JP3143534B2 - 防護用基布およびその製造方法 - Google Patents
防護用基布およびその製造方法Info
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Landscapes
- Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
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Description
スポーツ用衣類などの一部または全面に使用する防護用
基布に関するものである。
行中の転倒から身を守る手段としてグローブやパット等
が使用されるが、従来は全体が皮革で作られたものや、
皮革を部分的に貼り付けたり縫製したものであった。ま
た、最近では、耐切創性に優れた高弾性率繊維糸よりな
る織物も使用されている。
性に優れた高弾性率繊維糸よりなる織物で形成された従
来の防護用基布は全表面が平坦であるので、地面等との
接触時に基布全体が擦過して破れやすいといった欠点が
ある。また、この欠点を補うために基布の厚みを増す
か、硬い樹脂などで全体を覆うという手立てもとられる
が、そうすると目付が大きく基布が硬くなるという別異
の欠点があった。
糸を使って柔軟で軽く、しかも耐摩耗、耐切創性に優れ
た防護用基布を提供することを目的としている。
達成するために、次のような手段を採用する.すなわ
ち、本発明の防護用基布は、高弾性率繊維(A)と該高
弾性率繊維以外の繊維(B)とからなる表面にシボ部を
有する一重の編織物であって、該編織物の20〜45重
量%が高弾性率繊維(A)で構成されており、かつ、該
シボ部は高弾性率繊維(A)または高弾性率繊維(A)
を主体とする繊維のヨリ糸で構成されており、フラット
部は繊維(B)または繊維(B)を主体とする繊のヨリ
糸で構成されていることを特徴とするものである。
高弾性率繊維(A)と、該高弾性率繊維(A)以外で高
弾性率繊維(A)より5%以上熱収縮率の高い繊維
(B)とを用いて、高弾性率繊維(A)のヨリ糸と繊維
(B)とのヨリ糸、または、高弾性率繊維(A)、繊維
(B)が混撚された糸と繊維(B)とのヨリ糸のいずれ
かの組合せの編糸または織糸により、該布帛の20〜4
5重量%が高弾性率繊維(A)である編織物を製編織し
た後、該編織物を熱処理、薬品処理またはこれらの組合
せ処理を施して、高弾性率繊維(A)または高弾性率繊
維(A)を主体とする繊維のヨリ糸で構成されたシボを
発現させることを特徴とするものである。
にシボを設け、該シボ部には耐摩耗、切創抵抗に優れた
高弾性率繊維糸を配することによって、転倒時の防護性
を向上するものである。ここで本発明で言う高弾性率繊
維糸とはヤング率が300g/デニール以上のものが好
ましく、例えば全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエス
テル等の他、ヤング率が300g/デニール以上のもの
であれば素材はアクリルでもポリエチレンでもその他の
ものでも良い。これらの原糸は一般的には単糸繊度の小
さいものが多いが、単糸繊度は出来るだけ大きいものが
好ましく、1デニール以上のものが好ましい。また、高
弾性率繊維糸はフィラメント糸でも、スパン糸でも、フ
ィラメント糸に例えばタスラン加工をしたスパンライク
糸でも良く、基布の風合の面からはスパンライク糸やス
パン糸が好ましい。
たは編成される地糸の部分を成す原糸は、一般的に織物
や編み物に使用されている繊維で良く、素材も特に限定
するものではないが、特に高弾性率繊維糸との収縮率の
差が5%以上大きい事が必要である。収縮率の差が5%
より小さいと、例えば熱収縮処理した後でも、織物や編
み物の組織や構造上のたるみの影響によってシボの程度
が小さくなりすぎるためである。また地糸を成す原糸の
繊度は高弾性率繊維糸と同等でもよいが、シボを大きく
するには高弾性率繊維糸より繊度が小さく、単糸繊度も
同等か、または小さい方が柔軟で好ましい。また、地糸
の原糸は高弾性率繊維糸と同様にフィラメント糸でもス
パン糸でもスパンライク糸でも良く、基布の風合などの
必要性能によって自由に選択し、使用すれば良い。
は編成する際の高弾性率繊維糸と他の原糸との混率は、
高弾性率繊維糸が20〜45重量%の範囲であることが
必要である。高弾性率繊維糸の混率が45重量%より大
きくなれば地糸の収縮応力が小さすぎて、発現するシボ
の程度が小さくなり、シボ部で転倒時の擦過等に対する
力を吸収する目的が達成出来なくなる。また、高弾性率
繊維糸の混率が20重量%より小さいと布帛のシボの程
度は大きくても、耐摩耗性や切創性が不十分になる。
るための処理加工手段として、熱水中に浸漬したり、繊
維の溶融温度よりも低い温度の乾燥機中で処理するなど
の方法があるが、通常の染色、熱セット等の工程をこの
処理に代用してもよい。また、熱収縮処理の他、地糸の
部分のみが収縮する薬品で処理しても、シボを発現させ
ることができる。
とまっている方が転倒時の擦過等にたいする効果が大き
いため、製織または編成時に織物組織の1完全の中に、
高弾性率繊維糸を連続して2本以上用いることが望まし
く、織り組織として斜子、畝織り等の組織が好ましい。
ラケたりヘタリを防止するために樹脂加工することが好
ましく、これに使用する樹脂は特に限定するものではな
い。樹脂加工は高弾性率繊維糸のみに予め加工したもの
を用いてもよいが、シボをつけるための加工をした後で
基布全体に加工してもよい。この場合は樹脂加工によっ
て基布が硬くなり過ぎないように樹脂のタイプ、付着量
などを調整することが望ましい。また、高弾性率繊維糸
の単糸のバラケやヘタリを防止する方法として、予め高
弾性率繊維糸にヨリ加工をした後で製織、編成してもよ
く、ヨリ糸は製織時にビリ等の影響のない程度の余裕を
持たせたヨリでもよい。さらに、シボ部の風合を剛くし
たい時は強ネンした後、糊付けしてから製織すればよ
い。
ンしたもので製織、編織すれば、シボ部の膨らみがよ
く、高弾性率繊維糸の単糸のバラケやヘタリがないため
最も好ましい。もちろん高弾性率繊維糸にヨリ加工、シ
ボを発現させるための加工を経たのちに、樹脂加工を併
用しても構わない。
ことにより、モトクロス等のグローブとして優れている
のみならず、基布のシボがゴルフのクラブや野球のバッ
ト等を握った時の滑り止めの効果があるので好ましい。
また、その他のスポーツ衣料用途にも適用できるととも
に、視覚を通じてデザインの斬新性も引き起こす。 以
下、本発明の図面を用いて説明する。
0はシボ部で高弾性率繊維糸からなるものである。20
はフラット部で地糸から成る織物である。シボ部10の
大きさや単位面積当たりのシボの数は、織物の組織、お
よび使用する高弾性率繊維糸の繊度などによって決定さ
れ、高弾性率繊維糸の繊度が大きいほどシボ部10は大
きくなる。フラット部20の地糸は収縮処理加工によっ
て十分に収縮し、シボ部10を形成したものである。シ
ボ部10の発生現象については、図2および3を用いて
以下に詳述する。
タテ方向の断面の状態であり、符号11は高弾性率繊維
糸のタテ糸、12はヨコ糸である。21は地糸を成す原
糸のタテ糸、22はヨコ糸である。高弾性率繊維糸11
および12のそれぞれは、予めヨリ加工した後、製織し
たものであり、地糸21および22の原糸も製織前に予
めヨリ加工したものである。ヨコ糸の配列は、高弾性率
繊維糸12が3本、地糸22が4本の順で組み合わされ
た配列をしている。高弾性率繊維糸のタテ糸11は、高
弾性率繊維糸のヨコ糸12を3本毎に飛ばして交差する
とともに、地糸のヨコ糸22に対しては1本毎に交差し
て平織を組成している。なお、このタテ糸とヨコ糸との
それぞれの交差は、本実施例に限られるものではない。
状態で、高弾性率繊維糸11および12より収縮率の大
きい地糸21,22が、収縮処理によってタテ糸11,
21の間隔が小さくなっている状態を示している。地糸
21、22が収縮する時の力によって高弾性率繊維糸1
1,12は、地糸21,22と共に縮もうとするが、繊
維の収縮率は地糸21,22よりも小さいので、収縮率
の小さい分だけ縮みきらずに弛みとなってシボ部10が
形成され、弛まない部分はフラット部20を形成する。
この場合、タテ糸密度、ヨコ糸密度は大きい方がシボ部
は形成されやすい。
る。420デニール48フィラメントのナイロンフィラ
メント糸にリングネン糸機で800回/mで左ヨリを与
え、ヤング率500g/デニールで単糸繊度が1.5デ
ニールの全芳香族ポリアミドのケブラー20番手糸と合
糸して、400回/mで左ヨリを与えた。一方、地糸は
140デニール48フィラメントのナイロン糸に300
回/mで右ヨリを与えた。ケブラー糸と地糸の沸騰水収
縮率の差は10%であった。
ら成る双ヨリ糸を3本と、地糸5本が隣接し、更にケブ
ラーとナイロンからなる双ヨリ糸3本と、地糸5本の合
計16本で1完全本数を成し、ケブラーとナイロンから
なる双ヨリ糸は斜子組織と平織、地糸は平織の組織とし
てタテ糸密度75本/インチ、ヨコ糸密度62本/イン
チで製織した。
60℃で1分間セットし、酸性染料と分散染料とを配合
して3.5%濃度で45分間染色した。染色時の温度は
110℃であった。この布帛に、大日本インキ化学株式
会社のアクリル樹脂(ボンコート3220)と、フッ素
系の撥水剤を混合して付着率が5%になるように加工
し、防護用基布を得た。本防護用基布の厚さは1.82
mmで、目付は250g/m2 、シボ部の幅、厚さは
1.2mm、高さは1mmで、シボ部の単糸割れやへた
りはなかった。
は、次のような効果を奏する。(1)本発明によれば、
一重の編み織物であるにも拘わらず、高弾性率繊維糸が
シボ部状に固まって突出し、このシボ部の高弾性率繊維
糸が耐摩擦性、切創性等に効果を奏するため、従来の皮
革や、高弾性率繊維糸を全体に使用した平坦な基布に比
べて目付が小さく、柔軟で軽い実用性に優れた防護用基
布を得ることができる。
く柔軟であるので、グローブや衣服全面に使用しても軽
い。また、グローブや衣服の摩擦や切創性の特に必要な
部分のみに、部分使いする場合でも、樹脂加工によって
基布がほつれることがなく、縫製等の加工がしやすい。
やバットなどを握った時に、握り易く、滑りにくくする
効果を有する。
中での使用や、スキーウエアー等の使用にも適する。
示す拡大断面図である。
発現状態を示す拡大断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 高弾性率繊維(A)と該高弾性率繊維以
外の繊維(B)とからなる表面にシボ部を有する一重の
編織物であって、該編織物の20〜45重量%が高弾性
率繊維(A)で構成されており、かつ、該シボ部は高弾
性率繊維(A)または高弾性率繊維(A)を主体とする
繊維のヨリ糸で構成されており、フラット部は繊維
(B)または繊維(B)を主体とする繊維のヨリ糸で構
成されていることを特徴とする防護用基布。 - 【請求項2】 高弾性率繊維が、ヤング率300g/デ
ニール以上の繊維から成る請求項1記載の防護用基布。 - 【請求項3】 編織物が、樹脂加工されているものであ
る請求項1または2に記載の防護用基布。 - 【請求項4】 編織物の組織が、平織またはその変化組
織から成り、かつ外観が梨地状である請求項1〜3のい
ずれかに記載の防護用基布。 - 【請求項5】 高弾性率繊維(A)と、該高弾性率繊維
(A)以外で高弾性率繊維(A)より5%以上熱収縮率
の高い繊維(B)とを用いて、高弾性率繊維(A)のヨ
リ糸と繊維(B)とのヨリ糸、または、高弾性率繊維
(A)、繊維(B)が混撚された糸と繊維(B)とのヨ
リ糸のいずれかの組合せの編糸または織糸により、該布
帛の20〜45重量%が高弾性率繊維(A)である編織
物を製編織した後、該編織物を熱処理、薬品処理または
これらの組合せ処理を施して、高弾性率繊維(A)また
は高弾性率繊維(A)を主体とする繊維のヨリ糸で構成
されたシボを発現させることを特徴とする防護用基布の
製造方法。 - 【請求項6】 繊維(B)が、高弾性率繊維(A)以外
の2種以上の繊維を含むものである請求項5記載の防護
用基布の製造方法。
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JPH06200447A JPH06200447A (ja) | 1994-07-19 |
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-
1992
- 1992-12-28 JP JP04360570A patent/JP3143534B2/ja not_active Expired - Lifetime
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