JP3159614B2 - クロロアルキルアミン塩酸塩の製造法 - Google Patents

クロロアルキルアミン塩酸塩の製造法

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JP3159614B2 JP29277494A JP29277494A JP3159614B2 JP 3159614 B2 JP3159614 B2 JP 3159614B2 JP 29277494 A JP29277494 A JP 29277494A JP 29277494 A JP29277494 A JP 29277494A JP 3159614 B2 JP3159614 B2 JP 3159614B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクロロアルキルアミン塩
酸塩の製造法に関するものである。更に詳しくはアルカ
ノールアミン塩酸塩を加圧下に塩化水素ガスで塩素化す
るクロロアルキルアミン塩酸塩の改良された製造法を提
供するものである。
【0002】
【従来の技術】クロロアルキルアミン塩酸塩はアミノア
ルキル化剤として農薬、医薬、染料、顔料等各種工業薬
品の中間体や高分子化合物の原料として、極めて有用な
物質である。このクロロアルキルアミン塩酸塩の製造方
法としては、次のような方法が知られている。
【0003】アルカノールアミン類に塩酸あるいは塩
化水素ガスを反応させ、アルカノールアミン塩酸塩とし
た後、これをクロロホルム等の有機溶媒の存在下、塩化
チオニルを用いて塩素化する方法。〔J.Am.Che
m.Soc.,63, 3124 (1941) 等〕
【0004】アルカノールアミン類に塩酸あるいは塩
化水素ガスを反応させ、アルカノールアミン塩酸塩とし
た後、塩化水素ガスを導入して、生成する水を除去しな
がら塩素化する方法。〔特開昭56−133247号
等〕
【0005】アルカノールアミン類に塩化水素ガスを
導入して、160℃の高温で一段で塩素化反応を行う方
法。〔Chem.Abst.,52,10867n
(1958)〕
【0006】アルカノールアミン類の40〜80重量
%の水溶液を塩酸としての濃度が40〜70重量%とな
るに足る塩化水素及び、少量の硫酸と40気圧の加圧
下、150〜180℃で反応させる方法。〔Ger.,
1,110,167号〕
【0007】アルカノールアミン類に塩酸あるいは塩
化水素ガスを反応させ、アルカノールアミン塩酸塩とし
た後、塩化水素ガスを導入して、20kg/cm2G以
下の圧力で塩素化反応を行い、途中、反応で生成する水
を除去し、更に、20kg/cm2G以下の圧力で塩素
化反応を行う方法。〔特開昭57−176933 号、
特開昭63−22545号等〕
【0008】しかしながら、これらの反応においてはそ
れぞれに次の様な欠点を有している。即ち、方法で
は、塩化チオニルは高価で、かつ、取扱いに難点があ
り、しかも、副生物として発生する有毒ガスの二酸化イ
オウを廃棄するために処理設備を必要とする等、工業的
に有利な方法とは言えない。
【0009】方法〜の塩素化剤は安価な塩化水素ガ
スであり、方法に比べて工業的に有利である。一般に
アルカノールアミン類を塩酸あるいは塩化水素ガスで塩
素化してクロロアルキルアミン塩酸塩を製造する反応
は、下式で表される平衡反応であることが知られてい
る。この反応は反応によって等モルの水が発生し、その
生成する水で反応後半にアルカノールアミン塩酸塩の転
化率が上がらない。そのため、塩素化反応の過程で該反
応系内から生成する水を留去するか、あるいは、高い塩
酸圧力下で反応を行う必要がある。
【0010】方法の塩素化反応は常圧で反応を行うた
め、反応速度が非常に遅く、また、クロロアルキルアミ
ン塩酸塩の融点が高く、塩素化反応後期の該反応系内中
の水分が非常に少ない状態では、反応混合物が凝固する
などのトラブルが生じやすい。
【0011】方法、はクロロアルキルアミン塩酸塩
を一段で製造できる利点があるが、高温、高圧で塩素化
反応を行わなければならず、工業的に製造するために
は、反応器等の設備面に問題があるばかりでなく、原料
及び生成物の熱分解を起こす問題点もある。
【0012】方法は上記及びの改良法として、よ
り低圧下で塩素化反応を行っている。特開昭57−17
6933号ではアルカノールアミン塩酸塩を20kg/
cm 2G以下の反応圧力で塩素化反応を行い、アルカノ
ールアミン塩酸塩が40モル%以上転化した時点で、該
反応系内に実質的に水が含有されていない状態とし、そ
の後、更に塩素化を行っている。この方法の反応で、生
成する水を系外に留去する工程において、100℃以下
の温度で該反応系内に実質的に水が含有されていない状
態とするには、減圧度を高めなくてはならず、設備面で
問題がある。更に、該反応系内に実質的に水が含有され
ていない状態のため、反応混合物が凝固し易くなり、脱
水操作中に反応混合物が凝固するなどの製造面でトラブ
ルを生じ易い。また、特開昭63−22545では、3
〜7kg/cm2Gの反応圧力で塩素化反応を行い、ア
ルカノールアミン塩酸塩が97モル%以上転化した時点
で、水を2重量%になるまで除去し、更に塩素化を行っ
ている。しかしながらこの方法では、反応で生成する水
のため、アルカノールアミン塩酸塩の転化率を1回の塩
素化反応で97モル%以上にするには、塩素化反応を4
kg/cm2G以上の塩酸圧力下で行う必要があり、且
つ、反応温度を塩素化途中で下げるなど、操作が煩雑と
いう欠点を有している。
【0013】この反応は塩酸系となるため、反応器の材
質はグラスライニング材等の耐食性の材質でなければな
らない。上記特開昭57−176933号、特開昭63
−22545号等の方法において、3〜7kg/cm2
Gの反応圧力では反応器の材質としてグラスライニング
材の使用が可能であるが、安全にクロロアルキルアミン
塩酸塩の製造を行うにおいて、反応器等の設備面の維持
管理に特に注意を払わなければならない。そのため、更
に低い塩酸圧力下での塩素化反応が望まれている。
【0014】本発明者らはアルカノールアミン類の塩酸
塩に塩化水素ガスを導入してクロロアルキルアミン塩酸
塩を製造する方法を追試した結果、一般式(3)で表さ
れるオキシビス(アルキルアミン)2塩酸塩
【0015】
【化3】 (式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素
原子または低級アルキル基を表し、nは2〜4の整数を
意味する。)が副生物として塩素化反応中に生成するこ
と、及び一般式(3)で表される副生物の塩酸による加
水分解速度がアルカノールアミン類の塩酸塩の塩素化反
応に比べて、非常に遅いことがわかった。
【0016】一般式(3)で表される副生物の生成量が
多いと、クロロアルキルアミン塩酸塩の収率低下や純度
低下を引き起こすばかりでなく、各種工業薬品の中間体
として、塩素化反応終了後に精製することなくクロロア
ルキルアミン塩酸塩を使用する場合において、一般式
(3)で表される副生物がその品質に悪影響を及ぼすこ
ともある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】アルカノールアミン類
を塩化水素ガスにて塩素化し、相当するクロロアルキル
アミン塩酸塩を製造する方法において、設備面、及び製
造上の安全性の点から、低い塩酸圧力下での塩素化反応
を行うことが望ましい。一方において、低い塩酸圧力下
での塩素化反応では、一般式(3)で表される副生物の
生成量が多く、クロロアルキルアミン塩酸塩の収率低下
や純度低下を引き起こす。
【0018】本発明が解決しようとする課題は、アルカ
ノールアミン塩酸塩を塩化水素ガスで塩素化し、相当す
るクロロアルキルアミン塩酸塩を製造する方法におい
て、低い塩酸圧力下で塩素化反応を行い、且つ、一般式
(3)で表される副生物の生成を抑制し、高純度のクロ
ロアルキルアミン塩酸塩を効率的に製造する方法を提供
することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
(3)で表される副生物の各種条件下での生成量を調べ
た結果、図1に示しているように、1)温度が高い程、
一般式(3)で表される副生物は生成し易く、温度が低
い程、例えば110℃以下の場合にはその生成量は抑制
されていること、2)アルカノールアミン塩酸塩とクロ
ロアルキルアミン塩酸塩のモル比が1に近い程、生成し
易く、どちらかにモル比が偏った場合、例えば3/7の
場合、その生成は抑制されていること、及び3)系中の
塩化水素濃度が高い程、その生成が抑制され、塩化水素
濃度が低い程、例えばほとんど0の場合にはその生成量
は増加することを見い出した。
【0020】また、アルカノールアミン類の塩酸塩を塩
化水素ガスで塩素化し、相当するクロロアルキルアミン
塩酸塩を製造する方法において、一般式(3)で表され
る副生物の生成を極力抑制する方法を鋭意検討した結
果、塩素化反応で生成する水を留去する工程において、
アルカノールアミン類の塩酸塩が70% 以上転化した
時点で行うこと、及び、該反応系中の水分を仕込み時の
アルカノールアミン塩酸塩に対して5〜20モル%残す
ことで、その工程で生成する一般式(3)で表される副
生物の生成量を抑制することができること、更に、反応
系中の水分をある程度残すことで、次の塩素化反応時
に、既に該反応系中に生成している一般式(3)で表さ
れる副生物の加水分解を促進して、原料のアルカノール
アミン塩酸塩と生成物のクロロアルキルアミン塩酸塩に
戻すことができることを見い出し、本発明を完成させ
た。
【0021】すなわち、本発明は一般式(1)
【化4】 (式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素
原子または低級アルキル基を表し、nは2〜4の整数を
意味する。)で表されるアルカノールアミン類を塩化水
素ガスにて塩素化し、一般式(2)
【0022】
【化5】 (式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素
原子または低級アルキル基を表し、nは2〜4の整数を
意味する。)で表されるクロロアルキルアミン塩酸塩を
製造する方法において、一般式(1)で表されるアルカ
ノールアミン類に塩化水素ガスを導入してアルカノール
アミン類の塩酸塩とした後、110℃〜130℃の温
度、1kg/cm2G以上3kg/cm2G未満の圧力で
塩化水素ガスを導入して塩素化を行い、アルカノールア
ミン類の塩酸塩が70%以上転化した時点で、130℃
以下の温度で該反応系から水を留去し、該反応系中の水
分を一般式(1)で表されるアルカノールアミン類の塩
酸塩に対して5〜20モル%とし、更に110℃〜14
0℃の温度、1kg/cm2G以上3kg/cm2G未満
の圧力で塩化水素ガスを導入して塩素化反応を行うこと
を特徴とする一般式(2)で表されるクロロアルキルア
ミン塩酸塩の製造法である。
【0023】以下、本発明の方法を工程に沿って説明す
る。先ず、一般式(1)で表されるアルカノールアミン
類に塩化水素ガスを導入してアルカノールアミン類の塩
酸塩を製造する。
【0024】次に、アルカノールアミン類の塩酸塩を1
10℃〜130℃の温度、1kg/cm2G以上3kg
/cm2G未満の圧力で6時間以上塩化水素ガスを導入
して、塩素化反応を行い、アルカノールアミン塩酸塩を
70%以上転化させる。(以下、1次塩素化反応と略
す。)この工程では、図−1からも明らかなように反応
温度を低くする程、一般式(3)で表される副生物の生
成量を抑制することができるが、反面、塩素化反応も遅
くなり、クロロアルキルアミン塩酸塩を製造するのに多
大の時間を必要し、効率的でない。そのため、塩素化反
応時の温度は110℃以上が好ましい。一方、反応温度
が130℃を越えての塩素化反応は一般式(3)で表さ
れる副生物の生成量の増加を招き、クロロアルキルアミ
ン塩酸塩の収率低下、純度低下を引き起こすため、好ま
しくない。
【0025】1kg/cm2G以上3kg/cm2G未満
の圧力での塩素化反応ではアルカノールアミン塩酸塩の
転化率を高めるために、1次塩素化反応後に、該反応系
中の水分を仕込み時のアルカノールアミン塩酸塩に対し
て50モル%以上留去する必要がある。(以下、脱水工
程と略す。)脱水方法としては、減圧下に水を留去する
方法や、常圧下、窒素気流下に、あるいは塩化水素ガス
同伴による脱水方法等あり、脱水方法については特に限
定されない。
【0026】この工程は130℃以下の温度で水を留去
する。この工程は水を留去するため、後半に、水に溶解
している塩酸が非常に少ない状態となり、一般式(3)
で表される副生物は生成し易い状況となる。このように
一般式(3)で表される副生物が生成し易い状況下で、
その生成量を抑制する方法として、110℃以下の温度
で行うか、あるいはアルカノールアミン塩酸塩の転化率
の高い状態で脱水工程を行い、且つ、脱水工程終了時に
幾分、水分を該反応系中に存在させるようにする。
【0027】110℃以下の温度で行う場合、一般式
(3)で表される副生物の生成を抑制することは可能で
あるが、塩素化反応を通して温度の上下をさせるなど、
操作が煩雑である。また、アルカノールアミン塩酸塩の
転化率の高い状態では、反応混合物が凝固し易くなり、
製造上のトラブルを起こし易く、問題を生じ易い。更に
アルカノールアミン塩酸塩の転化率の低い状態、例えば
アルカノールアミン塩酸塩とクロロアルキルアミン塩酸
塩のモル比が1に近い所で、110℃以下の温度で脱水
を行う場合、脱水工程での一般式(3)で表される副生
物の生成は制御が可能でも、特開昭57−176933
号の如く、該反応系から実質的に水が含有されていない
状態まで脱水することになり、次工程の塩素化反応(以
下、2次塩素化反応と略す。)初期に、一般式(3)で
表される副生物が生成し易い状況となり、その生成量が
増加する。また、一般式(3)で表される副生物の塩酸
での加水分解速度が遅いことから、2次塩素化反応中に
その生成量を低減するには多大の時間を要する。以上の
点から、単に脱水工程の温度管理だけで、一般式(3)
で表される副生物の生成を抑制することには限度があ
る。
【0028】それに対して、この脱水工程をアルカノー
ルアミン塩酸塩の転化率の高い状態で行い、且つ、脱水
工程終了時に幾分、水分を該反応系中に存在させるよう
にする方法では、アルカノールアミン塩酸塩とクロロア
ルキルアミン塩酸塩のモル比がクロロアルキルアミン塩
酸塩に偏っており、また、脱水工程後半に、該反応系中
に水分が存在することから、幾分、塩化水素が溶解して
いるため、130℃以下で脱水を行っても、一般式
(3)で表される副生物の生成を極力抑制することが可
能である。更に、系中水分のほとんど存在しない場合に
比べ、2次塩素化工程初期に、一般式(3)で表される
副生物の生成を防止し、また、既に副生している一般式
(3)で表される副生物の塩酸による加水分解を若干、
促進することができる。以上のことから、脱水工程終了
時に該反応系中に残す水の量は仕込み時のアルカノール
アミン塩酸塩に対して5モル%以上が好ましい。
【0029】このように、脱水工程終了後に該反応系中
に水を残すことで、該反応混合物が凝固し易くなるのを
防止することができ、製造上のトラブルの解消にもな
る。
【0030】次に110℃〜140℃の温度、1kg/
cm2G以上3kg/cm2G未満の圧力で塩化水素ガス
を導入して、塩素化反応を行い、12時間以上2次塩素
化反応を行う。ここでは、アルカノールアミン塩酸塩の
転化率が70%以上と高く、また、該反応系中に水分が
存在しているため、塩化水素濃度が高く、1次塩素化反
応時より更に反応温度を高めても、一般式(3)で表さ
れる副生物生成量は増加しない。そのため、反応速度を
高め、塩素化反応に要する時間を実質上、短縮できる。
【0031】かくして得られた2次塩素化反応終了後の
反応物はアルカノールアミン塩酸塩が2モル%以下、一
般式(3)で表される副生物は1.5モル%以下であ
る。この反応混合物から水、及び塩化水素を110℃以
下の温度、110mmHg以下の減圧下に全量留去して
濃縮乾固し、純度の高いクロロアルキルアミン塩酸塩類
を得るか、あるいは、場合に応じて110℃以下の温度
で反応混合物中に窒素を吹き込むことにより、遊離の塩
酸をほとんど含有しない、純度の高いクロロアルキルア
ミン塩酸塩の水溶液を得ることができる。
【0032】本発明において反応原料として使用するア
ルカノールアミン類は一般式(1)で表される化合物
で、たとえば、2−アミノエタノール、2−エチルアミ
ノプロパノール、1−メチル−2−アミノエタノール、
1−エチル−2−メチル−2−アミノエタノール、1,
1−ジメチル−2−メチル−2−アミノエタノール、
1,1,2,2−テトラメチル−2−ジメチルアミノエ
タノール、3−アミノ−1−プロパノール、3,3−ジ
メチルアミノプロパノール、2−アミノ−1−メチル−
1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、3
−ジメチルアミノ−1,1,2,2−テトラメチル−1
−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、3,3
−ジメチルアミノ−1−メチル−1−ブタノールなどが
ある。
【0033】本発明により得られるクロロアルキルアミ
ン塩酸塩は一般式(2)で表される化合物で、たとえ
ば、2−クロロエチルアミン塩酸塩、2,2−ジメチル
アミノエチルクロリド塩酸塩、2−エチルアミノ−1−
プロピルクロリド塩酸塩、1−メチル−2−アミノエチ
ルクロリド塩酸塩、1−エチル−2−メチル−2−アミ
ノエチルクロリド塩酸塩、1,1−ジメチル−2−メチ
ル−2−アミノエチルクロリド塩酸塩、1,1,2,2
−テトラメチル−2−ジメチルアミノエチルクロリド塩
酸塩、3−アミノ−1−プロピルクロリド塩酸塩、3,
3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩、2−アミ
ノ−1−メチル−1−プロピルクロリド塩酸塩、1−ア
ミノ−2−プロピルクロリド塩酸塩、3−ジメチルアミ
ノ−1,1,2,2−テトラメチル−1−プロピルクロ
リド塩酸塩、4−アミノ−1−ブチルクロリド塩酸塩、
3,3−ジメチルアミノ−1−メチル−1−ブチルクロ
リド塩酸塩などがある。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 3lグラスライニングオートクレーブにエタノールアミ
ン(915.0g,16.0モル)を仕込み、窒素で反
応系内を置換した後、110℃以下の温度で塩化水素ガ
スを導入し、エタノールアミン塩酸塩を得た。次に、塩
化水素ガスを導入しながら130℃まで昇温し、2.8
kg/cm2Gの一定圧力下、130℃で6時間塩素化
反応を行った。この時点で、エタノールアミン塩酸塩の
転化率は71.0%、オキシビス(エチルアミン)2塩
酸塩を仕込み時のエタノールアミンに対して1.1モル
%であった。この混合物を110℃、110mmHg〜
90mmHgの減圧下、脱水し、減圧濃縮液を得た。該
減圧濃縮液中の水分は仕込み時のエタノールアミンに対
して11モル%であり、オキシビス(エチルアミン)2
塩酸塩はエタノールアミンに対して1.1モル%のまま
であった。この減圧濃縮液に塩化水素ガスを導入しなが
ら130℃まで昇温し、2.8kg/cm2Gの一定圧
力下、130℃で17時間塩素化反応を行い、20mm
Hg、110℃で濃縮乾固したところ、生成クロロエチ
ルアミン塩酸塩は仕込み時のエタノールアミンに対して
97.8モル%であり、オキシビス(エチルアミン)2
塩酸塩は1.0モル%であった。
【0035】実施例2〜8 実施例1と同様にして、種々のアルカノールアミン類に
ついて塩素化反応を行った結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例9 3lグラスライニングオートクレーブにエタノールアミ
ン(915.0g,16.0モル)を仕込み、窒素で反
応系内を置換した後、110℃以下の温度で塩化水素ガ
スを導入し、エタノールアミン塩酸塩を得た。次に、塩
化水素ガスを導入しながら130℃まで昇温し、2.8
kg/cm2Gの一定圧力下、130℃で12時間塩素
化反応を行った。この時点で、エタノールアミン塩酸塩
の転化率 90.3%、オキシビス(エチルアミン)2
塩酸塩を仕込み時のエタノールアミンに対して1.1モ
ル%であった。この混合物を130℃、110mmHg
〜90mmHgの減圧下、脱水し、減圧濃縮液を得た。
該減圧濃縮液中の水分は仕込み時のエタノールアミンに
対して7.3モル%であり、オキシビス(エチルアミ
ン)2塩酸塩はエタノールアミンに対して1.2モル%
であった。この減圧濃縮液に塩化水素ガスを導入しなが
ら130℃まで昇温し、2.8kg/cm2Gの一定圧
力下、130℃で15時間塩素化反応を行い、20mm
Hg、110℃で濃縮乾固したところ、生成クロロエチ
ルアミン塩酸塩は仕込み時のエタノールアミンに対して
97.8モル%であり、オキシビス(エチルアミン)2
塩酸塩は1.2モル%であった。
【0038】実施例10 3lグラスライニングオートクレーブにエタノールアミ
ン(915.0g,16.0モル)を仕込み、窒素で反
応系内を置換した後、110℃以下の温度で塩化水素ガ
スを導入し、エタノールアミン塩酸塩を得た。次に、塩
化水素ガスを導入しながら130℃まで昇温し、1.8
kg/cm2Gの一定圧力下、130℃で10時間塩素
化反応を行った。この時点で、エタノールアミン塩酸塩
の転化率81%、オキシビス(エチルアミン)2塩酸塩
を仕込み時のエタノールアミンに対して1.4モル%で
あった。この混合物を110℃、110mmHg〜90
mmHgの減圧下、脱水し、減圧濃縮液を得た。該減圧
濃縮液中の水分は仕込み時のエタノールアミンに対して
18モル%であり、オキシビス(エチルアミン)2塩酸
塩はエタノールアミンに対して1.4モル%であった。
この減圧濃縮液に塩化水素ガスを導入しながら130℃
まで昇温し、1.8kg/cm2Gの一定圧力下、13
0℃で5時間、140℃で10時間塩素化反応を行い、
20mmHg、110℃で濃縮乾固したところ、生成ク
ロロエチルアミン塩酸塩は仕込み時のエタノールアミン
に対して97.4モル%であり、オキシビス(エチルア
ミン)2塩酸塩は1.3 モル%であった。
【0039】比較例1 3lグラスライニングオートクレーブにエタノールアミ
ン(915.0g,16.0モル)を仕込み、窒素で反
応系内を置換した後、110℃以下の温度で塩化水素ガ
スを導入し、エタノールアミン塩酸塩を得た。次に、塩
化水素ガスを導入しながら130℃まで昇温し、3kg
/cm2Gの一定圧力下、130℃で6時間塩素化反応
を行った。この時点で、エタノールアミン塩酸塩の転化
率 72.1%、オキシビス(エチルアミン)2塩酸塩
を仕込み時のエタノールアミンに対して1.1モル%で
あった。この混合物を130℃、110mmHg〜60
mmHgの減圧下、脱水し、減圧濃縮液を得た。該減圧
濃縮液中の水分は仕込み時のエタノールアミンに対して
0.4モル%であり、オキシビス(エチルアミン)2塩
酸塩はエタノールアミンに対して2.7モル%であっ
た。この減圧濃縮液に塩化水素ガスを導入しながら13
0℃まで昇温し、3kg/cm2Gの一定圧力下、13
0℃で15時間塩素化反応を行い、20mmHg、11
0℃で濃縮乾固したところ、生成クロロエチルアミン塩
酸塩は仕込み時のエタノールアミンに対して95.8モ
ル%であり、オキシビス(エチルアミン)2塩酸塩は
2.7モル%であった。
【0040】比較例2 3lグラスライニングオートクレーブにエタノールアミ
ン(915.0g,16.0モル)を仕込み、窒素で反
応系内を置換した後、110℃以下の温度で塩化水素ガ
スを導入し、エタノールアミン塩酸塩を得た。次に、塩
化水素ガスを導入しながら130℃まで昇温し、3kg
/cm2Gの一定圧力下、130℃で4時間塩素化反応
を行った。この時点で、エタノールアミン塩酸塩の転化
率55.3%、オキシビス(エチルアミン)2塩酸塩を
仕込み時のエタノールアミンに対して0.9モル%であ
った。この混合物を110℃、110mmHg〜60m
mHgの減圧下、脱水し、減圧濃縮液を得た。該減圧濃
縮液中の水分は仕込み時のエタノールアミンに対して
0.3モル%であり、オキシビス(エチルアミン)2塩
酸塩はエタノールアミンに対して1.2モル%であっ
た。この減圧濃縮液に塩化水素ガスを導入しながら13
0 ℃まで昇温し、3kg/cm2Gの一定圧力下、1
30℃で18時間塩素化反応を行い、20mmHg、1
10℃で濃縮乾固したところ、生成クロロエチルアミン
塩酸塩は仕込み時のエタノールアミンに対して95.7
モル%であり、オキシビス(エチルアミン)2塩酸塩は
2.5モル%であった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、1kg/cm2
以上3kg/cm2G未満の塩酸圧力下でアルカノール
アミン類を塩化水素ガスで塩素化してクロロアルキルア
ミン塩酸塩を製造する方法において、アルカノールアミ
ン類の塩酸塩が70%以上転化した時点で脱水し、該反
応系中の水分を仕込み時のアルカノールアミン類の塩酸
塩に対して5〜20モル%とすることで、塩素化工程で
の副生物であるオキシビス(アルキルアミン)2塩酸塩
の生成を極力防止できる。また、脱水工程終了後に、系
中に水分を仕込み時のアルカノールアミン類の塩酸塩に
対して5〜20モル%残すことで、反応混合物が凝固す
る等の製造面のトラブルを解消できる。このように、低
い塩酸圧力下で、副生物であるオキシビス(アルキルア
ミン)2塩酸塩の生成を抑制し、且つ、高純度のクロロ
アルキルアミン塩酸塩を高収率で製造できることは、工
業上、特に価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】オキシビス(エチルアミン)2塩酸塩の温度と
時間による生成量の変化図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−179135(JP,A) 特開 昭63−54340(JP,A) 特開 昭63−22545(JP,A) 特開 昭56−133247(JP,A) 特開 昭57−176933(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 211/15 C07C 209/74

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素
    原子または低級アルキル基を表し、nは2〜4の整数を
    意味する。)で表されるアルカノールアミン類を塩化水
    素ガスにて塩素化し、一般式(2) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4及びnは前記と同じ)で表
    されるクロロアルキルアミン塩酸塩を製造する方法にお
    いて、一般式(1)で表されるアルカノールアミン類に
    塩化水素ガスを導入してアルカノールアミン類の塩酸塩
    とした後、110℃〜130℃の温度、1kg/cm2
    G以上3kg/cm2G 未満の圧力で塩化水素ガスを
    導入して塩素化を行い、アルカノールアミン類の塩酸塩
    が70%以上転化した時点で、130℃以下の温度で該
    反応系から水を留去し、該反応系中の水分を一般式
    (1)で表されるアルカノールアミン類の塩酸塩に対し
    て5〜20モル%とし、更に110℃〜140℃の温
    度、1kg/cm2G以上3kg/cm2G未満の圧力で
    塩化水素ガスを導入して塩素化反応を行うことを特徴と
    する一般式(2)で表されるクロロアルキルアミン塩酸
    塩の製造法。
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