JP3164314B2 - 抜染伸縮性布帛およびその製造方法 - Google Patents

抜染伸縮性布帛およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル繊維とポリ
ウレタン弾性糸からなる抜染プリントした伸縮性布帛に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリエステル布帛の抜染プリン
トは捺染技術の一つとして良く知られている。直接捺染
法に較べて色の深みがあるのが特長であり根強い人気が
ある。従来のポリウレタン弾性糸は高温高圧(特に12
0℃以上)での染色が不可能であったので、ポリエステ
ル繊維と共用し抜染プリントの地染染色が不可能であっ
た。また、従来のポリウレタン弾性糸は分散染料に対し
ては良く染まるが、染色した弾性糸は水ケンロー度が悪
く実用に供することができなかった(新染色講座8浸染
共立出版P263)。また抜染プリントでは、地色の
抜色および差し色の固着、並びに還元洗浄工程等で、強
度のアルカリ処理等を必要とするが、これらの薬剤処理
に耐えられるポリウレタン弾性糸は従来存在せず、実質
上ポリエステル繊維とポリウレタン弾性糸からなる伸縮
性布帛の抜染プリント品は存在しなかった。本発明者等
はポリウレタン弾性糸とポリエステル繊維との交編織品
の抜染プリントを検討した結果、本発明に到達したもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル繊維とポリウレタン弾性糸からなる洗濯ケンロ
ー度に優れる抜染プリントした伸縮性布帛を提供せんと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】ポリエステル繊維と下記
式(A):
【化3】 で示される構造単位をソフトセグメントに有するポリウ
レタンから構成されるポリウレタン弾性糸からなり抜染
プリントされた伸縮性布帛において、地染部分のポリエ
ステル繊維とポリウレタン弾性糸は同系色の分散染料で
染色されており、抜染部分のポリエステル繊維とポリウ
レタン弾性糸は地染部分とは異なる同系色の分散染料で
染色されており、かつ得られる伸縮性布帛の洗濯ケンロ
ー度が3級以上であることを特徴とする抜染伸縮性布帛
である。
【0005】また本発明は、ポリエステル繊維と下記式
(A):
【化4】 で示される構造単位をソフトセグメントに有するポリウ
レタンから構成されるポリウレタン弾性糸を製編織した
伸縮性布帛を、抜染性分散染料を使用し100℃〜13
5℃の染浴温度で染色し(地染)、乾燥後続いて不抜性
分散染料を含む還元抜染糊あるいはアルカリ抜染糊を布
帛上に塗布し、スチーミング温度120℃〜190℃で
地色の抜色と不抜性染料の固着を行うことを特徴とする
抜染伸縮性布帛の製造方法である。
【0006】ポリエステル繊維としては、例えばポリエ
チレンテレフタレートからなり公知の重合法で得られる
物が挙げられ、添加剤として通常使用される艶消し剤や
静電剤等を含んでいてもよい。また本発明の目的を損な
わない範囲においてポリエチレンテレフタレートに他の
成分を共重合しても良い。また本発明の目的を損なわな
い範囲において、ポリエステル繊維に他の繊維を混繊し
ても良い(例えばナイロン、綿との混繊糸)、また他の
ポリマーとの混合繊維でも良い(例えばナイロンとの分
割糸)。また更に生産方法にこだわるものでもなく、ポ
リエステル延伸糸、紡糸直接延伸糸あるいはこれらを仮
燃加工した糸等を使用できる。この時特公昭59−24
233号広報に記載の如くアルカリ減量によりミクロク
レーターを生成する糸を使用すると発色性(色の深み)
の良い織編物が得られる。単繊維繊度は風合上5dr以
下が好ましい。ポリウレタン弾性糸はそのまま裸糸とし
て使用しても良いし、被覆弾性糸として使用しても良
い。ポリウレタン弾性糸:ポリエステル繊維は1:2〜
1:30で被覆糸とされることが好ましい。
【0007】次に本発明に使用するポリウレタン弾性糸
について述べる。本発明に言う弾性糸とは、常温におけ
る伸度が200%以上であってしかも100%伸長時の
瞬間弾性回復率が80%以上である糸である。本発明に
用いられるポリウレタン弾性糸を構成するポリウレタン
として下記式(A)で示される構造単位をソフトセグメ
ントに有するポリウレタンを用いることにより高温染色
に耐えるアルカリ等の耐薬品性に優れるポリウレタン弾
性糸となり、分散染料で抜染プリントした際、洗濯ケン
ロー度が3級以上の伸縮性布帛となし得る。
【0008】
【化5】
【0009】本発明に用いられる弾性糸を構成するポリ
ウレタンの重合に用いられる高分子ジオールは上記構造
式(A)を繰り返し単位として有しており、数平均分子
量は1000〜3500が好ましい。上記構造単位中R
1としては、−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2
CH2−や−CH2−CH(CH3)−(CH26−等が
ある。上記構造単位中R1を与える化合物としては、3
−メチル−1,5ペンタンジオール(MPD)や2−メ
チル−1,8−オクタンジオール(MOD)が挙げられ
る。上記構造単位中R2としては、芳香族、脂肪族、脂
環族等の2価の有機基が挙げられる。R2を与える化合
物としてはジカルボン酸が挙げられ、中でも炭素数6〜
12の脂肪族または芳香族ジカルボン酸が好ましい。具
体的にはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸が挙げ
られる。
【0010】本発明で使用されるポリエステルジオール
は、従来公知の方法により製造できる。製造の際にMP
DやMODに必要に応じて1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオール(ND)、1,10−デカンジ
オール等の炭素数6〜10の直鎖のアルキレン基を与え
るジオールを混合しても良い。
【0011】本発明において使用される弾性糸を構成す
るポリウレタンの合成に用いられる適当な有機ジイソシ
アネートとしては、当業界で公知の分子量500以下の
脂肪族、脂環族もしくは芳香族の有機ジイソシアネート
が挙げられ、好適な具体例として4,4−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)が挙げられる。また本
発明において使用される鎖伸長剤としてはポリウレタン
業界における常用の連鎖成長剤、すなわちイソシアネー
トと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有する分子
量400以下の低分子化合物、例えば、1,4−ブタン
ジオール(BD)、1,4−ビス(2−ヒドロキシエト
キシ)ベンゼンが挙げられる。
【0012】ポリウレタンは一般に高分子ジオール、有
機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を重合することによ
り得られ、その構造は(a)高分子ジオールから分子両
末端の水酸基中の2個の水素原子が除かれた形の2価の
構造単位(ソフトセグメント)、(b)有機ジイソシア
ネートに由来する
【0013】
【化6】
【0014】で示される2〜4価の構造単位、(c)低
分子化合物(鎖伸長剤)分子のイソシアネートと反応し
得る2個の水素原子が除かれた形の2価の構造単位より
なり、ここで核(a)の構造単位は(b)の構造単位と
ウレタン結合を形成して結合しており、また、(b)の
構造単位の一部は他の(b)の構造単位とアロハネート
結合を形成している場合があるものと考えられる。これ
らのポリウレタンから得られる本発明に使用のポリウレ
タン弾性糸は、ポリエステル染色に必要な120℃以上
の高温高圧染色が可能であることは言うまでもない。
【0015】織編法は当業界における常法により行う。
組織も特に限定するものではないが、編組織としてはパ
ワーネット、メッシュ、チュール、パイル、サテン、ト
リコットレース、、及びジャガード(以上経編)、リバ
ーシブル天竺、スムース、モック、パイル、ベロア、メ
ッシュ、及びジャガード(以上丸編)等があり、織組織
としてはサテン、平織、ツイル、二重織等がある。布帛
の目付としては20〜600g/m2が抜染性の点で好
ましい。織編物中におけるポリウレタン弾性糸は3%以
上用いられることが実用的である。
【0016】次に抜染プリントについて述べる。抜染プ
リントには、第一錫系やスルフィン系等の還元剤を含む
糊剤(還元抜染糊)で地色染料を還元分解し抜色すると
同時に還元剤に対して安定な染料で差し色する還元剤抜
染法と炭酸ソーダや炭酸カリ等のアルカリ可溶化剤を含
む糊剤(アルカリ抜染糊)で地色染料を可溶性Na塩や
K塩とし抜色すると同時にアルカリと熱に対して安定な
染料で差し色するアルカリ抜染法がある。
【0017】本発明では、ポリエステル繊維とポリウレ
タン弾性糸からなる布帛の地染は抜染性(可抜性)分散
染料で染色する。分散染料を使用するのは、ポリエステ
ル繊維の染色およびポリウレタン弾性糸の双方を染色す
るためであり、とりわけポリウレタン弾性糸に対し染料
の中で最も染着性が良く(ポリエステル繊維との共用に
おいて)、しかも理由は明らかではないが、染色ケンロ
ー度に優れるためである。この地染によってポリエステ
ル繊維およびポリウレタン弾性糸の双方を同系色に染色
することは、目むき防止のために必要である。また布帛
の(特にポリウレタン弾性糸の)耐光ケンロー度を向上
する効果も有する。なお本発明で染色されているとは、
少なくとも糸が分散染料を0.01重量%以上含有して
いることを言う。
【0018】本発明に言う異なる色と同系色を説明す
る。本発明でいうポリエステル繊維とポリウレタン弾性
糸が同系色であるとはCIE1976L*a*b*表色
系表示によるポリエステル繊維のL*、a*、b*およ
びポリウレタン弾性糸のL*、a*、b*の差ΔL*、
Δa*、Δb*による次式ΔE*が20以下であること
を言う。
【0019】
【化7】
【0020】また本発明に言う地色と異なる差し色(抜
染部分の色)とは地染部分のポリエステル部分と抜染部
分のポリエステル部分の色相が異なることを言う(色相
環を10区分した黄色、黄赤色、赤色、赤紫色、紫色、
青紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色で判別又は白、
黒、灰色で判別)。
【0021】地染に際しては、抜染性(可抜性)良好な
染料を選択することが肝要である。例えば還元剤抜染法
にて抜染プリントする場合の抜染性分散染料としては、
分散染料構造中にアゾ基を有するアゾ系(含むチアゾー
ルアゾ系、キノンアゾ系)分散染料を用いる。この時、
仕上げにおいて染色ケンロー度に問題の無い染料をセレ
クトすることは言う迄も無い。また抜染糊中の不抜性分
散染料としては、還元剤の併用で色相変化等のないキノ
ン系、キノフタロン系等の分散染料が適している。地染
の染色温度はケンロー度の点から100℃以上の高温高
圧染めが好ましい。135℃を越えると伸縮性が極端に
落ちたり、ポリウレタン弾性糸の抜色が悪い場合があ
る。安定した染着性のためには、還元防止剤としてメタ
ニトロベンゼンスルフォン酸ソーダや塩素酸ソーダまた
は、これらを併用して1〜10g/1を用いることが効
果的である。
【0022】地染後乾燥し、続いて不抜性分散染料を含
む抜染糊を布帛上に塗布し、地色の抜色および差し色の
固着を行う。抜染糊の調合は常法により行う。例えば還
元剤抜染法の場合は、キノン系不抜性分散染料、分散剤
(タモール系)、還元剤、酸吸収剤、金属イオン封鎖
剤、抜染促進剤、湿潤剤、温湯(約40℃)、糊剤ペー
スト等を含む抜染糊をスクリーン等を使用して印捺・塗
布すれば良い。アルカリ抜染法の場合はアルカリ不抜性
分散染料、分散剤(タモール系)、アルカリ、可溶化促
進剤、抜染向上剤、濃染化剤、温湯(約40℃)、糊剤
ペースト等を含む抜染糊をスクリーン等を使用して印捺
・塗布すれば良い。地色の抜色および差し色の固着は、
抜染糊を印捺塗布後のスチーミングにより行う。スチー
ミングには高圧飽和蒸気を用いる方法(以下HPスチー
ミング)と過熱蒸気を用いる方法(以下HTスチーミン
グ)があり、双方共使用できるが経済性およびポリウレ
タン弾性糸の損傷が少ない点でHTスチーミングが望ま
しい。HPスチーミングの場合は温度120〜135℃
×時間10〜40分、HTスチーミングの場合は温度1
50〜190℃×時間1〜10分で処理すれば良い。こ
れらの温度未満では、地色の抜色が不良であったり、差
し色の発色不良やケンロー度不良となる。またこれらの
温度を越えると伸縮性が極度に低下することがある。引
き続き十分な水洗、湯洗を行い、次いで還元洗浄を実施
する。還元洗浄は、使用染料本来のケンロー度を確保す
るために重要である。還元洗浄は次の条件が好ましい。 ハイドロサルファイト 2〜4g/1 苛性ソーダ(固型) 2〜4g/1 活性剤 1〜2g/1 温度 70〜80℃ 時間 1〜20分 浴比 1:20〜30 還元洗浄後の水洗、乾燥等は常法により行う。以下実施
例により本発明をさらに説明する。なおΔE*の測定は
次の測定システムにより得た。サンプル:染色後の伸縮
性布帛よりポリウレタン弾性糸と他繊維を解舒し、糸に
ついて測定(n=5 荷重:ポリウレタン弾性糸は1/
100g/dr他繊維は1/10/g/dr) 測定システム:SICOMUC 20((株)住化分析
センター製) マクベス分光光度計(光源 D65) 極微小・裏透モード使用 幅2mm×長さ20mmのスリットを使用
【0023】
【実施例】
実施例1 MPDとアゼライン酸で合成された分子量2000のポ
リエステルとBDとからなり30℃に過熱された混合物
と、50℃に加熱溶解したMDIとをポリエステル/M
DI/BDの使用モル比が1/3.15/2となる量で
二軸スクリュー押し出し機に仕込み溶融重合をおこなっ
た。生成したポリウレタン(PU)をストランド状で水
中へ連続的に押し出し、次いでペレタイザーでペレット
に成型した。このペレットを80℃10時間真空乾燥
し、単軸押し出し機の紡糸機で紡糸温度230℃、紡糸
速度500m/分で紡糸(ストレート油剤使用)し、4
0dr−2fのポリウレタン弾性糸を得た。この糸は強
度1.2g/d,伸度480%,20℃での100%伸
長時の瞬間弾性回復率は93%であった。
【0024】このポリウレタン弾性糸とポリエステル延
伸糸、ブライトT型断面50dr/36fを表糸として
共に次の条件でトリコット機で編み、生機を得た。 整経ドラフト:1.5倍 組織:ハーフ フロント:ポリエステル延伸糸 バック:ポリウレタン弾性糸 機上コース:60コース/インチ 幅:410cm この生機を精練・リラックス後170℃でプレセット
し、次いで次の条件で地染した。 染色機:液流染色機 抜染性分散染料:Kayalon Polyester
Blue BD−Sconc(日本火薬社製)
・・・2%owf 分散助剤:Disper TL(明成化学工業製)・・
・1g/1 PH調整剤:酢酸ソーダ ・・・1g/1 酢酸 ・・・0.25g/1 PH5に調整 還元防止剤:メタニトロベンゼンスルフォン酸ソーダ ・・・5g/1 浴比:1:30 温度:40℃から30分かけ120℃に昇温し、120
℃でさらに30分維持した。ついで70℃まで徐冷し1
0分間湯洗い後、30分間水洗した。
【0025】次いで160℃×45秒でファイナルセッ
トした。引き続きこの生地に次の条件で調合した還元抜
染剤を700メッシュのスクリーンを使用し花柄で2回
印捺・塗布した。 不抜性分散染料:Kayalon Polyester Red Viloe t FBL 30部 温水:40℃ 200部 分散剤:Disper TL(明成化学工業製) 30部 金属イオン封鎖剤:クレワットN(帝国化学社製) 2部 還元剤:塩化第1錫 150部 酸吸引剤:ジシアンジアミド 30部 尿素 20部 湿潤剤:カラーファインADS(第一工業製薬社製) 100部 糊剤ペースト:ファインガムNo.70(第一工業製薬社製) 438部 1000部 印捺・塗布後60℃で10分間乾燥し、続いてHTスチ
ーミングを170℃×8分の条件で実施した。スチーミ
ング後水洗、湯洗い(40℃)し続いて次の条件で還元
洗浄した。 ハイドロサルファイト: 2g/1 苛性ソーダ(固型) 2g/1 活性剤:サンモールRC700(日華化学社製) 1
g/1 温度 75℃ 時間 5分 浴比 1:30 還元洗浄後は常法により、湯洗い(40℃)、水洗し
た。水洗後仕上げセットを、ピンテンター(160℃×
45秒)で実施した生地の密度は次の通りであった。 仕上げ密度:100コース/インチ 仕上げ幅:180cm この仕上げ生地の伸度は経190%、緯100%(各
2.0Kg/5cm荷重時)であった。またこの生地の
50%伸長時の回復率は経、緯共に90%であった。ま
たこの生地の染色性について観察したところ、地染部の
ポリウレタン弾性糸とポリエステル繊維は共に同系色
(青色)であり(ΔEは6.0)、差し色部について
も、ポリエステル単位とポリウレタン弾性糸は同系色
(赤紫色)であり(ΔEは8.2)ポリウレタン弾性糸
が濃染されていた。またこの生地の洗濯ケンロー度(J
IS L−0844A2)は、4−5級(綿汚染、変退
色共)と良好な結果であった。
【0026】実施例2 実施例1において、地染染料をKayalon Pol
yester BlueGreen GD−S con
c(日本化薬社製)3%owfとする以外は同条件で地
染した。地染後同条件でヒートセットした生地に、次の
条件で調合したアルカリ抜染糊を印捺・塗布した。 不抜性分散染料:Kayalon Polyester Red Viloe t FBL 30部 温水:40℃ 200部 アルカリ:炭酸ソーダ 30部 炭酸カリ 30部 可溶化促進剤:カラーファインADS(第一工業製薬社製) 100部 抜染向上剤:レドール Cパウダー 40部 濃染化剤:IPサーモスA(一方社油脂社製) 80部 糊剤ペースト:ニッカガムMA−44(日華化学社製) 490部 1000部 印捺・塗布後60℃で10分間乾燥し、続いてHTスチ
ーミングを180℃×8分の条件で実施した。その後実
施例1と同様に仕上げした。この生地について実施例1
と同様の評価を実施した結果は、次の通りであった。 仕上げ密度:100コース/インチ 仕上げ幅:180cm 伸度:経190%、緯100%(各2.0Kg/5cm
荷重時) 生地の50%伸長時の回復率:経90%、緯89% またこの生地の染色性について観察したところ、地染部
のポリウレタン弾性糸とポリエステル繊維は共に同系色
(青緑色)であり(ΔEは5.8)、差し色部について
もポリエステル繊維とポリウレタン弾性糸は同系色(赤
紫色)であり(ΔEは8.2)ポリウレタン弾性糸が濃
染されていた。またこの生地の洗濯ケンロー度(JIS
L−0844A2)は、4−5級(綿汚染、変退色
共)と良好な結果であった。
【0027】比較例1 実施例1において、ポリウレタン弾性糸を市販のエステ
ル系ポリウレタン弾性糸40drとする以外は実施例1
と同条件で地染した。この生地のポリウレタン弾性糸は
染色中に断糸した。
【0028】比較例2 実施例1において、ポリウレタン弾性糸を市販のエーテ
ル系ポリウレタン弾性糸40drとする以外は実施例1
と同条件で地染し、引き続き抜染プリントした。還元洗
浄でポリウレタン弾性糸の脱色と変色があり、洗濯ケン
ロー度を測定すると2級であった。
【0029】
【発明の効果】本発明は、ポリウレタン弾性糸とポリス
テル繊維からなる伸縮性布帛の抜染プリントを可能にし
た。抜染プリントは直接プリントに比し、色の深みに優
れており、水着、レオタード、スキー、サイクルウエア
ー、カジュアルウエアー、ゴルフウエアー他一般アウタ
ーウエアーや椅子張り等ファッション性の要求される伸
縮布帛用途で期待できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 5/13 D01F 6/70 D04B 21/18 D06P 1/16 - 1/20 D06P 3/24 - 3/87 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維と下記式(A): 【化1】 で示される構造単位をソフトセグメントに有するポリウ
    レタンから構成されるポリウレタン弾性糸からなり抜染
    プリントされた伸縮性布帛において、地染部分のポリエ
    ステル繊維およびポリウレタン弾性糸は同系色の分散染
    料で染色されており、抜染部分のポリエステル繊維とポ
    リウレタン弾性糸は地染部分とは異なる同系色の分散染
    料で染色されており、かつ得られる伸縮性布帛の洗濯ケ
    ンロー度が3級以上であることを特徴とする抜染伸縮性
    布帛。 【化1】
  2. 【請求項2】 ポリエステル繊維と下記式(A): 【化2】 で示される構造単位をソフトセグメントに有するポリウ
    レタンから構成されるポリウレタン弾性糸を製編織した
    伸縮性布帛を、抜染性分散染料を使用し100℃〜13
    5℃の染浴温度で染色し(地染)、乾燥後続いて不抜性
    分散染料を含む還元抜染糊あるいはアルカリ抜染糊を布
    帛上に塗布し、スチーミング温度120℃〜190℃で
    地色の抜色と不抜性染料の固着を行うことを特徴とする
    抜染伸縮性布帛の製造方法。 【化2】
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