JP2002145644A - 着色膜被覆物品の製造方法 - Google Patents

着色膜被覆物品の製造方法

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JP2002145644A JP2000339998A JP2000339998A JP2002145644A JP 2002145644 A JP2002145644 A JP 2002145644A JP 2000339998 A JP2000339998 A JP 2000339998A JP 2000339998 A JP2000339998 A JP 2000339998A JP 2002145644 A JP2002145644 A JP 2002145644A
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Mitsuhiro Kawazu
光宏 河津
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光反射率を低く保ちながら、しかも屈折
率をそれほど高くすることなく、グレー色の透過色調を
有する着色膜被覆物品および同一基板内で種々の透過色
調を有する着色膜被覆物品を提供する。 【解決手段】 酸化珪素原料、酸化チタン原料および銀
微粒子原料を含有する着色膜被覆液を基材表面に塗布
し、加熱して、銀微粒子を含有するシリカ−チタニア系
着色膜被覆物品の製造方法において、酸化チタンに換算
して前記酸化チタン原料の少なくとも50重量%として
酸化チタン微粒子を用いることを特徴とする着色膜被覆
物品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膜被覆物品、特に自
動車などの車両用や建築物の窓材や鏡、光学ガラス製
品、セラミック製品および雑貨などのガラス等に適した
着色膜被覆物品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に銀による微粒子分散ガラスを得る
方法として、銀の無機塩をガラス表面に塗布した後に焼
成することにより、無機塩中の銀がガラス基板内に浸透
し、ガラスをコロイド発色させるイオン交換法がある。
また珪素アルコキシドの溶液に銀塩を溶解させ、これを
基材に塗布し熱処理することにより、銀微粒子を含む珪
素酸化物の被膜を形成させる方法がある。
【0003】特に、銀微粒子の、表面プラズモンにより
着色されたガラスは耐熱性、耐光性に優れており、以前
から着色ガラスやフィルターガラスとして利用されてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように銀粒子をガ
ラスに分散させたり、またはコーティングした膜に銀微
粒子を分散させたガラスは装飾ガラスとして以前から利
用されてきている。ところが得られるガラスの色は銀微
粒子を取り囲む媒体の屈折率や微粒子の大きさ、形でき
まるため通常は黄色の単一色である。しかしこのような
単一色でなくグレーがかった黄色に着色されたガラスが
市場で要望されている。また同一基板内に様々な色調を
得たい場合、従来はフレキソコーティングやスクリーン
印刷等によりそれぞれの色調を別々にコーティングする
必要があった。それには膜同士の重なりを防ぐために高
精度なパターニング位置制御技術が必要となるばかりで
なく、それぞれの色調に対応する液組成を開発する必要
があり、コスト面からみても不利な点が多かった。
【0005】さらに銀微粒子により得られる色調は媒体
の屈折率により変化していくが、媒体の屈折率が高くな
っていくと膜の反射率も高くなっていく。ところが例え
ば自動車用ガラス板や建築用等のガラス板は外観上、可
視光反射率が低いことが要求される場合が多く、膜の屈
折率を変えて、種々の透過色調を実現しようとする場
合、膜の可視光反射率の高いことが欠点になる場合もあ
る。
【0006】本発明者らはこのような問題点に着目し、
可視光反射率を低く保ちながら、しかも屈折率をそれほ
ど高くすることなく、グレー色の透過色調を有する着色
膜被覆物品および同一基板内で種々の透過色調を有する
着色膜被覆物品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、酸化
珪素原料、酸化チタン原料および銀微粒子原料を含有す
る着色膜被覆液を基材表面に塗布し、加熱して、銀微粒
子を含有するシリカ−チタニア系着色膜被覆物品の製造
方法において、酸化チタンに換算して前記酸化チタン原
料の少なくとも50重量%として酸化チタン微粒子を用
いることを特徴とする着色膜被覆物品の製造方法であ
る。
【0008】本発明における着色膜被覆液の組成の各成
分について以下に説明する。酸化珪素は膜中で銀微粒子
を固定するマトリックス材として必要であり、さらに膜
の反射率を押さえる低屈折率材として重要な役割を果た
している。酸化珪素の原料としては、加水分解、縮合可
能な珪素化合物が用いられる。着色膜被覆液の固形分の
中で酸化珪素原料の含有量が少なすぎると膜の反射率が
高くなりすぎる。従って、着色膜被覆液の金属酸化物お
よび金属成分の合計量中の酸化珪素の含有量はSiO2
に換算して45〜93重量%であり、好ましくは55〜
90重量%である。
【0009】本発明で、膜を形成する酸化珪素の原料と
しては、ゾルゲル法により透明でより強い膜を形成で
き、安定性に優れるもの、すなわち加水分解・重縮合す
ることができる珪素化合物その他を用いることができ、
以下に具体的に述べる。
【0010】酸化珪素の原料である有機珪素化合物とし
ては、珪素のアルコキシドが好適で、例えばテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシ
シラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシ
シランが挙げられる。またこれらの縮合体(n≧2、た
だしnは縮合度を表す)、もしくは縮合体の混合物も好
便に用いられる。例えば縮合体としては、ヘキサエトキ
シジシロキサン(n=2)、オクタエトキシトリシロキ
サン(n=3)、デカエトキシテトラシロキサン(n=
4)、エトキシポリシロキサン(n≧5)などが使用で
きる。単量体(n=1)と縮合体(n≧2)の混合物か
らなる「エチルシリケート40」(商品名、コルコート
社製)〔組成は、J.Cihlarの文献、Colloids
and Surfaces A : Physicochem. Eng. Aspects 70 (1
993年) 253頁から268頁 に記載されており、重量分率で
単量体(n=1):12.8重量%、2量体(n=
2):10.2重量%、3量体(n=3):12.0重
量%、4量体(n=4):7.0重量%、多量体(n≧
5):56.2重量%、エタノール:1.8重量%)で
ある〕などが好適に使用できる。
【0011】また上記化合物のアルコキシル基の一部
が、アルキル基その他の炭化水素基と置換されたアルキ
ルトリアルコキシシランなども使用可能である。例え
ば、アルコキシ基がメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基などの直鎖
状、あるいは分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、ア
リル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アクリロ
キシプロピル基などのようなアルケニル基、フェニル
基、トルイル基、キシリル基などのアリール基、ベンジ
ル、フェネチル基などのアラルキル基またはγ−メルカ
プトプロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−アミノプ
ロピル基などに置換されたものが例示できる。珪素のア
ルコキシド以外にも酸化珪素微粒子、例えば日産化学工
業株式会社製シリカゾルである「スノーテックス−O
L」など、も使用することができる。
【0012】酸化チタンは、加熱時または紫外線を照射
したときに銀のコロイドを効率良く生成させて所望の着
色を得るための成分である。また酸化チタンは膜の耐摩
耗性を高める成分である。さらに、酸化チタンは膜の屈
折率上昇に伴って膜被覆物品の可視光反射率を高める成
分でもある。
【0013】酸化チタン微粒子は、銀微粒子を膜中に形
成させる場合、酸化チタン微粒子以外の酸化チタン原料
に比して、着色膜被覆液中に同量(TiO2換算)存在
した場合、膜の透過色の彩度を小さくする度合いが大き
く、しかも膜被覆物品の可視光反射率を高める度合いが
小さい。従って酸化チタン微粒子以外の酸化チタン原料
に比して、TiO2に換算して、同量またはそれよりも
多量の酸化チタン微粒子を着色膜被覆液中に存在させる
ことにより、300〜1200nmの範囲でブロードな
吸収を有し、しかも小さな透過光彩度を有する銀微粒子
分散膜を得ることができる。さらに、着色膜被覆液中
に、酸化チタン微粒子を含有させることにより、着色膜
被覆液の塗布後で焼成成膜前の紫外線照射量の変化によ
る透過色調の変化を生じさせることができる。
【0014】着色膜被覆液の金属化合物合計重量(金属
酸化物および銀に換算した合計重量)中の酸化チタンの
量が多すぎると膜の屈折率が高くなり反射率が高くなり
すぎる。従って酸化チタン原料の含有量はTiO2に換
算して3〜30重量%が好ましく、より好ましくは5〜
25重量%、さらに好ましくは10〜25重量%であ
る。前記酸化チタン原料(TiO2に換算)の1/2以
上すなわち50重量%以上、より好ましくは60重量%
以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましく
は100重量%として酸化チタン微粒子を用いる。前記
酸化チタン原料の50重量%未満として、チタンアルコ
キシド、チタンアセチルアセトネート、チタンカルボキ
シレートのようなチタンの有機化合物を用いることがで
きる。
【0015】前記酸化チタン原料としての酸化チタン微
粒子の粒径はあまり大きすぎると光の散乱により膜の透
明性が失われるので平均粒子径500nm以下で1nm
以上が好ましく、より好ましくは平均粒子径100nm
以下で2nm以上である。なお、酸化チタン微粒子では
ない酸化チタン原料(チタンの有機化合物)は膜の透過
色調を黄色にすることができるが、微粒子の形の酸化チ
タンに比して、透過光の彩度を小さくする度合いが小さ
く、しかも膜被覆物品の可視光反射率を高める度合いが
大きいので、上述のチタンの有機化合物は、前記酸化チ
タン原料として、上記のようにできるだけ少量の使用に
とどめることが好ましい。
【0016】本発明で使用する酸化チタン原料としての
酸化チタン微粒子は、例えば石原産業株式会社製光触媒
酸化チタン微粒子(商品名「STS−01」(粒径(X
線粒径)7nm)、「STS−02」(粒径(X線粒
径)7nm)、「CS−N」)、多木化学株式会社製チ
タニアゾル「M−6」(結晶子サイズ5nm)などの市
販水分散ゾル、テイカ株式会社製光触媒用酸化チタン
(商品名「TKS201」(粒径6nm)、「TKS202」
(粒径6nm)、石原産業株式会社製「ST−K01」,
「ST−K03」のような、バインダーを含んだ市販水
アルコール混合溶剤分散チタニアゾルなどが挙げられ
る。
【0017】銀微粒子は膜に着色機能を持たせる材料で
あり、その量が少なすぎると、十分な着色機能が得られ
ず、その量が多すぎると膜の耐久性が低下する。従っ
て、着色膜被覆液の合計量(金属酸化物および銀(A
g)に換算)中の銀微粒子原料(銀(Ag)に換算)の
含有量は6〜30重量%が好ましく、6〜25重量%が
より好ましく、さらに好ましくは7〜22重量%であ
る。
【0018】銀微粒子原料としては、塩化銀酸が有機溶
媒に溶けやすく光に対しても比較的安定なので最も好ま
しい。その他にも酢酸銀、過塩素酸銀などを使用するこ
ともできる。銀コロイドは、本発明においては光照射の
有無による透過光色調の変化が小さいので、銀微粒子原
料として使用することは好ましくない。
【0019】本発明における着色膜被覆液は、前記酸化
珪素原料、前記酸化チタン原料、および前記銀微粒子原
料の他に、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化アル
ミニウム、酸化鉄、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化錫、
酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化バナジウム、酸
化クロム、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化
セリウム、酸化ホウ素、酸化タンタル、酸化タングステ
ン、および酸化イッテルビウム等からなる群より選ばれ
る少なくとも1種の酸化物の原料を、それぞれCo
34、ZrO2、Al23、Fe23、Bi23、Zn
O、SnO2、In23、Sb23、V25、Cr
23、CuO、MnO、NiO、Ce23、B2 3、T
25、WO3、およびYb23に換算して、合計で1
5重量%以下、より好ましくは10重量%以下、含有し
てもよい。
【0020】本発明の膜被覆液は、上記各原料をそれぞ
れ溶媒に、溶解しておき、それらを所定の割合で混合す
ることにより得られる。溶液中の各原料合計(固形分)
の濃度は3〜20重量%であることが好ましい。本発明
において珪素アルコキシドを用いる場合、その加水分解
触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸類、酢
酸、しゅう酸、蟻酸、プロピオン酸、p−トルエンスル
ホン酸などの有機酸類が用いられる。加水分解のための
水は上記触媒その他に含まれる量で十分であり、通常
は、水を特別に添加する必要はない。
【0021】本発明で使用される上記溶媒は被膜形成方
法に依存する。例えば、グラビアコート法、フレキソ印
刷法、ロールコート法の有機溶剤としては蒸発速度の遅
い溶媒が好適である。これは、蒸発速度が速い溶媒で
は、十分にレベリングが行われないうちに、溶媒が蒸発
してしまうためである。溶媒の蒸発速度は、酢酸ブチル
のそれを100とした相対蒸発速度指数で、一般的に評
価されている。この値が40以下の溶媒は、きわめて遅
い蒸発速度をもつ溶媒として分類されており、このよう
な溶媒が、グラビアコート法、フレキソ印刷法、ロール
コート法の有機溶媒として好ましい。
【0022】上記溶媒としては、例えば、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコール、などが挙げられる。グリコール系溶媒は塗膜
のレベリング剤としても作用する。
【0023】本発明に使用される膜形成用組成物(コー
ティング液)の溶媒は、このような溶媒を少なくとも1
種含むことが望ましいが、コーティング液の粘度、表面
張力などを調節するために、上記の溶媒を複数用いても
構わない。また蒸発速度が速くて100を越える相対蒸
発速度を有する溶媒、例えばメタノール(610)、エ
タノール(340)、n−プロパノール(300)、の
ような溶媒を、上記の40以下の相対蒸発速度指数を有
する溶媒に添加してもよい。
【0024】本発明の膜被覆液は、後述のコーティング
法により基材上に塗布され、次に200〜700℃の温
度で1〜200分間、加熱して、膜厚が50〜1000
0nmの着色薄膜が形成される。この着色膜を無着色の
透明ガラス板に被覆させた場合、この着色膜被覆ガラス
物品は、Lab表色系で表して、aが−3〜0で、かつ
bが−1〜3の範囲の色度およびLが40〜86の明度
で表される透過色を有する。
【0025】膜被覆液がが基材上に塗布された後で加熱
処理前に、塗布膜上にフォトマスクを配置して、光照射
を行うことができる。光照射のための紫外線光源として
は、250〜400nmの波長の光を発光し、被照射面
での照射紫外線の強度が1mW/cm2以上になるよう
な紫外線照射装置を用いることができる。そして、前記
塗布膜に前記光源からの光を1秒〜数分間照射する。加
熱処理後の着色膜の中で露光領域は非露光領域とは異な
った光学特性を有している。
【0026】本発明の膜被覆液を塗布する基材として
は、ガラス、鏡、セラミックス、樹脂が好適に使用さ
れ、ガラス基材としては無着色で透明なソーダライム珪
酸塩ガラス組成のガラス基材のほかに、グリーン色に着
色されたガラスや、ブロンズ色に着色されたガラスおよ
び紫外線吸収能をもったガラス板を使用してもよい。紫
外線吸収能を持ったガラス基材としては、370nmの
波長の紫外光の透過率(T370nm)が0〜50%
で、可視光線透過率が30〜95%、太陽光線透過率が
30〜85%であり、厚みが1.0mm〜5.5mmの
紫外線赤外線吸収ガラス板が好ましく用いられる。この
ように紫外線吸収ガラス板に、本発明の膜形成用組成物
をコーティングすることにより、高い紫外線吸収能をも
った膜被覆ガラス基材が得られる。
【0027】本発明で使用するコーティング方法として
は、特に限定されるものではないが、例えばスピンコー
ト法、ディップコート法、スプレーコート法、印刷法等
が挙げられる。グラビアコート法、フレキソ印刷法、ロ
ールコート法、スクリーン印刷法などの印刷法は、生産
性が高くコーティング液組成物の使用効率がよいので好
適である。
【0028】本発明における珪素化合物、酸化チタン原
料および銀微粒子の原料の種類や混合割合は、溶剤およ
び酸化チタン原料と銀微粒子原料と珪素化合物の混和性
や安定性、光学的には色、機械的には耐摩耗性、化学的
耐久性を考慮して決定するのが好ましい。
【0029】次に、フォトマスクを用いてパターン着色
膜被覆物品を製造する場合について、以下に説明する。
前記着色膜被覆液は基材表面に塗布した後に、フォトマ
スクを前記塗布膜の上に配置して、前記塗布膜に紫外光
をフォトマスクを介して所定時間照射する。紫外線照射
によりフォトマスクの形状を正確に塗布膜面に露光、転
写させるために、フォトマスクをできるだけ膜面に近接
して配置することが好ましい。フォトマスクの場所的な
紫外線遮蔽率の差によって、塗布膜には、紫外光が多く
露光された領域と紫外光が少なく露光された領域(また
は非露光領域)が形成される。光が多く露光された領域
では、光が少なく露光された領域に比して、塗布膜中の
銀微粒子原料の内の大きい割合が光還元された銀微粒子
を形成する。その後の加熱処理過程において、酸化珪素
原料および酸化チタン原料が加水分解・縮合または熱分
解によって酸化珪素、酸化チタンが形成されるととも
に、少なく露光された領域(または非露光領域)に光還
元されずにそのまま存在していた銀微粒子原料が熱分解
されることにより、多く露光された領域での光還元銀微
粒子とは形態の異なる銀微粒子が形成される。その結
果、塗布膜には、マスクのパターンに対応して、光還元
銀微粒子の量と熱分解銀微粒子の量の割合が分布するよ
うになり、前記パターンに対応する透過光色調分布を有
する着色膜が得られる。銀微粒子含有着色膜において、
光照射部は光還元銀微粒子により黄色に着色するのに対
して未照射部は熱分解銀微粒子により茶色やグレイ等の
発色を示す。着色膜の露光領域と非露光領域においては
露光領域の方が非露光領域に比して短波長側に光吸収を
有する傾向にある。上記光還元銀微粒子により着色した
膜を無着色の透明ガラス板に被覆させた場合、この着色
被覆ガラス物品は、Lab表色系で表して、aが−2〜
5で、かつbが8〜20の範囲の色度およびLが40〜
86の明度で表される透過色を有する。
【0030】光照射のときに使用するフォトマスクは例
えばフレキソ版を作製するときに使うフィルムやスクリ
ーンフィルムおよびフォトマスク等を使用することがで
きる。このフォトマスクは紫外光を透過する領域と紫外
光を遮蔽する領域とからなり所定の文字、模様などを形
成するパターンを有するもの、紫外光の透過率が場所に
よって連続的にまたは不連続的に変化するようなパター
ンを有するもの等が用いられる。マスクとして、紫外線
に透明なフィルムの表面に、印刷により0.5〜100
μmの直径を有する多数の紫外線遮蔽領域を分布形成さ
せることにより、または紫外線を遮蔽するフィルムの表
面に0.5〜100μmの直径を有する多数の紫外線透
過孔を分布形成させることにより、マスクに微小な紫外
線透過領域と微小な紫外線遮蔽領域とからなるパターン
を形成させたものを好適に用いることができる。これら
のマスクを使用することにより100μm以下の解像度
のパターンを有する着色膜も作製することができる。
【0031】前記膜被覆液の銀化合物を含む組成におい
て、酸化チタン原料(TiO2換算)の含有量を同じに
保った場合に、チタンアルコキシドに代えて酸化チタン
微粒子を使用することによって、なぜ露光領域と非露光
領域の発色(透過光色度)の差が大きくなるかという理
由については次のように推察される。
【0032】まず、着色膜被覆液を塗布した後、光照射
しないで加熱処理した場合について説明する。前記膜被
覆液の銀化合物を含む組成において、酸化チタン原料と
して酸化チタン微粒子を用いて加熱処理をすると銀微粒
子に起因するプラズモン吸収は明瞭には確認されず、ブ
ロードな吸収スペクトルを示す。この原因として、着色
膜被覆液中に酸化チタン微粒子が存在すると、塗布膜が
加熱処理される際に、酸化チタン微粒子と銀イオンとの
相互作用により銀微粒子が大きく成長するためか、また
は酸化チタン微粒子と銀微粒子が複合微粒子を形成する
ことにより、特異な吸収を示すと推察される。
【0033】次に、着色膜被覆液を塗布した後、フォト
マスクを配置して光照射し、その後加熱処理する場合に
ついて説明する。塗布膜中の非露光領域については上記
と同じであるが、塗布膜中の露光領域の銀微粒子原料は
その場で銀微粒子に光還元される。フォトマスクとし
て、紫外光を透過する領域と紫外光を遮蔽する領域とか
らなり所定の文字、模様などを形成するパターンを有す
るもの、または紫外光の透過率が場所によって連続的に
または不連続的に変化するようなパターンを形成させた
ものを用いることにより、着色膜には前記パターンに対
応する連続状または不連続状の透過光色調分布が形成さ
れる。着色膜中の非露光領域の透過光の色調と露光領域
の透過光の色調との間の中間の透過光色調は、紫外線の
照射光量、照射時間などを調節することによっても得ら
れるが、以下に述べるように、CRTや液晶ディスプレ
イにおけるドットマトリックスに類似の混合方式によっ
て好適に得られる。マスクとして微小な紫外線透過領域
と微小な紫外線遮蔽領域とが隣接し、かつ連続している
パターンを形成させたものを用いた場合、着色膜上に
は、それぞれ上記微小紫外線透過領域に対応する部分の
着色(おそらく主として光還元による銀微粒子による)
および、上記微小紫外線遮蔽領域に対応する部分の着色
(おそらく主として熱還元銀微粒子による)が生じる。
そして各微小着色部分の個々は、その面積が非常に小さ
いため、拡大鏡なしの肉眼では判別して見ることができ
ないので、各着色部分の透過光を混合した色調として肉
眼で観察される。従ってフォトマスクの紫外線透過領域
と紫外線遮蔽領域の面積割合を変えることにより、得ら
れる透過光色調を調節することができる。このように、
着色膜被覆液の酸化チタン原料(TiO2に換算)中に
酸化チタン微粒子を好ましくは少なくとも50重量%存
在させることによって、パターンに対応する透過光色調
分布を有するパターン着色膜被覆物品が得られる。
【0034】もし、着色膜被覆液として、酸化チタン微
粒子を含まない酸化チタン原料を用い、フォトマスクを
配置して光照射し、その後加熱処理する場合でも、着色
膜の露光領域と非露光領域とで異なる透過光色調を示す
が、いずれも黄色の透過光色調であってグレー色の透過
光色調は得られない。
【0035】以上は、フォトマスクを用いて透過光色調
分布を有するパターン着色膜被覆物品を製造する場合に
ついて述べた。しかしこれに限らず、1個の基材上の塗
布膜には一定量の光照射を行い、基材ごとに光照射量を
変えることにより、同一の配合組成の着色膜被覆液を用
いて、異なる透過光色調を有する着色膜被覆物品を製造
することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体的な実施例に
よりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0037】[コーティング原液の調合] 酸化珪素原料:「エチルシリケート40」(コルコート
社製)62.6g、エチルセロソルブ55.04g、0.1モル/
L(0.1規定)の硝酸(HNO3)7.52gを取り2時
間攪拌した後、メチルトリエトキシシラン14.64g、エ
チルセロソルブ58.26g、0.1モル/Lの硝酸1.8gを
加えさらに2時間攪拌し、酸化珪素原料を作製した。
【0038】銀微粒子原料:エチレングリコールに硝酸
銀を銀に換算して20重量%になるように溶解したもの
を銀微粒子原料とした。 酸化チタン原料Cの調整:チタンイソプロポキシド1モ
ルに対してアセチルアセトン2モルでキレート化したも
のを酸化チタン原料Cとした。エチルセロソルブで希釈
してTiO2固形分で16.5重量%にした。
【0039】[実施例1、比較例1]上記酸化珪素原
料、酸化チタン微粒子(TiO2微粒子、平均粒径7n
m、石原産業製光触媒酸化チタン微粒子「STS-01」)、
酸化チタン原料C、溶剤(エチルセロソルブ)および銀
微粒子原料を表1に示す量を取って混合し、コーティン
グ液を調製した。なお、表1中、「EC」はエチルセロ
ソルブを表している。
【0040】上記作製したコーティング液を、厚み3.
4mmで10cm×10cmの寸法の無着色透明ガラス
基板(ソーダ石灰珪酸塩系フロートガラス、可視光線透
過率Ya 90.0%、太陽光線透過率Tg 81.7
%、紫外線透過率Tuv(ISO) 55.7%、可視光線
反射率 8.0%、Lab表色系で表した透過光の色度
・明度 a=−1.41、b=0.32、L=95.
1)上にグラビアコーティング装置で塗布した。風乾後
に、350℃で10分間加熱処理し、銀微粒子を生成さ
せ、銀微粒子分散着色膜を被覆したガラス板を得た。銀
微粒子分散膜の組成・屈折率・膜厚、着色膜付きガラス
板の各領域の可視光線透過率(Ya)、太陽光線透過率
(Tg)、紫外線透過率(Tuv)、可視光線反射率、
色(透過光)等の特性を表2〜4に示す。なお、膜厚は
触針計を用いて測定した。また可視光線透過率、太陽光
線透過率および可視光線反射率はJIS R 3106に
より、紫外線透過率はISO規格9050により、透過
色度および反射色度はJISZ 8729によりそれぞ
れ測定した。また膜の屈折率は銀微粒子を含まないマト
リックスの値であり、酸化チタンの屈折率を2.2、酸化
珪素の屈折率を1.46として算出した。
【0041】得られた着色膜は、実施例1ではグレー色
の透過色調を示したが、比較例1では黄色の透過色調を
示した。実施例1および比較例1ともに、耐水性、耐薬
品性、耐摩耗性について良好な結果を示した。
【0042】[実施例2] [フォトマスク1〜2の準備]120ポイントの大きさ
の太字英字「A」を黒色に印刷した10×10cmの紙
を複写機によりオーバーヘッドプロジェクター用プラス
チック透明シートに等倍率でコピーした。このコピーし
た透明シート(厚み0.2mm)をフォトマスク1とし
て用いる。フォトマスク1の英字「A」の字体の部分
(大パターン)は紫外線遮断領域であり、それ以外は紫
外線透過領域である。
【0043】また上記フォトマスク1において、英字
「A」の左半分は上記と同様に紫外線を遮断領域とし、
英字「A」の右半分は、その字体全面にわたって、2
8.2μmの直径の円形の多数の紫外線遮蔽ドットをド
ットの中心点間の距離が50μmになるように碁盤目状
の正方形格子の各交点の位置に印刷したものをフォトマ
スク2とした。フォトマスク2の英字「A」の右半分の
字体部分はその約50%の面積部分が紫外線を遮蔽し、
残りの約50%の面積部分は紫外線を透過するようにな
っている。
【0044】上記酸化珪素原料、酸化チタン微粒子(T
iO2微粒子、平均粒径7nm、石原産業製光触媒酸化
チタン微粒子「STS-01」)、溶剤(エチルセロソルブ)
および銀微粒子原料を表1に示す量を取って混合し、コ
ーティング液を調製した。
【0045】上記作製したコーティング液を、実施例1
で用いたのと同種の無着色透明ガラス基板上にグラビア
コーティング装置で塗布した。風乾後に、上記フォトマ
スク1を上記塗布面の上に約1mmの間隔を隔てて配置
し、このフォトマスク1を通して、USHIO−UV照
射装置(紫外線中心波長365nm)から紫外光を約3
0秒間光照射する。被照射面における紫外線の強度は1
0mW/cm2であった。
【0046】照射した後、350℃の温度で10分間加
熱処理し、「A」の字の部分(非露光領域)が灰色に、
そして「A」字以外の部分(露光領域)が黄色にそれぞ
れ着色された銀微粒子分散シリカ−チタニア膜をもつ着
色ガラス板を得た。銀微粒子分散膜の組成・屈折率・膜
厚、着色膜付きガラス板の各領域の可視光線透過率(Y
a)、太陽光線透過率(Tg)、紫外線透過率(Tu
v)、可視光線反射率、色(透過光)等の特性を表2お
よび5〜6に示す。試料は耐水性、耐薬品性、耐摩耗性
について良好な結果を示した。
【0047】次に、実施例2において用いたフォトマス
ク1の代わりにフォトマスク2を用いて実施例2と同様
に着色膜付きガラス板を製造した。このガラス板の透過
色は、「A」の字の左半分部分(非露光領域)がグレー
色に、「A」字以外の部分(露光領域)が黄色であるの
は実施例1と同じであったが、「A」の字の右半分部分
(半露光領域)は、薄い灰黄色に着色していた。この
「A」字右半分(半露光領域)を顕微鏡で観察すると、
フォトマスク2の直径28.2μmの紫外線遮蔽ドット
に対応する膜の直径約28μmの円形部分はグレー色に
着色され、そしてそのドットの周りの紫外線透過領域に
対応する膜部分は黄色に着色した形状が観察された。そ
してこれらのグレー色の透過光と同量の黄色の透過光が
混合して、肉眼では薄い灰黄色に見える。
【0048】[実施例3]0.5mmで10cm×10
cmの寸法の石英板の表面に、1〜50μmの直径の円
(または辺長さの正方形)からなる多数の紫外線遮蔽ド
ットをドットの中心点間の距離が50μmになるように
碁盤目状の正方形格子の各交点の位置に印刷し、これを
基板とする。石英基板の1端側ではドット直径は1μm
であり、この部分の紫外線透過面積率(紫外線透過面積
/マスク面積)は約100%であり、石英基板の他端側
では正方形ドットの辺長さは50μmであり、この部分
の紫外線透過面積率は約0%であり、石英基板の1端側
から他端側の方向に向かってドットの直径(または辺長
さ)が1μmから50μmへと徐々に大きくなるよう印
刷されている(小パターン)。従って紫外線透過面積率
は石英基板の1端側から他端側の方向に向かって100
%から0%まで徐々に変化させている。これをフォトマ
スク3として用いる。
【0049】9枚のフォトマスク4を次のように準備し
た。9枚の紫外線遮蔽フィルム(10cm×10cm)
の各表面に、[紫外線透過孔総面積]/[フォトマスク
面積]が10%きざみで10〜90%になるように、
6.3〜19μmの辺長さの正方形のいずれかからなる
多数の紫外線透過孔を孔中心点間の距離が20μmにな
るように碁盤目状の正方形格子の各交点の位置に開けら
れている。例えば[紫外線透過面積]/[フォトマスク
面積]が10%のフォトマスクは、6.3μmの辺長さ
の正方形の紫外線透過孔が上記格子の各交点の位置に開
けられている。
【0050】実施例1で用いたと同じ、コーティング
液、ガラス基板(10枚)、コーティング装置を用いて
塗布し、風乾後、10枚の試料に、実施例1と同じUV
照射装置で、9種の上記フォトマスク4をそれぞれ膜面
に近接配置して、紫外光を約30秒間光照射する。なお
ガラス基板1枚はマスク無しで照射した。
【0051】紫外線照射後の各試料を650℃の温度で
2分間加熱処理し、グレー色〜黄色にそれぞれ着色され
た10枚の銀微粒子分散シリカ−チタニア膜をもつガラ
ス板を得た。銀微粒子分散膜の組成・屈折率・膜厚、着
色膜付きガラス板の可視光線透過率(Ya)、太陽光線
透過率(Tg)、紫外線透過率(Tuv)、可視光線反
射率、色(透過光)等の特性を実施例1と同様に測定
し、その結果を表2および表7、8の番号3−2〜3−
11に示す。なお、例えば「紫外線照射」の欄の番号3
-2の値「10%」は上記マスクの[紫外線透過孔総面
積]/[マスク面積]が10%であることを表してい
る。照射される膜面の面積に対して紫外線露光面積が増
えるにしたがってグレー色から黄色に徐々に色調が変化
していくのがわかる。このことは露光領域の面積によっ
て透過色調が自由に制御できることを示している。
【0052】また、紫外線透過面積率を0〜100%ま
で徐々に変化させたフォトマスク3を用いて同様に着色
膜付きガラス板を製造した。このガラス板の透過色は、
対応するフォトマスク3の前記他端側(紫外線遮蔽面積
100%)から一端側(石英板の一端側、紫外線透過面
積100%)に向かって、グレー色〜薄灰黄色〜黄色と
徐々に変化するグラデーションの透過色調分布が得られ
た。フォトマスク3の前記他端側から一端側の方向に1
1の区画に区分しこの各区画に対応する着色膜付きガラ
スの各領域の光学特性は表7〜8の番号3-1〜3-11
に示す値と一致した。なお、例えば「紫外線照射」の欄
の番号3-2の値「10%」は上記フォトマスク3の紫
外線透過面積率10%に対応する膜部分を表している。
この方法を使えば自動車用シェードバンドや透過色調が
徐々に変化していくグラデーションを有するガラス板な
どが作製できる。
【0053】
【表1】 ────────────────────────────────── 酸化珪素 酸化チタン 酸化チタン 銀微粒子 EC 番号 原料(g) 微粒子(g) 原料(g) 原料(g) (g) ────────────────────────────────── 実施例1 52.6 5.32 0 10.2 3.19 比較例1 52.6 0 9.68 10.2 2.75 実施例2 52.6 5.32 0 10.2 3.19 ──────────────────────────────────
【0054】
【表2】 ───────────────────────────────── 膜組成(酸化物換算重量%) 膜厚 番号 SiO2 TiO2 Ag 屈折率 (nm) ───────────────────────────────── 実施例1 71.0 14.2 14.8 1.53 148 比較例1 71.0 14.2 14.8 1.53 142 実施例2 71.0 14.2 14.8 1.53 150 実施例3 71.0 14.2 14.8 1.53 140 ─────────────────────────────────
【0055】
【表3】 ────────────────────────────── 番号 Ya Tg Tuv 透過 透過色度明度 (%) (%) (%) 色調 (a/b/L) ────────────────────────────── 実施例1 64.9 63.6 38.3 グレー -1.9/2.2/84.0 比較例1 71.4 70.1 45.5 黄色 -0.7/7.2/84.9 ──────────────────────────────
【0056】
【表4】 ─────────────────────────────────── ガラス面 ガラス面 膜面 膜面 吸収ピーク 番号 反射率 反射色度 反射率 反射色度 波長 (%) (a/b) (%) (a/b) (nm) ─────────────────────────────────── 実施例1 6.8 -1.7/1.0 6.6 -1.5/4.5 急峻なヒ゜ークなし 比較例1 9.6 -2.5/8.5 11.4 -5.4/5.2 440 ───────────────────────────────────
【0057】
【表5】 ────────────────────────────── 番号 Ya Tg Tuv 透過 透過色度明度 (%) (%) (%) 色調 (a/b/L) ────────────────────────────── 実施例2 露光領域 65.2 65.0 37.8 黄色 -0.8/11.3/80.0 非露光領域 65.3 63.8 38.9 グレー -1.3/1.5/83.2 ──────────────────────────────
【0058】
【表6】 ─────────────────────────────────── 番号 ガラス面 ガラス面 膜面 膜面 吸収ピーク 反射率 反射色度 反射率 反射色度 波長 領域 (%) (a/b) (%) (a/b) (nm) ─────────────────────────────────── 実施例2 露光領域 6.3 -1.2/1.1 6.6 -1.6/3.8 441 非露光領域 6.5 1.2/1.1 5.1 -0.3/1.2 急峻なヒ゜ークなし ───────────────────────────────────
【0059】
【表7】 ───────────────────────────────── 番 紫外線 Ya Tg Tuv 透過色調 透過色度明度 号 照射 (%) (%) (%) (a/b/L) ───────────────────────────────── 実施例3 3-1 0% 64.5 63.2 38.3 グレー -0.7/1.8/82.9 3-2 10% 65.2 64.3 39.8 グレー -1.1/2.6/80.9 3-3 20% 64.6 63.3 39.3 灰黄 -1.2/3.4/81.6 3-4 30% 64.7 63.6 38.6 灰黄 -1.0/4.2/82.3 3-5 40% 64.9 64.6 39.2 灰黄 -0.9/-4.9/81.4 3-6 50% 64.8 64.3 38.9 黄灰 -1.4/6.0/80.3 3-7 60% 64.9 63.5 38.6 黄灰 -1.1/6.5/81.6 3-8 70% 65.2 63.8 38.5 くすんだ黄 -1.3/8.5/80.2 3-9 80% 65.7 64.4 38.5 くすんだ黄 -1.1/9.6/80.5 3-10 90% 66.0 64.8 38.7 黄色 -1.2/11.8/81.0 3-11 100% 66.3 65.2 38.6 黄色 -1.2/13.5/81.2 ─────────────────────────────────
【0060】
【表8】 ─────────────────────────────────── 番 紫外線 ガラス面 ガラス面 膜面 膜面 吸収ピーク 号 照射 反射率 反射色度 反射率 反射色度 波長 (%) (a/b) (%) (a/b) (nm) ─────────────────────────────────── 実施例3 3-1 0% 6.4 -1.2/1.4 6.1 -1.7/1.2 急峻なヒ゜ークなし 3-2 10% 6.4 -1.4/1.3 6.2 -1.9/1.6 急峻なヒ゜ークなし 3-3 20% 6.2 -1.1/0.9 5.9 -1.2/1.8 445 3-4 30% 6.3 -1.2/0.8 5.9 -1.1/1.9 443 3-5 40% 6.3 -0.9/0.9 5.8 -1.3/2.1 445 3-6 50% 6.6 -1.2/0.8 6.1 -0.7/2.4 442 3-7 60% 6.4 -1.5/0.7 6.2 -1.1/2.6 446 3-8 70% 6.4 -1.6/1.0 6.5 -1.3/2.9 446 3-9 80% 6.4 -1.4/0.7 6.5 -1.1/3.2 445 3-10 90% 6.4 -1.2/0.9 6.6 -1.4/3.3 445 3-11 100% 6.5 -1.5/0.7 6.7 -1.2/3.7 446 ───────────────────────────────────
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、グレー色
の透過色調を有する銀微粒子含有シリカ系着色膜を被覆
した物品が得られる。また本発明によれば、露光領域と
非露光領域の光学特性が異なり、また光照射のパターン
をグラデーションにすれば透過色調が徐々に変化したパ
ターン着色膜被覆物品を製造することができる。さらに
着色膜被覆液の組成を変化させることなく一定の組成の
着色膜被覆液を用いて、紫外線透過面積率の異なるフォ
トマスクを使用するだけで、それぞれ異なる透過色調を
有する複数の着色膜被覆物品を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/20 501 G03F 7/20 501 Fターム(参考) 2H095 BA07 BC04 2H097 CA12 FA05 GA00 HB03 LA17 4F100 AA17A AA19A AA20A AA21A AA23A AA24A AA25A AA27A AA28A AB24A AD00B AG00B AK01B AT00B BA02 DE01A EH462 EJ142 EJ422 EJ542 GB07 GB32 HB00A JD09A JL02 JL10A JN08 JN08A JN18 YY00A 4G059 AA01 AA11 EA04 EA05 EA18 EB09 4J038 DL021 DL031 DL071 DL081 DL091 DL121 DM022 HA066 HA216 HA476 KA20 NA01 NA17 PA19 PB05 PB07 PB08 PC03 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化珪素原料、酸化チタン原料および銀
    微粒子原料を含有する着色膜被覆液を基材表面に塗布
    し、加熱して、銀微粒子を含有するシリカ−チタニア系
    着色膜被覆物品の製造方法において、酸化チタンに換算
    して前記酸化チタン原料の少なくとも50重量%として
    酸化チタン微粒子を用いることを特徴とする着色膜被覆
    物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化珪素原料、酸化チタン微粒子を含む
    酸化チタン原料、および銀微粒子原料を含有する着色膜
    被覆液を基材表面に塗布し、フォトマスクを前記塗布膜
    の上に配置して、前記塗布膜に紫外光を照射し、その後
    に前記塗布膜を加熱する、前記フォトマスクのパターン
    に対応する透過光色調を有する着色膜被覆物品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記フォトマスクは微小な紫外線透過領
    域と微小な紫外線遮蔽領域とからなるパターンを有する
    請求項2に記載の着色膜被覆物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記着色膜被覆液は、固形成分の重量%
    で表して、 前記酸化珪素原料(SiO2に換算) 45〜93
    %、 前記酸化チタン原料(TiO2に換算) 3〜30%、 ただし酸化チタン原料(TiO2に換算)の少なくとも
    50重量%が酸化チタン微粒子である、および 前記銀微粒子原料(Agに換算) 6〜30% を主成分として含有する請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の着色膜被覆物品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記着色膜被覆液は、前記酸化珪素原
    料、前記酸化チタン原料、および前記銀微粒子原料の他
    に、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウ
    ム、酸化鉄、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化錫、酸化イ
    ンジウム、酸化アンチモン、酸化バナジウム、酸化クロ
    ム、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化セリウ
    ム、酸化ホウ素、酸化タンタル、酸化タングステンおよ
    び酸化イッテルビウムからなる群より選ばれる少なくと
    も1種の酸化物の原料を、それぞれCo34、Zr
    2、Al23、Fe23、Bi23、ZnO、Sn
    2、In 23、Sb23、V25、Cr23、Cu
    O、MnO、NiO、Ce23、B23、Ta25、W
    3におよびYb23に換算して、合計で15重量%以
    下含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色膜
    被覆物品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化チタン微粒子は100nm以下
    の平均粒子径を有する請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の着色膜被覆物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基材はガラス、セラミックス、また
    は樹脂からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の着
    色膜被覆物品の製造方法。
  8. 【請求項8】 銀微粒子を含有する酸化珪素−酸化チタ
    ン系の着色膜を被覆してなる着色膜被覆物品において、
    前記着色膜は、少なくとも、主として紫外線により還元
    された銀微粒子を含有し黄色系の透過色調を有する微小
    な第一着色領域と、主として熱で還元された銀微粒子を
    含有しグレー系の透過色調を有する微小な第二着色領域
    とを、隣接して有していることを特徴とする着色膜被覆
    物品。
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CN107325717A (zh) * 2016-04-29 2017-11-07 上海大学 一种溶剂型智能温控涂料组合物及其制备方法和应用

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