JPH08337438A - 紫外線吸収被膜形成用中間層組成物及び紫外線吸収ガラス - Google Patents

紫外線吸収被膜形成用中間層組成物及び紫外線吸収ガラス

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JPH08337438A
JPH08337438A JP14158995A JP14158995A JPH08337438A JP H08337438 A JPH08337438 A JP H08337438A JP 14158995 A JP14158995 A JP 14158995A JP 14158995 A JP14158995 A JP 14158995A JP H08337438 A JPH08337438 A JP H08337438A
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ultraviolet absorbing
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film
ultraviolet
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Toshifumi Tsujino
敏文 辻野
Koichi Maeda
浩一 前田
Koichiro Nakamura
浩一郎 中村
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に優れ、コーティング時の白化し
にくいジルコニウムアルコキシドを含有する紫外線吸収
被膜形成用中間層組成物およびニュートラルな反射色を
有する紫外線吸収ガラスを提供する。 【構成】 β-ケトエステル化合物でキレート化したジ
ルコニウムアルコキシドと有機シリコン化合物を含有す
る紫外線吸収被膜形成用中間層組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線吸収被膜形成用
中間層組成物、特に自動車などの車両用や建築物の窓な
どに使用される紫外線吸収薄膜を形成するための下地層
の被膜を形成する保存安定性に優れた組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】湿式法により、ガラスに紫外線吸収被
膜、熱線反射被膜などの機能性薄膜を形成する方法が提
案されてきている。例えば、特開平6−192598に
は、可視光線の透過率を低下することなく反射色の着色
を抑えた紫外線吸収膜被覆ガラスが提案されている。ま
た、特開平6−345488には、熱線反射膜被覆ガラ
スの製造方法が開示されている。これらの発明は、ガラ
ス基板(屈折率ng )上に光学膜厚が可視光線の1/4
波長となるような中間層(屈折率n1 )を形成させた
後、その上に屈折率がn2=n1 2/ngとなるような紫外
線吸収性能を持つ高屈折率層を形成する。高屈折率層と
中間層の界面で反射した可視光と中間層とガラスの界面
で反射した可視光とを打ち消す無反射条件を設定するこ
とにより反射光の着色を抑えている。そして赤外線領域
ではこの無反射条件から外れるので、赤外光(熱線)が
反射することが示されている。
【0003】いずれの場合も、中間層として二酸化珪素
と高屈折率を有する酸化物、例えばチタン、セリウム、
酸化亜鉛、ジルコニウムなどの酸化物を用いて、ガラス
の屈折率と高屈折率層のそれとの中間の値の屈折率を有
する中間層を得ている。
【0004】シリコンアルコキシドとチタンアルコキシ
ドを成分とした中間層組成物では、加水分解のための酸
や水が、シリコンアルコキシドよりも反応性の高いチタ
ンアルコキシドと反応し加水分解されることにより急速
にゲル化して組成物の粘度が急に上昇するため、コーテ
ィング作業が困難となるという不都合が生じる。
【0005】また、中間層組成物にセリウム化合物を使
用する場合は中間層の膜強度が弱くなったり、コーティ
ング時に白化しやすいなどの問題がある。また、酸化亜
鉛化合物は耐酸性に問題があり実用的な使用は困難であ
る。
【0006】シリコンアルコキシドとジルコニウムアル
コキシドを成分とした中間層組成では、ジルコニウムア
ルコキシドは反応性が高いためゲル化が早く、粘度が急
に上昇するため、調合後短期間内に使用しない限りコー
ティング作業が困難となり、保存安定性が劣るという問
題がある。
【0007】以上のように従来の中間層組成物では、保
存安定性が劣ったり、コーティング時に白化するなどの
問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の問題を解決して、保存安定性に優れ、コーティング
時の白化しにくい紫外線吸収被膜形成用中間層組成物を
提供することを目的とするものであり、さらには、この
被膜形成用組成物から得られる中間層の上に紫外線吸収
層を形成することにより、ニュートラルな反射色を有す
る紫外線吸収ガラスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、β
−ケトエステル化合物でキレート化したジルコニウムア
ルコキシドと、有機シリコン化合物を含有する紫外線吸
収被膜形成用中間層組成物である。
【0010】本発明で使用されるジルコニウムアルコキ
シドとして、テトラメトキシジルコニウム、テトラエト
キシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウ
ム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソブ
トキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウ
ム、テトラsecブトキシジルコニウム 、テトラt−ブト
キシジルコニウムのようなジルコニウムテトラアルコキ
シドが好適に使用することができる。
【0011】上記ジルコニウムアルコキシドをキレート
化するためのキレート剤としてのβ−ケトエステル化合
物としては、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ア
セト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチルのような、CH3
COCH3COOR、(ここでRはCH3、C25、C3
7、またはC49 )で表されるアセト酢酸エステルを
列挙することができ、これらの中でアセト酢酸アルキル
エステル、特にアセト酢酸メチルおよびアセト酢酸エチ
ルが、比較的に安価で入手できるので、好適である。ジ
ルコニウムアルコキシドのキレート化の程度は一部また
は全部でもよいが、モル比で(β−ケトエステル)/
(ジルコニウムアルコキシド)=2の割合でキレート化
させるのが、キレート化合物が安定であるので、好まし
い。 β-ケトエステル化合物以外のキレート剤例えばア
セチルアセトンでキレート化したジルコニウムアルコキ
シドはアルコール等の溶媒に不溶であるため沈殿してし
まって塗布溶液を調製することができない。
【0012】β−ケトエステル化合物でキレート化した
ジルコニウムアルコキシドは例えば固形分10%の中間
層の組成物とした場合には、40℃の恒温槽に60日以
上保存してもゲル化せず非常に安定性がよい。長期保存
後に、ガラス基板上にコーティングして中間膜としたも
のは長期保存しないものの性能と光学的、膜強度におい
てなんら変化が無い。
【0013】本発明で使用される有機シリコン化合物と
しては、Si(OR)4 、(ここでRはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、またはブチル基)で表されるテトラ
アルコキシシラン、および SiR' 4-n(OR)n、(こ
こでRはメチル基、エチル基、プロピル基、またはブチ
ル基、R' はメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル
基、γ−クロロプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ
−メタクリロキシプロピル基、またはγ−メルカプトプ
ロピル基、nは1〜3の整数)のような、いわゆるシラ
ンカップリング剤などが好適に使用される。
【0014】本発明の紫外線吸収被膜形成用中間層組成
物は、前記有機シリコン化合物と前記ジルコニウムアル
コキシドとを含有するが、その割合は、後述のように、
珪素とジルコニウムのモル比Si/Zrで表して、0.
2〜2の割合で含有することが好ましい。そしてこの中
間層の組成物は高い湿度例えば相対湿度70%の雰囲気
中でコーティングしても白化することなく、膜の透明性
が損なわれることがない。
【0015】中間層組成物中のジルコニウムアルコキシ
ドのキレート化物および有機シリコン化合物の全固形分
は、3〜15%の範囲内に入るように有機溶媒で希釈す
ることにより、コーティング液の粘度を調節して使用さ
れる。
【0016】中間層組成物に用いられる有機溶媒は、コ
ーティング方法に依存するが、例えば、グラビアコーテ
ィング法、フレキソ印刷法、ロールコート法の有機溶媒
としては、100℃以上の沸点を有するアルコール類、
エーテルアルコール類、及びグリコール類等の、中沸点
(100〜150℃の沸点)または高沸点(150℃を
越える沸点)を有する溶媒を少なくとも1種を含むこと
が望ましい。溶媒により保存安定性が異なるため、上記
溶媒の中でも、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフ
ルフリルアルコール、エチルセルソルブ、ブチルセルソ
ルブ、セルソルブアセテート、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、へキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコールが好適である。グラビア
コーティング法やフレキソ印刷法に使用する組成物の粘
度は20cps(25℃で)を越えるとコーティングロ
ール上の液面に定常波が立ちやすくなり膜厚むらの原因
となったり、レベリング時間が長くなるため、溶媒量を
調節してこの組成物の粘度が20cps以下に保つこと
が好ましい。
【0017】コーティング方法としては、特に限定され
るものではないが、例えば、スピンコート法、ディップ
コート法、スプレーコート法、印刷法等が挙げられる。
特に、グラビアコーティング法、フレキソ印刷法、ロー
ルコート法、スクリーン印刷法などの印刷法は、組成物
を効率よく使用できるので好適である。
【0018】中間層を形成する厚みは、あまり大きいと
クラックが発生しやすくなるので、300nm以下にす
ることが好ましく、この中間層の上に紫外線吸収膜を形
成するので、後述するように、光学膜厚が400〜70
0nmの波長範囲内の可視光線のいずれかの1/4波長
になるような厚みとするのがより好ましい。
【0019】上記中間層の上に、SiO2、TiO2、お
よびCeO2 からなる紫外線吸収被膜を被覆する。Si
2 の原料としては上記の有機シリコン化合物が使用で
きる。
【0020】TiO2 の原料としては、チタンアルコキ
シド、チタンアセチルアセトナート、チタンカルボキシ
レートが使用される。チタンアルコキシドとしては、T
i(OR)4 (Rは炭素数4までのアルキル基)で表さ
れるが、反応性から考えて、チタンイソプロポキシド、
チタンブトキシドが望ましい。チタンの場合には、アセ
チルアセトナートを用いた方が、その安定性から好まし
い。この場合には一般式としてTi(OR)mn、(こ
こでnは1〜4の整数、m+n=4)で表されるが、L
はキレート配位する配位子であり、アセチルアセトンな
どのβ−ジケトン、アセト酢酸エチルなどのβ−ケトエ
ステル類などである。Lがアセチルアセトンの場合は、
チタンアルコキシドをアセチルアセトンによってアセチ
ルアセトナート化してしようしても構わないし、市販の
チタンアセチルアセトナートを使用しても構わない。さ
らには、カルボン酸塩を使用してもよい。
【0021】CeO2 の原料としては、セリウムアルコ
キシド、セリウムアセチルアセトナート、セリウムカル
ボキシレートなどのセリウム有機化合物以外に、硝酸
塩、塩化物、硫酸塩等のセリウム無機化合物も考えられ
るが、安定性、入手の容易さから硝酸塩及びアセチルア
セトナートが好ましい。
【0022】上記紫外線吸収膜形成用液組成物中の上記
有機チタン化合物、セリウム化合物、および有機シリコ
ン化合物の割合は、乾燥、焼成され固体膜になった時の
TiO2,CeO2,SiO2 酸化物換算のモル比で表し
てそれぞれ10〜80%、10〜60%、および0〜8
0%であることが好ましく、更に好ましくはそれぞれ、
30〜60%、25〜50%、および10〜30%であ
る。有機チタン化合物が少なすぎると膜の透明性が低下
すると共に、紫外線吸収性能も低下し、逆に多すぎると
成膜性が低下すると共に、可視光反射率が高くなり過ぎ
る。セリウム化合物が少なすぎると成膜性が低下すると
共に、紫外線吸収性能も低下し、逆に多すぎると膜の透
明性が低下する。また有機シリコン化合物が多すぎると
膜の透明性が低下するとともに、紫外線吸収性能も低下
する。有機シリコン化合物は、可視光反射率が高くなり
過ぎるのを防止するために、10モル%以上含ませるこ
とが好ましい。
【0023】本発明において、上記の紫外線吸収膜形成
用液組成物に、分子内にエーテル結合と炭素−炭素二重
結合を有する有機物を添加することが好ましい。この添
加有機物としては、好ましくは分子内にエーテル結合を
有するアクリレート、メタクリレート、ビニル化合物が
挙げられるが、具体的にはエチレンオキシドユニットを
6個分子内に有するトリメチロールプロパントリアクリ
レートが好適な例として挙げられる。
【0024】この添加物は紫外線吸収能の向上に役立
ち、更に、液組成物の安定性、寿命増加、塗布した膜及
び乾燥後の膜の白化防止にも役立つ。紫外線吸収能向
上、液の安定性、塗布膜の白化防止などすべてを考慮す
ると、この添加有機物の中で分子内にエチレンオキシド
ユニットを6個有するトリメチロールプロパントリアク
リレートが最も好適である。
【0025】また、前記添加物の添加量としては、紫外
線吸収膜形成用液組成物が乾燥−焼成され固体膜になっ
た時の全固形分に対して好ましくは10〜200重量%
であり、更に好ましくは20〜100重量%である。こ
の範囲以下の添加量では、上記の紫外線吸収能向上、液
組成物の安定化、塗布膜及び乾燥後の膜の白化防止など
の期待効果が十分得られない。また、この範囲以上の添
加量でも上記期待効果を得ることも可能であるが、形成
された紫外線吸収膜の緻密性が損なわれ、特に表面硬度
に問題をきたすことがあり、また膜上にも外観欠点が発
生する恐れがある。
【0026】上記紫外線吸収膜形成用液組成物に用いら
れる有機溶媒および、コーティング方法は前記の中間層
組成物で用いられるものと同様である。
【0027】基板ガラス上に、珪素とジルコニウムから
なる中間層(厚みd)を形成し、その薄膜上にSi
2、TiO2、CeO2 からなる紫外線吸収膜を形成す
る。ガラス基材の屈折率をng、紫外線吸収膜の屈折率
をn1で表したとき、中間層とガラス界面の反射光と、
中間層と紫外線吸収膜界面の反射光が互いに打ち消し合
う条件を成立させるために、中間層の屈折率(n2)が
0.9×(ng・n1)1/2〜1.1×(ng・n1)1/2 であ
り、かつ中間層の光学膜厚(n2d)が波長400〜70
0nmの可視光線の1/4波長、すなわち、100〜1
75nmになるように、中間層組成物の配合比、塗布条
件を調節する。紫外線吸収ガラスの反射は紫外線吸収膜
と空気の界面からの反射光のみとなるため、反射光の着
色が抑えられる。
【0028】紫外線吸収被膜が実用上十分な紫外線吸収
能を有する性能を満たすためには、TiO2、CeO2
存在割合が大きくする必要があるので、紫外線吸収被膜
の屈折率は1.8以上となる。上記反射光の打ち消し合
う条件を満たすためには、中間層におけるジルコニウム
の存在割合は、珪素とジルコニウムのモル比Si/Zr
が2以下であることが好ましい。またこの比率が低すぎ
ると中間層の屈折率が高くなり過ぎて反射光の打ち消し
合う条件を満たさなくなるので0.2以上であることが
好ましい。
【0029】この2層からなる紫外線吸収膜付きガラス
は、前記中間被膜用液組成物をガラス基板上に塗布し、
その後、酸化性雰囲気中で100〜250℃の温度で5
〜120分乾燥した後、前記紫外線吸収膜形成用液組成
物をその上に塗布し、更に酸化性雰囲気中で100〜2
50℃の温度で5〜120分乾燥した後、500℃以上
の温度で焼成することにより製造される。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。 実施例1 テトラn−ブトキシジルコニウム164.9gにアセト
酢酸エチル111.9gを加えて30分室温にて攪拌し
て、ジルコニウムジブトキシジアセト酢酸エチルが形成
される。これにブチルセルソルブ425.9g、ヘキシ
レングリコール250g、テトラエトキシシランの5量
体(コルコート社製、商品名「エチルシリケート4
0」) 43.0g、0.01N塩酸 5.2gを順次
加えて室温で2時間攪拌し、中間層の組成物を得た。こ
の組成物はSi/Zr=2/3(モル比)で固形分7%
であり粘度は6cpsであった。この組成物を40℃に
保った恒温槽に60日保存したが、なんら変化は無かっ
た。
【0031】エチルセルソルブ59.8gにアセチルア
セトン8.9g、テトライソプロポキシチタン12.6
gを加え40℃で一時間攪拌する。これにテトラエトキ
シシランの5量体 2.0g、0.01Nの塩酸0.2
gを加え40℃で4時間攪拌する。さらに硝酸セリウム
6水和物13.5gを加えて40℃で2時間攪拌したの
ち、3gのトリメチロールプロパントリアクリレート・
6エチレンオキシドユニット付加物(TMPTA−EO
6)を加えて紫外線吸収被膜用組成物とした。この組成
物は、Si/Ti/Ce=3/10/7(モル比)で、
固形分9.7%で、粘度は8cpsであった。この組成
物も40℃の恒温槽に60日保存したが、何ら実用的に
問題のない程度の若干の外観上の色の変化は生じたが、
ゲル化はしなかった。
【0032】グラビアコーティング法により、3.4m
m厚みのソーダライムガラス(屈折率ng =1.54)
上に前記中間層組成物(調製後10日経過のもの)を相
対湿度70%の雰囲気中でコーティングし、200℃で
30分乾燥後、さらにその中間層上に紫外線吸収被膜用
組成物をグラビアコーティング法によりコーティング
し、200℃で30分乾燥した。2つの組成物はコーテ
ィング後に良いレベリング性を示し、コーティング後1
分以内に外観上、平滑で均一な膜となった。さらにこの
2層コーティングガラスを720℃の電気炉に2分間入
れて焼成を行った。電気炉中のガラスの最高到達温度は
610℃であった。焼成後のシリカ−ジルコニア中間層
の厚みおよび屈折率n2 はそれぞれ、70nmおよび
1.76であり、シリカ−チタニア−セリア紫外線吸収
層の厚みおよび屈折率n1 はそれぞれ、150nmおよ
び2.00であった。そして(ng・n1)1/2 の計算値は
1.75であって中間層の屈折率n2(1.76)の値
は(ng・n1)1/2の1.01倍に等しかった。また中間
層の光学膜厚(123.2nm=1.76×70nm)
は波長492.8nmの光の1/4に一致した。
【0033】得られた紫外線吸収膜付きガラスのヘイズ
率は0.1%と低く、370nmの紫外線吸収率は20
%と非常に高い紫外線遮断性を示し、反射色はニュート
ラルな色調であった。さらにテーバー摩耗試験による表
面硬度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性も良好な結
果を示し、優れた性能を示す紫外線吸収被膜付きガラス
が得られた。なお、調製後40℃に保った恒温槽に60
日保存した前記中間層組成物を用いて上記紫外線吸収膜
付きガラスを製造した場合でも、全く上記と同じ結果が
得られた。
【0034】実施例2 テトラブトキシジルコニウム70gにアセト酢酸メチル
115gを加えて30分室温にて攪拌する。これにエチ
ルセルソルブ271g、テトラエトキシシランの5量体
30g、0.01N塩酸 2gを順次加えて室温で2
時間攪拌し、中間層の組成物を得た。この組成物はSi
/Zr=1/1(モル比)で固形分10%であり粘度は
4cpsであった。この組成物を40℃にした恒温槽に
60日保存したが、外観上変化がなかった。
【0035】エチルセルソルブ68.1gにアセチルア
セトン7.0g、テトライソプロポキシチタン10.2
gを加え40℃で一時間攪拌する。これにテトラエトキ
シシランの5量体 2.7g、0.01Nの塩酸0.2
gを加え40℃で4時間攪拌する。さらに硝酸セリウム
6水和物11.69gを加えて40℃で2時間攪拌した
のち、3gのトリメチロールプロパントリアクリレート
・6エチレンオキシドユニット付加物(TMPTA−E
O6)を加え紫外線吸収被膜用組成物とした。この組成
物は、Si/Ti/Ce=1/2/2(モル比)で、固
形分9.7%で、粘度は8cpsであった。この組成物
も40℃の恒温槽に60日保存したが、ゲル化はしなか
った。
【0036】グラビアコーティング法により、3.4m
m厚みのソーダライムガラス上に中間層組成物をコーテ
ィングし、200℃で30分乾燥後、中間層上に紫外線
吸収被膜用組成物をコーティングし、200℃で30分
乾燥した。2つの組成物はコーティング後良いレベリン
グ性を示し、コーティング後1分以内にコーティングむ
らは消失し、均一な膜となった。さらにこのコーティン
グガラスを720℃の電気炉に2分間入れて焼成を行っ
た。電気炉中のガラスの最高到達温度は610℃であっ
た。焼成後のシリカ−ジルコニア中間層の厚みおよび屈
折率n2 はそれぞれ、70nmおよび1.71であり、
シリカ−チタニア−セリア紫外線吸収層の厚みおよび屈
折率n1 はそれぞれ、150nmおよび1.95であっ
た。そして (ng・n1)1/2 の計算値は1.73であっ
て中間層の屈折率n2(1.71)の値は(ng・n1)1/2
の0.99倍に等しかった。また中間層の光学膜厚
(119.7nm=1.71×70nm)は波長47
8.8nmの光の1/4に一致した。
【0037】得られた膜付きガラスのヘイズ率は0.1
%と低く、370nmの紫外線吸収率は20%と非常に
高い紫外線遮断性を示し、反射色はニュートラルな色調
であった。さらにテーバー摩耗試験による表面硬度、耐
酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性も良好な結果を示し、
優れた性能を示す紫外線吸収膜付きガラスが得られた。
【0038】比較例1 エチルセルソルブ180gにテトラエトキシシラン4
1.6g、0.1N塩酸14.4gを加えて1時間攪拌
した液をあらかじめ用意しておく。この液を、テトラジ
ルコニウムブトキシド115.4gを溶解した325.
6gのエチルセルソルブ溶液に添加した後、さらに0.
1N塩酸を21.6gを加え、1時間攪拌し、モル比で
Si/Zr=2/3、固形分7%で粘度が4cpsのエ
チルセルソルブ液を得た。これを40℃の恒温槽に入れ
て保存安定性試験を行った結果、3日でゲル化してしま
って、もはやコーティング操作不可能であった。
【0039】比較例2 ジルコニウムテトラブトキシド115gをエチルセルソ
ルブ200gに溶解した溶液にアセチルアセトン60g
を添加して、ジルコニウムテトラブトキシドをアセチル
アセトンによりキレート化したが、エチルセルソルブに
対する溶解性が不十分であるためか、沈殿してしまって
安定なゾルが得られなかった。
【0040】比較例3 テトライソプロポキシチタン284gをアセチルアセト
ン200gによりキレート化したチタン溶液を、テトラ
エトキシシラン312g、ブチルセルソルブ700g、
0.1N塩酸108gを混合した溶液に添加した後、ブ
チルセルソルブで希釈し、モル比がSiO2/TiO2
3/2、固形分10%の組成物を得た。これを40℃の
恒温槽に入れて保存安定試験を行った結果、10日でこ
の組成物はゲル化してしまって、もはやコーティング操
作不可能であった。
【0041】比較例4 434gの硝酸セリウム6水和物にアセチルアセトン3
00gを加え、90℃で1時間かけて溶解させた。この
液をブチルセルソルブ132g、テトラエトキシシラン
の5量体 150g、0.1N塩酸18gを加えた液に
加え、さらにブチルセルソルブで希釈して、モル比Si
/Ce=1/1、固形分10%の組成物を得た。これを
保存することなく直ちに、相対湿度50%の雰囲気下で
ガラス基板上にグラビアコートを行ったが、コーティン
グされた膜は白化してしまい、乾燥・焼成を行ったが不
透明な膜しか得られなかった。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、保存安定
性に優れた被膜組成物が得られ、コーティング時の白化
も無い優れた被膜を形成することができる。さらに、規
定の屈折率と膜厚を有するこの被膜を中間層として、そ
の上に、紫外線吸収膜を形成すれば、反射色調もニュー
トラルを示し、紫外線吸収能に優れた紫外線吸収膜付き
ガラスが得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−ケトエステル化合物でキレート化し
    たジルコニウムアルコキシドと有機シリコン化合物を含
    有する紫外線吸収被膜形成用中間層組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機シリコン化合物と前記ジルコニ
    ウムアルコキシドとを、珪素とジルコニウムのモル比S
    i/Zrで表して、0.2〜2の割合で含有する請求項
    1記載の紫外線吸収被膜形成用中間層組成物。
  3. 【請求項3】 前記有機シリコン化合物は、シリコンア
    ルコキシドである請求項1記載の紫外線吸収被膜形成用
    中間層組成物。
  4. 【請求項4】 前記β−ケトエステル化合物がアセト酢
    酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、ま
    たはアセト酢酸ブチルである請求項1記載の紫外線吸収
    被膜形成用中間層組成物。
  5. 【請求項5】 SiO2、TiO2、およびCeO2 から
    なる紫外線吸収被膜を被覆されたガラス基材の紫外線吸
    収被膜とガラス基材の間に、請求項1記載の組成物を塗
    布・加熱した中間層を形成してなり、ここにおいて、ガ
    ラス基材の屈折率をng、紫外線吸収膜の屈折率をn1
    表したとき、中間層の屈折率が0.9×(ng・n1)1/2
    〜1.1×(ng・n1)1/2であり、かつ中間層の光学厚
    みが100〜175nmであることを特徴とする紫外線
    吸収ガラス。
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