JP3178708B2 - 車両用ドアハーネスの配索構造 - Google Patents

車両用ドアハーネスの配索構造

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)
  • Electric Cable Arrangement Between Relatively Moving Parts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車ドアと車両
ボディ本体とを接続する車両用ドアワイヤハーネスを自
動車ドアの開閉に伴ってドア内でコンパクトに収縮させ
得る車両用ドアハーネスの配索構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図6は、本出願人が特願平8−1766
87号で提案した車両用ドアハーネスの配索構造を示す
ものである。
【0003】この構造は、車両ボディ本体70からドア
インナパネル71にかけて合成樹脂製のハーネスプロテ
クタ72を介してワイヤハーネス60を配索し、ドア7
3の開閉に伴って該プロテクタ72をドアインナパネル
71に沿ってスライド自在とし、該プロテクタ72から
導出されたワイヤハーネス60をクリップ61でドアイ
ンナパネル71に揺動自在に支持させたものである。
【0004】車両側ワイヤハーネス74のコネクタ75
は車両ボディ本体70のブラケット76に回動自在に設
けられている。ドア側ワイヤハーネス60は筒状の剛性
プロテクタ72を挿通して、プロテクタ前端の図示しな
いコネクタに接続し、該コネクタは車両ボディ本体側の
コネクタ75に接続している。ドアインナパネル71に
は水平方向のスライドガイド77が設けられ、該プロテ
クタ72の後端の突起(図示せず)がスライドガイド7
7にスライド自在に係合している。
【0005】ドア側ワイヤハーネス60はプロテクタ7
2の後部開口から斜め上方に配索され、前記クリップ6
1を経て後方に延びている。プロテクタ72がスライド
ガイド77の前端部から後端部に移動するのに伴って、
ワイヤハーネス60がクリップ61を支点として角度θ
で振り子式に揺動し、ワイヤハーネス60の伸縮を吸収
する。
【0006】ドアインナパネル71にはドアトリム78
が接合され、プロテクタ72はドアインナパネル71と
ドアトリム78との間に位置する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構造にあっては、ワイヤハーネス60がクリップ6
1を支点としてドアインナパネル71に沿って揺動する
ために、ドアインナパネル表面やドアトリム裏面が擦れ
やすいという心配がある。また、ワイヤハーネス60が
振り子式に振れるために、ドア内においてワイヤハーネ
ス移動部79の占有スペースが大きくなり、ドア内のエ
アダクト等との干渉の心配や、それを避けるべく、ドア
内の部品の配置が制約を受けるという心配もある。ま
た、ワイヤハーネス60をクリップ61で固定するため
に手間がかかるという問題もある。
【0008】本発明は、上記した点に鑑み、ワイヤハー
ネスの移動に伴うドアインナパネル表面やドアトリム裏
面の磨耗の心配やドア内部品の位置の制約を解消でき、
しかも手間をかけずに簡単にワイヤハーネスを配索し得
る車両用ドアハーネスの配索構造を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車両ドア内にプロテクタケースを設け、
該プロテクタケース内にハーネスプロテクタをスライド
自在に係合させ、該ハーネスプロテクタの一端を車両ボ
ディ本体側に接続し、該ハーネスプロテクタの他端から
ワイヤハーネスを該プロテクタケース内に導出させる車
両用ドアハーネスの配索構造において、該ワイヤハーネ
スを該プロテクタケース内に輪状に屈曲させて収納し、
該ワイヤハーネスの輪部を該プロテクタケース内で拡径
及び縮径させて収縮自在としたことを特徴とする。前記
プロテクタケース内にハーネス支持ピンを立設し、前記
ワイヤハーネスの輪部を該ハーネス支持ピンの回りに配
置する。また、前記プロテクタケースが円形状ないし半
円形状のハーネス収納部を有する。また、前記プロテク
タケースがケース本体とカバーとで構成され、該ケース
本体が、ハーネスプロテクタに対する樋状のスライドガ
イド部を有する。前記ケース本体はドアトリムと一体に
形成されていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態の具体
例を図面を用いて詳細に説明する。図1〜図2は本発明
に係る車両用ドアハーネスの配索構造の一実施例を示す
ものである。
【0011】この構造は、図1の如く、ドアインナパネ
ル1に、円形状のハーネス収納部2を有する合成樹脂製
のプロテクタケース3を設けて、ドア側ワイヤハーネス
4を該ハーネス収納部2内に輪を描くように環状に収納
して、ワイヤハーネス4の伸縮をハーネス輪部5の拡大
縮小により吸収させるものである。
【0012】該プロテクタケース3は、ドアインナパネ
ル1の表面に固定されるケース本体6(図2)と、該ケ
ース本体6に覆設されるカバー7とで構成される。
【0013】該プロテクタケース3の樋状のスライドガ
イド部8内をハーネスプロテクタ9がスライド移動す
る。ハーネスプロテクタ9は従来同様に合成樹脂で矩形
筒状に形成されたものであり、後端部がプロテクタケー
ス3のスライドガイド部8にスライド自在に係合し、前
端部がコネクタ10を介して車両ボディ本体11側のワ
イヤハーネス12のコネクタ13に接続している。コネ
クタ13はブラケット14に回動自在に支持されてい
る。ドアインナパネル1にはドアトリム15が接合さ
れ、プロテクタケース3はドアインナパネル1とドアト
リム15との間に位置する。
【0014】図2の如く、プロテクタケース3のケース
本体6は、円形状のハーネス収納部2と、ハーネス収納
部2の前方に延設された樋状のスライドガイド部8とで
構成される。
【0015】ハーネス収納部2は、円形の底板部16
と、該底板部16に立設された円柱状のハーネス支持ピ
ン17と、底板部16の周囲に立設された環状の周壁1
8とを備える。該ハーネス支持ピン17は底板部16の
中心よりもやや上側寄りに配置され、スライドガイド部
8の延長上においてハーネス収納部2内にプロテクタ挿
通路19を確保している。前記周壁18の後部側にはハ
ーネス導出用の開口20が形成されている。
【0016】円形の底板部16はスライドガイド部8の
長方形状の底板部21に連続し、周壁18はスライドガ
イド部8の両側壁22に連続している。スライドガイド
部8とハーネス収納部2とは連通している。スライドガ
イド部8は前端側にプロテクタ導入用の開口23を有し
ている。
【0017】スライドガイド8にはプロテクタ9が前後
方向スライド自在に係合する。プロテクタ9の後端部に
図示しない係合ピンを突設し、スライドガイド部8に、
係合ピンに対する図示しないガイド溝を設けてもよい。
【0018】プロテクタ9の後部開口24から導出され
たワイヤハーネス4は上向きに一回転(屈曲)させて輪
部5を構成し、該輪部5をハーネス支持ピン17に引っ
掛けて、すなわちハーネス支持ピン17を輪部5の内側
に位置させて、輪部5をハーネス収納部2内で拡径及び
縮径自在とし、プロテクタ9のスライド移動に伴うワイ
ヤハーネス4の伸縮に対応させる。
【0019】ドア開時にワイヤハーネス4の輪部5がハ
ーネス支持ピン17を中心に縮径し、ハーネス支持ピン
17により輪部5の形状が確保される。それにより、ド
ア閉時に輪部5がスムーズに拡径する。
【0020】プロテクタケース3の前記周壁18及び両
側壁22には、カバー7に対する複数の固定ピン25が
突設され、該カバー7には、該固定ピン25に対する係
合孔26と、前記ハーネス支持ピン17に対する係合孔
27とが形成されている。該カバー7は合成樹脂で平板
状に形成され、ハーネス収納部2に対する円板部28
と、スライドガイド部8に対する矩形部29とで構成さ
れ、ケース本体6に対して固定ピン25と支持ピン17
とで位置決め固定される。固定ピン25は圧入や溶着等
の手段でカバー7を固定する。
【0021】図3〜図4は車両用ドアハーネスの配索構
造の他の実施例を示すものである。この構造は、図3の
如く、ドアパネル31に対する合成樹脂製のドアトリム
32の裏面側にプロテクタケース33を一体に形成した
ものである。ドアパネル31及び車両ボディ側ワイヤハ
ーネス12の構成は前例と同様である。なお、ドアトリ
ム32にハーネスプロテクタ52を設ける構成は、本出
願人が先に提案済である。
【0022】図4の如く、プロテクタケース33のケー
ス本体34は、ドアトリム32から立設された上下の側
壁35,36と、上側の側壁35の途中に連続して形成
された略半円形状(略半環状)の周壁37と、該周壁3
7のほぼ湾曲中心においてドアトリム32から立設され
たハーネス支持ピン38とで構成される。
【0023】該ハーネス支持ピン38から前方の上下の
側壁35,36で、プロテクタ52に対するスライドガ
イド部39が構成され、半環状の周壁27でハーネス収
納部40が構成され、ハーネス支持ピン38から後方の
上下の側壁35′,36′でハーネス導出部41が構成
される。
【0024】ハーネス支持ピン38はスライドガイド部
39よりもやや上側に配置され、プロテクタ挿通路42
が確保される。プロテクタ34から導出されたワイヤハ
ーネス43は、一回転させることで輪部44が構成さ
れ、該輪部44がハーネス支持ピン38を中心として伸
縮自在にハーネス収納部40内に収容される。
【0025】ハーネス導出部41の後端方はテーパ状に
切欠形成され、このテーパ部45に対向してカバー46
にもテーパ壁(ハーネス押え部)47が形成され、該テ
ーパ壁47とドアトリム裏面(ケース底面)32aとの
間で、ワイヤハーネス43の各電線43aを並列に配置
したフラット部48が挟持固定される。
【0026】ケース本体34に対するカバー46は、プ
ロテクタ52に対するスライドガイド部49と、ハーネ
ス輪部44に対する円板部50と、前記テーパ壁47を
含むハーネス導出部51とで構成される。該スライドガ
イド部49はカバー46の外側にやや膨出して形成され
る。
【0027】ドアの開閉に伴ってプロテクタ52がスラ
イドガイド部39,49に沿って前後にスライド移動す
る。プロテクタ52に図示しないスライド突部を設け、
スライドガイド部39にガイド溝やガイド孔を設けても
よい。ケース本体34の周壁37と側壁35,35′,
36,36′には固定ピン53が突設されており、カバ
ー46は係合孔54に固定ピン54を嵌合させて固定さ
れる。
【0028】本例のようにドアトリム32を利用してケ
ース本体34を一体に形成することにより、部品の削減
が図られる。
【0029】図5(a)(b)は、従来(図6)と本願のハー
ネス配索構造におけるワイヤハーネス移動部の各占有ス
ペースを比較したものである。
【0030】ワイヤハーネス吸収量を約150mmとした
場合、従来においては、プロテクタから導出されたワイ
ヤハーネス60が図5(a) の如く高さH=約170mm位
置の支点(クリップ)61を中心として、ドア開時の始
点62からドア閉時の終点63までの約200mmの間隔
Lを、角度θ=約60°で振り子運動をするために、ハ
ーネス揺動部の占有面積Sは約9700mm2 となる。
【0031】それに対し、本発明においては図5(b) の
如く、ハーネス収納部64におけるドア閉時のワイヤハ
ーネス65の輪部66の直径Dは約65mmとなり、ハー
ネス輪部の占有面積S′は約3300mm2 と、従来のほ
ぼ1/3で済む。なお、図5(b) で点線66′はドア開
時のワイヤハーネス65の輪部の縮径状態を示す。
【0032】上記した本発明のハーネス配索構造は自動
車のバックドア等にも適用できるものである。
【0033】
【発明の効果】以上の如くに、本発明によれば、ワイヤ
ハーネスがプロテクタケースの円形のハーネス収納部内
を拡径及び縮径して伸縮するから、従来のように大きな
ストロークでワイヤハーネスが振れることがなく、且つ
ワイヤハーネスがプロテクタケース内に収納されている
から、ドアインナパネルやドアトリムが擦れる心配がな
い。また、ワイヤハーネス移動部(伸縮部)の占める面
積が従来よりも遙に小さくて済むから、ドア内部品の位
置の制約が解消される。例えワイヤハーネスの拡径され
た輪部に部品等が干渉しても(ワイヤハーネスがプロテ
クタケース外に露出している場合)、輪部が内側に凹む
から、何らワイヤハーネスが痛んだりする心配がない。
また、ワイヤハーネスをハーネス支持ピンの回りに輪状
に屈曲させるだけの簡単な操作で、ワイヤハーネスをプ
ロテクタケース内に組付できるから、ワイヤハーネスの
配索作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用ドアハーネスの配索構造の
一実施例の全体を示す分解斜視図である。
【図2】同じく要部を示す分解斜視図である。
【図3】車両用ドアハーネスの配索構造の他の実施例の
全体を示す分解斜視図である。
【図4】同じく要部を示す分解斜視図である。
【図5】(a)(b)は従来構造と本発明の構造とのハーネス
移動部の占有面積の比較結果を示す説明図である。
【図6】従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
2,40 ハーネス収納部 3,33 プロテクタケース 4,43 ワイヤハーネス 5,44 輪部 6,34 ケース本体 7,46 カバー 8,39 スライドガイド部 9,52 ハーネスプロテクタ 17,38 ハーネス支持ピン 32 ドアトリム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐澤 充 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会 社内 (56)参考文献 特開 平7−69141(JP,A) 実開 昭59−23224(JP,U) 実開 平4−11751(JP,U) 実開 平2−87197(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 16/02 620 B60R 16/02 623 B60J 5/04 H02G 3/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両ドア内にプロテクタケースを設け、
    該プロテクタケース内にハーネスプロテクタをスライド
    自在に係合させ、該ハーネスプロテクタの一端を車両ボ
    ディ本体側に接続し、該ハーネスプロテクタの他端から
    ワイヤハーネスを該プロテクタケース内に導出させる車
    両用ドアハーネスの配索構造において、該ワイヤハーネ
    スを該プロテクタケース内に輪状に屈曲させて収納し、
    該ワイヤハーネスの輪部を該プロテクタケース内で拡径
    及び縮径させて収縮自在としたことを特徴とする車両用
    ドアハーネスの配索構造。
  2. 【請求項2】 前記プロテクタケース内にハーネス支持
    ピンを立設し、前記ワイヤハーネスの輪部を該ハーネス
    支持ピンの回りに配置したことを特徴とする請求項1記
    載の車両用ドアハーネスの配索構造。
  3. 【請求項3】 前記プロテクタケースが円形状ないし半
    円形状のハーネス収納部を有することを特徴とする請求
    項1又は2記載の車両用ドアハーネスの配索構造。
  4. 【請求項4】 前記プロテクタケースがケース本体とカ
    バーとで構成され、該ケース本体が、ハーネスプロテク
    タに対する樋状のスライドガイド部を有していることを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両用ドアハ
    ーネスの配索構造。
  5. 【請求項5】 前記ケース本体がドアトリムと一体に形
    成されていることを特徴とする請求項4記載の車両用ド
    アハーネスの配索構造。
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