JP3146869B2 - 自動販売機のスパイラル式商品収納ラック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主としてカップ入りア
イスクリームの販売に適用する自動販売機のスパイラル
式商品収納ラックに関する。

【０００２】

【従来の技術】蓋付きカップ容器入り商品をスパイラル
式商品収納ラックを使用して販売する場合に、カップ容
器の形状（丸カップ，角カップ），サイズが異なる商品
を安定した収納姿勢に保持して販売動作が行えるよう
に、商品収納ラックに販売商品の形状，サイズに合わせ
て調節可能なガイド機構を組み込んだ構成のものが特開
平６−１５０１３３号で提案されて公知である。

【０００３】前記のスパイラル式商品収納ラックにおい
ては、スパイラルのピッチ間にカップ胴を挟み込んで横
倒し姿勢に装填したカップ容器入り商品に対し、ラック
ケースの側壁面上にはカップ蓋を前後から抱え込んで収
納商品をスパイラルに沿って下降案内する前後一対のリ
ブ状ガイド（プラスチック製でアイスクリームなどの冷
凍商品との接触による凍結を防ぐ）を備え、かつ商品の
形状，サイズに合わせて庫内の奥行き，左右幅を変更で
きるように前記ガイドの取付位置が変更できるように構
成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで前記提案にな
るスパイラル式商品収納ラックでは、機能面で次記のよ
うな問題が残る。すなわち、 （１）収納商品の下降ガイド部材として、カップ蓋を前
後から抱え込む前後一対のリブ状ガイドを備えただけで
は、スパイラルの回転操作に伴ってスパイラルのピッチ
間に装填されている商品のカップ容器が連れ回りしてカ
ップ蓋がガイド部材から抜け出てしまい、このために商
品の搬送姿勢が乱れて他の収納商品と干渉し合ったり、
商品がスパイラルから脱落するなどの搬送トラブルの生
じることがある。

【０００５】（２）また、前記リブ状ガイドを取付けた
二分割構造の伸縮式基板は、その重ね合せ面に設けた調
節溝とこの調節溝に嵌挿した爪とで係止連結されてお
り、この連結構造のままでは不安定であり、取扱い時、
あるいは動作時に外力が加わると基板相互の調節位置が
ずれたり、連結が簡単に外れてしまうなどのトラブルが
発生することがある。

【０００６】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は前記（１），（２）の課題を解決
し、形状，サイズの異なる各種の商品にも対応でき、し
かもスパイラルのピッチ間に横置姿勢で装填したカップ
容器入り商品を搬出端へ向けて安定かつ円滑に下降案内
できるよう改良したスパイラル式商品収納ラックを提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、前面扉付きラックケースの庫内にベンドモー
タに連結したスパイラルを備え、該スパイラルのピッチ
間にカップの胴部を挟み込んで横倒し姿勢に装填したカ
ップ容器入り商品を、スパイラルの回転操作により最下
位から順に搬出する自動販売機のスパイラル式商品収納
ラックであり、ラックケースの側壁面上にカップ容器の
蓋を前後から抱え込んで収納商品をスパイラルに沿って
下降案内する前後一対のリブ状ガイドを備えたものにお
いて、前面扉の裏面，およびラックケースの後壁面から
庫内に突き出して商品のカップ胴を前後から収納位置に
ホールドする回り止め部材を設け、前記前後一対のリブ
状ガイドを、板面を重ねて前後方向へ伸縮可能に組合わ
せた２枚組の基板に振り分けて取付け、かつ該基板をそ
の前後縁から突き出すフック片を介してラックケースの
側壁に設けた前後一対の支持枠にまたがって架設すると
ともに、２枚組の基板の間を固定ピンを介して連結した
ことを特徴とする。

【０００８】

【作用】上記構成において、スパイラルのピッチ間に横
置姿勢に装填されたカップ容器入り商品は、そのカップ
蓋が前後一対のリブ状ガイドの間に抱え込まれ、さらに
カップ胴の部分が前後から回り止め部材の間にホールド
される。したがって、販売動作時のスパイラルの回転に
伴い商品が連れ回りして収納姿勢が崩れることがなく、
搬出端に向けて順に安定して下降案内することができ
る。また、カップ蓋を挟んでその前後に並ぶリブ状ガイ
ドを取付けた２枚組の伸縮式基板の相互間を固定ピンを
介して連結しておくことにより、強固な連結状態が確保
されるので、使用中に不測に調節位置がずれたり、基板
の連結が外れたりするトラブルが確実に回避されて信頼
性が向上する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。各図において、１は下面を開放した箱形のラックケ
ース、２はその前面扉、３はラックケース１内の中央に
組み込んでスパイラル、４はスパイラル３の各ピッチ間
に１個ずつ分離して装填されたカップ容器入り商品であ
り、スパイラル３は支軸５を介して図示されていないベ
ンドモータに連結されている。ここで、カップ容器入り
商品４は左右二列に振り分けてスパイラル３に収納保持
されており、その収納姿勢はカップ蓋４ａを図示のよう
にラックケース１の左右側壁面に向け、カップ胴４ｂを
スパイラル３のピッチ間に挟み込んで装填されている。

【００１０】また、前記カップ容器入り商品４をスパイ
ラル３に沿って下降ガイドする案内構造は、大別して次
の二つの案内部に分けて構成されている。すなわち、第
１の案内部は、カップ蓋４ａを前後から抱え込むように
並ベた前後一対のプラスチック製のリブ状ガイド５，６
と、該リブ状ガイド５，６を個別に取付けた２枚組の大
小基板７ａ，７ｂからなる基板組立体７と、該基板組立
体７をラックケース１の側壁面上に架設する前後一対の
支持枠８とで構成されている。また、第２案内部とし
て、前面扉２の裏面およびラックケース１の後壁面から
庫内に突出してカップ胴４ｂを前後からホールドするリ
ブ状の回り止めガイド９を備えている。

【００１１】次に、前記第１の案内部の詳細構造を図２
で説明する。すなわち、前後一対のリブ状ガイド５，６
のうち、前部のガイド５は、先端をＬ字形に折り曲げて
把手部とした奥行き寸法の大きな基板７ａの前縁近くで
上下方向に敷設（基板７ａから切り起こした舌片の間に
挟み込んで固定されている）され、後部のガイド６は前
記基板７ａの上に重ねて組合わせた小幅な基板７ｂの板
面に固定されている。ここで、基板７ａと７ｂの重ね合
せ面には基板７ａから切り起こした係止爪１０と、該係
止爪１０と嵌合しあうように基板７ｂの板面に穿孔した
逆Ｕ字形の調節溝１１が設けてあり、さらに基板７ａ，
７ｂの後端上縁部にはＬ字形に突出した連結片１２，１
３を設け、該連結片１２，１３に穿孔した穴１２ａ，１
３ａに固定ピン１４を嵌挿して基板７ａと７ｂとの間を
連結するようにしている。かかる構成で、逆Ｕ字形の調
節溝１１に対する係止爪１０の係合位置に切り替えるこ
とにより、基板７の全体が前後方向に伸縮してガイド５
と６との間の間隔が変化する。なお、固定ピン１４は前
記伸縮調節段に合わせて連結片１３に穿孔した前後二箇
所の穴のいずれかを選択して嵌挿する。

【００１２】また、基板組立体７はラックケース１の側
壁に設けた支持枠８に対して次のように架設されてい
る。すなわち、支持枠８は前後間の間隔が階段状に拡大
するように段付き形状に板金加工されたもので、支持枠
８の側面には左右に位置をずらして各段付き部に基板組
立体７を掛け止めする角穴８ａ，８ｂが開口している。
そして、前記基板組立体７の伸縮調節段に対応して、基
板７ａの前縁，基板７ｂの後縁から突出したフック片１
５を前記角穴８ａ，８ｂのいずれか一方に嵌め込み、基
板組立体７を前後に並ぶ支持枠８の間にまたがって支持
する。

【００１３】次に、図１（ａ），（ｂ）により、形状，
サイズの異なるカップ容器入り商品４に対応した前記ガ
イド部材の調節操作について説明する。まず、図１
（ａ）のように、カップ容器の高さがＨ１，カップ蓋４
ａの直径がＤ１であるカップ容器入り商品４を販売する
場合には、このカップサイズに合わせてリブ状ガイド
５，６を図示の調節段位置にセットし、かつ支持枠８の
角穴８ａを選択して基板組立体７を支持枠８の間に架設
し、この状態で庫内の実効的な奥行き寸法，左右幅寸法
をそれぞれＬ１，Ｗ１に規制する。

【００１４】この状態で商品の販売動作が行われると、
スパイラル３のピッチ間に横置姿勢で装填されたカップ
容器入り商品は、カップ蓋４ａ，カップ胴４ｂがそれぞ
れガイド５，６および回り止めガイド９により前後から
ホールドされた形でスパイラル３に沿って下降ガイドさ
れる。したがって、スパイラル３の回転に伴って商品４
が連れ回りすることがなく、常に安定した収納姿勢を保
って下降搬送される。また、２枚組の基板組立体７の基
板７ａ，７ｂは固定ピン１４を介して相互連結されてい
るので、使用中に調節位置がずれたりすることがない。

【００１５】一方、図１（ｂ）で示すように、販売商品
をカップ容器の高さＨ２（Ｈ２＞Ｈ１），カップ蓋の直
径Ｄ２（Ｄ２＜Ｄ１）のカップ容器入り商品に変更する
場合には、基板組立体７を支持枠８から取り外した上
で、図２に示した固定ピン１４を連結片１２，１３から
一旦引き抜き、この状態でガイド５と６の間の前後間隔
を狭めるように、基板７ａ７ｂとの間で係止爪１０と調
節溝１１との係止位置を切換えた後、この調節位置で再
び固定ピン１４を介して基板７ａと７ｂの間を連結す
る。そして、基板組立体７から前後に突出したフック片
１５を支持枠８の角穴８ｂに引っ掛けて基板７をこの位
置にセットする。これにより、図１（ａ）と比べて庫内
の実効的な奥行き寸法がＬ２に縮小し、左右幅寸法がＷ
２に拡大する。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、スパ
イラルのピッチ間に装填したカップ容器入り商品を安定
した姿勢に収容保持し、搬送トラブルなしにスパイラル
に沿って円滑に下降ガイドさせることができ、かつ簡単
な調節操作で形状，サイズの異なる各種商品にも対応で
きるなど、機能並びに取扱い面で優れた効果を発揮する
スパイラル式商品収納ラックを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例によるスパイラル式商品収納ラ
ックの構成図であり、（ａ），（ｂ）はそれぞれサイズ
の異なるカップ容器入り商品を装填した状態を表す平面
図

【図２】図１におけるガイド機構の詳細構造を示す分解
斜視図

【符号の説明】

１ ラックケース ２ 前面扉 ３ スパイラル ４ カップ容器入り商品 ４ａ カップ蓋 ４ｂ カップ胴 ５、６ リブ状ガイド ７ 基板組立体 ７ａ，７ｂ 基板 ８ 支持枠 １ 回り止めガイド ２ 係止爪 ３ 調節溝 １２，１３ 連結片 １４ 固定ピン １ フック片

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前面扉付きラックケースの庫内にベンドモ
   ータに連結したスパイラルを備え、該スパイラルのピッ
   チ間にカップの胴部を挟み込んで横倒し姿勢に装填した
   カップ容器入り商品を、スパイラルの回転操作により最
   下位から順に搬出する自動販売機のスパイラル式商品収
   納ラックであり、ラックケースの側壁面上にカップ容器
   の蓋を前後から抱え込んで収納商品をスパイラルに沿っ
   て下降案内する前後一対のリブ状ガイドを備えたものに
   おいて、前面扉の裏面，およびラックケースの後壁面か
   ら庫内に突き出して商品のカップ胴を前後から収納位置
   にホールドする回り止め部材を設け、前記前後一対のリ
   ブ状ガイドを、板面を重ねて前後方向へ伸縮可能に組合
   わせた２枚組の基板に振り分けて取付け、かつ該基板を
   その前後縁から突き出すフック片を介してラックケース
   の側壁に設けた前後一対の支持枠にまたがって架設する
   とともに、２枚組の基板の間を固定ピンを介して連結し
   たことを特徴とする自動販売機のスパイラル式商品収納
   ラック。