JP3145014B2 - 滑りブッシュの製造方法 - Google Patents
滑りブッシュの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両のサス
ペンションに施用される滑りブッシュの製造方法に関す
る。
ペンションに施用される滑りブッシュの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えば車両のマルチリン
ク型サスペンションにあっては、リンク、アーム等の連
結部に滑りブッシュが設けられる(特開平4−3027
26号公報参照)。この種の従来の滑りブッシュ21を
図5に示す。なお、図5では、同一構造の一対の滑りブ
ッシュ21が対向配置された状態で使用されるものであ
るが、ここでは便宜上、図中左側の滑りブッシュ21の
構成を中心に説明する。
ク型サスペンションにあっては、リンク、アーム等の連
結部に滑りブッシュが設けられる(特開平4−3027
26号公報参照)。この種の従来の滑りブッシュ21を
図5に示す。なお、図5では、同一構造の一対の滑りブ
ッシュ21が対向配置された状態で使用されるものであ
るが、ここでは便宜上、図中左側の滑りブッシュ21の
構成を中心に説明する。
【0003】対向する2つの滑りブッシュ21は、サー
ドリンク12の対向するブラケット間に介装され、これ
ら両滑りブッシュ21の外周面24aに亘って筒状のア
ッパーリンク11が取り付けられる。サードリンク12
および両滑りブッシュ21の内筒22には支持軸13が
遊貫され、この支持軸13の一端に形成された雄ねじ1
3aにナット14が螺合される。これにより両内筒22
およびサードリンク12が軸方向に共締め固定され、ア
ッパーリンク11に対して軸回りに相対回転可能となっ
ている。
ドリンク12の対向するブラケット間に介装され、これ
ら両滑りブッシュ21の外周面24aに亘って筒状のア
ッパーリンク11が取り付けられる。サードリンク12
および両滑りブッシュ21の内筒22には支持軸13が
遊貫され、この支持軸13の一端に形成された雄ねじ1
3aにナット14が螺合される。これにより両内筒22
およびサードリンク12が軸方向に共締め固定され、ア
ッパーリンク11に対して軸回りに相対回転可能となっ
ている。
【0004】滑りブッシュ21は、中空円筒状の金属材
料により形成された内筒22と、この内筒22に同心状
に配置された金属製の外筒24と、内筒22と外筒24
の間に設けられた中間筒27とを備える。外筒24の一
端側には外方に折曲するフランジ部24bが形成され、
外筒24は、筒状のアッパーリンク11の内壁面に両端
側より圧入され、フランジ部24bにおいてアッパーリ
ンク11端部に当接する。これにより外筒24がアッパ
ーリンク11とともに回動する。
料により形成された内筒22と、この内筒22に同心状
に配置された金属製の外筒24と、内筒22と外筒24
の間に設けられた中間筒27とを備える。外筒24の一
端側には外方に折曲するフランジ部24bが形成され、
外筒24は、筒状のアッパーリンク11の内壁面に両端
側より圧入され、フランジ部24bにおいてアッパーリ
ンク11端部に当接する。これにより外筒24がアッパ
ーリンク11とともに回動する。
【0005】中間筒27は一端側に大径円筒部27bを
有し、この中間筒27と外筒24との間には、ゴム材料
からなるゴム弾性体25が介装される。ゴム弾性体25
の一端部25aは、中間筒27の端部から内方に折曲さ
れ、その先端縁において内筒22の外周面22aに当接
し、これによりシール作用を司っている。また、大径円
筒部27bと内筒22の間にはシール部材28が介装さ
れ、外部からの粉塵等の進入が防がれている。
有し、この中間筒27と外筒24との間には、ゴム材料
からなるゴム弾性体25が介装される。ゴム弾性体25
の一端部25aは、中間筒27の端部から内方に折曲さ
れ、その先端縁において内筒22の外周面22aに当接
し、これによりシール作用を司っている。また、大径円
筒部27bと内筒22の間にはシール部材28が介装さ
れ、外部からの粉塵等の進入が防がれている。
【0006】内筒22と中間筒27との間には、合成樹
脂材料等からなる樹脂部材26が介装されている。樹脂
部材26は、中空円筒状に形成された円筒状本体26b
と、この円筒状本体26bの一端に形成された鍔部26
cとを有している。樹脂部材26は、中間筒27の内側
に圧入され、中間筒27およびアッパーリンク11等と
ともに回動するようになっている。また樹脂部材内周面
26aは内筒外周面22aに面摺接し、この摺接面にお
いて樹脂部材26と内筒22が相対回転する。
脂材料等からなる樹脂部材26が介装されている。樹脂
部材26は、中空円筒状に形成された円筒状本体26b
と、この円筒状本体26bの一端に形成された鍔部26
cとを有している。樹脂部材26は、中間筒27の内側
に圧入され、中間筒27およびアッパーリンク11等と
ともに回動するようになっている。また樹脂部材内周面
26aは内筒外周面22aに面摺接し、この摺接面にお
いて樹脂部材26と内筒22が相対回転する。
【0007】滑りブッシュ21の製造工程においては、
まず外筒24と中間筒27を図示しない金型にセット
し、外筒24と中間筒27の間にゴム弾性体25の原料
であるゴム材料を注入し、これらが中間組立体31とし
て一体的に加硫接着される。次いで樹脂部材26が中間
組立体31の内周面31aに圧入される。そして樹脂部
材26の内周面26aに内筒22が挿入され、最後に大
径円筒部27bと内筒22の間にシール部材28を介装
して滑りブッシュ21が組立られる。
まず外筒24と中間筒27を図示しない金型にセット
し、外筒24と中間筒27の間にゴム弾性体25の原料
であるゴム材料を注入し、これらが中間組立体31とし
て一体的に加硫接着される。次いで樹脂部材26が中間
組立体31の内周面31aに圧入される。そして樹脂部
材26の内周面26aに内筒22が挿入され、最後に大
径円筒部27bと内筒22の間にシール部材28を介装
して滑りブッシュ21が組立られる。
【0008】このような従来の滑りブッシュ21は、ア
ッパーリンク11とサードリンク12の相対回転時に
は、樹脂部材内周面26aと内筒外周面22aとの摺接
面において、樹脂部材26と内筒22が相対的に摺動回
転し、また衝撃等が加わった場合、ゴム弾性体25のば
ね特性によりその衝撃が吸収されるようになっている。
ッパーリンク11とサードリンク12の相対回転時に
は、樹脂部材内周面26aと内筒外周面22aとの摺接
面において、樹脂部材26と内筒22が相対的に摺動回
転し、また衝撃等が加わった場合、ゴム弾性体25のば
ね特性によりその衝撃が吸収されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の滑りブッシュの製造方法では、外筒24や
中間筒27等の金具の製造誤差および樹脂部材26の成
形時の加工誤差等に起因して、樹脂部材内周面26aか
ら外筒外周面24aまでの肉厚D1が不均一となる。そ
の結果、アッパーリンク11が取り付けられた外筒24
の軸心Oと、サードリンク12とともに回転する内筒2
2の軸心O1,O2とがずれてしまい、両者が円滑に相
対回転できなくなる。また、上記相対回転時に、内筒外
周面22aと樹脂部材内周面26aの摺接面の各部にお
ける摺動抵抗が不均一となり、局所的に樹脂部材26が
磨耗する、いわゆる偏磨耗が進行して滑りブッシュ21
の耐久性が劣化するといった問題を生じる。
ような従来の滑りブッシュの製造方法では、外筒24や
中間筒27等の金具の製造誤差および樹脂部材26の成
形時の加工誤差等に起因して、樹脂部材内周面26aか
ら外筒外周面24aまでの肉厚D1が不均一となる。そ
の結果、アッパーリンク11が取り付けられた外筒24
の軸心Oと、サードリンク12とともに回転する内筒2
2の軸心O1,O2とがずれてしまい、両者が円滑に相
対回転できなくなる。また、上記相対回転時に、内筒外
周面22aと樹脂部材内周面26aの摺接面の各部にお
ける摺動抵抗が不均一となり、局所的に樹脂部材26が
磨耗する、いわゆる偏磨耗が進行して滑りブッシュ21
の耐久性が劣化するといった問題を生じる。
【0010】さらに、上記従来装置の如く2つの対向す
る滑りブッシュ21により構成した場合、サードリンク
12や内筒22の軸心O1,O2が捻じれるため、円滑
な回転の妨げとなる他、各部の破損、劣化の原因となる
捻りフリクションが発生する。
る滑りブッシュ21により構成した場合、サードリンク
12や内筒22の軸心O1,O2が捻じれるため、円滑
な回転の妨げとなる他、各部の破損、劣化の原因となる
捻りフリクションが発生する。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、樹脂部材の内周面と外筒の外周面との軸心の軸
ずれを低減し、長期にわたって円滑に回動し得る滑りブ
ッシュの製造方法を提供することを目的としている。
であり、樹脂部材の内周面と外筒の外周面との軸心の軸
ずれを低減し、長期にわたって円滑に回動し得る滑りブ
ッシュの製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る滑りブッシ
ュの製造方法は、上記課題を解決するため、同心状に配
置された内筒と外筒との間に中間筒を設け、この中間筒
と外筒との間にゴム弾性体を介装するとともに、前記中
間筒と前記内筒との間に中空円筒状の樹脂部材を介装し
てなる滑りブッシュの製造方法であって、 前記外筒とゴム弾性体と中間筒とを一体化した中間組立
体の内周に前記樹脂部材を圧入した状態で、前記外筒の
外周面を支持面として工作機械の保持手段により前記中
間組立体を保持し、前記樹脂部材の内周面に、前記外筒
外周面と同心状に切削加工を施し、前記樹脂部材の内周
面から外筒の外周面までの肉厚を切削面の各部において
均一とした後に、前記樹脂部材の内周面内に前記内筒を
挿入することを特徴としている。
ュの製造方法は、上記課題を解決するため、同心状に配
置された内筒と外筒との間に中間筒を設け、この中間筒
と外筒との間にゴム弾性体を介装するとともに、前記中
間筒と前記内筒との間に中空円筒状の樹脂部材を介装し
てなる滑りブッシュの製造方法であって、 前記外筒とゴム弾性体と中間筒とを一体化した中間組立
体の内周に前記樹脂部材を圧入した状態で、前記外筒の
外周面を支持面として工作機械の保持手段により前記中
間組立体を保持し、前記樹脂部材の内周面に、前記外筒
外周面と同心状に切削加工を施し、前記樹脂部材の内周
面から外筒の外周面までの肉厚を切削面の各部において
均一とした後に、前記樹脂部材の内周面内に前記内筒を
挿入することを特徴としている。
【0013】すなわち本発明の滑りブッシュの製造方法
にあっては、まず外筒とゴム弾性体と中間筒とを中間組
立体として一体的に成形し、この中間組立体の内周面に
樹脂部材が圧入される。なお、樹脂部材の材料として
は、摺動特性に優れたポリアセタール、ポリアミド、ナ
イロン等が好ましい。
にあっては、まず外筒とゴム弾性体と中間筒とを中間組
立体として一体的に成形し、この中間組立体の内周面に
樹脂部材が圧入される。なお、樹脂部材の材料として
は、摺動特性に優れたポリアセタール、ポリアミド、ナ
イロン等が好ましい。
【0014】次いで外筒の外周面を支持面として工作機
械の保持手段により中間組立体を保持し、樹脂部材の内
周面に外筒外周面と同心状に切削加工を施す。この切削
工程では、各部材の強度や形状等に応じて種々の方法が
適用され得る。後述する実施例では中間組立体を保持す
るチャック部を固定し、軸回りに回転するボーリングバ
ーに切削送りが与えられるが、例えば、中間組立体を保
持するチャック部等を軸回りに回動させ、バイト等の刃
物に切削送りが与えられるものであってもよい。
械の保持手段により中間組立体を保持し、樹脂部材の内
周面に外筒外周面と同心状に切削加工を施す。この切削
工程では、各部材の強度や形状等に応じて種々の方法が
適用され得る。後述する実施例では中間組立体を保持す
るチャック部を固定し、軸回りに回転するボーリングバ
ーに切削送りが与えられるが、例えば、中間組立体を保
持するチャック部等を軸回りに回動させ、バイト等の刃
物に切削送りが与えられるものであってもよい。
【0015】そして内筒を樹脂部材の内側に挿入して、
滑りブッシュが組立られる。後述する実施例では樹脂部
材の内周面と内筒の外周面とがほぼ全面において摺接し
ているが、より摺動抵抗を小さくして円滑な摺動回転を
得るため、両者が線接触または点接触にて摺接するよう
構成してもよい。
滑りブッシュが組立られる。後述する実施例では樹脂部
材の内周面と内筒の外周面とがほぼ全面において摺接し
ているが、より摺動抵抗を小さくして円滑な摺動回転を
得るため、両者が線接触または点接触にて摺接するよう
構成してもよい。
【0016】このように製造された滑りブッシュは、例
えば車両のリンク、アーム等の連結部に単一で施用さ
れ、または上述した従来例の如く複数の滑りブッシュの
組体として施用される。
えば車両のリンク、アーム等の連結部に単一で施用さ
れ、または上述した従来例の如く複数の滑りブッシュの
組体として施用される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0018】本実施例に係る滑りブッシュは、図5に示
す従来の滑りブッシュ21とほぼ同じ構成を有してお
り、その製造工程において、樹脂部材26の内周面26
aに切削加工が施される。
す従来の滑りブッシュ21とほぼ同じ構成を有してお
り、その製造工程において、樹脂部材26の内周面26
aに切削加工が施される。
【0019】本実施例の滑りブッシュの製造方法を、図
1,2を参照しつつ説明する。滑りブッシュの製造工程
では、まず、外筒24と中間筒27を図示しない金型に
セットし、外筒24と中間筒27の間にゴム弾性体25
の材料であるゴム材料を注入し、外筒24、ゴム弾性体
25および中間筒27が中間組立体31として一体的に
加硫接着される。
1,2を参照しつつ説明する。滑りブッシュの製造工程
では、まず、外筒24と中間筒27を図示しない金型に
セットし、外筒24と中間筒27の間にゴム弾性体25
の材料であるゴム材料を注入し、外筒24、ゴム弾性体
25および中間筒27が中間組立体31として一体的に
加硫接着される。
【0020】次いで中間組立体31の内周面31aに、
別途成形された樹脂部材26が圧入される。なお、樹脂
部材26と中間組立体31の間の摩擦抵抗等により、後
述する切削加工の際に樹脂部材26がボーリングバー4
1とともに回転することがないようになっている。ま
た、切削加工前の樹脂部材26は、後述する切削工程に
おいて切削されても充分な肉厚を有するように、予め切
削代を見込んだ内径寸法を有しており、少なくとも切削
前の内径は内筒外周面22a(図5)の外径より小さく
なっている。
別途成形された樹脂部材26が圧入される。なお、樹脂
部材26と中間組立体31の間の摩擦抵抗等により、後
述する切削加工の際に樹脂部材26がボーリングバー4
1とともに回転することがないようになっている。ま
た、切削加工前の樹脂部材26は、後述する切削工程に
おいて切削されても充分な肉厚を有するように、予め切
削代を見込んだ内径寸法を有しており、少なくとも切削
前の内径は内筒外周面22a(図5)の外径より小さく
なっている。
【0021】図2は切削加工を施す前の状態を示してい
る。樹脂部材26圧入後の中間組立体31は、工作機械
のチャック部のチャックづめ部43が3方より外筒外周
面24aをチャッキングすることにより、外筒外周面2
4aを支持面として保持される。すなわち外筒外周面2
4aの軸心Oを軸として保持される。この状態では、樹
脂部材内周面26aから外筒外周面24aまでの肉厚D
1は、外筒24、中間筒27等の製造誤差およびゴム弾
性体25の成形誤差等に起因して不均一となっており、
樹脂部材内周面26aの軸心O1は外筒外周面24aの
軸心Oよりずれている。
る。樹脂部材26圧入後の中間組立体31は、工作機械
のチャック部のチャックづめ部43が3方より外筒外周
面24aをチャッキングすることにより、外筒外周面2
4aを支持面として保持される。すなわち外筒外周面2
4aの軸心Oを軸として保持される。この状態では、樹
脂部材内周面26aから外筒外周面24aまでの肉厚D
1は、外筒24、中間筒27等の製造誤差およびゴム弾
性体25の成形誤差等に起因して不均一となっており、
樹脂部材内周面26aの軸心O1は外筒外周面24aの
軸心Oよりずれている。
【0022】次に、ボーリングバー41により樹脂部材
内周面26aに切削加工が施される。すなわち、バイト
42が取り付けられたボーリングバー41を軸心O回り
に回動させるとともに、このボーリングバー41に、中
間組立体31上部より中間組立体31に向かって(図の
矢印方向)軸心Oに沿った切削送りが与えられる。これ
により樹脂部材内周面26aが軸心Oを中心とする所定
の内径に切削される。すなわち樹脂部材内周面26aが
外筒外周面24aと同心状に切削される。
内周面26aに切削加工が施される。すなわち、バイト
42が取り付けられたボーリングバー41を軸心O回り
に回動させるとともに、このボーリングバー41に、中
間組立体31上部より中間組立体31に向かって(図の
矢印方向)軸心Oに沿った切削送りが与えられる。これ
により樹脂部材内周面26aが軸心Oを中心とする所定
の内径に切削される。すなわち樹脂部材内周面26aが
外筒外周面24aと同心状に切削される。
【0023】切削加工終了後の状態を図1に示す。切削
加工により軸心O1は軸心Oとほぼ一致し、切削面の各
部における肉厚D2はほぼ均一となる。この後、樹脂部
材内周面26aに内筒22が挿入され、最後に大径円筒
部27bと内筒22の間にシール部材28を介装して滑
りブッシュが組立られる(図5参照)。
加工により軸心O1は軸心Oとほぼ一致し、切削面の各
部における肉厚D2はほぼ均一となる。この後、樹脂部
材内周面26aに内筒22が挿入され、最後に大径円筒
部27bと内筒22の間にシール部材28を介装して滑
りブッシュが組立られる(図5参照)。
【0024】このように本実施例では、中間組立体31
の内周面31aに樹脂部材26を圧入した状態で、外筒
外周面24aを支持面として中間組立体31を保持し、
樹脂部材内周面26aに切削加工を施すようにしたた
め、樹脂部材内周面26aから外筒外周面24aまでの
肉厚D2が各部においてほぼ均一となり、外筒外周面2
4aの軸心Oと樹脂部材内周面26aの軸心O1との軸
ずれが低減される。したがって各リンク等の相対回転時
に、上記摺接面において内筒22(図5)と樹脂部材2
6が円滑に摺動回転する。また摺接面の各部における摺
動抵抗がほぼ均一となるため、樹脂部材26が偏磨耗す
ることなくその磨耗量が低減され、滑りブッシュの耐久
性が向上する。
の内周面31aに樹脂部材26を圧入した状態で、外筒
外周面24aを支持面として中間組立体31を保持し、
樹脂部材内周面26aに切削加工を施すようにしたた
め、樹脂部材内周面26aから外筒外周面24aまでの
肉厚D2が各部においてほぼ均一となり、外筒外周面2
4aの軸心Oと樹脂部材内周面26aの軸心O1との軸
ずれが低減される。したがって各リンク等の相対回転時
に、上記摺接面において内筒22(図5)と樹脂部材2
6が円滑に摺動回転する。また摺接面の各部における摺
動抵抗がほぼ均一となるため、樹脂部材26が偏磨耗す
ることなくその磨耗量が低減され、滑りブッシュの耐久
性が向上する。
【0025】図3は、滑りブッシュの樹脂部材の磨耗量
の比較実験結果を示す。図中、実線は本実施例の製造方
法により製造された滑りブッシュ(実施例)の実験結果
を、一点鎖線部は従来の滑りブッシュ(比較例)の実験
結果をそれぞれ示している。図から明らかなように、比
較例では、約6万回までの間に樹脂部材が著しく磨耗し
ている。これは、樹脂部材内周面と外筒外周面との軸ず
れ等に起因して、初期使用段階では摺接面の各部におけ
る摺動抵抗が不均一となり、樹脂部材が局所的に著しく
磨耗するためであると考えられる。
の比較実験結果を示す。図中、実線は本実施例の製造方
法により製造された滑りブッシュ(実施例)の実験結果
を、一点鎖線部は従来の滑りブッシュ(比較例)の実験
結果をそれぞれ示している。図から明らかなように、比
較例では、約6万回までの間に樹脂部材が著しく磨耗し
ている。これは、樹脂部材内周面と外筒外周面との軸ず
れ等に起因して、初期使用段階では摺接面の各部におけ
る摺動抵抗が不均一となり、樹脂部材が局所的に著しく
磨耗するためであると考えられる。
【0026】一方、実施例では初期使用段階からの磨耗
量が少なく安定している。これは、樹脂部材内周面と外
筒外周面との軸ずれが解消されているため、両者が円滑
に回転し、摺接面における磨耗量が低減するためである
と考えられる。このように本実施例に係る滑りブッシュ
では、樹脂部材の磨耗量が低減するため、耐久性が向上
し、比較的長期にわたって使用できる。
量が少なく安定している。これは、樹脂部材内周面と外
筒外周面との軸ずれが解消されているため、両者が円滑
に回転し、摺接面における磨耗量が低減するためである
と考えられる。このように本実施例に係る滑りブッシュ
では、樹脂部材の磨耗量が低減するため、耐久性が向上
し、比較的長期にわたって使用できる。
【0027】図4は、滑りブッシュのトルク値の比較実
験結果である。ここでは、所定ロット数の滑りブッシュ
のトルク値が比較計測される。図中、網線部は本実施例
に係る滑りブッシュ(実施例)の各トルク値がプロット
された領域であり、斜線部は従来の滑りブッシュ(比較
例)の各トルク値がプロットされた領域である。
験結果である。ここでは、所定ロット数の滑りブッシュ
のトルク値が比較計測される。図中、網線部は本実施例
に係る滑りブッシュ(実施例)の各トルク値がプロット
された領域であり、斜線部は従来の滑りブッシュ(比較
例)の各トルク値がプロットされた領域である。
【0028】図から明らかなように、従来の滑りブッシ
ュでは、上記軸ずれ等に起因して、各製品間のトルク値
が大きくばらつき、各製品間の品質にばらつきが生じて
いる。一方、本実施例では、各滑りブッシュの軸ずれが
解消されているため、各製品間のトルク値のばらつきが
小さく、各製品間にわたってトルク値の安定した高品質
な滑りブッシュが提供される。
ュでは、上記軸ずれ等に起因して、各製品間のトルク値
が大きくばらつき、各製品間の品質にばらつきが生じて
いる。一方、本実施例では、各滑りブッシュの軸ずれが
解消されているため、各製品間のトルク値のばらつきが
小さく、各製品間にわたってトルク値の安定した高品質
な滑りブッシュが提供される。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る滑りブッシ
ュの製造方法では、外筒とゴム弾性体と中間筒とを一体
化した中間組立体の内周に樹脂部材を圧入した状態で、
外筒の外周面を支持面として工作機械の保持手段により
中間組立体を保持し、樹脂部材の内周面に切削加工を施
すようにしたため、外筒外周面と樹脂部材内周面の軸ず
れが解消される。したがって組立後の滑りブッシュで
は、円滑な摺動回転が得られるとともに、樹脂部材が局
所的に著しく磨耗することなく、耐久性が向上する。
ュの製造方法では、外筒とゴム弾性体と中間筒とを一体
化した中間組立体の内周に樹脂部材を圧入した状態で、
外筒の外周面を支持面として工作機械の保持手段により
中間組立体を保持し、樹脂部材の内周面に切削加工を施
すようにしたため、外筒外周面と樹脂部材内周面の軸ず
れが解消される。したがって組立後の滑りブッシュで
は、円滑な摺動回転が得られるとともに、樹脂部材が局
所的に著しく磨耗することなく、耐久性が向上する。
【図1】本実施例に係る滑りブッシュの製造工程におけ
る切削加工後の状態を示す図である。
る切削加工後の状態を示す図である。
【図2】図1の滑りブッシュの製造工程における切削加
工前の状態を示す図である。
工前の状態を示す図である。
【図3】実施例と比較例における滑りブッシュの樹脂部
材の磨耗量の実験結果を示す図である。
材の磨耗量の実験結果を示す図である。
【図4】実施例と比較例における滑りブッシュのトルク
値の実験結果を示す図である。
値の実験結果を示す図である。
【図5】従来の滑りブッシュを示す断面図である。
11…アッパーリンク 12…サードリンク 13…支持軸 21…滑りブッシュ 22…内筒 24…外筒 24a…外筒外周面 25…ゴム弾性体 26…樹脂部材 26a…樹脂部材内周面 31…中間組立体 41…ボーリングバー 42…バイト 43…チャックづめ部(保持手段) O,O1,O2…軸心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−199028(JP,A) 実開 平8−302(JP,U) 実開 昭63−184240(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 31/00 - 31/02
Claims (1)
- 【請求項1】 同心状に配置された内筒と外筒との間に
中間筒を設け、この中間筒と外筒との間にゴム弾性体を
介装するとともに、前記中間筒と前記内筒との間に中空
円筒状の樹脂部材を介装してなる滑りブッシュの製造方
法であって、 前記外筒とゴム弾性体と中間筒とを一体化した中間組立
体の内周に前記樹脂部材を圧入した状態で、前記外筒の
外周面を支持面として工作機械の保持手段により前記中
間組立体を保持し、前記樹脂部材の内周面に、前記外筒
外周面と同心状に切削加工を施し、前記樹脂部材の内周
面から外筒の外周面までの肉厚を切削面の各部において
均一とした後に、前記樹脂部材の内周面内に前記内筒を
挿入することを特徴とする滑りブッシュの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22333595A JP3145014B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 滑りブッシュの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22333595A JP3145014B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 滑りブッシュの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0966572A JPH0966572A (ja) | 1997-03-11 |
JP3145014B2 true JP3145014B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=16796552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22333595A Expired - Fee Related JP3145014B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 滑りブッシュの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3145014B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4660331B2 (ja) * | 2005-09-26 | 2011-03-30 | 倉敷化工株式会社 | 摺動ブッシュ組立体 |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP22333595A patent/JP3145014B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0966572A (ja) | 1997-03-11 |
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