JP2598712B2 - レーザー光による光記録体 - Google Patents

レーザー光による光記録体

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JP2598712B2 JP2204752A JP20475290A JP2598712B2 JP 2598712 B2 JP2598712 B2 JP 2598712B2 JP 2204752 A JP2204752 A JP 2204752A JP 20475290 A JP20475290 A JP 20475290A JP 2598712 B2 JP2598712 B2 JP 2598712B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は近赤外光、特に集光したレーザー光照射によ
り記録を行う光記録体に関する。
従来技術 感熱記録方式は現像、定着のいらない直接記録方式で
操作性、保守性がすぐれていることからフアクシミリや
プリンターに広く利用されている。しかしながら、サー
マルヘッドや発熱ICペンを感熱記録紙に直接接触させて
加熱記録するために、サーマルヘッドや発熱ICペンに発
色溶融物が付着してカス付着や、スティッキング等のト
ラブルを起こし、記録障害や記録品質を損なう問題があ
った。
特に、プロッタープリンターのように記録の流れ方向
に連続して線画きする場合、カス付着のトラブルを引起
こさずに連続印字することは、不可能であった。
又、サーマルヘッドによる画像解像度は8本/mmが中
心でこれ以上の解像度を上げることは難しいとされてい
る。
したがってカス付着、スティッキング等のトラブルを
解消し、解像度をさらに向上させる方法として光による
無接触の記録方式が提案されている。
例えば、特開昭54−4142号公報には、支持体にロイコ
染料と格子欠陥を持たせた金属化合物を主体とする記録
層を塗布してなる感熱記録体は、光の吸収によって加熱
記録が可能であることが開示されている。
また、特開昭58−209594号公報には0.8〜2μmの近
赤外領域に吸収波長を持つ近赤外吸収剤と感熱発色材料
とを少くとも1組以上基板上に積層する光学的記録媒体
が、特開昭58−94494号公報には1種又は2種以上の感
熱材料と、0.7〜3μmの近赤外領域に最大吸収波長を
もつ化合物からなる1種又は2種以上の近赤外吸収剤と
を基材上に被覆してなる記録媒体が開示されている。
又、これらの公報において、近赤外吸収剤と感熱発色
材料とを基材上に被覆する方法は、それら近赤外吸収剤
と感熱発色材料とを混合して被覆するか、あるいは感熱
発色材料層を先に基板又は基材上に被覆し、この感熱発
色材料層上に近赤外吸収剤を塗布して積層又は被覆する
方法である。
そして、0.8〜2μmの近赤外領域に吸収波長を持つ
近赤外吸収剤としては、シアニン色素、チオールニッケ
ル錯体、スクアリリウム等の色素が例示されている。さ
らに、このほかの近赤外吸収剤としては「近赤外吸収色
素」(化学工業43,1986年5月)にもみられるように、
ニトロソ化合物およびその金属錯体、ポリメチン系色素
(シアニン系色素)、チオールとコバルトあるいはパラ
ジウムとの錯体、フタロシアニン系色素、トリアリルメ
タン系色素、インモニウムあるいは、ジインモニウム系
色素、ナフトキノン系色素等が知られている。
発明が解決しようとする課題 前記従来のレーザー光、特に半導体レーザー光照射に
よる記録に関する特許文献の記載においては実用上必要
な知見、例えば記録体の地色と吸収性の関係や、実施例
におけるレーザー出力等のレーザー照射条件が曖昧であ
ったり、不明瞭である。又、これら特許に開示された光
記録体は、記録前の光記録の色(地色)がかなり濃く、
普通紙の感覚からはほど遠いものであった。地色を白く
するため近赤外吸収材料の使用量を少くするか、白色度
の高い隠蔽層を設ける遠の手段をとれば、発色感度の低
いものになってしまうといった問題点があった。
そこで本発明は、地色が白く、かつ半導体レーザーの
出力程度の光強度で十分な記録濃度を得ることができる
光記録体を提供することを課題とした。
課題を解決するための手段 一般にヒートモードの光記録体の場合、近赤外吸収性
に比例して記録が容易になる。近赤外吸収性が大きい材
料は、一般的に可視部吸収があり着色している。したが
って、記録の面では、できるだけ光録レーザーの主波長
における吸収性が高いこと、すなわち反射率が小さいこ
とが望ましいが、地色のコントラストの面からは反射率
が大きい方が好ましい。しかし、従来の光記録体にあっ
ては、反射率が80%以上あるような地色が白いものは、
半導体レーザーの数十mW程度の出力では低速の記録速度
でも記録は出来ない。
即ち、記録濃度あるいは記録速度が良好なことと、地
色が白いことは相反することであり、この両者を同時に
満足する技術は、従来見出されていなかった。このよう
な状況下で、本発明者は、前記のように無色染色素材を
種々選択し、発明の目的を達するべく鋭意検討を進めた
結果、特定の塩基性無色染料を用い、基材上に、この特
定の塩基性無色染料と有機顕色剤とを含有する層を設け
た光記録体を形成すると、この光記録体は、波長780〜9
00nmの光に対して光記録対表面の反射率が95%以上と、
この波長領域ではレーザー光を実質的に吸収していない
と考えられる場合であっても、記録画像が得られるとい
う画期的な現象を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材上に、通常では近赤外吸収
性がみられないが有機顕色剤と相溶することによって近
赤外吸収性発色体を形成する塩基性無色染料と有機顕色
剤とを含有する層を設けてなるレーザー光による光記録
に関する。以下の説明において、このような性質を有す
る塩基性無色染料を近赤外吸収性塩基性無色染料と称す
る。
さらに、近赤外吸収性塩基性無色染料と有機顕色剤の
他に光増感剤として芳香族モノカルボン酸金属塩を添加
することにより、高い反射率でありながら感度の優れた
光記録紙を得ることが可能となる。更に本発明は、上記
光記録層の上に水溶性有機近赤外吸収性材料か又は3ミ
クロン以下に超微粒子化した近赤外吸収性材料かの少く
ともいずれか一方を含有する光吸収性保護層を設けた
り、また上記層の上に近赤外吸収性微小点を設けること
を特徴とするレーザー光による光記録体に関する。
本発明における通常では近赤外吸収性がみられないが
有機顕色剤と相溶することによって近赤外吸収性発色体
を形成する近赤外吸収性塩基性無色染料とは、下記に例
示するようなロイコ系無色染料を含むものであって、発
色前の状態では近赤外吸収性は全く見られず、有機顕色
剤存在下で熱エネルギーが加わるか又は溶剤によって有
機顕色剤と相溶することによって、ラクトン環が開裂し
て、発色するとともに近赤外吸収性が生じる発色体とな
るものである。
これらの中で、特にG−118、3,6,6′−トリス(ジメ
チルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3−フタリド〕等
のフルオレン系染料が本発明において最も適した近赤外
吸収性ロイコ染料である。
さらに、このような近赤外吸収性塩基性無色染料に、
従来から感熱記録の分野で知られている次のようなロイ
コ染料を混合して使用すると、より一層、優れた色調の
光記録体を得ることができる。
クリスタルバイオレットラクトン等のトリフェニルメ
タン系、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン等のフルオラン系、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド等
のアザフタリド系染料など。
本発明で使用する有機顕色剤には、ビスフェノールA
類、4−ヒドロキシ安息香酸エステル、4−ヒドロキシ
フタル酸ジエスチル類、フタル類モノエステル類、ビス
−(ヒドロキシフェニル)フェニルスルフィド類、4−
ヒドロキシフェニルアリールスルホン類、4−ヒドロキ
シフェニルアリールスルホナート類、1,3−ジ[2−
(ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン
類、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステ
ル、ビスフェノールスルホン類等がある。これらの材料
の詳細は例えば、特開昭62−187082号公報に開示されて
いる。
本発明において、光増感剤として使用する芳香族モノ
カルボン酸金属塩はそれ自体殆んど近赤外吸収性を示さ
ないものであって、具体例としては、4−クロル安息香
酸、3−クロル安息香酸、3,4−ジクロル安息香酸、4
−ブロム安息香酸、3−ブロム安息香酸、3,4−ジブロ
ム安息香酸、4−フルオロ安息香酸、3−フルオロ安息
香酸、3,4−ジフルオロ安息香酸、4−ヨード安息香
酸、3−ヨード安息香酸、3,4−ジヨード安息香酸、o
−ベンゾイル安息香酸、o−フタル酸モノベンジルエス
テル、4−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香酸、3,4
−ジニトロ安息香酸、4−ニトロ−3−メチル安息香
酸、4−ニトロ−5−メチル安息香酸、3,5−ジニトロ
安息香酸、2−ベンゾイル−4−ニトロ安息香酸、2−
ベンゾイル−3−ニトロ安息香酸、4−t−ブチル−3
−ニトロ安息香酸、4−t−ブチル−3,5−ジニトロ安
息香酸、3−ニトロ−4−メチル安息香酸、3−ニトロ
−5−メチル安息香酸、3−ニトロ−2−メチル安息香
酸、4−ニトロ−5−クロロ安息香酸、4−ニトロ−2
−クロロ安息香酸、4−ニトロ−5−クロロ安息香酸、
3−ニトロ−4−クロロ安息香酸、3−ニトロ−5−ク
ロロ安息香酸等の金属であり、金属塩としては、Ca,Zn,
Ni,Ti,Ba,Pb,Co,Fe,Cu等の多価金属が好ましく、特にC
a,Znがとりわけ高温の環境化においても地色低下が少な
く優れている。
また、基材には、紙、合成紙、不織布、織布、プラス
チックシート、金属板等が用いられる。これらは透明、
不透明、着色の有無、厚さ等は特に限定されず、目的に
合せて適宜選択される。
そして、基材上に、上記した近赤外吸収性塩基性無色
染料と有機顕色剤、及び光増感剤とを含有する光記録層
を設けるには、従来の感熱記録紙と同様に、これら無色
染料、有機顕色剤、光増感剤を単独に有機溶媒あるいは
含水有機溶媒にサンドクラインダー等を用いて分散させ
るかして溶解し両者を混合して染料とするか、あるいは
両者を別々に塗料とし、これを基材上に塗布するとよ
い。勿論、塗料調製のさいは、バインダー、白色顔料、
増酸剤、発色像安定剤あるいは記録層の滑り性やその他
の品質を調整するための品質調整剤等を適宜加えてもよ
い。バインダー、白色顔料、増感剤、発色像の安定剤あ
るいは品質調整剤の具体例は、特開昭62−187082号公報
はじめ多くの公知の感熱記録紙に関する文献に記載され
ているものが使用できる。
光記録層中に従来公知の近赤外吸収剤を加えることは
可能である。従来公知の近赤外吸収材料の多くは、塩基
性無色染料と有機顕色剤との発色に際しては減感作用を
及ぼすので多量に同時に使用することは出来なかった
が、本発明においては、最初の熱交換のための光吸収性
の拠点となれば良いので、少量の使用量で十分でるか
ら、減感作用や近赤外吸収剤による地色の悪化を心配す
ることなく使用できる。
さらに、記録速度向上のため光吸収の拠点を設ける方
法が幾つか考えられる。1つは、光記録層上に、全面に
光吸収性保護層を設ける方法である。光吸収性保護層
は、光吸収の拠点になるレベルの反射率であればよく、
その意味から光記録体の表面がレーザー光最大波長にお
ける反射率が50%以上あればよく、90%という高反射率
であっても有効である。この結果、これまでの近赤外吸
収性材料の使用量を大幅に少くすることができ、前記し
た光記録層を保護すると同時に、減感作用を一層心配す
ることなく最初の光熱変換効率を高めることができる。
光吸収性保護層は、水溶性有機近赤外吸収性材料かまた
は湿式あるいは乾式法で3ミクロン以下に磨砕して超微
粒子化した近赤外吸収性材料かの少くともいずれかの一
方を保護膜形成性バインダー中に分散させ、前記した近
赤外吸収性塩基染料と有機顕色剤とを含有する層と同様
の方法で作成することができる。
さらに光吸収の拠点になる近赤外吸収性微小点を、光
記録層上に印刷等で作製しておくことは極めて好ましい
方法である。その場合、ドット面積は0.1〜50%が望ま
しく、特に1〜30%が好ましい。また1インチ当りのラ
イン数は100〜500が良いが、特に50〜200が好ましい。
このようにすると、近赤外吸収性材料の使用量をさらに
大幅に減少することができるから減感作用と地色着色が
ない高速記録可能な、光記録体を得ることができる。
本発明における水溶性有機近赤外吸収材料は、水、ア
ルコール、トルエン等の溶媒に5%以上溶解することが
望ましく、ICI社製の近赤外吸収剤S101756、S116510、S
116510/2、S109186、S109564、S109564/2等も使用でき
る。その中でも水に溶解性のあるS116510、S109564やア
ルコール溶解性のあるS116510/2が有利である。
また3ミクロン以下に超微粒子化する近赤外吸収性材
料は、ほとんどの近赤外吸収剤が該当する。この近赤外
吸収剤としては、0.7〜3mμの近赤外領域に吸収を持つ
ものであればよく、従来公知の、特開昭54−4142号、特
開昭58−209594号、特開昭58−94494号公報に開示され
ている、シアニン色素、チオールニッケル錯体、スクア
リリウム色素を始め、「近赤外吸収色素」(化学工業4
3.1986年5月号)にあるニトロソ化合物およびその金属
錯体、ポリメチン系色素(シアニン系色素)、チオール
とコバルトあるいはパラジウムとの錯体、フタロシアニ
ン系色素、トリアリルメタン系色素、インモニウムある
いはジインモニウム系色素、ナフトキノン系色素、ある
いは本発明者らが見いだし、特願平1−27186号明細書
特開平2−206583号公報に記載した、1,3−ジフェニル
チオウレアや1,3−ジベンジルチオウレア等のチオ尿素
誘導体と周期律表のIA属及びII A属を除く原子量40以上
の金属の有機塩酸、アルコラートあるいは水酸化物とを
混合加熱処理して得られる処理生成物、あるいは分散性
近赤外吸収剤を使用した光記録体に関する本発明者らの
出願になる特開平2−80486号に記載されている硫化銅
や黒鉛などの分散性近赤外吸収剤などがある。
光吸収剤は、その極大吸収波長と記録光の主波長と一
致あるいは近接しているものが熱交換効率及び発生する
て熱量の点で好ましい。肉眼で判読するのに適した記録
を得ることからすれば、光吸収剤の極大吸収波長、及び
記録光源の主波長は可視部以外にあることが好ましい。
本発明における光記録に必要な光源としては、半導体
レーザー、ダイオードポンピングYAGレーザー等のレー
ザーや石英製フラッシュランプ、ハロゲンランプ等の70
0〜2500nmの近赤外領域波長の光を含む光源であればい
ずも使用可能であり、その使用目的に合せてそのいずれ
かを選択することができる。
そして光強度は、熱により発色する物質を充分発色さ
せるに足る熱量を発生できる程度が必要であるが、この
ような光強度が、小型の簡便な装置で得られるとともに
その光の集光が容易であって、かつその光が安全である
ものが好ましい。この点からすれば、近赤外領域に主波
長を有する半導体レーザー光が現時点で最も好ましいも
のである。しかも、レーザー光を集光レンズによって集
光して用いることが最も望ましい。
作 用 本発明において基材上に近赤外吸収性塩基性無色染料
と有機顕色剤とを主成分として含有する層を設けたレー
ザー光記録体が、レーザー光最大波長に対して反射率85
%以上であっても記録面にレーザー光照射によりヒート
モード記録層が鮮明に発色する機構は必ずしも明らかで
はないが、反射率が高く、反射する光が多くても近赤外
吸収性塩基染料に光蓄積性があるので、レーザーの光エ
ネルギー、特に集光レンズによって集光された光エネル
ギーが光蓄積され、ついで熱交換され、この時に発生し
た熱が近赤外吸収性塩基性無色染料と有機顕色剤とを効
果的に溶融し、近赤外吸収性発色体を生成するものと思
われる。いったん近赤外吸収性発色体が生成すると、そ
れを起点として周囲の近赤外吸収性は極度に高まり、熱
交換され易くなり、その結果、近赤外吸収性塩基性無色
染料と有機顕色剤とが順次溶融され、近赤外吸収性発色
体が加速的に生成され、鮮明な発色が得られるものと考
える。近赤外吸収性塩基性無色染料は、発色前は実質的
に無色であるから、有機顕色剤とともに存在してもこれ
らが相溶して反応する迄は地色が白く、発色後はそれだ
け優れたコントラストの光記録体を得ることができる。
そして、光吸収性保護層中に、水溶性有機近赤外吸収
材料か又は3ミクロン以下に超微粒子化した近赤外吸収
材料の少くともいずれか一方を含有せしめることによ
り、光源の光を広範囲に吸収して効率よく熱交換できる
から、記録開始及び記録速度を向上させることができ
る。
さらに、光記録層上に近赤外吸収性微小点を設ける
と、まず微小点で近赤外光を熱交換し、その熱エネルギ
ーによって微小点付近が発色する。その発色生成物は近
赤外吸収性となるから、効果的に発色と吸収が連動する
ことになり、連続して高速での光印字が可能となる。
本発明によれば、光記録は発色前は実質的に無色であ
るが、生成した発色体は近赤外吸収性を有するので、光
吸収保護体あるいは光吸収性微小点に使用する近赤外吸
収材料は、最初の光熱交換を効率化すれば良い。このた
め使用量を大幅に制限することができるからこれまで安
定性は優れているものの着色が強すぎたため使用を断念
した光吸収剤を使用することができるはかりでなく、こ
れまで見られなかった外観の優れた光記録体を得ること
ができる。
例えば全面塗布あるいは印刷で1.21の濃度を示す着色
材料の場合、同じ着色材料を使用してドット面10%、ラ
イン数100で印刷すると、濃度は0.16になり着色材料使
用量は1/10で白さは7.5倍白くなる。
したがって、全面塗布及び印刷で0.3程度の濃度を示
す近赤外吸収材料をドット面積30%程度の光吸収性微小
点として印刷すると、肉眼的にはほとんど白紙と分別で
きないものが得られる。従って光吸収剤として近赤外吸
収剤材料をドット面積率30%程度に印刷した上に、記録
像をつくると画像コントラストの優れた光記録体が得ら
れる。
実施例 次に本発明の実施例を記載する。実施例中の部は重量
部である。
実施例1 〔発色層〕 (A) 液(無色染料分散液) G−118(前出近赤外吸収性無色染料) 2.0 部 10%ポリビニルアルコール水溶液 3.4 部 水 1.27部 計 6.67部 (B) 液(顕色剤分散液) ビスフェノールA 6.0 部 P−ベンジルビフェニル 4.0 部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10.0 部 水 5.0 部 計 25.0 部 (A)液、(B)液は、上記配合に従い、それぞれ別
々にテスト用サンドグラインダーで1時間湿式磨砕して
得た。
(A)液(無色染料分散液)6.67部、(B)液(顕色
剤分散液)25部に濃度25%のシリカ(ミズカシルP−52
7、水沢化学社製)分散液25部を混合して光記録層塗液
を得た。
上記塗液を坪量60g/m2の上質紙上に、メイヤーバーを
用いて塗布量が5g/m2になるように塗布乾燥して光記録
シートを得た。又このシートは830nmにおける近赤外吸
収性はほとんどなく、反射率は95%であった。
得られた光記録シートに下記組成の近赤外吸収材料を
含まない保護層塗液を4g/m2塗布乾燥した。
(C)液:保護層塗液 10%ポリビニルアルコール水溶液 100部 グリオキザール(40%) 5部 計 105部 次に、上記保護層を有する記録シート上に下記組成の
グラビアインクを使用して面積比率15%、188本/イン
チの印刷を行い、近赤外吸収性微小点を印刷した光記録
シートを作成したところ、830nmにおける反射率は85%
であった。
S109564(ICI社製近赤外吸収剤) 7部 炭酸カルシウム 10部 石灰ロジン 10部 石油樹脂 10部 トルエン 53部 計 90部 このようにして得られた多数の近赤外吸収性微小点を
有する光記録体に、半導体レーザー装置(レーザダイオ
ードコリメーターヘッドLDC−8330−CINI;アプライド
オプテック社製、中心波長830nm、出力30mW)を使用し
て第1図に示すように照射し光印字した。
すなわち、レーザダイオードコリメーターヘッド
(1)から発生するレーザー光をシャッター(2)を通
し、集光レンズ群(3)によって集光して、この集光さ
れたレーザー光を光記録紙に照射した。なお、図中
(5)は電源を示す。
集光レンズは、オリンパス光学社製MDPLAN 5、(開
口数0.1)を使用し、照射時の記録移動速度は1.5mm/秒
の条件で行った。発色ラインをデンシトメーター(小西
六写真工業社製PDM−5)を用いて測定し、その測定値
をマクベス濃度に変換した。その結果、印刷された光吸
収性微小点を起点としてすみやかな記録がおこなわれ、
濃度1.36でしかも地色0.08の優れたコントラストの緑色
画像が得られた。
実施例2 実施例1で使用したICI社製の近赤外吸収剤S109564の
代わりに、ナフトールグリーンBを使用して下記の組成
の水溶性印刷インクを作成し、実施例1と同様にして光
吸収性微小点をグラビア印刷し、830nmにおける反射率8
7%の光記録シートを得た。
ナフトールグリーンB(近赤外吸収剤) 36部 10%ポリビニルアルコール水溶液 128部 IPA 30部 水 96部 クレー 9部 計 299部 実施例1と同様の条件でレーザー照射条件したとこ
ろ、印刷された光吸収性微小点を起点としてすみやかに
発色し、濃度1.36でしかも地色0.11の優れたコントラス
トの緑色画像が得られた。
比較例1 実施例1において近赤外吸収性塩基性無色染料G−11
8の代わりに、近赤外吸収性のない通常のロイコ染料ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(ODB)を使用して実施例1と同様の方法で地色0.07の
光記録シートを得た。
実施例1と同様のレーザー照射条件では、全く発色せ
ず、黒色画像が得られなかった。
比較例2 実施例1で使用した近赤外吸収性塩基性無色染料G−
118の代わりに、近赤外吸収性のない通常のロイコ染料
クリスタルバイオレットラクトン(CVL)を使用して実
施例1と同様の方法で地色0.07の光記録シートを得た。
実例1と同様のレーザー照射条件では、全く発色せ
ず、画像が得られなかった。
実施例1及び2の保護層を設けた記録体は、画像濃
度、地色ともに保護層を設けない場合とほぼ同等であ
り、さらに湿った指等で光記録紙表面をこすっても記録
層が剥離することがなく、耐水性、耐摩耗性にも優れた
ものであった。
比較例3 比較例1で得た光記録シートの光記録層上に、下記組
成の光吸収性保護層塗液を4g/m2塗布乾燥して、比較例
3の光記録体を作成した。
ナフトールグリーンB 20部 10%ポリビニルアルコール水溶液 50部 水 30部 計 100部 この記録シートの830nmにおける反射率は32%であっ
たが、地色は0.45とかなり濃く着色しており、普通紙の
感覚からはほど遠いものであった。実施例1と同様の条
件でレーザー光を照射したところ、記録濃度は1.15と若
干うすい発色しか得られなかった。
比較例4 比較例1の光記録層塗液に、下記組成の光増感剤分散
液を加えて、比較例1と同様に塗布乾燥し、比較例4の
光記録体を得た。
p−ニトロ安息香酸亜鉛 4.5部 10%ポリビニルアルコール水溶液 7.5部 水 3.0部 計 15.0部 このシートの830nmにおける反射率は95%、地色は0.0
8であり、実施例1と同様の条件でレーザー光を照射し
たところ、記録は全く得られなかった。
発明の効果 以上説明したように、本発明の光記録体は、近赤外
光、特に半導体レーザーの近赤外光を照射することによ
って画像をダイレクトに得ることができる。
特に、本発明では通常では近赤外吸収性がみられない
が有機顕色剤と相溶することによって近赤外吸収性発色
体を形成する近赤外吸収性塩基性無色染料と有機顕色剤
とを含有する光記録層を基材上に設けたので、光吸収の
ために特別の色素や、近赤外吸収剤を使用する必要がな
く、出力30mW程度の低出力のレーザー光でも鮮明に発色
し、地色が格段に優れている光記録体を得ることができ
る。更にこの光記録層中に、実質的に近赤外吸収を有し
ない芳香族カルボン酸金属塩を含有させることにより、
極めて熱交換効率のよい光記録体を得ることができる。
又、該層上に、水溶性有機近赤外吸収材料かまたは3ミ
クロン以下に超微粒子化した近赤外吸収材料かの少くと
もいずれか一方を含有する光吸収性保護層を設けること
によって記録層を保護するとともに光吸収性を高め、20
mm/sec以上の高速記録又はさらに低出力のレーザー光で
も鮮明な画像を得ることができる。
さらにまた、該層上に、近赤外吸収性微小点を設ける
ことによって、低出力のレーザー光でも鮮明な画像を得
ることができるとともに近赤外吸収剤の使用量を大巾に
節減することができ、地色が一層優れた光記録体を得る
ことができる。
本発明は、基本的には近赤外吸収剤無添加でも、記録
可能な光記録体を見出したもので、コンパクトで安定な
出力を有する半導体レーザーを有効に利用することが可
能となり、ヒートモードの光記録体の実用化を進める上
で好結果をもたらしたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のレーザー光記録体を使用して光記録
を行う記録装置の1実施例の概略図を示す。 1はレーザーダイオードコリメーターヘッド、2はシャ
ッター、3は集光レンズ群、4は光記録紙、5は電源を
それぞれ示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−246279(JP,A) 特開 昭58−209594(JP,A) 特開 昭57−14096(JP,A) 特公 平1−15397(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、通常では近赤外吸収性がみられ
    ないが有機顕色剤と相溶することによって近赤外吸収性
    発色体を形成する塩基性無色染料と有機顕色剤とを含有
    する層を設け、さらに該層上に近赤外吸収性微小点を設
    けたことを特徴とするレーザー光による光記録体。
  2. 【請求項2】該層上に保護層を設け、その上に近赤外吸
    収性微小点を設けたことを特徴とする請求項1の光記録
    体。
  3. 【請求項3】光記録体の表面に700〜2500nmの近赤外領
    域内の波長を有するレーザー光を照射したとき、該レー
    ザー光に対する反射率が75%以上であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の光記録体。
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JPS63246279A (ja) * 1987-03-31 1988-10-13 Yamada Chem Co Ltd 感熱記録材料
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