JP4899587B2 - ε−カプロラクタムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミン(以下PXAと略記する)を分解し、ε-カプロラクタムとシクロヘキサノンを製造する方法に関する。
工業的にアミド化合物を製造する方法としては、対応するオキシム化合物をベックマン転位する方法が一般的である。工業的に特に有用であるε-カプロラクタムは、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位によって製造されるが、濃硫酸及び発煙硫酸を触媒に用いるため、これら強酸の中和の際にε-カプロラクタムの約2倍量の硫酸アンモニウムを副生する。一方、シクロヘキサノンオキシムはシクロヘキサノンとヒドロキルアミンから製造する方法が一般的であるが、シクロヘキサノンオキシムの製造の際、あるいはヒドロキルアミン製造に際しても硫酸アンモニウムが副生し、全体でε-カプロラクタムの3〜4倍量の硫酸アンモニウムが副生する。すなわち、現行のε-カプロラクタム製造方法は、主原料であるシクロヘキサノン以外に大量のアンモニア、イオウとエネルギーを消費する環境負荷の大きなプロセスである。
一方、硫酸アンモニウムを副生しないε-カプロラクタムの製造方法としては、チタノシリケートを触媒にして、シクロヘキサノンをアンモニアと過酸化水素でアンモ酸化してシクロヘキサノンオキシムを製造し、ゼオライトを触媒として気相ベックマン転位を行う方法が知られている。当該方法は硫酸アンモニウムを副生しないが、特殊な固体触媒を用い、触媒寿命を確保するため、気相流動床を採用するなど、一般的な製法とは言いがたい。また、アンモ酸化における過酸化水素基準の基準の選択率は必ずしも十分に高いとはいえない。
シクロヘキサノンオキシムを経由しないε-カプロラクタムの製造方法としては、アンモニウム塩を触媒にしてシクロヘキサノンとアンモニアと過酸化水素を反応させ、1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミン(以下PXAと言う)を製造し、PXAをε-カプロラクタムとシクロヘキサノンに分解する方法が知られている。当該方法によるPXAの製造は宇部興産(株)にて工業的に行われており、反応はほぼ定量的に進行する。
PXAの分解はビーピー・ケミカルズの研究者によって研究されている。特許文献1は種々の塩を触媒に用い、誘電率の高い有機溶剤を溶媒に用いる分解方法を開示している。臭化リチウム又は塩化リチウムを触媒に用いることで、比較的高収率でε-カプロラクタムとシクロヘキサノンを得ているが、ε-カプロラクタム選択率は45%以下であり、ε-カプロラクタムとシクロヘキサノンの合計選択率が93%を超える結果は得られていない。
特許文献2はアルカリ金属又は苛性アルカリを触媒に用い、アルコールを溶媒とする方法を開示しているが、特許文献1より選択率が低く、しかも大量のアルカリを使用しているため、工業的に実施するのは困難である。
特許文献3、特許文献4は臭化リチウム又は塩化リチウムを触媒に用い、生成物であるε-カプロラクタムを溶媒として利用することによって、連続的にε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンを製造する方法を開示しているが、ε-カプロラクタムとシクロヘキサノンの合計選択率が91%を超える結果は得られていない。
臭化リチウム又は塩化リチウムを触媒に用い、生成物であるε-カプロラクタムを溶媒とした場合、臭化リチウム又は塩化リチウムとε−カプロラクタムとが付加体を生成するが、その結合は強固であり、ε−カプロラクタムの選択率は低下した。また、臭化リチウム又は塩化リチウムの分離回収も困難であった。
特公昭45−20107号公報 特公昭46−8981号公報 特公昭46−26496号公報 特公昭47−11759号公報 特公昭46−13380号公報 特公昭46−15938号公報 特公昭49−48549号公報 特公昭50−151839号公報 特公昭54−27344号公報
本発明はPXAを選択的に分解し、ε-カプロラクタムとシクロヘキサノンを高選択率で製造する方法を提供すること、ならびに、触媒濃度を低減し、及び/又は触媒のリサイクルを行うことによって、触媒使用量を低減することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、リチウム塩を触媒にし、ε-カプロラクタムより求核性の高いアミドを溶媒として用いることによって、少量の触媒でPXAが高選択率でε-カプロラクタムとシクロヘキサノンに分解されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の課題は、以下の発明により解決される。
第1の発明は、1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミン(PXA)を、リチウム塩と、ε-カプロラクタムより求核性が高く1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミンより求核性が低いアミドからなる付加体を触媒として分解することを特徴とするε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの製造方法に関する。
第2の発明は、リチウム塩が塩化リチウム又は臭化リチウムである第1の発明のε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの製造方法に関する。
第3の発明は、ε-カプロラクタムより求核性が高く1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミンより求核性が低いアミドが7〜20員環のラクタム、N−置換ラクタム及び式(1)で表されるN,N-ジ置換アミド
Figure 0004899587
(式中、R1,R2,R3はアルキル基を表す。)
からなる群より選ばれるアミドである第1の発明のε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの製造方法に関する。
第4の発明は、ε-カプロラクタムより求核性が高く1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミンより求核性が低いアミドがラウロラクタムである第1の発明のε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの製造方法に関する。
第5の発明は、ε-カプロラクタムより求核性が高く1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミンより求核性が低いアミドがN−アルキルラクタムである第1の発明のε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの製造方法に関する。
本発明により、触媒の使用量を低減すると共に、PXAからのε-カプロラクタムの選択率が45%以上、ε-カプロラクタムとシクロヘキサノンの合計選択率が94%以上の高選択率でε-カプロラクタムとシクロヘキサノンを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用されるPXAはシクロヘキサノンをアンモニア水と過酸化水素水でアンモ酸化することによって容易に製造される。その製造方法は、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9等に開示されている。
PXAの分解を促進する触媒はリチウム塩とε-カプロラクタムより求核性が高く1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミンより求核性が低いアミドからなる付加体である。ここで、リチウム塩としては、アミドへの溶解性が高いハロゲン化リチウムが好ましく、特に臭化リチウム、塩化リチウムが好ましい。
リチウム塩を金属リチウムにて換算した場合、その使用量は、PXA100重量部に対し、0.03〜10重量部であり、好ましくは0.2〜3.3重量部である。リチウム塩の使用量が過少の場合、PXAの分解速度が遅く好ましくない。一方、リチウム塩の使用量が過多の場合、触媒コストが上昇し好ましくない。
PXAの分解により生成したε-カプロラクタムはリチウム塩と付加体を形成する。このリチウム塩―ε-カプロラクタム付加体(以下Li-Lc6と表す)は、PXAの分解において触媒作用を有するが、ε−カプロラクタムとリチウムとのモル比(Lc6/Li)が上昇するに従い、触媒としての活性が低下し、ε−カプロラクタムとリチウムとのモル比(Lc6/Li)が4以上では、低活性で選択率も低下する(比較例6参照)。すなわち、リチウム塩は、金属リチウムにて換算して、生成したε−カプロラクタムに対し1/4倍モル以上、好ましくは1/2倍モル以上必要である。この問題は、ε-カプロラクタムより求核性の高い添加剤の添加によって解決される。添加剤の添加によって、リチウムは添加剤と付加体を形成し、リチウム塩−ε−カプロラクタム付加体(Li-Lc6)の生成が防止される。
しかし、添加剤の求核性が過度に高い場合、リチウム塩−添加剤の結合が強固であるため、リチウム塩のPXA窒素原子への配位を阻害し、リチウム塩の触媒作用を低下させるため好ましくない。従って、ε-カプロラクタムより求核性が高く、PXAより求核性の低い添加剤、すなわちε-カプロラクタムより求核性が高いアミドが好適である。
ε-カプロラクタムより求核性が高く1,1'-パーオキシジシクロヘキシルアミンより求核性の低いアミドとしては、(i)ε-カプロラクタムより環員数の多い7〜20員環のラクタム、(ii)N−置換ラクタム、(iii)式(1)で表されるN,N-ジ置換アミドが挙げられる。
(i)の7〜20員環のラクタムは、融点が低く、溶媒への溶解性も高いので好ましい。具体的には、ヘプトラクラム、オクトラクタム、デカノラクラム、ウンデカノラクタム、ラウロラクタム等が挙げられるが、ラウロラクタムは製造、入手が容易であり、反応後のリチウム塩との付加体の分離、リサイクルも容易であり、特に好ましい。
(ii)のN−置換ラクタムとしては、N−メチル−γ−ブチロラクタム(2−メチルピロリドン)、N−メチルδバレロラクタム(2−メチルピペリドン)、N−メチル−ε−カプロラクタム、N―メチルラウロラクタム等が挙げられる。環員数に特に制約はない。また、窒素原子に結合する置換基も電子供与性の置換基であれば、特に制約はない。
(iii)の式(1)で表されるN,N-ジ置換アミドにおいて、式(1)中、Rはアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等(なお、これら置換基は、その異性体も含む。))を表すが、主鎖の炭素数に制約はない。また、窒素原子に結合する置換基R、Rとしては、電子供与性の置換基であれば、特に制約はないが、具体的には、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等(なお、これら置換基は、その異性体も含む。))、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等(なお、これら置換基は、その異性体も含む。))、アミノ基等が挙げられる。式(1)で表されるN,N-ジ置換アミドの具体例としては、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、メチルエチルプロピオアミド等が挙げられる。
上記(i)、(ii)、(iii)に示したラクタム及びアミド(以下求核性アミドという)の添加量は、リチウム塩を金属リチウムにて換算した場合、金属リチウムに対し0.1倍モル以上、好ましくは0.5倍モル以上である。求核性アミドがこの添加量より過少の場合、リチウム塩の大部分は求核性アミドと付加体を形成しない。よって、求核性アミド添加の効果が現れない。一方、求核性アミドを多量に添加しても、リチウムと付加体を形成しない余剰の求核性アミドは反応に関与せず溶媒として作用するのみであり、特に問題はないが求核性アミドは高価であるため、経済的理由からPXAに対し5倍重量部以下が好ましい。
リチウム塩と求核性アミドとの付加体(Li−求核性アミド付加体)は、求核性アミドの溶融液、又は本反応に不活性な溶媒(n-ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン等)に溶解した溶液に、リチウム塩(臭化リチウム、塩化リチウム等)を加えることによって生成する。生成した付加体は単離、精製してPXAの分解反応に用いることもできるが、単離、精製せず、リチウムと求核性アミドの付加体が生成した反応溶液に、PXAの溶融液、又は本反応に不活性な溶媒(n-ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン等)に溶解した溶液を加えて反応を行ってもよい。
PXAの分解反応は、溶融したPXAの溶融液に、Li−求核性アミド付加体を添加し、無溶媒で行うことができ、過剰の求核性アミドを溶媒として利用することもできるが、反応を制御しやすくする目的で溶媒を用いることもできる。溶媒としてはリチウムに配位しないものであれば特に限定されない。例えば、n-ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン等が用いられる。
PXAの分解反応は50〜200℃、好ましくは80〜150℃で行うことができる。反応温度が低すぎる場合、PXAの分解速度が遅く生産性が悪化し、反応温度が高すぎる場合、ε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの選択率が低下し好ましくない。
この反応は、通常、常圧で行われるが、加圧、場合によっては減圧条件下で行う事もできる。また、通常、大気中で行われるが、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、或いは、これらガスの気流下で行う事もできる。
反応方式には特に制限はなく、回分式反応装置、半回分式反応装置、槽型連続流通反応装置、枕型連続流通反応装置、管型連続流通反応装置等通常用いられる反応装置のいずれを用いても差し支えない。また、反応装置は単独で用いても、並列及び/又は直列に連結して使用しても差し支えない。
上記反応で得られたε−カプロラクタム及びシクロヘキサノンは、蒸留等の通常の方法にて、単離、精製することができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、本発明において用いる選択率は炭素基準の選択率であり、以下の式で定義される。
Figure 0004899587
[実施例1]
(参考例1:PXAの製造)
攪拌槽型反応器にシクロヘキサノン100g、60%過酸化水素水30g、20%アンモニア水130g、塩化アンモニウム15gを加え、30℃で9時間反応を行い、未反応の過酸化水素水、アンモニア、及び触媒である塩化アンモニウムを水洗除去して101gの粗PXAを得た。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、シクロヘキサノン転化率90%、PXA選択率95%であった。n-ヘキサンを用いて再結晶を行い、89gのPXAを取得した。
(参考例2:LiBr-ラウロラクタム付加体の製造)
宇部エムス(有)社製ラウロラクタム30gをトルエン90gに溶解し、110℃に加熱した。このラウロラクタム溶液に無水臭化リチウム粉末3gを加えた。ゲル状物が生成したのを確認後、70℃に冷却し、生成した白色沈殿を濾過し、LiBr-ラウロラクタム付加体を取得した。70℃のトルエンで洗浄を行い、付着したラウロラクタムを除去後、乾燥して18gの白色粉末を得た。H-NMRの=N-Hのシフト、IRのνN-Hのシフト、熱分析における融点変化、分解シグナルの出現、マススペクトルのリチウム−ラウロラクタム、ラウロラクタム-リチウム-ラウロダクタムシグナルの出現から、リチウム1原子とラウロラクタム2分子が付加している事を確認した。表1に、LiBr-ラウロラクタム付加体とラウロラクタムの分析結果の比較を示す。
Figure 0004899587
(ε-カプロラクタムの製造)
参考例2で製造したLiBr-ラウロラクタム付加体(LiBr-Lc12と略記)1.1gを、110℃に加熱したトルエン20gに分散させ、攪拌しながら参考例1で製造したPXA結晶10gをトルエン15gに溶解した溶液を加え、110℃で6時間反応を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、PXAは全て分解しており、ε-カプロラクタム(Lc6と略記)の選択率は46.1%、シクロヘキサノン(以下CHONと略記)選択率は49.9%で、合計96.0%の選択率が得られた。
[実施例2]
トルエン25gに宇部エムス(有)社製ラウロラクタム10gを加え、110℃に加熱して溶解した。この溶液に無水臭化リチウム粉末を1g加えた。臭化リチウムはラウロラクタム(Lc12と略記)と付加体を形成し、ゲル状に膨潤した。これに、参考例1で製造したPXA結晶10gをトルエン15gに溶解した溶液を加え110℃で6時間反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、PXAは全て分解しており、Lc6の選択率は47.2%、CHONの選択率は48.8%で、合計96.0%の選択率が得られた。反応液を梨型フラスコに移し、減圧蒸留を行い、3.3kPaで60℃の留分(留分1)を4.63g、0.27kPaで125〜128℃の留分(留分2)を4.38g、釜残11.6gを取得した。留分1は96重量%のCHONを含み、留分2、釜残はそれぞれ95重量%,6重量%のLc6を含んでいた。従って、反応、蒸留を通しての収率はLc6:45.3%、CHON:47.8%、であった。
[実施例3]
実施例2で得られた釜残にトルエン25gを加えて希釈し、PXA結晶10gをトルエン15gに溶解した溶液を加え、実施例2と同様に反応を行った。新たに加えたPXAに対するLc6,CHONの収率は、Lc6:49.6%、CHON:46.7%であった。
[実施例4]
実施例3で得られた反応液を実施例2と同様にして減圧蒸留を行い、留出液と釜残を得た。得られた釜残を用いて、実施例3と同様にしてPXAの分解反応を行った。この、蒸留ならびに反応の操作をさらに5回繰返した(実施例2から数えて合計7回)。使用したPXAは70g、取得した留分1は31.29g、CHON純度96重量%、留分2は36.58g、Lc6の純度95.5%、釜残11.61g、Lc6含有率5.0%で、収率はLc6:47.4%、CHON:46.2%、であった。
[実施例5]
Lc12を1,1-ジメチルアセトアミドに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率99.6%、Lc6選択率46.4%、CHON選択率48.3%、合計94.7%であった。
[実施例6]
Lc12を1-メチル-2-ピロリドンに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率93.3%、Lc6選択率45.2%、CHON選択率48.5%、合計93.7%であった。
[実施例7]
Lc12を1-メチルカプロラクタムに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率98.9%、Lc6選択率47.3%、CHON選択率47.7%、合計95.0%であった。
[比較例1]
Lc12をホルムアミドに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率83.6%、Lc6選択率6.8%、CHON選択率53.9%、合計60.8%であった。
[比較例2]
Lc12をアセトアミドに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率87.9%、Lc6選択率41.3%、CHON選択率28.2%、合計69.5%であった。
[比較例3]
Lc12を1-メチルホルムアミドに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率95.4%、Lc6選択率35.0%、CHON選択率41.7%、合計76.7%であった。
[比較例4]
Lc12を1-メチルアセトアミドに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率99.1%、Lc6選択率37.3%、CHON選択率42.5%、合計79.8%であった。
[比較例5]
Lc12を2-ピロリドンに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率67.7%、Lc6選択率40.3%、CHON選択率46.8%、合計87.1%であった。
[比較例6]
Lc12をLc6に代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率71.2%、Lc6選択率17.9%、CHON選択率35.3%、合計53.2%であった。なお、反応によるLc6生成量は反応前後のLc6モル量の差とした。
[比較例7]
Lc12をピリジンに代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。反応後のガスクロマトグラフィー分析結果は、PXA転化率92.0%、Lc6選択率40.3%、CHON選択率46.1%、合計86.4%であった。
[比較例8]
アセトニトリル25gにカプロラクタム5.4gと無水臭化リチウム粉末を2g加え80℃に加熱し溶解した(カプロラクタム/LiBr=2/1(モル/モル))。これに参考例1で製造したPXA結晶10gをアセトニトリル15gに溶解した溶液を加え80℃で6時間反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、PXA転化率は88.1%、Lc6の選択率は41.1%、CHONの選択率は48.2%で、選択率合計は89.3%であった。
[比較例9]
カプロラクタム添加量を10.8gとした以外は比較例8と同様に反応を行った(カプロラクタム/LiBr=4/1(モル/モル))。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、PXA転化率は 58.3%、Lc6の選択率は19.1%、CHONの選択率は40.1%で、選択率合計は59.2%であった。

Claims (2)

1,1’-パーオキシジシクロヘキシルアミン(PXA)を、
ラウロラクタム、1-メチルカプロラクタム、1,1-ジメチルアセトアミド又は1-メチル-2-ピロリドンと、リチウム塩とからなる付加体を触媒として分解することを特徴とするε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの製造方法。
リチウム塩が塩化リチウム又は臭化リチウムである第1項記載のε-カプロラクタム及びシクロヘキサノンの製造方法。
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