JP3168456B2 - 陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗布方法 - Google Patents
陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗布方法Info
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Description
でたり、煮炊きするための陶磁器製鍋(以下、「陶磁器
製釜」を含む)へのフッ素樹脂塗布方法に関し、さらに
詳しくは陶磁器製鍋の外表面に塗布したフッ素樹脂塗布
層が、長期間剥離しない状態に保持することができる陶
磁器製鍋へのフッ素樹脂塗布方法に関する。
た遠赤外線放射にて調理素材への熱浸透性を高めること
により、調理素材の細胞を破壊しないで美味しく調理す
ることを目指し、金属製鍋の表面にフッ素樹脂塗布層を
塗布形成することが行われている。
較して調理素材の焦げつきが起きにくいとの理由から、
鍋の表面にフッ素樹脂塗布層を塗布することは、ほとん
ど行われていない。
イマー樹脂を塗布した後、その上面にフッ素樹脂を塗布
して、目的のフッ素樹脂塗布層を得ていた。この金属製
鍋を実際の調理現場で使用する場合は、鍋が水分を含浸
しないものであるため、鍋の過熱時に素材内部から水蒸
気が発生することはなかった。
鍋では、その陶磁器が水分を浸透させ易い素材であるた
め、これに金属製鍋と同様の方法でフッ素樹脂塗布を行
ったのでは、鍋の加熱時に、鍋の素材中に含浸している
水分が水蒸気となって噴出し、その噴出した水蒸気によ
りフッ素樹脂塗布層が鍋から剥離してしまうという問題
点があった。
の過熱時にフッ素樹脂塗布層が剥離しないことはもちろ
ん、長期間フッ素樹脂塗布層を安定状態に保つことがで
きる陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗布方法であり、これに
より上述の問題点を解消せんとするものである。
問題点に鑑み、耐熱性粘土類に20〜35重量%の遠赤
外線放射セラミックを混入してなる陶磁器製鍋の全表面
に、防水性を有する釉薬を150〜250ミクロン厚寸
法で塗布し、該釉薬の燒結乾燥が完了した後に、少なく
とも鍋の内表面部分をカバーする範囲にブラスト加工に
より1平方cm当たり70〜100個の凹部を、深さ寸
法3〜7ミクロンで形成し、この凹部形成後に、凹部を
形成した範囲の鍋表面にプライマー樹脂を5〜15ミク
ロン厚寸法で下塗りし、このプライマー樹脂の乾燥後
に、フッ素樹脂を5〜20ミクロン厚寸法で塗布して乾
燥させることを特徴とする陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗
布方法である。
題点を、上述の技術手段を講じることによって解決した
ものである。
した陶磁器製鍋であって、これに釉薬を塗布した後にフ
ッ素樹脂を塗布する方法が行われていない現実に鑑み、
フッ素樹脂を陶磁器製鍋の表面に確実に塗布できるよう
に工夫して、フッ素樹脂塗布層を長期間剥離しないよう
に保持することが可能となった。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
材を用いるものであるが、ここにペタライトと称される
材料を混合すると一層好適となる。ペタライトとは、耐
熱食器の原料として使用されるリチューム長石からなる
ものである。この材料中に、耐熱性、耐薬品性、機械的
特性、電気的特性に優れ、成形時に高流動性を有する結
晶性樹脂からなるセラミック材料を混練し、この材料を
用いて鍋本体を焼き上げる。
が高いため、これにより調理素材に対し遠赤外線を効果
的に集中させることが可能であるが、セラミック材料の
混入比率が20%未満の場合は遠赤外線の放射効果が充
分に得られず、一方35%を超えると陶磁器の素材強度
が低下する惧れがある。
性を有する釉薬を150〜250ミクロン厚寸法で塗布
する。釉薬層を150ミクロン未満の厚寸法とした場合
には、陶磁器への防水性が不完全となり、陶磁器素材中
への水分の浸透を防ぐことができず、一方釉薬層が25
0ミクロンを超えると釉薬の燒結焼き付けが困難になる
問題がある。
粉体を主材として、これに媒熔剤として、灰、タルク、
石灰石、ドロマイトを加え、さらに着色材として酸化チ
タン、鉄マンガン、コバルト等を加え、必要に応じて粘
土質原料を加えて釉薬を沈殿しにくいものとし、かつ釉
薬が陶磁器の素地に良く密着して、焼成の時に素地から
剥がれたり釉薬がちぢれたりすることを防止できる。
(一般的にガラス素材を使用するため小さい)と比較し
て、これと極めて近い熱膨張率の陶磁器を得るため、本
発明では耐熱性粘土類に遠赤外線放射セラミックを混入
することにより、耐熱性粘土類単独の場合と比較して陶
磁器素材の熱膨張率を低下させることができた。
率は、180℃で0.13%、500℃で0.48%、
900℃で0.83%であるのに対し、本発明での陶磁
器製鍋の同対比温度における熱膨張率は、0.14%、
0.51%、0.84%であった。これに対し、遠赤外
線放射セラミックを混入しない陶磁器製素材において
の、同対比温度における熱膨張率は、0.28%、0.
86%、1.22%であり、釉薬と陶磁器素材との熱膨
張率の乖離は、本発明のものと比較して相当大きい。
は一層向上する。上記のような釉薬を、陶磁器製鍋の全
表面に塗布して燒結乾燥させることにより、陶磁器素材
中への水分の浸透を防止することが可能となる。このた
め、鍋の水洗い時や調理時等に、鍋の素材中に水分が浸
透することはない。
なくとも鍋の内側部分、すなわち鍋の内表面部分をカバ
ーする範囲に、ブラスト加工により凹部を形成する。こ
の凹部は、1平方cm当たり70〜100個の数を確保
し、その凹部の深さ寸法は3〜7ミクロンである必要が
ある。
ては、アルミナ及びステンレスの鋭角種のモランダム5
0〜80番粒度のものを使用することが好適で、ブラス
ト圧5.5〜6kg/平方cmとするとよい。
った。1平方cm当たりに形成される凹部の個数が70
個未満の場合には、後述するプライマー樹脂の接着性が
極度に低下し、一方100個を超えると陶磁器が割れた
り、形成した釉薬が剥離してしまう危険があった。
も、その凹部の深さ寸法が3ミクロン未満である場合に
は、プライマー樹脂を塗布した際に接着性が極度に低下
し、一方7ミクロンを超えると、陶磁器素材に、又は一
旦形成された釉薬にひびが入ったりして、釉薬が剥離す
る危険があった。
部を、適正寸法で形成した後、凹部を形成している範囲
の鍋表面に、プライマー樹脂を5〜15ミクロン厚寸法
で下塗りする。
った。プライマー樹脂の厚寸法が5ミクロン未満である
と、後述するフッ素樹脂の接着性が極度に低下し、一方
15ミクロンを超えると鍋としての使用感が低下すると
ともに、塗布すべきプライマー樹脂の定着が困難にな
る。
熱温度の高い(380〜435℃)4フッ化エチレン樹
脂(PTFE)等が好適であり、これをエアーガンを用
いて、上記範囲の厚さ寸法に吹きつけ塗装し、その後3
50〜380℃で30〜40分程度乾燥させることによ
り、プライマー樹脂による下塗りの塗布乾燥工程を完了
する。
後、プライマー樹脂層を形成した部分の上面にフッ素樹
脂を5〜20ミクロン厚寸法で塗布して乾燥させる。
った。フッ素樹脂層の厚寸法が5ミクロン未満である
と、フッ素樹脂の効果である焦げつき防止効果を充分確
保することができないことと、完成したフッ素樹脂層に
厚さが充分に確保されないためピンホールが発生し易
く、一方フッ素樹脂層の厚寸法が20ミクロンを超える
と、鍋としての使用感が低下するとともに、それ以上の
厚みの増加は熱の伝導効果を妨げ、剥離現象が起こり易
くなるということが判明した。
ライマー樹脂と同じ4フッ化エチレン樹脂が好適である
が、プライマー樹脂よりも一層粘着性の高いものを用い
ることが剥離防止の見地より好ましい。このフッ素樹脂
をエアーガンを用いて、上記範囲の厚寸法になるよう吹
きつけ塗装し、その後350〜380℃で30〜40分
程度乾燥させることにより、フッ素樹脂による本塗りの
塗布乾燥工程が完了し、目的とするフッ素樹脂塗布層が
得られる。
陶磁器製鍋では困難とされていたフッ素樹脂塗布層の形
成が簡単に行え、かつ一旦形成されたフッ素樹脂層を鍋
の内部から剥離させようとする蒸気の発生原因となる水
分の浸透が防止でき、さらにフッ素樹脂塗布層の形成が
強固になったため、鍋の内表面に形成されたフッ素樹脂
層が長期間に渉り安定保持できるという優れた効果があ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 耐熱性粘土類に20〜35重量%の遠赤
外線放射セラミックを混入してなる陶磁器製鍋の全表面
に、防水性を有する釉薬を150〜250ミクロン厚寸
法で塗布し、該釉薬の燒結乾燥が完了した後に、少なく
とも鍋の内表面部分をカバーする範囲にブラスト加工に
より1平方cm当たり70〜100個の凹部を、深さ寸
法3〜7ミクロンで形成し、この凹部形成後に、凹部を
形成した範囲の鍋表面にプライマー樹脂を5〜15ミク
ロン厚寸法で下塗りし、このプライマー樹脂の乾燥後
に、フッ素樹脂を5〜20ミクロン厚寸法で塗布して乾
燥させることを特徴とする陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗
布方法。 - 【請求項2】 鍋の過熱時に、鍋と釉薬との熱膨張率の
差で釉薬層が鍋から剥離することが無い程度の熱膨張率
からなる釉薬を用いてなる、請求項1記載の
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25148197A JP3168456B2 (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗布方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25148197A JP3168456B2 (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗布方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1176066A JPH1176066A (ja) | 1999-03-23 |
JP3168456B2 true JP3168456B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=17223456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25148197A Expired - Lifetime JP3168456B2 (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 陶磁器製鍋へのフッ素樹脂塗布方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3168456B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006223326A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Eisuke Ishida | 陶器製食器 |
JP2011060602A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Mitsubishi Electric Corp | 加熱調理器 |
-
1997
- 1997-09-02 JP JP25148197A patent/JP3168456B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1176066A (ja) | 1999-03-23 |
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