JP3142927B2 - 耐熱性透明黄色膜形成用組成物および耐熱性黄色透明体 - Google Patents
耐熱性透明黄色膜形成用組成物および耐熱性黄色透明体Info
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Description
ぐためのコーティングや、車輛、船舶等の照明用ハロゲ
ンランプまたは警報ランプ等の透明着色膜としてこれら
の透明ガラス器材の表面に形成される高耐熱性透明黄色
膜を形成するための組成物に関し、また該組成物からな
る高耐熱性透明黄色膜を有する耐熱性黄色透明体に関す
る。
来から、静電塗装法、スパッタリング法、CVD法、被
膜液の塗布法等が知られているが、耐熱性黄色透明体を
得るためにはそれぞれ問題がある。静電塗装法は塗布材
の粒径を最適にする制御が困難で、しかも粒子が凝集し
やすく、そのため光の散乱が起りやすく透明性が劣る。
またスパッタリング法やCVD法は高価な装置が必要な
うえに生産性が良くない。一方、塗布法は生産性が良
く、均質な被膜を容易に形成でき、組成の制御も容易で
あるが、従来知られている黄色系塗膜形成用組成物は耐
熱性に劣る問題がある。例えば、従来、セリウム含有酸
化チタン(特開昭61-34185号、同63-103083号)、鉄酸化
物とチタン酸化物との系にコバルト、クロム、ジルコニ
ウム、スズ等を必要に応じて含有させたもの(特開昭54-
101821号)、0.1μm以下の酸化亜鉛等を溶剤もしくは結
合剤中に分散したもの等(特開平2-169673号、同2-26597
6号)が知られているが、これらの膜は約500℃前後の高
温下では耐熱性に乏しい。本発明者は、高温環境下で使
われる耐熱ガラスを、紫外線の遮断あるいは着色を目的
として表面コーティングするために各種材料たとえば、
Pb-Zr-Cr-O、 Zr-Si-Pr-O、Ti-Sb-Ni-Nb-O、Ti-Fe-Zn-O
等について検討した。しかしいずれも吸光係数が小さ
く、着色薄膜としては有効でなかったり、あるいは高温
環境下ではすぐに劣化する欠点があり、充分な特性が得
られなかった。
高耐熱性の透明黄色膜形成用組成物および該組成物から
形成された高耐熱性の黄色透明体を提供することを目的
とする。本発明者は、高耐熱性の塗膜形成用組成物につ
いて検討を続けた結果、シリコン−バナジウム系酸化物
からなる組成物が、従来の組成物より耐熱性の一段と優
れた黄色系透明被膜を形成することを見出し本発明に至
った。
キルシリケートと有機バナジウム化合物とを混合してな
る黄色膜形成用組成物であって、有機バナジム化合物の
含有量が、形成された膜中のSiO2 /V2 O5 重量比
で1.5〜3.5となる範囲であることを特徴とする耐熱性透
明黄色膜形成用組成物が提供される。また本発明によれ
ば、透明基材の表面に塗布した請求項1記載の組成物を
加熱分解して形成した耐熱性黄色透明膜を有する耐熱性
黄色透明体が提供される。
は、高温環境下での使用を目的として、アルキルシリケ
ートあるいはシリカゾルが使用される。アルキルシリケ
ートは任意に選択することがでる。具体的には、例え
ば、テトラエトキシオルソシラン(TEOS)、テトラメチル
オルソシラン(TMOS)、テトラプロピルオルソシラン(TPO
S)、テトラブチルオルソシラン(TBOS)、メチルエトキシ
シラン(MTES)、ジメチルジエトキシシランなどの単体ま
たはこれらの混合物が用いられる。アルキルシリケート
を用いる場合には、たとえばアルキルシリケートをアル
コール等の溶剤に溶解した後に稀塩酸を加えて部分加水
分解し、生成する固形物(SiO2)が適当な濃度となるよう
にアルコール等の有機溶媒を用いて濃度を調整して用い
るのが好ましい。
ム化合物が好ましい。有機バナジウム化合物としては一
般式VO(OR)3 あるいはV(OR)5 (但しRはアルキ
ル基を表わす)で表わされるバナジウムアルコキシドお
よびその他各種の有機バナジウム化合物を適用すること
ができる。具体的には、たとえばトリエトキシバナジ
ル、ペンタエトキシバナジウム、トリアミロキシバナジ
ル、トリイソプロポキシバナジル、ビスアセチルアセト
ナトバナジル等が挙げられる。なお上記化合物は例示で
あり、これ等に限定されるものではない。上記アルキル
シリケートおよび有機バナジウム化合物を溶解する有機
溶媒としては、アルコール類、ケトン類、β−ジケトン
類など一般的な有機溶媒を用いることができる。
の量は、形成した膜中のSiO2 /V2 O5 重量比が1.
5〜3.5になる範囲である。このSiO2 /V2 O5 の重
量比が1.5未満であると、高温環境下で五酸化バナジウ
ムの粒成長が容易に起り透明性が失われ、耐熱性が得ら
れない。またSiO2 /V2 O5 が3.5を越えると、五
酸化バナジウムの量が少なく相対的に着色力が弱くなる
ため好ましくない。上記アルキルシリケートおよび有機
バナジウム化合物を有機溶媒に溶解混合するときの混合
方法は制限されない。得られた均一な混合溶液に稀塩酸
を加えて各有機金属化合物を部分加水分解した後、有機
溶媒で固形物重量が塗布に適した濃度になるように調整
して塗膜形成用組成物とする。
面または両面に塗布し、加熱乾燥することにより高耐熱
性黄色透明体が得られる。塗膜の厚さ、塗布方法および
加熱方法は常法に準じて行えばよい。形成された被膜は
黄色系の色調を有する透明被膜であり、500℃以上の高
温環境下でも色調および透明度が変化しない。
は、高耐熱性、透明性に優れた黄色膜形成用組成物であ
って、これを耐熱ガラスに塗布して得られる黄色透明体
は、高温環境下で使用される照明用ハロゲンランプ、警
報ランプ等の製造に好適である。さらに上記組成物は基
材に塗布して加熱するだけで容易に被膜を形成できる。
キシバナジル1.60gをイソプロパノールに溶解し、稀塩
酸を加え部分加水分解した後、固形物重量が10%濃度と
なるようにイソプロピルアルコールで濃度調整して黄色
膜形成用組成物溶液とした。この溶液をディッピングに
よってバイコールガラスに塗布し、600℃で10分間焼成
した。塗布と焼成を4回繰り返し、XYZ表色系の色度
(x,y)=(0.502, 0.446)、Y=82.3の黄色透明着色体
を得た。この着色体を700℃の高温で保持した際のY値
は図1に示すように殆んど変化せず、膜の白濁、失透も
ない高温耐熱性に優れたものであった。
トリエトキシシラン(MTES) 1.42 gとトリエトキシバナ
ジル 1.60 gをブタノールとエタノールの1:1混合溶
媒に溶解し、稀塩酸を加えて部分加水分解した後、固形
物重量が15%濃度となるようにブタノールとエタノール
の1:1混合溶媒で濃度調整して黄色膜形成用組成物溶
液とした。この溶液をディッピング法によってバイコー
ルガラスに塗布し、600℃で10分間焼成した。塗布焼成
を3回繰り返し、XYZ表色系の色度(x,y)=(0.50
1, 0.448)、Y=83.5の黄色透明着色体を得た。この着
色体を700℃の高温で保持した際のY値は図2に示すよ
うに殆ど変化せず、膜の白濁、失透もない高温耐熱性に
優れたものであった。
トキシバナジウム 2.29gをエタノールに溶媒し、稀塩酸
を加えて部分加水分解した後、固形物重量が10%濃度と
なるようにエタノールで濃度調整して黄色膜形成用組成
物溶液とした。この溶液をスピンコートによってバイコ
ールガラスに塗布し、600℃で10分間焼成した。塗布と
焼成を5回繰り返し、XYZ表色系の色度(x,y)=
(0.498, 0.446)、Y=84.3の黄色透明着色体を得た。こ
の着色体の耐熱性は実施例1と同様であった。
ロキシバナジル 2.80gをイソプロパノールに溶解し、稀
塩酸を加え部分加水分解した後、固形物重量が10%濃度
となるようにイソプロパノールで濃度調整して黄色膜形
成用組成物溶液とした。この溶液をディッピングによっ
てバイコールガラスに塗布し、600℃で10分間焼成し
た。上記塗布と焼成を3回繰り返し、XYZ表色系の色
度(x,y)=(0.498, 0.447)、Y=85.1の黄色透明着色
体を得た。この着色体の耐熱性は実施例1と同様であっ
た。
ポキシバナジル1.10gをシソプロパノールに溶解し、稀
塩酸を加えて部分加水分解した後、固形物重量が10%濃
度となるようにイソプロパノールで濃度調整して黄色膜
形成用組成物溶液とした。この溶液をスピンコートによ
ってバイコールガラスに塗布し、600℃で10分間焼成し
た。塗布と焼成を6回繰り返し、XYZ表色系の色度
(x,y)=(0.496, 0.448)、Y=83.6の黄色透明着色体
を得た。この着色体の耐熱性は実施例1と同様であっ
た。
チルアセトナトバナジル2.10gをイソブロパノールとエ
チレングリコールモノメチルエーテルの1:1混合溶媒
に混合し、還流を行い溶解し、稀塩酸を加えて部分加水
分解した後、固形物重量が10%濃度となるようにイソプ
ロパノールで濃度調整して黄色膜形成用組成物溶液とし
た。該溶液をスピンコートによってバイコールガラスに
塗布し、600℃で10分間焼成した。塗布と焼成を6回繰
り返し、XYZ表色系の色度(x,y)=(0.503, 0.44
9)、Y=80.6の黄色透明着色体を得た。この着色体の耐
熱性は実施例1と同様であった。
ソプロポキシバナジル0.34gをイソプロパノールに溶解
し、稀塩酸を加えて部分加水分解した後、固形物重量が
10%濃度となるようにイソプロパノールで重量調整して
黄色膜形成用組成物溶液とした。この溶液をスプレーパ
イロシス法によってバイコールガラスにコーティング
し、XYZ表色系の色度(x,y)=(0.496, 0.448)、Y
=83.6の黄色透明着色体を得た。この着色体の耐熱性は
実施例1と同様であった。
に保持したときのY値の経時変化を示す図。
たときのY値の経時変化を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルキルシリケートと有機バナジウム化
合物とを混合してなる黄色膜形成用組成物であって、有
機バナジム化合物の含有量が、形成された膜中のSiO
2 /V2 O5 重量比で1.5〜3.5となる範囲であることを
特徴とする耐熱性透明黄色膜形成用組成物。 - 【請求項2】 透明基材の表面に塗布した請求項1記載
の組成物を加熱分解して形成した耐熱性黄色透明膜を有
する耐熱性黄色透明体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03332913A JP3142927B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 耐熱性透明黄色膜形成用組成物および耐熱性黄色透明体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03332913A JP3142927B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 耐熱性透明黄色膜形成用組成物および耐熱性黄色透明体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136322A JPH06136322A (ja) | 1994-05-17 |
JP3142927B2 true JP3142927B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=18260206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03332913A Expired - Lifetime JP3142927B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 耐熱性透明黄色膜形成用組成物および耐熱性黄色透明体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3142927B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1196942B1 (en) * | 2000-06-16 | 2014-03-26 | Koninklijke Philips N.V. | Electric lamp comprising a light absorbing medium |
-
1991
- 1991-11-22 JP JP03332913A patent/JP3142927B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06136322A (ja) | 1994-05-17 |
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