JP2641771B2 - 保護体付光記録体 - Google Patents

保護体付光記録体

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JP2641771B2 JP1223850A JP22385089A JP2641771B2 JP 2641771 B2 JP2641771 B2 JP 2641771B2 JP 1223850 A JP1223850 A JP 1223850A JP 22385089 A JP22385089 A JP 22385089A JP 2641771 B2 JP2641771 B2 JP 2641771B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、近赤外に主波長を有する光照射により記録
を行なう光記録体に関するものである。
(従来技術) 感熱記録方式は現像・定着のいらない直接記録方式
で、操作性、保守性が優れていることからフアクシミリ
やプリンターに広く利用されている。
しかしながら、サーマルヘッドや発熱ICペンを感熱記
録紙に直接接触させて加熱記録するために、サーマルヘ
ッドや発熱ICペンに発色溶融物が付着してカス付着や、
スティッキング等のトラブルを起こし、記録障害や記録
品質を損なう問題点が在った。
特にプロッタープリンターのように記録の流れ方向に
連続して線描きする場合、カス付着のトラブルを引起こ
さずに連続印字することは、不可能であった。
又、サーマルヘッドによる画像解像度は8本/mmが中
心でこれ以上の解像度を上げることは難しいとされてい
る。
従ってカス付着、スティッキング等のトラブルを解消
し、解像度をさらに向上させる方法として光による無接
触の記録方式が提案されている。
特開昭52−68852号公報は、支持体に、ロイコ染料を
主体とする感熱記録層を塗布してなる感熱記録体におい
て、格子欠陥を持たせた金属化合物を用いる感熱記録体
が光の吸収によって加熱記録が可能であることを開示し
ている。
特開昭58−209594号公報は、0.8〜2μmの近赤外領
域に吸収波長を持つ近赤外吸収剤と感熱発色材料を少な
くとも1組以上基板上に積層する光学的記録媒体を、特
開昭58−94494号公報は、1種又は2種以上の感熱材料
と、0.7〜3μmの近赤外に最大吸収波長をもつ化合物
からなる1種又は2種以上の近赤外吸収剤とを基材上に
被覆してなる記録媒体を開示している。
これらの公報において、近赤外吸収剤と感熱発色材料
とを基板又は基材上に被覆する方法としては、それら近
赤外吸収剤と感熱発色材料とを混合して被覆するか、あ
るいは感熱発色材料層を先に基板又は基材上に被覆し、
この感熱発色材料層上に近赤外吸収剤を塗布して積層又
は被覆することを開示している。
(発明が解決しょうとする課題) 上記従来の感熱材料と光吸収剤との組み合わせからな
る光記録媒体に近赤外光を照射して得られる記録は、感
熱記録紙の分野で使用される塩基性無色染料と有機顕色
剤とによるいわゆる染料系感熱発色材料であるため、溶
剤、可塑剤、油、あるいは体脂の付着により退色あるい
は消色してしまうという弱点が見られる。
感熱記録紙の分野ではこの点を改善するため、感熱記
録層上に水溶性のバインダーにて保護層を設ける処理が
知られているが、保護層塗膜が薄くバリアー性が不完全
であって溶剤などによる消退色を完全に防止することは
できない。保護層塗膜の膜厚を厚くすると、サーマルヘ
ッドからの熱は保護層厚さの2乗に反比例してエネルギ
ーが減衰するので実際上膜厚が4ミクロン以上になると
動的に記録することが困難になる。また同時に熱拡散も
大きくなるので記録濃度や解像度が低下するうえ、記録
紙の製造過程に於て保護塗膜が乾燥し難く、作業性の点
でも不利になる。
そこで本発明は、記録濃度と解像力が高く、しかも溶
剤、可塑剤、油、あるいは体脂の付着による記録の消退
色や外部からの圧力による予期せざる発色から記録を完
全に保護することができる記録体を提供することを課題
とした。
(課題を解決するための手段) 上記課題は、近赤外領域に主波長を有するレーザー光
を照射して記録を作成する光記録体において、基材上
に、塩基性無色染料と熱により溶解して該染料を発色さ
せる有機顕色剤とからなる感熱発色材料と、近赤外光を
吸収して熱として放出する水又は有機溶剤溶解性近赤外
吸収剤及び/または水及び有機溶剤非溶解性近赤外吸収
剤とを含有する記録層を設け、該記録層の上に可視光及
び近赤外光に透明な保護体を設けることにより達成され
た。
特に、記録層の表面の記録レーザー光主波長における
反射率が15〜80%であり、又保護体表面を反射防止処理
することにより低出力の記録レーザー光で高濃度高解像
度の記録が得られ一層効果的に本発明の課題が達成され
た。
このようにして得られる本発明の保護体を有する光記
録体は情報記録紙のみならず、作図用出力紙やレーザー
ディスク媒体としても利用することができる。
サーマルヘッドによる記録の場合、このような保護体
を通して感熱発色面に供給された熱は、熱源からの距離
の2乗に反比例してエネルギーが減衰するので保護体の
厚さが4ミクロン以上になると動的に記録することが困
難になる。それに対して本発明の光記録体の場合、保護
体は記録光に対して透明であるから、集合点を感熱発色
面に合わせることによって記録光のエネルギーを減衰す
ることなく発色に利用できることを見出だした。
本発明の記録層は、塩基性無色染料(以下染料とい
う)と熱により溶解して該染料を発色させる有機顕色剤
(以下顕色剤という)とからなる感熱発色材料と、近赤
外光を吸収して熱として放出する水又は有機溶剤溶解性
近赤外吸収剤(以下溶解性近赤外吸収剤という)もしく
は水及び有機溶剤非溶解性近赤外吸収剤(以下分散性近
赤外吸収剤という)のいずれか一方あるいは両方を含む
ものである。
記録層は染料と顕色剤及び近赤外吸収剤をどの様に含
むものであっても良く、染料と顕色剤とを含む層(以下
感熱発色層という)中に近赤外吸収剤を分散もしくは溶
解させて含有させる方法、感熱発色層の上又は下に近赤
外吸収剤を含む層(以下近赤外吸収層という)を積層す
る方法、顕色剤や通常感熱記録分野で常用される熱可融
性物質中に近赤外吸収剤を予め分散させた後染料と混合
する方法が典型的な方法である。これらの方法のうち、
特開昭58−209594号公報や特開昭58−94494号公報に開
示されているような、近赤外吸収剤を感熱発色層中に直
接添加する方法は、近赤外吸収剤が染料と作用して染料
が着色したり、減感作用を示したりする可能性があるの
で、使用前に予め不都合な着色や減感作用が無いかどう
かよく検討する必要がある。
感熱発色層の下側にアンダー層として、又感熱発色層
の表面に上部層として、主として水溶性高分子からなる
層を設けることもある。これらの層により画質の向上や
光照射により発生する物質の揮散の抑制などが図れる。
また、これらのアンダー層や上部層に近赤外吸収剤を含
有させることによりきわめて高感度の光記録体を得るこ
とができる。この場合、アンダー層に分散性近赤外吸収
剤を含有させ、上部層には溶解性近赤外吸収剤を含有さ
せる方法は、廉価で吸収効率が良いが着色が強い分散性
近赤外吸収剤と、着色は少ないが高価な溶解性近赤外吸
収剤の併用方法としては好ましい方法である。
更に、このアンダー層に白色顔料を加えることは記録
光のエネルギーの有効利用の点で好ましい方法であり、
なかでも光反射性と熱保持性に優れている中空ピグメン
トの使用はきわめて好ましい。光記録体が光記録紙の場
合、光ディスクが書き込み読みだしともにレーザー光で
行なうため1ミクロン台のスポット径であるのに対し、
読み取りを肉眼で行なう必要からスポット径は10〜100
ミクロン程度の大きさが好ましく、アンダー層に白色顔
料を加えることにより記録光が顔料で反射されスポット
に適度の広がりを持たせることができるてんで特に有効
である。
近赤外吸収剤は、又記録層の上に設ける保護体を張り
合わせるときに使用する接着剤層あるいは粘着剤層の中
に含有させたり、予め近赤外吸収材料を保護体に保持
し、塗布面と感熱層とを接着剤や粘着剤などを用いるこ
となく張り合わせても良い。
本発明において、近赤外吸収剤として分散性近赤外吸
収剤を使用する場合、粉砕などにより微粉砕して用いる
ことはできるだけ光学的に均一な記録を得る上で重要で
ある。微粒化はサンドグラインダやアトライタ等公知の
微粉砕機で行い、平均粒径1ミクロン以下に微粒子化し
たものを用いることが好ましく、特に粒径の大部分が1
ミクロン以下となるように超微粒子化したものが好まし
い。
近赤外吸収剤の使用量は、光記録体の層構成と近赤外
吸収剤の含有のさせ方や使用目的により一概には決めら
れないが、何れにしても必要な記録が得られるように実
験的に決め得る。
光デスクの場合、C/N比(Carrier−to−noiseratio)
が重要な記録特性であり、C/N>50dBであれば、実用上
の感度があるとされているが、そのためには反射率が20
%以上が望ましいとされている。
それに対し、光記録体が光記録紙であり、レーザー光
照射により光記録画像を描いて肉眼で読み取る場合、記
録的読取りと異なる点が幾つかあり、重要である。即ち
記録面の着色は、機械的読取りの場合この着色は全く問
題に成らないのに対し、肉眼で読み取る場合はこの材料
自身の有する着色は肉眼的コントラストに影響をもたら
す。近赤外領域に最大吸収波長を有する近赤外吸収材料
は、可視領域にも幾分か吸収があり、一般的には近赤外
吸収能が大きいものほど肉眼で感じる着色も大きいの
で、着色の大きさ即ち反射率の大小が同じ近赤外吸収剤
を使用した場合の使用量の目安になる。
本発明者らはこの点に付いて研究を進めた結果、肉眼
的コントラストと光エネルギーに実用上の制約を設けた
とき、記録レーザー光主波長に対して記録層表面の反射
率に必要不可欠な領域がある事を見出だした。
即ち、記録を肉眼で読みとる光記録紙の場合、記録層
表面の反射率は15%〜85%の範囲にあることが好まし
い。記録層表面の反射率が15%以下では、画像濃度は十
分高いが、地色が濃いため肉眼ではコントラストが小さ
く読取りが難しくなる。また反射率が85%以上では半導
体の低出力のレーザー光では記録画像が実質的に得られ
ないが、画像濃度がきわめて低くやはり肉眼のコントラ
ストが小さく読み取ることが難しい。
本発明はこのようにして得られる記録層上に更に保護
体を設けることに特徴がある。本発明の保護体は可視光
及び近赤外光に対し実質的な意味で透明でなければなら
ない。可視光に対し透明とは、肉眼でみて無色透明とい
うばかりでなく、たとえ着色していても記録された画像
が保護体を通して読み取ることができればよい。また近
赤外光に対し透明とは、近赤外部に一切の吸収が無いと
いうばかりでなく、記録レーザー光の波長領域に対し透
明であればよく、少なくとも記録レーザー光の発振主波
長に対しては透明であればよい。記録レーザー光の波長
領域に吸収があると、記録エネルギーは保護体で消費さ
れ近赤外吸収剤により熱変換される量が減少するので好
ましくない。
保護体の厚さは上記条件が満足される限り特に限定さ
れるものではなく、使用形態や使用条件を勘案して決め
ることができる。一般的にフィルム、シートあるいはプ
レートと言われる程度のものであれば何れも使用可能
で、完全な外部環境からの保護を考えるとピンホール等
の無い均一な厚さを有する10μ以上のものが好ましく5m
m程度の厚さのプレートであっても何等支障なく用いる
ことができる。そのためこれまで知られている多くの記
録方式では不可能であった、物理的強度が優れ且つ外部
環境から協力に保護された記録体が得られる。
保護体は、記録層上にあって、記録面の保護が図れる
形態であればよく、記録面に密接していることが望まし
いが、必要ならば記録層と保護層の間に空間があっても
よい。記録面と密接させる方法としては、記録層と保護
体を接着剤や粘着剤で張り合わせる方法、ラミネートす
る方法、あるいは保護体に感熱層や近赤外吸収剤含有層
を塗布し最後に支持体を張り合わせる等の方法がある。
本発明で使用する保護体の材料は可視及び近赤外領域
が実質的に透明で、連続体を形成し得るものであればど
のような物でも使用可能であるが、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレン、EVA共重合体、アイオノマー、ポリプロピ
レン、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテ
ン樹脂、ポリメチルメタクリレート等を例示することが
できる。中でもポリエステル、ポリビニルアルコール、
ポリメチルメタクリレートが可視光及び近赤外光に対す
る光透過性の上で有利である。
更に、保護体表面に反射防止膜をコートすることによ
って記録光エネルギーを一層有効に利用することができ
ることが本発明によって確認された。
反射防止膜をコートする方法は、真空蒸着法、イオン
プレーテイング法、浸漬法の3種類が知られている。本
発明ではこれらのいずれの方法も使用することができ
る。反射防止膜を真空中で蒸着する場合、低温で蒸着す
る必要があり、イオンプレーテイング法の方が有利であ
る。蒸着材料としてはMgF2のほかにSiO2,Al2O3などが用
いられる。この処理によって10%以上光のロスを防ぐこ
とができる。
本発明の記録層を構成する材料について以下に記す。
支持体は感熱材料の発色に実質的に悪影響が無いもの
であればその材質は特に限定されず、紙、プラスチック
シート、金属薄膜、ガラスなどの無機プレート等が目的
に応じて使用される。
本発明に使用する溶融性近赤外吸収剤とは水、アルコ
ール、トルエン等の塗液に使用出来る一般的な溶媒に比
較的容易に溶解する性質を有するものであり、具体的化
合物及び商品の例としては、光記録方法に関する本願発
明者らの出願になる特願平1−176558(特開平3−4227
4号)明細書の第16〜25頁に記載されている、ポリメチ
ン系色素(シアニン色素)、アズレニウム系色素、ピリ
リウムまたはチオピリリウム系色素、、スクワリリウム
系色素、クロコニウム系色素、チオールニッケル系色
素、メルカプトフェノール、メルカプトナフトール系色
素、トリアリルメタン系色素、インモニウムまたはジイ
ンモニウム系色素、アントラキノン系色素、金属錯塩系
色素等である。
分散性近赤外吸収剤の例としては、人造黒鉛、天然黒
鉛、硫化銅、硫化鉛、三硫化モリブデン、黒色チタンな
どである。又、溶解性近赤外吸収剤であっても水あるい
は溶剤に溶解せず分散型として分散性近赤外吸収剤とし
て使用することも可能である。溶解型か分散型かは単に
一応の分類上の便利のためのものでしかない。
感熱発色材料は染料と顕色剤とからなり、感熱発色層
はこの外に所望の品質とするための各種添加剤を使用す
る。感熱発色材料となる染料と顕色剤は、感熱記録紙と
して周知の諸材料が総て使用できる。
塩基性無色染料としては、トリフェニルメタン系、フ
ルオラン系、アザフタリド系、フェノチアジン系、フェ
ノキサジン系、スピロピラン系、フルオレン系等の多数
の化合物のものが知られている。有機顕色剤として、ビ
スフェノールA、アルキルフェノール類、アリルフェノ
ール類及びその金属塩、ビスフェノールスルホン類、ヒ
ドロキシフェニルスルフィド類、ヒドロキシ安息香酸エ
ステル類及びその金属塩、、ヒドロキシフタル酸エステ
ル類、フタル酸エステル類、チオ尿素誘導体、サッカリ
ン等の特定のポリフェノール、塩化アルミニウム、変性
水化ジルコニアなどの水酸基を有する無機化合物等が知
られている。
これらの具体的化合物およびバインダー、充填材、画
像安定剤、増感剤などの添加剤の具体的化合物は、感熱
記録紙に関する総説である以下の文献に記載されてい
る。
画像電子学会誌 第4巻 第4号 1975年 第185〜194
頁、 紙パ技術タイムス 第27巻 第7号 1984年 第1〜11
頁、 紙パ技術タイムス 第27巻 第8号 1984年 第34〜41
頁、 紙パ技術タイムス 第27巻 第9号 1984年 第65〜71
頁、 紙パ技術タイムス 第28巻 第6号 1985年 第43〜50
頁、 紙パ技術タイムス 第28巻 第7号 1985年 第49〜54
頁、 紙パ技術タイムス 第28巻 第8号 1985年 第65〜70
頁、 紙パ技術タイムス 第28巻 第9号 1985年 第29〜35
頁、 紙パ技協誌 第40巻 第10号 1986年 第1〜14頁、 色材協会誌 第62巻 第5号 1986年 第18〜29頁 これら多数の化合物の内本発明に好適に使用できるも
のとしては、光記録体に関する本願発明者らの出願にな
る特願昭63−272702(特開平2−120082号)明細書第21
〜37頁以下に記載されている。
本発明の保護体付光記録体に記録するに必要な光源
は、半導体レーザー、ダイオードポンピングYAGレーザ
ー、Xeフラッシュランプ、石英製フラッシュランプ、ハ
ロゲンランプ等の700〜2500nmの近赤外領域波長の光り
を含む光源であれば使用可能であり、その使用目的に合
わせて選ぶことが出来るが、半導体レーザー、ダイオー
ドポンピングYAGレーザーが最も本発明に適した光源で
ある。
(作用) 上記の如く、近赤外領域に主たる波長を有する光を照
射して記録を作成する光記録体において、基材上に、染
料と熱により溶解して該染料を発色させる顕色剤とから
なる感熱発色材料と、近赤外吸収剤とを含有する記録層
を設け、該記録層の上に可視光及び近赤外光に透明な保
護体を設けた保護体付光記録体とすることによって、記
録光は透明な保護体を通して感熱発色層面上に集光さ
れ、近赤外吸収剤に吸収されて光エネルギーが熱変換さ
れる。その時発生した熱は、近傍に存在する感熱発色剤
を発色させる。また、十分な厚みを持ち、明かな孔が無
い保護体が感熱記録層の上にあるため、この光記録体は
使用前も使用後生じた記録も、予期せざる力あるいはガ
スや油類、溶剤類等の化学物質から保護される。
(実施例) 次に本発明の実施例を記載する。実施例中の部は重量
部である。
実施例1〜13 [発色層] (A)液(染料分散液) 表−1に示す染料 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 3.4部水 1.9部 計 7.3部 表1に示す染料の略号は次の通りである。
ODB:3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン S−205:3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン ODB−2:ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン (B)液(顕色剤分散液) 表1に示す顕色剤 6.0部 パラベンジルビフェニル 4.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 12.5部水 2.5部 計 25.0部 表1の顕色剤の略号は次に通りである。
BPA:ビスフェノールA POB:p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル (A)液、(B)液は、上記配合に従い、それぞれ別
々にテスト用サンドグラインダーで1時間湿式磨砕して
得た。
次に感熱発色層の塗液組成は、(A)液(染料分散
液)7.3部、(B)液(顕色剤分散液)25部、及び濃度2
5%のシリカ(水沢化学社製ミズカシル P−527)水分
散液25部を混合して感熱発色層塗液とした。上記塗液を
坪量60g/m2の上質紙上に、メイヤーバーを用いて塗布量
が5g/m2になるように塗布乾燥して記録シートを得る。
(光吸収層) 表1に示す溶解性近赤外吸収剤を下記組成にて湿式磨
砕した。
(C)液 溶解性近赤外吸収剤 20部 10%ポリビニルアルコール水溶液 50部水 30部 計 100部 表1の近赤外吸収剤は次の通りである。
ICIS116510は英国I.C.I社製の近赤外吸収剤の商品
名。
NK−125は日本感光色素社製の近赤外吸収剤の商品
名。
(D)液:バインダー液 10%ポリビニルアルコール水溶液 100部グオキザール(40%) 5部 計 105部 光吸収層は、(C)液に(D)液を表−1に示す反射
率になるように混合し、上記の感熱層上にメイヤバーを
もちいて塗布量が2g/m2になるように塗布乾燥して光記
録紙とした。
次にこの光記録紙の上に、表−1に示す各種のフイル
ムまたはプレート、あるいは社防止処理をしたフイルム
およびプレートを、発色層に対する悪影響が少ないPVA
系の接着剤を用いて張り合わせて、保護体付光記録体を
得た。表1において、実施例1〜7の保護体としては、
反射防止処理をしないPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムを使用した。実施例8〜13の保護体は表1
に記載した材料のフィルムあるいはプレートに次ぎのよ
うな反射防止膜を施した。
膜材を真空容器内で60℃に加熱し、アルミニウムを約
4μmの厚さに蒸着し、更にこの上にMgFを記録波長の1
/4(記録光波長が830mμの場合約0.12μ)の厚さに蒸着
して光反射防止膜とした。
このようにして得られた光記録紙に、半導体レーザー
装置(レーザダイオードコリメーターヘッドLDC−8330
−CINC;アプライド オプテック社製、中心波長830nm、
出力30mW)を使用して図1に示すように照射し光印字し
た。集光レンズ(オリンパス光学社製MDPLAN5、0.1)使
用し、照射時間は1/500秒の条件で行った。
発色画像の濃度測定は、発色スポットをマイクロデン
シトメーター(小西六写真工業社製PDM−5)を用いて
測定し、その測定値をマクベス濃度に変換した。
地色は、非画像部をマクベス濃度計で測定した。
保護体の効果を見るため、実施例および比較例の光記
録体を光照射の前後即ち記録の前後で、水及び可塑剤と
してDOP(ジオクチルフタレート)を使用して次のよう
に耐水、耐油試験をした。
蒸留水あるいはDOPを含ませた厚さ5mmで2cm角のスポ
ンジを、記録前のものは記録しようとする部分に、記録
済みのものは記録部分の表面にのせて室温で24時間放置
し、スポンジを取り除いて余分な蒸留水あるいはDOPを
拭き取った後、記録前のものは記録光を照射して画像の
発光濃度と地色を、記録後のものはその記録画像の濃度
と地色をマイクロデンシトメーターあるいはマクベス濃
度計で測定した。
比較例 1〜5 表1に示す感熱発色材料及び近赤外吸収剤を用い、感
熱発色材料は実施例と同じ配合で、近赤外吸収剤は表1
に示す反射率になるような量配合して実施例と同様な方
法で光記録紙を作成し、保護体は設けなかった。この比
較例の光記録体の光吸収層は、グリオキザールで硬化さ
れたポリビニルアルコール被膜を有しており感熱発色層
の保護層にもなっている。従って、記録体表面を湿った
指でこすっても記録層が剥離することが無い程度の耐水
性と耐摩耗性を有している。
この比較例の光記録体にたいし、実施例と同様に光照
射し、画像濃度と地色を測定した。更に、記録前後の耐
水耐油性試験を実施例と同様に行なって、発色程度及び
画像の残存程度を測定した。結果を表1に示した。
同表から明らかなように、本発明の保護体付光記録体
を、光照射前に水あるいは可塑剤を長時間接触させて
も、何等発色性能が変化しないのに対し、保護体を有し
ない比較例の光記録体は一応の保護被膜があるにも拘ら
ず実用的な濃度の発色が得られない。
この傾向は、記録後の画像の耐久性についても同様
で、保護体を有する本発明の光記録体は記録後の画像
を、水あるは可塑剤に長時間接触させても何等発色に変
化がみられないが、保護体を有しない比較例の光記録体
は、実質的に画像が消失してしまった。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の保護体を設けた光記録
体は、発色層が記録体の内部で記録されるため、不安定
な発色層が十分に保護され、使用範囲が広がり、これま
で困難であった環境でも記録及び携帯が確保され、鮮明
な画像が低出力のレーザー光で記録が得られる。
また、外部汚染に耐えるレーザー記録体を可能とする
方法を見出したことは、コンパクトで安定な出力を有す
る半導体レーザーを有効に利用することが可能となり、
ヒートモードの光記録体の実用化を進める上で好結果を
もたらした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 美幸 東京都北区王子5丁目21番1号 十條製 紙株式会社中央研究所内 (72)発明者 関根 昭夫 東京都北区王子5丁目21番1号 十條製 紙株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−14096(JP,A) 特開 昭60−162687(JP,A) 特表 昭63−501941(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】近赤外領域に主たる波長を有する光を照射
    して記録を作成する光記録体において、基材上に、塩基
    性無色染料と熱により溶解して該染料を発色させる有機
    顕色剤とからなる感熱発色材料と、近赤外光を吸収して
    熱として放出する水又は有機溶剤溶解性近赤外吸収剤及
    び/または水及び有機溶剤非溶解性近赤外吸収剤とを含
    有する記録層を設け、該記録層の上に可視光及び近赤外
    光に透明な50ミクロン以上の厚さを有する保護体を設け
    たことを特徴とする保護体付光記録体。
  2. 【請求項2】光記録層の表面の記録光主波長における反
    射率が15〜80%であることを特徴とする請求項1記載の
    保護体付光記録体。
  3. 【請求項3】保護体表面が反射防止処理されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の保護体付光記録体。
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