱われる)且つ、このような
ピクセルは“LAST”を高レベル(又は高=真の論理
規則により1に)にセットすることによってその現在の
(オン)状態に留められる。変数Bはオン論理ピクセル
の流れの現在のLENGTHが3であり、NEXTピク
セルがオフであるピクセル位置に対応する。このような
3ピクセル幅の行に遭遇した時に単一のドットだけを作
成したい場合は、論理スイッチ“NARROW3”は0
ではなく1にセットされ、又、LASTは低レベル(又
は高−真論理規則により0に)にセットされるか、クリ
ヤされよう。好ましいピクセル細線化方法とその代替方
法とを比較する目的で、行内の第3のピクセルをオン状
態に留めずにターンオフする場合が図3A及び3Bに示
されており、その結果は図1C及び図1Dに示した場合
よりもインク・ドット画像に適合する精度が下がること
が了解されよう。本発明の好ましい方法によって、LA
ST(高)を、セットすることにより、流れ(run)
のなかの第3のピクセルが代わりに現在の(オン)状態
に留められる。流れの中の第3のオン・ピクセルがオン
に留まるか、ターンオフされるかは、プリンタ又は用途
に特有の判断基準によって決定される。すなわち、それ
がオンに留められるとやや幅広い画像が生じ、ターンオ
フされるとやや狭い画像が生ずる。
【0030】Cの符号を付したピクセルはオン・ピクセ
ルの流れの現在のLENGTHが偶数であり、且つLA
ST(直前の)ビットがオンであるピクセル位置に対応
し、これらはLASTをクリヤすることによってターン
オフされる。Dの符号を付したピクセルはオン・ピクセ
ルの流れの現在のLENGTHが偶数であり、且つLA
STビットがオフであるピクセル位置に対応しは、これ
らはLASTをセットすることによってその現在の(オ
ン)状態に留められる。Eの符号を付したピクセルはオ
ン・ピクセルの流れの現在のLENGTHが奇数であ
り、次の2つの連続するビット(NEXT及びNEXT
NEXT)がオンであり、現在のビットに続く第3のビ
ット(NEXTNEXTNEXT)がオフであるピクセ
ル位置に対応し、これらはLASTをクリヤすることに
よってターン・オフされる。Fの符号を付したピクセル
はLASTビットがオンであり、オン・ピクセルの流れ
の現在のLENGTHが奇数であり、1)次の2つの連
続するビット(NEXT及びNEXTNEXT)の少な
くとも一つがオフであるか、2)現在のビットに続く3
番目のビット(NEXTNEXTNEXT)がオンであ
るピクセル位置に対応し、これらはLASTをクリヤす
ることによってターンオフされる。最後にGのラベルを
付したピクセルは以前のビットの状態に係わらず、オン
・ピクセルの流れの現在のLENGTHが奇数であり、
1)次の2つの連続するビット(NEXT及びNEXT
NEXT)の少なくとも一つがオフであるか、2)現在
のビットに続く3番目のビット(NEXTNEXTNE
XT)がオンであるピクセル位置に対応し、これらはL
ASTをセットすることによってその現在の(オン)状
態に留められる。
【0031】現在のビットが上記のように分析され、オ
ンに留められるか、ターンオフされた後、現在の行内の
次のビットが同様に分析される。図4に示したオリジナ
ルの論理ピクセル画像の全ての行上の左から右へのピク
セル細線化処理を実行した結果、図4Aに示した変更さ
れた論理ピクセル画像が作成される。重要なことは、図
1Aの変更されたピクセル画像は細線化されているこ
と、すなわちオリジナル画像のオン・ピクセルの全ては
変更された画像では必ずしもオンではないことである。
更に、オリジナル画像の左及び右のエッジは、インク・
ジェット・プリンタ又はその他のピクセル“伸張”ラス
タ画像装置によってプリントされたとき、エッジ定義が
損失されないように変更される。行1の単一ピクセルは
オンに留まり、NARROW3=0である本発明の好ま
しい方法に従って、行3の2つのエッジ・ピクセルはオ
ンに留まる。他の全ての行では、左から右へのピクセル
細線化処理によって最も右の(エッジ)ピクセルはター
ンオフされる。図1Bは本発明の好ましい実施例に従っ
た右から左へのピクセル細線化の作用を示している。オ
ン及びオフピクセルが異なる細線化算法に対応して異な
る符号を付されていることを除いては、図1Bは図1A
と同様であることが理解されよう。重要なことは、各行
内に残ったオン・ピクセルは行7ないし9を除いた全て
の行内での左から右へのピクセル細線化の結果と同一で
あることである。論理ピクセル画像が(5以外の)奇数
番号のピクセルを有する垂直に位置合わせされた行を有
する図示したような場合に、出力の垂直の空白を無くす
るために、交互の行で左から右と右から左へのピクセル
細線化を有効にするのは前記の重要な相違点である。図
5の速度−解像度の積を増倍する方法の全体的な流れ図
を参照すれば、本発明の好ましい方法に従って、図1A
に示された左から右へのピクセル細線化処理と、図1B
に示された右から左へのピクセル細線化処理とが交互に
行われて、プリントされた場合に垂直の空白がほとんど
無く、解像度が増倍され、かつエッジ定義が向上した変
更されたピクセル画像が作成されるとが理解されよう。
【0032】図1Cは図1Dに示された画像を作成する
ために、変更されたピクセル画像を(例えば)インク・
ジェット・プリンタによって実際に処理されたドット画
像へと交換する態様が示されている。各行毎にインク・
ジェットが点弧され、プリンタの最大点弧速度、もしく
は周期速度を超えない速度で適切な間隔を隔てたインク
滴が用紙へと向けられるが、それは変更されたピクセル
画像の600dpiの解像度ではなく、タイミングに基
づいて行われる。変更された論理ピクセル画像内の他の
全ての、もしくは全ての3番目のピクセルがオンで、画
像内に一つ又は2つのピクセル幅の空白が生じるが、
リントされた出力には空白は現れない。その理由は、用
紙にインクが転写される際にドットの直径が〜40%増
大するという特性によるものである。(画像の先端及び
その周囲の僅かな平滑化はインク滴の相互の親和性及び
用紙の吸収性に依るものである。)
【0033】重要な点は、図1Cに示した変更されたピ
クセル画像の交互の行は先ず一つの方向に、次ぎに別の
方向にピクセル細線化されることによって作成されるこ
とである。より詳細に述べると、第1、第3、第5、第
7及び第9行は図1Aに示した左から右へのピクセル細
線化処理によって作成され、一方、第2、第4、第6、
第8及び第10行は図1Bに示した右から左へのピクセ
ル細線化処理によって作成される。図3A及び3Bを図
1C及び図1Dと対比することによって、異なるピクセ
ル行隣接性の判断基準に従って交互の行が細線化される
好ましいピクセル細線化方法は、そうしなければ位置合
わせされた空白を生ずる隣接する行内の特定の内部ピク
セル(ひいてはこれらを囲むドット)の実際の配置を左
と右に交互にすることによって、出力に眼に見える空白
もしくは間隔が生ずることを回避することが分かる。
【0034】隣接する行の上記の処理は本発明の好まし
い実施例に従って、図5の流れ図を参照して前述した態
様で実行される。このような隣接行処理の結果、変更さ
れた論理ピクセル画像において、単一のピクセル幅より
も広いピクセル空白は単一のピクセルの高さ以上である
ことはあり得ず、例えばプリントされた出力画像におい
て見える場合がある空白は、変更されたプリンタ・ドッ
ト画像内のいかなる空白も単一のピクセルの高さにしか
過ぎないことが確実であることにより回避される。本発
明の好ましい方法に従った論理ピクセル処理の結果、図
1Dに示したインク・ジェット・プリンタの出力には、
オフ・ピクセルの隣接する行の位置合わせを考慮せずに
各行を分析した場合(例えば図3Bを参照)には現れる
空白は現れない。本発明の好ましい方法に従って、この
ように隣接行の空白が位置合わせされることは、交互の
行を反対方向にピクセル細線化することによって、又、
ラスタ走査軸に沿った異なるピクセル隣接性及びエッジ
近接性の判断基準に従って回避される。
【0035】図6A及び6Bの流れ図を再度参照して、
好ましい左から右へのピクセル細線化段階18(図5を
参照)を詳細に説明する。段階18はブロック100で
開始される。ブロック102でLENGTHはゼロにセ
ットされる。ブロック104で“POINTER”が各
論理ピククセル画像の第1ドットに初期化され、ブロッ
ク106で“WIDTH”が各画像ピクセル行内のピク
セル数、例えば600dpi・80in=4800ピク
セルに初期値設定され、LASTがクリヤされる。所定
の行毎の論理ピクセル配列は(行の終端で)3つの追加
ピクセルを受容しなければならず、これらのピクセルは
(NEXT,NEXTNEXT及びNEXTNEXTN
EXTのピクセル・オン/オフ状態を考慮しつつ)プリ
ント可能なピクセル画像境界はを表すCURRENTピ
クセル、もしくは行内の最後のプリント可能なピクセル
を適切に分析するためにクリヤされなければならないこ
とを専門家は理解しよう。
【0036】プロック108では4つの連続するピクセ
ル、すなわちCURRENT,NEXT,NEXTNE
XT及びNEXTNEXTNEXTが論理ピクセル画像
(行)配列から得られる。ブロック110で図6Bに示
す“THIN RIGHT”プロセッサの開始へと制御
が転送される。ブロック112におけるTHIN RI
GHTプロセッサからの復帰の後に、ブロック114で
LASTがCURRENTピクセル位置内の変更された
ピクセル画像へと書き込まれる。ピクセル隣接性及びエ
ッジ近接性の判断基準に従って、LASTがTHIN
RIGHTプロセッサによって既にセットされるか、ク
リヤされていることが理解されよう。ブロック116,
118でWIDTHが減分され、現在の行の全てのピク
セルが左から右への細線化段階18に関して既に分析さ
れているかどうかが判定される。論理ピクセル画像の現
在の行について左から右への細線化段階18が完了して
いる場合は、左から右への細線化段階18はブロック2
0で“EXIT”(出口から出る。(そして図5に示す
右から左への細線化段階20に従って次の行が分析され
る。)完了していない場合、段階108でCURREN
T,NEXT,NEXTNEXT及びNEXTNEXT
NEXTを更新することによって左から右への細線化段
階18が継続する。
【0037】次ぎに図6Bを参照すると、ブロック11
0THIN RIGHTプロセッサが始動する。ブロッ
ク1でCURRENTが検査される。論理ピクセル画像
のピクセルがオフである状態に対応してCURRENT
=0であるならば、変更された論理ピクセル画像の対応
するピクセルもブロック124でLASTをクリヤする
ことによってターンオフされ、ブロック112で制御が
復帰する前にブロック126でLENGTHがクリヤさ
れる。論理ピクセル画像のピクセルがオンである状態に
対応してCURRENT=1であるならば、変更された
論理ピクセル画像の対応するピクセルは所定のピクセル
隣接性及びエッジ近接性の判断基準に従って更に分析さ
れる。ブロック128,130でLENGTHが増分さ
れ、それが1に等しいかどうかが判定される。図1Aに
おいてAの符号を付されたピクセルに対応してLENG
TH=1であるならば、ブロック132で112で復帰
する前にLASTがセットされる。このように、LEN
GTH1に対応する変更されたピクセル画像のピクセル
(Aの符号を付されている)は図1Aで陰影を付けて示
されているようにオンである。
【0038】図6Bの決定ブロック130で判定された
結果LENGTH≠1であるならば、NARROW3の
状態がブロック134で判定される。NARROW3=
1であるならば、ブロック136で1)LENGTH=
3であるか、又、2)NEXT=0であるかが判定され
る。双方の条件が満たされているならば、図6Aのアク
ション・ブロック114に制御が戻る前に、ブロック1
38でLASTがクリヤされ、これは図1Aの変更され
たピクセル画像の3行目、3列のオフ・ピクセルと対応
するものである。本発明の好ましい方法に従って、3つ
のピクセル幅の論理ピクセル画像行が2ドット幅のプリ
ント可能な画像行へと写像されることが理解されよう。
このように、ブロック134,136,138にはフレ
キシビリティかあるが、これは好適であると確信される
方法では必要ない。何故ならば、3つのピクセル幅の行
の最も右のピクセルGが変更されたピクセル画像内で代
わりにオン状態に留まるからである。プロック134,
136で検査された3つの条件のいずれかが満たされな
い場合は、ブロック140でLENGTHが奇数である
か偶数であるかが判定される。LENGTHが偶数であ
る場合は、ブロック142でLAST=0であるかどう
かが判定される。LAST=0である場合は、制御が復
帰する前にブロック144でLASTがセットされる。
これは図1Aの行5及び7ないし9に示したオンのDピ
クセルの場合と対応する。そうではなくLAST=1で
ある場合は、ブロック146でCピクセルに対応してL
ASTがクリヤされ、これはターンオフされて左から右
へと細線化されたピクセル画像を作成することが図1A
から理解されよう。
【0039】決定ブロック140でLENGTHが奇数
であることが判定された場合は、ブロック148で1)
NEXT=1であるか、2)NEXTNEXT=1であ
るか、及びNEXTNEXTNEXT=0であるかが判
定される。3つの全ての条件が満たされた場合は、ブロ
ック150でLASTがクリヤされ、これは図1AのE
の符号を付されたピクセルと対応し、且つ制御はブロッ
ク112を経て図6Aのアクション・ブロック114へ
と復帰する。3つの条件のうちのいずれかが満たされな
い場合は、ブロック152でLAST=0であるかどう
かが判定される。LAST=0であるならば、ブロック
154でLASTがセットされ、F形式のオフ・ピクセ
ルが作成される。制御は復帰する。このようにTHIN
RIGHTプロセッサ110はそれが呼び出されるご
とに単一ピクセルのオン/オフの決定を行い、次ぎに図
6Aのアクション・ブ114に復帰してラスタ画像装置
によってプリントされる変更されたピクセル画像内のピ
クセルを(LAST=1である場合は)セットし、又は
(LAST=0である場合は)クリヤする。図6A及び
6Bに流れ図で示された左から右への細線化段階は例え
ば読出し専用記憶装置(ROM)準拠の状態制御装置の
ようなハードウェア‘探索テーブル’で直接的に実行可
能であることが理解されよう。
【0040】最後に図7の流れ図を参照すると、右から
左へのピクセル細線化段階20(図5に示す)は上記の
とおり詳述した左から右へのピクセル細線化段階18と
の類似性により、容易に理解されよう。図7を簡略に参
照すると、“THIN LEFT”プロセッサ200は
図6BのTHIN RIGHTプロセッサ100と密接
に対応し、図4Bの‘Q’,‘R’,‘S’,‘T’,
‘V’及び‘W’の符号を付された変更されたピクセル
画像がオン状態に留められるか、ターンオフされるかが
判定される好ましい態様が示されている。符号‘U’は
‘V’との混乱を避けるため意図的に省かれている。図
1Bにはない符号‘Z’はTHIN LEFTプロセッ
サによって右から左へと細線化されるオリジナルの論理
ピクセル画像のオフ・ピクセルと対応する。同様の変数
初期値設定、配列のサイズ指定、初期化及び管理及びル
ープ制御は図6Aに示したものと同様であり、一方、右
から左へのピクセルの細線化を行うために必要なTHI
N LEFTプロセッサ200は簡略且つ明解にするた
めに図示されていないことが専門化には理解されよう。
(このようなループ制御ルーチンはTHIN RIGH
TではなくTHINLEFTと呼び、又、ポインタが示
す現在の行の“最初の”ピクセルが左端のピクセルでは
なく右端のピクセルであること以外は図6Aと同様であ
る。)
【0041】簡略に述べると、THIN LEFTプロ
セッサ200はプロック202でCURRENTを検査
し、それがゼロならばブロック204でLASTをクリ
ヤし、これは変更されたピクセル画像のピクセルをオン
又はオフに切り換えることを表している。CURREN
T=1であるならば、ブロック206で“LAST
N”すなわち現在のピクセルの(右の)直前のオリジナ
ルの論理ピクセル画像のピクセルを表す変数が検査され
る。LAST IN=0である場合は、ブロック208
でNEXT=0であるかどうかが判定され、図1Bの符
号Yを付された一つのピクセル幅の行ピクセルと対応し
てそうである場合は、プロック210でLASTがセッ
トされ、変更されたピクセル画像にオン・ピクセルが作
成される。ブロック212で判定された結果、NEXT
=1及びNEXTNEXT=0である場合は、ブロック
214で2の行(Xの符号)内で最初に遭遇するピクセ
ルはLASTをクリヤすることにはよってターンオフさ
れる。ブロック216で判定された結果、1)NEXT
=1、2)NEXTNEXT=1及び3)NEXTNE
XTNEXT=0である場合は、3のピクセル行(Wの
符号)内で最初に遭遇する(右端の)ピクセルが、ブロ
ック218でLASTをセットすることによってターン
オンされる。NEXT=1で、NEXTNEXT=1で
且つNEXTNEXTNEXT=1である場合は、現在
の行は3つのピクセル幅以上であり、図1BでVの符号
を付されたこの行の最初に遭遇するピクセルはLAST
をクリヤすることによってブロック220でターンオフ
される。
【0042】ブロック206でLAST・IN=1であ
ると判定された場合は、行の幅は単一のピクセル幅以上
であり、現在のピクセルは内部ピクセル又は(左)の終
端のピクセルである。この場合、ブロック222でNE
XT=0であるかが判定される。NEXT=0である場
合は、ブロック224でLASTがセットされ、図1B
に示すように所定の行内で最後に遭遇するピクセルとし
てオン・ピクセルTが作成される。NEXT=0である
場合は、内部ピクセルが表示される。従って、ブロック
226でNEXTNEXTが検査される。NEXTNE
XT=0である場合は、ブロック228でLASTをク
リヤすることによってS形式のピクセルがターンオフさ
れる。NEXTNEXT=1である場合は、ブロック2
30で変更されたピクセル画像の直前のピクセル、すな
わち(出力ピクセル配列に書き込まれたばかりの)“L
AST・OUT”がオンであったかオフであったかが判
定される。LAST・OUT=0である場合は、ブロッ
ク232でLASTをセットすることにより、図1Aに
示すようにR形式のピクセルがターンオンされる。LA
ST・OUT=1である場合は、ブロック234でNE
XTNEXTNEXTが検査される。NEXTNEXT
NEXT=0である場合は、ブロック236でLAST
をクリヤすることによってP形式のピクセルがターンオ
フされる。そうでない場合は、Q形式のピクセルが表示
され、ブロック238でLASTがクリヤされ、変更さ
れたピクセル画像内でピクセルがターンオフされる。
(LASTをセット又はクリヤした後、制御は図6Aの
ものとほぼ同一のループ制御ルーチンに復帰することが
理解されよう。
【0043】解像度変更された出力では、解像度増倍
と、エッジ定義の改善と、見える空白がほとんど入らな
い所望の非重複の、ドット定義がされる。このような細
線化されたピクセル・パターンを作成するために、別の
左から右、又は右から左へのピクセル細線化処理も利用
できることが理解されよう。更に、説明した処理は別の
態様でも実現でき、しかも本発明の利点を達することが
できることが理解されよう。例えば、2つ又はそれ以上
の隣接するピクセル行の左から右、又は右から左へのピ
クセル細線化及びバッファリングを実行することがで
き、その後、垂直に位置合わせされた一対のオフ・ピク
セルを回避するため、例えば行間のオフ・ピクセル隣接
性の判断基準に従って前記の処理により生じた細線化さ
れた画像が調整される。最後に、所望の処理速度、複雑
さ及びコストに従って、この処理段階はハードウェア、
ファームウェア、ソフトウェア又はその組合せによって
実現できることが理解されよう。このような細線化処理
によって作成されたピクセル・データ構造は本発明の範
囲内で、異なる形式をとることができ、なおかつインク
・ジェット・プリンタ又はその他のラスタ画像装置の出
力への眼にみえる垂直の空白の発生は最小限できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法及びそれによって生ずるデ
ータ構造によって、インク・ジェット・プリンタは増倍
された速度−解像度の積で動作することができる。プリ
ントされたインク滴の重複及び垂直の空白を回避し、し
かも良好なエッジ定義を保持するために、論理ピクセル
よりも大きい、プリント可能なドットを表す物理的ピク
セル画像へと写像することによって、又はピクセル画像
を細線化することによって、本発明の方法は高解像度格
子上に位置する重複しないドットを有するドット画像を
作成する。それによって、風変わりでコストが高いプリ
ントヘッド技術に頼らずに、又、プリンタの処理量を悪
化させずに有効に水平解像度を高めることができる。
【0045】この方法はラスタ走査軸に沿ったドットの
大きさで300dpiの解像度が規定される場合、30
0dpi×600dpiの解像度論理ピクセル画像を物
理的ドット画像に写像することに限定されず、ドットが
300dpi×600dpiの解像度格子内に配置さ
れ、ラスタ画像装置の速度−解像度の積を有効に2倍に
するものである。当業者にはこの方法が速度−解像度の
積を増倍する任意の写像に適応することが理解されよ
う。それによって、例えば、所定の論理ピクセル画像の
解像度と、物理的ラスタ走査出力装置のドット・サイズ
に規定される解像度との比率を係数とする。この係数に
より、原画像内のピクセルがラスタ走査軸に沿って内部
領域に細線化される。且つ好ましくは原画像のエッジ領
域の左端と右端とから交互に内側に、選択されたオン・
ピクセルをオフして配置される。その結果、インク・ジ
ェットプリンタでプリントされると、眼にみえる空白を
内部に生ずることなく、且つ優れたエッジ定義を備え
た、高解像度の画像を作成する重複しないピクセル・デ
ータ構造が生ずる。本発明の好ましい方法と、その結果
生ずるデータ構造及び本発明を実施する最良の態様をこ
れまで説明してきたが、本発明の精神から逸脱すること
なく多くの変化形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の一実施例に従う処理を図4の画像に
施す場合の最初の論理ピクセル画像を示す図である。
【図1B】図1Aにつづく論理ピクセル画像を示す図で
ある。
【図1C】図1Bにつづく処理された論理及び物理ピク
セル画像を示す図である。
【図1D】図1Cの論理及び物理ピクセル画像の関係に
基づいてプリントされた画像を示す図である。
【図2A】図4の画像に従来技術を適用して処理におけ
る論理及び物理ピクセル画像を示す図である。
【図2B】図2Aに基づく物理ピクセルに従うプリント
結果を示す図である。
【図3A】図4の論理ピクセル画像を本発明により一部
分処理した場合の論理ピクセルと物理ピクセルの関係を
示す図である。
【図3B】図3Aの関係に基づき物理ピクセル画像を
リントした場合を示す図である。
【図4】本発明の一実施例で処理される論理ピクセル画
像の拡大概略図である。
【図5】本発明の一実施例の全体的流れ図である。
【図6A】図5の流れ図の部分詳細流れ図である(左か
ら右への細線化)。
【図6B】図5の流れ図の部分詳細流れ図である(左か
ら右への細線化)。
【図7】図5の流れ図の部分詳細流れ図である(右から
左への細線化)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−158874(JP,A) 特開 平2−131668(JP,A) 特開 平3−89775(JP,A) 特開 昭64−71268(JP,A) 特開 昭64−71267(JP,A) 特開 平4−172871(JP,A) 特開 平4−265069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/51 B41J 2/485 H04N 1/409

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下(イ)から)のステップを含むこ
    とを特徴とする描画速度・分解能積を増倍する方法、 (イ)所与の軸に沿って所定の分解能を有し、エッジと
    内部画像領域を定義する複数のオン・ピクセルを有する
    ピクセル画像を受信するステップ、 (ロ)前記受信したピクセル画像を、前記受信したピク
    セル画像より少ないオン・ピクセルを有する変更したピ
    クセル画像を生成するために変更するステップであっ
    て、該ステップは前記変更されたピクセル画像の選択さ
    れたオン・ピクセルを、所定の基準に従って前記所与の
    軸に沿って、前記受信したピクセル画像によって定めら
    れるエツジ領域から、内側に間隔を置いて配置し、 (ハ)前記変更されたピクセル画像を、前記変更された
    ピクセル画像の各ピクセルを前記所与の軸方向に伸長し
    て、前記所定の分解能で前記受信したピクセル画像を
    覚的に正確に復元するようにラスター走査するステッ
    プ。
  2. 【請求項2】前記変更するステップおよび走査するステ
    ップは、前記変更されたピクセル画像の隣接するオン・
    ピクセル間のスペースが復元されたピクセル画像上で視
    覚的に検出できないように実施されることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記走査するステップは、インクジェット
    プリンタで実施され、前記変更されたピクセル画像の各
    ピクセルが、前記受信されたピクセル画像の復元におい
    て、ほぼインク・ドットの直径に伸長されることを特徴
    とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記インクジェットプリンタは、前記所与
    の軸に沿って、前記所与の分解能の約半分の分解能を有
    し、前記変更するステップは、前記選択されたオン・ピ
    クセルが、前記所与の軸に沿って、一つまたは二つのオ
    フ・ピクセルによりお互いに 間隔を置いて配置され、ま
    た前記エッジ領域から前記軸に沿って内側に一つのオフ
    ・ピクセルで間隔を置いて配置され、効果的に描画速度
    ・分解能積を倍増することを特徴とする請求項3に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】ラスター描画装置において、以下の(イ)
    から(ハ)のステップを含むことを特徴とする描画速度
    ・分解能積を増倍する方法 (イ)所与の軸に沿って所定の分解能を有する格子によ
    り決定される第1のセル(C)に位置するピクセルで構
    成され、エッジと画像内部領域を定義する複数のオン・
    ピクセルを含むピクセル画像を受信するステップ、 (ロ)前記受信したピクセル画像を、前記格子で決定さ
    れる前記第1のセル(C)より大きな第2のセル
    (C’)内に配置されたドットを含むドット画像に写像
    するステップであって、前記写像するステップは、隣接
    するドットを重複せず、かつ前記軸に沿って前記格子の
    隣接格子線距離を越えない距離で間隔を置いて配置
    、前記エッジを定義する領域では各オン・ピクセル
    は、ドットに1対1に対応するように写像し、 (ハ)前記ドット画像をラスター走査してハードコピー
    画像発生手段を点弧し、出力媒体上に前記受信したピク
    セル画像を復元するステップ。
  6. 【請求項6】前記点弧するステップは、インクジェット
    プリンタで実施されることを特徴とする請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】前記写像するステップは、所与のピクセル
    画像行のオン・ピクセルを所定の順序で分析するステッ
    プ、および所与のピクセル画像行のオン・ピクセルに一
    対一に対応するドットを含むドット画像行を生成するた
    めに対応する位置の選択されたピクセルをオフにするス
    テップを含み、前記分析するステップおよびオフにする
    ステップは、所定の基準に従って実施されることを特徴
    とする請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記分析するステップおよびオフにするス
    テップは、前記所定の基準に従って 、前記受信されたピ
    クセル画像の連続するピクセル画像行について、繰返し
    て実行され、前記オン・ピクセルが分析される前記所定
    の順序は、交互のピクセル画像行で逆転されることを特
    徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】複数の直交配列されたオン・ピクセルおよ
    びオフ・ピクセルを含むインクジェットで印刷可能なピ
    クセル画像を有することを特徴とするピクセル画像デー
    タ構造の生成方法であって、所与の行の隣接するオン・
    ピクセルを、少なくとも一個のオフ・ピクセルによっ
    て、また隣接する二個以下のオフピクセルによって、お
    互いに間隔を置いて配置、前記二つの隣接するオフ・
    ピクセルの少なくとも一つ、前記所与の行に隣接する
    第一の行に隣接するオン・ピクセルを有し、また前記二
    つの隣接するオフ・ピクセルの少なくとも一つ、前記
    所与の行に隣接する第二の行に隣接するオン・ピクセル
    を有するピクセル画像データ構造の生成方法
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