JP3176976B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
詳しくは静電特性及び耐湿性に優れた電子写真感光体に
関する。
め、あるいは適用される電子写真プロセスの種類に応じ
て、種々の構成をとる。電子写真感光体の代表的なもの
として、支持体上に光導電層が形成されている感光体及
び表面に絶縁層を備えた感光体があり、広く用いられて
いる。
成される感光体は、最も一般的な電子写真プロセスによ
る、即ち帯電、画像露光及び現像、更に必要に応じて転
写による画像形成に用いられる。更には、ダイレクト製
版用のオフセット原版として電子写真感光体を用いる方
法が広く実用されている。特に近年、ダイレクト電子写
真平版は数百枚から数千枚程度の印刷枚数で高画質の印
刷物を印刷する方式として重要となってきている。こう
した状況の中で、電子写真感光体の光導電層を形成する
ために使用する結着樹脂は、それ自体の成膜性および光
導電性粉体の結着樹脂への分散能力が優れるとともに、
形成された記録体層の基材に対する接着性が良好であ
り、しかも記録体層の光導電層は帯電能力に優れ、暗減
衰が小さく、光減衰が大きく、前露光疲労が少なく、且
つ、撮影時の湿度の変化によってこれら特性を安定に保
持していることが必要である等の各種の静電特性および
優れた撮像性を具備する必要がある。
原版の研究が鋭意行なわれており、電子写真感光体とし
ての静電特性と印刷原版としての印刷特性を両立させた
光導電層用の結着樹脂が必要である。無機光導電材料、
分光増感色素及び結着樹脂を少なくとも含有する光導電
層において、結着樹脂の化学構造によって、平滑性のみ
ならず静電特性が大きく影響を受けることが判ってき
た。特に静電特性において、暗中電荷保持率(D.R.
R.)や光感度が大きく左右される。
子量(103 〜104 程度)の樹脂を結着樹脂として用
いる事で、平滑性及び静電特性を良化する技術が種々検
討されている。例えば、特開昭63−217354号に
は酸性基含有重合成分が重合体主鎖にランダムに存在す
る樹脂、同64−70761号には重合体主鎖の片末端
に酸性基を結合して成る樹脂、特開平2−67563
号、同2−236561号、同2−238458号、同
2−236562号及び同2−247656号等には酸
性基をグラフト型共重合体の主鎖末端に結合して成る樹
脂又は酸性基をグラフト型共重合体のグラフト部に含有
する樹脂、同3−181948号には酸性基をブロック
で含有するAB型ブロック共重合体等がそれぞれ記載さ
れている。これらは、該低分子量の樹脂が、光導電体の
分散を充分に行ない光導電体同志の凝集を抑制する効果
を有すること及び光導電体と分光増感色素との吸着を疎
外しないで該無機光導電体の化学量論的な欠陥に充分に
吸着するとともに光導電体の表面をゆるやかに且つ充分
に被覆していることによると推定される。
充分な光導電層の機械的強度を充分ならしめるために、
中〜高分子量の他の樹脂を併用する技術が種々検討され
ている。例えば、特開平2−68561号にはポリマー
間に架橋構造を形成する熱硬化性樹脂、特開平2−68
562号には一部が架橋構造を有する樹脂、特開平2−
69759号には酸性基をグラフト型共重合体の主鎖末
端に結合して成る樹脂が記載されている。また、特定の
中〜高分子量の樹脂を用いることで、環境が著しく変動
した場合においても比較的安定した性能を維持する技術
が検討され、例えば同3−29954号、同3−779
54号、同3−92861号及び同3−53257号に
は酸性基をグラフト型共重合体のグラフト部の末端に結
合する樹脂又は酸性基をグラフト型共重合体のグラフト
部に含有する樹脂が記載されている。更に、同3−20
6464号によれば、酸性基含有のAブロックと酸性基
非含有のBブロックから成るABブロック型共重合体を
グラフト部に含有するグラフト型共重合体を用いる事
で、環境の変化や半導体レ−ザ−光を用いたスキャニン
グ露光方式を用いた場合においても比較的高い性能を維
持することが明らかになった。
の酸性基を含有する種々の低分子量の樹脂、更にこれら
の樹脂に種々の中〜高分子量の樹脂を組み合わせて用い
ても、環境が高温・高湿から低温・低湿まで著しく変動
した場合における安定した性能の維持においてはいまだ
不充分であることが判った。半導体レーザー光を用いた
スキャンニング露光方式では、従来の可視光による全面
同時露光方式に比べ、露光時間が長くなり、また露光強
度にも制約があることから、静電特性、特に暗電荷保持
特性、光感度に対して、より高い性能が要求される。
て、半導体レーザー光を用いたスキャンニング露光方式
を採用した場合,従来の感光体で実際に試験してみる
と、上記の静電特性が十分に満足できるものでなく、特
にE1/2 とE1/10との差が大きく複写画像の階調が軟調
となり、更には露光後の残留電位を小さくするのが困難
となり、複写画像のカブリが顕著となってしまい、又、
オフセットマスターとして印刷しても、印刷物に印刷原
稿の貼り込み跡が出てしまう等の問題が現れた。
複写画像のみならず、連続階調から成る高精細な画像を
液体現像剤を用いて忠実に再現する技術の実現が望まれ
ているが、前記公知の技術はこれらの要望まで十分に満
足できるものではなかった。従来公知の技術において
は、低分子量の樹脂と併用する中〜高分子量の樹脂によ
って、上記低分子量の樹脂で高性能化された静電特性が
低下することがあり、実際に前記した様なこれら公知の
樹脂の組合せで用いた光導電層を有する電子写真感光体
は、前述の様な高精細な画像(特に連続階調画像)の忠
実な複写画像の再現性あるいは、低出力のレーザー光を
用いたスキャンニング露光方式による撮像性に対して、
問題を生じ得ることが明らかになった。
感光体の有する課題を改良するものである。本発明の目
的は、複写画像形成時の環境が低温低湿あるいは高温高
湿の如く変動した場合でも、常に安定して良好な静電特
性を維持し、鮮明で良質な画像を有する電子写真感光体
を提供することである。
環境依存性の小さいCPC電子写真感光体を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、半導体レーザー光を用
いたスキャンニング露光方式に有効な電子写真感光体を
提供することである。本発明の更なる目的は、電子写真
式平版印刷原版として、静電特性(特に暗電荷保持性及
び光感度)に優れ、原画(特に高精細な連続階調画像)
に対して忠実な複写画像を再現し、且つ、印刷物の全面
一様な地汚れはもちろん点状の地汚れをも発生させず、
また耐刷性の優れた平版印刷原版を提供することであ
る。
体、分光増感色素及び結着樹脂を少なくとも含有する光
導電層を有する電子写真感光体において、該結着樹脂
が、下記樹脂〔A〕及び下記樹脂〔B〕の少なくとも1
種を各々含有して成る事を特徴とする電子写真感光体に
より達成されることが見出された。
般式(I)で示される繰り返し単位を重合体成分として
30重量%以上と、−PO3H2、−SO3H、−COO
H、−P(=O)(OH)R1〔R1は炭化水素基又は−
OR2(R2は炭化水素基を表す)を表す〕及び環状酸無
水物含有基から選択される少なくとも1種の極性基を有
する重合体成分を0.5〜15重量%含有する樹脂。
子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭化水素基を表す。R
3 は炭化水素基を表す。〕
脂〔A〕で示される特定の極性基のうちから選択される
少なくとも1種の極性基を含有する重合体成分を少なく
とも1種含有するAブロックと上記樹脂〔A〕で示され
る一般式(I)で示される重合体成分を少なくとも含有
し且つ上記極性基を含有する重合体成分を含有しないB
ブロックとから構成されるABブロック共重合体からな
り、且つAブロックにおいて、Bブロックと結合する反
対側の重合体主鎖の末端に上記樹脂〔A〕で示される特
定の極性基のうちから選択される少なくとも1種の極性
基を結合してなる樹脂。
(I)に相当するモノマーと上記特定の極性基含有のモ
ノマーとのランダム共重合体である低分子量体の樹脂
〔A〕と上記特定の極性基含有成分を含有するAブロッ
クと上記一般式(I)で示される重合体成分を含有する
BブロックとのABブロック共重合体でAブロックにお
いて、Bブロックと結合する反対側の重合体主鎖の末端
に、上記特定の極性基を結合して成る中〜高分子量体の
樹脂〔B〕とから少なくとも構成される。
子量の極性基含有樹脂を中〜高分子量の樹脂と併用する
公知の技術においては、併用する中〜高分子量の樹脂に
より、上記低分子量の樹脂で高性能化された静電特性が
低下してしまうことのあることが判った。そして、これ
らの中〜高分子量樹脂が、該光導電層中で、光導電体、
分光増感色素及び低分子量の樹脂同志の相互作用に更に
適切に相互作用させることも、予想以上に重要な原因で
あることが明らかになってきた。
る低分子量の樹脂〔A〕と併用すべき中〜高分子量の樹
脂として、本発明に従う極性基を重合体主鎖の片末端及
びブロックA中に含有し、該ブロックAと極性基非含有
のブロックBとを有するABブロック共重合体を用いる
ことにより、前記課題が有効に解決されることが見出さ
れたものである。
〔B〕の相乗効果により、光導電体粒子が充分に分散さ
れ且つ凝縮しない状態で存在し、更に分光増感色素が光
導電体粒子表面に充分に吸着されていること及び光導電
体表面の余分な活性サイトを結着樹脂が充分に吸着して
トラップを補償していること等によるものと推定され
る。
共重合体の樹脂〔A〕は、光導電体粒子に充分吸着して
該粒子を均一に分散し、その高分子鎖が非常に短いこと
により凝集を抑制すること、又、分光増感色素の吸着疎
外を起こさないこと等の重要な作用を有する。又、本発
明の特定の極性基を重合体主鎖の片末端及びブロックA
中に含有し、且つ、それを含まないブロックBとで構成
された中〜高分子量のABブロック共重合体を用いるこ
とで、静電特性が向上し且つ光導電層の機械的強度が充
分に保持された。これは、この樹脂〔B〕の主鎖片末端
に結合されている特定の極性基が選択的に光導電体粒子
に吸着し、且つブロックAの部分が極性の状態を有し且
つ光導電体粒子の表面及びその近傍に存在することか
ら、分光増感色素、更には化学増感剤等の光導電体粒子
への吸着を容易にする状態が形成されたことによると推
定される。
合した極性基及びブロックAとの相互効果で、光導電体
粒子の活性サイトを充分にトラップして、静電特性の安
定化を図るとともに、各種増感剤の光導電体表面への吸
着を疎外しない状態を形成することで高性能なレベルで
静電特性を維持できる様になったと考えられる。更に
は、樹脂〔B〕中の特定の極性基を含有しないブロック
Bの部分が高分子鎖間でお互いに充分な絡み合い効果を
生じ、その結果、光導電層の機械的強度を向上したもの
と推定される。
色素として特に有効なポリメチン色素あるいはフタロシ
アニン系顔料で特に顕著な効果を示した。一方、光導電
体として光導電性酸化亜鉛を用いた本発明の電子写真感
光体を従来公知のダイレクト刷版として用いた場合には
優れた撮像性とともに著しく良好な保水性を示す。
を形成した本発明の感光体を、従来公知の不感脂化処理
液により非画像部を化学処理により不感脂化して、印刷
用原版とし、これをオフセット印刷により印刷した時に
優れた印刷用原版としての性能を示すものである。本発
明の感光体を不感脂化処理すると、非画像部の親水化が
充分になされ、保水性が向上することから印刷枚数が飛
躍的に向上した。これは、上記した酸化亜鉛粒子が均一
に分散されていること及び酸化亜鉛粒子表面に存在する
結着樹脂の存在状態が適切で不感脂化処理液との不感脂
化反応が疎外されず迅速に且つ効果的に進行することに
よるものと考えられる。
おいて、一般式(I)として、下記一般式(Ia)及び
一般式(Ib)で示される、2位に、及び/又は2位と
6位に特定の置換基を有するベンゼン環又は無置換のナ
フタレン環を含有する、特定の置換基をもつメタクリレ
ート成分を含有する樹脂(以降この低分子量体をとくに
樹脂〔AA〕と称する)であることが好ましい。
2 は互いに独立に各々水素原子、炭素数1〜10の炭化
水素基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、シアノ基、−COR4 又は−COOR4 (ここで
R4 は炭素数1〜10の炭化水素基を示す)を表し、B
1 及びB2 はそれぞれ−COO−とベンゼン環を結合す
る単結合又は連結原子数1〜4個の連結基を表わす。〕 上記特定の樹脂〔AA〕を用いると樹脂〔A〕の場合よ
りもより一層電子写真特性(特にV10、D.R.R、E
1/10)の向上が達成できる。
として、メタクリレートのエステル成分である、オルト
位に置換基を有する平面性のベンゼン環又はナフタレン
環の効果により、膜中の酸化亜鉛界面でのこれらポリマ
ー分子鎖の配列が適切に行なわれることによるものと考
えられる。
説明する。まず、本発明の樹脂〔A〕について説明す
る。樹脂〔A〕の重量平均分子量は1×103 〜2×1
04 であり、樹脂〔A〕のガラス転移点は好ましくは−
30℃〜110℃、より好ましくは−20℃〜90℃で
ある。
くなると、皮膜形成能が低下し充分な膜強度を保てず、
一方分子量が2×104 より大きくなると、特に近赤外
〜赤外分光増感色素を用いた感光体において、高温・高
湿、低温・低湿の苛酷な条件下での暗減衰保持率及び光
感度の変動が多少大きくなり、安定した複写画像が得ら
れるという本発明の効果が薄れてしまう。
し単位に相当する重合体成分の存在割合は30重量%以
上、好ましくは50〜97重量%、極性基を含有する共
重合体成分の割合は0.5〜15重量%、好ましくは1
〜10重量%である。樹脂〔A〕における極性基含有量
が0.5重量%より少ないと、初期電位が低くて充分な
画像濃度を得ることができない。一方、該極性基含有量
が15重量%よりも多いと、いかに低分子量体といえど
も分散性が低下し、更にオフセットマスターとして用い
るときに地汚れが増大する。
れる、前記一般式(I)で示される繰り返し単位を更に
説明すると、R3 は炭化水素基を表し、具体的にはアル
キル基、アラルキル基又は芳香族基を表し、好ましくは
ベンゼン環又はナフタレン環を含有する炭化水素基であ
るアラルキル基又は芳香族基である。更に、R3 は好ま
しくは炭素数1〜18の置換されていてもよい炭化水素
基を表わす。置換基としては樹脂〔A〕における上記該
極性基含有の重合体成分に含有される前記極性基以外の
置換基であればいずれでもよく、例えば、ハロゲン原子
(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−OR
5 、−COOR5 、−OCOR5 (R5 は炭素数1〜2
2のアルキル基を表わし、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等
である)等の置換基が挙げられる。好ましい炭化水素基
としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル
基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2
−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、
2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭
素数4〜18の置換されてもよいアルケニル基(例え
ば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、
2−ぺンテニル基、3−メチル−2−ぺンテニル基、1
−ぺンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル
基、4−メチル−2−ヘキセニル基等)、炭素数7〜1
2の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチル
メチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、
ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル
基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメト
キシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい
脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキ
シルエチル基、2−シクロぺンチルエチル基等)又は炭
素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フ
ェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピ
ルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル
基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキ
シフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェ
ニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロ
モフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル
基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニ
ルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセト
アミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシ
ロイルアミドフェニル基等)等があげられる。
肪族基の場合には好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基
を式(I)で表わされる成分中の60重量%以上含有す
ることが好ましい。このような置換基R3 を有する成分
である一般式(I)の繰り返し単位において、より好ま
しくは前記一般式(Ia)及び/又は一般式(Ib)で
示される繰り返し単位の重合体成分が挙げられる。
2 として、互いに独立に各々水素原子、塩素原子及び臭
素原子の外に、炭素数1〜10の炭化水素基として、好
ましくは炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、炭素数7〜9のアラ
ルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェ
ニルプロピル基、クロロベンジル基、ジクロロベンジル
基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、メトキシベ
ンジル基、クロロメチルベンジル基)及びアリール基
(例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ブロモフ
ェニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、ジ
クロロフェニル基)、並びに−COR4 及び−COOR
4 (好ましいR4 としては上記の炭素数1〜10の好ま
しい炭化水素基として記載したものを挙げることができ
る)を挙げることができる。
びB2 は各々−COO−とベンゼン環を結合する単結合
又は−(CH2 )a −(aは1〜3の整数を表す)、−
CH2 OCO−、−CH2 CH2 OCO−、−(CH2
O)b −(bは1又は2の整数を表す)、−CH2 CH
2 O−等の如き連結原子数1〜4個の連結基であり、よ
り好ましくは単結合又は結合原子数1〜2個の連結基を
挙げることができる。
a)又は(Ib)で示される繰り返し単位の具体例を以
下に挙げる。しかし、本発明の範囲はこれに限定される
ものではない。また、以下の(a−1)〜(a−20)
において、cは1〜4の整数、dは0又は1〜3の整
数、eは1〜3の整数、R6 はいずれも−CcH2c+1又
は−(CH2 )d −C6 H5 (ただし、c、dは上記と
同じ)を表し、D1 及びD2 は同じでも異なってもよ
く、水素原子、−Cl、−Br、−Iのいずれかを表
す。
分について説明する。該極性基は、−PO3 H2 、−S
O3 H、−COOH、−P(=O)(OH)R1 、環状
酸無水物含有基から少なくとも1種選ばれるものである
ことが好ましい。ここで、−P(=O)(OH)R
1 は、下記化10で表わされる基を示し、ここにおいて
該R1 は炭化水素基又は−OR2 基(R2 は炭化水素基
を表す)を表し、具体的にはR1 は炭素数1〜6の置換
されていてもよい炭化水素基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−
ブロムエチル基、2−フロロエチル基、3−クロロプロ
ピル基、3−メトキシプロピル基、2−メトキシブチル
基、ベンジル基、フェニル基、プロペニル基、メトキシ
メチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基)
等であり、R2 はR1 と同一の内容を表す。
も1つの環状酸無水物を含有する基であり、含有される
環状酸無水物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳
香族ジカルボン酸無水物が挙げられる。脂肪族ジカルボ
ン酸無水物の例としては、コハク酸無水物環、グルタコ
ン酸無水物環、マレイン酸無水物環、シクロぺンタン−
1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキサン−1,
2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2.2.
2〕オクタジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これら
の環は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、
メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキ
ル基等が置換されていてもよい。
ては、フタル酸無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無
水物環、ピリジン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン
−ジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これらの環は、
例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、
ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカル
ボニル基(アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、
エトキシ基等)等が置換されていてもよい。
は、例えば一般式(I)〔一般式(Ia)、(Ib)も
含む〕で示される繰り返し単位に相当する単量体と共重
合し得る該極性基を含有するビニル系化合物であればい
ずれでもよく、例えば、高分子学会編「高分子データ・
ハンドブック〔基礎編〕」培風館(1986年刊)等に
記載されている。具体的には、アクリル酸、α及び/又
はβ置換アクリル酸(例えばα−アセトキシ体、α−ア
セトキシメチル体、α−(2−アミノ)エチル体、α−
クロロ体、α−プロモ体、α−フルオロ体、α−トリブ
チルシリル体、α−シアノ体、β−クロロ体、β−ブロ
モ体、α−クロロ−β−メトキシ体、α,β−ジクロロ
体等)、メタクリル酸、イタコン酸、イタコン酸半エス
テル類、イタコン酸半アミド類、クロトン酸、2−アル
ケニルカルボン酸類(例えば2−ペンテン酸、2−メチ
ル−2−ヘキセン酸、2−オクテン酸、4−メチル−2
−ヘキセン酸、4−エチル−2−オクテン酸等)、マレ
イン酸、マレイン酸半エステル類、マレイン酸半アミド
類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼンスルホ
ン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ジカルボ
ン酸類のビニル基又はアリル基の半エステル誘導体、及
びこれらのカルボン又はスルホン酸のエステル誘導体、
アミド誘導体の置換基中に該極性基を含有する化合物等
が挙げられる。
示する。ここで、b1 はH又はCH3 を示し、b2 は
H、CH3 又はCH 2 COOCH3 を示し、R7 は炭素
数1〜4のアルキル基を示し、R8 は炭素数1〜6のア
ルキル基、ベンジル基又はフェニル基を示し、fは1〜
3の整数を示し、gは2〜11の整数を示し、hは1〜
11の整数を示し、iは2〜4の整数を示し、jは2〜
10の整数を示す。
一般式(I)、(Ia)及び/又は(Ib)の単量体及
び前記極性基を含有する単量体と共に、これら以外の他
の単量体を共重合成分として含有してもよい。このよう
な他の共重合成分としては、例えば一般式(I)で説明
した以外の置換基を含有するメタクリル酸エステル類、
アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類に加え、
α−オレフィン類、カルボン酸ビニル又はアリル酸エス
テル類(例えばカルボン酸として、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、ナフタレンカルボン酸
等)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニル
エーテル類、イタコン酸エステル類(例えばジメチルエ
ステル、ジエチルエステル等)、アクリルアミド類、メ
タクリルアミド類、スチレン類(例えばスチレン、ビニ
ルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、
N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、メトキシカル
ボニルスチレン、メタンスルホニルオキシスチレン、ビ
ニルナフタレン等)、ビニルスルホン含有化合物、ビニ
ルケトン含有化合物、複素環ビニル類(例えばビニルピ
ロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニ
ルチオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾー
ル、ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルテトラ
ゾール、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
〜2×104 の低分量のランダム共重合体であるが、こ
れらの重合方法は、従来公知の方法において、重合条件
を選択することでラジカル重合、イオン重合等の方法で
容易に合成することができる。重合する単量体、重合溶
媒、反応設定温度等から、ラジカル重合反応を行なうこ
とが精製、装置、反応方法等の点から有利で好ましい。
れているアゾビス系開始剤、過酸化物等が挙げられる。
特に低分子量体を合成する特徴としては、該開始剤の使
用量の増量あるいは重合設定温度を高くするといった公
知の方法を適用すればよい。具体的には、開始剤利用量
としては全単量体に対して、0.1〜20重量%の範囲
で、重合設定温度は30℃〜200℃の範囲で行なうこ
とができる。
れている。例えばメルカプト化合物、ハロゲン化化合物
等を全単量体量に対して0.01〜10重量%の範囲で
用いることで所望の重量平均分子量に調整することがで
きる。次に本発明の樹脂〔B〕について説明する。樹脂
〔B〕はABブロック共重合体であり、且つ特定の極性
基を重合体主鎖のブロックA部のブロックBと結合する
反対側の片末端に、直接もしくは連結基を介して結合し
ている事とブロックA部中に重合体成分として含有して
いる事を特徴とするものである。
特定の極性基含有成分の重合体成分量は、共重合体
〔B〕100重量部当り好ましくは0.1〜5重量部、
より好ましくは0.2〜3重量部の割合で含有される。
結着樹脂〔B〕における極性基含有量が0.1重量%よ
り少ないと、初期電位が低くて充分な画像濃度を得るこ
とができず、該極性基含有量が5重量%よりも多いと、
分散性が低下し、膜平滑度及び電子写真特特性の高温高
湿が低下し、更にオフセットマスターとして用いるとき
に地汚れが増大するため、好ましくない。
に含有される特定の極性基含有重合体成分の総量が、前
記樹脂〔A〕中に含有される特定の極性基含有重合体成
分の総量に対し10重量%〜50重量%であることが好
ましい。樹脂〔B〕における該総量が樹脂〔A〕のそれ
の10重量%未満であると、電子写真特性(特に暗中電
荷保持率、光感度の低下が著しく、膜の強度も低下す
る。また、50重量%を超えると、分散の均一化が不充
分となり、電子写真特性が低下し、オフセット原版とし
ては保水性が低下する。
04 〜1×106 、好ましくは4×104 〜5×105
である。
くなると、皮膜形成能が低下し充分な膜強度が保てず、
また分子量が1×106 より大きくなると本発明の樹脂
〔B〕の効果が少なくなり、従来公知の樹脂と同程度の
電子特性になってしまう。該樹脂〔B〕のガラス転移点
は、−10℃〜100℃の範囲のものが好ましいが、よ
り好ましくは0℃〜90℃である。
極性基の具体的な例は、前記した樹脂〔A〕中に含有さ
れる特定の極性基と同様の内容のものが挙げられる。樹
脂〔B〕において、該極性基が重合体主鎖の片末端に結
合する場合には、該極性基は重合体主鎖の片末端に直接
結合してもよいし、連結基を介して結合してもよい。か
かる連結基としては、いずれの結合する基でもよいが、
例えば具体的に挙げるとすれば、−CR13R14−〔ここ
でR13、R14は同じでも異なっていてもよく、各々水素
原子、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子等)、OH
基、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル基、2−
クロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等)、アラルキル基(ベンジ
ル基、フェネチル基等)、フェニル基等を表す〕、−
(CHR13−CHR14)−、−C6 H10−、−C6 H4
−、−O−、−S−、−NR15−〔ここでR15は水素原
子又は炭化水素基{炭化水素基として具体的には炭素数
1〜12の炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、2−メトキシエチル基、2−クロロエ
チル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、メチルベン
ジル基、フェネチル基、フェニル基、トリル基、クロロ
フェニル基、メトキシフェニル基、ブチルフェニル基
等)が挙げられる}を表す〕、−CO−、−COO−、
−OCO−、−CONR15−、−SO2 NR15−、−S
O2 −、−NHCONH−、−NHCOO−、−NHS
O2 −、−CONHCOO−、−CONHCONH−、
複素環(ヘテロ原子としてO、S、N等を少なくとも一
種含有する5もしくは6員環又はこれらの縮合環であれ
ばいずれでもよく、例えばチオフェン環、ピリジン環、
フラン環、イミダゾール環、ピペリジン環、モルホリン
環等が挙げられる)又は−Si R16R17〔ここでR16、
R17は同じでも異なっていてもよく、各々炭化水素基又
は−OR18(ここでR18は炭化水素基を表す)を表す。
これらの炭化水素基としては、R15で挙げたものと同様
のものを挙げることができる〕等の結合基の単独又はこ
れらの2以上の組合せにより構成された連結基等が挙げ
られる。
〔B〕)のAブロックを構成する特定の極性基を含有す
る重合成分の具体例としては、前記した樹脂〔A〕の特
定の極性基を含有する重合体成分と同様のものを挙げる
ことができる。
成分は該Aブロック中に2種以上含有されていてもよ
く、その場合における該2種以上の極性基含有成分は該
Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重
合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、上記
極性基含有の重合体成分以外の重合体成分をブロックA
中に含有していてもよく、かかる重合体成分としては好
ましくは下記一般式(II)の繰り返し単位に相当する重
合体成分が挙げられる。
O−、−(CH2 )p −OCO−、−(CH2 )p −C
OO−(p は1〜3の整数を表わす)、−O−、−SO
2 −、−CO−、−CON−Q2 −、−SO2 N−Q2
−、−CONHCOO−、−CONHCONH−又は−
C6 H4 −を表わす(ここでQ2 は水素原子又は炭化水
素基を表わす)。Q1 は炭化水素基を表わす。m1 及び
m2 は、互いに同じでも異なってもよく、前記式(I)
中のa1 、a2 とそれぞれ同一の内容を表わす。〕
炭化水素基としては、炭素数1〜18の置換されてもよ
いアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、
オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチ
ル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエ
チル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基
等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニル基
(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニ
ル基、2−ぺンテニル基、3−メチル−2−ぺンテニル
基、1−ぺンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセ
ニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等)、炭素数7
〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベン
ジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフ
チルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル
基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベン
ジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジ
メトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されても
よい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロ
ヘキシルエチル基、2−シクロぺンチルエチル基等)、
又は炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例え
ば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、
プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェ
ニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エ
トキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシ
フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、
ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニ
ル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボ
キシフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセ
トアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデ
シロイルアミドフェニル基等)が挙げられる。
ン環は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲ
ン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
クロロメチル基、メトキシメチル基等)、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブ
トキシ基等)等が挙げられる。
化水素基としては、炭素数1〜22の置換されてもよい
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テ
トラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−
クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチ
ル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシ
エチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18
の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル
−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル
基、3−メチル−2−ぺンテニル基、1−ぺンテニル
基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル
−2−ヘキセニル基等)、炭素数7〜12の置換されて
もよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−
ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル
基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベ
ンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基
等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例え
ば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、
2−シクロぺンチルエチル基等)、炭素数6〜12の置
換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチ
ル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブ
チルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブト
キシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェ
ニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シア
ノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニ
ルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキ
シカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プ
ロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル
基等)が挙げられる。
X1 は−COO−、−OCO−、−CH2 OCO−、−
CH2 COO−、−O−、−CONH−、−SO2 NH
−又は−C6 H4 −を表わす。更には、式(II)に示さ
れる重合体成分とともに該Aブロック中に含有され得る
重合体成分として、該式(II)の重合体成分と共重合し
うる他の繰り返し単位に相当する単量体、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、複素環ビニル類(例
えばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロ
リドン、ビニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニル
ジオキサン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。こ
れら他の単量体はAブロックの全重合体成分100重量
部中20重量部を超えない範囲で用いられる。
て、Bブロック成分を構成する重合成分について詳しく
説明する。Bブロック成分は、少なくとも前記一般式
(I)で示される繰り返し単位で示される重合体成分を
含有し、該式(I)で示される成分は好ましくBブロッ
ク成分中、30〜100重量%、より好ましくは50〜
100重量%含有される。
は、樹脂〔A〕で説明したと同様のものに準じる。他に
含有され得る重合体成分としては、前記ブロックAで含
有され得る一般式(II)で示される成分又はその他の成
分として記載したものと同様のものが挙げられる。但
し、ブロックBにおいては、ブロックAで含有される特
定の極性基含有成分を含有しないことを特徴とする。
従来公知の重合反応法によって製造することができる。
具体的には、該特定の極性基を含有する重合体成分に相
当する単量体において該極性基を予め保護した官能基と
しておき、有機金属化合物(例えばアルキルリチウム
類、リチウムジイソプロピルアミド、アルキルマグネシ
ウムハライド類等)もしくはヨウ化水素/ヨウ素系等に
よるイオン重合反応、ポルフィリン金属錯体を触媒とす
る光重合反応又はグループ移動重合反応等の公知のいわ
ゆるリビング重合反応でABブロック共重合体を重合反
応した後、停止反応時に特定の極性基を直接導入する
か、あるいは該極性基を結合できる官能基を導入した後
極性基を化学結合させる、その後、重合体成分中の極性
基を保護した官能基を加水分解反応、加水素分解反応、
酸化分解反応又は光分解反応等によって脱保護反応を行
ない、極性基を形成させる方法が挙げられる。その1つ
の例を下記の反応スキーム(1)に示した。
asson etal、Polym.Bull.1
2.,79(1984)、B.C.Anderson、
G.D.Andrews etal、Macromol
ecules、14、1601(1981)、K.Ha
tada、K.Ute.etal、Polym.J.1
7、977(1985)、18、1037(198
6)、右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36、366
(1987)、東村敏延、沢本光男、高分子論文集、4
6、189(1989)、M.Kuroki、T.Ai
da、J.Am.Chem.Soc.109、4737
(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、4
3、300(1985)、D.Y.Sogah、W.
R.Hertleretal.Macromolecu
les、20、1473(1987)等に記載の合成方
法に従って容易に合成することができる。
性基を保護しないままの単量体を用い、且つ特定の極性
基を置換基として含むジチオカルバメート基を含有する
化合物及び/又はザンテート基を含有する化合物を開始
剤として、光照射下に重合反応を行なって合成すること
もできる。例えば、大津隆行、高分子、37,248
(1988)、檜森俊一、大津隆一、Polym.Re
p.Jap.37.3508(1988)、特開昭64
−111号、特開昭64−26619号、東信行等、P
olymer Preprints、Japan、3
6、(6)、1511(1987)、M.Niwa、
N.Higashi、etal、J.Macromo
l.Sci.Chem.A24(5)、567(198
7)等に記載の合成方法に従って合成することができ
る。
保護及びその保護基の脱離(脱保護反応)については、
従来公知の知見を利用して容易に行なうことができる。
例えば前記引用文献にも種々記載されており、更には、
岩倉義男、栗田恵輔、「反応性高分子」(株)講談社刊
(1977年)、T.W.Greene、「Prote
ctive Groups in Organic S
ynthesis」,John Wiley & So
ns(1981年)、J.F.W.McOmie、「P
rotective Groups in Organ
ic Chemistry」Plenum Pres
s、(1973年)等の総説に詳細に記載されている方
法を適宜選択して行なうことができる。
の方がブロックAよりも高分子鎖が長い方が好ましい。
本発明の光導電層に供される結着樹脂として、本発明の
樹脂〔A〕及び樹脂〔B〕以外に前記した無機光導電体
用の公知の樹脂を併用することもできる。但し、これら
の他の樹脂の使用割合は、全結着樹脂100重量部中3
0重量%を越えない範囲が好ましい。この割合を越える
と、本発明の効果は著しく低下してしまう。
的なものは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン
−ブタジェン共重合体、スチレン−メタクリレート共重
合体、メタクリレート共重合体、アクリレート共重合
体、酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アル
キド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエ
ステル樹脂、ポリエステル樹脂等である。
子」第17巻、第278頁(1968年)、宮本晴視・
武井英彦「イメージング」1973(No.8)第9
頁、中村孝一編「絶縁材料用バインダーの実際技術」第
10章、C.H.C.出版(1985年刊)、D.D.
Tatt、S.C.Heidecker、Tappi、
49(No.10)、439(1966)、E.S.B
altazzi、R.G.Blanclotte et
al、Photo.Sci.Eng.16(No.
5)、354(1972)、グエン・チャン・ケー、清
水 勇、井上英一、電子写真学会誌18(No.2)、
28(1980)、特公昭50−31011号、特開昭
53−54027号、同54−20735号、同57−
202544号、同58−68046号各号公報等に開
示の樹脂が挙げられる。
樹脂の総量は、無機光導電体100重量部に対して、1
0重量部〜100重量部であることが好ましく、より好
ましくは15重量部〜50重量部である。
合は、樹脂〔A〕/樹脂〔B〕の重量比で0.05〜
0.6/0.95〜0.40であることが好ましく、よ
り好ましくは0.10〜0.40/0.90〜0.60
である。結着樹脂の総量が10重量部未満となると、光
導電層の膜強度が維持できなくなる。又100重量部を
超えると、静電特性が低下し、実際の撮像性においても
複写画像の悪化を生じてしまう。
用割合において樹脂〔A〕の重量比が0.05未満にな
ると、静電特性向上の効果が薄れてしまう。一方0.8
を超えると光導電層の膜強度が充分維持できなくなる場
合(特に電子写真式平版印刷用原版として)が生じる。
は、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウ
ム、炭酸カドミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウ
ム、セレン化テルル、硫化鉛等が挙げられる。本発明に
使用する分光増感色素としては、必要に応じて各種の色
素を単独又は併用して用いる。例えば、宮本晴視、武井
英彦、イメージング1973(No.8)第12頁、
C.J.Young等、RCA Review 15、
469(1054)、清田航平等、電気通信学会論文誌
J63 −C(No.2)、97(1980)、原崎勇
次等、工業科学雑誌66 78及び188(196
3)、谷忠昭、日本写真学会誌35、208(197
2)等の総説引例のカーボニウム系色素、ジフェニルメ
タン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン系色
素、フタレイン系色素、ポリメチン色素(例えば、オキ
ソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色素、ロダ
シアニン色素、スチリル色素等)、フタロシアニン色素
(金属を含有してもよい)等が挙げられる。
リフェニルメタン色素、キサンテン系色素、フタレイン
系色素を中心に用いたものとしては、特公昭51−45
2号、特開昭50−90334号、同50−11422
7号、同53−39130号、同53−82353号、
米国特許第3,052,540号、同4,054,45
0号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙げ
られる。
アニン色素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素とし
ては、F.M.Hamer 「The Cyanine
Dyes and Related Compoun
d」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、米国特許第3,047,384号、同第3,11
0,591号、同第3,121,008号、同第3,1
25,447号、同第3,128,179号、同第3,
132,942号、同第3,622,317号、英国特
許第1,226,892号、同第1,309,274
号、同第1,405,898号、特公昭48−7814
号、同55−18892号等に記載の色素が挙げられ
る。
外光域を分光増感するポリメチン色素として、特開昭4
7−840号、同47−44180号、特公昭51−4
1061号、特開昭49−5034号、同49−451
22号、同57−46245号、同56−35141
号、同57−157254号、同61−26044号、
同61−27551号、米国特許第3,619,154
号、同第4,175,956号、「Research
Disclosure」1982年、216、第117
〜118頁等に記載のものが挙げられる。本発明の感光
体は種々の増感色素を併用させても、その性能が増感色
素により変動しにくい点において優れている。更には、
必要に応じて、化学増感剤等の従来知られている電子写
真感光層用各種添加剤を併用することもできる。例え
ば、前記した総説:イメージング1973(No.8)
第12頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、ハ
ロゲン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物有機カル
ボン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の
開発・実用化」第4章〜第6章・日本科学情報(株)出
版部(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン
化合物、ヒンダートフェノール化合物、p −フェニレン
ジアミン化合物等が挙げられる。
ではないが、通常光導電体100重量部に対して0.0
001〜2.0重量部である。光導電層の厚さは1〜1
00μ、特に10〜50μが好適である。また、電荷発
生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷発生層として光
導電層を使用する場合は電荷発生層の厚さは0.01〜
1μ、特に0.05〜0.5μが好適である。
改善等を主目的として絶縁層を付設させる場合もある。
この時は絶縁層は比較的薄く設定され、感光体を特定の
電子写真プロセスに用いる場合に設けられる絶縁層は比
較的厚く設定される。後者の場合、絶縁層の厚さは、5
〜70μ、特には、10〜50μに設定される。
ビニルカルバゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン
系色素、トリフェニルメタン系色素などがある。電荷輸
送層の厚さとしては5〜40μ、特には10〜30μが
好適である。絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる
樹脂としては、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、
塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体
樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂が適宜
用いられる。
体上に設けることができる。一般に云って電子写真感光
層の支持体は、導電性であることが好ましく、導電性支
持体としては、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プ
ラスチックシート等の基体に低抵抗性物質を含浸させる
などして導電処理したもの、基体の裏面(感光層を設け
る面と反対面)に導電性を付与し、更にはカール防止を
図る等の目的で少なくとも1層以上をコートしたもの、
前記支持体の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支
持体の表面層に必要に応じて少なくとも1相以上のプレ
コート層が設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電
化プラスチックを紙にラミネートしたもの等が使用でき
る。
の例としては、坂本幸男、電子写真、14(No.
1)、P2〜11(1975)、森賀弘之、「入門特殊
紙の化学」高分子刊行会(1975)、M.F.Hoo
ver,J.Macromol.Sci.Chem.A
−4(6)、第1327〜第1417頁(1970)等
に記載されているもの等を用いる。
らゆる電子写真プロセスを利用した用途において利用す
ることができる。即ち、本発明の感光体はPPC方式お
よびCPC方式のいずれの記録方式にも利用でき、又、
現像剤として乾式現像剤あるいは液体現像剤のいずれの
組合せにも用いることができる。
像形成が可能なことから、液体現像剤との組合せで利用
すると、本発明の効果がより発揮される。又カラー現像
剤との組合せとすることで、黒白複写画像のみならず、
カラー複写画像にも応用することができる(例えば、滝
沢九郎、「写真工業」33、34(1975年)、安西
正保、「電子通信学会技術研究報告77、17(197
7年)等に記載の方法)。
の用途への利用のシステムにおいても有効である。例え
ば光導電体として光導電性酸化亜鉛を用いた本発明の感
光体は、オフセット平版印刷用原版として、又無公害で
白色度の良好な光導電性酸化亜鉛あるいは光導電性酸化
チタンを用いた感光体は、オフセット印刷プロセスで用
いられる版下用記載材料あるいはカラープループ等に用
いることができる。
の内容がこれらに限定されるものではない。 〔樹脂〔A〕の合成〕 樹脂〔A〕の合成例1:〔A−1〕 ベンジルメタクリレート95g、アクリル酸5g及びト
ルエン200gの混合溶液を窒素気流下90℃の温度に
加温した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
(略称A.I.B.N.)6.0gを加え4時間反応さ
せた。更にA.I.B.N.2gを加え2時間反応させ
た。得られた共重合体〔A−1〕の重量平均分子量(M
wと略称する)は8500であった。
〜〔A−28〕 樹脂〔A〕の合成例1の重合条件と同様に操作して下記
表−Aの各樹脂〔A−2〕〜〔A−28〕を合成した。
各樹脂〔A〕のMwは5.0×103 〜9.0×103
であった。
リル酸5g、n−ドデシルメルカプタン2g及びトルエ
ン200gの混合溶液を窒素気流下80℃の温度に加温
した後、A.I.B.N.2gを加え4時間反応し、次
にA.I.B.N.0.5gを加え2時間、更にA.
I.B.N.0.5gを加え3時間反応した。冷却後、
メタノール/水(9/1)の混合溶液2l中に再沈し、
沈殿物をデカンテーションで補集し、減圧乾燥した。得
られたワックス状の共重合体の収量は78gで、Mwは
6.3×103 であった。 〔樹脂(B)の合成〕 樹脂〔B〕の合成例1:〔B−1〕 メチルアクリレート42.5g、アクリル酸2.5g、
2−カルボキシエチルN,N−ジエチルジチオカーバメ
ート:〔I−1〕7.6g及びテトラヒドロフラン50
gの混合物を、窒素気流下に容器に密閉し、温度50℃
に加温した。これに、400Wの高圧水銀灯で10cm
の距離からガラスフィルターを通して、8時間光照射し
光重合した。
トル中に再沈し、沈殿物を捕集・乾燥した。得られた重
合体は収量41gでMw1.0×104 であった。更
に、上記重合体(高分子開始剤となる)10g、メチル
メタクリレート65g、メチルアクリレート25g及び
テトラヒドロフラン100gの混合物を、窒素気流下に
温度50℃とした。これに上記と同条件で光照射し、1
0時間光重合した。得られた混合物をメタノール1リッ
トル中に再沈し、沈殿物を捕集・乾燥した。得られたブ
ロック重合体は収量85gでMw8.5×104 であっ
た。
g、ベンジルN−エチル−N−(2−カルボキシルエチ
ルジチオカーバメート:〔I−2〕2.2g及びテトラ
ヒドロフラン100gの混合溶液を窒素気流下温度50
℃とした。これを樹脂〔B〕の合成例1と同様の光照射
条件で8時間光重合した。反応混合物を、メタノール1
リットル中に再沈し、沈殿物を捕集・乾燥して、Mw8
×104の重合体を収量85gで得た。上記重合体85
g、メチルメタクリレート14g、メタクリル酸1g及
びテトラヒドロフラン150gの混合物を窒素気流下に
温度50℃とした。これを、樹脂〔B〕の合成例1と同
様の光照射条件下で16時間光重合した。反応物をメタ
ノール1リットル中に再沈し、沈殿物を捕集・乾燥し
て、Mw9.5×104 のブロック共重合体を収量83
gで得た。
合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷却し
た。次いで1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリ
チウム2.0gを加え、12時間攪拌した。更にこの混
合物にメチルメタクリレート19g及び4−ビニルフェ
ニルカルボニルオキシトリメチルシラン1.5gを加え
12時間反応した後、二酸化炭素気流下に2時間そのま
ま反応し、更に温度0℃で2時間反応した。
有したメタノール溶液1リットルを30分間で攪拌下に
滴下し、そのまま1時間攪拌した。析出した粉末を濾別
し、更にメタノールで洗浄し、乾燥した。収量75gで
Mw6.5×104 のブロック共重合体を得た。
〜〔B−13〕 樹脂〔B〕の合成例2と同様の反応方法で、下記表−B
に示す樹脂〔B〕を合成した。得られた各重合体のMw
は7×104 〜9×104 の範囲であった。
4〕〜〔B−20〕 樹脂〔B〕の合成例1において、開始剤I−1 7.6
gの代わりに、下記表−Cの各開始剤4.2×10-3モ
ルを用いた他は、樹脂〔B〕の合成例1と同様にして、
各ブロック共重合体を合成した。各共重合体のMwは8
×104 〜10×104 の範囲であった。
1〕〜〔B−30〕 下記表−Dに相当する各重合体を樹脂〔B〕の合成例2
の方法と同様に光重合反応で重合した。
1〕32g (固形分量として)、光導電性酸化亜鉛2
00g、下記構造のメチン色素〔I〕0.017g、無
水フタル酸0.18g及びトルエン300gの混合物
を、ホモジナイザー(日本精機(株)製)中で6×10
3 r.p.m.の回転数で7分間分散した。この感光層
形成用分散物を導電処理した紙に乾燥付着量が20g/
m2 となるようにワイヤーバーで塗布し、100℃で3
0秒間乾燥した。ついで暗所で20℃、65%RHの条
件下で24時間放置することにより、電子写真感光材料
を作製した。
1〕32gの代わりに下記構造の樹脂〔R−1〕32g
を用いた他は、実施例1と同様に操作して電子写真感光
材料を作製した。
1〕32gの代わりに下記構造の樹脂〔R−2〕32g
とした他は、実施例1と同様に操作して電子写真感光材
料を作製した。
1〕32gの代わりに下記構造の樹脂〔R−3〕32g
とした他は、実施例1と同様に操作して電子写真感光材
料を作製した。
(20℃、65%RH)及び(30℃、80%RH)と
した時の静電特性、撮像性を調べた。以上の結果を表−
Eに示す。
下の通りである。 注1)光導電層の強度: 得られた感光材料表面をヘイドン−14型表面性試験材
(新東化学(株)製)をもちいて荷重50g/cm2 の
ものでエメリー紙(#1000)で1500回繰り返し
擦り磨耗粉を取り除き感光層の重量減少から残膜率
(%)を求め機械的強度とした。 注2)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペー
パーアナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライ
ザーSP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロ
ナ放電させた後、10秒間放置し、この時の表面電位V
10を測定した。次いでそのまま暗中で90秒間静置させ
た後の電位V100 を測定し、90秒間暗減衰させた後の
電位の保持性、即ち、暗減衰保持率〔DRR(%)〕を
(V100/V10)×100(%)で求めた。
0Vに帯電させた後、該光導電層表面をガリウム−アル
ミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780nm)
光で照射し、表面電位(V10)が1/10に減衰するま
での時間を求め、これから露光量E1/10(erg/cm
2 )を算出する。又、同様の表面電位(V10)が1/1
00に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/100 (erg/cm2)を算出する。測定時の環境条
件は、20℃、65%RH(I)と30℃、80%RH
(II)で行なった。 注3)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、各感
光材料を−6kVで帯電し、光源として2.8mW出力
のガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振
波長780nm)を用いて、感光材料表面上で64er
g/cm2 の照射量下、ピッチ25μm及びスキャニン
グ速度300m/secのスピード露光後液体現像剤と
して、ELP−T(富士写真フイルム(株)製)を用い
て現像し、イソパラフィンアイソパーG(エッソ化学
(株)製)溶媒のリンス液で洗浄後定着することが得ら
れた複写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。
(I)と30℃80%RH(II)で実施した。表−Eに
示す様に、本発明の感光材料は、静電特性が良好で、実
際の複写画像も地カブリがなく複写画質も鮮明であっ
た。一方、比較例1、2及び3は、光感度(E1/10及び
E1/100 )の低下が生じ、実際の複写画像でも微かな細
線・文字等のカスレや、リンス処理した後でも地カブリ
が除去されずに残存してしまった。又、静電特性とは一
致しないが、複写原稿の連続階調部分の中間濃度でのム
ラの発生が生じてしまった。
1/100 値が大きく異なる。E1/100値は、実際の撮像性
において、露光後、非画像部(既に露光された部位)に
どれだけの電位が残っているかを示すものであり、この
値が小さい程現像後の非画像部の地汚れが生じなくなる
事を示す。具体的には−10V以下の残留電位にするこ
とが必要となり、即ち実際にはVR −10V以下とする
ために、どれだけ露光量が必要となるかということで、
半導体レーザー光によるスキャニング露光方式では、小
さい露光量でVR を−10V以下にすることは、複写機
の光学系の設計上(装置のコスト、光学系光路の精度
等)非常に重要なことである。
合にのみ静電特性及び撮像性を満足する電子写真感光体
が得られ、特に半導体レーザー光スキャニング露光方式
の感光体システムに優位になることが明らかとなった。 実施例2 樹脂〔A−10〕6g(固形分量として)、樹脂〔B−
2〕34g(固形分量として)、光導電性酸化亜鉛20
0g、下記構造のメチン色素(II)0.020g、N−
ヒドロキシマレインイミド0.20g及びトルエン30
0gの混合物を、実施例1と同様に操作して、電子写真
感光材料を作製した。
及び環境条件を20℃、65%RH及び30℃、80%
RHとした時の静電特性、撮像性を調べた。更に、電子
写真式平版印刷用原版として用いた時の印刷性を調べ
た。これらの結果を表−Fに示す。
下の通りである。 注4)表面層の平滑性:得られた感光材料は、ベック平
滑度試験機(熊谷理工(株)製)を用い、空気容量1c
cの条件にて、その平滑度(sec/cc)を測定し
た。 注5)水との接触角:各感光材料を不感脂化処理液EP
L−EX(富士写真フイルム(株)製)を蒸留水を2倍
に稀釈した溶液を用いて、エッチングプロセッサーに1
回通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留
水2μlの水滴を乗せ、形成された水との接触角をゴニ
オメーターで測定する。 注6)耐刷性:前記注2)の撮像性と同条件にして、製
版して、トナー画像を形成し、上記注5)と同条件で不
感脂化処理し、これをオフセットマスターとして、オフ
セット印刷機(桜井製作所(株)製オリバー52型)に
かけ、印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問
題が生じないで印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い
程、耐刷性が良好なことを表わす。) 表−Fに示す様に、本発明の感光材料は、光導電層の平
滑性膜の機械的強度及び静電特性が良好で、実際の複写
画像も地カブリがなく複写画質も鮮明であった。このこ
とは光導電体と結着樹脂が充分に吸着し、且つ、粒子表
面を被覆していることによるものと推定される。同様の
理由で、オフセットマスター原版として用いた場合でも
不感脂化処理液により不感脂化処理が充分に進行し、非
画像部の水との接触角が10度以下と小さく、充分に親
水化されていることが判る。実際に印刷して印刷物の地
汚れを観察しても地汚れは全く認められず、鮮明な画質
の印刷物が1万枚得られた。
〔B〕が適切に酸化亜鉛粒子と相互作用し、不感脂化処
理液による不感脂化反応が容易に且つ充分に進行し易い
状態を形成している事及び樹脂〔B〕の働きによる膜強
度の著しい向上を達成していることを示すものである。 実施例3〜20 実施例2において、樹脂〔A−10〕及び樹脂〔B−
2〕に代えて、下記表−Gの各樹脂〔A〕及び各樹脂
〔B〕に代えた他は、実施例2と同様に操作して、各電
子写真感光体を作製した。
所、いずれも良好な結果を示した。又、これらの感光材
料の実際の操作性を調べた所、細線・文字の再現性良好
で中間調のムラの発生もなく、地カブリの全くない鮮明
な複写画像のものが得られ、又、オフセットマスター原
版として用いて、実施例2と同様にして印刷した所、い
ずれも少なくとも1万枚以上印刷することができた。
の平滑性、膜強度、静電特性及び印刷性の全ての点にお
いて良好なものであった。 実施例21〜24 実施例1において用いた、メチン色素〔I〕の代わりに
下記表−Hの色素に代えた他は、実施例1と同様の条件
で電子写真感光材料を作製した。
電荷保持率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温・高
湿の(30℃、8%RH)の過酷な条件においても、地
カブリの発生のない、鮮明な画像を与えた。 実施例25及び26並びに比較例4 樹脂〔A−1〕(実施例25)又は樹脂〔A−18〕
(実施例26)のいずれか6.5g、樹脂〔B−30〕
33.5g、光導電性酸化亜鉛200g、ウラニン0.
02g、ローズベンガル0.035g、ブロムフェノー
ルブルー0.025g、p−ヒドロキシ安息香酸0.1
8g及びトルエン300gの混合物をホモジナイザー中
で回転数7×103 r.p.m.で6分間分散して感光
層形成物を調製し、これを導電処理した紙に、乾燥付着
量が25g/m2 となる様にワイヤーバーで塗布し、1
10℃で20秒間乾燥した。次いで暗所で20℃、65
%RHの条件下で24時間放置することにより各電子写
真感光体を作製した。 比較例4 実施例25において、樹脂〔B−30〕33.5gの代
わりに、比較用樹脂〔R−2〕33.5gを用いた他
は、実施例25と同様にして、感光材料を作製した。
調べた。その結果を下記表−Iにまとめた。
については下記の操作に従った他は、実施例1と同様の
操作で行なった。 注6)静電特性のE1/10及びE1/100 の測定方法 コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電させ
た後、該光導電層表面を照度2.0ルックスの可視光で
照射し、表面電位(V10)が1/10又は1/100に
減衰するまでの時間を求め、これから露光量E1/10又は
E1/100 (ルックス・秒)を算出する。 注7)撮像性 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、全自
動製版機EPL−404V(富士写真フイルム(株)
製)でEPL−Tをトナーとして用いて製版して得られ
た複写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。撮
像時の環境条件は、20℃65%RH(I)と30℃8
0%RH(II)で実施した。但し、複写用の原稿(即
ち、版下原稿)には、ほかの原稿を切り抜いて、貼り込
みを行なって作成したものを用いた。
び強度において、その差は認められなかった。しかし、
静電特性において、比較例4は、特に光感度E1/100 の
値が大きく、これは高温、高湿になるとより一層助長さ
れ、劣化してしまった。本発明の感光材料の静電特性は
良好であり、更に、特定の置換基を有する樹脂〔A〕を
用いた実施例26は、非常に良好であり、特にE1/100
の値が小さくなった。
は、複写画像として原稿以外に、切り抜いて貼り込んだ
部分の枠(即ち、貼り込み跡)が非画像部の地汚れとし
て認められた。しかし、本発明のものは、いずれも、地
汚れのない、鮮明な画像のものが得られた。更に、これ
らをオフセット印刷用原版として不感脂化処理して印刷
した所、本発明のものはいずれも地汚れのない鮮明な画
質の印刷物が1万枚得られた。しかし、比較例4は、上
記の貼り込み跡が、不感脂化処理でも除去されず、刷り
出しの印刷物から発生してしまった。
が、良好な特性を与えることができた。 実施例27〜42 実施例25において、樹脂〔A−1〕6.5g及び樹脂
〔B−30〕33.5gの代わりに、下記表−Jの樹脂
〔A〕6.5g及び樹脂〔B〕33.5gを用いた他
は、実施例25と同様にして各感光材料を作製した。
荷保持率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿
(30℃、80%RH)の過酷な条件においても地カブ
リの発生のない鮮明な画像を与えた。更にオフセットマ
スター原版として印刷した所、1万枚印刷しても地汚れ
の発生のない鮮明な画質の印刷物が得られた。
タクリレートを含有する樹脂〔A〕の感光体はより良好
な性能を示した。
い条件下での静電特性)に優れた、鮮明で良質な画像を
有し、更に優れた機械的強度を有する電子写真感光体を
得ることができる。特に、半導体レーザー光を用いたス
キャニング露光方式に有効である。
メタクリレート成分を含有する繰り返し単位を本発明の
樹脂に用いることにより、更に静電特性が向上する。
Claims (3)
- 【請求項1】 無機光導電材料、分光増感色素及び結着
樹脂を少なくとも含有する光導電層を有する電子写真感
光体において、該結着樹脂が、下記樹脂〔Aの少なくと
も1種及び下記樹脂〔B〕の少なくとも1種を各々含有
して成ることを特徴とする電子写真感光体。 樹脂〔A〕 1×103〜2×104の重量平均分子量を有し、下記一
般式(I)で示される繰り返し単位を重合体成分として
30重量%以上と、−PO3H2、−SO3H、−COO
H、−P(=O)(OH)R1〔R1は炭化水素基又は−
OR2(R2は炭化水素基を表す)を表す〕及び環状酸無
水物含有基から選択される少なくとも1種の極性基を有
する重合体成分を0.5〜15重量%含有する樹脂。 【化1】 〔式(I)中、a1、a2は各々水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基又は炭化水素基を表す。R3は炭化水素基
を表す。〕 樹脂〔B〕 2×104〜1×106の重量平均分子量を有し、上記樹
脂〔A〕で示される特定の極性基のうちから選択される
少なくとも1種の極性基を含有する重合体成分を少なく
とも1種含有するAブロックと上記樹脂〔A〕で示され
る一般式(I)で示される重合体成分を少なくとも含有
し且つ上記極性基を含有する重合体成分を含有しないB
ブロックとから構成されるABブロック共重合体からな
り、且つAブロックにおいて、Bブロックと結合する反
対側の重合体主鎖の末端に上記樹脂〔A〕で示される特
定の極性基のうちから選択される少なくとも1種の極性
基を結合してなる樹脂。 - 【請求項2】 上記樹脂〔A〕が、一般式(I)で示さ
れる重合体成分として下記一般式(Ia)及び下記一般
式(Ib)で示されるアリール基含有のメタクリレート
成分のうちの少なくとも1つを含有することを特徴とす
る請求項1記載の電子写真感光体。 【化2】 【化3】 〔式(Ia)及び(Ib)中、A1 及びA2 は互いに独
立に各々水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロ
ゲン原子、シアノ基、−COR4 又は−COOR4 (R
4 は炭素数1〜10の炭化水素基を表す)を表し、B1
及びB2 は各々−COO−とベンゼン環を結合する単結
合又は連結原子数1〜4個の連結基を表す。〕 - 【請求項3】 上記樹脂〔B〕中に含有される特定の極
性基含有重合体成分の含有率(重量%)が、上記樹脂
〔A〕中に含有される特定の極性基含有重合体成分の含
有率(重量%)の、10%〜50%であることを特徴と
する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
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