JP3161268B2 - 射出圧縮成形金型 - Google Patents
射出圧縮成形金型Info
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- JP3161268B2 JP3161268B2 JP02570095A JP2570095A JP3161268B2 JP 3161268 B2 JP3161268 B2 JP 3161268B2 JP 02570095 A JP02570095 A JP 02570095A JP 2570095 A JP2570095 A JP 2570095A JP 3161268 B2 JP3161268 B2 JP 3161268B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cavity
- resin
- mold
- injection compression
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビティ内に射出さ
れた樹脂を加圧圧縮する射出圧縮成形金型に関するもの
である。
れた樹脂を加圧圧縮する射出圧縮成形金型に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ゲートからの溶融樹脂の流動距離が不均
一である場合や、成形品の厚さが変化する場合に、キャ
ビティ内の溶融樹脂の流れが一様とならないことに起因
して、ゲートから流動先端に向かうキャビティ内の圧力
勾配が不均一となり、キャビティ内の樹脂の密度分布が
不均一となる。このような場合には、成形品に収縮が発
生し、品質が低下してしまう不都合があった。
一である場合や、成形品の厚さが変化する場合に、キャ
ビティ内の溶融樹脂の流れが一様とならないことに起因
して、ゲートから流動先端に向かうキャビティ内の圧力
勾配が不均一となり、キャビティ内の樹脂の密度分布が
不均一となる。このような場合には、成形品に収縮が発
生し、品質が低下してしまう不都合があった。
【0003】かかる不都合を回避するために、最終成形
品に比べて厚肉状態に形成したキャビティ内に溶融樹脂
を射出するとともに、キャビティの容積を縮小させるこ
とによって射出された樹脂を一様に加圧圧縮する射出圧
縮成形方法が従来より採用されている。この射出圧縮成
形方法によれば、溶融樹脂が流動する際におけるキャビ
ティの容積を大きく確保しておくことができるので、同
一流動距離であっても必要な射出圧が少なくて済み、圧
力勾配を小さくすることができる。また、キャビティ内
に充填された樹脂の加圧圧縮により、比容積の低下およ
び分子配向の均一化等を図ることができるという利点が
ある。
品に比べて厚肉状態に形成したキャビティ内に溶融樹脂
を射出するとともに、キャビティの容積を縮小させるこ
とによって射出された樹脂を一様に加圧圧縮する射出圧
縮成形方法が従来より採用されている。この射出圧縮成
形方法によれば、溶融樹脂が流動する際におけるキャビ
ティの容積を大きく確保しておくことができるので、同
一流動距離であっても必要な射出圧が少なくて済み、圧
力勾配を小さくすることができる。また、キャビティ内
に充填された樹脂の加圧圧縮により、比容積の低下およ
び分子配向の均一化等を図ることができるという利点が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる射出
圧縮成形方法では、予め大きく形成されたキャビティ内
に樹脂を充填する際に、キャビティ内全体に溶融樹脂を
行き渡らせる必要があるが、射出圧が少しでも変動して
大きくなると、必要以上の樹脂がキャビティ内に充填さ
せられることになる。この場合に、キャビティ内の樹脂
の圧縮が実施されると、キャビティを最終成形品の厚さ
寸法まで完全に圧縮することが困難になり、しかも、こ
の圧縮力によって型開きが生じて、型のすき間から溶融
樹脂が流出し、バリ等が発生する不都合が考えられる。
その一方、上述した充填過多を回避するため、射出圧を
小さく設定することとすると、樹脂の充填不足を生じる
ことが考えられる。
圧縮成形方法では、予め大きく形成されたキャビティ内
に樹脂を充填する際に、キャビティ内全体に溶融樹脂を
行き渡らせる必要があるが、射出圧が少しでも変動して
大きくなると、必要以上の樹脂がキャビティ内に充填さ
せられることになる。この場合に、キャビティ内の樹脂
の圧縮が実施されると、キャビティを最終成形品の厚さ
寸法まで完全に圧縮することが困難になり、しかも、こ
の圧縮力によって型開きが生じて、型のすき間から溶融
樹脂が流出し、バリ等が発生する不都合が考えられる。
その一方、上述した充填過多を回避するため、射出圧を
小さく設定することとすると、樹脂の充填不足を生じる
ことが考えられる。
【0005】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、キャビティ内への樹脂の過充填を回避し
て、バリの発生を防止するとともに、均一な圧力勾配に
よって収縮が少なく高品質の成形品を製造することがで
きる射出圧縮成形金型を提供することを目的としてい
る。
ものであって、キャビティ内への樹脂の過充填を回避し
て、バリの発生を防止するとともに、均一な圧力勾配に
よって収縮が少なく高品質の成形品を製造することがで
きる射出圧縮成形金型を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、固定型との間にキャビティを形成する可
動型に、キャビティの内面の一部を構成し型締方向に移
動可能に配されるコア金型と、該コア金型をキャビティ
に向けて押圧する加圧手段とが設けられるとともに、前
記コア金型に、前記キャビティに充填される樹脂の圧力
より小さい付勢力により、該コア金型をキャビティに向
けて付勢する付勢手段が設けられている射出圧縮成形金
型を提案している。
に、本発明は、固定型との間にキャビティを形成する可
動型に、キャビティの内面の一部を構成し型締方向に移
動可能に配されるコア金型と、該コア金型をキャビティ
に向けて押圧する加圧手段とが設けられるとともに、前
記コア金型に、前記キャビティに充填される樹脂の圧力
より小さい付勢力により、該コア金型をキャビティに向
けて付勢する付勢手段が設けられている射出圧縮成形金
型を提案している。
【0007】
【作用】本発明に係る射出圧縮成形金型によれば、可動
型が固定型に密接させられることにより、両金型間にキ
ャビティが形成される。このキャビティの内面を構成し
ているコア金型は、型締方向に移動可能に配されている
とともに、付勢手段によってキャビティに向けて付勢さ
れているので、充填前の状態では、キャビティはその内
容積が最も小さくなるように形成されている。
型が固定型に密接させられることにより、両金型間にキ
ャビティが形成される。このキャビティの内面を構成し
ているコア金型は、型締方向に移動可能に配されている
とともに、付勢手段によってキャビティに向けて付勢さ
れているので、充填前の状態では、キャビティはその内
容積が最も小さくなるように形成されている。
【0008】この状態で、溶融樹脂が射出されると、樹
脂は、小さく形成されたキャビティ内全体に行き渡るよ
うに充填される。そして、キャビティ内部の樹脂圧力が
上昇させられると、コア金型が付勢力に抗して固定型側
に押し戻され、キャビティの内容積が増大させられる。
これにより、キャビティを予め大きく形成していた従来
の場合と同様にして、キャビティ内における樹脂の圧力
勾配の増大が抑制されるとともに、キャビティ内全体に
樹脂が確実に行き渡らせられることになる。
脂は、小さく形成されたキャビティ内全体に行き渡るよ
うに充填される。そして、キャビティ内部の樹脂圧力が
上昇させられると、コア金型が付勢力に抗して固定型側
に押し戻され、キャビティの内容積が増大させられる。
これにより、キャビティを予め大きく形成していた従来
の場合と同様にして、キャビティ内における樹脂の圧力
勾配の増大が抑制されるとともに、キャビティ内全体に
樹脂が確実に行き渡らせられることになる。
【0009】そして、その後に加圧手段を作動させて、
コア金型をキャビティ側に押圧すると、キャビティの内
容積が縮小してキャビティ内の樹脂が加圧圧縮される。
これにより、樹脂の比容積の低下および分子配向の均一
化が図られることになり、高品質の成形品を製造するこ
とが可能となる。
コア金型をキャビティ側に押圧すると、キャビティの内
容積が縮小してキャビティ内の樹脂が加圧圧縮される。
これにより、樹脂の比容積の低下および分子配向の均一
化が図られることになり、高品質の成形品を製造するこ
とが可能となる。
【0010】この場合に、キャビティ内に充填すべき樹
脂量を最も小さいキャビティの内容積から最も大きいキ
ャビティの内容積までの範囲内において調整することが
可能となる。すなわち、樹脂量がこの範囲内に調整され
ていれば、過充填によるバリの発生および充填不足の両
方を確実に防止することが可能であるから、樹脂圧の変
動幅を大きく確保し得て、均質な成形品をより確実に成
形することが可能となる。
脂量を最も小さいキャビティの内容積から最も大きいキ
ャビティの内容積までの範囲内において調整することが
可能となる。すなわち、樹脂量がこの範囲内に調整され
ていれば、過充填によるバリの発生および充填不足の両
方を確実に防止することが可能であるから、樹脂圧の変
動幅を大きく確保し得て、均質な成形品をより確実に成
形することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る射出圧縮成形金型の一実
施例について、図1および図2を参照して説明する。本
実施例に係る成形金型1は、例えば、光ディスク用の成
形金型1であって、図1に示すように、射出成形機(図
示略)取り付けられて、該射出成形機の作動により相互
に接離させられる固定型2と可動型3とを具備してい
る。該固定型2と可動型3との間には、型締めされた状
態で光ディスクを成形するためのキャビティ4が形成さ
れるようになっている。
施例について、図1および図2を参照して説明する。本
実施例に係る成形金型1は、例えば、光ディスク用の成
形金型1であって、図1に示すように、射出成形機(図
示略)取り付けられて、該射出成形機の作動により相互
に接離させられる固定型2と可動型3とを具備してい
る。該固定型2と可動型3との間には、型締めされた状
態で光ディスクを成形するためのキャビティ4が形成さ
れるようになっている。
【0012】前記固定型2は、射出成形機の固定側取付
板(図示略)に固定される金型であって、各キャビティ
4に溶融樹脂を射出するノズル5が設けられている。ま
た、固定型2には、各キャビティ4の一内面を形成する
こととなる表面に情報を記録した原版としてのスタンパ
6の外周を固定するリング状のスタンパ押え7と、スタ
ンパ6の内周を固定する取付スリーブ8とが設けられて
いる。
板(図示略)に固定される金型であって、各キャビティ
4に溶融樹脂を射出するノズル5が設けられている。ま
た、固定型2には、各キャビティ4の一内面を形成する
こととなる表面に情報を記録した原版としてのスタンパ
6の外周を固定するリング状のスタンパ押え7と、スタ
ンパ6の内周を固定する取付スリーブ8とが設けられて
いる。
【0013】これらスタンパ押え7および取付スリーブ
8によって、スタンパ6が情報を記録した表面をキャビ
ティ4内に向けて取り付けられるようになっている。固
定型2の下面は、キャビティ4の上内面を構成するよう
になっている。
8によって、スタンパ6が情報を記録した表面をキャビ
ティ4内に向けて取り付けられるようになっている。固
定型2の下面は、キャビティ4の上内面を構成するよう
になっている。
【0014】前記可動型3は、射出成形機の可動側取付
板9に固定される金型であって、該可動側取付板9に固
定される枠体10と、該枠体10の内周側に型開き方向
に移動可能に設けられるコア金型11と、該コア金型1
1を可動側取付板9に対して型締方向に変位させ得る加
圧手段12とを具備している。
板9に固定される金型であって、該可動側取付板9に固
定される枠体10と、該枠体10の内周側に型開き方向
に移動可能に設けられるコア金型11と、該コア金型1
1を可動側取付板9に対して型締方向に変位させ得る加
圧手段12とを具備している。
【0015】前記コア金型11は、枠体10内に、例え
ば、ボールベアリング13によって型締方向に移動自在
に支持されているとともに、枠体に固定されキャビティ
4の外周面を決定するリング部材14に摺動可能に嵌合
されている。また、コア金型11は、可動側取付板9と
の間に配されるコイルスプリング15(付勢手段)によ
って常にキャビティ4方向に付勢されている。このコイ
ルスプリング15は、例えば、キャビティ4内に充填さ
れる樹脂の設定樹脂圧力よりも若干小さい付勢力により
コア金型11を付勢するものが選定されている。
ば、ボールベアリング13によって型締方向に移動自在
に支持されているとともに、枠体に固定されキャビティ
4の外周面を決定するリング部材14に摺動可能に嵌合
されている。また、コア金型11は、可動側取付板9と
の間に配されるコイルスプリング15(付勢手段)によ
って常にキャビティ4方向に付勢されている。このコイ
ルスプリング15は、例えば、キャビティ4内に充填さ
れる樹脂の設定樹脂圧力よりも若干小さい付勢力により
コア金型11を付勢するものが選定されている。
【0016】また、前記加圧手段12は、射出成形機か
らの油圧によって作動させられる油圧シリンダよりな
り、キャビティ4内に樹脂が充填された状態で、あるい
は、樹脂が充填されつつ作動させられることにより、キ
ャビティ4内の樹脂を加圧圧縮するように、コア金型1
1をキャビティ4側に向けて前進させるようになってい
る。
らの油圧によって作動させられる油圧シリンダよりな
り、キャビティ4内に樹脂が充填された状態で、あるい
は、樹脂が充填されつつ作動させられることにより、キ
ャビティ4内の樹脂を加圧圧縮するように、コア金型1
1をキャビティ4側に向けて前進させるようになってい
る。
【0017】このように構成された本実施例に係る射出
圧縮成形金型1の作用について以下に説明する。まず、
固定型2に対して可動型3が近接させられて両金型2・
3が密接させられると、両者間に光ディスクを成形する
ためのキャビティ4が形成される。この場合に、コア金
型11は、コイルスプリング15によってキャビティ4
側に付勢されているので、キャビティ4の内容積が最も
小さくなる位置(図2に実線で示す位置)まで前進させ
られている。
圧縮成形金型1の作用について以下に説明する。まず、
固定型2に対して可動型3が近接させられて両金型2・
3が密接させられると、両者間に光ディスクを成形する
ためのキャビティ4が形成される。この場合に、コア金
型11は、コイルスプリング15によってキャビティ4
側に付勢されているので、キャビティ4の内容積が最も
小さくなる位置(図2に実線で示す位置)まで前進させ
られている。
【0018】次いで、このように形成されたキャビティ
4内に溶融樹脂が充填されると、樹脂は、小さく形成さ
れたキャビティ4の全体に行き渡るようにキャビティ4
内を流動させられる。この過程においては、樹脂はキャ
ビティ4内に完全に充填されていないので、その樹脂圧
力が低く保持されており、コア金型11も前進状態に保
持される。すなわち、キャビティ4内に樹脂が完全に充
填されるまでは、コア金型11はコイルスプリング15
の付勢力によって前進状態、つまり、キャビティ4の内
容積を最も小さくする位置に付勢されている。
4内に溶融樹脂が充填されると、樹脂は、小さく形成さ
れたキャビティ4の全体に行き渡るようにキャビティ4
内を流動させられる。この過程においては、樹脂はキャ
ビティ4内に完全に充填されていないので、その樹脂圧
力が低く保持されており、コア金型11も前進状態に保
持される。すなわち、キャビティ4内に樹脂が完全に充
填されるまでは、コア金型11はコイルスプリング15
の付勢力によって前進状態、つまり、キャビティ4の内
容積を最も小さくする位置に付勢されている。
【0019】そして、キャビティ4内に樹脂が完全に充
填された状態から、さらに充填が続行されることによっ
て、キャビティ4内の樹脂圧力が上昇し、コア金型11
は、コイルスプリング15の付勢力に抗して、図2に鎖
線で示すように後退方向に押し戻されることになる。す
なわち、コア金型11は、キャビティ4内の圧力上昇に
伴って、樹脂圧力が設定樹脂圧力よりも過大になること
を回避するように後退させられる。これにより、キャビ
ティ4が押し広げられて溶融樹脂の流動抵抗が低減さ
れ、キャビティ4内の圧力勾配を大きくすることなく樹
脂が充填されることになる。
填された状態から、さらに充填が続行されることによっ
て、キャビティ4内の樹脂圧力が上昇し、コア金型11
は、コイルスプリング15の付勢力に抗して、図2に鎖
線で示すように後退方向に押し戻されることになる。す
なわち、コア金型11は、キャビティ4内の圧力上昇に
伴って、樹脂圧力が設定樹脂圧力よりも過大になること
を回避するように後退させられる。これにより、キャビ
ティ4が押し広げられて溶融樹脂の流動抵抗が低減さ
れ、キャビティ4内の圧力勾配を大きくすることなく樹
脂が充填されることになる。
【0020】その後、加圧手段12が作動させられる
と、コア金型11が変位させられてキャビティ4の内容
積が縮小させられ、キャビティ4内の樹脂が加圧圧縮さ
れることになる。これにより、樹脂の比容積が低下させ
られるとともに、分子配向の均一化が図られることにな
る。また、キャビティ4内の樹脂圧力が上昇させられる
と、スタンパ6からの情報の転写率も向上させられるこ
とになる。
と、コア金型11が変位させられてキャビティ4の内容
積が縮小させられ、キャビティ4内の樹脂が加圧圧縮さ
れることになる。これにより、樹脂の比容積が低下させ
られるとともに、分子配向の均一化が図られることにな
る。また、キャビティ4内の樹脂圧力が上昇させられる
と、スタンパ6からの情報の転写率も向上させられるこ
とになる。
【0021】この場合において、本実施例に係る射出圧
縮成形金型1によれば、キャビティ4の内部全体に行き
渡るように樹脂を充填した状態でコア金型11を変位さ
せてキャビティ4の内容積を拡大していくので、キャビ
ティ4内に充填すべき樹脂量に、コア金型11の変位に
よって増減させられる容積分の調整幅を付与することが
できる。すなわち、コイルスプリング15の付勢力によ
って前進させられているコア金型11がその付勢力に抗
して押し戻される状態においてキャビティ4内への樹脂
の充填を停止する樹脂量の範囲内に調整することが可能
であり、この場合には、充填不足および過充填を確実に
防止することができる。
縮成形金型1によれば、キャビティ4の内部全体に行き
渡るように樹脂を充填した状態でコア金型11を変位さ
せてキャビティ4の内容積を拡大していくので、キャビ
ティ4内に充填すべき樹脂量に、コア金型11の変位に
よって増減させられる容積分の調整幅を付与することが
できる。すなわち、コイルスプリング15の付勢力によ
って前進させられているコア金型11がその付勢力に抗
して押し戻される状態においてキャビティ4内への樹脂
の充填を停止する樹脂量の範囲内に調整することが可能
であり、この場合には、充填不足および過充填を確実に
防止することができる。
【0022】言い換えれば、従来、内容積を最大限に拡
大された状態のキャビティ4内に樹脂を充填していく場
合には、完全に充填した状態から過充填となるまでの樹
脂量の調整幅がきわめて小さかったために、過充填ある
いは充填不足となりやすかったが、本実施例では、この
調整幅を大きく確保することができるので、不良品の発
生を確実に回避することができる。
大された状態のキャビティ4内に樹脂を充填していく場
合には、完全に充填した状態から過充填となるまでの樹
脂量の調整幅がきわめて小さかったために、過充填ある
いは充填不足となりやすかったが、本実施例では、この
調整幅を大きく確保することができるので、不良品の発
生を確実に回避することができる。
【0023】したがって、樹脂量過多による圧縮時の型
開きを回避して、成形品にバリが発生することを防止す
ることができる。また、樹脂量不足による比容積の増
大、スタンパ6からの転写率の低下による成形品として
の光ディスクの品質の低下を確実に防止することができ
る。
開きを回避して、成形品にバリが発生することを防止す
ることができる。また、樹脂量不足による比容積の増
大、スタンパ6からの転写率の低下による成形品として
の光ディスクの品質の低下を確実に防止することができ
る。
【0024】さらに、本実施例に係る射出圧縮成形金型
1によれば、成形終了後に固定型2に対して可動型3が
後退させられて型開きが実施されると、コア金型11
は、枠体10の後退に拘らず、コイルスプリング15の
付勢力によって前進する方向に付勢され、キャビティ4
内に成形された成形品から離間しないように保持される
ことになる。
1によれば、成形終了後に固定型2に対して可動型3が
後退させられて型開きが実施されると、コア金型11
は、枠体10の後退に拘らず、コイルスプリング15の
付勢力によって前進する方向に付勢され、キャビティ4
内に成形された成形品から離間しないように保持される
ことになる。
【0025】この時点では、成形品は収縮が完了してい
ないため、成形品外周が枠状部材14の内周に密着して
いる状態である。したがって、ここでコア金型11が後
退してしまうと内周部のみが後退方向に引っ張られて成
形品にソリが発生してしまうことになるが、本実施例に
よれば、コア金型11が後退しないので、この理由によ
るそりの発生が回避されることになる。また、キャビテ
ィ4内の樹脂圧力は、適正な値に維持されるので、スタ
ンパ6の破損等の不具合の発生をも回避することができ
る。
ないため、成形品外周が枠状部材14の内周に密着して
いる状態である。したがって、ここでコア金型11が後
退してしまうと内周部のみが後退方向に引っ張られて成
形品にソリが発生してしまうことになるが、本実施例に
よれば、コア金型11が後退しないので、この理由によ
るそりの発生が回避されることになる。また、キャビテ
ィ4内の樹脂圧力は、適正な値に維持されるので、スタ
ンパ6の破損等の不具合の発生をも回避することができ
る。
【0026】なお、本実施例においては、コア金型11
をキャビティ4に向けて付勢する付勢手段として、コイ
ルスプリング15を採用することとしたが、これに限定
されるものではなく、樹脂圧力によってコア金型11を
後退させる程度の付勢力を発生する皿バネあるいはエア
シリンダ等を採用することができる。また、本実施例で
は、射出圧縮成形金型1を光ディスクの成形金型として
適用することとしたが、これに代えて、他の任意の成形
品を成形する成形金型に適用することとしてよい。
をキャビティ4に向けて付勢する付勢手段として、コイ
ルスプリング15を採用することとしたが、これに限定
されるものではなく、樹脂圧力によってコア金型11を
後退させる程度の付勢力を発生する皿バネあるいはエア
シリンダ等を採用することができる。また、本実施例で
は、射出圧縮成形金型1を光ディスクの成形金型として
適用することとしたが、これに代えて、他の任意の成形
品を成形する成形金型に適用することとしてよい。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る射出
圧縮成形金型は、固定型との間にキャビティを形成する
可動型に、キャビティの内面の一部を構成し型締方向に
移動可能に配されるコア金型とそのコア金型をキャビテ
ィに向けて押圧する加圧手段とを設けるとともに、コア
金型に、キャビティに充填される樹脂の圧力より小さい
付勢力により、そのコア金型をキャビティに向けて付勢
する付勢手段を設けているので、キャビティ内に樹脂が
射出される際には、キャビティ内に樹脂が完全に充填さ
れた状態でキャビティの内容積が拡大されることにな
り、キャビティ内における樹脂の圧力勾配を抑制して収
縮等の不都合を回避するとともに、充填不足となること
を確実に防止することができるという効果を奏する。
圧縮成形金型は、固定型との間にキャビティを形成する
可動型に、キャビティの内面の一部を構成し型締方向に
移動可能に配されるコア金型とそのコア金型をキャビテ
ィに向けて押圧する加圧手段とを設けるとともに、コア
金型に、キャビティに充填される樹脂の圧力より小さい
付勢力により、そのコア金型をキャビティに向けて付勢
する付勢手段を設けているので、キャビティ内に樹脂が
射出される際には、キャビティ内に樹脂が完全に充填さ
れた状態でキャビティの内容積が拡大されることにな
り、キャビティ内における樹脂の圧力勾配を抑制して収
縮等の不都合を回避するとともに、充填不足となること
を確実に防止することができるという効果を奏する。
【図1】本発明に係る射出圧縮成形金型の一実施例を示
す縦断面図である。
す縦断面図である。
【図2】図1の射出圧縮成形金型において、キャビティ
内に樹脂が充填される場合のコア金型の動作を説明する
ための縦断面図である。
内に樹脂が充填される場合のコア金型の動作を説明する
ための縦断面図である。
1 射出圧縮成形金型 2 固定型 3 可動型 4 キャビティ 11 コア金型 12 加圧手段 15 コイルスプリング(付勢手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−124072(JP,A) 特開 平5−305412(JP,A) 特開 昭52−56158(JP,A) 特開 昭58−12739(JP,A) 特開 昭62−60623(JP,A) 特開 昭63−62711(JP,A) 特開 昭63−179722(JP,A) 特開 平6−270208(JP,A) 特開 平6−304735(JP,A) 実開 昭59−153213(JP,U) 実開 昭63−191013(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44 B29C 45/56
Claims (1)
- 【請求項1】 固定型との間にキャビティを形成する可
動型に、キャビティの内面の一部を構成し型締方向に移
動可能に配されるコア金型と、該コア金型をキャビティ
に向けて押圧する加圧手段とが設けられるとともに、 前記コア金型に、前記キャビティに充填される樹脂の圧
力より小さい付勢力により、該コア金型をキャビティに
向けて付勢する付勢手段が設けられていることを特徴と
する射出圧縮成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02570095A JP3161268B2 (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | 射出圧縮成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02570095A JP3161268B2 (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | 射出圧縮成形金型 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08216190A JPH08216190A (ja) | 1996-08-27 |
JP3161268B2 true JP3161268B2 (ja) | 2001-04-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3161268B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111688119B (zh) * | 2020-05-14 | 2022-02-18 | 佛山市晫尔模具有限公司 | 一种注塑模具结构 |
-
1995
- 1995-02-14 JP JP02570095A patent/JP3161268B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08216190A (ja) | 1996-08-27 |
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