JP3167839B2 - 熱消色型感熱記録材料及び画像形成方法 - Google Patents

熱消色型感熱記録材料及び画像形成方法

Info

Publication number
JP3167839B2
JP3167839B2 JP19419093A JP19419093A JP3167839B2 JP 3167839 B2 JP3167839 B2 JP 3167839B2 JP 19419093 A JP19419093 A JP 19419093A JP 19419093 A JP19419093 A JP 19419093A JP 3167839 B2 JP3167839 B2 JP 3167839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording material
heat
thermal
image
thermosensitive recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19419093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0725165A (ja
Inventor
俊一 石川
正明 野村
壮一郎 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP19419093A priority Critical patent/JP3167839B2/ja
Publication of JPH0725165A publication Critical patent/JPH0725165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3167839B2 publication Critical patent/JP3167839B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な熱消色型感熱記
録材料、特にオーバーヘッドプロジェクター(OHP)
を用いての画像再生に適した透明なネガ画像を形成する
ために有利に使用することのできる熱消色型感熱記録材
料、そして該熱消色型感熱記録材料に画像を形成する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙やプラスチックフイルム等の支持体上
に感熱発色層を設けた感熱記録材料が広く知られてお
り、ファクシミリやワープロのプリンター等に実用され
ている。このような感熱記録材料には、コンパクトな装
置で短時間に記録することが可能であること、環境汚染
が少ないこと、製造コストが低い等の有利な点がある。
一方、有色の面を熱走査し、記録部が消色または脱色す
るネガ型の感熱記録材料(熱消色型感熱記録材料)は、
オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用シートや、
X線撮影装置、超音波診断装置、CTスキャナー等を使
用する医療分野で用いるCRT画像のハードコピーとし
て有用であるとされている。従来、ポジ型のOHP用シ
ートは、一般にアナログ電子写真法により作成されてい
る。また、目に優しいネガ型のOHP用シートが注目さ
れるようになってきたが、ネガ型のOHP用シートは、
これまでデジタル電子写真法や転写感熱法により作成さ
れており、一般的に簡便に作成することはできなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高感度の熱消色型感熱
記録材料を使用すると例えば、ワープロ用等の感熱プリ
ンター等を利用してネガ型のOHP用シートを作成する
ことができる。しかしながら、この方法では既に存在す
る画像原稿を使用して、その画像に対応するネガ型のO
HP用シートを作成することはできない。従って、本発
明の目的は、単純な装置を使用して容易に且つ簡便な操
作により、既に存在する画像原稿からその画像に対応す
るネガ画像を形成する画像形成方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロイコ色素と
フェノール性顕色剤とを予め反応させ発色させて得た平
均粒子径が0.01〜1μmの色素粒子と、該色素粒子
中のフェノール顕色剤成分に対して重量比で0.8〜1
0となる量の消色剤として機能するゼラチンもしくはポ
リビニルアルコール[すなわち、ゼラチンもしくはポリ
ビニルアルコール/フェノール顕色剤成分=0.8/1
〜10/1]とを含み、他の消色剤成分を消色有効量に
て含有することのない着色感熱層が透明支持体の上に形
成されてなる熱消色型感熱記録材料にある。本発明の熱
消色型感熱記録材料の支持体と着色感熱層との間には、
導電性下塗り層が備えられていることが好ましい。本発
明の熱消色型感熱記録材料は、該記録材料を、原稿画像
を光学的に読み取って得られた画像信号に対応する画像
様に加熱された感熱ヘッドに接触させることによって、
感熱ヘッドからの熱エネルギーにより、該熱消色型感熱
記録材料上に透明なネガ画像を形成させる方法に有利に
利用できる。
【0005】本発明を添付する図面を参照して詳細に説
明する。図1は、本発明の画像形成方法の特に好ましい
態様のフローの概略を示すブロック図である。図1に於
て、原稿画像を光学的走査して読み取ったスキャナイメ
ージデータ(原稿画像信号)をCCDI/F(CCDイ
ンターフェース)を介してラインメモリーに保存し、原
稿画像信号を必要に応じて画質補正して画像メモリーに
保存し、この画像信号をサーマルヘッドI/Fを介して
感熱ヘッドに送り、画像信号に応じて熱消色型感熱記録
材料にヘッド印刷を行う。即ち、ポジ画像の原稿を使用
して、原稿の画像信号を反転させた画像信号を感熱ヘッ
ドに送り、感熱ヘッドにより原稿画像のネガ画像を熱消
色型感熱記録材料に加熱記録することができる。ネガ画
像の原稿を使用して原稿画像の画像信号をそのまま感熱
ヘッドに送り熱消色型感熱記録材料にネガ画像を加熱記
録することもできる。図1に示す各工程の個々の操作自
体は、それぞれ公知の方法により行うことができる。例
えば、原稿画像の光学的走査読み取りは、ファクシミリ
に使用されているような読み取り装置を用いて行うこと
ができ、また感熱ヘッドとしてファクシミリや感熱プリ
ンタ等に設けられているような感熱ヘッドを使用して感
熱記録することができる。
【0006】本発明の画像形成方法を、本発明を実施す
るために使用することができる画像形成装置の一具体例
を示す図2を参照して説明する。図2は、本発明を実施
するために使用することができる画像形成装置の一具体
例を示す部分断面斜視図である。図2に於て、画像形成
装置1は、原稿挿入口2、原稿搬送用ローラ3、スキャ
ナー4、画像信号処理ユニット5、熱消色型感熱記録材
料カートリッジ6、熱消色型感熱記録材料搬送用ローラ
7、プラテンローラ8、感熱ヘッド9、及び画像形成済
熱消色型感熱記録材料排出口10が本体ケース11に設
けられて構成されている。スキャナー4は、例えば、フ
ァクシミリの原稿読み取り装置に使用されているよう
な、原稿の画像を光学的走査により読み取るための装置
である。画像信号処理ユニット5は、図1に示す、スキ
ャナイメージデータをCCDI/F(CCDインターフ
ェース)を介してラインメモリーに保存し、原稿画像信
号を必要に応じて画質補正して(更に、必要に応じて原
稿画像信号を反転画像信号に変換して)画像メモリーに
保存し、この画像信号を感熱ヘッド9に送るまでの信号
処理を行うユニットである。また、感熱ヘッド9は、例
えば、ファクシミリや感熱プリンタ等に設けられている
ような、画像信号に応じて加熱される走査型感熱ヘッド
である。
【0007】図2に於て、原稿Aは画像面を下向きにし
て原稿挿入口2から挿入され、スキャナ4の上を通り原
稿搬送用ローラ3により矢印aの方向に搬送される。そ
の間に、原稿Aの下側に位置するスキャナー4により、
原稿Aの画像が光学的走査により読み取られる。スキャ
ナー4により読み取られた信号は、画像信号処理ユニッ
ト5で図1について説明したように処理され、感熱ヘッ
ド9に送られる。一方、原稿Aの挿入に対応して熱消色
型感熱記録材料カートリッジ6から取り出された熱消色
型感熱記録材料Bは熱消色型感熱記録材料搬送用ローラ
7により搬送され、プラテンローラ8により感熱ヘッド
9に接触しながら矢印bの方向に移動し、画像形成済熱
消色型感熱記録材料排出口10から排出される。熱消色
型感熱記録材料Bが感熱ヘッド9に接触しているとき
に、感熱ヘッド9から画像信号に応じて熱エネルギーが
熱消色型感熱記録材料Bに付与され、熱エネルギーが付
与された部分が消色して、原稿画像に対応するネガ画像
が形成される。原稿搬送用ローラ3と熱消色型感熱記録
材料搬送用ローラ7との回転速度は同期が取られてお
り、原稿搬送用ローラ3及び熱消色型感熱記録材料搬送
用ローラ7の回転速度を変えることにより熱消色型感熱
記録材料Bへの印字密度を変化させることができる。感
熱ヘッド9による画像形成をスキャナー4による原稿画
像の読み取りから若干遅らせ、原稿Aを送りながら画像
形成済熱消色型感熱記録材料Bを取り出してもよく、ま
た、原稿画像信号をメモリーに蓄えた後、原稿読み取り
の後で熱消色型感熱記録材料Bへの画像形成を行っても
よい。
【0008】本発明の画像形成方法に使用できる熱消色
型感熱記録材料は、感熱ヘッドにより付与される熱エネ
ルギー(例えば、約10mJ/mm2以上のエネルギ
ー)で着色感熱層[感熱層]の感熱ヘッド接触部分が消
色される程度の高感度のものであって、ロイコ色素とフ
ェノール性顕色剤とを予め反応させ発色させて得た平均
粒子径が0.01〜1μmの色素粒子と、該色素粒子中
のフェノール顕色剤成分に対して重量比で0.8〜10
となる量の消色剤として機能するゼラチンもしくはポリ
ビニルアルコール(PVA)とを含む着色感熱層が透明
支持体の上に形成されてなる熱消色型感熱記録材料であ
る。本発明の熱消色型感熱記録材料では、着色感熱層に
他の消色剤成分を消色有効量[本発明で消色剤成分とし
て使用するゼラチンあるいはポリビニルアルコールを除
去して実質的な消色現象が発生する量]にて含有させる
必要がなく、また粒子状消色剤を含有する層を別層とし
て付設する必要がない。本発明の熱消色型感熱記録材料
では、着色感熱層中において、ロイコ色素とフェノール
性顕色剤とを予め反応させ発色させて得た色素粒子と、
ゼラチンもしくはポリビニルアルコール(PVA)と
が、付与される熱エネルギーにより相互作用を起こして
消色し、かつ常温に戻したのちも、その消色状態が維持
される。
【0009】上記の熱消色型感熱記録材料に於てロイコ
色素は、従来の感熱記録材料に用いられているラクトン
環を含む色素が好ましい。その好ましい例は、トリフェ
ニルメタンフタリド系、フルオラン系、インドリルフタ
リド系のロイコ色素である。好ましい具体例として、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6
−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレッ
トラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリ
ド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタ
リド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラ
ン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7
−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジメ
チルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−クロルフルオラン、3−ピロリジノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(N−(3′
−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(3,6−ビス(ジエチルア
ミノ)−プラテンローラ9−(o−クロルアニリノ)キ
サンチル安息香酸ラクタム)等を挙げることができる。
ロイコ色素の使用量は0.05〜2g/m2 、好ましく
は0.1〜1g/m2である。
【0010】上記の熱消色型感熱記録材料に於て顕色剤
はフェノール性化合物である。上記の熱消色型感熱記録
材料に於ける顕色剤として、感熱記録材料に於ける顕色
剤として一般に知られている有機酸又はその金属塩を用
いた場合には、加熱記録時に消色するが、室温に戻した
とき復色してしまうので好ましくない。上記の熱消色型
感熱記録材料に於て好ましく用いられるフェノール性顕
色剤は、50〜250℃の範囲内の融点を有するもの、
更に好ましくは60〜200℃の範囲内の融点を有する
もので、水に難溶性のものである。フェノール性顕色剤
の好ましい具体例としては、4,4’−イソプロピリデ
ン−ジフェノール(ビスフェノールA)、p−tert−ブ
チルフェノール、2,4−ジニトロフェノール、3,4
−ジクロロフェノール、4,4’−メチレン−ビス
(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、p−フェニ
ルフェノール、4,4−シクロヘキシリデンジフェノー
ル、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチルフェノ
ール)、2,2’−メチレンビス(α−フェニル−p−
クレゾール)チオジフェノール、4,4’−チオビス
(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、スルホニルジ
フェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−2−エチル−n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−n−ドデカン、4,4−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−ペンタン酸エチルエステル
等を挙げることができる。フェノール性顕色剤の使用量
が多くなるほど発色濃度は高くなるが、加熱により消色
し難くなる。従って、上記の熱消色型感熱記録材料に於
ては、フェノール性顕色剤の使用量は、ロイコ色素の量
の1〜20倍モルであることが好ましく、2〜10倍モ
ルであることが更に好ましい。
【0011】上記の熱消色型感熱記録材料に於て、ロイ
コ色素とフェノール性顕色剤とを予め接触させ反応させ
て発色させた色素粒子は、できるだけ微粒子であること
が好ましい。特に上記の熱消色型感熱記録材料をOHP
用のような透明性が重要な用途に使用する場合には、ロ
イコ色素とフェノール性顕色剤との反応により生成され
た色素(発色体)粒子の平均粒径は、1μm以下、特に
0.01〜0.4μmの範囲内であることが好ましい。
このような微小粒子の発色体を生成する方法としては、
ロイコ色素とフェノール性顕色剤とを水に難溶性乃至不
溶性の有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、メチルエチルケトン等に溶解し、得られた溶液を水
性媒体中に乳化分散して微小油滴とした後、溶剤を除去
する方法が好ましい。このとき、高沸点のオイルを共存
させることも可能である。オイルとしてはロイコ色素の
発色を阻害しない炭化水素系オイルが好ましい。オイル
を添加すると感度が上昇する傾向があるが、背景濃度が
下がるので、使用量としてはロイコ色素と顕色剤との総
量と同量以下であることが好ましい。ロイコ色素と顕色
剤とを一緒に高温で水性媒体中に分散したり、別々に分
散したものを有機溶剤と共に混合する従来の方法による
と、生成した発色色素粒子の粒径が大きくなり易くなる
傾向がある。
【0012】本発明の熱消色型感熱記録材料の着色感熱
層で用いられる消色剤成分は、ゼラチンもしくはポリビ
ニルアルコールであるが、なかでも、加熱時の消色特性
が相対的に高いゼラチンが好ましい。また、ゼラチンと
ポリビニルアルコールとはいずれも、着色感熱層中にお
いて、色素粒子のバインダー成分としても機能する。着
色層感熱のバインダー成分は、ロイコ色素及び顕色剤を
水性媒体中に乳化分散させる際に含有させておくか、ま
たはロイコ色素及び顕色剤を水性媒体中に乳化分散させ
た後に、添加してもよい。着色感熱層の形成に際して、
ゼラチンもしくはポリビニルアルコールは色素粒子中の
フェノール成分に対して重量比で0.8〜10[すなわ
ち、ゼラチンもしくはポリビニルアルコール/フェノー
ル顕色剤成分=0.8/1〜10/1]の割合で用いら
れる。着色感熱層におけるゼラチンもしくはポリビニル
アルコールの使用量が少な過ぎると、加熱時の消色感度
が低くなり、透明度の高いネガ画像ができにくく、一
方、ゼラチンもしくはポリビニルアルコールの使用量が
多過ぎると、着色感熱層中の色素粒子の濃度が相対的に
低くなるため、透明ネガ画像の背景濃度が不足すること
になる。
【0013】上記の熱消色型感熱記録材料に於ては、感
熱層に、従来、感熱紙に用いられていたような粒子状の
消色剤、例えば、a)ビスフェノール類の酸化アルキレ
ン付加物、b)メチロールアミドおよびビスアミド、ア
セトアミド等のアミド化合物、c)長鎖1,2−グリコ
ール、d)テレフタル酸の酸化エチレン付加物、e)ス
テアリルアルコール等の固形アルコール、f)ポリエー
テルまたはポリエチレングリコール、g)グアニジン誘
導体、h)アミンまたは第四級アンモニウム塩等が実質
的に含まれていない。本明細書に於て、粒子状消色剤が
実質的に含まれていないとは、感熱層の粒子状消色剤の
含有量が0であるか、或は0.05g/m2 よりも少な
いことを意味する。上記の熱消色型感熱記録材料は、常
温で保存した場合には感熱層の発色濃度が十分安定に維
持され、例えば、25℃の温度及び50%の相対湿度の
雰囲気下で一か月保存した場合、濃度の低下は10%以
下である。
【0014】上記の熱消色型感熱記録材料に於ける感熱
層は、熱エネルギーが付与されると、色素粒子と親水性
バインダーとの相互作用により消色し、かつ常温に戻し
た場合も消色状態が維持されるという性質を有するもの
である。上記の熱消色型感熱記録材料の感熱層を消色す
るために必要な熱エネルギーは、約10mJ/mm2
上のエネルギーで十分であり、このことから上記の熱消
色型感熱記録材料は極めて高感度であると言える。従来
の熱消色型感熱記録材料に於いては数g/m2 程度の粒
子状消色剤が含まれており、上記の熱消色型感熱記録材
料に於て、感熱層に粒子状消色剤が実質的に含まれてい
ないにもかかわらず高感度の消色型記録が行えること
は、従来全く知られておらず当業者が全く予期し得ない
ことである。更に、上記の熱消色型感熱記録材料は、感
熱層に粒子状消色剤が実質的に含まれていないために、
透明性が良く保存安定性も大きく良化するという優れた
性能をも有するものである。上記の熱消色型感熱記録材
料に於て高感度の消色型記録が行われる機構について必
ずしも確定されているわけではないが、感熱層への熱エ
ネルギーの付与により、親水性バインダーが色素粒子中
のロイコ色素と顕色剤との結合の間に入り、顕色剤をロ
イコ色素から遠ざけることにより色素が消色するものと
考えられる。
【0015】上記の熱消色型感熱記録材料に用いられる
透明支持体としては、プラスチックフイルムが好まし
い。プラスチックフイルムの例としては、ポリエチレン
テレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセルロ
ース誘導体フイルム、ポリスチレン、ポリエチレン、ポ
ロプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリイミド
フイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデ
ンフイルム、ポリアクリルフイルム、ポリカーボネート
フイルム等が挙げられる。上記の熱消色型感熱記録材料
に用いられる透明支持体としては、特にポリエステルフ
イルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したものが好まし
い。また、透明支持体から感熱層が剥がれることを防ぐ
目的で、感熱層を透明支持体に塗布する前に、透明支持
体上に下塗層を設けることが好ましい。下塗層の材料と
しては、ゼラチン、アクリル酸エステル共重合体、ポリ
塩化ビニリデン、スチレンブタジエンラテックス、水溶
性ポリエステル等のポリマーを挙げることができる。下
塗層の膜厚は、0.1〜0.5μmであることが好まし
い。
【0016】熱消色型感熱記録材料同士の付着を防止し
搬送性を向上させるために、上記の下塗層は導電性下塗
層であることが好ましい。導電性下塗層は、平均粒径が
0.2μm以下の導電性金属酸化物の微粒子がポリマー
からなる結合剤中に分散された層で、そしてその表面電
気抵抗が1×1010〜1×1013Ωの範囲(25℃、6
5%RHの条件で)の範囲にあるものが好ましい。そし
て、10℃、30%RH、25℃、65%RH及び30
℃、90%RHの全ての条件で上記範囲にあることが好
ましい。導電性金属酸化物粒子の材料としては、Zn
O、TiO、SnO2 、Al23 、In23 、Si
2 、MgO、BaO及びMoO3 を挙げることがき
る。これらは、単独で使用しても良く、これらの複合酸
化物を使用しても良い。また、金属酸化物は、異種元素
をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対
してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、Sn
2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有
(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、
SbをドーピングしたSnO2 が、経時的にも導電性の
変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。上記の熱
消色型感熱記録材料で用いられる金属酸化物の微粒子
は、その粒子径を光散乱をできるだけ抑える意味から小
さくすることが好ましい。OHP(オーバーヘッドプロ
ジェクター)に用いることができる透明な熱消色型感熱
記録材料、即ち画像を投影して利用できるタイプの熱消
色型感熱記録材料においては、散乱効率が20%以下で
あることが好ましい。このためには、導電性金属酸化物
粒子の平均粒径は、0.2μm以下であることが必要
で、0.1μm以下が好ましい。
【0017】上記導電性下塗層に使用されるポリマーは
特に制限はない。水溶性ポリマーとしては、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリド
ン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性
ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース及びこれらの誘導体を挙げる
ことができる。上記水溶性ポリマー以外のポリマーとし
ては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、
SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)を挙げることが
でき、これらは一般にポリマー水分散液またはエマルジ
ョンとして使用するのが好ましい。上記の熱消色型感熱
記録材料では、特にポリマー水分散液として使用するこ
とが好ましい。ポリマー水分散液とするために好ましい
ポリマーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル等の水
分散性ポリマーである。この水分散性ポリマーは、極性
基(例、第四級アンモニウム塩基、スルホン酸基、スル
ホン酸塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基、リン酸
基、リン酸塩基)を分子中に、0.1〜10重量%の範
囲で有することが好ましく、さらに1〜5重量%の範囲
で有することが好ましい。極性基としてはカルボン酸ア
ンモニウム塩が好ましい。下塗層には特にアクリル樹脂
が好ましい。これらのポリマーに、さらに架橋剤や界面
活性剤等を添加しても良い。
【0018】金属酸化物微粒子と水溶性または水分散型
ポリマーとの混合比は、重量費で1:3〜3:1の範囲
が好ましい。また、上記導電性下塗層の層厚は、表面電
気抵抗が30〜90%RHの湿度範囲において1×10
10〜1×1013Ωの範囲となるように、一般に0.01
〜1.00μmの範囲であり、0.05〜0.5μmが
好ましい。上記導電性下塗層の形成は、例えば、上記金
属酸化物微粒子、結合剤及び界面活性剤等を水に分散又
は溶解させ、得られた塗布液を上記透明フィルム上に塗
布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗
布は、例えばエアードクターコーター、ブレードコータ
ー、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコータ
ー、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の
塗布方法で行なうことができる。
【0019】上記の熱消色型感熱記録材料に於いては、
感熱層の上に保護層を設けて感熱層に耐水性及び耐傷性
を付与することができる。保護層の材料としては、ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、スチレン無水マレイン酸共重合体、デンプン等を挙
げることができる。これらの材料は単独でも二種類以上
の混合物であってもよく、必要に応じてこれらの材料を
硬化させるための硬化剤を使用してもよく、また、ホウ
砂、ホウ酸、コロイダルシリカ等を添加してもよい。更
に、取扱性を向上させるためや熱記録時にサーマルヘッ
ドとの接着を防止するために、保護層にステアリン酸亜
鉛、パラフィンワックスのような滑り剤や、カオリン、
炭酸カルシウムのような顔料を透明性を損なわない程度
に用いることもできる。保護層の塗布量は、0.1〜3
g/m2 であることが好ましい。
【0020】上記の熱消色型感熱記録材料は、本発明の
画像形成方法により画像原稿から容易に着色背景に透明
の画像を形成することができる。特にOHP用シートを
作成するための熱消色型感熱記録材料として有用なもの
である。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 [実施例1] 導電性下塗層用塗布液の調製 水溶性アクリル樹脂 1.55g (ジュリマーET−410;カルボン酸アンモニウム塩: 2wt%;日本純薬(株)製) アンチモンをドープした二酸化スズ 1.80g (SN−88;平均粒径:88nm、石原産業(株)製) スルホン酸ナトリウム系界面活性剤 0.125g (サンデッドBL、三洋化成(株)製) 非イオン系界面活性剤 0.125g (EMALEX/NP8.5;日本エマルジョン(株)製) 純水 96.4g (純水以外の重量は、固形分又は不揮発分を表す)
【0022】透明支持体フィルムの調製 上記導電性下塗層用塗布液を、厚さ100μmのコロナ
放電処理したポリエチレンテレフタレートフィルムの片
面に、バーコート#2.4を用いて、塗布速度105m
/分にて塗布し、185℃で10分間乾燥し、層厚0.
15μmの導電性下塗層を有する透明支持体フィルムを
調製した。上記透明支持体フィルムについて、絶縁計
(TR−8601、アドバンテスト(株)製)により、
10℃、30%RH、25℃、65%RH及び30℃、
90%RHの条件で、通電して1分後に測定した表面電
気抵抗(Ω)は、それぞれ5×1010、1×1011、及
び5×1011であった。
【0023】発色色素分散物(NB−1)の調製 下記のロイコ色素(LD−1)2.2gおよび下記のフ
ェノール性顕色剤(PH−1)6.4gを酢酸エチル3
0gに溶解した。一方、石灰処理ゼラチンの14%水溶
液57g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの5%水
溶液5gを混合し、200ccのホモジナイザーカップ
に入れた。この中に、上記の色素溶液を加え、1000
0rpmで5分間攪拌し、粒径約0.3μmの発色色素
分散物(NB−1)を得た。
【0024】
【化1】
【0025】熱消色型感熱記録材料101の調製 発色色素分散物(NB−1)4.2gに、水7.5gお
よび下記の界面活性剤(WW−1)の1%水溶液3gを
加え、混合した。この液を上記透明支持体フィルムの導
電性下塗層の上に塗布量31.5cc/m2 で塗布し乾
燥して、ほぼ透明の青色の熱消色型感熱記録材料101
を得た。
【0026】
【化2】
【0027】図2に示すような画像形成装置及びこの熱
消色型感熱記録材料101を使用して、本発明の方法に
より熱消色型感熱記録材料101にネガ画像を形成した
ところ、印字部は消色して透明になった。これを透過型
のOHPで投影したところ、極めて明瞭な画像を読み取
ることができた。
【0028】
【発明の効果】本発明の画像形成方法は、単純で安価な
装置を使用して容易に且つ簡便な操作により、既に存在
する画像原稿からその画像に対応するネガ画像を形成す
ることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の特に好ましい態様のフ
ローの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明を実施するために使用することができる
画像形成装置の一具体例を示す部分断面斜視図である。
【符号の説明】 1 画像形成装置 2 原稿挿入口 3 原稿搬送用ローラ 4 スキャナー 5 画像信号処理ユニット 6 熱消色型感熱記録材料カートリッジ 7 熱消色型感熱記録材料搬送用ローラ 8 プラテンローラ 9 感熱ヘッド 10 画像形成済熱消色型感熱記録材料排出口 11 本体ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−4443(JP,A) 特開 平1−304989(JP,A) 特開 平7−25167(JP,A) 特開 平6−328864(JP,A) 特開 平7−25168(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロイコ色素とフェノール性顕色剤とを予
    め反応させ発色させて得た平均粒子径が0.01〜1μ
    mの色素粒子と、該色素粒子中のフェノール顕色剤成分
    に対して重量比で0.8〜10となる量の消色剤として
    機能するゼラチンもしくはポリビニルアルコールとを含
    み、他の消色剤成分を消色有効量にて含有することのな
    い着色感熱層が透明支持体の上に形成されてなる熱消色
    型感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体と着色感熱層との間に導電性下塗
    り層が備えられている請求項1に記載の熱消色型感熱記
    録材料。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載の熱消色型感
    熱記録材料を、原稿画像を光学的に読み取って得られた
    画像信号に対応する画像様に加熱された感熱ヘッドに接
    触させ、感熱ヘッドからの熱エネルギーにより、該熱消
    色型感熱記録材料上に透明なネガ画像を形成させること
    特徴とする画像形成方法。
JP19419093A 1993-07-09 1993-07-09 熱消色型感熱記録材料及び画像形成方法 Expired - Fee Related JP3167839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19419093A JP3167839B2 (ja) 1993-07-09 1993-07-09 熱消色型感熱記録材料及び画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19419093A JP3167839B2 (ja) 1993-07-09 1993-07-09 熱消色型感熱記録材料及び画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0725165A JPH0725165A (ja) 1995-01-27
JP3167839B2 true JP3167839B2 (ja) 2001-05-21

Family

ID=16320448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19419093A Expired - Fee Related JP3167839B2 (ja) 1993-07-09 1993-07-09 熱消色型感熱記録材料及び画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3167839B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015002722A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 ハウス食品グループ本社株式会社 ノンフライ調理用衣ミックス

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2605976B2 (ja) * 1994-07-07 1997-04-30 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録装置
US6326332B1 (en) * 1999-03-31 2001-12-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Decolorable material and method for decoloring the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015002722A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 ハウス食品グループ本社株式会社 ノンフライ調理用衣ミックス

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0725165A (ja) 1995-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5402084B2 (ja) 感熱記録媒体及び記録方法
JPH071844A (ja) 脱積層被覆を有する熱転写系
US5407890A (en) Decoloring type heat sensitive image recording material
JP3167839B2 (ja) 熱消色型感熱記録材料及び画像形成方法
JP2905001B2 (ja) 熱転写用記録シート
JP2003191652A (ja) 染料熱転写受容シート
JPH0725167A (ja) 感熱記録材料
JP4136742B2 (ja) 透明感熱記録材料
JP4073017B2 (ja) 感熱記録材料
JPH0739214B2 (ja) 感熱記録体
JPH0725168A (ja) 感熱記録材料
JP2609102B2 (ja) 感熱記録材料
JPH0725166A (ja) 赤外感光性記録材料
JP2007076251A (ja) 感熱記録媒体
JPH0834163A (ja) 印字テープの作製法および感熱記録テープカセット
JPH08156424A (ja) 感熱記録材料
JP3195008B2 (ja) 熱転写記録媒体
JPS59229385A (ja) 感熱記録材料
JP2003034083A (ja) 透明感熱記録材料及びその製造方法
JP2604480B2 (ja) 感熱記録材料
JP4261444B2 (ja) 熱転写記録媒体及び熱転写記録方法並びに記録体及びラベル
JPS6213381A (ja) 感熱記録材料
JPH05301457A (ja) 感熱記録体
JP2000177245A (ja) ロール状透明感熱記録材料
JPH11254822A (ja) 可逆性感熱記録体

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010227

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080309

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080309

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080309

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090309

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees