JPH07258858A - 高耐熱性の透明黄色膜および黄色透明体 - Google Patents

高耐熱性の透明黄色膜および黄色透明体

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Publication number
JPH07258858A
JPH07258858A JP5044894A JP5044894A JPH07258858A JP H07258858 A JPH07258858 A JP H07258858A JP 5044894 A JP5044894 A JP 5044894A JP 5044894 A JP5044894 A JP 5044894A JP H07258858 A JPH07258858 A JP H07258858A
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JP
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yellow
transparent
film
sio
heat resistance
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Application number
JP5044894A
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English (en)
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Nobuyuki Soyama
信幸 曽山
Akihiko Saegusa
明彦 三枝
Katsumi Ogi
勝実 小木
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 照明ランプ、警報ランプ、紫外線劣化防止膜
等として有用な、高耐熱性の透明黄色膜および黄色透明
体を提供する。 【構成】 SiO2/V2O5重量比= 1.5〜3.5 、CeO2/V2O5
重量比= 0.001〜0.1 のSiO2−V2O5−CeO2系酸化物から
なる高耐熱性透明黄色膜と、この透明黄色膜を耐熱ガラ
ス基体上に形成した黄色透明体。分解により酸化物とな
るSi、V、およびCeの各金属化合物 (例、金属アルコキ
シド) を少なくとも1種づつ含有する溶液を基体に塗布
し、加熱して金属化合物を分解させ、酸化物に転化させ
ることにより作製される。 【効果】 500〜700 ℃の高温環境下で長期使用中にも
色調と透明性が実質的に変化しない高い耐熱性を示す透
明黄色膜を塗布と加熱だけで形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐熱性透明黄色膜と
その形成に使用する組成物、さらにはこの黄色膜がガラ
ス基体表面に形成された黄色透明体とその製造方法に関
する。本発明の透明黄色膜は耐熱性が高く、高温で長時
間使用しても色調や透明性がほとんど変化しないので、
高温環境下で使用される透明ガラス、特に車両、船舶等
の照明ランプまたは警報ランプ等に使用される着色透明
ガラスの製造、或いは紫外線劣化を防止するためにラン
プ表面に被覆される被膜などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】透明着色被膜の形成法として、従来か
ら、静電塗装法、スパッタリング法、CVD法、塗料法
等が知られているが、耐熱性黄色透明体を得るためには
それぞれ問題がある。静電塗装法は、塗布される粒子の
粒径を最適にする制御が困難で、しかも粒子が凝集しや
すいので、光の散乱が起こりやすく、透明性が劣る。ま
たスパッタリング法やCVD法などの気相法は、高価な
装置が必要な上、生産性が良くない。一方、塗料法は生
産性が良く、均質な被膜を容易に形成でき、組成の制御
も容易であるが、この方法が適用できる従来公知の黄色
系塗料組成物は耐熱性に劣る問題がある。例えば、セリ
ウム含有酸化チタン (特開昭61−34185 号、同63−1030
83号) 、鉄酸化物−チタン酸化物系にコバルト、クロ
ム、ジルコニウム、スズ等を必要に応じて含有させたも
の (特開昭54−101821号) 、平均粒子径0.1 μm以下の
酸化亜鉛 (特開平2−169673号、同2−265976号) 等を
溶剤もしくは結合剤中に分散させた塗料が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
公知の塗料から形成された透明黄色膜には、 600〜700
℃の高温環境に耐えるような十分な耐熱性を持ち、かつ
透明性に優れたものはなかった。
【0004】本発明の目的は、500 ℃以上、望ましくは
600〜700 ℃の高温に長時間耐える高耐熱性の透明黄色
膜とその形成に用いる組成物を提供することである。本
発明の別の目的は、このような高耐熱性透明黄色膜を透
明ガラス基体上に形成した高耐熱性の黄色透明体とその
製造方法とを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究の結
果、SiO2−V2O5系の酸化物膜が黄色に着色した透明膜と
なり、その耐熱性も比較的良好であることを見出した。
しかし、SiO2−V2O5の2成分系では、600 ℃を超える高
温になると、V2O5結晶が粒成長し、乱反射が増大して色
が白っぽくなり、白濁と失透により透明性が著しく低下
することが判明した。さらに研究を続けて、前記の系に
少量のCeO2を添加することにより、このV2O5の結晶粒成
長による透明性の低下が有効に防止でき、高耐熱性の透
明黄色膜が得られることを知り、本発明を完成させた。
【0006】ここに、本発明は、重量比でSiO2/V2O5
1.5〜3.5 、CeO2/V2O5= 0.001〜0.1 のSiO2−V2O5
CeO2系酸化物からなる高耐熱性透明黄色膜を要旨とす
る。
【0007】この高耐熱性透明黄色膜は塗料法により形
成できる。即ち、この黄色膜は、分解して金属酸化物と
なるSi、V、およびCeの各金属の化合物を少なくとも1
種づつ含有する溶液からなり、溶液中の金属化合物の存
在比が酸化物換算の重量比でSiO2/V2O5= 1.5〜3.5 、
CeO2/V2O5= 0.001〜0.1 を満たす高耐熱性透明黄色膜
形成用組成物から形成することができる。
【0008】本発明によれば、透明ガラス基体の片面ま
たは両面に上記の高耐熱性透明黄色膜を有する黄色透明
体、および上記組成物を透明ガラス基体の片面または両
面に塗布した後、加熱して各金属化合物を分解させ、酸
化物に転化させることからなる、黄色透明体の製造方法
もまた提供される。
【0009】
【作用】本発明の透明黄色膜は、SiO2−V2O5−CeO2とい
う3成分系の酸化物からなり、かつ重量比でSiO2/V2O5
= 1.5〜3.5 、CeO2/V2O5= 0.001〜0.1 という組成を
有する。この組成を重量百分率で表すと、ほぼ、SiO2
58〜78%、V2O5:22〜40%、CeO2:0.02〜4%に相当す
る。
【0010】本発明の透明黄色膜において、上記3成分
系の最大量成分であるSiO2は、膜のマトリックス (連続
相) であって、被膜形成のための結合剤の作用を果た
し、膜の機械的強度を確保する。SiO2のみからなる膜
は、周知のように無色である。次に多い成分であるV2O5
は、発色源、すなわち、紫外線を吸収し、黄色光の波長
域の光スペクトルを透過させて黄色に発色させる作用を
発揮する。最少量成分であるCeO2は、500 ℃以上の高温
環境下でのV2O5の粒成長を防止し、この粒成長に起因す
る透明性の低下を抑制する作用を果たす。以上の3成分
の作用があいまって、本発明の透明膜は、黄色に着色
し、耐熱性に優れ、透明性も高い。
【0011】SiO2がSiO2/V2O5重量比で1.5 より少ない
と、膜が弱くなり、実用に必要な膜強度が得られなくな
る。一方、SiO2/V2O5重量比が3.5 を超えると、V2O5
少なくなり、黄色の発色が不十分となる。CeO2/V2O5
量比が 0.001未満であると、CeO2が少なくなって、透明
黄色膜の耐熱性が十分に改善されない。一方、CeO2/V2
O5重量比が0.1 を超えると、発色源であるV2O5の量が相
対的に少なくなり、黄色の着色が薄くなる。好ましい組
成はSiO2/V2O5=2〜2.5 、CeO2/V2O5=0.01〜0.05の
範囲内である。
【0012】本発明の透明黄色膜は、分解により酸化物
を形成する各成分金属の化合物を含有する溶液を塗布す
る塗料法により形成することが好ましい。スパッタリン
グなどの気相法も可能であるが、前述したようにコスト
や生産性に難点がある。
【0013】塗布に用いる塗料、即ち、透明黄色膜形成
用組成物は、Si、V、およびCeの各金属について、加水
分解または熱分解により金属酸化物に転化されうる金属
化合物を金属酸化物供給源として少なくとも1種づつ溶
媒中に溶解させた溶液からなる。使用する金属化合物は
有機化合物および無機化合物のいずれでもよい。金属化
合物が加水分解性である場合には、いわゆるゾル−ゲル
法による被膜形成になり、周知のゾル−ゲル法の手法に
従って本発明の透明黄色膜を形成することができる。し
かし、本発明においては、加水分解性の金属化合物だけ
ではなく、熱分解性の金属化合物も金属酸化物の供給源
として使用できる。
【0014】SiO2供給源として使用できるケイ素化合物
としては、テトラアルキルシリケート (即ち、テトラア
ルコキシシラン) が最も普通であるが、1〜3個のアル
コキシル基がケイ素に結合したアルコキシシラン化合物
も使用できる。使用可能なケイ素化合物の具体例として
は、テトラエチルオルソシリケート (テトラエトキシシ
ラン) 、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシランなどが挙げられる。
【0015】V2O5供給源として使用できるバナジウム化
合物としては、一般式VO(OR)3 示されるバナジルアルコ
キシド、V(OR)5で示されるバナジウムアルコキシド (以
上、各Rはアルキル基を表し、同一でも異なるものでも
よい) 、バナジル(VO)またはバナジウムのカルボン酸
塩、β−ジケトン錯体 (例、アセチルアセトナト錯体)
などの有機バナジウム化合物がある。具体例としては、
トリエトキシバナジル、ペンタエトキシバナジウム、ト
リアミロキシバナジル、トリイソプロポキシバナジル、
酢酸バナジウム、イソプロピオン酸バナジウム、ビスア
セチルアセトナトバナジルなどが例示される。また、ハ
ロゲン化バナジル (例、三塩化バナジル)、メタバナジ
ン酸アンモニウム、オキシ硫酸バナジウムなどの無機バ
ナジウム化合物も使用できる。
【0016】CeO2供給源として使用できるセリウム化合
物としては、セリウムのアルコキシド、カルボン酸塩、
アセチルアセトナト錯体などのβ−ジケトン錯体などが
あり、具体例としては、テトラエトキシセリウム、テト
ライソプロポキシセリウム、酢酸セリウム、シュウ酸セ
リウム、オクチル酸セリウム等が挙げられる。使用可能
な無機セリウム化合物の例には炭酸セリウム、硝酸セリ
ウム、硫酸セリウムなどがある。
【0017】SiO2、V2O5、CeO2の供給源となる金属化合
物は、いずれの金属についても1種もしくは2種以上使
用できる。このような分解して金属酸化物になるSi、V
およびCeの各金属化合物を、酸化物換算の重量比でSiO2
/V2O5= 1.5〜3.5 、CeO2/V2O5= 0.001〜0.1 の範囲
内となるような配合割合で、適当な溶媒に溶解させる
と、本発明の透明黄色膜形成用組成物が得られる。溶解
に用いる溶媒は、各金属化合物をすべて溶解することが
でき、塗布後の加熱中に蒸発するものであればよく、普
通には有機溶媒が使用されるが、有機溶媒に水を混合し
た混合溶媒としてもよい。有機溶媒としては、アルコー
ル類、ケトン類、β−ジケトン類などの1種もしくは2
種以上が使用できる。溶液の濃度は、塗布に適した粘度
となるように調整することができる。通常は固形物濃度
で3〜20重量%の範囲内が適当である。
【0018】金属化合物として加水分解性の化合物を使
用した場合には、塗布後の原料金属化合物の加水分解を
促進して、膜の固化を速めるために、水および/または
酸を加えて、加水分解性金属化合物を部分加水分解して
もよい。従って、本発明の組成物に用いる金属化合物に
は、加水分解性金属化合物の部分加水分解物も包含され
る。この部分加水分解に用いる酸としては、塩酸、硝酸
などの鉱酸、酢酸などの有機酸のいずれも使用できる。
【0019】本発明の組成物は、従来の塗料法またはゾ
ル−ゲル法と同様の操作により成膜に使用できる。即
ち、この溶液状の組成物を適当な基体上に塗布し、次い
で加熱して原料金属化合物を分解させて酸化物に変換さ
せることにより、SiO2−V2O5−CeO2系酸化物からなる、
透明性と耐熱性が高い透明黄色膜が得られる。
【0020】基体材料は特に制限されず、上記の加熱に
耐える材料であればよいが、本発明の膜の透明性と耐熱
性という特徴を生かすには、基体材料も耐熱性に優れた
透明基体、従って、通常はガラス基体、特に耐熱性ガラ
スからなる基体を使用することが好ましい。
【0021】塗布方法は、ロールコート、浸漬、噴霧、
スピンコートなど、平滑な塗膜が形成できる任意の方法
が採用できる。塗布は、用途に応じて、基体の片面また
は両面のいずれかに行う。両面を塗布すれば、黄色の発
色強度が倍増する。その後、加熱して溶媒を除去すると
共に、塗膜中の金属化合物を分解して酸化物に変換させ
ると、基体上に目的とする透明黄色膜が形成される。こ
の加熱は大気中での加熱 (即ち、焼成) により行うこと
が好ましい。加熱条件は、原料の金属化合物が完全に酸
化物に変換されるように選択する。従って、使用した金
属化合物によっても異なるが、通常は温度 400〜600 ℃
で1〜30分程度でよい。
【0022】このようにして形成された黄色膜は、紫外
線を吸収し、黄色系の色調を有する透明膜である。この
黄色膜の厚みは、必要とする黄色の発色強度に応じて決
定すればよいが、通常は 1〜4μmの範囲、好ましくは
2〜3μmの範囲である。必要であれば、組成物の塗布
と加熱を繰り返して、所望の厚みの透明黄色膜を形成し
てもよい。
【0023】基体がガラスのように透明であれば、この
透明基体の片面または両面に本発明の黄色膜を形成する
ことにより、黄色透明体が得られる。この黄色透明体
は、基体がガラスである場合、XYZ表色系における色
度が一般にx値=0.46〜0.54、y値=0.44〜0.51の黄色
い色調を有し、明度を表すY値=80〜85の高い透明度を
有している。そして、 500〜700 ℃の高温下に長時間さ
らされても、この色調および透明度が実質的に変化せ
ず、白濁や失透が起こらないという高度の耐熱性を備え
ている。そのため、高温になる車両、船舶等の照明ラン
プまたは警報ランプ等の製造に使用される着色透明ガラ
スの製造に、或いはランプから可視光と共に放出される
紫外線による劣化を防止するためにランプ表面に被覆さ
れる紫外線劣化防止膜として好適である。
【0024】
【実施例】
(実施例1)テトラエチルオルソシリケート5.00gとトリ
エトキシバナジル1.60gとをイソプロパノールに溶解
し、希塩酸を加えて部分加水分解した後、テトライソプ
ロポキシセリウム0.01gを加えて溶解し、固形物濃度が
10重量%となるようにイソプロピルアルコールで濃度調
整し、得られた溶液を透明黄色膜形成用組成物とした。
組成物中の金属化合物の割合は、金属酸化物換算の重量
比でSiO2/V2O5=2.0、CeO2/V2O5=0.006 (SiO2: 66.5
wt%, V2O5: 33.3 wt%, CeO2: 0.2 wt%) であった。
【0025】この組成物を浸漬法によってバイコールガ
ラスの片面に塗布し、600 ℃で10分間焼成した。塗布と
焼成を4回繰り返し、XYZ表色系の色度 (x, y) =
(0.512、0.451)、Y=83.1の黄色透明体を得た。この黄
色透明体を700 ℃の加熱炉内に保持した際のY値変化を
図1に示す。この図からわかるように、Y値の低下はほ
とんどなく、膜の白濁、失透もない高温耐熱性に優れた
ものであった。表面の透明黄色膜の膜厚は約2.3 μmで
あった。
【0026】(実施例2)テトライソプロポキシセリウム
の量を0.05gに変更した以外は、実施例1と同様にして
透明黄色膜形成用組成物の調製と、そのガラス基体への
塗布と加熱による黄色透明体の作製を行った。組成物中
の金属化合物の割合は、金属酸化物換算の重量比でSiO2
/V2O5=2.0 、CeO2/V2O5=0.03 (SiO2: 66 wt%, V
2O5: 33 wt%, CeO2: 1 wt%)であった。得られた黄色透
明体はXYZ表色系の色度 (x, y) =(0.507、0.448)、
Y=84.0であった。この黄色透明体を700 ℃に保持した
際のY値変化を図2に示す。この図からわかるように、
Y値の低下はほとんどなく、膜の白濁、失透もない高温
耐熱性に優れたものであった。
【0027】(実施例3)テトライソプロポキシセリウム
の量を0.13gに変更した以外は、実施例1と同様にして
透明黄色膜形成用組成物の調製と、そのガラス基体への
塗布と加熱による黄色透明体の作製を行った。組成物中
の金属化合物の割合は、金属酸化物換算の重量比で、Si
O2/V2O5=2.0 、CeO2/V2O5=0.08 (SiO2: 65 wt%, V2
O5: 32.5wt%, CeO2: 2.5 wt%)であった。得られた黄色
透明体はXYZ表色系の色度 (x,y) =(0.504、0.44
8)、Y=84.6であった。この黄色透明体を700 ℃に保持
した際のY値変化を図3に示す。この図からわかるよう
に、Y値の低下はほとんどなく、膜の白濁、失透もない
高温耐熱性に優れたものであった。
【0028】(実施例4)テトラエチルオルソシリケート
3.33gとメチルトリエトキシシラン1.42gとトリエトキ
シバナジル1.60gをブタノールとエタノールの1:1混
合溶媒に溶解し、希塩酸を加えて部分加水分解した後、
テトライソプロポキシセリウム0.01gを加えて溶解し、
固形物濃度が15重量%となるようにブタノールとエタノ
ールの1:1混合溶媒で濃度調整して、透明黄色膜形成
用組成物の溶液を得た。組成物中の金属化合物の割合
は、金属酸化物換算の重量比で、SiO2/V2O5=2.0 、Ce
O2/V2O5=0.06 (SiO2: 65.4 wt%, V2O5: 32.7 wt%, Ce
O2: 1.9 wt%)であった。
【0029】この組成物を浸漬法によってバイコールガ
ラスの片面に塗布し、600 ℃で10分間焼成した。塗布と
焼成を3回繰り返し、XYZ表色系の色度 (x, y) =
(0.499、0.449)、Y=84.2の黄色透明体を得た。この黄
色透明体の耐熱性は実施例1と同様であり、700 ℃で長
時間加熱してもY値の低下はほとんどなく、膜の白濁、
失透もない高温耐熱性に優れたものであった。表面の透
明黄色膜の膜厚は約2.2μmであった。
【0030】(実施例5)テトラエチルオルソシリケート
5.00gとペンタエトキシバナジウム2.29gをエタノール
に溶解し、希塩酸を加えて部分加水分解した後、テトラ
イソプロポキシセリウム0.01gを加えて溶解し、固形物
濃度が10重量%となるようにエタノールで濃度調整し
て、透明黄色膜形成用組成物の溶液を得た。組成物中の
金属化合物の割合は、金属酸化物換算の重量比で、SiO2
/V2O5=1.92、CeO2/V2O5=0.006(SiO2: 65.6 wt%, V2
O5: 34.2 wt%, CeO2: 0.2 wt%) であった。
【0031】この組成物をスピンコート法によってバイ
コールガラスの片面に塗布し、600℃で10分間焼成し
た。塗布と焼成を5回繰り返し、XYZ表色系の色度
(x, y)=(0.500、0.448)、Y=84.5の黄色透明体を得
た。この黄色透明体の耐熱性は実施例1と同様であり、
700 ℃で長時間加熱してもY値の低下はほとんどなく、
膜の白濁、失透もない高温耐熱性に優れたものであっ
た。表面の透明黄色膜の膜厚は約2.5 μmであった。
【0032】(実施例6)テトラエチルオルソシリケート
5.00gとトリアミロキシバナジル2.08gをイソプロパノ
ールに溶解し、希塩酸を加えて部分加水分解した後、テ
トライソプロポキシセリウム0.01gを加えて溶解し、固
形物濃度が10重量%となるようにイソプロパノールで濃
度調整して、透明黄色膜形成用組成物の溶液を得た。組
成物中の金属化合物の割合は、金属酸化物換算の重量比
でSiO2/V2O5=2.5 、CeO2/V2O5=0.008 (SiO2: 71.3 w
t%, V2O5: 28.5 wt%, CeO2: 0.2 wt%) であった。
【0033】この組成物を浸漬法によってバイコールガ
ラスの片面に塗布し、600 ℃で10分間焼成した。塗布と
焼成を3回繰り返し、XYZ表色系の色度 (x, y) =
(0.500、0.449)、Y=84.9の黄色透明体を得た。この黄
色透明体の耐熱性は実施例1と同様であり、700 ℃で長
時間加熱してもY値の低下はほとんどなく、膜の白濁、
失透もない高温耐熱性に優れたものであった。表面の透
明黄色膜の膜厚は約2.3μmであった。
【0034】(実施例7)テトラエチルオルソシリケート
5.00gとトリイソプロポキシバナジル1.28gをイソプロ
パノールに溶解し、希塩酸を加えて部分加水分解した
後、テトライソプロポキシセリウム0.01gを加えて溶解
し、固形物濃度が10重量%となるようにエタノールで濃
度調整して、透明黄色膜形成用組成物の溶液を得た。組
成物中の金属化合物の割合は、金属酸化物換算の重量比
でSiO2/V2O5=3.0 、CeO2/V2O5=0.01 (SiO2: 74.8 w
t%, V2O5: 24.9 wt%, CeO2: 0.3 wt%)であった。
【0035】この組成物をスピンコート法によってバイ
コールガラスの片面に塗布し、600℃で10分間焼成し
た。塗布と焼成を6回繰り返し、XYZ表色系の色度
(x, y)=(0.496、0.448)、Y=83.6の黄色透明体を得
た。この黄色透明体の耐熱性は実施例1と同様であり、
700 ℃で長時間加熱してもY値の低下はほとんどなく、
膜の白濁、失透もない高温耐熱性に優れたものであっ
た。表面の透明黄色膜の膜厚は約2.8 μmであった。
【0036】(実施例8)テトラエチルオルソシリケート
5.00gとビスアセチルアセトナトバナジル2.10gをイソ
プロパノールとエチレングリコールモノメチルエーテル
の1:1混合溶媒に混合し、還流加熱して溶解させた
後、希塩酸を加えて部分加水分解し、さらにテトライソ
プロポキシセリウム0.02gを加えて溶解し、固形物濃度
が10重量%となるようにエタノールで濃度調整して、透
明黄色膜形成用組成物の溶液を得た。組成物中の金属化
合物の割合は、金属酸化物換算の重量比でSiO2/V2O5
2.0、CeO2/V2O5=0.01 (SiO2: 66.4 wt%, V2O5: 33.2
wt%, CeO2: 0.3 wt%)であった。
【0037】この組成物をスピンコート法によってバイ
コールガラスの片面に塗布し、600℃で10分間焼成し
た。塗布と焼成を6回繰り返し、XYZ表色系の色度
(x, y)=(0.503、0.449)、Y=80.6の黄色透明体を得
た。この黄色透明体の耐熱性は実施例1と同様であり、
700 ℃で長時間加熱してもY値の低下はほとんどなく、
膜の白濁、失透もない高温耐熱性に優れたものであっ
た。表面の透明黄色膜の膜厚は約2.6 μmであった。
【0038】(実施例9)テトラエチルオルソシリケート
5.00gとトリイソプロポキシバナジル1.93gをイソプロ
パノールに溶解し、希塩酸を加えて部分加水分解した
後、硝酸第一セリウム6水和物0.01gを加えて溶解し、
固形物濃度が10重量%となるようにエタノールで濃度調
整して、透明黄色膜形成用組成物の溶液を得た。この組
成物中の金属化合物の割合は、金属酸化物換算の重量比
で、SiO2/V2O5=2.0 、CeO2/V2O5=0.002 (SiO2: 66.
62 wt%, V2O5: 33.31 wt%, CeO2: 0.07 wt%)であった。
【0039】この組成物をスピンコート法によってバイ
コールガラスの片面に塗布し、600℃で10分間焼成し
た。塗布と焼成を3回繰り返し、XYZ表色系の色度
(x, y)=(0.497、0.449)の黄色透明体を得た。この黄色
透明体の耐熱性は実施例1と同様であり、700 ℃で長時
間加熱してもY値の低下はほとんどなく、膜の白濁、失
透もない高温耐熱性に優れたものであった。
【0040】(比較例1)テトラエチルオルソシリケート
5.00gとトリエトキシバナジル1.60gをイソプロパノー
ルに溶解し、希塩酸を加えて部分加水分解した後、固形
物濃度が10重量%となるようにイソプロピルアルコール
で濃度調整して、透明黄色膜形成用組成物の溶液を得
た。組成物中の各金属原料の割合は、金属酸化物換算の
重量比で、SiO2/V2O5=2.0 、CeO2/V2O5=0 (SiO2:
66.7 wt%, V2O5: 33.3 wt%) であった。
【0041】この組成物を浸漬法によりバイコールガラ
スの片面に塗布し、600 ℃で10分間焼成した。塗布と焼
成を4回繰り返し、XYZ表色系の色度 (x, y) =(0.5
09、0.449)、Y=85.1の黄色透明体を得た。この黄色透
明体を700 ℃に保持した際のY値変化を図4に示す。こ
の図からわかるように、加熱時間が20時間を超えるとY
値が低下し始め、40時間を超えるとその低下が顕著とな
って、100 時間後にはY値は70以下まで低下した。この
段階では、膜は白濁と失透が顕著であった。
【0042】
【発明の効果】本発明のSiO2−V2O5−CeO2系酸化物から
なる透明黄色膜、およびこの透明黄色膜を透明ガラス基
体表面に形成した黄色透明体は、高耐熱性で透明性に優
れており、 500〜700 ℃に長時間以上さらされても、色
調および透明度が実質的に変化しない。従って、本発明
の黄色透明体は、高温環境下で使用される照明ランプ、
警報ランプ等の製造に好適である。
【0043】また、本発明の透明黄色膜および黄色透明
体は、ゾル−ゲル法などの塗料法の手法を利用して、本
発明の透明黄色膜形成用組成物を基体に塗布して加熱す
るだけで、簡便な操作および装置により、低コストで生
産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作製された黄色透明体を700 ℃に保持
した際のY値 (透明度の指標)の経時変化を示すグラ
フ。
【図2】実施例で作製された黄色透明体を700 ℃に保持
した際のY値の経時変化を示すグラフ。
【図3】実施例で作製された黄色透明体を700 ℃に保持
した際のY値の経時変化を示すグラフ。
【図4】比較例で作製された黄色透明体を700 ℃に保持
した際のY値の経時変化を示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、SiO2/V2O5= 1.5〜3.5 、Ce
    O2/V2O5= 0.001〜0.1 のSiO2−V2O5−CeO2系酸化物か
    らなる、高耐熱性透明黄色膜。
  2. 【請求項2】 分解して金属酸化物となるSi、V、およ
    びCeの各金属の化合物を少なくとも1種づつ含有する溶
    液からなり、溶液中の金属化合物の存在比が酸化物換算
    の重量比でSiO2/V2O5= 1.5〜3.5 、CeO2/V2O5= 0.0
    01〜0.1 を満たす、高耐熱性透明黄色膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】 透明ガラス基体の片面または両面に請求
    項1記載の高耐熱性透明黄色膜を有する黄色透明体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の組成物を透明ガラス基体
    の片面または両面に塗布した後、加熱して各金属化合物
    を分解させ、酸化物に転化させることからなる、黄色透
    明体の製造方法。
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