JP3146470B2 - 電子放出素子の製造方法 - Google Patents

電子放出素子の製造方法

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JP3146470B2 JP34078893A JP34078893A JP3146470B2 JP 3146470 B2 JP3146470 B2 JP 3146470B2 JP 34078893 A JP34078893 A JP 34078893A JP 34078893 A JP34078893 A JP 34078893A JP 3146470 B2 JP3146470 B2 JP 3146470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強電界によって電子を
放出する電界放射型の電子放出素子の製造方法に関す
る。より詳しくは、平面ディスプレイを構成するにアレ
イ状のFEA(Field Emitter Arra
y)に好ましく適用できる電子放出素子の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速応答性と高解像度とを有する
平面型ディスプレイが強く求められいるが、そのための
有力なディスプレイ構造として、高真空の平板セル中
に、微小な電子放出素子をアレイ状に配したものが有望
視されている。
【0003】このような微小な電子放出素子としては、
いわゆる電界放射現象を利用したものが知られている。
即ち、電界放射型の電子放出素子は、物質に印加する電
界の強度を上げると、その強度に応じて物質表面のエネ
ルギー障壁の幅が次第に狭まり、電界強度が10V/
cm以上の強電界となると、物質中の電子がトンネル効
果によりそのエネルギー障壁を突破できるようになり、
そのため物質から電子が放出されるという現象を利用す
るものである。
【0004】このような電界放射型の電子放出素子とし
て一般的なものは、図3に示すように、先端が尖ったコ
ーン型の電子放出素子であり、これは、絶縁性基板3
1、後述するエミッタ36に電圧を印加するためのエミ
ッタ配線層32、絶縁層33及びエミッタ36に強電界
を集中させるためのゲート電極層34が順次積層され、
ゲート電極層34と絶縁層33とにはエミッタ配線層3
2に達する開孔部35が設けられ、その開孔部35内の
エミッタ配線層32上にエミッタ36が、絶縁層33及
びゲート電極層34に接触しないように積層されている
構造を有する。この場合、エミッタの先端に強電界を集
中させ、先端から電子を放出させやすくするために、エ
ミッタの先端が数百nm以下の曲率半径の針状に加工さ
れている。
【0005】ところが、このようなコーン型の電子放出
素子を、大面積の平面型ディスプレイに使用するFEA
に応用しようとした場合には、広い面積のFEA上でエ
ミッタの先端の加工を均一に行うことが非常に困難であ
るという問題があった。
【0006】このため、図4に示すように、エミッタ3
6をコーン型とせずに、均一加工性の良好なディスク型
とすることが提案されている。このディスク型の電子放
出素子においては、ディスク状のエミッタ36のエッジ
部に電界が集中し、そこから電子が放出される。この場
合、エミッタ36とエミッタ配線層32との間には、エ
ミッタ下地層37を形成しておくことが一般的に行なわ
れている。そして、このようなエミッタ下地層37は、
ディスク状のエミッタ36のエッジ部に電界が集中しや
すくなるように、エミッタ36の径よりも小さい径とす
ることが好ましいとされ、そのためにエミッタ下地層3
7は通常エミッタ36よりもエッチングされやすい材料
から形成されている。
【0007】しかしながら、ディスク型の電子放出素子
は、コーン型のものに比べて広い面積での均一加工性が
向上するものの、電界の集中度はコーン型の電子放出素
子に比べて大きくないために、より高い電圧の印加が必
要となり、電子放出特性が十分ではないという問題があ
った。
【0008】このため、ディスク状のエミッタの上面に
電界が集中しやすくなる特異点を付与するために、図5
(a)〜(d)のエミッタ平面図に示すように、ディス
ク状のエミッタを更に加工して尖ったエッジ部を形成す
ることが提案されている。例えば、図5(a)に示す形
状のエミッタを有する電子放出素子は図6に示す工程に
従って製造できる。
【0009】まず、ガラスなどの絶縁性基板61にCr
などの金属膜を形成し、これをフォトリソグラフ法など
によりパターニングして、エミッタに電圧を印加するた
めのエミッタ配線層62を形成する(図6(a))。
【0010】次に、Alなどからなるエミッタ下地層6
3を形成する。エミッタ下地層63は常に必要なもので
はないが、後述するエミッタ層からの電子放出特性を向
上させるために、エミッタ表面よりその下部がサイドエ
ッチされた状態が好ましいため、エミッタよりサイドエ
ッチされやすい材質のエミッタ下地層63をエミッタの
下層に形成することが一般的である。
【0011】更に、エミッタ下地層63上に、連続的
に、Crなどからなるエミッタ層64及びレジスト層6
5を順次形成する(図6(b))。そして、このレジス
ト層65をディスク状にパターニングする(図6
(c))。
【0012】次に、パターニングされたレジスト層65
をマスクとして、エミッタ層64とエミッタ下地層63
とを、エミッタ配線層62が露出するまでエッチングす
ることによりパターニングする(図6(d))。
【0013】次に、リフトオフ法を利用してゲート電極
を形成するが、この場合、レジスト層65をリフトオフ
層として機能させ、以下に示すようにゲート電極を形成
する。
【0014】まず、絶縁性基板61の垂直方向から、異
方性蒸着法、例えば反応性電子ビーム(REB)蒸着法
などを利用してSiOなどからなる絶縁層66を絶縁
性基板61の全面上に形成し、更に連続的にCrなどか
らなるゲート電極層67を形成する(図6(e))。
【0015】次に、レジスト層65に弱アルカリ性剥離
液(例えば、マイクロポジット1112A、シプレー社
製)を作用させることにより、レジスト層65とエミッ
タ層64とをその境界で剥離させ、レジスト層65とそ
の上に形成された絶縁層66aとゲート電極層67aと
をリフトオフして除去し、ディスク状のエミッタ層64
を露出させるとともにゲート電極パターンを形成する
(図6(f))。
【0016】次に、エミッタ層64を図5(a)に示す
形状に以下に示すように加工する。
【0017】まず、少なくともエミッタ層64上に、ポ
ジ型レジストなどからなるレジスト層68を形成する
(図6(g))。そして、このレジスト層68をフォト
リソグラフ法により十文字状にパターニングする(図6
(h))。
【0018】次に、パターニングされたレジスト層68
をマスクとして、エミッタ層64とエミッタ下地層63
とを、エミッタ配線層62に達するまでエッチングする
ことによりパターニングする(図6(i))。
【0019】最後に、レジスト層68に弱アルカリ性剥
離液(例えば、マイクロポジット1112A、シプレー
社製)などを作用させてレジスト層68を除去すること
により図6(j)に示す電子放出素子を得る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示したように電子放出素子を製造する場合には、ディス
ク型にエミッタ層64を一度作製した後に、そのディス
ク型に作成したエミッタ層64にエッジ部を形成するた
めにレジスト層68を形成するが、このときレジスト層
68は、既にディスク型にするための加工操作が施され
て凹凸表面となっているエミッタ層64上に形成される
ことになる。従って、レジスト層68を均一な厚さ塗工
することは非常に困難となり、エミッタの加工精度が低
下し、また、エミッタ層64と絶縁層66との間隙A
(図6(g))にレジスト層68が入り込み、結果的に
電子放出素子自体の電子放出特性が低下するという問題
があった。
【0021】また、エミッタ層64の絶縁性基板61か
らの距離t1がゲート電極層67の絶縁性基板61から
の距離t2に比べ小さい場合の方が、電子放出素子の電
気特性が良好となるため、図6(i)に示すように、エ
ミッタ層64が凹部となるように形成する。そのため、
フォトリソグラフ法を適用する場合に、プロキシミティ
露光状態となり、この点からもエミッタ層64の加工精
度が低下し、電子放出素子自体の電子放出特性が低下す
るという問題があった。
【0022】本発明は以上のような従来技術の問題点を
解決しようとするものであり、ディスク型の電子放出素
子の製造において、ディスク型エミッタの上面に電界が
集中しやすくなる特異点としてエッジ部を形成する際
に、従来の加工手法を使用し、高い精度で安定的にディ
スク型エミッタを再加工できるようにし、それにより電
子放出素子の電子放出特性を向上させることを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エミッタ層
の上面に電界が集中しやすくなる特異点としてエッジ部
を形成する際に使用するエッチングマスク用のレジスト
層を、予めエミッタ層上に予め形成しておくことにより
上述の目的が達成できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0024】即ち、本発明は、絶縁性基板、エミッタ配
線層、絶縁層及びゲート電極層が順次積層され、該ゲー
ト電極層と絶縁層とにはエミッタ配線層に達する開孔部
が設けられ、その開孔部内のエミッタ配線層上にエミッ
タ層が、絶縁層及びゲート電極層に接触しないように積
層されてなる電界放射型の電子放出素子の製造におい
て: (a)絶縁性基板上にエミッタ配線層を形成する工程; (b)エミッタ配線層上に、エミッタ層、第1レジスト
層、リフトオフ層、第2レジスト層を順次積層する工
程; (c)第2レジスト層をパターニングする工程; (d)パターニングされた第2レジスト層をマスクとし
てリフトオフ層、第1レジスト層及びエミッタ層を順次
エッチングする工程; (e)パターニングされた第2レジスト層を除去する工
程; (f)絶縁性基板の全面上に絶縁層及びゲート電極層を
順次形成する工程; (g)第1レジスト層上のリフトオフ層及びその上の絶
縁層とゲート電極層とを除去し、第1レジスト層を露出
させる工程; (h)露出した第1レジスト層をパターニングする工
程; (i)パターニングされた第1レジスト層をマスクとし
て、エミッタ層を再度エッチングする工程;及び (j)パターニングされた第1レジスト層を除去する工
程を含んでなることを特徴とする電子放出素子の製造方
法を提供する。
【0025】以下、本発明を図面に従って詳細に説明す
る。
【0026】図1は、本発明の電子放出素子の製造方法
の好ましい態様の工程図(工程(1a)〜(1j))で
ある。
【0027】工程(1a) まず、絶縁性基板1に導電性膜を形成し、これをフォト
リソグラフ法や、反応性イオンエッチング法(RIE
法)などによりパターニングして、エミッタに電圧を印
加するためのエミッタ配線層2を形成する(図1
(a))。
【0028】絶縁性基板1は電子放出素子の支持体とし
て機能している。このような絶縁性基板1としては、厚
みが1〜5mm程度のガラス基板、セラミック基板など
を使用することができる。
【0029】エミッタ配線層2の材料としては、絶縁性
基板1と密着がよく、導電性の良好なものを使用する。
このような材料としては、Cr、Ta、Al、Cuなど
を好ましく例示することができる。
【0030】なお、エミッタ配線層2の形成は、スパッ
タ法や真空蒸着法などにより行うことができ、その厚み
は0.1〜0.2μm程度が好ましい。
【0031】工程(1b) 次に、エミッタ配線層2上に、エミッタ層3、第1レジ
スト層4、リフトオフ層5及び第2レジスト層6を順次
形成する(図1(b))。
【0032】エミッタ層3の材料としては、仕事関数が
小さく電子放出特性が良好で、強電圧耐性があり、高い
融点を有するものを使用する。このような材料として
は、W、Mo、Nb、Crなどを好ましく例示すること
ができる。その厚みは、必要に応じて適宜決定すること
ができる。
【0033】第1レジスト層4は、エミッタ層3をディ
スク形状に加工した後に、例えば十文字型に再加工する
際にエッチングマスクとして使用する層である。このよ
うに、ディスク型に加工する前の平坦なエミッタ層3上
に、その再加工用の第1レジスト層4を予め形成してお
くことにより、ディスク型にエミッタ層をパターニング
した後に再加工用のレジスト層を形成する不利益を解消
することができる。
【0034】このような第1レジスト層4としては、ポ
ジ型あるいはネガ型のフォトレジストを使用することで
き、0.3〜0.8μm程度の厚みが好ましい。
【0035】リフトオフ層5は、後述する絶縁層とゲー
ト電極層とを形成する際に、それらがエミッタ層3の上
層にも形成されてしまうために、それらをリフトオフ法
によりエミッタ層3から除去するための層である。リフ
トオフ層の材質や厚みなどは適宜選択することができ
る。例えば、Cl系ガスでドライエッチできるAl材料
や、酸素ガスでアッシング除去できる有機樹脂材料など
を、適宜選択して使用することができる。
【0036】第2レジスト層6は、エミッタ層3をディ
スク形状にエッチングする際のエッチングマスクとなる
ようにパターニングされる層であり、ポジ型あるいはネ
ガ型のフォトレジストを使用することでき、その厚みも
適宜選択することができる。
【0037】工程(1c) 次に、第2レジスト層6を、エミッタ層3をディスク形
状にエッチングする際のエッチングマスクとなるように
パターニングする(図1(c))。
【0038】なお、第2レジスト層6のパターニング
は、通常のフォトリソグラフ法により行うことができ
る。
【0039】工程(1d) 次に、パターニングされた第2レジスト層6をマスクと
してリフトオフ層5、第1レジスト層4及びエミッタ層
3を順次エッチングする。このエッチングはエミッタ配
線層2が露出するまで行うが(図1(d))、それぞれ
の層に適したエッチング方法を適宜選択して行う。例え
ば、リフトオフ層5がAlであり、第1レジスト層4が
有機ポジ型レジストであり、そしてエミッタ層3がWで
ある場合には、リフトオフ層5はCClなどのCl系
エッチャントガスでRIE法でドライエッチングし、第
1レジスト層4はOガスでアッシング法によりエッチ
ングし、エミッタ層3はCFなどのF系エッチャント
ガスでRIE法でドライエッチングするか、硝酸セリウ
ムアンモニウム水溶液を用いたウェットエッチングすれ
ばよい。
【0040】工程(1e) 次に、パターニングされた第2レジスト層6を除去する
(図1(e))。この場合、第2レジスト層6の除去
は、Oガスを用いてアッシング法により行うことがで
きる。
【0041】工程(1f) 次に、絶縁性基板1の全面上に、絶縁層7及びゲート電
極層8を順次形成する(図1(f))。絶縁層7及びゲ
ート電極層8の形成は、絶縁材料及びゲート電極層材料
を絶縁性基板1の垂直方向から異方性蒸着法、例えばR
EB蒸着法により順次蒸着させることにより行うことが
できる。異方性蒸着法によれば、図1(f)に示すよう
に、エミッタ層3に接触させることなくその周囲に絶縁
層7及びゲート電極層8を形成することができる。
【0042】絶縁層7の材料としては、SiO、Al
などの無機絶縁性化合物を使用することが好まし
い。その層厚はエミッタ層のサイズや形状などにより異
なるが、約0.5〜2μmが好ましい。
【0043】ゲート電極層8の材料としては、高融点金
属を使用する。このような材料としては、Cr、W、M
o、Ta、Nbなどを好ましく例示することができる。
ゲート電極層8の厚みは、約0.1〜0.2μmとする
ことが好ましい。
【0044】工程(1g) 次に、第1レジスト層4が露出するように、リフトオフ
法によりリフトオフ層5及びその上の絶縁層7aとゲー
ト電極層8aとを第1レジスト層4から除去し、これに
よりゲート電極層8をパターニングする(図1
(g))。
【0045】リフトオフ法の具体的手法としては、リフ
トオフ層5の材質などにより異なるが、ドライエッチン
グ処理、ウェットエッチング処理、アッシング処理、溶
剤による溶解処理などの手法を例示することができる。
例えば、リフトオフ層5がAl層である場合には、リン
酸/硝酸/酢酸の混合液でウェットエッチングすること
により、その上層の絶縁層7aとゲート電極層8aとを
共にリフトオフすることができる。
【0046】工程(1h) 次に、第1レジスト層4を、所望の形状にエミッタ層3
をエッチングする際のエッチングマスクとなるようにパ
ターニングする(図1(h))。
【0047】なお、第1レジスト層4のパターニング
は、通常のフォトリソグラフ法等により行うことができ
る。
【0048】工程(1i) パターニングされた第1レジスト層4をマスクとして、
エミッタ層3を再度エッチングする(図1(i))。こ
れにより、ディスク状のエミッタ層3の上面に電界が集
中しやすくなる特異点として尖ったエッジ部を形成する
ことができる。
【0049】工程(1j) 最後に、パターニングされた第1レジスト層4を除去す
る。この場合、第1レジスト層4の除去は、Oガスを
用いてアッシング法により行うことができる。これによ
り、図1(j)に示すような、電子放出特性に優れた電
子放出素子が得られる。
【0050】図2は、本発明の電子放出素子の製造方法
の別の態様の工程図(工程(2a)〜(2j))であ
る。この態様は、エミッタ層3の下地にエミッタ下地層
を形成し、更に、エミッタ配線層を2層構造とした以外
は、基本的に図1の態様と同様である。
【0051】工程(2a) まず、絶縁性基板1に第1のエミッタ配線層2aを積層
し、更にその上に第2のエミッタ配線層2bを積層し、
この積層体をフォトリソグラフ法や、反応性イオンエッ
チング法(RIE法)などによりパターニングして2層
構造のエミッタ配線層2を形成する(図2(a))。
【0052】このようにエミッタ配線層2を2層構造と
する理由を以下に説明する。
【0053】即ち、エミッタ配線層の材料としては、絶
縁性基板1と密着がよく、導電性が良好で、低コストで
成膜することができる材料、例えばAlを使用すること
が望まれる。しかし、Alのみからエミッタ配線層を構
成した場合には、エミッタ配線層上に形成するエミッタ
層3や後述するエミッタ下地層9をエッチングする際に
エミッタ配線層との選択比がとれなくなったり、Alか
らなるリフトオフ層をエッチングによりリフトオフする
際にエミッタ配線層もエッチングされたりという問題が
ある。そのため、エミッタ配線層2aの保護層としても
機能する第2のエミッタ配線層2bを設けるのである。
このような第2のエミッタ配線層2bとしては、第1の
エミッタ配線層2aが約0.1〜0.2μm厚のAl薄
膜である場合には、約0.1〜0.2μm厚のTa薄膜
とすることが好ましい。
【0054】工程(2b) 次に、エミッタ配線層2上に、エミッタ下地層9、エミ
ッタ層3、第1レジスト層4、リフトオフ層5及び第2
レジスト層6を順次形成する(図2(b))。
【0055】エミッタ下地層9は、エミッタ層3からの
電子放出特性を向上させるため、エミッタ層3がその表
面よりもその下部がサイドエッチされた状態となるよう
に、エミッタ層3の材質よりサイドエッチされやすい材
質から形成する。例えば、エミッタ層3がWからなる場
合には、エミッタ下地層9はCrから形成することが好
ましい。
【0056】工程(2c) 次に、第2レジスト層6を、エミッタ層3をディスク形
状にエッチングする際のエッチングマスクとなるように
パターニングする(図2(c))。
【0057】工程(2d) 次に、パターニングされた第2レジスト層6をマスクと
してリフトオフ層5、第1レジスト層4、エミッタ層3
及びエミッタ下地層9を順次エッチングする。このエッ
チングはエミッタ配線層2が露出するまで行う(図2
(d))。このとき、エミッタ下地層9がエミッタ層3
に対しサイドエッチングされるような条件で行うことが
好ましい。これにより電子放出素子の電子放出特性を向
上させることができる。このような条件としては、エッ
チングの際をガス圧高めること等を例示することができ
るが、これに限らず適宜設定することができる。
【0058】工程(2e)〜(2h) これらの工程(図2(e)〜(h))は、図1で説明し
た工程(1e)〜(1h)とそれぞれ同様とすることが
できる。
【0059】工程(2i) パターニングされた第1レジスト層4をマスクとして、
エミッタ層3及びエミッタ下地層9を再度エッチングす
る(図2(i))。これにより、ディスク状のエミッタ
層3の上面に、電界が集中しやすくなる特異点として尖
ったエッジ部を形成することができる。
【0060】工程(2j) 最後に、パターニングされた第1レジスト層4を除去す
る。これにより、図2(j)に示すような、電子放出特
性に優れた電子放出素子が得られる。
【0061】以上説明したように製造された電子放出素
子は、電界放射現象を利用する平面ディスプレイのFE
Aとして有用である。
【0062】
【作用】本発明の電子放出素子の製造方法においては、
エミッタ層の上面に、電界が集中しやすくなる特異点と
してエッジ部を形成する際のエッチングマスクとなるよ
うにパターニングされるレジスト層を、ディスク型にパ
ターニングする前のエミッタ層上に予め形成する。従っ
て、レジスト層が、表面が平坦なエミッタ層上に形成さ
れることとなり、精度よくレジスト層をパターニングす
ることができる。また、エミッタ層とゲート電極層との
間隙にレジスト層を入り込ませないようにすることがで
きる。これにより、ディスク状エミッタ層を高い精度で
再加工することが可能となる。
【0063】
【実施例】以下、図2に示した態様の本発明の電子放出
素子の製造方法を実施例に従って詳細に説明する。
【0064】実施例工程(2a) まず、絶縁性基板としての厚さ1.1mmのガラス基板
(AN、旭ガラス株式会社製)上に、スパッタ法により
100nm厚のAl層を第1エミッタ配線層として形成
した。このAl層上に、スパッタ法により300nm厚
のTa層を第2エミッタ配線層として形成した。このA
l/Ta積層体上にフォトリソグラフ法によりパターニ
ングしたレジスト層を形成し、このレジスト層をマスク
としてCFガスを用いてRIE法によりAl/Ta積
層体のドライエッチングを行った。その後に、レジスト
層を剥離除去することによりエミッタ配線層を形成し
た。
【0065】工程(2b) 次に、スパッタ法によりエミッタ下地層として800n
m厚のCr層を形成し、その上に連続的にエミッタ層と
しての200nm厚のW膜を形成した。
【0066】更に、エミッタ層上にポジ型フォトレジス
ト(S1400、シプレー社製)をスピンコート法によ
り400nm厚に塗工することにより第1レジスト層を
形成し、この第1レジスト層上に、リフトオフ層として
600nm厚のAl層を真空蒸着法により形成し、更に
このリフトオフ層上に、第1レジスト層と同じレジスト
を用いて約1.0〜1.5μm厚の第2レジスト層を形
成した。
【0067】工程(2c) 次に、第2レジスト層をフォトリソグラフ法により円形
にパターニングした。
【0068】工程(2d) パターニングされた第2レジスト層をマスクとして、ま
ずAl層(リフトオフ層)を、CClガスを用いてR
IE法によりドライエッチングした。続いて第1レジス
ト層を、酸素ガスを用いアッシングして除去した。更
に、W層(エミッタ層)を、CFガスを用いてRIE
法によりドライエッチングした。そして、Cr層(エミ
ッタ下地層)を、CClとOとの混合系ガス(流量
比1:3)を用いてRIE法でドライエッチングした。
このドライエッチングは、エミッタ配線層に達するまで
行った。
【0069】なお、エミッタ下地層をエッチングする際
に、サイドエッチ量が大きくなるようにガス圧を高く調
整した。
【0070】工程(2e) エミッタ下地層のエッチング終了後、第2レジスト層を
酸素ガスを用いてアッシング除去した。
【0071】工程(2f) 次に、ガラス基板に対して垂直方向から、異方性蒸着法
であるREB蒸着法により1μm厚のSiO層を絶縁
層として形成し、続いてその上に同じくREB蒸着法に
より200nm厚のCr層をゲート電極層として形成し
た。
【0072】工程(2g) 次に、リフトオフ層をリン酸/硝酸/酢酸混合系エッチ
ング液を使用してウェットエッチングし、リフトオフ層
とその上の絶縁層とゲート電極層とをリフトオフして除
去した。この工程で第1レジスト層が露出した。
【0073】工程(2h) 第1レジスト層を十文字状にフォトリソグラフ法により
パターニングした。
【0074】工程(2i) パターニングされた第1レジスト層をマスクとして、ま
ず、W層(エミッタ層)をCFガスを用いるRIE法
によりドライエッチングし、次いで露出したCr層をC
ClとOとの混合ガス(流量比1:3)を用いるR
IE法によりエミッタ配線層に達するまでドライエッチ
ングした。
【0075】工程(2j) 最後に、エミッタ層上の第1レジスト層を酸素ガスを用
いてアッシング除去することにより図2(j)に示すよ
うな電子放出素子を得た。得られた電子放出素子は、電
子放出特性に優れたものであった。
【0076】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、電子放出特
性に優れた電子放出素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の製造方法の工程図であ
る。
【図2】本発明の電子放出素子の製造方法の工程図であ
る。
【図3】従来の電子放出素子の断面図である。
【図4】従来の電子放出素子の断面図である。
【図5】エミッタの平面図である。
【図6】従来の電子放出素子の製造方法の工程図であ
る。
【符号の説明】 1 絶縁性基板 2 エミッタ配線層 2a 第1のエミッタ配線層 2b 第2のエミッタ配線層 3 エミッタ層 4 第1レジスト層 5 リフトオフ層 6 第2レジスト層 7、7a 絶縁層 8、8a ゲート電極層 9 エミッタ下地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−28138(JP,A) 特開 平7−99024(JP,A) 特開 平7−130283(JP,A) 石崎守他,”十字形フィールドエミッ タ”,第54回応用物理学会学術講演会予 稿集,1993年9月27日,第2分冊,p. 542,27p−Y−4 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 1/304 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板、エミッタ配線層、絶縁層及
    びゲート電極層が順次積層され、該ゲート電極層と絶縁
    層とにはエミッタ配線層に達する開孔部が設けられ、そ
    の開孔部内のエミッタ配線層上にエミッタ層が、絶縁層
    及びゲート電極層に接触しないように積層されてなる電
    界放射型の電子放出素子の製造において: (a)絶縁性基板上にエミッタ配線層を形成する工程; (b)エミッタ配線層上に、エミッタ層、第1レジスト
    層、リフトオフ層、第2レジスト層を順次積層する工
    程; (c)第2レジスト層をパターニングする工程; (d)パターニングされた第2レジスト層をマスクとし
    てリフトオフ層、第1レジスト層及びエミッタ層を順次
    エッチングする工程; (e)パターニングされた第2レジスト層を除去する工
    程; (f)絶縁性基板の全面上に絶縁層及びゲート電極層を
    順次形成する工程; (g)第1レジスト層上のリフトオフ層及びその上の絶
    縁層とゲート電極層とを除去し、第1レジスト層を露出
    させる工程; (h)露出した第1レジスト層をパターニングする工
    程; (i)パターニングされた第1レジスト層をマスクとし
    て、エミッタ層を再度エッチングする工程;及び (j)パターニングされた第1レジスト層を除去する工
    程を含んでなることを特徴とする電子放出素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 工程(b)において、エミッタ配線層と
    エミッタ層との間に、更にエミッタ下地層を設け、工程
    (d)において、エミッタ層の後にエミッタ下地層も順
    次エッチングし、そして工程(i)において、エミッタ
    層及びエミッタ下地層を順次、再度エッチングする請求
    項1記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)において、エミッタ配線層を
    2層構造とする請求項1記載の電子放出素子の製造方
    法。
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石崎守他,"十字形フィールドエミッタ",第54回応用物理学会学術講演会予稿集,1993年9月27日,第2分冊,p.542,27p−Y−4

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