JPH0725166A - 赤外感光性記録材料 - Google Patents

赤外感光性記録材料

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JPH0725166A
JPH0725166A JP5194191A JP19419193A JPH0725166A JP H0725166 A JPH0725166 A JP H0725166A JP 5194191 A JP5194191 A JP 5194191A JP 19419193 A JP19419193 A JP 19419193A JP H0725166 A JPH0725166 A JP H0725166A
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JP
Japan
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heat
infrared
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layer
color
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JP5194191A
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English (en)
Inventor
Shunichi Ishikawa
俊一 石川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 赤外線レーザーによる走査露光等を含む赤外
線の像様露光により記録することができ、高感度で、背
景の透明性に優れ、高品質の陰画画像を与える熱消色型
赤外感光性記録材料を提供する。 【構成】 ロイコ色素とフェノール性顕色剤とを予め反
応させ発色させた色素粒子と、該色素粒子を分散状態で
含む親水性バインダーとからなり、粒子状消色剤を実質
的に含むことのない層であって、熱エネルギーが付与さ
れると、該色素粒子と親水性バインダーとの相互作用に
より消色し、かつ常温に戻した場合も消色状態が維持さ
れる感熱層が、透明支持体上に形成され、該感熱層又は
該感熱層に隣接する層内に赤外線吸収物質が含有されて
なる熱消色型赤外感光性記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線の像様露光(赤
外線レーザーによる走査露光を含む)により陰画を形成
する熱消色型赤外感光性記録材料に関し、特にオーバー
ヘッドプロジェクター用等の透過画像形成用フィルムシ
ートとして有用な熱消色型赤外感光性記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】紙やプラスチックフイルム等の支持体上
に感熱発色層を設けた感熱記録材料が広く知られてお
り、ファクシミリやワープロのプリンター等に実用され
ている。このような感熱記録材料には、コンパクトな装
置で短時間に記録することが可能であること、環境汚染
が少ないこと、製造コストが低い等の有利な点がある。
一方、有色の面を熱走査し、記録部が消色または脱色す
る陰画型の感熱記録材料(熱消色型感熱記録材料)は、
オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用シートや、
X線撮影装置、超音波診断装置、CTスキャナー等を使
用する医療分野で用いるCRT画像のハードコピーとし
て有用であるとされている。このような感熱記録材料と
して特開昭59−229385号、同62−13389
号、同62−249787号等の公報に記載されている
感熱記録材料は、通常の発色型感熱記録材料に使用され
ているロイコ色素と酸性顕色剤とを予め接触させて発色
させた色素(発色体)と、発色体を含む層にまたはこれ
とは別の層に含有させた消色剤(例えば、ポリエチレン
グリコール誘導体、塩基等)とを含むものであり、加熱
により発色した色素と消色剤とを反応させて色素を消色
させることにより、加熱部を着色背景中の白または透明
の画像として記録する材料である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱消色型感熱記
録材料では、その製造時および保存中に発色体と消色剤
とが接触して発色体が消色することを防ぐために、発色
体と消色剤とを別々に水溶性バインダーを用いて微細に
分散させ、混合して支持体上に塗布するか、発色体を含
む層と消色剤を含む層とを別の層に形成されるように塗
布していた。このようにして製造した熱消色型感熱記録
材料は、これらの粒子の光散乱により記録層の透明性が
落ちる傾向があり、特にOHP用として使用するには背
景が濁るために不適なものであった。また、熱感度も不
十分でワープロ用等の比較的低エネルギーの感熱プリン
ターでは高品質の印字が不可能であった。また、感熱プ
リンターのようなサーマルヘッドを用いる感熱記録方法
に於ては、サーマルヘッドが感熱材料に接触するので、
サーマルヘッドにより感熱記録材料が傷つけられたり、
感熱記録材料の表面層がサーマルヘッドに付着したりし
てトラブルが生じる恐れがある。従って、本発明の目的
は、赤外線レーザーによる走査露光等を含む赤外線の像
様露光により記録することができ、高感度で、背景の透
明性に優れ、高品質の陰画画像を与える熱消色型赤外感
光性記録材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ロイコ
色素とフェノール性顕色剤とを予め反応させ発色させた
色素粒子と、該色素粒子を分散状態で含む親水性バイン
ダーとからなり、粒子状消色剤を実質的に含むことのな
い層であって、熱エネルギーが付与されると、該色素粒
子と親水性バインダーとの相互作用により消色し、かつ
常温に戻した場合も消色状態が維持される感熱層が、透
明支持体上に形成され、該感熱層又は該感熱層に隣接す
る層内に赤外線吸収物質が含有されてなる熱消色型赤外
感光性記録材料によって達成された。本発明は、熱消色
型赤外感光性記録材料の感熱層が上記のような構成を有
し、感熱層又は感熱層に隣接する層内に赤外線吸収性物
質が含有されていることにより、粒子状の消色剤を含有
しないにもかかわらず、赤外線吸収性物質が赤外線を吸
収し光熱変換により発生した熱エネルギーにより発色体
が消色し、これを室温に戻しても消色状態が保持される
という驚くべき発見に基づいてなされたものである。本
発明の熱消色型赤外感光性記録材料は、粒子状の消色剤
を含有しておらず感熱層が一層であるので背景の透明性
が良好であり、しかも高感度であるために、赤外線の像
様露光により無接触状態で高品質の記録を行うことがで
きる。
【0005】本発明に於てロイコ色素は、従来の感熱記
録材料に用いられているラクトン環を含む色素が好まし
い。その好ましい例は、トリフェニルメタンフタリド
系、フルオラン系、インドリルフタリド系のロイコ色素
である。好ましい具体例として、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−
ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブ
チルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルア
ミノ−6−クロルフルオラン、3−(N,N−ジエチル
アミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミ
ノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチ
ルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフル
オラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、2−(N−(3′−トリフルオロメチルフェ
ニル)アミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロル
アニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム)等を挙げるこ
とができる。ロイコ色素の使用量は0.05〜2g/m
2 、好ましくは0.1〜1g/m2である。
【0006】本発明に於て顕色剤はフェノール性化合物
である。本発明に於ける顕色剤として、感熱記録材料に
於ける顕色剤として一般に知られている有機酸又はその
金属塩を用いた場合には、加熱記録時に消色するが、室
温に戻したとき復色してしまうので好ましくない。本発
明に於て好ましく用いられるフェノール性顕色剤は、5
0〜250℃の範囲内の融点を有するもの、更に好まし
くは60〜200℃の範囲内の融点を有するもので、水
に難溶性のものである。フェノール性顕色剤の好ましい
具体例としては、4,4’−イソプロピリデン−ジフェ
ノール(ビスフェノールA)、p−tert−ブチルフェノ
ール、2,4−ジニトロフェノール、3,4−ジクロロ
フェノール、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−
tert−ブチルフェノール)、p−フェニルフェノール、
4,4−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2’−
メチレンビス(4−tert−ブチルフェノール)、2,
2’−メチレンビス(α−フェニル−p−クレゾール)
チオジフェノール、4,4’−チオビス(6−tert−ブ
チル−m−クレゾール)、スルホニルジフェノール、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチル
−n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−n−ドデカン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−ペンタン酸エチルエステル等を挙げるこ
とができる。フェノール性顕色剤の使用量が多くなるほ
ど発色濃度は高くなるが、加熱により消色し難くなる。
従って、本発明に於ては、フェノール性顕色剤の使用量
は、ロイコ色素の量の1〜20倍モルであることが好ま
しく、2〜10倍モルであることが更に好ましい。
【0007】本発明に於て、ロイコ色素とフェノール性
顕色剤とを予め接触させ反応させて発色させた色素粒子
は、できるだけ微粒子であることが好ましい。特に本発
明の熱消色型赤外感光性記録材料をOHP用のような透
明性が重要な用途に使用する場合には、ロイコ色素とフ
ェノール性顕色剤との反応により生成された色素(発色
体)粒子の平均粒径は、1μm以下、特に0.01〜
0.4μmの範囲内であることが好ましい。このような
微小粒子の発色体を生成する方法としては、ロイコ色素
とフェノール性顕色剤とを水に難溶性乃至不溶性の有機
溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエ
チルケトン等に溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳
化分散して微小油滴とした後、溶剤を除去する方法が好
ましい。このとき、高沸点のオイルを共存させることも
可能である。オイルとしてはロイコ色素の発色を阻害し
ない炭化水素系オイルが好ましい。オイルを添加すると
感度が上昇する傾向があるが、背景濃度が下がるので、
使用量としてはロイコ色素と顕色剤との総量と同量以下
であることが好ましい。ロイコ色素と顕色剤とを一緒に
高温で水性媒体中に分散したり、別々に分散したものを
有機溶剤と共に混合する従来の方法によると、生成した
発色色素粒子の粒径が大きくなり易くなる傾向がある。
【0008】本発明に於て、ロイコ色素とフェノール顕
色剤とから得られた色素粒子は親水性バインダー中に分
散されている。この親水性バインダーは、一般に親水性
ポリマーとして知られているノニオン、アニオン、カチ
オンポリマー等の何れであってもよく、例えば、その分
子構造中に水酸基、カルボニル基、エーテル基、アミノ
基等の官能基を有するポリマーが挙げられる。親水性バ
インダーの具体例としては、例えば、公知技術第5号
(1991年3月22日、アズテック有限会社発行)の
128〜134頁に記載されているものを挙げることが
できる。但し、ポリマーによっては、熱消色型赤外感光
性記録材料の製造時に発色体の消色作用を示すものがあ
るので、使用条件等注意する必要がある。本発明に用い
られる親水性バインダーとして特に好ましい材料は、ロ
イコ色素及び顕色剤を乳化分散させるときの分散ポリマ
ーとしても使用することができる、ゼラチン及びポリビ
ニルアルコール(PVA)である。発色体の初期濃度が
高くまた加熱時に消色し易い点でゼラチンが最も好まし
い。上記の親水性バインダーは、ロイコ色素及び顕色剤
を乳化分散させる際に水性媒体中に含有させておくか、
又はロイコ色素及び顕色剤を乳化分散させた後、塗布前
の感熱層形成液中に追添加してもよい。本発明に於て、
親水性バインダー/フェノール性顕色剤の重量比が、
0.8〜10の範囲内であることが好ましい。親水性バ
インダーの量が上記範囲よりも少ないと、加熱時の感度
が低く印字部の白抜けが不十分になる傾向にあり、また
親水性バインダーの量が上記範囲よりも多いと、発色体
の濃度(背景濃度)が不足する傾向にある。
【0009】本発明の熱消色型赤外感光性記録材料に於
ては、感熱層に、従来、感熱紙に用いられていたような
粒子状の消色剤、例えば、a)ビスフェノール類の酸化
アルキレン付加物、b)メチロールアミドおよびビスア
ミド、アセトアミド等のアミド化合物、c)長鎖1,2
−グリコール、d)テレフタル酸の酸化エチレン付加
物、e)ステアリルアルコール等の固形アルコール、
f)ポリエーテルまたはポリエチレングリコール、g)
グアニジン誘導体、h)アミンまたは第四級アンモニウ
ム塩等が実質的に含まれていない。本明細書に於て、粒
子状消色剤が実質的に含まれていないとは、感熱層の粒
子状消色剤の含有量が0であるか、或は0.05g/m
2 よりも少ないことを意味する。本発明の熱消色型赤外
感光性記録材料は、常温で保存した場合には感熱層の発
色濃度が十分安定に維持され、例えば、25℃の温度及
び50%の相対湿度の雰囲気下で一か月保存した場合、
濃度の低下は10%以下である。
【0010】本発明の熱消色型赤外感光性記録材料に含
有される赤外線吸収物質は、画像記録に用いる赤外光
(レーザー光を含む)を吸収する物質である。このよう
な赤外線吸収物質は、特開平2−2074号、同3−2
6593号、同3−30992号、同3−34891
号、同3−36093号、同3−36094号、同3−
36095号、同3−42281号、同3−63185
号、同3−97589号、同3−97590号、同3−
97591号、同4−161382号、同4−1692
89号、同4−169290号、同4−173185
号、同4−173290号および同4−173291号
各公報および米国特許5019594号明細書に記載さ
れている。赤外線吸収物質の具体例を以下に示す。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】2種類以上の赤外線吸収物質を併用しても
よい。赤外線吸収物質は、熱消色型赤外感光性記録材料
の感熱層に含有されていてもよく、また感熱層に隣接す
る層に含有されていてもよい。赤外線吸収物質が感熱層
に含有される場合、色素粒子中に含有されていてもよ
く、また親水性バインダー中に含有されていてもよい。
赤外線吸収物質が感熱層に隣接する層に含有される場
合、赤外線吸収物質は後記する下塗層又は保護層に含有
させてもよく、また赤外線吸収物質含有層を感熱層の支
持体側の面又は支持体とは反対側の面に接触するように
設けてもよい。赤外線吸収物質含有層は、赤外線吸収物
質を後の下塗層に関して記載したような適当なバインダ
ー、好ましくは感熱層に関して記載したような親水性バ
インダー中に分散させて、例えば、塗布により形成す
る。
【0030】赤外線吸収物質の塗布量は、記録に使用さ
れる赤外線を吸収して光熱変換し、感熱層を消色するた
めに必要な熱エネルギー(約10mJ/mm2 以上のエ
ネルギー)を感熱層に付与し得るような量である。この
ことから本発明の熱消色型赤外感光性記録材料は極めて
高感度であると言える。赤外線吸収物質の塗布量は、赤
外線吸収物質の種類や含有させる態様によっても異なる
が、一般に使用する赤外光に対する吸光度が0.2以
上、好ましくは0.5以上になるように設定し、通常は
0.001〜1g/m2 範囲内の量であることが好まし
い。また、バインダーの赤外線吸収物質に対する重量比
は0.1乃至100であることが好ましく、0.5乃至
10であることが更に好ましい。
【0031】前記のような従来の熱消色型感熱記録材料
に於いては数g/m2 程度の粒子状消色剤が含まれてお
り、本発明に於て、感熱層に粒子状消色剤が実質的に含
まれていないにもかかわらず高感度の消色型記録が行え
ることは、従来全く知られておらず当業者が全く予期し
得ないことである。更に、本発明の熱消色型赤外感光性
記録材料は、感熱層に粒子状消色剤が実質的に含まれて
いないために透明性が良く、保存安定性も大きく良化す
るという優れた性能をも有するものである。本発明に於
て高感度の消色型記録が行われる機構について必ずしも
確定されているわけではないが、感熱層への熱エネルギ
ーの付与により、親水性バインダーが色素粒子中のロイ
コ色素と顕色剤との結合の間に入り、顕色剤をロイコ色
素から遠ざけることにより色素が消色するものと考えら
れる。
【0032】本発明に用いられる透明支持体としては、
プラスチックフイルムが好ましい。プラスチックフイル
ムの例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエ
チレンナフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸
セルロースフィルム等のセルロース誘導体フイルム、ポ
リスチレン、ポリエチレン、ポロプロピレン等のポリオ
レフィンフィルム、ポリイミドフイルム、ポリ塩化ビニ
ルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、ポリアクリ
ルフイルム、ポリカーボネートフイルム等が挙げられ
る。本発明に用いられる透明支持体としては、特にポリ
エステルフイルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したも
のが好ましい。また、透明支持体から感熱層が剥がれる
ことを防ぐ目的で、透明支持体の感熱層側の表面上に下
塗層を設けることが好ましい。下塗層の材料としては、
ゼラチン、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニ
リデン、スチレンブタジエンラテックス、水溶性ポリエ
ステル等のポリマーを挙げることができる。下塗層の膜
厚は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。
【0033】熱消色型赤外感光性記録材料同士の付着を
防止し搬送性を向上させるために、上記の下塗層は導電
性下塗層であることが好ましい。導電性下塗層は、平均
粒径が0.2μm以下の導電性金属酸化物の微粒子がポ
リマーからなるバインダー中に分散された層で、そして
その表面電気抵抗が1×1010〜1×1013Ωの範囲
(25℃、65%RHの条件で)の範囲にあるものが好
ましい。そして、10℃、30%RH、25℃、65%
RH及び30℃、90%RHの全ての条件で上記範囲に
あることが好ましい。導電性金属酸化物粒子の材料とし
ては、ZnO、TiO、SnO2 、Al23 、In2
3 、SiO2 、MgO、BaO及びMoO3 を挙げる
ことがきる。これらは、単独で使用しても良く、これら
の複合酸化物を使用しても良い。また、金属酸化物は、
異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、Z
nOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta
等、SnO2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等
を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの
中で、SbをドーピングしたSnO2 が、経時的にも導
電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。本
発明で用いられる金属酸化物の微粒子は、その粒子径を
光散乱をできるだけ抑える意味から小さくすることが好
ましい。OHP(オーバーヘッドプロジェクター)に用
いることができる透明な熱消色型赤外感光性記録材料、
即ち画像を投影して利用できるタイプの熱消色型赤外感
光性記録材料においては、散乱効率が20%以下である
ことが好ましい。このためには、導電性金属酸化物粒子
の平均粒径は、0.2μm以下であることが必要で、
0.1μm以下が好ましい。
【0034】上記導電性下塗層に使用されるポリマーは
特に制限はない。水溶性ポリマーとしては、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリド
ン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性
ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース及びこれらの誘導体を挙げる
ことができる。上記水溶性ポリマー以外のポリマーとし
ては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、
SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)を挙げることが
でき、これらは一般にポリマー水分散液またはエマルジ
ョンとして使用するのが好ましい。本発明では、特にポ
リマー水分散液として使用することが好ましい。ポリマ
ー水分散液とするために好ましいポリマーとしては、ア
クリル樹脂、ポリエステル等の水分散性ポリマーであ
る。この水分散性ポリマーは、極性基(例、第四級アン
モニウム塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボ
ン酸基、カルボン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基)を分
子中に、0.1〜10重量%の範囲で有することが好ま
しく、さらに1〜5重量%の範囲で有することが好まし
い。極性基としてはカルボン酸アンモニウム塩が好まし
い。下塗層には特にアクリル樹脂が好ましい。これらの
ポリマーに、さらに架橋剤や界面活性剤等を添加しても
良い。
【0035】金属酸化物微粒子と水溶性または水分散型
ポリマーとの混合比は、重量費で1:3〜3:1の範囲
が好ましい。また、上記導電性下塗層の層厚は、表面電
気抵抗が30〜90%RHの湿度範囲において1×10
10〜1×1013Ωの範囲となるように、一般に0.01
〜1.00μmの範囲であり、0.05〜0.5μmが
好ましい。上記導電性下塗層の形成は、例えば、上記金
属酸化物微粒子、結合剤及び界面活性剤等を水に分散又
は溶解させ、得られた塗布液を上記透明フィルム上に塗
布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗
布は、例えばエアードクターコーター、ブレードコータ
ー、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコータ
ー、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の
塗布方法で行なうことができる。
【0036】本発明に於いては、感熱層の上に保護層を
設けて感熱層に耐水性及び耐傷性を付与することができ
る。保護層の材料としては、ポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール、ゼラチン、スチレン無水マレ
イン酸共重合体、デンプン等を挙げることができる。こ
れらの材料は単独でも二種類以上の混合物であってもよ
く、必要に応じてこれらの材料を硬化させるための硬化
剤を使用してもよく、また、ホウ砂、ホウ酸、コロイダ
ルシリカ等を添加してもよい。保護層の塗布量は、0.
1〜3g/m2 であることが好ましい。
【0037】従って、本発明の熱消色型赤外感光性記録
材料は、例えば、(1)支持体の上に又は支持体の上に
設けられた下塗層の上に赤外線吸収性物質を含有する感
熱層が設けられ、感熱層の上に保護層が設けられるか又
は設けられない態様、(2)支持体の上に又は支持体の
上に設けられた下塗層の上に赤外線吸収性物質を含有す
る層が設けられ赤外線吸収性物質含有層の上に赤外線吸
収性物質を含有しない感熱層が設けられ、感熱層の上に
保護層が設けられるか又は設けられない態様、(3)支
持体の上に又は支持体の上に設けられた下塗層の上に赤
外線吸収性物質を含有しない感熱層が設けられ、感熱層
の上に赤外線吸収性物質を含有する層が設けられ赤外線
吸収性物質含有層の上に保護層が設けられるか又は設け
られない態様、(4)支持体の上に赤外線吸収性物質を
含有する下塗層が設けられ、この下塗層の上に赤外線吸
収性物質を含有しない感熱層が設けられ、感熱層の上に
保護層が設けられるか又は設けられない態様、(5)支
持体の上に下塗層が設けられ、この下塗層の上に赤外線
吸収性物質を含有しない感熱層が設けられ、感熱層の上
に赤外線吸収性物質を含有する保護層が設けられた態様
等の構成を有するものであってよい。なお、上記のよう
な態様に於て、赤外線吸収性物質は下塗層、感熱層及び
保護層の二個以上の層に含有されていてもよい。
【0038】本発明の熱消色型赤外感光性記録材料の画
像記録に際しては、赤外線の像様露光により赤外線吸収
物質が赤外線を吸収し、これを光熱変換して感熱層に熱
エネルギーを付与し、感熱層の色素が消色して着色背景
に透明の画像を形成することができる。赤外線の像様露
光は、赤外線レーザー光の走査露光によって実施するこ
とが好ましい。赤外線レーザー光は公知のレーザー装置
を用いて得ることができる。実用的には、小型、低コス
ト、安定性、信頼性、耐久性および変調の容易さから半
導体レーザーが有利である。レーザー光の波長は熱消色
型赤外感光性記録材料に含有される赤外線吸収物質の光
吸収波長によって適切に選択される。通常は、720n
mから890nmの波長のレーザー光が有効である。レ
ーザー光の出力は10mW以上であることが好ましく、
50mW以上であることがさらに好ましい。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 [実施例1] 発色色素分散物(NB−1)の調製 下記のロイコ色素(LD−1)2.1g、前記の赤外線
吸収物質(19)45mg及び下記のフェノール性顕色
剤(PH−1)6.4gを酢酸エチル30gに溶解して
色素溶液を調製した。一方、フタル化ゼラチンの20%
水溶液31g、水21g及びドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダの5%水溶液10gを混合し、200ccのホ
モジナイザーカップに入れた。この中に、上記の色素溶
液を加え、10000rpmで5分間攪拌し、色素の乳
化液を得た。この乳化液を50℃で2時間攪拌し、酢酸
エチルを除去した後、蒸発した量と同量の水を加え、粒
径約0.3μmの発色色素分散物(NB−1)を得た。
【0040】
【化19】
【0041】 導電性下塗層用塗布液の調製 水溶性アクリル樹脂 1.55g (ジュリマーET−410;カルボン酸アンモニウム塩: 2wt%;日本純薬(株)製) アンチモンをドープした二酸化スズ 1.80g (SN−88;平均粒径:88nm、石原産業(株)製) スルホン酸ナトリウム系界面活性剤 0.125g (サンデッドBL、三洋化成(株)製) 非イオン系界面活性剤 0.125g (EMALEX/NP8.5;日本エマルジョン(株)製) 純水 96.4g (純水以外の重量は、固形分又は不揮発分を表す)
【0042】透明支持体フィルムの調製 上記導電性下塗層用塗布液を、厚さ100μmのコロナ
放電処理したポリエチレンテレフタレートフィルムの片
面に、バーコート#2.4を用いて、塗布速度105m
/分にて塗布し、185℃で10分間乾燥し、層厚0.
15μmの導電性下塗層を有する透明支持体フィルムを
調製した。上記透明支持体フィルムについて、絶縁計
(TR−8601、アドバンテスト(株)製)により、
10℃、30%RH、25℃、65%RH及び30℃、
90%RHの条件で、通電して1分後に測定した表面電
気抵抗(Ω)は、それぞれ5×1010、1×1011、及
び5×1011であった。
【0043】赤外感光性記録材料101の調製 発色色素分散物(NB−1)5.6gに、水3g及びポ
リビニルアルコール(PVA205)の20%水溶液1
gを加え、混合した。この液を上記透明支持体フィルム
の導電性下塗層の上に塗布量35cc/m2 で塗布し乾
燥して、感熱層付きフィルムを得た。次に、ポリビニル
アルコールの10%水溶液8g、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダの5%水溶液10g及び水2gを混合して
保護層液とした。この保護層液を上記の感熱層付きフィ
ルムの感熱層の上に塗布量35cc/m2 で塗布し、乾
燥して、本発明の熱消色型赤外感光性記録材料101を
得た。
【0044】赤外感光性記録材料101の評価 赤外感光性記録材料101に、焦点を合わせた830n
mのレーザー光を照射した。レーザー光は、松下電子
(株)製の半導体レーザーLN9880から発生させ
た。スポット径は20μm、照射時間は1msec乃至
1μsec、レーザーパワーは40mWであった。この
ようにして、高エネルギーの部分で無色になる明瞭な陰
画が得られた。
【0045】[実施例2] 発色色素分散物(NB−2)の調製 実施例1に於ける発色色素分散物(NB−1)の調製に
於て、赤外線吸収物質(19)を添加しなかった以外は
同様にして発色色素分散物(NB−2)を調製した。 赤外感光性記録材料102の調製 実施例1の赤外感光性記録材料101の調製において、
発色色素分散物(NB−1)5.6gの代わりに発色色
素分散物(NB−2)5.6gを用い、水3gの代わり
に前記の赤外線吸収物質(20)の1%水溶液2g及び
水1gを用いた以外は同様にして、赤外感光性記録材料
102を得た。 赤外感光性記録材料102の評価 赤外感光性記録材料102を、実施例1と同様にレーザ
ー照射したところ、陰画が得られた。感度は赤外感光性
記録材料101に比べて、2倍程高かった。また、この
赤外感光性記録材料102を透過型のOHPプロジェク
ターで投影したところ、明瞭な陰画画像を観察すること
ができた。
【0046】[実施例3] 赤外感光性材料103の調製 前記の赤外線吸収物質(21)2g、ポリビニルブチラ
ール10g、メチルエチルケトン50cc、トルエン5
0cc及びイソシアネート(タケネートD110−N、
武田薬品工業(株)製)0.5ccからなる組成の赤外
線吸収層塗布液を調製し、実施例1で用いた支持体上
に、乾燥後の厚みが0.6μmになるように塗布し乾燥
した。次に、赤外線吸収層の上に実施例2に於けるよう
にして調製した発色色素分散物(NB−2)を用いて、
実施例1と同様に各層を塗布して乾燥し、赤外感光性記
録材料103を得た。 赤外感光性記録材料103の評価」 赤外感光性記録材料103を実施例1と同様にしてレー
ザー照射したところ、陰画を得ることができた。
【0047】
【発明の効果】本発明の熱消色型赤外感光性記録記録材
料は、粒子状の消色剤を含有しておらず感熱層が一層で
あるので背景の透明性が良好であり、しかも高感度であ
るために赤外線レーザーによる走査露光等を含む赤外線
の像様露光により無接触状態で高品質の記録を行うこと
ができるという顕著な効果を奏するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロイコ色素とフェノール性顕色剤とを予
    め反応させ発色させた色素粒子と、該色素粒子を分散状
    態で含む親水性バインダーとからなり、粒子状消色剤を
    実質的に含むことのない層であって、熱エネルギーが付
    与されると、該色素粒子と親水性バインダーとの相互作
    用により消色し、かつ常温に戻した場合も消色状態が維
    持される感熱層が、透明支持体上に形成され、該感熱層
    又は該感熱層に隣接する層内に赤外線吸収物質が含有さ
    れてなる熱消色型赤外感光性記録材料。
  2. 【請求項2】 上記色素粒子が、水に難溶性乃至不溶性
    の有機溶剤中のロイコ色素及びフェノール性顕色剤の溶
    液を、水中に乳化分散させることにより得られたもので
    ある請求項1記載の熱消色型赤外感光性記録材料。
  3. 【請求項3】 上記親水性バインダーがゼラチン又はポ
    リビニルアルコールである請求項1記載の熱消色型赤外
    感光性記録材料。
  4. 【請求項4】 上記色素粒子の平均粒径が0.01〜
    0.4μmである請求項1記載の熱消色型赤外感光性記
    録材料。
  5. 【請求項5】 上記透明支持体の上記感熱層側の表面上
    に、平均粒径が0.2μm以下の導電性金属酸化物の微
    粒子とポリマーとからなる導電性下塗層が形成されてい
    る請求項1記載の熱消色型赤外感光性記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7185975B2 (en) 2003-03-11 2007-03-06 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink detecting apparatus and ink package

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