JPH0725168A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH0725168A
JPH0725168A JP5194192A JP19419293A JPH0725168A JP H0725168 A JPH0725168 A JP H0725168A JP 5194192 A JP5194192 A JP 5194192A JP 19419293 A JP19419293 A JP 19419293A JP H0725168 A JPH0725168 A JP H0725168A
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JP
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heat
recording material
alkyl group
dye
phenolic
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JP5194192A
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Shunichi Ishikawa
俊一 石川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で、背景の透明性に優れ、高品質の陰
画画像を与える熱消色型感熱記録材料を提供する。 【構成】 ロイコ色素と、二種類のフェノール性化合物
の混合物であるフェノール性顕色剤とを予め反応させ発
色させた色素粒子と、該色素粒子を分散状態で含む親水
性バインダーとからなり、粒子状消色剤を実質的に含む
ことのない層であって、熱エネルギーが付与されると、
該色素粒子と親水性バインダーとの相互作用により消色
し、かつ常温に戻した場合も消色状態が維持される感熱
層が、透明支持体上に形成されてなる熱消色型感熱記録
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱走査により陰画を形
成する熱消色型感熱記録材料に関し、特にオーバーヘッ
ドプロジェクター用等の透過画像形成用フィルムシート
として有用な熱消色型感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】紙やプラスチックフイルム等の支持体上
に感熱発色層を設けた感熱記録材料が広く知られてお
り、ファクシミリやワープロのプリンター等に実用され
ている。このような感熱記録材料には、コンパクトな装
置で短時間に記録することが可能であること、環境汚染
が少ないこと、製造コストが低い等の有利な点がある。
一方、有色の面を熱走査し、記録部が消色または脱色す
る陰画型の感熱記録材料(熱消色型感熱記録材料)は、
オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用シートや、
X線撮影装置、超音波診断装置、CTスキャナー等を使
用する医療分野で用いるCRT画像のハードコピーとし
て有用であるとされている。このような感熱記録材料と
して特開昭59−229385号、同62−13389
号、同62−249787号等の公報に記載されている
感熱記録材料は、通常の発色型感熱記録材料に使用され
ているロイコ色素と酸性顕色剤とを予め接触させて発色
させた色素(発色体)と、発色体を含む層にまたはこれ
とは別の層に含有させた消色剤(例えば、ポリエチレン
グリコール誘導体、塩基等)とを含むものであり、加熱
により発色した色素と消色剤とを反応させて色素を消色
させることにより、加熱部を着色背景中の白または透明
の画像として記録する材料である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱消色型感熱記
録材料では、その製造時および保存中に発色体と消色剤
とが接触して発色体が消色することを防ぐために、発色
体と消色剤とを別々に水溶性バインダーを用いて微細に
分散させ、混合して支持体上に塗布するか、発色体を含
む層と消色剤を含む層とを別の層に形成されるように塗
布していた。このようにして製造した熱消色型感熱記録
材料は、これらの粒子の光散乱により記録層の透明性が
落ちる傾向があり、特にOHP用として使用するには背
景が濁るために不適なものであった。また、熱感度も不
十分でワープロ用等の比較的低エネルギーの感熱プリン
ターでは高品質の印字が不可能であった。従って、本発
明の目的は、高感度で、背景の透明性に優れ、高品質の
陰画画像を与える熱消色型感熱記録材料を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ロイコ
色素と、下記一般式(1):
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 、R2 及びR4 はそれぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又は置換ア
ルキル基を表し、R3 は、水素原子、アルキル基、置換
アルキル基、アリール基、置換アリール基又はアルコキ
シカルボニル基を表す)で表されるフェノール性化合物
(1)と、フェノール性化合物(1)の5〜50モル%
の下記一般式(2):
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R11及びR12はそれぞれ独立に、
水素原子、アルキル基又は置換アルキル基を表し、Zは
二価の連結基を表す)で表されるフェノール性化合物
(2)との混合物であるフェノール性顕色剤とを予め反
応させ発色させた色素粒子と、該色素粒子を分散状態で
含む親水性バインダーとからなり、粒子状消色剤を実質
的に含むことのない層であって、熱エネルギーが付与さ
れると、該色素粒子と親水性バインダーとの相互作用に
より消色し、かつ常温に戻した場合も消色状態が維持さ
れる感熱層が、透明支持体上に形成されてなる熱消色型
感熱記録材料によって達成された。本発明は、熱消色型
感熱記録材料の感熱層が上記のような構成を有すること
により、粒子状の消色剤を含有しないにもかかわらず、
加熱により発色体が消色し、これを室温に戻しても消色
状態が保持されるという驚くべき発見に基づいてなされ
たものである。本発明の熱消色型感熱記録材料は、粒子
状の消色剤を含有しておらず感熱層が一層であるので背
景の透明性が良好であり、しかも高感度であるためにワ
ープロ用等の感熱プリンター、ファクシミリの感熱ヘッ
ド等により、高品質の記録を行うことができる。更に、
本発明の熱消色型感熱記録材料は、背景の発色濃度が高
く熱消色により画像を記録したものを高湿の雰囲気下に
保存した場合でもその良好なディスクリミネーションを
保持することができる。
【0009】本発明に於てロイコ色素は、従来の感熱記
録材料に用いられているラクトン環を含む色素が好まし
い。その好ましい例は、トリフェニルメタンフタリド
系、フルオラン系、インドリルフタリド系のロイコ色素
である。好ましい具体例として、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−
ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブ
チルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルア
ミノ−6−クロルフルオラン、3−(N,N−ジエチル
アミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミ
ノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチ
ルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフル
オラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、2−(N−(3′−トリフルオロメチルフェ
ニル)アミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロル
アニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム)等を挙げるこ
とができる。ロイコ色素の使用量は0.05〜2g/m
2 、好ましくは0.1〜1g/m2である。
【0010】本発明に於ける顕色剤は二種の特定のフェ
ノール性化合物の混合物である。本発明に於ける顕色剤
として、感熱記録材料に於ける顕色剤として一般に知ら
れている有機酸又はその金属塩を用いた場合には、加熱
記録時に消色するが、室温に戻したとき復色してしまう
ので好ましくない。即ち本発明に於けるフェノール性顕
色剤は、前記一般式(1)で表されるフェノール性化合
物(1)と前記一般式(2)で表されるフェノール性化
合物(2)とからなり、フェノール性化合物(2)の量
がフェノール性化合物(1)の量の5〜50モル%、好
ましくは10〜40モル%の範囲内である混合物であ
る。
【0011】一般式(1)に於いて、R1 、R2 及びR
4 により表されるハロゲン原子としては、塩素原子及び
臭素原子が好ましい。また、R1 、R2 及びR4 により
表されるアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖又
は分岐のアルキル基が好ましく、特に好ましい例とし
て、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、ヘキシル等を挙げることができる。また、R1 、R
2 及びR4 により表される置換アルキル基としては、塩
素原子、フェニル、置換フェニル等の置換基を有する、
炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基が好まし
く、特に好ましい例として、1−クロロエチルを挙げる
ことができる。一般式(1)に於いて、R3 により表さ
れるアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖又は分
岐のアルキル基が好ましく、特に好ましい例として、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル等を挙げるこ
とができる。また、R3 により表される置換アルキル基
としては、塩素原子、フェニル等の置換基を有する、炭
素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましい。
3 により表されるアリール基の好ましい例としては、
フェニル、ナフチル等を挙げることができる。R3 によ
り表される置換アリール基としては、置換基として炭素
数1〜10のアルキル基、塩素原子等を有するフェニル
基等が好ましい。更に、R3 により表されるアルコキシ
カルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカ
ルボニル基が好ましく、特に好ましい例としては、n−
ブトキシカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等を挙げ
ることができる。一般式(1)で表されるフェノール性
化合物(1)の特に好ましい具体的化合物としては、下
記の式
【0012】
【化5】
【0013】を有する化合物を挙げることができる。
【0014】一般式(2)に於いて、R11及びR12によ
り表されるアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖
又は分岐のアルキル基が好ましく、特に好ましい例とし
て、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブ
チル等を挙げることができる。また、R11及びR12によ
り表される置換アルキル基としては、塩素原子、フェニ
ル等の置換基を有する、炭素数1〜20の直鎖又は分岐
のアルキル基が好ましく、特に好ましい例として、1−
クロロエチルを挙げることができる。一般式(2)に於
いて、Zにより表される二価の連結基としては、下記式
【0015】
【化6】
【0016】[式中、R13は、水素原子又は炭素数1〜
5のアルキル基(好ましくは、メチル、エチル、プロピ
ル)を表す]で表される基が好ましい。一般式(2)に
於いて、Zが結合するベンゼン環の位置は特に限定され
ないが、ヒドロキシル基に対してパラ位又はオルト位で
あることが好ましい。一般式(2)で表されるフェノー
ル性化合物(2)の特に好ましい具体的化合物として
は、下記の式
【0017】
【化7】
【0018】を有する化合物を挙げることができる。本
発明の熱消色型感熱記録材料は、フェノール性顕色剤と
してフェノール性化合物(1)とフェノール性化合物
(2)との前記のような割合の混合物を含有しているの
で、背景の発色濃度が特に高く、しかも熱消色時の最低
濃度が低いので、記録された画像のディスクリミネーシ
ョンが極めて良好であり、更に、画像を記録したものを
高湿の雰囲気下に長期間保存した場合でもその良好なデ
ィスクリミネーションを保持することができる。フェノ
ール性顕色剤の使用量(フェノール性化合物(1)とフ
ェノール性化合物(2)の合計量)が多くなるほど発色
濃度は高くなるが、加熱により消色し難くなる。従っ
て、本発明に於ては、フェノール性顕色剤の使用量は、
ロイコ色素の量の1〜20倍モルであることが好まし
く、2〜10倍モルであることが更に好ましい。
【0019】本発明に於て、ロイコ色素とフェノール性
顕色剤とを予め接触させ反応させて発色させた色素粒子
は、できるだけ微粒子であることが好ましい。特に本発
明の熱消色型感熱記録材料をOHP用のような透明性が
重要な用途に使用する場合には、ロイコ色素とフェノー
ル性顕色剤との反応により生成された色素(発色体)粒
子の平均粒径は、1μm以下、特に0.01〜0.4μ
mの範囲内であることが好ましい。このような微小粒子
の発色体を生成する方法としては、ロイコ色素とフェノ
ール性顕色剤とを水に難溶性乃至不溶性の有機溶剤、例
えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケト
ン等に溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散し
て微小油滴とした後、溶剤を除去する方法が好ましい。
このとき、高沸点のオイルを共存させることも可能であ
る。オイルとしてはロイコ色素の発色を阻害しない炭化
水素系オイルが好ましい。オイルを添加すると感度が上
昇する傾向があるが、背景濃度が下がるので、使用量と
してはロイコ色素と顕色剤との総量と同量以下であるこ
とが好ましい。ロイコ色素と顕色剤とを一緒に高温で水
性媒体中に分散したり、別々に分散したものを有機溶剤
と共に混合する従来の方法によると、生成した発色色素
粒子の粒径が大きくなり易くなる傾向がある。
【0020】本発明に於て、ロイコ色素とフェノール顕
色剤とから得られた色素粒子は親水性バインダー中に分
散されている。この親水性バインダーは、一般に親水性
ポリマーとして知られているノニオン、アニオン、カチ
オンポリマー等の何れであってもよく、例えば、その分
子構造中に水酸基、カルボニル基、エーテル基、アミノ
基等の官能基を有するポリマーが挙げられる。親水性バ
インダーの具体例としては、例えば、公知技術第5号
(1991年3月22日、アズテック有限会社発行)の
128〜134頁に記載されているものを挙げることが
できる。但し、ポリマーによっては、熱消色型感熱記録
材料の製造時に発色体の消色作用を示すものがあるの
で、使用条件等注意する必要がある。本発明に用いられ
る親水性バインダーとして特に好ましい材料は、ロイコ
色素及び顕色剤を乳化分散させるときの分散ポリマーと
しても使用することができる、ゼラチン及びポリビニル
アルコール(PVA)である。発色体の初期濃度が高く
また加熱時に消色し易い点でゼラチンが最も好ましい。
上記の親水性バインダーは、ロイコ色素及び顕色剤を乳
化分散させる際に水性媒体中に含有させておくか、又は
ロイコ色素及び顕色剤を乳化分散させた後、塗布前の感
熱層形成液中に追添加してもよい。本発明に於て、親水
性バインダー/フェノール性顕色剤の重量比が、0.8
〜10の範囲内であることが好ましい。親水性バインダ
ーの量が上記範囲よりも少ないと、加熱時の感度が低く
印字部の白抜けが不十分になる傾向にあり、また親水性
バインダーの量が上記範囲よりも多いと、発色体の濃度
(背景濃度)が不足する傾向にある。
【0021】本発明の熱消色型感熱記録材料に於ては、
感熱層に、従来、感熱紙に用いられていたような粒子状
の消色剤、例えば、a)ビスフェノール類の酸化アルキ
レン付加物、b)メチロールアミドおよびビスアミド、
アセトアミド等のアミド化合物、c)長鎖1,2−グリ
コール、d)テレフタル酸の酸化エチレン付加物、e)
ステアリルアルコール等の固形アルコール、f)ポリエ
ーテルまたはポリエチレングリコール、g)グアニジン
誘導体、h)アミンまたは第四級アンモニウム塩等が実
質的に含まれていない。本明細書に於て、粒子状消色剤
が実質的に含まれていないとは、感熱層の粒子状消色剤
の含有量が0であるか、或は0.05g/m2 よりも少
ないことを意味する。本発明の熱消色型感熱記録材料
は、常温で保存した場合には感熱層の発色濃度が十分安
定に維持され、例えば、25℃の温度及び50%の相対
湿度の雰囲気下で一か月保存した場合、濃度の低下は1
0%以下である。
【0022】本発明の熱消色型感熱記録材料に於ける感
熱層は、熱エネルギーが付与されると、色素粒子と親水
性バインダーとの相互作用により消色し、かつ常温に戻
した場合も消色状態が維持されるという性質を有するも
のである。本発明の熱消色型感熱記録材料の感熱層を消
色するために必要な熱エネルギーは、約10mJ/mm
2 以上のエネルギーで十分であり、この程度の熱エネル
ギーは一般のワープロやファクシミリに用いられている
感熱プリンターのサーマルヘッドにより与えられる熱エ
ネルギーである。このことから本発明の熱消色型感熱記
録材料は極めて高感度であると言える。前記のような従
来の熱消色型感熱記録材料に於いては数g/m2 程度の
粒子状消色剤が含まれており、本発明に於て、感熱層に
粒子状消色剤が実質的に含まれていないにもかかわらず
高感度の消色型記録が行えることは、従来全く知られて
おらず当業者が全く予期し得ないことである。更に、本
発明の熱消色型感熱記録材料は、感熱層に粒子状消色剤
が実質的に含まれていないために、透明性が良く、保存
安定性も大きく良化するという優れた性能をも有するも
のである。本発明に於て高感度の消色型記録が行われる
機構について必ずしも確定されているわけではないが、
感熱層への熱エネルギーの付与により、親水性バインダ
ーが色素粒子中のロイコ色素と顕色剤との結合の間に入
り、顕色剤をロイコ色素から遠ざけることにより色素が
消色するものと考えられる。
【0023】本発明に用いられる透明支持体としては、
プラスチックフイルムが好ましい。プラスチックフイル
ムの例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエ
チレンナフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸
セルロースフィルム等のセルロース誘導体フイルム、ポ
リスチレン、ポリエチレン、ポロプロピレン等のポリオ
レフィンフィルム、ポリイミドフイルム、ポリ塩化ビニ
ルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、ポリアクリ
ルフイルム、ポリカーボネートフイルム等が挙げられ
る。本発明に用いられる透明支持体としては、特にポリ
エステルフイルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したも
のが好ましい。また、透明支持体から感熱層が剥がれる
ことを防ぐ目的で、感熱層を透明支持体に塗布する前
に、透明支持体上に下塗層を設けることが好ましい。下
塗層の材料としては、ゼラチン、アクリル酸エステル共
重合体、ポリ塩化ビニリデン、スチレンブタジエンラテ
ックス、水溶性ポリエステル等のポリマーを挙げること
ができる。下塗層の膜厚は、0.1〜0.5μmである
ことが好ましい。
【0024】熱消色型感熱記録材料同士の付着を防止し
搬送性を向上させるために、上記の下塗層は導電性下塗
層であることが好ましい。導電性下塗層は、平均粒径が
0.2μm以下の導電性金属酸化物の微粒子がポリマー
からなる結合剤中に分散された層で、そしてその表面電
気抵抗が1×1010〜1×1013Ωの範囲(25℃、6
5%RHの条件で)の範囲にあるものが好ましい。そし
て、10℃、30%RH、25℃、65%RH及び30
℃、90%RHの全ての条件で上記範囲にあることが好
ましい。導電性金属酸化物粒子の材料としては、Zn
O、TiO、SnO2 、Al23 、In23 、Si
2 、MgO、BaO及びMoO3 を挙げることがき
る。これらは、単独で使用しても良く、これらの複合酸
化物を使用しても良い。また、金属酸化物は、異種元素
をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対
してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、Sn
2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有
(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、
SbをドーピングしたSnO2 が、経時的にも導電性の
変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。本発明で
用いられる金属酸化物の微粒子は、その粒子径を光散乱
をできるだけ抑える意味から小さくすることが好まし
い。OHP(オーバーヘッドプロジェクター)に用いる
ことができる透明な熱消色型感熱記録材料、即ち画像を
投影して利用できるタイプの熱消色型感熱記録材料にお
いては、散乱効率が20%以下であることが好ましい。
このためには、導電性金属酸化物粒子の平均粒径は、
0.2μm以下であることが必要で、0.1μm以下が
好ましい。
【0025】上記導電性下塗層に使用されるポリマーは
特に制限はない。水溶性ポリマーとしては、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリド
ン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性
ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース及びこれらの誘導体を挙げる
ことができる。上記水溶性ポリマー以外のポリマーとし
ては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、
SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)を挙げることが
でき、これらは一般にポリマー水分散液またはエマルジ
ョンとして使用するのが好ましい。本発明では、特にポ
リマー水分散液として使用することが好ましい。ポリマ
ー水分散液とするために好ましいポリマーとしては、ア
クリル樹脂、ポリエステル等の水分散性ポリマーであ
る。この水分散性ポリマーは、極性基(例、第四級アン
モニウム塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボ
ン酸基、カルボン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基)を分
子中に、0.1〜10重量%の範囲で有することが好ま
しく、さらに1〜5重量%の範囲で有することが好まし
い。極性基としてはカルボン酸アンモニウム塩が好まし
い。下塗層には特にアクリル樹脂が好ましい。これらの
ポリマーに、さらに架橋剤や界面活性剤等を添加しても
良い。
【0026】金属酸化物微粒子と水溶性または水分散型
ポリマーとの混合比は、重量費で1:3〜3:1の範囲
が好ましい。また、上記導電性下塗層の層厚は、表面電
気抵抗が30〜90%RHの湿度範囲において1×10
10〜1×1013Ωの範囲となるように、一般に0.01
〜1.00μmの範囲であり、0.05〜0.5μmが
好ましい。上記導電性下塗層の形成は、例えば、上記金
属酸化物微粒子、結合剤及び界面活性剤等を水に分散又
は溶解させ、得られた塗布液を上記透明フィルム上に塗
布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗
布は、例えばエアードクターコーター、ブレードコータ
ー、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコータ
ー、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の
塗布方法で行なうことができる。
【0027】本発明に於いては、感熱層の上に保護層を
設けて感熱層に耐水性及び耐傷性を付与することができ
る。保護層の材料としては、ポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール、ゼラチン、スチレン無水マレ
イン酸共重合体、デンプン等を挙げることができる。こ
れらの材料は単独でも二種類以上の混合物であってもよ
く、必要に応じてこれらの材料を硬化させるための硬化
剤を使用してもよく、また、ホウ砂、ホウ酸、コロイダ
ルシリカ等を添加してもよい。更に、取扱性を向上させ
るためや熱記録時にサーマルヘッドとの接着を防止する
ために、保護層にステアリン酸亜鉛、パラフィンワック
スのような滑り剤や、カオリン、炭酸カルシウムのよう
な顔料を透明性を損なわない程度に用いることもでき
る。保護層の塗布量は、0.1〜3g/m2 であること
が好ましい。また、本発明に於ては、透明支持体の感熱
層を設けた面とは反対側の面に、保護層の材料と同様の
材料からなるバック層が設けられていてもよい。熱消色
型感熱記録材料の搬送性を向上させるために、バック層
にマット剤や導電性物質を含有させてもよい。
【0028】本発明の熱消色型感熱記録材料は、ワープ
ロやパソコン等の熱転写式プリンター、ファクシミリ用
のプリンター等を使用して、またレーザ光の走査露光に
より加熱画像記録することができ、着色背景に透明また
は白色の画像を形成することができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 [実施例1] 発色色素分散物(NB−1)の調製 下記のロイコ色素(LD−1)2.2g、前記のフェノ
ール性化合物(1−4)6.4g及び前記のフェノール
性化合物(2−1)1.5gを酢酸エチル30gに溶解
して色素溶液を調製した。一方、石灰処理ゼラチンの1
4%水溶液57g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
の5%水溶液5gを混合し、200ccのホモジナイザ
ーカップに入れた。この中に、上記の色素溶液を加え、
10000rpmで5分間攪拌し、粒径約0.3μmの
発色色素分散物(NB−1)を得た。
【0030】
【化8】
【0031】 導電性下塗層用塗布液の調製 水溶性アクリル樹脂 1.55g (ジュリマーET−410;カルボン酸アンモニウム塩: 2wt%;日本純薬(株)製) アンチモンをドープした二酸化スズ 1.80g (SN−88;平均粒径:88nm、石原産業(株)製) スルホン酸ナトリウム系界面活性剤 0.125g (サンデッドBL、三洋化成(株)製) 非イオン系界面活性剤 0.125g (EMALEX/NP8.5;日本エマルジョン(株)製) 純水 96.4g (純水以外の重量は、固形分又は不揮発分を表す)
【0032】透明支持体フィルムの調製 上記導電性下塗層用塗布液を、厚さ100μmのコロナ
放電処理したポリエチレンテレフタレートフィルムの片
面に、バーコート#2.4を用いて、塗布速度105m
/分にて塗布し、185℃で10分間乾燥し、層厚0.
15μmの導電性下塗層を有する透明支持体フィルムを
調製した。上記透明支持体フィルムについて、絶縁計
(TR−8601、アドバンテスト(株)製)により、
10℃、30%RH、25℃、65%RH及び30℃、
90%RHの条件で、通電して1分後に測定した表面電
気抵抗(Ω)は、それぞれ5×1010、1×1011、及
び5×1011であった。
【0033】感熱記録材料101の調製 発色色素分散物(NB−1)5.6gに、水13g及び
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの5%水溶液1gを
加え、混合した。この液を上記透明支持体フィルムの導
電性下塗層の上に塗布量31.5cc/m2 で塗布し乾
燥して感熱層を形成した。一方、シラノール変性ポリビ
ニルアルコール(クラレ(株)製、R2105)の5%
水溶液12gに、コロイダルシリカ(日産化学(株)
製、スノーテックス30)の20%水分散物0.72
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの5%水溶液
0.24g、下記の界面活性剤(WW−1)0.24g
及び水1.44gを混合して保護層液とした。この保護
層液を上記の感熱層形成支持体の感熱層の上に塗布量3
8.5cc/m2 で塗布し、乾燥して、感熱記録材料1
01を得た。
【0034】
【化9】
【0035】感熱記録材料101の評価 感熱記録材料101を用い、富士通(株)製ワープロの
OASYS30LXIIIで文字パターンを印字した。
印字部は消色して透明になった。これを透過型のOHP
で投影したところ、極めて明瞭な画像を読み取ることが
できた。印字後の感熱記録材料101を、25℃80%
RHの高湿の雰囲気中で3日間さらしたが、背景及び印
字部に目立った変化は観察されなかった。
【0036】[実施例2] 発色色素分散物(NB−2)の調製 前記のフェノール性化合物(2−1)1.5gの代わり
に前記のフェノール性化合物(2−2)1.6gを使用
した他は、実施例1に於ける発色色素分散物(NB−
1)の調製と同様にして、粒径約0.3μmの発色色素
分散物(NB−2)を得た。 感熱記録材料102の調製 感熱記録材料101の調製に於て、発色色素分散物(N
B−1)の代わりに発色色素分散物(NB−2)を用い
た以外は同様にして、感熱記録材料102を得た。 感熱記録材料102の評価 感熱記録材料102を用い、実施例1に於けると同様に
してワープロ印字、OHP投影を行ったところ、やはり
明瞭な画像を読み取ることができた。また、印字後の感
熱記録材料102を、25℃80%RHの高湿の雰囲気
中で3日間さらしたが、背景及び印字部に目立った変化
は観察されなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の熱消色型感熱記録材料は、粒子
状の消色剤を含有しておらず感熱層が一層であるので背
景の透明性が良好であり、しかも高感度であるためにワ
ープロ用等の感熱プリンター、ファクシミリの感熱ヘッ
ド等により高品質の記録を行うことができ、加熱記録後
室温に戻しても消色状態が保持されるという顕著な効果
を奏するものである。更に、本発明の熱消色型感熱記録
材料は、背景の発色濃度が高く熱消色により画像を記録
したものを高湿の雰囲気下に保存した場合でもその良好
なディスクリミネーションを保持することができるとい
う顕著な効果を奏するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロイコ色素と、下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR4 はそれぞれ独立に、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基又は置換アルキル基を表
    し、R3 は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、
    アリール基、置換アリール基又はアルコキシカルボニル
    基を表す)で表されるフェノール性化合物(1)と、フ
    ェノール性化合物(1)の5〜50モル%の下記一般式
    (2): 【化2】 (式中、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、ア
    ルキル基又は置換アルキル基を表し、Zは二価の連結基
    を表す)で表されるフェノール性化合物(2)との混合
    物であるフェノール性顕色剤とを予め反応させ発色させ
    た色素粒子と、該色素粒子を分散状態で含む親水性バイ
    ンダーとからなり、粒子状消色剤を実質的に含むことの
    ない層であって、熱エネルギーが付与されると、該色素
    粒子と親水性バインダーとの相互作用により消色し、か
    つ常温に戻した場合も消色状態が維持される感熱層が、
    透明支持体上に形成されてなる熱消色型感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 上記色素粒子が、水に難溶性乃至不溶性
    の有機溶剤中のロイコ色素及びフェノール性顕色剤の溶
    液を、水中に乳化分散させることにより得られたもので
    ある請求項1記載の熱消色型感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 上記親水性バインダーがゼラチン又はポ
    リビニルアルコールである請求項1記載の熱消色型感熱
    記録材料。
  4. 【請求項4】 上記色素粒子の平均粒径が0.01〜
    0.4μmである請求項1記載の熱消色型感熱記録材
    料。
  5. 【請求項5】 上記透明支持体と上記感熱層との間に、
    平均粒径が0.2μm以下の導電性金属酸化物の微粒子
    とポリマーとからなる導電性下塗層が形成されている請
    求項1記載の熱消色型感熱記録材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7363787B2 (en) 2004-03-26 2008-04-29 Honda Motor Co., Ltd. Steering lock system with control knob for vehicle

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