JPH10158238A - N−メチル−2− ピロリドンの製造方法 - Google Patents

N−メチル−2− ピロリドンの製造方法

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JPH10158238A
JPH10158238A JP33444696A JP33444696A JPH10158238A JP H10158238 A JPH10158238 A JP H10158238A JP 33444696 A JP33444696 A JP 33444696A JP 33444696 A JP33444696 A JP 33444696A JP H10158238 A JPH10158238 A JP H10158238A
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pyrrolidone
methyl
butyrolactone
monomethylamine
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JP33444696A
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Mitsuhiro Nishida
光宏 西田
Yoshinori Komatsu
善徳 小松
Tomohiro Kuraki
伴弘 椋木
Teiji Nakamura
悌二 中村
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の品質、収率および生産効率を低下させ
ることなく、反応系に導入する水の量を低減させて、簡
便にN-メチル-2- ピロリドンを製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 γ‐ブチロラクトンと、反応過剰量のモ
ノメチルアミンを反応させ、N-メチル-2- ピロリドンを
製造する方法において、γ‐ブチロラクトンに対するモ
ノメチルアミンのモル比が1.03〜1.50であり、
反応系に、γ‐ブチロラクトンの1.0〜2.9倍モル
量の水を存在せしめ、かつ250〜300℃の温度で反
応を行うことを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N-メチル-2- ピロ
リドンの製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】N-メチル-2- ピロリド
ンは、優れた物質溶解性を示すことから、各種溶媒/溶
剤として使用され、近年は電子用途にも利用されてい
る。
【0003】N-メチル-2- ピロリドンは、工業的には、
γ‐ブチロラクトンと過剰量のモノメチルアミンを反応
させて製造するのが一般的である。この反応において、
反応系に水を添加すると反応速度が上昇するため、高純
度のN-メチル-2- ピロリドンを高収率かつ時間を短縮し
て製造できることが知られている(特公昭47-21420号公
報)。
【0004】また、上記反応の副生物であるジメチルア
ミンおよびトリメチルアミンを、過剰のモノメチルアミ
ンと共に反応系に再循環し、反応系に、γ‐ブチロラク
トンの3〜5倍モル量の水を添加し、230〜265℃
で反応を行うと、N-メチル-2- ピロリドンの収率、品質
を低下させることがないことが知られている(特開平1-
190667号公報)。
【0005】ところが、前記反応においては、モノメチ
ルアミン/γ‐ブチロラクトンのモル比が1.5以下で
は反応速度が低下し(特公昭47-21420号公報)、また反
応温度が265℃以上では副生物が増加し、製品の色調
が悪化するとされている(特開平1-190667号公報)。
【0006】上記したN-メチル-2- ピロリドンの製造方
法において、反応系に水を導入すると反応速度は上昇す
るが、原料濃度が減少するので、反応器を大型化する必
要があり、また大量の水を反応物から除去するために、
精製塔への負荷が大きくなるという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、製品の品質、収率およ
び生産効率を低下させることなく、反応系に導入する水
の量を低減させて、簡便にN-メチル-2- ピロリドンを製
造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
N-メチル-2- ピロリドンの製造方法について、各反応条
件を詳細に検討した。その結果、上記反応において反応
圧力、撹拌速度を変化させても反応性にほとんど影響し
ないが、水/γ‐ブチロラクトンのモル比および反応温
度が反応性に与える影響が大きいことがわかった。特
に、反応温度を高めると反応速度の上昇は著しい。ま
た、驚くべきことに、モノメチルアミン/γ‐ブチロラ
クトンのモル比が1.03〜2.00の間では反応性は
モル比に依存しないことを見出した。これは、γ‐ブチ
ロラクトンとモノメチルアミンとからN-メチル-2- ピロ
リドンを製造する反応において、反応中間体であるγ‐
オキシ酪酸アミドの生成速度が著しく速く、中間体から
N-メチル-2- ピロリドンが生成される反応が律速となっ
ているためである。よって、モノメチルアミン/γ‐ブ
チロラクトンのモル比が1.5以下でも十分に反応が進
行することを見出した。また、モノメチルアミン/γ‐
ブチロラクトンのモル比を1に近付けることにより、反
応過剰のモノメチルアミンの量が少なくなって、モノメ
チルアミンの不均化反応により生成する副生物のジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、アンモニアを低減できる
ので、高い温度で反応させても、重質副生物の生成を抑
制できることが分かった。そこで、γ‐ブチロラクトン
/モノメチルアミン/水のモル比を1/1.03〜1.
50/1.0〜2.9の範囲内としておいて、反応温度
を高めると、N-メチル-2- ピロリドンの品質、収率、生
産効率を低下させることなく、反応系に導入する水の量
を低減することが可能となった。また、副生するアミン
類を反応系に再循環させても、上記反応に問題がないこ
とを確認した。かくして、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、γ‐ブチロラクトン
と、反応過剰量のモノメチルアミンを反応させ、N-メチ
ル-2- ピロリドンを製造する方法において、γ‐ブチロ
ラクトンに対するモノメチルアミンのモル比が1.03
〜1.50であり、反応系に、γ‐ブチロラクトンの
1.0〜2.9倍モル量の水を存在せしめ、かつ250
〜300℃の温度で反応を行うことを特徴とする方法で
ある。
【0010】好ましい態様においては、上記方法におい
て、反応において副生するジメチルアミンおよびトリメ
チルアミンを、未反応のモノメチルアミンと共に反応混
合物より分離し、これをそのまま、もしくは反応混合物
中の水の一部と共に反応系に再循環する。
【0011】
【発明の実施の形態】γ‐ブチロラクトンと、反応過剰
量のモノメチルアミンを反応させ、N-メチル-2- ピロリ
ドンを製造する方法はそれ自体公知である。この反応に
おいては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アンモ
ニア等のアミン類が副生される。本発明においては、こ
の反応副生物を、反応しなかったモノメチルアミンと共
に反応混合物より分離し、これをそのまま反応系に再循
環することができる。モノメチルアミンおよび副生物ア
ミン類の混合物を、反応混合物から分離する手段として
は、慣用の操作、例えば分別蒸留等が挙げられる。
【0012】本発明の反応においては、γ‐ブチロラク
トンに対するモノメチルアミンのモル比は1.03〜
1.50である。
【0013】本発明の方法においては、反応系にγ‐ブ
チロラクトンの1.0〜2.9倍モル量の水を存在せし
めることが必要である。水/γ‐ブチロラクトンのモル
比がこれより低いとN-メチル-2- ピロリドンの生成速度
が遅くなり、生産効率が低くなる。またこれより高い
と、生成速度は速くなるが反応器が大型化したり、精製
塔の負荷が増加し、経済性が悪くなる等の問題が生じ
る。
【0014】本発明の反応においては、反応温度は25
0〜300℃である。これより低い温度で反応を行うと
N-メチル-2- ピロリドンの収率が低下し、これより高い
温度では副生アミン類が増加し、N-メチル-2- ピロリド
ンの収率低下を引き起こす。その他の反応条件は特に限
定されず、上記反応における慣用の条件が使用できる。
【0015】以下の実施例において、本発明をさらに説
明するが、本発明はこれらに限定されることはない。
【0016】
【実施例】実施例1 撹拌機付きのオートクレーブ(SUS 316製)に、
γ‐ブチロラクトン3モル、水8.7モル、およびモノ
メチルアミン3.3モルを仕込み、100 rpm で撹拌しな
がら、250℃まで50分間かけて昇温し、この温度で
2時間反応させた。反応混合物を、冷却水で冷却し、ガ
スクロマトグラフィーで分析したところ、N-メチル-2-
ピロリドンの収率は99.9%であった(収率の測定
は、以下でも同様にして行った)。
【0017】比較例1 γ‐ブチロラクトン3モル、水12モル、およびモノメ
チルアミン4.5モルを仕込み、反応温度を240℃と
した以外は実施例1と同様にして反応を行った。2時間
反応させた時点におけるN-メチル-2- ピロリドンの収率
は99.0%であった。
【0018】比較例2 反応温度を240℃とした以外は実施例1と同様にして
反応を行った。2時間反応させた時点におけるN-メチル
-2- ピロリドンの収率は97.9%であった。上記比較
例1および2を比べると、水/モノメチルアミンのモル
比の高い比較例1の方がN-メチル-2- ピロリドンの生成
速度が早い。それに対して実施例1では、比較例2と原
料組成が同じであるにもかかわらず、反応温度を10℃
上昇させることによって、比較例1よりも反応速度が高
くなっている。すなわち、水の量を大幅に減らしても温
度を上昇させることにより、反応性を高めることができ
ることが分かる。
【0019】実施例2 γ‐ブチロラクトン3モル、水3モル、およびモノメチ
ルアミン3.3モルを仕込み、反応温度を280℃およ
び反応時間を1時間とした以外は実施例1と同様にして
反応を行った。N-メチル-2- ピロリドンの収率は99.
9%であった。また、この反応終了後の反応液を蒸留精
製して得られたN-メチル-2- ピロリドンは純度99.9
%以上、γ‐ブチロラクトン含有率0.01重量%であ
り、APHA 10であった。
【0020】比較例3 反応温度を265℃および反応時間を1時間とした以外
は比較例1と同様にして反応を行った。N-メチル-2- ピ
ロリドンの収率は99.8%であった。
【0021】上記実施例2では、γ‐ブチロラクトン/
水のモル比を1まで低下させているにもかかわらず、比
較例3と同定度の反応速度となっている。実施例2は、
反応温度を15℃上昇させることによって、前記モル比
を低下させても反応速度を高めることができることを示
す。
【0022】実施例3 実施例2で得られた反応液を、オルダーショー蒸留塔で
連続蒸留し、塔頂より約40重量%のアミン類の水溶液
として回収した。回収液には、モノメチルアミン39.
2重量%、ジメチルアミン0.67重量%およびトリメ
チルアミン0.35重量%が含まれていた。この回収液
全量を使用し、かつ新たにγ‐ブチロラクトンおよびモ
ノメチルアミンを添加して、実施例2と同じ原料モル組
成として、第2回目の反応を、実施例2と同様にして行
った。N-メチル-2- ピロリドンの収率は99.9%であ
った。また、この反応終了後の反応液を蒸留精製して得
られたN-メチル-2- ピロリドンは純度99.9%以上、
γ‐ブチロラクトン含有率0.01重量%であり、AP
HA 10であった。これは、1回目の反応(実施例
2)と同じである。
【0023】反応終了後の反応液を再度蒸留して、モノ
メチルアミン39.4重量%、ジメチルアミン0.65
重量%およびトリメチルアミン0.36重量%を含む回
収液を得た。このように、第1回目の反応で副生したジ
メチルアミンおよびトリメチルアミンを反応系に再循環
しても、副生アミン類は累積増加しないことが分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、製品の品質、収率およ
び生産効率を低下させることなく、反応系に導入する水
の量を従来より低減することが可能であり、精製塔の負
荷の低減、反応器の小型化が期待できる。また、副生ア
ミン類の除去操作が不要であるので、製造工程を簡略化
でき、コストを削減できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 悌二 東京都杉並区本天沼1−3−26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ‐ブチロラクトンと、反応過剰量のモ
    ノメチルアミンを反応させ、N-メチル-2- ピロリドンを
    製造する方法において、 γ‐ブチロラクトンに対するモノメチルアミンのモル比
    が1.03〜1.50であり、 反応系に、γ‐ブチロラクトンの1.0〜2.9倍モル
    量の水を存在せしめ、かつ250〜300℃の温度で反
    応を行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 反応において副生するジメチルアミンお
    よびトリメチルアミンを、未反応のモノメチルアミンと
    共に反応混合物より分離し、これをそのまま、もしくは
    反応混合物中の水の一部と共に反応系に再循環するとこ
    ろの請求項1記載の方法。
JP33444696A 1996-12-02 1996-12-02 N−メチル−2− ピロリドンの製造方法 Pending JPH10158238A (ja)

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