JP3146573B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3146573B2 JP31657591A JP31657591A JP3146573B2 JP 3146573 B2 JP3146573 B2 JP 3146573B2 JP 31657591 A JP31657591 A JP 31657591A JP 31657591 A JP31657591 A JP 31657591A JP 3146573 B2 JP3146573 B2 JP 3146573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用空調装置に関
し、特に車室内の温度に影響を与える温度情報と車両乗
員が設定する車室内の目標設定温度に基づき、車室内に
送風する必要吹出温度の制御を行う車両用空調装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置は、例えば次式で
定義される必要吹出温度TAOを基準にして車室内温度
を制御している。
【0003】
【数1】TAO=Kset ・Tset −Kr・Tr−Kam・
Tam−Ks・ST+C {但し、Tset :目標設定温度、Tr:車室内の温度
(内気温度)、Tam:車室外の温度(外気温度)、S
T:日射量、Kset 、Kr、Kam、Ks、C:定数} 上記数1で定義されるように、目標設定温度、車室内の
温度、車室外の温度、日射量という温度情報を考慮し、
それぞれの温度情報に対処して車室内の温度が目標設定
温度になるように必要吹出温度TAOを制御している。
【0004】つまり車両乗員が目標設定温度を設定すれ
ば、車室内の温度や車室外の温度、日射量の変化に応じ
て車室内の温度が目標設定温度になるように制御され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の車両用空調
装置では、前記数1で定義されるような制御式で、それ
ぞれの温度情報に対処して必要吹出温度TAOを制御
し、車室内温度を目標設定温度(Tset )に維持するよ
うにしている。しかし制御式が画一的であるため、温度
情報の変化量に対する必要吹出温度TAOの変化量が車
両乗員の好みに合わないことがあり、車両乗員が再度目
標設定温度を設定し直す必要がある、という問題があ
る。
【0006】本発明は、温度情報の変化量に対する必要
吹出温度の変化量を各々の車両乗員の好みに合うように
制御し、目標設定温度の再設定頻度を減少できる車両用
空調装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を達成
するために、車室内の温度を検出する車室内温度検出手
段と、車室外温度および車室内への侵入日射量の少なく
とも一方を検出する温度情報検出手段と、車両乗員が車
室内の目標設定温度を設定する目標温度設定手段と、
記車室内温度検出手段により検出された車室内温度、前
記温度情報検出手段により検出された温度情報、および
前記目標温度設定手段により設定された目標設定温度に
基づいて、車室内へ送風される空気の必要吹出温度を演
算する必要吹出温度演算手段と、 この必要吹出温度演算
手段により演算された必要吹出温度に基づいて、車室内
へ送風される空気の温度を制御する温度制御手段とを備
えた車両用空調装置において、 前記目標温度設定手段に
よる目標設定温度の変更があったか否かを判定する設定
温度変更判定手段と、 前記設定温度変更判定手段により
前記目標設定温度の変更があったと判定されたとき、予
め定められた基準温度と前記変更後の目標設定温度との
温度差を算出する温度差算出手段と、 前記設定温度変更
判定手段により前記目標設定温度の変更があったと判定
されたとき、そのときに前記温度差算出手段により算出
される温度差を、同じくそのときに前記温度情報検出手
段により検出される温度情報と対応させて記憶する温度
差記憶手段と、 所定期間が経過したか否かを判定する期
間経過判定手段と、 この期間経過判定手段により前記所
定期間が経過したと判定されたとき、この所定期間の間
に前記温度差記憶手段に記憶された複数の記憶値に基づ
いて、前記温度情報の全範囲について、所定の前記温度
情報に対応する前記温度差の代表値を演算する代表温度
差演算手段とを備え、 前記必要吹出温度演算手段は、前
記代表温度差演算手段により演算される代表 温度差をも
考慮して前記必要吹出温度を演算するように構成された
ことを特徴とする車両用空調装置を採用するものであ
る。
【0008】
【作用】車両乗員が目標設定温度を変更したときに、そ
のときの温度情報とそのときの上記温度差とを関連付け
て記憶する処理を所定期間にわたって行うことによっ
て、その車両乗員がどのような温度情報のときに、基準
温度に対してどの程度ずれた目標設定温度を好むのかが
傾向として分かる。更には、この記憶値に基づいて、温
度情報の全範囲にわたって、所定の温度情報に対応する
上記温度差の代表温度を演算すれば、その演算結果がす
なわち、その車両乗員がどのような温度情報のときに、
基準温度に対してどの程度ずれた目標設定温度を好むの
かを表す代表的なデータとなる。
【0009】従って、本発明では、上記所定期間の経過
後においては、検出された車室内温度、温度情報および
設定された目標設定温度だけに基づいて必要吹出温度を
演算するのではなく、更には上記代表的なデータに基づ
いて、上記検出された温度情報に対応する上記温度差を
求め、この求めた温度差をも考慮して必要吹出温度を演
算し、この必要吹出温度に基づいて車室内へ送風される
空気の温度を制御するので、車両乗員の好みに合った温
度制御を行うことができる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図1は本発明が適用された実施例の車両用空気
調和装置とその制御系を表す概略構成図である。
【0011】図に示す如く本実施例の自動車用空気調和
装置1(以下単に空調装置という)は、車室3の前方部
に配置されたエアダクト5内に所謂空調ユニットを設け
たものであり、このエアダクト5の上流側から順に配設
された、内外気切換ダンパ7、ブロワ9、エバポレータ
11、エアミックスダンパ13、ヒータコア15、及び
吹出口切換ダンパ17を備えている。
【0012】ここで内外気切換ダンパ7は、サーボモー
タ19による駆動のもとに第一切換位置(図に実線で示
す位置)に切り換えられて、エアダクト5内にその外気
導入口5a から外気を導入させ、一方第二切換位置(図
に破線で示す位置)に切り替えられて、エアダクト5内
にその内気導入口5b から車室3内の空気(内気)を流
入させる。
【0013】またブロワ9は、駆動回路21により駆動
されるブロワモータ23の回転速度に応じて、外気導入
口5a からの外気又は内気導入口5b からの内気を空気
流としてエバポレータ11に送風し、エバポレータ11
は、そのブロワ9からの空気流を、空気装置の冷凍サイ
クルの作動によって循環する冷媒と熱交換して冷却す
る。
【0014】次にエアミックスダンパ13は、サーボモ
ータ25により駆動され、その開度を変更することによ
り、エバポレータ11からの冷却空気流をエンジン冷却
水が供給されて冷却空気を加熱するヒータコア15に流
入させると共に残余の冷却空気流を吹出口切換ダンパ1
7に向けて流動させることで、所定温度に調節された空
気流が得られる。
【0015】一方吹出口切換ダンパ17は、サーボモー
タ27による駆動のもとに、当該装置のベンティレーシ
ョンモード時に第一切換位置17a(図に一点鎖線で示
す位置)に切り換えられて、エアダクト5の吹出口5c
から車室3内中央に向けて空気を吹き出させ、当該装置
のヒートモード時に第二切換位置17b(図に破線で示
す位置)に切り換えられて、エアダクト5の吹出口5d
から車室3内下部に向けて空気を吹き出させ、また当該
装置のバイレベルモード時に第三切換位置17c(図に
実線で示す位置)に切り換えられて、両吹出口5c 、5
d から車室3内中央及び下方に向けて空気を吹き出させ
る。
【0016】内外気切換ダンパ7、ブロワ9、エアミッ
クスダンパ13、及び吹出口切換ダンパ17を夫々駆動
するサーボモータ19、駆動回路21、サーボモータ2
5及び27は、電子制御装置(ECU)30からの駆動
信号を受けて上記各部を駆動する。
【0017】ECU30は、車室3内の温度(内気温
度)Trを検出する内気温検出手段としての内気温セン
サ34、外気温度Tamを検出する外気温検出手段とし
ての外気温センサ36、エンジンの冷却水温Twを検出
する水温センサ38、車室3内に侵入する日射量ST
検出する日射量検出手段としての日射センサ40、エバ
ポレータ11からの冷気の温度(出口温度)Teを検出
する出口温センサ42等から出力された検出データをA
/D変換器44を介して読み込み、この検出データと操
作パネル50からの各種信号に基づき空調制御を実行す
ものである。すなわち、A/D変換器44からの信号
を受けて上記各部の操作量を算出する中央処理装置(以
下、CPUという)301と、後述する各種式を記憶す
る記憶手段としてのROM302と、CPU301で算
出された操作量に応じた制御信号を上記各部へ出力する
出力部303等からなる周知のマイクロコンピュータに
より構成されている。尚ECU30は、イグニッション
スイッチIGのON時にバッテリBから電源供給を受け
て動作可能状態となり、オートスイッチ52の操作によ
って空調装置Iの動作モードがオートモードに設定され
ている時に空調制御処理を開始する。また、エアコンス
イッチ56、内外気切換スイッチ58、風量設定スイッ
チ64、或いは吹出口設定スイッチ66等が操作され
て、ECU30の動作モードがマニュアルモードに切り
換えられたときには、ECU30はこの自動制御処理を
終了して、各スイッチの操作状態に対応した周知の空調
制御処理を実行する。
【0018】操作パネル50は、車室3内の運転席前方
のインナパネルに設けられており、図2に示す如く、上
記各部を所定の制御パターンにて自動制御するオートモ
ードを設定するためのオートスイッチ52、空調装置1
の動作停止指令を入力する、すなわちブロワ9を駆動す
る駆動回路21を停止するためのオフスイッチ54、冷
凍サイクルの作動・停止を切り換える、すなわちコンプ
レッサ(図示しない)の作動・停止をきりかえるための
エアコンスイッチ56、内気循環か外気導入かを切り換
えるための内外気切換スイッチ58、車室3内の目標温
度を設定するための温度設定スイッチ60、温度設定ス
イッチ60により設定された車室3内の目標温度を表示
する表示器62、ブロワ9からの送風量を強・中・弱の
何れかに設定するための風量設定スイッチ64、吹出口
を設定するための吹出口設定スイッチ66等を備えてい
る。
【0019】またオートスイッチ52、エアコンスイッ
チ56、内外気切換スイッチ58、風量設定スイッチ6
4及び吹出口設定スイッチ66の近傍には、夫々、スイ
ッチの操作状態を表示するための表示ランプ70が備え
られている。そしてこれら各表示ランプ70及び表示器
62は、ECU30からの駆動信号を受けて作動する図
1に示すパネル駆動回路68により駆動され、空調装置
1の動作状態を表示する。
【0020】以下、このECU30が実行する空調制御
について、図3に示すフローチャートに沿って説明す
る。図3に示す如くこの自動制御処理を開始すると、ま
ずステップ100にて、以降の処理の実行に使用する数
1の制御式のイグニッションスイッチIGのON時にお
ける目標設定温度Tset 、日射係数Ks等の初期設定値
の設定を行う初期化の処理を実行する。次にステップ1
10では図2に示す操作パネル50のエアコンスイッチ
56、温度設定スイッチ60、内外気切換スイッチ5
8、風量設定スイッチ64、吹出口設定スイッチ66等
の各スイッチの操作パネルの設定状態を読み込む。な
お、車両乗員が前回に空調装置を使用しエアコンスイッ
チ56をOFFにした時の操作状態をECU30に記憶
させておくことで、最初の各スイッチの状態は、前回O
FFにした時の設定状態に成っている。
【0021】今度はステップ120に移行し、A/D変
換器44を介して、内気温センサ34、外気温センサ3
6、水温センサ38、日射センサ40、出口温センサ4
2の各種センサにて検出された内気温度Tr 、外気温度
Tam、冷却水温Tw、日射量ST、出口温Teの各温度
情報を読み込む。
【0022】続くステップ130では、ステップ110
で読み込んだ目標設定温度Tset が前回読み込んだ時の
目標設定温度Tset から変更しているか否かの判定を行
い、設定温度の変更が無い場合はステップ140に移行
する。
【0023】ステップ140では、操作パネル50の温
度設定スイッチ60により設定された車室3内の目標設
定温度Tset と、ステップ120にて読み込んだ内気温
Tr、外気温Tam及び日射量STとに基づき、予めEC
U30のROM302内に記憶されている上述の数1の
制御式を用いて、内気温Trを目標設定温度Tset に制
御するのに必要な吹出口5c、5dからの空気の必要吹
出温度TAOを演算する。
【0024】尚この数1の制御式において、Kset 、K
r、Kam及びKsは、夫々係数を表し、Cは定数を表し
ている。各係数は目標設定温度Tset を操作することに
より一年中を通して快適にするため、予めチューニング
されている室温補正係数である。
【0025】つまり、目標設定温度Tset を設定すれ
ば、車室内の温度Tr、車室外の温度Tam、日射量ST
の変化に応じて車室内の温度が目標設定温度になるよう
に制御されている。
【0026】こうして必要吹出温度TAOが演算される
と、今度はステップ150に移行して、この必要吹出温
度TAOと、予めECU30のROM302内に記憶さ
れている吹出モード設定用の制御パターンデータとに基
づき、空気の吹出モードをヒートモード、バイレベルモ
ード、及びベンティレーションモードの内の何れかに決
定する吹出モード決定処理を実行する。
【0027】尚既述したように、ヒートモードは、吹出
口切換ダンパ17を図1に点線で示す位置に制御して、
空気を吹出口5dのみから吹き出させる制御モードを、
バイレベルモードは、吹出口切換ダンパ17を図1に実
線で示す位置に制御して、空気を吹出口5cと5dとの
両方から吹き出させる制御モードを、ベンティレーショ
ンモードは、吹出口切換ダンパ17を図1に一点鎖線で
示す位置に制御して、空気を吹出口5cのみから吹き出
させる制御モードを、夫々表す。
【0028】次にステップ160では、ステップ140
で求めた必要吹出温度TAOと、ステップ120にて読
み込んだ出口温Te及び冷却水温Twとに基づき、EC
U30のROM302内に予め記憶されている次式を用
いて、各吹出口からの吹出温度を必要吹出温度TAOに
制御するのに必要なエアミックスダンパ13の目標開度
SW[%]を演算する。
【0029】
【数2】 SW={(TAO−Te)/(Tw−Te)}×100 また続くステップ170では、ステップ140で求めた
必要吹出温度TAOと予め記憶されている制御パターン
データとに基づき、車室3内への空気の吹出量を決定す
るブロワ電圧Vを演算し、更に続くステップ180に
て、ステップ140で求めた必要吹出温度TAOに基づ
き、予めECU30のROM302内に格納されている
内外気切り換え用の制御パターンデータを用いて、内外
気切換ダンパ7の開度を決定する。
【0030】そして続くステップ190では、上記ステ
ップ150〜ステップ180の演算結果に応じて、吹出
口切換ダンパ17、エアミックスダンパ13、ブロワモ
ータ23及び内外気切換ダンパ7を駆動するための制御
信号、及びステップ110にて設定・変更した空気の吹
出量の制御モードを含む空調制御の実行状態を操作パネ
ル50の表示ランプ70に表示させるための制御信号を
夫々出力する。その後再度ステップ110に移行する。
【0031】車両乗員が空調装置をONさせてから、上
記述べたように、図3に示すフローチャートのステップ
100からステップ190の制御により、従来から用い
られている数1における必要吹出温度TAOの制御式に
従って車両乗員の所望の温度に車室内の温度が制御され
る。
【0032】しかし、必要吹出温度TAOが設定温度T
set 近傍の車室内の温度に制御されても、車両乗員がそ
の空調状態を気に入らなければ目標設定温度Tset の修
正が行われる。車両乗員が目標設定温度Tset による空
調状態に満足していれば、目標設定温度Tset の修正は
行われないはずである。
【0033】従って、その車両乗員の好みにあった目標
設定温度Tset に設定してあれば、目標設定温度Tset
を修正させずに空調装置を使用することが出来るように
必要吹出温度の制御が行われている。
【0034】ところが、車両乗員の好みの目標設定温度
Tset に設定しておいても、車室外の温度Tamや日射量
ST等の条件によっては目標設定温度Tset を修正させ
ることがあると考えられる。
【0035】それは、日射量STや車室外の温度Tamの
変化に対しての必要吹出温度TAOの変化量が車両乗員
の好みに合わない為である。つまり、車両内の空調の制
御が行われて目標設定温度Tset に対する所望の温度に
車室内温度が制御された時に、車両乗員が空調状態に不
満を持つのは、日射量STや車室外の温度Tamの変化に
対しての必要吹出温度TAOの変化量が車両乗員の好み
に合わない為であると考えられる。
【0036】そこで、車両乗員による目標設定温度Tse
t の設定数を減少させ、しいては目標設定温度Tset を
修正すること無く車両乗員の所望の空調状態にするため
に、日射量STや車室外の温度Tamの変化に対する必要
吹出温度TAOの変化量を、各々の車両乗員の好みの変
化量に補正する。
【0037】必要吹出温度TAOの変化量を各々の車両
乗員の好みの変化量に補正するためには、先ず各々の車
両乗員の好み、即ち各々の車両乗員が目標設定温度Ts
etを修正した時の温度差ΔTsetを次式のように基
準温度Tset(s)と目標設定温度Tsetとの差で
算出し、修正の原因である日射量STや車室外の温度T
amと共にECU30で記憶させておく。
【0038】
【数3】ΔTset =Tset(s)−Tset なお、Tset(s)は基準温度( 一定に設定してある温度)
、Tset は車両乗員が修正した時の目標設定温度(修
正後の目標設定温度)であり、この時目標設定温度Tse
t から基準温度Tset(s)を引いた値を求めても良く、基
準温度Tset(s)と目標設定温度Tset との差が求まれば
良い。
【0039】つまり、車室内の目標設定温度Tset の設
定時に温度差ΔTset を導き出し、この温度差ΔTset
とその時の日射量STとの相関関係を複数回記憶し学習
する。
【0040】学習期間に蓄積されたデータは図4の様に
温度差ΔTsetと日射量STとの関係で表されてお
り、この学習した関係から、一次近似法等の公知の方法
により次式の様に温度差ΔTsetの代表温度差ΔTs
et(ave)の関係が導き出せる。
【0041】
【数4】ΔTset(ave)=aST+b 上式において、aとbは定数であり、ΔTset(ave)はS
Tの一次関数で表される。次に上式を用いた次の二つの
式を定義する。
【0042】
【数5】ΔKs=Kset ×ΔTset(ave)/ST
【0043】
【数6】Ks’=Ks+ΔKs 上記3つの数式、数4、数5、数6から日射係数Ks’
を求め、従来から行われている必要吹出温度TAOの制
御式の数1において、日射係数Ksを学習により導き出
された日射係数Ks’に置き換える。
【0044】日射係数をKs’に置き換えると必要吹出
温度TAOの数1は次式の様に変形される。
【0045】
【数7】 TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks’×ST+C =Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam −{Ks+Kset×ΔTset(ave)/ST}×ST+C =Kset×{Tset−ΔTset(ave)}−Kr×Tr −Kam×Tam−Ks×ST+C 上記に示されるように数1の日射係数Ksを学習後の日
射係数Ks’に置きかえると、必要吹出温度TAOの制
御式の第一項に代表温度差ΔTset(ave)が自動的
に組み込まれる。ΔTset(ave)は車両乗員が日射
量に対して目標設定温度Tsetを補正した値の代表
であり、数4の様にしてSTの関数で表されている。こ
代表温度差が組み込まれることによって車両乗員が目
標設定温度Tsetを変更すること無く、あたかも目標
設定温度Tsetを変更した時と同様の必要吹出温度T
AOになる。
【0046】つまり、数1の制御式において目標設定温
度Tsetの項を目標設定温度Tsetと代表温度差Δ
Tset(ave)との差に置換して必要吹出温度TAO
を決定する。なお、数3において温度差ΔTsetを求
める際に目標設定温度Tsetから基準温度Tset
(s)を引いた値を求めた時は、数7の制御式において目
標設定温度Tsetの項を目標設定温度Tsetと代表
温度差ΔTset(ave)との和に置換して必要吹出温
度TAOを決定する。
【0047】この学習は、必要吹出温度TAOが設定温
度Tset 近傍の車室内の温度に空調制御された時の目標
設定温度Tset の修正に関するものである。そこで、必
要吹出温度TAOが安定しているか否かの判定を行う。
車両乗員が目標吹出温度Tset の修正を行うのは必要吹
出温度TAOの安定後とは限らず、必要吹出温度TAO
が±1°C程度で安定してからのデータのみ記憶・学習
することで、空調装置の始動時の目標設定温度の変更等
の記憶・学習上の誤差となるような記憶データを含まな
いようにする。
【0048】これら上記の学習を学習制御部90にて行
う。ステップ110にて温度設定スイッチ60の操作に
よる目標設定温度Tset の修正があった場合は、ステッ
プ130で判断してステップ200に移行する。
【0049】ステップ200では、必要吹出温度TAO
が安定しているか否かの判定がなされる。安定していれ
ばステップ210に移行し、安定していなければステッ
プ140に移行し通常制御部80の制御を行う。
【0050】ステップ210では数3の温度差ΔTset
の算出を行い、次にこれを元にステップ220にて図4
の如く温度差ΔTset と日射量STとの関係の記憶を行
い相関データを得る。ステップ230では学習期間(例
えば1年間)が満了したか否かの判定がなされる。もし
学習期間が満了していなければ、各々の車両乗員の好み
を反映するための学習期間が続けられ、記憶データの蓄
積を行うために、ステップ140に移行し通常制御部8
0の制御が行われる。
【0051】学習期間が満了するまでは、目標設定温度
の変更があるごとに以上のステップを繰り返し行い、学
習期間が満了するとステップ230からステップ240
に移行する。
【0052】ステップ240にて、図4に示すように、
記憶されたデータより数4の如き代表温度差ΔTset
(ave)を一次近似法で求める。ステップ250では従
来から使用されている必要吹出温度TAOの制御式の数
1において、代表温度差ΔTset(ave)を数7の最
終式の如く代入する。
【0053】以上のように、日射量STの関数である
温度差ΔTset(ave)の代入による目標設定温度
Tsetの補正後はステップ140に移行し、通常の自
動制御部80に移る。
【0054】すると、各々の車両乗員のデータを基にス
テップ240、250で必要吹出温度TAOを導き出す
数1の制御式の補正が成された為、各々の車両乗員の好
みに合った日射係数Ksにすることができ、車両乗員が
設定温度Tset を変えること無く各個人の好みに合う適
正な必要吹出温度TAOにすることができる。
【0055】しかし、この車両乗員のデータを反映した
日射係数Ksによる制御下においても、まだ設定温度T
set の変更が考えられるので、上記の学習は繰り返し行
われる。
【0056】この学習の繰り返しにより、必要吹出温度
TAOは段々と各々の車両乗員の好みに合うようにな
る。以上説明した如く、本実施例の空調装置において
は、個人の好みの差が比較的大きい日射量の補正係数を
自動補正することで、一定期間の学習期間後はユーザ所
望の快適室温を得ることが可能になる。
【0057】また、日射係数の補正と同様に外気温度セ
ンサ36による外気温度係数Kamの学習補正をすること
で、必要吹出温度の補正をすることも可能である。な
お、本実施例では日射係数の補正を他の要因(例えば四
季による差)を考慮せずに行ったが、カレンダ機能(例
えば車内の時計装置)と連結して、四季別に整理、記憶
し、四季別に補正量ΔKsを算出し、補正量として使い
分けると更に有効な学習補正が可能となる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
検出された車室内温度、温度情報および設定された目標
設定温度だけに基づいて必要吹出温度を演算するのでは
なく、更には、上記検出された温度情報のときに車両乗
員が変更する目標設定温度を予め求め、これをも考慮し
て必要吹出温度を演算し、この必要吹出温度に基づいて
車室内へ送風される空気の温度を制御する。
【0059】従って、車両乗員の好みに合った温度制御
を行うことができ、ひいては乗員が目標設定温度を変更
する頻度を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車両用空調装置全体の構成
を表す概略構成図である。
【図2】操作パネル部の正面図
【図3】ECUにて実行される空調制御処理を表すフロ
ーチャートである。
【図4】日射量STと温度差ΔTset との相関関係図の
一例。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 3 車室 5 エアダクト 9 ブロワ 21 駆動回路 23 ブロワモータ 30 電子制御装置(ECU) 301 CPU 302 ROM 303 RAM 34 内気温センサ 36 外気温センサ 40 日射センサ 60 温度設定スイッチ 62 設定温度表示器 80 通常制御部 90 学習制御部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内の温度を検出する車室内温度検出
    手段と、 車室外温および車室内への侵入日射量の少なくとも一
    方を検出する温度情報検出手段と、 車両乗員が車室内の目標設定温度を設定する目標温度設
    定手段と、前記車室内温度検出手段により検出された車室内温度、
    前記温度情報検出手段により検出された温度情報、およ
    び前記目標温度設定手段により設定された目標設定温度
    に基づいて、車室内へ送風される空気の必要吹出温度を
    演算する必要吹出温度演算手段と、 この必要吹出温度演算手段により演算された必要吹出温
    度に基づいて、車室内へ送風される空気の温度を制御す
    る温度制御手段とを備えた車両用空調装置において、 前記目標温度設定手段による目標設定温度の変更があっ
    たか否かを判定する設定温度変更判定手段と、 前記設定温度変更判定手段により前記目標設定温度の変
    更があったと判定されたとき、予め定められた基準温度
    と前記変更後の目標設定温度との温度差を算出する温度
    差算出手段と、 前記設定温度変更判定手段により前記目標設定温度の変
    更があったと判定されたとき、そのときに前記温度差算
    出手段により算出される温度差を、同じくそのときに前
    記温度情報検出手段により検出される温度情報と対応さ
    せて記憶する温度差記憶手段と、 所定期間が経過したか否かを判定する期間経過判定手段
    と、 この期間経過判定手段により前記所定期間が経過したと
    判定されたとき、この所定期間の間に前記温度差記憶手
    段に記憶された複数の記憶値に基づいて、前記温度情報
    の全範囲にわたって、所定の前記温度情報に対応する前
    記温度差の代表値を演算する代表温度差演算手段とを備
    え、 前記必要吹出温度演算手段は、前記代表温度差演算手段
    により演算される代表温度差をも考慮して前記必要吹出
    温度を演算するように構成されたことを特徴とする車両
    用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記必要吹出温度演算手段は、前記車室
    内温度検出手段により検出された車室内温度と、前記温
    度情報検出手段により検出された温度情報と、前記目標
    温度設定手段により設定された目標設定温度との一次式
    により、車室内へ送風される空気の仮必要吹出温度を
    し、前記一次式の前記目標設定温度の項を前記目標設
    定温度と前記代表温度差との和もしくは差に置換して前
    記必要吹出温度を演算することを特徴とする請求項1記
    載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記必要吹出温度演算手段で演算された
    必要吹出温度が所定範囲内にあるか否かを判定する安定
    判定手段を備え、前記必要吹出温度演算手段は、前記安定判定手段にて前
    記必要吹出温度が前記所定範囲内にあると判定されたと
    きに、前記代表温度差をも考慮して前記必要吹出温度を
    演算することを特徴とする 請求項1または2記載の車両
    用空調装置。
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