JP3143566B2 - 電子写真感光体及び該電子写真感光体を備えた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及び該電子写真感光体を備えた電子写真装置

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JP3143566B2
JP3143566B2 JP06244945A JP24494594A JP3143566B2 JP 3143566 B2 JP3143566 B2 JP 3143566B2 JP 06244945 A JP06244945 A JP 06244945A JP 24494594 A JP24494594 A JP 24494594A JP 3143566 B2 JP3143566 B2 JP 3143566B2
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正人 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体及び該
電子写真感光体を備えた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性物質が
広く用いられていた。有機光導電性物質を用いた電子写
真感光体は成膜性が良く、塗工によって生産できるた
め、極めて生産性が高く安価な電子写真感光体を提供で
きる利点を有している。また、使用する染料や顔料など
の選択により、感色性を自在にコントロ−ルできる等の
利点を有し、これまで幅広い検討がなされてきた。特に
最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生
層と、光導電性ポリマ−や低分子の有機光導電性物質を
含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発
により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた
感度や耐久性に著しい改善がなされてきた。
【0003】アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかも
アミン成分とカプラ−成分の組み合わせ方で様々な特性
を持った化合物が容易に得られることから、これまで数
多くの化合物が提案されており、例えば特開昭47−3
7543号公報、特開昭53−132347号公報、特
開昭54−22834号公報、特開昭58−70232
号公報、特開昭60−131539号公報、特開昭62
−2267号公報、特開昭62−192748号公報、
特開昭63−262656号公報、特開昭63−158
561号公報、特開昭63−264762号公報及び特
開平1−180554号公報等が挙げられる。
【0004】しかしながら、従来のジスアゾ顔料を用い
た電子写真感光体は、感度や繰り返し使用時の電位安定
性の面で必ずしも十分なものとは言えず、実用化されて
いるのは極く僅かな材料のみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新規な
電子写真感光体を提供すること、実用的な高感度特性と
繰り返し使用時の安定した電位特性を有する電子写真感
光体を提供すること、該電子写真感光体を備えた電子写
真装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に感光層を有する電子写真感光体において、感光層が
一般式(1)で示される有機残基を有するアゾ顔料を含
有することを特徴とする電子写真感光体から構成され
る。 一般式(1)
【化5】 式中、R1 及びR2 は同一または異なって、水素原子、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置
換基を有してもよい複素環基ないしはR1 とR2 の結合
する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を表わし、Zは
酸素原子または硫黄原子を表わす。
【0007】一般式(1)で示される有機残基について
具体的に説明すると、式中、R1 及びR2 は水素原子、
置換基を有してもよいメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル、フ
ェネチル、ナフチルメチル等のアラルキル基、置換基を
有してもよいフェニル、ジフェニル、ナフチル、アンス
リル等のアリ−ル基、置換基を有してもよいピリジル、
チエニル、フリル、チアゾリル、カルバゾリル、ジベン
ゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ベンジチアゾリル等の
複素環基ないしは置換基を有してもよいR1 、R2 の結
合する窒素原子を環内に含む環状アミノ基であり、上記
アルキル基の有する置換基としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基等が挙げられ、アラルキル基、アリ−ル
基、複素環基の有する置換基としては、メチル、エチ
ル、プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等の
アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子等のハロゲン原子、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ等のアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、
ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル等のハロメチ
ル基等が挙げられる。
【0008】窒素原子を環内に含む環状アミノ基として
はピロリル、ピロリニル、ピロリジル、インドリル、ピ
ペリジニル、ピペラジニル、イソインドリル、カルバゾ
リル、ベンゾインドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、
ピラゾニリル、オキサジニル、フェノキサジニル、ベン
ゾカルバゾリル等から誘導される環状アミノ基が挙げら
れ、置換基としてはメチル、エチル、プロピル等のアル
キル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル等のハロ
メチル基等が挙げられる。
【0009】後述するように、水素結合能力による顔料
分子間の相互作用の点から、R1 は水素原子が好まし
い。また、R1 が水素原子である場合、R2 は置換基を
有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラル
キル基ないしは置換基を有してもよいアリ−ル基が好ま
しく、中でも置換基を有してもよいアリ−ル基が好まし
く、特には置換基を有してもよいフェニル基であれば、
最高の感度及び耐久特性を得ることができる。
【0010】Zは酸素原子または硫黄原子を表わす。
【0011】一般式(1)で示される有機残基が結合す
る結合基を介して結合してもよい芳香族炭化水素環また
は芳香族複素環としてはベンゼン、ナフタレン、フルオ
レン、フェナンスレン、アンスラセン、ピレン等の炭化
水素系芳香環、フラン、チオフェン、ピリジン、インド
−ル、ベンゾチアゾ−ル、カルバゾ−ル、アクリドン、
ジベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾ−ル、ベンゾトリ
アゾ−ル、オキサジアゾ−ル、チアゾ−ル等の複素系芳
香環、、更に上記芳香環を直接あるいは芳香族性基また
は非芳香族性基で結合したもの、例えばトリフェニルア
ミン、ジフェニルアミン、N−メチルジフェニルアミ
ン、ビフェニル、タ−フェニル、ビナフチル、フルオレ
ノン、フェナンスレンキノン、アンスラキノン、ベンズ
アントロン、ジフェニルオキサジアゾ−ル、フェニルベ
ンゾオキサゾ−ル、ジフェニルメタン、ジフェニルスル
ホン、ジフェニルエ−テル、ベンゾフェノン、スチルベ
ン、ジスチリルベンゼン、テトラフェニル−p−フェニ
レンジアミン、テトラフェニルベンジジン等が挙げられ
る。
【0012】一般式(1)で示される有機残基が結合す
る結合基を介して結合してもよい芳香族炭化水素環また
は芳香族複素環の有してもよい置換基としてはメチル、
エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、メトキシ、
エトキシ等のアルコキシ基、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノ等のジアルキルアミノ基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、ハロメチル基及び一般式(5) −N=N−Cp (式中、Cpはフェノ−ル性OH基を有するカップラ−
残基を表わす)で示される置換アゾ基が挙げられる。
【0013】次に、フェノ−ル性OH基を有するカップ
ラ−残基の例を挙げる。 一般式(6)
【化6】 一般式(7)
【化7】 一般式(8)
【化8】 一般式(9)
【化9】 一般式(10)
【化10】 一般式(11)
【化11】 一般式(12)
【化12】 一般式(13)
【化13】 一般式(14)
【化14】 一般式(15)
【化15】 一般式(16)
【化16】 一般式(17)
【化17】 一般式(18)
【化18】 一般式(19)
【化19】
【0014】上記一般式中、X1 はベンゼン環と縮合し
て、置換基を有してもよいナフタレン環、アントラセン
環、カルバゾ−ル環、ベンゾカルバゾ−ル環、ジベンゾ
フラン環、ベンゾナフトフラン環、フルオレノン環等の
芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必
要な有機殘基を表わし、X2 はベンゼン環と縮合して、
置換基を有してもよいナフタレン環、アントラセン環、
カルバゾ−ル環、ベンゾカルバゾ−ル環、ジベンゾフラ
ン環、ベンゾナフトフラン環、ジフェニレンサルファイ
ト環、キノリン環、イソキノリン環、アクリジン環等の
芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必
要な有機残基を表わす。
【0015】R3 及びR4 は同一または異なって、水素
原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル
基、置換基を有してもよい複素環基あるいはR3 とR4
の結合する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を表わ
し、R5 及びR6 は同一または異なって、水素原子、置
換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい
アラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置換
基を有してもよい複素環基を表わし、R7 は置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキ
ル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置換基を有し
てもよい複素環基を表わす。
【0016】Y1 は置換基を有してもよい2価の炭化水
素基あるいは複素環基を表わす。
【0017】Y1 を含む
【化20】 としては、表1に掲げる基等が挙げられる。
【表1】
【0018】Y2 は置換基を有してもよい2価の芳香族
炭化水素環基を表わし、o−フェニレン、o−ナフチレ
ン、ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、9,10
−フェナンスレン等の基が挙げられ、Y3 は置換基を有
してもよい2価の芳香族炭化水素環基あるいは窒素原子
を環内に含む2価の複素環基を表わし、2価の芳香族炭
化水素環基としてはo−フェニレン、o−ナフチレン、
ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、9,10−フ
ェナンスレン等の基が挙げられ、窒素原子を環内に含む
2価の複素環基としては3,4−ピラゾ−ルジイル、
2,3−ピリジンジイル、4,5−ピリジンジイル、
6,7−インダゾ−ルジイル、5,6−ベンズイミダゾ
−ルジイル、6,7−キノリンジイル等の基が挙げられ
る。
【0019】Bは酸素原子、硫黄原子、N−置換または
無置換のイミノ基を表わし、Nの置換基としては置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラ
ルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を表わ
す。
【0020】Zは酸素原子または硫黄原子を表わす。
【0021】上記表現のアルキル基としてはメチル、エ
チル、プロピル、ブチル等の基が挙げられ、アラルキル
基としてはベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等の
基が挙げられ、アリ−ル基としてはフェニル、ジフェニ
ル、ナフチル、アンスリル等の基が挙げられ、複素環基
としてはピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、カ
ルバゾリル、ジベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ベ
ンゾチアゾリル等の基が挙げられ、窒素原子を環内に含
む環状アミノ基としてはピロ−ル、ピロリン、ピロリジ
ン、ピロリドン、インド−ル、インドリン、イソインド
−ル、カルバゾ−ル、ベンゾインド−ル、イミダゾ−
ル、ピラゾ−ル、ピラゾリン、オキサジン、フェノキサ
ジン、ベンゾカルバゾ−ル等から誘導される基が挙げら
れる。
【0022】置換基としては、メチル、エチル、プロピ
ル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ
基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の
ハロゲン原子、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のア
ルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、ニトロ基、
シアノ基、トリフルオロメチル等のハロメチル基等が挙
げられる。
【0023】本発明において用いるアゾ顔料の代表例を
表1〜52に掲げる。顔料例(1)−1〜(2)−11
9、顔料例(3)−1〜(3)−19、顔料例(4)−
1〜(4)−4は、下記一般式(3)で示されるアゾ顔
料を基本型とし、前記一般式(1)で示される有機残基
部分をAとして表現する。 一般式(3)
【化21】 式中、R1 及びR2 は同一または異なって、水素原子、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置
換基を有してもよい複素環基ないしはR1 とR2 の結合
する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を表わし、Zは
酸素原子または硫黄原子を表わし、Arは結合基を介し
て結合してもよい、置換基を有してもよい芳香族炭化水
素環または芳香族複素環を表わし、nは1、2、3また
は4の整数を表わす。
【0024】顔料例(2)−120〜(2)−134、
顔料例(3)−20〜(3)−22、顔料例(4)−5
は前記一般式(1)で示される有機残基より選択される
有機残基と該選択された有機残基とは異なった前記一般
式(5)に相当する有機残基とを有する例である。
【0025】上記基本型をnの数により、n=1の型、
n=2の型、n=3の型及びn=4の型に分類して掲記
する。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【表51】
【表52】
【0026】本発明において用いるアゾ顔料は、一般式
(20)
【化22】 (式中、R1 、R2 、Zは一般式(1)におけると同
義)で示されるカップラ−成分とジアゾニウム塩構造を
有する化合物とをアルカリの存在下でカップリングする
ことにより合成することができる。
【0027】更に前記一般式(20)で示されるカップ
ラ−成分は、構造式
【化23】 で示されるカルボン酸と、一般式(21)
【化24】 (式中、R1 、R2 は前記と同義)で示される尿素類と
をベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o
−ジクロルベンゼン等から選ばれる芳香族系溶剤中、三
塩化リンの存在下、80〜200℃加熱縮合するか、ま
たは構造式
【化25】 で示される酸クロライドと前記尿素類とを上記の芳香族
系溶剤中で加熱して得られる化合物を酸やアルカリ性条
件下で脱アセチル化することにより合成できる。
【0028】このようにして得られたカップラ−成分を
用いて、一般式(22)で示されるアミノ化合物
【化26】 (式中、Ar及びnは一般式(3)におけると同義)を
常法によりジアゾ化し、アルカリ存在下で水系カップリ
ング反応させるか、または前記アミノ化合物のジアゾニ
ウム塩をホウフッ化塩あるいは塩化亜鉛複塩等の形で一
旦単離した後、適当な溶剤、例えばN,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド等の有機溶剤中、酢酸ソ−ダ、ピリジン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下
で有機溶剤系カップリング反応することにより、本発明
において用いるアゾ顔料を合成することができる。
【0029】また、本発明において用いるアゾ顔料(n
=2、3、4の型)は、同一分子内に一般式(1)で示
される有機残基を1個含んでいればよく、一般式(2
3)
【化27】 (式中、Arは前記と同義、mは1、2または3の整
数、kは3、2または1の整数を表わす)で示されるア
ミノ化合物を常法によりジアゾ化し、ジアゾニウム塩を
を前記一般式(20)で示されるカップラ−成分とアル
カリ存在下でカップリング後、例えば塩酸等鉱酸類によ
り加水分解し、構造が下記に相当する反応生成物を得、
反応生成物の構造
【化28】 (式中、Ar、Z、R1、R2、m及びkは前記と同義)
この反応生成物を再度常法によりジアゾ化後、別のフェ
ノ−ル性OH基を有するカップラ−成分と逐次カップリ
ング反応させて合成してもよく、また、一方、常法によ
り得た一般式(22)で示されるアミノ化合物のジアゾ
ニウム塩を一般式(20)で示されるカップラ−成分を
少なくとも1種含む混合カップラ−溶液中に添加し、ア
ルカリ存在下でカップリング反応させて合成してもよ
く、また、一般式(20)で示されるカップラ−成分の
1種とアルカリ存在下で一次カップリング後、別種のカ
ップラ−成分のアルカリ存在溶液を順次添加し、カップ
リング反応を行わせる方法でも合成することができる。
【0030】合成例1(顔料例(2)−1の合成) 300mlビ−カ−に水150ml、濃塩酸20ml
(0.23モル)とo−ジアニシジンを7.8g(0.
032モル)を入れて0℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウ
ム4.6g(0.067モル)を水10mlに溶かした
液を液温5℃に保ちながら10分間で滴下した。15分
間撹拌した後カ−ボンろ過し、この溶液の中にホウフッ
化ナトリウム10.5g(0.096モル)を水90m
lに溶解した液を撹拌下に滴下し、析出したホウフッ化
塩をろ過し、冷水で洗浄した後アセトニトリルで洗浄
し、室温で減圧乾燥した。収量12.0g、収率85
%。次に1リットルビ−カ−にN,N−ジメチルホルム
アミド500mlを入れ、2−ホドロキシナフタレン−
6−カルボン酸−N’−フェニルウレイド12.9g
(0.042モル)を溶解し液温5℃に冷却した後、先
に得たホウフッ化塩8.8g(0.02モル)を溶解
し、次いでトリエチルアミン5.1g(0.050モ
ル)を5分間滴下した。2時間撹拌した後、析出した顔
料をろ取し、N,N’−ジメチルホルムアミドで4回、
水で3回洗浄した後、凍結乾燥した。収量16.7g、
収率95%。 元素分析 元素 計算値(%) 実験値(%) C 68.3 68.6 H 4.4 4.3 N 12.8 12.7
【0031】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体
上に一般式(1)で示される有機殘基を有するアゾ顔料
を含有する感光層を有する。本発明の好ましい例とし
て、感光層を電荷発生層と電荷輸送層に機能分離した電
子写真感光体が挙げられる。
【0032】電荷発生層は、前記のアゾ顔料を適当な溶
剤中でバインダ−樹脂と共に分散した塗布液を、導電性
支持体上に公知の方法によって塗布することによって形
成することができ、その膜厚は5μm以下、好ましくは
0.1〜1μmの薄膜層とすることが望ましい。
【0033】この際に用いられるバインダ−樹脂は、広
範な絶縁性樹脂から選択でき、またポリ−N−ビニルカ
ルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレ
ンなどの有機光導電性ポリマ−から選択できる。好まし
くはポリビニルブチラ−ル、ポリビニルベンザ−ル、ポ
リアリレ−ト(ビスフェノ−ルAとフタル酸の縮重合体
等)、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、フェノキシ樹
脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミ
ド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロ−ス系計
樹脂、ポリウレタン、カゼイン、ポリビニルアルコ−
ル、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。またバイ
ンダ−樹脂の電荷発生層中における含有率は80重量%
以下、好ましくは40重量%以下である。
【0034】また使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、
後述の電荷輸送層や下引き層を溶解しないものから選択
することが好ましい。具体的には、メタノ−ル、エタノ
−ル、イソプロパノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロ
ルヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコ−ルモノメチルエ
−テル等のエ−テル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエ
ステル類、クロロホルム、塩かメチレン、ジクロルエチ
レン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類あるいはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族
類等を用いることができる。
【0035】塗工は浸漬コ−ティング法、スプレ−コ−
ティング法、スピンナ−コ−ティング法、ビ−ドコ−テ
ィング法、マイヤ−バ−コ−ティング法、ブレ−ドコ−
ティング法、ロ−ラ−コ−ティング法、カ−テンコ−テ
ィング法等のコ−ティング法を用いて行うことができ
る。
【0036】乾燥は、室温における指触乾燥後、加熱乾
燥する方法が好ましい。加熱乾燥は30〜200℃で5
分間〜2時間の範囲で静止または送風下で行なうことが
できる。
【0037】電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積
層され、電界の存在下電荷発生層から電荷キャリアを受
け取り、これを輸送する機能を有している。
【0038】電荷輸送物質は電子輸送物質と正孔輸送物
質があり、電子輸送物質としては、クロルアニル、ブロ
モアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジ
メタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、
2,4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン等の電子吸引性
物質やこれら電子吸引性物質を高分子化したものなどが
挙げられる。正孔輸送物質としてはピレン、N−エチル
カルバゾ−ル、N−イソプロピルカルバゾ−ル、N−メ
チル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−
エチルカルバゾ−ル、N,N−ジフェニルヒドラジノ−
3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン、N,N
−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチ
ルフェノキサジン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒ
ド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベ
ンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒ
ドラゾン系化合物、1−[ピリジル(2)]−3−(α
−メチル−p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−
ジエツルアミノフェニル)ヒラゾリン、1−ジフェニル
−3−(p−ジエツルアミノスチリル)−4−メチル−
5−(p−ジエツルアミノフェニル)ピラゾリン、1−
フェニル−3−(α−ベンジル−p−ジエチルアミノス
チリル)−5−(p−ジエツルアミノフェニル)ピラゾ
リン、スピロピラゾリン等のピラゾリン系化合物、4−
ジエチルアミノ−β−ナフチルスチレン、4−ジフェニ
ルアミノ−4’−メトキシスチルベン等のスチリル系化
合物、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエ
チルアミノベンズオキサゾ−ル、2−(p−ジエチルア
ミノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニル)
−5−(2−クロロフェニル)オキサゾ−ル等のオキサ
ゾ−ル系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリル)
−6−ジエチルアミノベンゾチアゾ−ル等のチアゾ−ル
系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェ
ニル)−フェニルメタン、2−(N,N−p−ジトリ
ル)アミノ−9,9−ジメチルフルオレン等のトリアリ
−ルメタン系化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエ
チルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン、1,1,
2,2−テトラキス(4−N,N−ジメチルアミノ−2
−メチルフェニル)エタン等のポリアリ−ルアルカン
類、トリフェニルアミン、ポリ−N−ビニルカルバゾ−
ル、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ
ビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルアントラセン、ピ
レン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾ−ルホル
ムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これらの有機電荷輸
送物質の他にセレン、セレン−テルル、アモルファスシ
リコン、硫化カドミウム等の無機材料も用いることがで
きる。また、これらの電荷輸送物質は1種または2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0039】電荷輸送物質が成膜性を有していないとき
には、適当なバインダ−を選択することによって被膜形
成できる。バインダ−として使用できる樹脂は、例えば
アクリル樹脂、ポリアリレ−ト、ポリエステル、ポリカ
−ボネ−ト、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレ
ンコポリマ−、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマ
−、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポ
リスルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化
ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリ−M−ビニルカルバゾ
−ル、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の
有機光導電性ポリマ−等が挙げられる。
【0040】電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送できる
限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることができ
ない。一般的には5〜30μm、好ましくは10〜25
μmである。塗工によって電荷輸送層を形成する際に
は、前述したような適当なコ−ティング法を用いること
ができる。
【0041】電荷発生層と電荷輸送の積層構造からなる
感光層は、導電性支持体の上に設けられる。感光層が形
成される導電性支持体としては、例えばアルミニウム、
アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウ
ム、金や白金等を用いることができ、その他には、アル
ミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化ス
ズ、酸化インジウム−酸化スズ合金等を真空蒸着法によ
って被膜形成された層を有するプラスチック(例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリフッ化エチ
レン等)、導電性粒子(例えばアルミニウム粉末、酸化
チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、銀粒
子等)を適当なバインダー樹脂と共にプラスチックまた
は前記導電性支持体の上に被覆した支持体、導電性粒子
をプラスチックや紙に含浸した支持体や導電性ポリマ−
を有するプラスチック等を用いることができる。
【0042】導電性支持体と感光層の中間にバリヤー機
能と接着機能をもつ下引き層を設けることもできる。下
引き層の膜厚は0.1μm〜10μm、好ましくは0.
5〜5μmが適当である。下引き層はカゼイン、ポリビ
ニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロ
ン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、
酸化アルミニウム等によって形成することができる。
【0043】本発明の別の具体例として、前述のアゾ顔
料と電荷輸送物質を同一層に含有させた電子写真感光体
を挙げることができる。また、この例において、前記電
荷輸送物質に代えポリ−N−ビニルカルバゾ−ルとトリ
ニトロフルオレノンからなる電荷移動錯体化合物を用い
ることができる。この場合は、前述のアゾ顔料と電荷移
動錯体化合物をテトラヒドロフランに溶解したポリエス
テル溶液中に分散した後、被膜形成させて作成できる。
【0044】いずれの電子写真感光体においても、使用
される一般式(1)で示される有機残基を有するアゾ顔
料から選ばれる少なくとも1種類の顔料を含有し、その
結晶形は非晶質であっても結晶質であってもよく、また
必要に応じて光吸収の異なる顔料を組み合わせて使用し
感光体の感度を高めたり、パンクロマチックな感光体を
得る等の目的で前記一般式(1)で示される有機残基を
有するアゾ顔料を2種類以上組み合せたりあるいは公知
の電荷発生物質と組み合せて使用することも可能であ
る。
【0045】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、デジタル用電子写真複写機、レ
−ザ−ビ−ムプリンター、CRTプリンター、LEDプ
リンター、液晶プリンター、レーザー製版等の近赤外光
源を用いたデジタル記録システムの多数の電子写真応用
分野にも広く用いることができる。
【0046】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置から構成される。
【0047】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置について説明する。図1に本発明のドラム型
感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成
を示した。図において、1は像担持体としてのドラム型
感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で
回転駆動される。該感光体1はその回転過程で帯電手段
2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を
受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光
像露光L(スリット露光・レ−ザ−ビ−ム走査露光な
ど)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次
いで現像手段4でトナ−現像され、そのトナ−現像像が
転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手
段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送され
た転写材9の面に順次転写されていく。像転写を受けた
転写材9は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入
されて像定着を受けて複写物(コピ−)として機外へプ
リントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリ
−ニング手段6にて転写残りトナ−の除去を受けて清浄
面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り返
して像形成に使用される。感光体1の均一帯電手段2と
してはコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写装置5もコロナ転写手段が一般に広く使用され
ている。電子写真装置として、上述の感光体や現像手
段、クリ−ニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
例えば、感光体1とクリ−ニング手段6とを一体化して
ひとつの装置ユニットとし、装置本体のレ−ルなどの案
内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このと
き、上記の装置ユニットのほうに帯電手段および/また
は現像手段を伴って構成してもよい。また、光像露光L
は、電子写真装置を複写機やプリンタ−として使用する
場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるい
は、原稿を読み取り信号化に従って、この信号によりレ
−ザ−ビ−ムの走査、発光ダイオ−ドアレイの駆動、ま
たは液晶シャッタ−アレイの駆動などを行うことにより
行われる。
【0048】
【実施例】
実施例1〜18 で示されるアミノ化合物 アルミ基板上にメトキシメチル化ナイロン(平均分子量
32000)5gとアルコ−ル可溶性共重合ナイロン
(平均分子量29000)10gをメタノ−ル95gに
溶解した液をマイヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜厚が1
μmの下引き層を形成した。
【0049】次に、顔料例(2)−1の顔料5gをシク
ロヘキサノン95gにブチラ−ル樹脂(ブチラ−ル化度
63モル%)2gを溶かした液に加え、サンドミルで2
0時間分散した。この分散液を下引き層の上に乾燥後の
膜厚が0.2μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布し電
荷発生層を形成した。
【0050】次いで、下記構造式を有する化合物5g
【化29】 とポリメチルメタクリレ−ト(数平均分子量10000
0)5gをクロロベンゼン35gに溶解し、この液を電
荷発生層の上に乾燥後の膜厚が22μmとなるようにマ
イヤ−バ−で塗布し電荷輸送層を形成し、実施例1の電
子写真感光体を作成した。
【0051】顔料例(2)−1に代えて、他の顔料例の
顔料を用いた他は、実施例1と全く同様にして実施例2
〜18に対応する電子写真感光体を作成した。
【0052】作成した各電子写真感光体を川口電機
(株)製静電複写紙試験装置(SP−428)を用いて
−5KVのコロナ放電で負に帯電し、1秒間暗所放置し
た後ハロゲンランプを用いて照度10ルックスの光で露
光し、帯電特性を評価した。帯電特性としては表面電位
0 と暗所放置後の表面電位が1/2に減衰するのに必
要な露光量E1/2 を測定した。この結果を表53に示
す。
【表53】
【0053】比較例1〜5 実施例1で用いた顔料例(2)−1に代えて、下記構造
式を有するジスアゾ顔料例の顔料を用いた他は、実施例
1と全く同様にして比較例1〜5に対応する電子写真感
光体を作成し、同様に帯電特性を評価した。結果を表5
4に示す。比較顔料A
【化30】 比較顔料B
【化31】 比較顔料C
【化32】 比較顔料D
【化33】 比較顔料E
【化34】
【0054】
【表54】
【0055】これらの結果から、本発明の電子写真感光
体はいずれも十分な帯電能と優れた感度を有しているこ
とが知られる。
【0056】実施例19〜30 実施例1で作成した電子写真感光体を−6.5KVのコ
ロナ帯電器、露光光学系、現像器、転写帯電器、除電露
光光学系及びクリ−ナ−を備えた電子写真複写機のシリ
ンダ−に貼り付けた。
【0057】初期の暗部電位VD と明部電位VL をそれ
ぞれ−700V、−200V付近に設定し、5千回繰り
返し使用した際の暗部電位の変動量△VD と明部電位の
変動量△VL を測定した。結果を表55に示す。なお、
電位の変動量における負記号は、電位の絶対値の低下を
表わし、正記号は電位の絶対値の増加を表わす。
【0058】実施例2、3、4、5、8、10、11、
13、16、17及び18で作成した電子写真感光体に
ついても同様に評価を行った。結果を表55に示す。
【表55】
【0059】比較例6〜10 比較例1〜5で作成した電子写真感光体を実施例19に
おけると同様の方法で繰り返し使用時の電位変動量を測
定した。結果を表56に示す。
【表56】
【0060】実施例19〜30及び比較例6〜10の結
果から、本発明の電子写真感光体は、繰り返し使用時の
電位変動が少ないことが知られる。
【0061】実施例31 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのアル
ミ面上に0.5μmの膜厚を有するポリビニルアルコ−
ルの下引き層を形成した。この上に実施例1におけると
同じアゾ顔料の分散液をマイヤ−バ−で塗布乾燥して、
膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次いで、下記
構造式を有する化合物5g
【化35】 とポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量55000)5g
をテトラヒドロフラン40gに溶かした液を電荷発生層
の上に塗布乾燥して、膜厚18μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作成した。
【0062】作成した電子写真感光体の帯電特性と耐久
特性を実施例1及び実施例19と同じ方法によって測定
した。結果を示す。 V0 :−700V、E1/2 :1.50lux・sec △VD :+5V、△VL :+5V
【0063】実施例32 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのアル
ミ面上に0.7μmの膜厚を有するポリビニルアルコ−
ルの下引き層を形成した。この上に実施例4におけると
同じアゾ顔料の分散液をマイヤ−バ−で塗布乾燥して、
膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。次いで、下
記構造式を有する化合物5g
【化36】 とポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量55000)5g
をテトラヒドロフラン40gに溶かした液を電荷発生層
の上に塗布乾燥して、膜厚19μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作成した。
【0064】作成した電子写真感光体の帯電特性と耐久
特性を実施例1及び実施例19と同じ方法によって測定
した。結果を示す。 V0 :−700V、E1/2 :1.18lux・sec △VD :0V、△VL :+5V
【0065】実施例33 実施例11で作成した電子写真感光体における電荷発生
層と電荷輸送層を逆の順番で塗布した他は、実施例11
と同様にして電子写真感光体を作成し、実施例1と同じ
方法で帯電特性を評価した。ただし帯電は正帯電とし
た。結果を示す。 V0 :+700V、E1/2 :2.15lux・sec
【0066】実施例34 実施例16におけると同様にして電荷発生層まで形成
し、その上に2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン5gとポリ−4,4’−ジオキシジフェニル−2,2
−プロパンカ−ボネ−ト(分子量300000)5gを
テトラヒドロフラン50gに溶解した液をマイヤ−バ−
で塗布乾燥して、膜厚22μmの電荷輸送層を形成して
電子写真感光体を作成し、実施例1と同じ方法で帯電特
性を評価した。ただし帯電は正帯電とした。結果を示
す。V0 :+695V、E1/2 :1.58lux・se
【0067】実施例35 顔料例(3)−1の顔料0.5gをシクロヘキサノン
9.5gとペイントシェイカ−で5時間分散した。ここ
へ実施例1で用いた電荷輸送物質5gとポリカ−ボネ−
ト5gをテトラヒドロフラン40gに溶かした液を加
え、更に1時間振とうした。調製した塗布液をアルミ基
板上にマイヤ−バ−で塗布乾燥して膜厚20μmの感光
層を形成して電子写真感光体を作成し、実施例1と同じ
方法で帯電特性を評価した。ただし帯電は正帯電とし
た。結果を示す。V0 :+700V、E1/2 :2.35
lux・sec
【0068】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、感光層に特
定の構造を有するアゾ顔料を含有せしめたことにより、
感光層内部における電荷キヤリアの発生効率ないしは注
入効率のいずれか一方あるいは双方が改善され、感度や
繰り返し使用時の電位安定性に優れた特性が得られると
いう顕著な効果を奏する。この効果は該電子写真感光体
を電子写真装置に適用した場合も同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電子
写真感光体) 1a 軸 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリ−ニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 9 像転写を受けた転写材 L 光像露光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−264762(JP,A) 特開 昭62−2267(JP,A) 特開 昭63−262656(JP,A) 特開 昭61−15152(JP,A) 特開 昭58−7148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/06 340 - 369 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、感光層が一般式(1)で示される有
    機残基を有するアゾ顔料を含有することを特徴とする電
    子写真感光体。 一般式(1) 【化1】 式中、R1 及びR2 は同一または異なって、水素原子、
    置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
    いアラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置
    換基を有してもよい複素環基ないしはR1 とR2 の結合
    する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を表わし、Zは
    酸素原子または硫黄原子を表わす。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される有機残基が、一
    般式(2)で示される有機殘基である請求項1記載の電
    子写真感光体。 一般式(2) 【化2】 式中、R3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基
    を有してもよいアラルキル基ないしは置換基を有しても
    よいアリ−ル基を表わし、Zは酸素原子または硫黄原子
    を表わす。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で示される有機残基におい
    て、R3 が置換基を有してもよいアリ−ル基である請求
    項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 一般式(2)で示される有機残基におい
    て、R3 が置換基を有してもよいフェニル基である請求
    項2記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアゾ顔料が、一般式
    (1)で示される有機残基と結合基を介して結合しても
    よい置換基を有してもよい芳香族炭化水素環と結合した
    構造を有する請求項1記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のアゾ顔料が、一般式
    (1)で示される有機残基と結合基を介して結合しても
    よい置換基を有してもよい芳香族複素環と結合した構造
    を有する請求項1記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のアゾ顔料が、一般式
    (3)で示されるアゾ顔料である請求項1記載の電子写
    真感光体。 一般式(3) 【化3】 式中、R1 及びR2 は同一または異なって、水素原子、
    置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
    いアラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置
    換基を有してもよい複素環基ないしはR1 とR2 の結合
    する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を表わし、Zは
    酸素原子または硫黄原子を表わし、Arは結合基を介し
    て結合してもよい、置換基を有してもよい芳香族炭化水
    素環または芳香族複素環を表わし、nは1、2、3また
    は4の整数を表わす。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のアゾ顔料が、一般式
    (4)で示されるアゾ顔料である請求項1記載の電子写
    真感光体。 一般式(4) 【化4】 式中、R3 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基
    を有してもよいアラルキル基ないしは置換基を有しても
    よいアリ−ル基を表わし、Zは酸素原子または硫黄原子
    を表わし、Arは結合基を介して結合してもよい、置換
    基を有してもよい芳香族炭化水素環または置換基を有し
    てもよい芳香族複素環を表わし、nは1、2、3または
    4の整数を表わす。
  9. 【請求項9】 一般式(4)で示されるアゾ顔料におい
    て、R3 が置換基を有してもよいアリ−ル基である請求
    項8記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 一般式(4)で示されるアゾ顔料にお
    いて、R3 が置換基を有してもよいフェニル基である請
    求項8記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の電子写真感光体を備え
    た電子写真装置。 【0001】
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