JP3156388B2 - ヒンジ付コネクタ - Google Patents
ヒンジ付コネクタInfo
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)
Description
するものであり、優れた難燃性と耐ヒンジ折れ性の両特
性を満足するヒンジ付コネクタに関するものである。
テレフタレート樹脂(以下「PBT」と略す)は、その
優れた電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、適度
な靱性と剛性のバランス、更には吸水による寸法変化あ
るいは弾性率の変化等が少ないこと等の特徴から、自動
車、電気・電子回路用などのコネクタに多用されてい
る。
PBT樹脂の難燃化に関する提案が種々行われている。
また、自動車、電気・電子回路用のコネクタは、その構
造上ヒンジ部分を有している。ヒンジ部分は、1回以上
の曲げ又は折り曲げ荷重が加えられる薄肉部であり、目
的に応じて、シート状、帯状、ひも状に形成される。そ
して、かかるヒンジ付コネクタにおいては、耐ヒンジ折
れ性が重要である。
難燃化の処方ではヒンジ折れ性が極端に低下するため、
難燃性と耐ヒンジ折れ性の両特性を満足するPBT樹脂
組成物は得られておらず、ヒンジ付コネクタの難燃化は
殆ど進行していない現状にある。本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、優れた難燃性と
耐ヒンジ折れ性の両特性を満足するヒンジ付コネクタを
提供することにある。
は、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ハロゲン含有ポ
リエステル樹脂、及びアンチモン化合物粒子を含有し、
ハロゲンの含有量が2.5〜5.2重量%で且つアンチ
モン化合物粒子の含有量が0.4〜3.8重量%である
ポリエステル樹脂組成物から成ることを特徴とするヒン
ジ付コネクタに存する。
おいて、ポリエステル樹脂組成物を構成するポリエステ
ル樹脂としては、PBT樹脂が好適に使用される。ポリ
エステル樹脂は、従来公知の方法で製造された樹脂でよ
いが、固有粘度が0.9〜1.15dl/g以下の樹脂
であることが好ましい。
エステル樹脂を使用した場合、得られる樹脂組成物の流
動性は良好になるが、コネクタのヒンジ部を折り曲げた
際に亀裂や破断を起こし易い傾向にある。また、固有粘
度が1.15dl/gより大きいポリエステル樹脂を使
用した場合、得られる樹脂組成物の流動性が不良とな
り、極数の多いコネクタを成形する場合にショートショ
ットになり易く、更に、成形の際にヒンジ部の樹脂組成
物の流れが乱れてヒンジ折れの原因を惹起する傾向にあ
る。なお、上記の固有粘度は、テトラクロロエタンとフ
ェノール(重量組成1:1)から成る混合溶媒を使用し
て30℃で測定した値である。
ば、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、炭
素数2〜10のアルキレングリコール又はそのエステル
成形性誘導体およびハロゲン含有芳香族ジオールとの共
重合物として得ることが出来る。
囲において、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸等
の他の多塩基酸を含んでいてもよい。また、そのエステ
ル形成性誘導体としては、ジメチルテレフタレートのよ
うな上記酸のアルキルエステル等が挙げられる。
しては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,10−デカンジオール等が挙げられ、これら
は、30モル%程度以下の範囲において、グリセリン、
ペタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物を含んで
いてもよい。また、そのエステル形成性誘導体として
は、エチレンオキシド等が挙げられる。
に、下記の化学式[化2]([化1]と同じ)で表され
る化合物が好ましい。
炭素数2〜4のアルキレン基、Xはハロゲン原子、l及
びmは1〜4の整数、p及びqは1〜10の整数を示
す。上記のハロゲン含有芳香族ジオールは、例えば、ハ
ロゲン化ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピ
レンオキシド等のアルキレンオキシド又はエピクロルヒ
ドリン等のアルキレンハロヒドリンを反応させることに
よって製造することが出来る。
において、R1 及びR2 が−CH2−CH2 −基または
−CH(CH3 )−CH2 −基であり、Xが臭素または
塩素である化合物が好適に使用される。斯かる化合物と
しては、具体的には、2,2−ビス(〔4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3,5−ジブロムフェニル〕)プロ
パン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3,5−ジクロルフェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3,5−ジブロ
ムフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−ヒド
ロキシプロポキシ)−3,5−ジブロムフェニル〕プロ
パン、2,2−ビス〔4−(3−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,5−クロルフェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ブロムフェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−2,3,5,6−テトラブロムフェニル〕
プロパン等が挙げられる。
知のポリエステル樹脂の製造法に準じ、例えば、次の
(1)又は(2)の方法に従って製造することが出来
る。 (1)エステル交換またはエステル化時に上記の三成分
を反応系に添加し、引き続き重縮合反応を行う方法。 (2)予め、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘
導体とアルキレングリコール又はそのエステル形成性誘
導体とを反応させてビスヒドロキシアルキルテレフタレ
ート又はその低重合物を生成させ、これに上記の化学式
[化2]で表されるハロゲン含有芳香族ジオールを添加
して重縮合反応を行う方法。
有芳香族ジオールの種類および量は、得られるハロゲン
含有ポリエステル樹脂のハロゲン含有量が3〜15重量
%、好ましくは5〜10重量%となるように選択するの
がよい。ハロゲン含有ポリエステル樹脂のハロゲン含有
量が余りに少ない場合は、難燃性が十分でなく、逆に、
余りに多い場合は、機械的性質が損なわれる。
は、0.75〜0.95dl/gの範囲が好ましい。固
有粘度が0.75dl/gより小さいハロゲン含有ポリ
エステル樹脂を使用した場合、樹脂製造時に重合槽から
樹脂をストランド状に抜き出すことが困難になり、更
に、樹脂自体の性質が脆くなり、得られるポリエステル
樹脂組成物の物性が低下する傾向にある。また、固有粘
度が0.95dl/gより大きいハロゲン含有ポリエス
テル樹脂を使用した場合、得られるポリエステル樹脂組
成物の流動性が低下してコネクタの成形が困難になる傾
向がある。なお、上記の固有粘度は、テトラクロロエタ
ンとフェノール(重量組成1:1)から成る混合溶媒を
使用して30℃で測定した値である。
モン、五酸化アンチモン等一般的に市販されているもの
から選択することができるが、三酸化アンチモンが好適
に使用される。そして、アンチモン化合物は粒子として
使用されるが、0.7〜3.0μmの平均粒径を有し且
つ10μm以上の粒径の粒子を実質的に含有しない状態
で使用するのが好ましい。アンチモン化合物粒子の粒径
が余りに小さい場合は、分散不良を生じる傾向があり、
アンチモン化合物粒子中に10μ以上の粒子が含まれて
いる場合は、コネクタのヒンジ特性が低下する傾向にあ
る。
合が特に重要である。ハロゲン含有ポリエステル樹脂の
配合割合は、ポリエステル樹脂中のハロゲン含有量が
2.5〜5.2重量%の範囲となるように選択すること
が必要である。ハロゲン含有量が2.5重量%より少な
い場合は、後述するアンチモン化合物の配合量との関係
から、厚み1/16インチ以上の条件下にUL規格に基
づいて行われる難燃性試験においてV−2に合格する優
れた難燃性能が得られない。また、ハロゲン含有量が
5.0重量%より多い場合は、ハロゲン含有ポリエステ
ル樹脂自体の配合量が多くなり過ぎ、その結果、ポリエ
ステル樹脂組成物の結晶化速度が遅くなり、また、力学
物性も低下し、コネクタの成形上あるいは品質上好まし
くない。
は、ポリエステル樹脂中の含有量が0.4〜3.8重量
%の範囲となるように選択することが必要である。アン
チモン化合物粒子の含有量が0.4重量%より少ない場
合は、上記の難燃性試験におけるV−2は達成されな
い。また、アンチモン化合物粒子の含有量が3.8重量
%より多い場合は、上記の難燃性能は達成されるが、耐
ヒンジ特性を大幅に低下して本発明の目的を達し得な
い。なお、本発明におけるポリエステル樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない限り、第三成分として他
種の共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、他種のポ
リマー、酸化防止剤、熱安定剤、離型剤等を添加するこ
とが出来る。
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例に
おいて、各物性の評価は次の方法に従って行った。 (1)引張破断伸び ASTM法に準拠して測定し、試験片のn=5の平均値
として表した。 (2)ULクラス UL難燃性試験法に準拠して測定した。
10)のヒンジ部(a)を90°に折り曲げる。点数
は、折り曲げ状態に従った下記の点数表に基づいて付与
した。 ヒンジ部割れ : 0点 ヒンジ部メクレ: 4点 ヒンジ部白化 : 7点 ヒンジ部正常 :10点 すべての試験片が正常の場合は100点となるが、60
点以上であれば、実コネクタでは実質的にヒンジ折れ無
しと判断し得る)。
ル62.6g、2,2−ビス〔3′,5′−ジブロム−
4′−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕フ
ェニル〕プロパン「「TB−4」と略す)20.3g、
テトラブチルチタネート0.033g及び酢酸マグネシ
ウム0.12gを150〜210℃、常圧下で3.0時
間加熱し、エステル交換反応を行ってメタノールを留出
した。次いで、撹拌下、反応系を減圧にしつつ245℃
まで昇温し、圧力を1.5mmHgに低下させて重縮合
反応を行った。3.5時間後、ポリテトラメチレンテレ
フタレートのTB−4共重合体を得た。上記の共重合体
の固有粘度〔η〕は0.85dl/gであり、臭素含有
量は6重量%であった。
樹脂製造例によって製造したハロゲン含有ポリブチレン
テレフタレート共重合樹脂ペレット、平均粒径0.7μ
(10μカット)の三酸化アンチモン粒子をそれぞれ所
定の配合割合で混合して、二軸押出機(東芝機械製「T
EM35B」)でコンパウンドにしてペレット状組成物
を得た。
を使用し、上記のペレット状組成物をから、ASTM4
号ダンベル片、UL燃焼片試験片(厚み1/16イン
チ)、図1に示すヒンジモデル試験件片(ヒンジ部の肉
厚:0.3mm)をそれぞれ成形し、引張破断伸び、難
燃性、ヒンジ特性について評価した。更に、実コネクタ
(64ピン)を実際に射出成形し、流動性、成形サイク
ルを確認した。上記物性の各評価結果を表1及び表2に
示した。
燃性と耐ヒンジ折れ性の両特性を満足するヒンジ付コネ
クタが提供され、本発明のヒンジ付コネクタは、特に、
自動車、電気・電子回路用のコネクタとして好適であ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリブチレンテレフタレート樹脂、ハロ
ゲン含有ポリエステル樹脂及びアンチモン化合物粒子を
含有し、ハロゲンの含有量が2.5〜5.2重量%で且
つアンチモン化合物粒子の含有量が0.4〜3.8重量
%であるポリエステル樹脂組成物から成ることを特徴と
するヒンジ付コネクタ。 - 【請求項2】 ハロゲン含有ポリエステル樹脂が、ジオ
ール成分として下記の化学式[化1]で表されるジオー
ル成分を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の
ヒンジ付コネクタ 【化1】 (式中、R1 及びR2 は炭素数2〜4のアルキレン基、
Xはハロゲン原子、l及びmは1〜4の数、p及びqは
1〜10の数を示す) - 【請求項3】 ポリブチレンテレフタレート樹脂、ハロ
ゲン含有ポリエステル樹脂及びアンチモン化合物粒子を
含有し、ハロゲン含有ポリエステル樹脂がハロゲンの含
有量が3〜15重量%であって且つテレフタル酸を主成
分とするカルボン酸成分と、下記化学式[化3]で表さ
れるジオール及び炭素数2〜10のアルキレングリコー
ルを主成分とするアルコール成分との重縮合物であり、
ハロゲンの含有量が2.5〜5.2重量%であり、且つ
アンチモン化合物粒子の含有量が0.4〜3.8重量%
であるポリエステル樹脂組成物から成ることを特徴とす
るヒンジ付コネクタ。 【化3】 (式中、R 1 及びR 2 は炭素数2〜4のアルキレン基、
Xはハロゲン原子、l及びmは1〜4の数、p及びqは
1〜10の数を示す) - 【請求項4】 ハロゲン含有ポリエステル樹脂のハロゲ
ン含有量が5〜10重量%であることを特徴とする請求
項1ないし3のいずれかに記載のヒンジ付コネクタ。 - 【請求項5】 ハロゲン含有ポリエステル樹脂の固有粘
度が0.75〜0.95dl/gであることを特徴とす
る請求項1ないし4のいずれかに記載のヒンジ付コネク
タ。 - 【請求項6】 ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有
粘度が0.9〜1.15dl/gであることを特徴とす
る請求項1ないし5のいずれかに記載のヒンジ付コネク
タ。 - 【請求項7】 ポリエステル樹脂組成物に占めるハロゲ
ン含有ポリエステル樹脂の比率が42〜83重量%であ
ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
のヒンジ付コネクタ。 - 【請求項8】 アンチモン化合物粒子が0.7〜3.0
μmの平均粒径を有し且つ10μm以上の粒径の粒子を
実質的に含有しないアンチモン化合物粒子であることを
特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のヒンジ
付コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24067892A JP3156388B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-09-09 | ヒンジ付コネクタ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14350992 | 1992-05-08 | ||
JP4-143509 | 1992-05-08 | ||
JP24067892A JP3156388B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-09-09 | ヒンジ付コネクタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0620739A JPH0620739A (ja) | 1994-01-28 |
JP3156388B2 true JP3156388B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=26475213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24067892A Expired - Lifetime JP3156388B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-09-09 | ヒンジ付コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3156388B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3098412B2 (ja) | 1995-11-27 | 2000-10-16 | 株式会社青木固研究所 | 延伸吹込成形による吊り具付きボトル |
JP3181235B2 (ja) | 1997-01-31 | 2001-07-03 | 株式会社青木固研究所 | 提げ手を有する二軸延伸ボトル |
-
1992
- 1992-09-09 JP JP24067892A patent/JP3156388B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
本山 時彦編「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」ラバーダイジェスト社(昭和49年10月15日)第326頁及び第327頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0620739A (ja) | 1994-01-28 |
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