JP3177501U - 始動補助機構を備えた高圧放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】始動が簡単で、費用の掛からない機構により保証される高圧放電ランプを提供する。
【解決手段】始動補助機構を有する高圧放電ランプ1は、放電容器2が外側バルブ内3に収容され、放電容器2が封止部を有する2つの端部を備え、その中に電極が取り付けられ、弓型ワイヤ6を備えたフレームが放電容器2を外側バルブ3内に保持している。弓型ワイヤ6は対極の電極の封止部に向かって曲げられ、これにより生じた湾曲部11が始動補助機構として作用する。
【選択図】図1

Description

本考案は、請求項1の上位概念に記載された始動補助機構を備えた高圧放電ランプに関する。この種のランプは、特に一般照明または写真光学用の高圧放電ランプである。
特許文献1から、始動補助機構が長延のフレームワイヤから構成されているセラミック製の放電容器を有する高圧放電ランプが知られている。この始動補助機構は、細管部の高さに放電容器の方向に延びている独立したワイヤ部材である。
この種の機構の欠点は、始動補助機構を労力および費用を掛けて設置しなければならないことである。
国際特許出願公開第2008/044197号明細書 欧州特許出願公開第922296号明細書 欧州特許出願公開第967631号明細書
本考案の課題は、始動が簡単で費用の掛からない機構により保証される高圧放電ランプを提供することにある。
これは特に放電容器の材料がセラミックまたは石英ガラスであるメタルハライドランプに適用される。
この課題は、請求項1の特徴事項によって解決される。
特に有利な実施態様は従属請求項に記載されている。放電容器の封止部は溶融部または圧搾部として形成することができる。
本考案によれば、フレームの一部が直接曲げられ、湾曲部は一般に細管部または圧搾部である封止部の方向に延び、しかもこの封止部は上述のフレームに対して反対の電気的極性を有する。湾曲部は2つのリード線部と頂部を有し、この頂部の主要作用は始動補助である。2つのリード線部は長延の電流リード線に対していわゆるフレームの弓型ワイヤに曲げられる。頂部は封止部の近くに配置される。セラミック製の放電容器では頂部は、電極の軸が細管部内にある範囲に配置されるが、細管部の壁部からは離れていると有利である。
使用期間が長くなるにつれて高圧放電ランプの始動に必要な電圧は高くなる。これにより古いランプは従来の始動器ではもはや始動しなくなる。始動機能はしかし使用期間全体にわたって保証されなければならないが、これは本考案の構成により特別な付加費用を掛けずに保証される。
従来このために種々の解決手段があった。
a)燃焼器充填ガスにたとえばKr85のような放射性ガスが混入される。放射線は充填ガスのイオン化の働きをし、絶縁破壊電圧を減少し始動能力を保証する。しかし放射線の使用は法規制により益々制限されてきている。
b)外側バルブにいわゆる紫外線放射光源が埋め込まれる。これは小型化された放電管からなり、始動電圧を印加すると紫外線を放射する。この紫外線放射は同様に燃焼器充填ガスのイオン化の働きをし、始動機能を保証する(特許文献2参照)。
c)弓型ワイヤから1つのワイヤが対極電極を有する細管部の周りに巻き付けられる。始動電圧を印加するとこの電極の範囲に誘電体バリア放電が生じ、燃焼器充填ガスをイオン化して始動電圧を低減する(特許文献3参照)。
本考案の機構は誘電体バリア放電の原理を使用するがこれを決定的に簡単化したものである。
弓型ワイヤは対極電極を有する封止部のできるだけ近くに配置するかこれに接触するように形成される。ここでは上述のc)におけるワイヤ巻線と同様に誘電体バリア放電が生じ、燃焼器内の充填ガスをイオン化し絶縁破壊を可能にする。本考案の解決手段の特徴は、従来の解決手段とは異なり始動補助機構として付加的な部品を必要とせず、弓型ワイヤがその湾曲形により始動補助機構としての付加機能を引き受けることにある。
弓型ワイヤは封止部に対してこれに接近、重なりまたはこれに巻き付けられるようにすることができる。しかし製作を困難にしないできるだけ簡単な形状とすると有利である。
弓型ワイヤの頂部は有利には対極の導電電極に対し最小間隔を有するようにし、最小間隔の箇所はできるだけ本来の放電容器の近くにあるようにする。
本考案によれば放射性の混合物はもはや不要である。細管部に通された弓型ワイヤは片口ランプでは製作が極めて簡単に実現でき、しかも細管部にワイヤを巻き付けることよりも極めて簡単である。さらに弓型ワイヤは紫外線放射光源に比較して外側バルブ内に付加的な場所を取らない。始動補助機構は独立した部品ではなく弓型ワイヤと一体化した部品であるので、弓型ワイヤとの接合の劣化により使用期間中にその機能および位置を失うおそれは実質的になくなる。
放電容器の封止部は多くは圧搾部または細管部として形成されるが、溶融部の形状も可能である。
以下に本考案を幾つかの実施例を基に詳細に説明する。
図1は、始動補助機構を備えた高圧放電ランプの第1の実施例を示す。 図2は、始動補助機構を備えた高圧放電ランプの第2の実施例を示す。 図3は、始動補助機構を備えた高圧放電ランプの第3の実施例を示す。 図4は、始動補助機構を備えた高圧放電ランプの第4の実施例を示す。 図5は、始動補助機構を備えた高圧放電ランプの第5の実施例を示す。 図6は、始動補助機構を備えた高圧放電ランプの第6の実施例を示す。 図7は、始動補助機構を備えた高圧放電ランプの第7の実施例を示す。
図1は高圧放電ランプ1の構造を著しく概略的に示している。ランプは外側バルブ3内に収容された放電容器2を有する。放電容器の外側リード線4は容器の内部で電極と接しており、2つのフレームワイヤ5、6に接続されている。短い方のフレームワイヤ5は外側バルブの圧搾部8内の第1の箔7に通じている。長い方のフレームワイヤ6はしばしば弓形ワイヤとも呼ばれており、圧搾部8の第2の箔7に通じている。放電容器2はその両端にそれぞれ良く知られているように細管部10と、同様に良く知られているように、絶縁性のガス、通常はアルゴンまたはキセノン、水銀およびメタルハロゲン化物から成る充填物を有する。2つの電極が放電容器の内部で対向配置されているが、同様に良く知られているのでここでは図示しない。
弓形ワイヤ6は、放電容器の軸Aにほぼ平行にこの容器に沿って圧搾部8から遠い方の第2の細管部10に導かれている。そこでワイヤはリード線4と接続される。
弓形ワイヤ6は第1の細管部10の範囲で細管部の方向に一平面上に湾曲され、それにより生じる湾曲部11はV字状に形成される。これにより2つの直線状のリード線部12と頂部13、すなわちリード線部12間の曲部が生じる。湾曲部は一平面上にある。リード線部12は弓形ワイヤ6もしくは軸線Aに対して斜めに、特に30〜60°になっている。典型的な角度は45°である。この実施例は材料を節約し最も簡単に価格的に有利に製作できる。驚くべきことに、この簡単な機構は始動を十分に補助するのに既に十分である。この場合勿論重要なことは、頂部が細管部の範囲にできるだけ前方に、できるだけ細管部の長さの最初の20%の範囲に配置されることである。
図2は湾曲部11がU字状に形成された実施例を示す。両リード線部12はこの場合弓型ワイヤ6に対して約45°〜90°に曲げられている。頂部13はリード線部に対して90°〜135°に曲げられ、細管部10に沿って平行に延びている。これにより放電容器内の大きな空間がイオン化される。頂部13はこの場合細管部の長さの少なくとも最初の20%の範囲に入るようにするかもしくは細管部をできるだけ占めるようにする必要がある。
図3は図1の基本的構成に似た第3の実施例を示す。湾曲部11はV字状である。しかし湾曲部の面は、図1のように細管部10の方向に最短接続が求められるようには選択されていない。湾曲部11の面は細管部10に接線方向に通過するように選択されている。有利には頂部13は図3に示すように側面図において細管部10の投影線上にある。この構成の利点は、不均一な磁場強さを持つ範囲が細管部10の比較的大きな空間において作用できることである。
図4は、湾曲部11が一平面上にはない第4の実施例を示す。湾曲部11はむしろコイル状にもしくはらせん状に細管部10の周りにめぐらされており、湾曲部11は頂部13が構造的に目立たないような半円に似ている。むしろ頂部13はここでは機能的には細管部10に最も近い点によって生じる。
この機構の変形例では、湾曲部が原理的にはV字状に曲げられるが両リード線部は一平面上になく頂部が図4に示すように細管部の周りにめぐらされることにより、図1の実施例の部材を図4の部材に接続することができる。この場合弓型ワイヤ6は同様に曲げることができるので、圧搾部に近い第1の部分26と圧搾部から遠い第2の部分36とは互いに平行に曲げられる。両部分間に湾曲部11が存在する。
一般的には湾曲部11と細管部10の最小間隔は最大で1mmにすると有利である。
図5はセラミック放電容器30の詳細を示す。重要なことは、湾曲部11によって表わされる始動補助機構が電極の軸21ができるだけ細管部10内にある範囲では細管部10に対し最短間隔を有するが、細管部の壁部31に対しては比較的大きな間隔があるので、ここには比較的大きなイオン化可能な空間が存在することである。一般的にはこの始動補助機構は、不均一な磁場強さができるだけ広く放電空間32に入り込むように細管部の長さLの最初の20%内にあるようにすべきである。軸の後部またはブッシング34は多くの場合コイル35で巻きつけられ、そこに死空間ができるだけ小さくなるようにされる。
図6は端部41を備えた放電容器40の別の実施例を示し、ここでは細管部は独立部材の栓25で構成されている。ここでも重要なことは、湾曲部11ができるだけ前方に、ここでは放電容器の端部41の高さにあることである。
図7は高圧放電ランプ1の構造を著しく概略的に示す。このランプは外側バルブ3内に収容された石英ガラス製の放電容器2を有する。放電容器の外側リード線4は内部で電極に接しており、2つのフレームワイヤ5、6に接続されている。短い方のフレームワイヤ5は外側バルブの圧搾部8の第1の箔7に通じている。長い方のフレームワイヤ6はしばしば弓型ワイヤと呼ばれており、圧搾部8内の第2の箔7に通じている。放電容器2は同様に良く知られているように一般にアルゴンまたはクセノン、水銀およびメタルハロゲン化物であるイオン化可能なガスから成る充填物を有する。2つの電極9は放電容器の内部で同様に良く知られているように対向している。
この場合注意すべきことは、充填物が大抵の場合ヨウ化物として存在するNaをできるだけ少なくし、有利にはNaを含まないようにすることである。有利には希土類金属のハロゲン化物がしばしばタリウムハロゲン化物などとともに使用される。
弓型ワイヤ6は放電容器の軸Aにほぼ平行にこれに沿って、第1の圧搾部8から遠く離れた第2の圧搾部10に向かって延びている。ここで弓型ワイヤはリード線4に接続される。
弓型ワイヤ6は放電容器の端部範囲の第1の圧搾部8の近くでは圧搾部の方向に一平面上に曲げられ、それによって生じる湾曲部11がV字状に形成される。これにより2つの直線部が生じる。しかし軸に斜めに配置されたリード線部12およびアングル部13、すなわちリード線部12間の曲がり部分がある。湾曲部は一平面上にある。リード線部12は弓型ワイヤ6もしくは軸Aに対して斜めに、特に30から60°に曲げられている。典型的な角度は45°である。この実施例は材料を節約でき、もっとも簡単に価格的に有利に製作できる。驚くべきことにこの簡単な機構は始動を十分に補助するのに既に十分である。
湾曲部がU字状に形成された実施例も可能である。両リード線部はこの場合弓型ワイヤに対して約45°〜90°に曲げられている。アングル部はリード線部に対して90°〜135°に曲げられ、細管部に沿って平行に延びている。これにより放電容器内の大きな空間がイオン化される。アングル部はこの場合少なくとも圧搾部の範囲に入るようにする必要がある。
図1の基本的構成に似た第3の実施例も可能である。湾曲部はV字状である。しかし湾曲部の面は、図1のように圧搾部の方向に最短接続が求められるようには選択されていない。湾曲部の面は圧搾部に接線方向に通過するように選択されている。有利にはアングル部は側面図において圧搾部の投影線上にある。この機構の利点は、不均一な磁場強さを持つ範囲が比較的大きな空間において作用できることである。
湾曲部が一平面上にない第4の実施例も可能である。湾曲部はむしろコイル状もしくはらせん状に圧搾部の周りにめぐらされており、湾曲部はアングル部が構造的に目立たないような半円に似ている。むしろアングル部はここでは機能的には圧搾部に最も近い点によって生じる。
この機構の変形例では、湾曲部が原理的にはV字状に曲げられるが両リード線部は一平面上になく頂部が細管部の周りにめぐらされることにより、図1の実施例の部材をほかの実施例の部材に接続することができる。この場合弓型ワイヤは同様に曲げることができるので、圧搾部に近い第1の部分と圧搾部から遠い第2の部分とは互いに平行に曲げられる。両部分間に湾曲部が存在する。
湾曲部は有利には2つのリード線部とその間に頂部とも呼ばれるアングル部を有する。
本考案の主要な特徴を以下に番号を付けて羅列する。
1.放電容器が外側バルブ内に収容され、放電容器が封止部を有する2つの端部を備え、 その中に電極が取り付けられ、弓型ワイヤを備えたフレームが放電容器を外側バルブ内 に保持している始動補助機構を備えた高圧放電ランプにおいて、弓型ワイヤが対極の電 極の封止部に向かって曲げられ、これにより生じた湾曲部が始動補助機構として作用す ることを特徴とする高圧放電ランプ。
2.湾曲部が2つのリード線部とその間のアングル部を有することを特徴とする請求項1 記載の高圧放電ランプ。
3.湾曲部がV字状またはU字状に曲げられることを特徴とする請求項1記載の高圧放電 ランプ。
4.湾曲部が一平面上にあることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
5.湾曲部が放電容器の封止部をコイル状に取り囲み、封止部が有利には溶融部または細 管部であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
6.封止部が圧搾部であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
7.放電容器が特にほぼNaを含まないメタルハロゲン化物の充填物を有することを特徴 とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
8.封止部が細管部であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
9.湾曲部が細管部の長さの最初の20%の範囲内において細管部との最小間隔を有する ことを特徴とする請求項8記載の高圧放電ランプ。
10.細管部が放電容器と一体になっていることを特徴とする請求項8記載の高圧放電ラ ンプ。
1 高圧放電ランプ
2 放電容器
3 外側バルブ
4 外側リード線
5 フレームワイヤ
6 弓型ワイヤ
7 箔
8 圧搾部
10 細管部
11 湾曲部
12 リード線部
13 頂部

Claims (10)

  1. 放電容器が外側バルブ内に収容され、放電容器が封止部を有する2つの端部を備え、その中に電極が取り付けられ、弓型ワイヤを備えたフレームが放電容器を外側バルブ内に保持している始動補助機構を備えた高圧放電ランプにおいて、
    弓型ワイヤが対極の電極の封止部に向かって曲げられ、これにより生じた湾曲部が始動補助機構として作用することを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 湾曲部が、2つのリード線部とその間のアングル部を有することを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  3. 湾曲部が、V字状またはU字状に曲げられることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  4. 湾曲部が、一平面上にあることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  5. 湾曲部が、放電容器の封止部をコイル状に取り囲み、封止部が溶融部または細管部であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  6. 封止部が、圧搾部であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  7. 放電容器が、ほぼNaを含まないメタルハロゲン化物の充填物を有することを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  8. 封止部が、細管部であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  9. 湾曲部が、細管部の長さの最初の20%の範囲内において、細管部との最小間隔を有することを特徴とする請求項8記載の高圧放電ランプ。
  10. 細管部が、放電容器と一体になっていることを特徴とする請求項8記載の高圧放電ラン プ。
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