JPH0448533B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、上金型と下金型の双方をそれぞれ
複数個のポンチとダイで構成し、これらのポンチ
とダイの対応する対のうち少なくとも１対を固定
し、少なくとも１対を前記固定したポンチとダイ
に対し水平方向に移動可能な構造にするととも
に、設定された移動可能側の上、下金型の位置に
よつて被加工物の位置決めを正確に位置決めする
加工物突当を設けたプレス機械に関するものであ
る。

一般に、この種のNC（数値制御）装置による
プレス機械は、加工物をNC装置の指令で加工位
置まで運んで位置決めを行い、その後、NC装置
の指令でハンマが作動してポンチを下降させて、
ダイとの間にある被加工物に加工を施すものであ
る。

ところが、従来のプレス機械で、被加工物に孔
明け、または曲げ等の加工を施す場合、例えば、
孔明け加工をするときの加工孔のピツチを変えた
り、曲げ加工をするときの曲げ幅の寸法を変えた
り、また、被加工物の板厚や材質を変えたりする
ためにプレス機械をその都度停止させ、多数用意
されている金型の中から所要のものを選んで人手
により交換していたが、この交換には数10分間も
の時間を要するため、１分間に100〜500個という
多数の加工を行う機械であるので、全加工時間中
人手による交換時間が多くを占めるのと、多種類
の金型とを必要とするため生産性と経済性の悪い
加工法であつた。このように従来の加工法では、
加工孔のピツチや曲げ幅の寸法、板厚、材質を変
えたりする場合の位置決めやずれの防止の自動化
を行うことができない欠点があつた。

この発明は、上記の欠点を解消するためになさ
れたもので、上金型と下金型の双方をそれぞれ複
数個のポンチとダイで構成し、これらのポンチと
ダイの対応する対のうち少なくとも１対を固定
し、少なくとも１対を前記固定したポンチとダイ
に対して移動可能な構造にして駆動源により水平
方向に移動調整することにより加工孔を所望のピ
ツチに、また曲げ幅の寸法をそれぞれ自由に設定
できるようにするとともに、被加工物の位置決め
やずれの防止を自動的に行う被加工物突当を設け
たプレス機械を提供するものである。

以下、この発明について説明する。

第１図ａ，ｂはこの発明の一実施例を示す正面
図と側面図、第２図ａ，ｂはそれぞれ第１図ｂの
要部を拡大して示した側面図と、第２図ａのＡ矢
視図である。これらの図において、１はプレス機
械の下部基台で不動のものである。２は上下に移
動するプレススライダ、３はプレス機械の上部基
台、４は駆動用の油圧シリンダで、上部基台３に
取り付けられている。４Ａは前記油圧シリンダ４
のプランジヤ、５は前記油圧シリンダ４に配管さ
れた油圧ホース、６は前記プランジヤ４Ａとプレ
ススライダ２とを連結するピン、７は前記下部基
台１と上部基台３とを挾持してプレススライダ２
を案内する支柱、８は前記支柱７を固定するナツ
ト、９は前記下部基台１を床面に設置する脚であ
る。１０は前記プレススライダ２の下面に固定さ
れた固定ポンチプレート、１１は移動可能の可動
ポンチプレートである。１２は前記下部基台１に
固定された固定ダイプレート、１３は移動可能の
可動ダイプレートである。１４は前記可動ポンチ
プレート１１の移動を水平方向に案内する上部ガ
イドレール、１５は前記可動ダイプレート１３の
移動を水平方向に案内する下部ガイドレール、１
６は前記固定ポンチプレート１０に取り付けられ
た固定ポンチで、例えば孔明け加工用のポンチが
取り付けられる。１７は前記可動ポンチプレート
１１に取り付けられた可動ポンチで、例えば孔明
けまたは片側のみを曲げる曲げ加工用のポンチが
取り付けられる。これらの固定ポンチ１６、可動
ポンチ１７が組となつて上金型を構成している。
１８は前記固定ダイプレート１２上に固定ポンチ
１６と対応して取り付けられた固定ダイ、１９は
前記可動ダイプレート１３上に可動ポンチ１７と
対応して取り付けられた可動ダイで、これらの固
定ダイ１８、可動ダイ１９が組となつて下金型を
構成している。２０は前記可動ポンチプレート１
１と可動ダイプレート１３とを移動してその位置
を決定するための金型用駆動源である金型位置決
め用のサーボモータ、２１はカツプラで、サーボ
モータ２０の出力軸２０Ａとスプライン軸２２と
を連結している。２３は前記スプライン軸２２に
固定された可動ダイ１９を移動させるための駆動
用のベベルギヤ、２４Ａは前記ベベルギヤ２３と
噛合するベベルギヤ、２５はダイ用軸で、ベベル
ギヤ２４Ａと２個のベベルギヤ２６Ａとを固定し
ている。２７Ａは前記各ベベルギヤ２６Ａと噛合
するベベルギヤ、２８はベアリングナツトで、ダ
イ用軸２５に嵌合されたベアリング２９を固定す
る。３０は前記ベアリング２９のハウジング、３
１はベアリング、３２は前記ベアリング３１のハ
ウジング、３３，３４Ａはギヤケース、３５は前
記スプライン軸２２の溝と摺動可能に嵌合され可
動ポンチ１７を移動させるための駆動用のベベル
ギヤ、３６はハウジング、３７はベアリング、３
８はポンチ用軸で、ベベルギヤ２４Ｂ，２６Ｂを
固定する。２７Ｂは前記ベベルギヤ２６Ｂと噛合
するベベルギヤ、３４Ｂ，３９はギヤケースであ
る。

下部基台１側において、４０Ａは前記ベベルギ
ヤ２７Ａに固着されたねじ軸、４１Ａはナツト
で、ねじ軸４０Ａに螺合されるとともに可動ダイ
プレート１３に固着され、ねじ軸４０Ａの回転に
より可動ダイプレート１３を第２図ａの矢印Ｂの
水平方向に移動させる。４２は前記可動ダイプレ
ート１３のダイプレート基準台で、ベアリング２
９を介してねじ軸４０Ａが軸支されている。

プレススライダ２側において、４０Ｂは前記ベ
ベルギヤ２７Ｂに固着されたねじ軸、４１Ｂはナ
ツトで、ねじ軸４０Ｂに螺合されるとともに可動
ポンチプレート１１に固着され、ねじ軸４０Ｂの
回転により可動ポンチプレート１１を矢印Ｂ方向
に移動させる。４３は前記可動ポンチプレート１
１のポンチプレート基準台で、ベアリング２９を
介してねじ軸４０Ｂが軸支されている。また、Ｗ
は平板状の被加工物である。そして、可動ポンチ
プレート１１および可動ダイプレート１３は、ス
プライン軸２２、ベベルギヤ２３，３５，２４
Ａ，２４Ｂ、ダイ用軸２５、ポンチ用軸３８、ベ
ベルギヤ２６Ａ，２６Ｂ，２７Ａ，２７Ｂ、ねじ
軸４０Ａ，４０Ｂ、ナツト４１Ａ，４１Ｂ等で構
成される連動機構により連結されており、水平方
向に同じ距離移動する。

４４は前記下部基台１上で固定ダイプレート１
２の近傍に設置された被加工物突当装置の被加工
物突当基準台、４５は前記被加工物Ｗの突当位置
定用のサーボモータ、４５Ａはギヤケース、４６
は駆動軸で、ベベルギヤ２６Ｃが固着されてい
る。４７はねじ軸で、ベベルギヤ２６Ｃと歯合す
るベベルギヤ２７Ｃが固着され、ベアリングナツ
ト２８、ベアリング２９を介して被加工物突当基
準台４４に軸支されている。４８は前記ねじ軸４
７に螺号されているナツト、４９は前記ナツト４
８に固着された被加工物突当で、その面が固定ダ
イ１８および可動ダイ１９の上面と直交し、さら
に前記面はこの上面の高さよりも上下方向に延伸
しており、固定ダイ１８あるいは可動ダイ１９に
対し水平方向に移動可能となつていて、ねじ軸４
７の回転により被加工物突当のガイドレール５０
に案内され、被加工物突当４９が移動特すること
により被加工物Ｗを所定の位置に設置する。ま
た、５１は指令値によりプレス機械各部の位置決
め動作を行う制御装置である。すなわち、金型用
駆動源であるサーボモータ２０を制御し、可動ダ
イ１９および可動ポンチ１７を所望の位置へ自動
位置決めさせ、また、突当用駆動源であるサーボ
モータ４５を制御し、被加工物突当４９を所望の
位置へ自動位置決めする。

なお、示図されていないが、下部基台１の可動
ポンチ１７と可動ダイ１９側にも被加工物突当４
９を取り付けることがある。

なお、この実施例においては可動ポンチプレー
ト１１と可動ダイプレート１３は、サーボモータ
２０の回転に比例して同時に、かつ、同一速度で
移動できるように対応する各ベベルギヤ２３と３
５，２４Ａと２４Ｂ、２６Ａと２６Ｂ、２７Ａと
２７Ｂはそれぞれ同一歯数に、ダイ用軸２５とポ
ンチ用軸３８、ねじ軸４０Ａと４０Ｂのねじのピ
ツチと方向はそれぞれ同一に形成されている。次
に、動作について説明する。

可動ダイ１９、可動ポンチ１７の位置決めをす
るには、まず、サーボモータ２０に制御装置５１
から位置決め指令を入力する。これによりサーボ
モータ２０が回転してスプライン軸２２が回転す
るとともに、ベベルギヤ２３と３５の回転により
ベベルギヤ２４Ａ，２４Ｂを介してダイ用軸２５
とポンチ用軸３８が回転し、さらにベベルギヤ２
６Ａ，２６Ｂ，２７Ａ，２７Ｂを介してねじ軸４
０Ａ，４０Ｂが回転すると、ナツト４１Ａ，４１
Ｂが矢印Ｂ方向に移動することにより可動ダイプ
レート１３、可動ポンチプレート１１が下部ガイ
ドレール１５と上部ガイドレール１４に案内され
て可動ダイ１９、可動ポンチ１７が同時に同一距
離移動する。そして可動ダイ１９と可動ポンチ１
７が所望の位置に達すると、サーボモータ２０の
停止により可動ダイ１９と可動ポンチ１７も停止
して所望位置に位置決めされる。

次に、被加工物突当位置決定用のサーボモータ
４５に制御装置５１から位置決め指令が入力され
ると、サーボモータ４５が回転し、駆動軸４６を
回転することでベベルギヤ２６Ｃと２７Ｃとを介
して被加工物突当用のねじ軸４７が回転する。ね
じ軸４７の回転によりナツト４８を前後に移動さ
せる。

このようにして、可動ポンチプレート１１と可
動ダイプレート１４が所望の位置に位置決めさ
れ、さらに被加工物突当４９が所望の位置に位置
決めした後被加工物Ｗを被加工物突当４９に正し
く当接して加工位置にセツトする。

このようにして、被加工物Ｗが固定ダイ１８と
可動ダイ１９、固定ポンチ１６と可動ポンチ１７
と対応した位置に位置決めされる。

次いで、制御装置５１からプレススライダ２を
下降させる信号が送出され、油圧シリンダ４の駆
動によりプランジヤ４Ａが下降するとピン６を介
してプレススライダ２が下降し、被加工物Ｗに固
定ポンチ１６、可動ポンチ１７が接触した後、さ
らにプレススライダ２が下降し、被加工物Ｗに孔
明けまたは曲げ加工が施される。このとき、プレ
ススライダ２側のベベルギヤ３５はプレススライ
ダ２の下降によりスプライン軸２２の溝に摺動し
ながら下降する。そして被加工物Ｗに所定の孔明
けまたは曲げ加工が施された後は、プレススライ
ダ２が上昇し、最上位置で停止する。

次に、孔明け位置または被加工物Ｗの曲げ幅を
変える場合は、制御装置５１から位置決め指令の
信号によりサーボモータ２０を回転させて可動ダ
イ１９と可動ポンチ１７を移動し、前記と同一動
作で孔明けまたは曲げ加工が施される。

また、他の実施例として第３図ａに示すよう
に、被加工物Ｗの抜き加工用に用いて、固定ダイ
プレート１２と可動ダイプレート１３の間隔を水
平矢印に示すように可動ダイプレート１３を移動
させて（勿論、可動ポンチ１７側も同じ距離だけ
移動させる）、所望の寸法に設定し、第３図ｂに
示すように固定ポンチ１６、可動ポンチ１７の複
数のポンチで構成された上金型及び固定ダイ１
８、可動ダイ１９の複数のダイで構成された下金
型を用いて同時に抜き加工を行うようにしてもよ
い。

さらに、第４図ａに示すように、被加工物Ｗの
抜き加工と曲げ加工用に用いて、固定ダイプレー
ト１２と可動ダイプレート１３の間隔を所望の寸
法に設定し、または可動ダイプレート１３の設定
位置を被加工物Ｗの曲げ位置に対応して所望の位
置を設定して、第４図ｂに示すように複数個のポ
ンチとダイでそれぞれ構成された下金型及び上金
型を用いて同時に抜き加工曲げ加工を行うように
してもよい。

以上説明したようにこの発明は、複数個のダイ
からなる下金型が装着される不動の下部基台と、
複数個のダイとそれぞれ協働してプレス加工を行
うため対を成すように設けられた複数個のポンチ
からなる上金型が装着され、前記下部基台に対し
て平行を保つて上下動するプレススライダとを備
えたプレス機械において、下金型を少なくとも１
個の固定ダイと、下部基台に対して水平方向に移
動可能に設けられた可動ダイプレートに装着され
た少なくとも１個の可動ダイとで構成し、上金型
を少なくとも１個の前記固定ダイと対を成す固定
ポンチと、プレススライダに対して水平方向に移
動可能に設けられた可動ポンチプレートに装着さ
れ少なくとも１個の前記可動ダイと対をなす可動
ポンチとで構成し、さらに、可動ダイプレートと
前記可動ポンチプレートを連動させ、可動ダイと
可動ポンチとを互いに対向させたまま水平方向に
同じ距離移動させる連動機構とを設けたので、下
部基台および上下動するプレススライダそれぞれ
に装着される可動ダイおよび可動ポンチを同時に
移動位置決めし、プレススライダの上下動によつ
て固定ダイと固定ポンチ、可動ダイと可動ポンチ
のそれぞれが協働して被加工物に所望のプレス加
工を施すことができる。

さらに、固定ダイおよび可動ダイの上面と直交
し、この上面の高さよりも上下方向に延伸した面
を有し、固定ダイあるいは可動ダイに対し水平方
向へ移動可能な被加工物突当と、この被加工物突
当を水平方向に移動させて位置決めする位置決め
機構と、下部基台に配置され、位置決め機構を駆
動する突当駆動源とを備えたので、平板状の被加
工物に対する加工位置を自由に設定できる。

また、孔あけ加工と曲げ加工とを同時にその間
隔をかえながら行うこともできる。しかも、可動
ポンチと可動ダイの相互関係に狂いがなく、常に
同量を敏速、かつ正確に自動位置決めでき、さま
ざまに寸法の異なる被加工物を正確で高速に加工
するプレス機械が供給可能となる。

また、被加工物の端部が同一形状で長さの異な
る製品や、加工孔のピツチまたは板厚や材質が異
なる製品の加工に対しても上金型および下金型を
その都度交換する必要がなく、加工工程をすべて
自動化できるので加工時間の短縮とコストを低減
することができる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂはこの発明の一実施例を示す正面
図と側面図、第２図ａ，ｂは第１図ｂの要部を拡
大して示した側面図と第２図ａのＡ矢視図、第３
図ａ，ｂは抜き加工用に用いた場合の第１図ｂの
要部を拡大して示した加工前と加工後の側面図、
第４図ａ，ｂは抜き曲げ加工に用いた場合の第１
図ｂの要部を拡大して示した加工前と加工後の側
面図である。 図中、１は下部基台、２はプレススライダ、３
は上部基台、４は油圧シリンダ、４Ａはプランジ
ヤ、５は油圧ホース、６はピン、７は支柱、８は
ナツト、９は脚、１０は固定ポンチプレート、１
１は可動ポンチプレート、１２は固定ダイプレー
ト、１３は可動ダイプレート、１４は上部ガイド
レール、１５は下部ガイドレール、１６は固定ポ
ンチ、１７は可動ポンチ、１８は固定ダイ、１９
は可動ダイ、２０はサーボモータ、２０Ａは出力
軸、２１はカツプラ、２２はスプライン軸、２
３，２４Ａ，２４Ｂ，２６Ａ，２６Ｂ，２７Ａ，
２７Ｂ，３５はベベルギヤ、２５はダイ用軸、２
８はベアリングナツト、２９，３１，３７はベア
リング、３０，３２，３６はハウジング、３３，
３４Ａ，３４Ｂ，３９はギヤケース、３８はポン
チ用軸、４０Ａ，４０Ｂはねじ軸、４１Ａ，４１
Ｂはナツト、４２はダイプレート基準台、４３は
ポンチプレート基準台、４４は被加工物突当基準
台、４５は突当位置決定用のサーボモータ、４５
Ａはギヤケース、４６は駆動軸、４７はねじ軸、
４８はナツト、４９は被加工物突当、５１は制御
装置、Ｗは被加工物である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個のダイからなる下金型が装着される不
   動の下部基台と、前記複数個のダイとそれぞれ協
   働してプレス加工を行うため対を成すように設け
   られた複数個のポンチからなる上金型が装着さ
   れ、前記下部基台に対して平行を保つて上下動す
   るプレススライダとを備えたプレス機械におい
   て、 前記下金型は、前記下部基台に固定された少な
   くとも１個の固定ダイと、前記下部基台に対して
   水平方向に移動可能に設けられた可動ダイプレー
   トに装着された少なくとも１個の可動ダイとから
   なり、 前記上金型は、前記プレススライダに固定され
   少なくとも１個の前記固定ダイと対を成す固定ポ
   ンチと、前記プレススライダに対して水平方向に
   移動可能に設けられた可動ポンチプレートに装着
   された少なくとも１個の前記可動ダイと対をなす
   可動ポンチとからなり、 前記可動ダイプレートと前記可動ポンチプレー
   トを連動させ、前記可動ダイと前記可動ポンチと
   を互いに対向させたまま水平方向に同じ距離移動
   させる連動機構と、 前記可動ダイプレートと前記可動ポンチプレー
   トとを移動させるための金型用駆動源と、 前記固定ダイおよび前記可動ダイの上面と直交
   し、この上面の高さよりも上下方向に延伸した面
   を有し、前記固定ダイあるいは前記可動ダイに対
   し水平方向へ移動可能な被加工物突当と、 前記被加工物突当を水平方向に移動させて位置
   決めする位置決め機構と、 前記下部基台に配置され、前記位置決め機構を
   駆動する突当用駆動源と、 前記金型用駆動源を制御し、前記可動ダイおよ
   び前記可動ポンチを所望の位置へ自動位置決めさ
   せ、かつ前記突当用駆動源を制御し、前記被加工
   物突当を所望の位置へ自動位置決めさせる制御装
   置と、 を備えたことを特徴とするプレス機械。