JP3174115B2 - 順送り加工装置用カセット交換装置 - Google Patents

順送り加工装置用カセット交換装置

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JP3174115B2
JP3174115B2 JP33734891A JP33734891A JP3174115B2 JP 3174115 B2 JP3174115 B2 JP 3174115B2 JP 33734891 A JP33734891 A JP 33734891A JP 33734891 A JP33734891 A JP 33734891A JP 3174115 B2 JP3174115 B2 JP 3174115B2
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Hoden Seimitsu Kako Kenkyusho Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば被加工材に打ち
抜き,曲げ絞り等の加工を行う場合に,1組の装置の中
で各工程の加工を行い,順次次の工程に被加工材をピッ
チ送りして加工を追加して進め,最終工程で加工を完了
させる順送り加工装置における加工ユニットを構成する
カセットを交換する順送り加工装置用カセット交換装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,鋼板等の構造材料からなる板材に
打ち抜き,曲げ絞り,圧縮等の成形加工をすることによ
って,所定の形状の板金製品を製作する場合には,数工
程を経由するのが通常である。このような板金製品の製
作数量が多い場合には,1個の加工用金型の中で各工程
若しくはステージの加工を個々に行い,順次に次のステ
ージへ被加工材を送って加工を追加して進め,最終ステ
ージで加工を完了させる手段が採用されている。このよ
うな加工用金型を順送り型と称しており,例えばプレス
の1スタンプ毎に1個の板金製品を得ることができるた
め,極めて高能率であるという利点がある。
【0003】上記従来の順送り加工用金型においては,
生産速度が高く,被加工材を投入後加工完了までの納期
が短いと共に,プレス加工の途中工程における仕掛かり
が少なく,小人数による多量生産が可能であるという長
所を有する反面において,下記のような問題点がある。
すなわち1個の金型中に複数対のパンチ・ダイを組み込
む構造であるため,金型構造が極めて複雑となり,高精
度の金型製作技術を必要とすると共に,製作期間が長大
化し,製作費用が多額になる。
【0004】また金型の部分的破損,修理,調整に際し
ても,金型全体を分解する必要があり,これらの作業が
煩雑であるため,多大の時間と工数を必要とする。更に
多品種少量生産において,被加工品の形状,寸法が若干
でも異なるときに,その都度専用の金型を製作する形態
を採用した場合には,金型費が割高になり,近年次第に
その要請が高まってきている所謂FMS生産方式に応え
ることができないという問題点がある。
【0005】このような問題点を解決するために,本出
願人は,すでに構造が簡単であり,かつ部分的調整その
他を容易に行い得る順送り加工装置についての出願を行
っている(例えば特願平2−121760号,同2−1
21761号等)。本発明は,これらの改良発明を前提
として更に改良を加えると共に,順送り加工装置の段取
替の時間を大幅に短縮させるためのカセット交換装置で
ある。
【0006】図11は本発明の対象である順送り加工装
置の例を示す要部斜視図である。図11において,10
0〜500は夫々加工ユニットであり,ベース1上に被
加工材(図示せず)の送り方向に例えば2P(Pは被加
工材の送りピッチ)の間隔に配設する。これらの加工ユ
ニット100〜500には複数の加工工程に対応する夫
々1対のパンチおよびダイを設けてあるが,加工ユニッ
ト100を例にとってその構成を説明する。101は本
体であり,略U字状に形成し,下端部に鳩尾状のあり1
02を一体に設け,ベース1に設けたあり溝103と係
合させることによって被加工材の送り方向に移動調整可
能,かつ被加工材の送り方向と直角方向の移動拘束可能
に形成する。104は移動調整装置,105はクランプ
装置である。106は油圧シリンダであり,本体101
の上端部に設ける。107は位置測定装置であり,油圧
シリンダ106の側面部に設ける。
【0007】次に108はカセットであり,略U字状に
形成し,上部にパンチ若しくはダイ(何れも図示せず)
を上下動可能に設けると共に,下部に上記パンチ若しく
はダイと対をなすダイ若しくはパンチ(何れも図示せ
ず)を設け,本体101に着脱可能に設ける。カセット
108の位置決めは,加工ユニット300において図示
するように,位置決め部材309,310との係合によ
って行う。111はクランプねじである。すなわちカセ
ット108を位置決め部材(図示せず,加工ユニット3
00における符号309,310参照)を介して本体1
01に装着することによって所定の位置決めを行い得る
と共に,クランプねじ111の緊締によってその位置を
固定し得る構成となっている。カセット108の固定
後,油圧シリンダ106の作動桿(図示せず)と前記上
下動可能に設けたパンチ若しくはダイとを連結する。
【0008】図12は被加工材の加工状態を示す要部説
明図であり,(a)は平面を示し,(b)は断面を示し
ており,同一部分は前記図11と同一の参照符号で示
す。図12において2は被加工材であり,矢印方向にピ
ッチPで間欠的にピッチ送りされる。すなわち前記図1
1において,カセット108(他のカセットにおいても
同様)に設けた1対のパンチとダイとの間隙をピッチ送
りされる。図11および図12においては,加工ユニッ
ト100〜500は夫々パイロット孔3の加工工程,円
弧状の切り込み4の加工工程,第1ないし第3の絞り加
工工程に対応するように形成してある。
【0009】まず加工ユニット100には,パイロット
孔3を穿設するパンチおよびダイを備えると共に,被加
工材2の送り方向下流側Pの位置に前記パイロット孔3
に係合するガイド(図示せず)を備えてある。従って加
工ユニット100が作動する毎にパイロット孔3が順次
穿設されると共に,穿設されたパイロット孔3にガイド
が係合し,被加工材2の非所望な位置ずれを防止し,精
度を保持することができる。
【0010】次に加工ユニット200においては,円弧
状の切り込み4が加工される。そして加工ユニット30
0においては第1の絞り加工が行われ,被加工材2に椀
状の突起5が形成されると共に,前記円弧状の切り込み
4はその幅を拡げて円弧状の溝6に変化する。更に加工
ユニット400においては,第2の絞り加工とフランジ
孔7の加工が行われ,突起5の高さが増大する。加工ユ
ニット500においては第3の絞り加工が行われ,突起
5の高さを所定の寸法に形成する。以後図示省略したが
縁切り加工その他の加工を行い,所定の椀状の板金製品
が得られるのである。なお加工ユニット200〜500
においても,パイロット孔3と係合するガイドを設ける
ことにより,所定の精度を確保するための位置決めが行
われることは勿論である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の順送り加工
装置によれば,従来の順送り金型と比較して構造が簡単
であると共に,製作も容易であり,多品種少量生産にお
いても高能率の加工ができる利点を有するが,下記のよ
うな問題点がある。
【0012】すなわち,順送り加工の加工工程を変更す
る場合には,現在の加工工程に対応する加工ユニット1
00〜500を新規の加工工程に対応する加工ユニット
に変更する必要がある。この場合加工ユニット100〜
500に装着されているカセット108等のみを交換す
ることによって加工ユニットの内容を変更できるのであ
るが,複数個の加工ユニットのカセットを交換する間
は,順送り加工装置の稼動を停止しなければならない。
【0013】また上記カセットを交換して新規のカセッ
トを装着した場合においては,カセットを構成するパン
チおよびダイの係合具合,被加工材に対する加工状態,
寸法精度等をチェックするための試打ち若しくは試抜き
が必要である。更に新規の加工ユニットの配設間隔を変
更した場合には,送りピッチとの関連も含めて位置決
め,調整を行う必要も生じる。これらの試打,調整等の
所謂段取り作業を行う間は,当然に被加工材に対する順
送り加工の本体作業を停止しなければならない。勿論上
記構成の順送り加工装置によれば,従来の順送り加工用
金型に比較して段取替に要する時間を大幅に短縮し得る
効果を具有しているのであるが,生産性を更に向上させ
るためには,上記段取替に要する時間を更に短縮して,
本体作業時間を増大させることが必要である。
【0014】本発明は,上記問題点を解決し,段取替に
要する時間を大幅に短縮し,順送り加工装置の稼動率を
大幅に向上させ得る順送り加工装置用カセット交換装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明においては,工手段を備えたカセットを本
体に着脱可能に設けてなる複数個の加工ユニットを,複
数の加工工程に対応させて被加工材の送り方向にmP
(mは任意の正の整数,Pは被加工材の送りピッチ)の
間隔に配設し,被加工材のピッチ送りに対して前記複数
の加工工程を前記複数個の加工ユニットにより順次実施
するように構成した順送り加工装置における加工ユニッ
トを構成するカセットを交換する順送り加工装置用カセ
ット交換装置において,カセットに設けた係合部と係脱
自在に形成した係合部材とを有すると共に,平面内にお
いて被加工材の送り方向と交差する方向に移動可能に形
成した搬出入ユニットと,複数個のカセットを所定間隔
に収容保持可能に形成すると共に,順送り加工装置と近
接離脱可能に形成したカセットホルダーとからなり,順
送り加工装置を構成する加工ユニットに設けられたカセ
ットを搬出入ユニットを介してカセットホルダーに抽出
収容した後,新規加工用のカセットを収容保持する他の
カセットホルダーを待機位置から搬入位置に移動させ,
新規加工用のカセットを搬出入ユニットを介して加工ユ
ニットに装着するように構成する,という技術的手段を
採用した。
【0016】
【作用】上記の構成により,まず順送り加工装置を構成
する加工ユニットと同一構成の加工ユニットを備えてな
るプリセットスタンドにおいて,次の新規の順送り加工
を行うべきカセットによって試加工を行って整備した
後,これらのカセット群をカセットホルダー上に所定間
隔に収容保持し,順送り加工装置の近傍の待機位置に移
動させておく。
【0017】次に現に作業中の順送り加工装置を停止
し,加工ユニットを構成するカセットを空のカセットホ
ルダー上に搬出入ユニットを介して抽出収容後,このカ
セットホルダーを移動させ,前記新規加工用のカセット
を収容保持したカセットホルダーを待機位置から搬入位
置に移動させ,搬出入ユニットを介してカセットホルダ
ー上の新規加工用のカセットを加工ユニットに装着する
のである。
【0018】従って現在加工作業中の順送り加工装置を
停止することなく,所謂外段取によって次の新規加工用
のカセットを準備し得るのみならず,試加工まで行い,
例えばパンチとダイとの係合状態を含めたデータを予め
把握して,NC制御装置に入力することができ,カセッ
トの交換を短時間内において完了させることができる。
この結果順送り加工装置を段取作業実施のために長時間
停止することなく新旧加工用のカセットの交換を行うこ
とができ,順送り加工装置の稼動率を大幅に向上させ得
るのである。
【0019】
【実施例】図1および図2は各々本発明の実施例を示す
平面図および正面図,図3は図2におけるA−A線矢視
図である。図1ないし図3において,11は順送り加工
装置であり,例えば10個の加工ユニット12を複数の
加工工程に対応させて被加工材(図示せず)の送り方向
(例えば図1および図2において右から左の方向)にm
P(mは任意の正の整数,Pは被加工材の送りピッチ)
の間隔に配設する。この場合加工ユニット12の配設間
隔はmPより若干マイナスに設定するのが好ましい。1
3はピッチ送り装置,14は接合装置,15は被加工材
供給装置であり,夫々順送り加工装置11の被加工材の
送り方向上流側に設ける。
【0020】次に16はカセット交換装置であり,順送
り加工装置11の正面側に近接して設ける。17はパレ
ットであり,例えば平板状に形成すると共に,順送り加
工装置11を構成する加工ユニット12に設けられるべ
きカセット18を所定間隔に収容保持可能に形成する。
なお17a,17b,17c,17dは夫々パレット1
7の位置を示す符号である。すなわちパレット17はパ
レット搬送装置(図示せず)を介して,17a→17b
→17c→17d→17a…と移動可能に形成する。
【0021】19は搬出入ユニットであり,カセット交
換装置16上の順送り加工装置11の正面側に対向させ
て設け,後述するようにカセット18の端部に設けた係
合部と係脱自在に形成した係合部材20を有すると共
に,シリンダ21を介して係合部材20を,順送り加工
装置11に対して近接離脱可能に形成する。なお上記近
接離脱方向は,平面内において被加工材(図示せず)の
送り方向と交差する方向とするのが好ましく,直交する
方向とするのがより好ましい。22はプリセットスタン
ドであり,カセット交換装置16の近傍に設ける。23
は試加工ユニットであり,順送り加工装置11を構成す
る加工ユニット12と同一に構成し,プリセットスタン
ド22上に設ける。
【0022】上記の構成により,次に作用について説明
する。まずプリセットスタンド22に設けた試加工ユニ
ット23に,新規加工用のカセット18を装着して,例
えばカセット18を構成するパンチとダイ(何れも図示
せず)との係合状態を調整すると共に,新規加工用の被
加工材(図示せず)を挿入して試加工を行い,所定の加
工精度を確保し得るまで調整を行うと共に,必要があれ
ば加工条件その他のデータをNC制御装置(図示せず)
に入力する。上記試加工および調整作業完了後,カセッ
ト18を試加工ユニット23から取り外し,このカセッ
ト18をカセット交換装置16の17bの位置に設けら
れたパレット17上の所定位置に収容保持する。
【0023】この試加工および調整作業を,新規加工用
の複数個のカセット18全部について実施し,17bの
位置にあるパレット17上に順次収容保持する。なおパ
レット17には,例えば位置決め用の溝を所定間隔で配
設し,複数個のカセット18が新規加工用の送りピッチ
mPと対応し得るように構成しておくことが好ましい。
次に上記複数個のカセット18を収容保持するパレット
は,パレット搬送装置(図示せず)を介して17cの位
置まで下降させられ,次に図2に示すように左方に移動
させられて,17dに示す待機位置に到達して停止して
待機する。
【0024】次に現在作業中の順送り加工装置11にお
ける所定作業が終了した場合には,搬出入ユニット19
を作動させて,係合部材20をカセット18まで移動さ
せる。図4および図5は図3における搬出入ユニット1
9の作動状態を示す説明図であり,同一部分は前記図1
ないし図3と同一の参照符号にて示す。図3ないし図5
において24は係合部材20に設けられた作動部材であ
り,上下動可能に形成したピン25を有する。従って図
4に示すように係合部材20に設けられた作動部材24
をカセット18の端部に近接させると,ピン25をカセ
ット18の端部に設けられた係合穴(図示せず)の直上
に臨ませることができる。この位置において作動部材2
4を作動させると,ピン25を前記係合穴内に係合させ
ることができる(図5参照)。
【0025】上記のようにしてピン25を順送り加工装
置11を構成する加工ユニット12に設けられたカセッ
ト18の係合穴に係合させた後,後述するように形成し
たクランプ(図示せず)を作動させて,カセット18の
加工ユニット12に対する固定状態を解除する。そして
シリンダ21を作動させれば,カセット18を加工ユニ
ット12から抽出して,予め順送り加工装置11の正面
側の17aの位置に設置された空のパレット17上に収
容保持することができる。カセット18を収容保持後,
作動部材24の逆方向への作動により,ピン25をカセ
ット18の係合穴から抜去する。
【0026】次にパレット搬送装置(図示せず)を介し
て,上記パレット17を図1および図2に示す17aの
位置から17bの位置に移動させる。パレット17上に
収容保持された加工終了後のカセット18は,その後保
守点検を行って所定保管場所に移送される。上記パレッ
ト17を移動した後,パレット搬送装置(図示せず)を
介して,17dの位置に待機させてあったパレット17
を上昇させ,新規加工用のカセットを順送り加工装置1
1の正面に臨ませる。そして図3に示す状態において,
作動部材24を作動させれば,パレット17上に収容保
持した新規加工用のカセット(図示せず,但し17dの
位置におけるパレット17上のカセット18参照)の係
合穴(図示せず)にピン25を係合させ得る。
【0027】この状態でシリンダ21を作動させれば,
新規加工用のカセットを加工ユニット12内に装着する
ことができ,その後クランプ(図示せず)を作動させて
カセット18を加工ユニット12に固定する。以後作動
部材24を逆方向に作動させて,ピン25をカセット1
8の係合穴から抜去し,シリンダ21の逆方向作動によ
り搬出入ユニット19を図1ないし図3に示す状態に復
帰させ,順送り加工装置11を作動させれば,新規のカ
セットによる順送り加工が行われ得る。
【0028】なお上記図1および図2においては,加工
ユニット12を等間隔で配設した例を示したが,加工ユ
ニット12の配設間隔は被加工材に対する順送り加工の
態様によって任意に選定することができることは当然で
ある。この場合において,加工ユニット12に対するカ
セット18の抽出および装着を,加工ユニット12の等
間隔配設状態で実施してもよく,カセット18を装着後
において加工ユニット12を所定位置に移動させてもよ
い。また加工ユニット12を所定の間隔に配設した状態
において,これと対応するようにパレット17上にカセ
ット18を配設しておき,前記のようにしてカセット1
8を装着してもよい。
【0029】またカセット18を収容保持するカセット
ホルダーとして平板状に形成したパレット17を使用す
る例について説明したが,例えばマシニングセンターに
おいて使用されるツールホルダーのように,コンベヤ状
の無端回動可能型式のものとしても作用は同様である。
この場合の回動範囲は平面的であっても立体的でもよ
く,また両者を併用することもできる。
【0030】更に上記加工ユニット12を構成するカセ
ット18の交換作業において,個々のカセット18を1
個宛交換してもよく,複数個若しくは全個数を同時に交
換してもよいと共に,これらの交換作業を手動によって
も,また予め設定されたプログラムによる自動交換作業
としてもよいことは勿論である。また更にカセット18
の端部に設けた係合穴に,作動部材24のピン25を係
合させる例について記述したが,これらの係合部および
係合部材としては,穴とピンとの係合手段のみでなく,
他の構成としてもよく,要するに搬出入ユニット19と
カセット18との間において係脱自在のものであれば作
用は同様である。
【0031】なお試加工ユニット23における試加工お
よび調整後,パレット17に収容保持される複数個のカ
セット18に,試加工において加工した被加工材を介装
させておき,加工ユニット12にこの被加工材と共にカ
セット18を挿入してもよい。この場合,被加工材の上
流端を接合装置14を介して新規の被加工材と,例えば
溶接接合すれば,カセット18を交換後,全ての加工ユ
ニット12を当初から一斉に稼動状態に移行することが
できる。
【0032】図6は図1ないし図3における加工ユニッ
ト12の例を示す拡大側面図,図7は図6におけるB−
B線要部断面拡大図であり,同一部分は前記図1ないし
図5と同一の参照符号で示す。図6および図7におい
て,加工ユニット12は,基部31と,略逆L字形に形
成されたコラム32とを,例えばボルト(図示せず)に
よって一体に締結して形成した本体33に,カセット1
8を着脱自在に設けて構成される。そして本体33はベ
ース34上に設けたあり溝35に,あり36を介して摺
動可能に装着される。
【0033】37は油圧シリンダであり,コラム32の
上端部に設けられると共に,ロッド38を介してカセッ
ト18に設けられたパンチヘッド39を作動可能に形成
する。40はパンチホルダー,41はダイホルダーであ
り,カセット18に設けられ,各々パンチおよびダイ
(何れも図示せず)を保持する。42は係合穴,43は
位置決め部材であり,各々カセット18の前端部および
後端部に設けられる。なお係合穴42は前記図3および
図4に示すピン25が円滑に係脱可能であるように形成
する。また位置決め部材43は,カセット18を基部3
1に挿入して当接させた状態で,前記パンチおよびダイ
が所定の位置を確保し得るように形成する。
【0034】次に44はねじ軸であり,ベース34内に
前記加工ユニット12の配設方向に沿って設ける。この
ねじ軸44には加工ユニット12の数と同数のウォーム
歯車45を回転自在に螺合させる。46はフランジ部材
であり,ウォーム歯車45の軸方向両端部に固着する。
次に47は従動部材であり,ウォーム歯車45を抱持す
るように形成すると共に,加工ユニット12の基部31
の下端部に装着し,フランジ部材46と摺動可能に係合
させる。48はサーボモータであり,ブラケット49を
介して基部31の下端部に装着し,出力軸50の先端部
に設けたウォーム51を前記ウォーム歯車45と係合さ
せる。なお出力軸50の先端部は,基部31の下端部に
設けたブラケット52を介して支持する。
【0035】上記の構成により,油圧シリンダ37を作
動させることにより,ロッド38を介してパンチヘッド
39を下方に作動させることができ,パンチホルダー4
0およびダイホルダー41内に保持したパンチおよびダ
イ(何れも図示せず)を係合させることができるから,
パンチおよびダイ間に介装させた被加工材(図示せず)
に対して,打抜き若しくは穴抜き等の加工を行うことが
できる。そして複数個の加工ユニット12を被加工材の
送り方向に配設して構成した順送り加工装置により,前
記のような順送り加工を行い得るのである。
【0036】またカセット18を交換する場合には,カ
セット18の前端部に設けた係合穴42に,前記図3お
よび図4に示したようなピン25を係合させることによ
り,カセット18の脱着が円滑に行われ得ると共に,カ
セット18を装着する場合には,位置決め部材43を基
部31に当接するまで進入させるのみで,前記パンチお
よびダイが所定の位置を確保し得るのである。またカセ
ット18を基部31に挿入して固着後,加工ユニット1
2の位置調整若しくは原点復帰を行う場合には,NC制
御装置(図示せず)からの信号によりサーボモータ48
を駆動すれば,出力軸50,ウォーム51およびウォー
ム歯車45が所定回転数だけ回転するから,ウォーム歯
車45がねじ軸44上を移動し,従動部材47を介して
加工ユニット12を所定位置まで移動させることができ
る。
【0037】なお図7においては加工ユニット12を所
定位置まで移動調整する手段として,共通する1本のね
じ軸44に加工ユニット12の設置数と同数のウォーム
歯車装置を介装させた例について説明したが,このねじ
軸44を各加工ユニット12毎に分割し,夫々の加工ユ
ニット12に設けためねじと係合させた構成とし,分割
されたねじ軸を回転させることによって加工ユニット1
2を移動調整する態様としてもよい。
【0038】図8は図6におけるカセット18およびそ
の近傍を示す一部断面要部拡大側面図,図9は図8にお
けるC方向要部矢視図,図10は図8における要部D−
D線断面図であり,同一部分は前記図6と同一の参照符
号で示す。図8ないし図10において,61は突条であ
り,横断面を例えば矩形状に形成し,カセット18の底
部にカセット18の着脱方向に沿って一体に設ける。そ
して突条61の両側面は基準面61aを形成する。62
は凹溝であり,ベース31の上面に開口させて,かつ前
記突条61が摺動可能のように設ける。従って凹溝62
の両側面は基準面62aを形成し,前記突条61の基準
面61aと密着摺動可能に係合する。
【0039】次に63はT溝であり,突条61の略中央
部に設けられる。64はクランプであり,基部31内に
設けられ,クランプ爪65がT溝63内において相対移
動可能であるように構成する。66はシリンダであり,
ピストン67を内蔵し,ピストンロッド68の自由端に
前記クランプ爪65が固着されている。なお突条61の
長手方向端部の側面および凹溝62の前端部はテーパ状
に形成することが好ましい。なおシリンダ66には,圧
縮空気若しくは油圧が作用するように形成する。69は
ばねであり,ピストンロッド68を下方に付勢するよう
に介装させる。
【0040】上記の構成により,シリンダ66を作動さ
せた状態で基部31にカセット18を挿入して位置決め
が完了した後において,シリンダ66の作動を解除し,
ばね69およびピストンロッド68を介してクランプ爪
65を下方に圧下させれば,クランプ爪65がT溝63
と係合してカセット18を基部31に固定することがで
きる。一方シリンダ66を作動させれば,クランプ爪6
5はT溝63内において相対移動可能であるから,カセ
ット18の移動ができる。なおカセット18の基部31
への着脱を容易にするために,突条61および凹溝62
の側面の一部を,前記のようにテーパ状に形成しておく
とよい。
【0041】上記加工ユニット12の加工態様の例とし
ては,打抜き,穴抜き等に限定されず,絞り加工,曲げ
加工,圧縮加工等についても同様に適用できる。また加
工ユニット12に設ける駆動手段は油圧シリンダに限定
されず,空気,水等を媒体とする流体圧シリンダでもよ
く,更に流体圧シリンダ以外の駆動手段を使用してもよ
い。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上記述のような構成および作
用であるから,現に加工作業中の順送り加工装置の作業
を停止することなく,所謂外段取りによって新規加工用
の複数個のカセットを予め準備調整しておき,極めて短
時間内に新旧加工用のカセットを例えば自動的に交換す
ることができるものであるから,順送り加工装置の稼動
率を大幅に向上させ得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の実施例を示す正面図である。
【図3】図2におけるA−A線矢視図である。
【図4】図3における搬出入ユニットの作動状態を示す
説明図である。
【図5】図3における搬出入ユニットの作動状態を示す
説明図である。
【図6】図1ないし図3における加工ユニットの例を示
す拡大側面図である。
【図7】図6におけるB−B線要部断面拡大図である。
【図8】図6におけるカセットおよびその近傍を示す一
部断面要部拡大側面図である。
【図9】図8におけるC方向要部矢視図である。
【図10】図8における要部D−D線断面図である。
【図11】本発明の対象である順送り加工装置の例を示
す要部斜視図である。
【図12】被加工材の加工状態を示す要部説明図であ
り,(a)は平面を示し,(b)は断面を示す。
【符号の説明】
12 加工ユニット 17 パレット 18 カセット 19 搬出入ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 37/04 B26D 7/06 B26F 1/00 B30B 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工手段を備えたカセットを本体に着脱
    可能に設けてなる複数個の加工ユニットを,複数の加工
    工程に対応させて被加工材の送り方向にmP(mは任意
    の正の整数,Pは被加工材の送りピッチ)の間隔に配設
    し,被加工材のピッチ送りに対して前記複数の加工工程
    を前記複数個の加工ユニットにより順次実施するように
    構成した順送り加工装置における加工ユニットを構成す
    るカセットを交換する順送り加工装置用カセット交換装
    置において, カセットに設けた係合部と係脱自在に形成した係合部材
    とを有すると共に,平面内において被加工材の送り方向
    と交差する方向に移動可能に形成した搬出入ユニット
    と,複数個のカセットを所定間隔に収容保持可能に形成
    すると共に,順送り加工装置と近接離脱可能に形成した
    カセットホルダーとからなり,順送り加工装置を構成す
    る加工ユニットに設けられたカセットを搬出入ユニット
    を介してカセットホルダーに抽出収容した後,新規加工
    用のカセットを収容保持する他のカセットホルダーを待
    機位置から搬入位置に移動させ,新規加工用のカセット
    を搬出入ユニットを介して加工ユニットに装着するよう
    に構成したことを特徴とする順送り加工装置用カセット
    交換装置。
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