JP2003286416A - 有機着色剤及びガラス用着色皮膜 - Google Patents

有機着色剤及びガラス用着色皮膜

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JP2003286416A
JP2003286416A JP2002092499A JP2002092499A JP2003286416A JP 2003286416 A JP2003286416 A JP 2003286416A JP 2002092499 A JP2002092499 A JP 2002092499A JP 2002092499 A JP2002092499 A JP 2002092499A JP 2003286416 A JP2003286416 A JP 2003286416A
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glass
organic
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film
colored film
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JP2002092499A
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Masaji Nakanishi
正次 中西
Masayuki Ichiyanagi
昌幸 一柳
Takenobu Sakai
酒井  武信
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐紫外線性に優れた有機着色剤を提供するこ
と、耐紫外線性に優れかつリサイクル性に優れたガラス
用着色皮膜を提供することである。 【解決手段】有機色素の微粒子と、この有機色素の微粒
子を被覆し紫外線遮断性能を持つ紫外線遮断物質とを有
する有機着色剤である。ガラス基体の上に形成されたガ
ラス用着色皮膜において、上述の有機着色剤と、この有
機着色剤を分散したマトリクスとを有するガラス用着色
皮膜である。有機着色剤は、有機色素の微粒子を紫外線
遮断性能を持つ紫外線遮断物質で被覆することで有機色
素が紫外線に曝されることを防止している。その結果有
機色素が紫外線によって劣化して退色することを防ぐこ
とができる。ガラス用着色皮膜は有機着色剤が皮膜のマ
トリクスに分散しているので、ガラス用着色皮膜を透過
する紫外線によって有機色素が劣化、退色することを防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機着色剤、詳しく
は耐紫外線性に優れた有機着色剤に関する。また本発明
はガラス用着色皮膜、詳しくは耐紫外線性に優れかつリ
サイクル性に優れたガラス用着色皮膜に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両等には用いられる着色ガ
ラスを製造する手法として、ガラスに遷移金属元素を添
加するという手法がある。このように遷移金属元素等が
添加された着色ガラスは、リサイクルに供しようとする
と同じ色のガラス同士を集めなければならない。しかし
ながら同じ色の着色ガラスを集めることは困難なことか
ら、実際には着色ガラスのリサイクルが制限されるとい
う事態が生じている。
【0003】また遷移金属元素をガラスに添加するとい
う手法の他に、有機色素を含有した着色皮膜を透明なガ
ラスの表面に形成して着色ガラスの製造するという手法
がある。
【0004】例えば特開平4−2635号公報には、
「ガラス基体上の、染料または顔料を含んだゲル状また
はガラス状のマトリクスから構成されるガラス材料」
(請求項1)であって、この顔料が有機顔料であるガラ
ス材料(請求項5)が開示されている。
【0005】このように有機色素を着色剤として含有し
た着色皮膜をガラス基体の表面に有する着色ガラスは、
リサイクルを行う場合にガラス基体を溶融する熱で着色
皮膜に含まれる有機色素を熱分解して無色化することが
できるという利点がある。
【0006】しかし有機色素は紫外線に曝されると劣化
して退色してしまうという性質を有する。従って有機色
素をガラス基体の表面に形成される皮膜に含有させて着
色ガラスを製造した場合には、この着色ガラスを屋外で
用いると皮膜中の有機色素が紫外線に曝されることで劣
化し退色してしまって、屋外で着色ガラスを用いると着
色が失われてしまうという問題が生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで着色皮膜に含有
された有機色素の劣化・退色を防止する手法が研究され
ている。
【0008】まず有機色素を含有するマトリクス自体を
紫外線を吸収する材料で形成するという手法が存在す
る。例えば上述の特開平4−2635号公報において
は、ガラス材料のマトリクスが紫外線吸収性能を有する
という手法(請求項6)が開示され、「紫外線による退
色性も、用いるマトリクスの組成を紫外線カット性にす
ることにより小さくすることができる」(同公報(3)
頁、下段左欄)と説明されている。
【0009】この手法によってガラス基体の表面に形成
される皮膜のマトリクスを例えば酸化亜鉛(ZnO)、
酸化スズ(SnO2)、酸化チタン(TiO2)等の紫外
線を吸収する材料で形成した場合には、このような材料
をマトリクスとして用いて形成された着色皮膜とその下
地となるガラス基体との間に光学干渉が発生して反射光
が着色しまうという現象が生じることが分かった。ガラ
ス基体の上に形成される皮膜のマトリクスとなるこれら
の紫外線を吸収する性能を有する材料は屈折率が基体と
なるガラスと比較して大きいので、このような材料をガ
ラス基体の表面に形成される着色皮膜のマトリクスとす
ると反射光が着色してしまうことになる。従って紫外線
を吸収する性能を有する材料を着色皮膜のマトリクスと
して用いることは、着色ガラスのデザイン性の観点から
は障害となる。
【0010】また着色皮膜のマトリクスに有機色素と紫
外線吸収剤とを分散させることで、有機色素を紫外線か
ら保護するという手法がある。例えば特開平9−239
311号公報には、金属アルコキシド及び金属アルコキ
シドの縮合多量体のいずれか一方または両方と、紫外線
吸収モノマーとシリコーンマクロマーとを含む高分子紫
外線吸収剤と、有機着色剤とを含むガラスゲル薄膜形成
用コーティング組成物(請求項1参照)が開示されてい
る。このガラスゲル薄膜形成用コーティング組成物を用
いてガラスゲル薄膜を形成した場合には、このガラスゲ
ル薄膜には高分子紫外線吸収剤と有機着色剤とが混合し
て分散している。このようにガラスゲル薄膜に高分子紫
外線吸収剤と有機着色剤とを分散させることで有機着色
剤が紫外線に曝されるのを防ぐという手法では、有機着
色剤が紫外線に曝されるか否かは紫外線が通過する位置
に高分子紫外線吸収剤が存在するか否かという確率の問
題となる。
【0011】従って高分子紫外線吸収剤に紫外線を吸収
させて有機着色剤が紫外線に曝されることを確実に防止
しようとすると、ガラスゲル薄膜中に高分子紫外線吸収
剤を大量に添加する必要がある。しかしこのようにガラ
スゲル薄膜中に高分子紫外線吸収剤を大量に含有させる
と今度はガラスゲル薄膜の膜硬度が低下してしまう。逆
に高分子紫外線吸収剤が少ないと今度は紫外線吸収特性
が低下してしまい、紫外線に有機着色剤が曝される確率
が大きくなって、有機着色剤が劣化してしまうと考えら
れる(特開平9−239311号公報(5)頁左欄参
照)。
【0012】そこで本発明の目的は耐紫外線性に優れた
有機着色剤を提供することにある。また本発明の目的は
耐紫外線性に優れかつリサイクル性に優れたガラス用着
色皮膜を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記課題
を解決する第1発明は、有機色素の微粒子と、この有機
色素の微粒子を被覆し紫外線遮断性能を持つ紫外線遮断
物質とを有することを特徴とする有機着色剤である。
【0014】また上記課題を解決する第2発明は、ガラ
ス基体の上に形成されたガラス用着色皮膜において、第
1発明の有機着色剤と、この有機着色剤を分散したマト
リクスとを有することを特徴とするガラス用着色皮膜で
ある。
【0015】このように第1発明の有機着色剤は、有機
色素の微粒子を紫外線遮断性能を持つ紫外線遮断物質で
被覆することで有機色素が紫外線に曝されることを防止
している。その結果有機色素が紫外線によって劣化して
退色することを防ぐことができる。また第2発明のガラ
ス用着色皮膜は、第1発明の有機着色剤が皮膜のマトリ
クスに分散しているので、ガラス用着色皮膜を透過する
紫外線によって有機色素が劣化、退色することが防止す
ることができる。
【0016】つまり本発明の有機着色剤は有機色素の微
粒子を紫外線遮断物質で被覆することで構成されている
ので、有機色素を紫外線から保護するという紫外線遮断
物質の紫外線遮断性能を無駄なく発揮させることがで
き、有機色素が紫外線に曝されることを効果的に防止す
ることができる。
【0017】また本発明のガラス用着色皮膜は、分散さ
れている有機着色剤が有機色素の微粒子を紫外線遮断物
質で被覆するという構成であるので、有機色素を保護す
るために紫外線遮断物質を大量にマトリクスに添加する
という事態を回避することができる。また本発明のガラ
ス用着色皮膜は有機色素を用いているので、本発明のガ
ラス用着色皮膜が表面に形成された着色ガラスをリサイ
クルする場合、ガラスを溶融する熱で着色皮膜に含まれ
る有機色素を熱分解して無色化することができるので、
リサイクル性に優れている。
【0018】
【発明の実施の形態】(1)第1発明:有機着色剤 第1発明の有機着色剤の実施の形態について説明する。
この第1発明の有機着色剤は、有機色素の微粒子と、有
機色素の微粒子を被覆し紫外線遮断性能を持つ紫外線遮
断物質とを有する。
【0019】第1発明の有機着色剤に用いる有機色素の
微粒子は特に限定はない。紫外線遮断物で被覆できる有
機色素を選択して用いることができる。例えばアゾ系、
アントラキノン系、キノフタロン系、インジゴイド系、
硫化系、トリフェニルメタン系、ピロゾロン系、スチル
ベン系、ジフェニルメタン系、キサンテン系、アリザリ
ン系、アクリジン系、アジン系、オキサジン系、チアジ
ン系、チアゾール系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ
系、フタロシアニン系、クマリン系、キナクロドン系ま
たジゲトピロロピロールレッド等の有機染料の微粒子を
用いることができる。フタロシアニン系としてはフタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン等を挙げるこ
とができる。但しこれらに限定されるものではない。
【0020】なお用いられる有機色素の微粒子の粒径
は、概ね5nm〜100nmが好ましく、5nm〜50
nmが更に好ましい。粒径が大きくなると、光錯乱が生
じてその結果として本発明の有機着色剤が分散されたガ
ラス用着色皮膜の濁度が上昇することになる。
【0021】この有機色素の微粒子を被覆する紫外線遮
断性能を持つ紫外線遮断物質についても、紫外線遮断物
質であれば特に限定はない。
【0022】紫外線遮断物質としては、例えば酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化チタン(Ti
2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ジルコニウム
(ZrO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTi
3)、タンタル酸カリウム(KTaO3)等の金属酸化
物等を用いることができる。
【0023】第1発明の有機着色剤は、有機色素の微粒
子を核としてその回りに紫外線遮断物質を析出させるこ
とで有機色素の微粒子を紫外線遮断物質で被覆すること
によって製造することができる。
【0024】例えば紫外線遮断物質として酸化亜鉛のよ
うな金属酸化物を用いる場合には以下のようにして、有
機色素の微粒子を酸化亜鉛等の金属酸化物で被覆するこ
とができる。まずエタノール等の溶媒中に予め有機色素
を分散させておく。この溶媒中に有機色素を分散させる
ことで、有機色素は微粒子として溶媒中で存在すること
になる。そしてこの溶媒に亜鉛アルコキシド等の金属ア
ルコキシドを分散して、この分散した金属アルコキシド
を加水分解する。この加水分解によって酸化亜鉛等の金
属酸化物を有機色素の微粒子を核としてその回りに析出
させることできる。この場合空気中に含まれている水分
を利用して金属アルコキシドを加水分解することで徐々
に金属酸化物を析出させることが好ましい。徐々に金属
酸化物を溶媒中に析出させることで有機色素の微粒子を
核としてその回りに金属酸化物を析出させて、有機色素
の微粒子を金属酸化物で被覆することができる。
【0025】このように有機色素の微粒子を紫外線を遮
断する性能を有する金属酸化物で被覆して、第1発明の
有機着色剤を製造することができる。この状態の有機着
色剤は溶媒中に分散した有機着色剤である。従ってこの
溶媒を蒸発又は濾過等の適切な方法で除去して有機着色
剤を取り出すことができる。このときの有機着色剤は概
ね少量の溶媒によってスラリー状になっている。
【0026】なお上述の溶媒中に分散した状態の有機着
色剤は、この溶媒と共に利用して第2発明のガラス用着
色皮膜を製造することができる。これについては第2発
明のガラス用着色皮膜の実施の形態の箇所で説明する。
【0027】なお紫外線遮断物質として金属酸化物を用
いる場合には、その原料として用いる金属アルコキシド
については、析出させる金属酸化物に応じて適切な金属
アルコキシドを用いることができる。
【0028】なお金属アルコキシド等を分散させる溶媒
としては、原料の性質を考慮して、エタノール、プロパ
ノール、アセチルアセトン等を選択して用いることがで
きる。
【0029】また金属酸化物を析出するのに用いる金属
化合物は金属アルコキシドに限定されるものではなく、
他の金属化合物を用いて溶媒中に金属酸化物の微粒子を
有機色素の回りに析出させて、有機色素を被覆すること
もできる。 (2)第2発明:ガラス用着色皮膜 第2発明のガラス用着色皮膜の実施の形態について説明
する。このガラス用着色皮膜はガラス基体の上に形成さ
れたガラス用着色皮膜において、第1発明の有機着色剤
とこの有機着色剤を分散したマトリクスとを有すること
を特徴とする。
【0030】マトリクスに分散される第1発明の有機着
色剤は、(1)において説明したとおりである。
【0031】マトリクスは、第1発明の有機着色剤が分
散され、ガラス基体の上に皮膜を形成することができる
ものであれば特に限定はない。このマトリクスは、無機
材料を用いることもできる。また有機材料を用いること
もできる。更に有機無機複合材料を用いることもでき
る。
【0032】本発明のガラス用着色皮膜はガラス基体の
上に形成されるので、マトリクスは透明性を有すること
が好ましい。また着色皮膜の厚さは、概ね0.5μm〜
10μmとすることでき、1μm〜3μmとすることが
好ましい。
【0033】このマトリクスとしては、酸化ケイ素又は
TiO2、ZrO2等の金属酸化物等の非晶質酸化物を用
いることが好ましい。これらを用いることでガラス質の
マトリクスを形成することができ、硬質な着色皮膜とす
ることができる。
【0034】またマトリクスとしてシリコーン樹脂やシ
リコーンゴムを用いることもできる。これらを用いるこ
とで柔軟性を有する着色皮膜を形成することができる。
またいわゆる有機ガラスをマトリクスとして用いること
もできる。
【0035】第2の発明のガラス用着色皮膜を形成する
ための着色皮膜用材料は、マトリクスとして用いる材料
に応じて適切に製造することができる。
【0036】例えばガラス用着色皮膜のマトリクスを非
晶質酸化物(ガラス)とする場合には、公知のゾルゲル
法を用いて、アルコール等の溶液に例えばケイ素アルコ
キシド等のケイ素化合物や金属アルコキシド等の金属有
機または無機化合物を溶解させておいて、これら金属有
機または無機化合物に加水分解反応と脱水縮合反応を生
じさせてガラス用着色皮膜のマトリクスとなるゾルを形
成することができる。
【0037】この場合第1発明の有機着色剤は、ゾルを
形成するための溶媒に予め分散させておくことで、有機
着色剤が分散されたゾルを製造することができる。また
第1発明の有機着色剤の製造方法の説明の箇所で述べた
ように、エタノール等の溶媒中に予め有機色素の微粒子
を分散させておいて、この溶媒に亜鉛アルコキシド等の
金属アルコキシドを分散して、酸化亜鉛等の金属酸化物
を有機色素の微粒子を核としてその回りに析出させて第
1の発明の有機着色剤を製造したときは、そのままその
有機着色剤が分散しているエタノール等の溶媒中にケイ
素化合物や金属アルコキシド等の金属有機または無機化
合物を溶解させておいて、これら金属有機または無機化
合物に加水分解反応と脱水縮合反応を生じさせて、有機
着色剤を含有したゾルを形成することができる。
【0038】またマトリクスとなるゾルを形成した後に
予め製造しておいた第1発明の有機着色剤をゾルに分散
することも可能である。
【0039】そしてこのゾルをガラス基体上にディップ
法等の適切な方法で塗布し、更に焼成等によって脱水縮
合反応を促進させることでゲル化を進行させて非晶質酸
化物を形成することができる。
【0040】なおゾルを形成するための原料となるケイ
素化合物としては、テトラエトキシシラン等のケイ素ア
ルコキシドを、金属化合物としてはテトライソプロポキ
シチタン等の金属アルコキシドを挙げることができる。
【0041】なおテトラエトキシシラン(Si(OC2
54)を用いてゾルゲル法によってガラスをマトリク
スとする皮膜を形成する際に、4つのエトキシ基(OC
25)の一つをメチル基(CH3)に置き換えた化合物
(CH3Si(OC253)をテトラエトキシシランに
加えてゾルを形成して、非晶質酸化物(ガラス)をマト
リクスする皮膜を形成することができる。これによって
皮膜の硬さを低減することができる。
【0042】このように製造した着色皮膜用材料をガラ
ス基体の上にスプレー法、ディップ法、ミスト法、刷毛
塗りその他適切な方法で塗布して、焼成その他着色皮膜
用材料に適合した方法でガラス基体の上にガラス用着色
皮膜を形成することができる。
【0043】
【実施例】(1)有機着色剤の実施例 有機色素の微粒子と、この有機色素の微粒子を被覆し紫
外線遮断性能を持つ紫外線遮断物質とを有することを特
徴とする有機着色剤の実施例を示す。
【0044】ここで説明する実施例は、有機色素の微粒
子としては、フタロシアニンブルーの微粒子を用い、紫
外線遮断性能を持つ紫外線遮断物質として酸化亜鉛(Z
nO)を用いた耐紫外線性能を有する有機着色剤であ
る。即ちフタロシアニンブルーの微粒子をZnOで被覆
した構成の有機着色剤である。
【0045】この有機着色剤は以下のように合成した。
ここでは有機色素の微粒子としてフタロシアニンブルー
の微粒子を用いた。まず真空に耐えうる容器を用いて、
95gのエタノールに5gのフタロシアニンブルーを分
散させた。このエタノール中においてフトロシアニンブ
ルーは微粒子の状態で分散した。
【0046】次にこのフタロシアニンブルーの微粒子を
分散したエタノールに更に10gのZn(OC252
を添加し、このZn(OC252を添加した溶液を1
時間ほど25℃の状態に維持しておいた。
【0047】このZn(OC252の添加によってフ
タロシアニンブルーの微粒子を核としてその回りをZn
Oが析出した。フタロシアニンブルーの微粒子を核とし
てその回りにZnOが析出したので、フタロシアニンブ
ルーの微粒子は析出したZnOに被覆された状態となっ
た。即ちZnOの被覆膜がフタロシアニンブルーの微粒
子の回りに形成された。
【0048】このように25℃の状態を1時間程維持す
ることで、このZnOの析出反応を継続させて、エタノ
ール中のフタロシアニンブルーの微粒子の回りにZnO
の被覆膜を形成させることができた。なおこの場合には
特に水を加えずに空気中の水分を利用して徐々に加水分
解して、フタロシアニンブルーの微粒子の回りにZnO
が析出するようにした。このZnOの被覆膜は紫外線遮
断物質としてフタロシアニンブルーの微粒子が紫外線に
よって劣化することを防止する役割を果たすことができ
る。
【0049】このようにこの溶液を25℃の状態で1時
間ほど維持した後、この溶液の温度を50℃に上昇させ
て、エタノールを70〜80g程蒸発させた。
【0050】次にこの溶液を容れた容器を−150℃の
雰囲気に曝して、残ったエタノールを凝固させた。そし
て真空ポンプを用いて減圧して真空乾燥を行った。その
結果フタロシアニンブルーの微粒子とこのフタロシアニ
ンブルーの微粒子を被覆したZnOとからなる有機着色
剤を合成することができた。
【0051】このようにして製造された有機着色剤は、
粉体の状態となっていた。そしてこの有機着色剤は、様
々な顔料としてして用いることができる。
【0052】この有機着色剤は、有機色素であるフタロ
シアニンブルーの微粒子が紫外線遮断性能を有するZn
Oの被覆膜によって完全に覆われた状態となっており、
従来の有機色素と紫外線遮断物質とが混合された粉体と
は明らかに異なっている。
【0053】なおこの実施例では、有機色素としてはフ
タロシアニンブルーを用いたが、他の有機色素を選択し
て同様に有機着色剤を製造することができる。またこの
実施例ではZnOを紫外線遮断物質として用いたが、酸
化スズ、酸化チタン、酸化セリウム等の他の金属酸化物
を紫外線遮断物質を選択する場合にも同様の手法で製造
することができる。
【0054】(2)ガラス用着色皮膜の実施例 ガラス基体の上に形成されたガラス用着色皮膜におい
て、有機色素の微粒子とこの有機色素の微粒子を被覆し
紫外線遮断性能を持つ紫外線遮断物質とを有する有機着
色剤と、この有機着色剤を分散したマトリクスとを有す
ることを特徴とするガラス用着色皮膜の実施例を示す。
【0055】ZnOで有機色素を被覆したガラス用着
色皮膜(以下「実施例(a)」という) この実施例(a)のガラス用着色皮膜は、有機色素の微
粒子としてはフタロシアニンブルーの微粒子を、紫外線
遮断性能を持つ紫外線遮断物質としてZnOを用いた有
機着色剤と、マトリクスとしてガラス質を用いたガラス
用着色皮膜である。この実施例(a)のガラス用着色皮
膜は、以下のように形成した。
【0056】95gのエタノールに5gのフタロシアニ
ンブルーの微粒子を分散させた。そしてこのフタロシア
ニンブルーの微粒子を分散させたエタノール溶液に10
gのZn(OC252を添加した。
【0057】このZn(OC252の添加によってフ
タロシアニンブルーの微粒子を核としてその回りをZn
Oが析出した。フタロシアニンブルーの微粒子を核とし
てその回りにZnOが析出したので、フタロシアニンブ
ルーの微粒子は析出したZnOに被覆された状態となっ
た。即ちZnOの被覆膜がフタロシアニンブルーの微粒
子の回りに形成された。
【0058】このように25℃の状態を1時間程維持す
ることで、このZnOの析出反応を継続させてエタノー
ル中のフタロシアニンブルーの微粒子の回りにZnOの
被覆膜を形成させた。なおこの場合には特に水を加えず
に空気中の水分を利用して徐々に加水分解して、フタロ
シアニンブルーの微粒子の回りにZnOが析出するよう
にした。
【0059】そしてエタノール溶液を25℃の温度で1
時間ほど維持してフタロシアニンブルーの微粒子の回り
に被覆膜を形成させた後、このエタノール溶液に20g
のSi(OC254(テトラエトキシシラン)と10
gのCH3Si(OC253を添加して、更に20gの
0.05N HCLを添加した。そしてこのエタノール
溶液を25℃の温度を24時間維持して熟成させて、ゾ
ルを作成した。
【0060】そして透明板ガラス基板の表面にこのゾル
を用いてディッピング法でゾルの塗膜を形成した。そし
てゾルの塗膜を表面に有する透明板ガラス基板を200
℃の温度で1時間ほど焼成して、透明板ガラス基板の表
面にガラス質(非晶質)のガラス用着色皮膜を形成する
ことができた。なおこのガラス用着色皮膜の厚さは、概
ね3μmであった。
【0061】このようにして製造されたガラス質のガラ
ス用着色皮膜は、有機色素であるフタロシアニンブルー
の微粒子とそれを核として覆った状態の紫外線遮断性能
を有するZnOの被覆膜とを有する有機着色剤が分散し
ており、青色を有していた。
【0062】SnO2で有機色素を被覆したガラス用
着色皮膜(以下「実施例(b)」という) この実施例(b)のガラス用着色皮膜は、有機色素の微
粒子としてはフタロシアニンブルーの微粒子を、紫外線
遮断性能を持つ紫外線遮断物質としてSnO2を用いた
有機着色剤と、マトリクスとしてガラス質を用いたガラ
ス用着色皮膜である。この実施例(b)のガラス用着色
皮膜は以下のように形成することができた。
【0063】95gのエタノールに5gのフタロシアニ
ンブルーの微粒子を分散させた。そしてこのフタロシア
ニンブルーの微粒子を分散させたエタノール溶液に10
gのSn(OC254を添加した。
【0064】このSn(OC254の添加によってフ
タロシアニンブルーの微粒子を核としてその回りをSn
2が析出した。フタロシアニンブルーの微粒子を核と
してその回りにSnO2が析出したので、フタロシアニ
ンブルーの微粒子は析出したSnO2に被覆された状態
となった。即ちSnO2の被覆膜がフタロシアニンブル
ーの微粒子の回りに形成された。
【0065】このように25℃の状態を1時間程維持す
ることで、このSnO2の析出反応を継続させてエタノ
ール中のフタロシアニンブルーの微粒子の回りにSnO
2の被覆膜を形成させた。なおこの場合には特に水を加
えずに空気中の水分を利用して徐々に加水分解して、フ
タロシアニンブルーの微粒子の回りにSnO2が析出す
るようにした。
【0066】そしてエタノール溶液を25℃の温度で1
時間ほど維持してフタロシアニンブルーの微粒子の回り
に被覆膜を形成させた後、このエタノール溶液に20g
のSi(OC254と10gのCH3Si(OC25
3を添加して、更に20gの0.05N HCLを添加し
た。そしてこのエタノール溶液を25℃の温度を24時
間維持して熟成させて、ゾルを作成した。
【0067】そして実施例(a)に用いたのと同一の透
明板ガラス基板の表面にこのゾルを用いてディッピング
法でゾルの塗膜を形成した。そしてゾルの塗膜を表面に
有する透明板ガラス基板を200℃の温度で1時間ほど
焼成して、透明板ガラス基板の表面にガラス質(非晶
質)のガラス用着色皮膜を形成することができた。なお
このガラス用着色皮膜の厚さは、概ね3μmであった。
【0068】このようにして製造されたガラス質のガラ
ス用着色皮膜は、有機色素であるフタロシアニンブルー
の微粒子とそれを核として覆った状態の紫外線遮断性能
を有するSnO2の被覆膜とを有する有機着色剤が分散
しており、青色を有していた。
【0069】TiO2で有機色素を被覆したガラス用
着色皮膜(以下「実施例(c)」という) この実施例(c)のガラス用着色皮膜は、有機色素の微
粒子としてはフタロシアニンブルーの微粒子を、紫外線
遮断性能を持つ紫外線遮断物質としてTiO2を用いた
有機着色剤と、マトリクスとしてガラス質を用いたガラ
ス用着色皮膜である。この実施例(c)のガラス用着色
皮膜は、以下のように形成することができた。
【0070】95gのエタノールに5gのフタロシアニ
ンブルーの微粒子を分散させた。そしてこのフタロシア
ニンブルーの微粒子を分散させたエタノール溶液に10
gのTi(OC254を添加した。
【0071】このTi(OC254の添加によってフ
タロシアニンブルーの微粒子を核としてその回りをTi
2が析出した。フタロシアニンブルーの微粒子を核と
してその回りにTiO2が析出したので、フタロシアニ
ンブルーの微粒子は析出したTiO2に被覆された状態
となった。即ちTiO2の被覆膜がフタロシアニンブル
ーの微粒子の回りに形成された。
【0072】このように25℃の状態を1時間程維持す
ることで、このTiO2の析出反応を継続させてエタノ
ール中のフタロシアニンブルーの微粒子の回りにTiO
2の被覆膜を形成させた。なおこの場合には特に水を加
えずに空気中の水分を利用して徐々に加水分解して、フ
タロシアニンブルーの微粒子の回りにTiO2が析出す
るようにした。
【0073】そしてエタノール溶液を25℃の温度で1
時間ほど維持してフタロシアニンブルーの微粒子の被覆
膜を形成させた後、このエタノール溶液に20gのSi
(OC254と10gのCH3Si(OC253を添
加して、更に20gの0.05N HCLを添加した。
そしてこのエタノール溶液を25℃の温度を24時間維
持して熟成させて、ゾルを作成した。
【0074】そして実施例(a)に用いたのと同一の透
明板ガラス基板の表面にこのゾルを用いてディッピング
法でゾルの塗膜を形成する。そしてゾルの塗膜を表面に
有する透明板ガラス基板を200℃の温度で1時間ほど
焼成して、透明板ガラス基板の表面にガラス質のガラス
用着色皮膜を形成した。なおこのガラス用着色皮膜の厚
さは、概ね3μmであった。
【0075】このようにして製造されたガラス質のガラ
ス用着色皮膜は、有機色素であるフタロシアニンブルー
の微粒子とそれを核として覆った状態の紫外線遮断性能
を有するTiO2の被覆膜とを有する有機着色剤が分散
しており、青色を有していた。
【0076】耐紫外線試験 実施例(a)のガラス用着色皮膜を表面に有する透明板
ガラスをサンシャインウエザーメーター(以下「SWO
M」と略す)で2000時間の加速曝露試験を行った。
この加速曝露試験後にこの透明板ガラスの可視光線の透
過スペクトルを測定した。この透過スペクトルから有機
色素の退色の程度を評価することが可能となる。
【0077】なお比較のために紫外線遮断物質で被覆さ
れていないフトロシアニンブルーを分散した着色皮膜を
比較例1として透明板ガラスの上に形成した。そしてこ
の比較例1の着色皮膜を表面に有する透明板ガラスにつ
いても同様にSWOMで2000時間の加速曝露試験を
行った。そしてこの加速曝露試験後にこの透明板ガラス
の可視光線の透過スペクトルを測定した。
【0078】なおこの比較例1の着色皮膜は以下のよう
に製造した。95gのエタノールに5gのフタロシアニ
ンブルーの微粒子を分散させた。このエタノール溶液に
20gのSi(OC254と10gのCH3Si(OC
253を添加して、更に20gの0.05N HCLを
添加した。そしてこのエタノール溶液を25℃の温度を
24時間維持して熟成させて、ゾルを作成した。
【0079】そして実施例(a)に用いたのと同一の透
明板ガラス基板の表面にこのゾルを用いてディッピング
法でゾルの塗膜を形成する。そしてゾルの塗膜を表面に
有する透明板ガラス基板を200℃の温度で1時間ほど
焼成して、透明板ガラス基板の表面にガラス質のガラス
用着色皮膜を形成した。なおこのガラス用着色皮膜の厚
さは、概ね3μmであった。このガラス質のガラス用着
色皮膜は、有機色素であるフタロシアニンブルーの微粒
子がガラス質のマトリックスに分散しており、青色を有
していた。
【0080】この比較例1のガラス用着色皮膜を表面に
有する透明板ガラスは、加速曝露試験後殆ど透明になっ
た。ここで実施例(a)のガラス用着色皮膜を有する透
明板ガラスと比較例1のガラス用着色皮膜を有する透明
板ガラスの透過スペクトルを図1に示す。図1中におい
て(a)で示す線が実施例(a)の着色皮膜を表面に形
成した透明板ガラスの透過スペクトルを示し、(d)で
示す線が比較例1の着色皮膜を表面に形成した透明板ガ
ラスの透明スペクトルを示す。実施例(a)の着色皮膜
を表面に形成した透明板ガラスは、可視光線の波長が概
ね600nm辺りから750nm辺りまで透過性が低下
する。そして概ね750nm辺りを下限として波長が大
きくなるに従って透過性が増大している。このように2
000時間紫外線に曝露していてもある範囲の周波数の
可視光線の透過性を低下させることを維持することがで
きる。このことから着色皮膜の着色は損なわれていない
ことが分かる。従って実施例(a)の着色皮膜に含まれ
ている有機色素であるフトロシアニンブルーはまだ退色
していないことが分かる。
【0081】これに対して比較例1の着色皮膜を表面に
形成した透明板ガラスは波長が大きくなるにしたがって
透過性が向上している。従って殆ど透明であることが理
解できる。従って比較例1の着色皮膜に含まれている有
機色素であるフトロシアニンブルーは退色してしまって
いることが分かる。
【0082】このように実施例(a)のZnO被覆膜で
覆われたフタロシアニンブルーの微粒子を分散したガラ
ス用着色皮膜は、紫外線に曝されても着色を維持できる
ことが分かる。
【0083】また実施例(b)のガラス用着色皮膜を表
面に有する透明板ガラスと実施例(c)のガラス用着色
皮膜を表面に有する透明板ガラスとをSWOMで200
0時間の加速曝露試験を行った。
【0084】この曝露後にこれら2つの透明板ガラスの
可視光線の透過スペクトルを測定した。その結果を図2
に示す。図2中において(b)が実施例(b)の着色皮
膜を表面に形成した透明板ガラスの透過スペクトルを示
し、(c)が実施例(c)の着色皮膜を表面に形成した
透明板ガラスの透明スペクトルを示す。
【0085】いずれも概ね開口線の波長が600nm辺
りから750nm辺りまで透過性が低下する。そして概
ね750nm辺りを下限として波長が大きくなるに従っ
て透過性が増大している。このように2000時間紫外
線に曝露していてもある範囲の周波数の可視光線の透過
性を低下させることを維持することができる。このこと
から実施例(a)の着色皮膜と同様に実施例(b)及び
(c)の着色皮膜の着色は損なわれていないことが分か
る。従って実施例(b)及び(c)の着色皮膜に含まれ
ている有機色素であるフトロシアニンブルーはまだ退色
していないことが分かる。
【0086】即ち紫外線遮断物質で被覆された有機色素
からなる有機着色剤を用いて着色皮膜を形成すること
で、耐紫外線に優れた着色皮膜を形成することができる
ことが分かる。
【0087】着色皮膜の反射スペクトルの測定試験 ZnO、SnO2、TiO2等の紫外線遮断性能を有する
紫外線遮断物質は、屈折率がガラスと比較して大きい。
そこでこれらの紫外線遮断物質をガラス基体の表面に形
成される皮膜のマトリックスとして用いると、下地とな
るガラス基体との光学的干渉が発生して反射光が着色し
て、しばしばデザイン上ミスマッチング即ち不調和が生
じするということが知られている。
【0088】そこでにおいて説明した実施例(a)の
着色皮膜を表面に有する透明板ガラスの反射光のスペク
トルを測定した。また比較のために比較例2としてZn
Oをマトリクスとする皮膜を透明板ガラスの表面に形成
して、この比較例2の皮膜を表面に有する透明板ガラス
の反射光のスペクトルを測定した。この測定試験によっ
て、紫外線遮断物質で被覆した有機色素を用いた本発明
のガラス用着色皮膜が光学的干渉を防止することができ
るか否かを評価した。
【0089】なおこの比較例2の皮膜は、透明板ガラス
基板の表面に、スパッタリングにてZnOをターゲット
として3μmの膜厚にて成膜した。
【0090】この測定結果を図3に示す。図3中におい
て(a)が実施例(a)の着色皮膜を表面に有する透明
板ガラスの反射光のスペクトルを示し、(e)が比較例
2の皮膜を表面に有する透明板ガラスの反射光のスペク
トルを示す。
【0091】ZnOの屈折率は2.0と高いために屈折
率が1.5程度のガラス基板の表面にZnOをマトリク
スとする皮膜を形成すると、光学干渉が発生して反射色
が図3の(e)が示すように比較例2の皮膜を表面に有
する透明板ガラスは着色することになる。
【0092】これに対して、実施例(a)の着色皮膜を
表面に有する透明板ガラスには光学的干渉が発生せず、
反射光は着色しないことが分かる。
【0093】なお第2発明のガラス用着色皮膜の実施例
ではいずれも第1発明の有機着色剤を溶媒中で生成し
て、続けて第2発明のガラス用着色皮膜の材料を生成し
た。但し別途第1発明の有機着色剤を製造しておいて、
ガラス用着色皮膜のマトリクスとなるゾルにこの有機着
色剤を添加して用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンシャインウエザーメーターによる加速曝露
試験を行った後の実施例(a)の着色皮膜を表面に有す
る透明板ガラスと比較例1のガラス用着色皮膜を表面に
有する透明板ガラスの透過スペクトルを表したグラフで
ある。
【図2】サンシャインウエザーメーターによる加速曝露
試験を行った後の実施例(b)の着色皮膜を表面に有す
る透明板ガラスと実施例(c)の着色皮膜を表面に有す
る透明板ガラスの透過スペクトルを表したグラフであ
る。
【図3】実施例(a)の着色皮膜を表面に有する透明板
ガラスと比較例2の皮膜を表面に有する透明板ガラスの
反射光のスペクトルを表したグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 17/00 C09D 17/00 (72)発明者 酒井 武信 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AC07 AC08 EA01 EA02 EA04 EA07 EA18 EB07 4J037 AA30 CA08 CA09 CA15 CA27 DD05 DD11 DD24 EE03 EE28 FF02 FF22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機色素の微粒子と、該微粒子を被覆し
    紫外線遮断性能を持つ紫外線遮断物質とを有することを
    特徴とする有機着色剤。
  2. 【請求項2】 前記微粒子の粒径は、5nm〜100n
    mである請求項1記載の有機着色剤。
  3. 【請求項3】 前記有機色素は、フタロシアニンブル
    ー、フタロシアニングリーン及びジケトピロロピロール
    レッドのうちの一種以上である請求項1又は2記載の有
    機着色剤。
  4. 【請求項4】 前記紫外線遮断物質は金属酸化物である
    請求項1、2又は3記載の有機着色剤。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物はZnO、SnO2、T
    iO2、SrTiO3、KTaO3及びCeO2のうちの一
    種以上である請求項4記載の有機着色剤。
  6. 【請求項6】 ガラス基体の上に形成されたガラス用着
    色皮膜において、 請求項1〜5のいずれかに記載された有機着色剤と、該
    有機着色剤を分散したマトリクスとを有することを特徴
    とするガラス用着色皮膜。
  7. 【請求項7】 前記マトリクスは、非晶質酸化物である
    請求項6記載のガラス用着色皮膜。
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