JPH1111985A - 紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品 - Google Patents

紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品

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JPH1111985A
JPH1111985A JP16221597A JP16221597A JPH1111985A JP H1111985 A JPH1111985 A JP H1111985A JP 16221597 A JP16221597 A JP 16221597A JP 16221597 A JP16221597 A JP 16221597A JP H1111985 A JPH1111985 A JP H1111985A
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film
coated
glass article
colored film
ultraviolet
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JP16221597A
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Mitsuhiro Kawazu
光宏 河津
Taro Miyauchi
太郎 宮内
Katsuhiko Kinugawa
勝彦 衣川
Toshifumi Tsujino
敏文 辻野
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色調、紫外線透過率および可視光透過率を制
御した紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品を提供する。 【解決手段】 重量%で表して、酸化珪素 5〜50、
酸化チタン 20〜70、酸化セリウム 25〜75を
主成分として含有する紫外線吸収膜をガラス基材表面に
被覆し、さらに前記紫外線吸収膜の上に、重量%で表し
て、酸化珪素 55〜90、酸化チタン 1.0〜1
0、酸化セリウム 1.0〜15、着色用金微粒子 5
〜20を含有する、前記紫外線吸収膜の屈折率よりも低
い屈折率を有する上層を形成してなる、可視光透過率が
70%以上である紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収着色膜
を被覆されたガラス物品、特に自動車などの車両用や建
築物の窓などに使用される紫外線吸収着色膜が被覆され
たガラス板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】着色ガラスを得る方法として、銀や銅の
無機塩をガラス表面に塗布した後に焼成することによ
り、銀や銅の微粒子がガラス基板内に浸透し、透明にコ
ロイド発色させるイオン交換法、または金属アルコキシ
ド溶液に金イオンを混ぜて基板に塗布後、熱処理するこ
とにより金微粒子を析出させるものがある。また他に
は、スパッタリング法を用いてガラス基板上に蒸着した
金属の膜を作製する方法がある。
【0003】一方、紫外線吸収膜については、紫外線吸
収成分である酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなど
の金属酸化物をゾルゲル法やスパッタリング法を用いて
ガラス基板上に形成する方法、例えば重量比でCe
2:TiO2:SiO2 を64:18:18の割合で含
有する紫外線吸収膜を、ゾルゲル法でガラス基板上に形
成することが、特開平6−192598号に記載されて
いる。
【0004】上記の膜は着色されているが紫外線吸収性
能を有しないか、または紫外線吸収性能を有するが着色
されていないものである。また、特開平6−19189
6号には、酸化珪素、酸化チタンおよび金微粒子を含有
する着色膜、例えば好ましい組成として、TiO2
5〜3重量%、SiO2 40〜0重量%、Au 5〜
60重量%の範囲の着色膜を被覆されたガラス物品が記
載されている。しかしこの着色膜被覆ガラス物品は、T
iO2 含有量が多くないときには紫外線遮断性能が充分
でなく、またTiO2 含有量が多くすれば高い紫外線遮
断性能が得られ、青色〜ピンク色に着色するものの、そ
の透過光色調および紫外線透過率、そして可視光透過率
を自由に制御することができない。
【0005】また最近ではフロート法においても、セリ
ウムイオンなどにより紫外線カット性が飛躍的に改善さ
れたガラス基板も生産され、自動車ガラス等に積極的に
利用されてきている。ところが紫外線カット性を有する
ガラス基板の種類はまだ少なく、一方、市場では種々の
機能、色を有するガラス板が要求されている。
【0006】本願出願人による出願、特願平8−392
26号では、酸化珪素を主成分とし、金微粒子を含有さ
せた薄膜をガラス基板にコーティングすることにより、
種々の色を有するガラスを得ている。また同じく特願平
8−339412号では、紫外線吸収膜と金微粒子含有
膜を複合化した薄膜をガラス基板にコーティングするこ
とにより、紫外線遮断性能を付与し、しかも種々の色を
有するガラス物品が得られている。このなかでグリーン
色(緑色)に着色されたガラス基板にピンク色の着色膜
をコーティングし、補色の関係でグレイ(灰色)の透過
色を有する着色ガラス物品が得られている。このガラス
物品は基板にグリーン色着色ガラス基板を使用している
ので、従来のグレイ着色のガラス板よりも優れた熱線、
紫外線カットの性能を有している。
【0007】しかし、このグリーン着色ガラス基板に上
記薄膜をコーティングしたガラス板では可視光透過率が
低くなりやすく、自動車用ガラス窓、特に運転者の視界
を確保する観点から法制上70%以上の可視光透過率が
要求されるフロントドア、ウィンドシールドにはこれを
適用することは容易ではなかった。また上記特願平8−
339412号にはグリーン基板の上に紫外線吸収膜を
コーティングした後、さらにその上にピンク色の着色膜
をコーティングした実施例が記載されているが、紫外線
カット性は上昇するものの、グレイ色からはずれた透過
色のものしか得られなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解決し、色調、紫外線透過率および可視光透過率
を制御した紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、酸化
珪素を主成分として金微粒子の着色を利用する膜組成に
おいて、酸化チタンおよび酸化セリウムを少量添加する
ことを特徴とした紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品であ
る。
【0010】すなわち本発明は重量%で表して、 酸化珪素 5〜50、 酸化チタン 20〜70、 酸化セリウム 25〜75、 を主成分として含有する紫外線吸収膜をガラス基材表面
に被覆し、さらに前記紫外線吸収膜の上に、重量%で表
して、 酸化珪素 55〜90、 酸化チタン 1.0〜10、 酸化セリウム 1.0〜15、 着色用金微粒子 5〜20、 を含有する、前記紫外線吸収膜の屈折率よりも低い屈折
率を有する上層を形成してなる、可視光透過率が70%
以上である紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品である。
【0011】本発明における上記紫外線吸収膜(下層)
の組成の各成分について、以下に説明する。酸化珪素は
膜の強度を保つために必要であり、その含有量があまり
低すぎると膜の強度が低くなり、また紫外線吸収着色膜
被覆ガラス物品の可視光反射率が高くなり過ぎる。逆に
多すぎると紫外線吸収性能が低下する。従って、酸化珪
素の含有量はSiO2 に換算して5〜50重量%であ
り、好ましくは10〜30重量%である。
【0012】酸化チタンは、酸化珪素および酸化セリウ
ムを含む膜の成膜のために必要であり、その含有量があ
まり低すぎると、膜の成膜性および透明性が低下すると
共に、紫外線吸収能も低下する。逆に多すぎると膜の屈
折率が上昇し可視光反射率が高くなりすぎる。従って、
酸化チタンの含有量はTiO2 に換算して20〜70重
量%であり、好ましくは25〜50重量%、更に好まし
くは28〜40重量%である。
【0013】酸化セリウムは、紫外線を吸収するために
必要な成分であり、その含有量があまり低すぎると、紫
外線吸収能が低下する。逆に多すぎると膜の透明性が低
下し成膜性が低下し膜の耐久性も低下する。従って、酸
化セリウムの含有量は、CeO2 に換算して25〜75
重量%であり、好ましくは25〜60重量%、更に好ま
しくは40〜57重量%である。
【0014】紫外線吸収膜の厚みは、あまり小さすぎる
と紫外線吸収能が低くなり、逆にはあまり大きすぎると
膜強度が低下するので、60〜250nmの厚みとする
ことが好ましく、より好ましくは90〜200nm、さ
らに好ましくは110〜160nmである。また紫外線
吸収膜は、1.63〜2.20の屈折率(632.8n
mの波長の光に対する値。以下屈折率の値は特に断らな
い限り、この波長での値とする)を有する。
【0015】次に、上記紫外線吸収膜の上に形成させ
る、酸化珪素を主成分とする上層について説明する。上
層は、酸化珪素、酸化チタン、酸化セリウム、および金
の着色用微粒子を含有し、前記紫外線吸収膜の屈折率よ
りも低い屈折率を有する。酸化珪素は膜を金微粒子によ
り赤系に発色させるための低屈折率材料として必要であ
り、その含有量があまり少なすぎると金微粒子の発色が
青系にシフトし、所望の色調が得られない。従って酸化
珪素の含有量は、SiO2 に換算して、55〜90重量
%、好ましくは65〜90重量%、さらに好ましくは7
5〜90重量%である。
【0016】また酸化チタン、および酸化セリウムは、
最上膜の屈折率を調節することにより金微粒子のプラズ
モン吸収を変化させて微妙な色調を調節する色調調節剤
として作用するばかりか、金微粒子を膜内に均一に分散
させて担持させる作用も合わせ持っている。すなわち、
もし酸化珪素100%の下地膜の上にゾルゲル法により
金微粒子および酸化珪素のみを含有する上層膜を形成さ
せる場合には、金微粒子は上層膜内で均一に分散し所望
の発色を生じる。
【0017】しかし下地が酸化チタンおよび酸化セリウ
ムを含有する上記紫外線吸収膜の上に金微粒子および酸
化珪素のみを含有する上層膜をゾルゲル法により形成さ
せようとすると、原因は解明されていないが、上層膜中
での金微粒子の均一析出が行われ難くなって、金粒子の
直径が大きくなったり、金が膜中に均一に分散せずに膜
の下地側表面に偏って析出したりする結果、金微粒子に
よる発色が不十分となりやすくなる。
【0018】本発明においては、金および酸化珪素を含
む上層中に酸化チタンおよび酸化セリウムを含有させる
ことにより、金微粒子を上層中で均一に析出させること
ができるようになり所望の金微粒子による発色が得られ
る。しかし酸化チタンおよび酸化セリウムの含有量が大
きすぎると、上層の屈折率が高くなり、紫外線吸収着色
膜被覆ガラス物品の可視光の反射率を低くすることがで
きなくなる。従って酸化チタン含有量はTiO2 に換算
して1.0〜10重量%、より好ましくは1.0〜8重量
%、さらに好ましくは1.3〜5重量%であり、酸化セ
リウム含有量はCeO2に換算して1.0〜15重量%、
好ましくは1.5〜10重量%、さらに好ましくは2.
0〜7重量%である。
【0019】金微粒子は、上述のように上層に赤色の着
色を付与するために必要であり、化学的に安定であり、
微粒子を比較的に容易に作製できる。その含有量があま
り低すぎると充分な着色が得られず、逆に多すぎると膜
の耐久性が低下する。従って、上記着色用金微粒子の含
有量は5〜20重量%であり、好ましくは5〜17重量
%、さらに好ましくは8〜14重量%である。
【0020】上層の屈折率は、あまり高いと下記に述べ
るように可視光反射率を低くすることができないので、
1.40〜1.60で、かつ上記紫外線吸収膜の屈折率
よりも少なくとも0.10、より好ましくは少なくとも
0.2以上低い値になるように、酸化珪素に酸化チタン
および酸化セリウムを添加して調節される。より好まし
い上層の屈折率の値は1.45〜1.55である。そし
て上層の厚みは、あまり小さすぎると着色用金微粒子の
保持能力が低くなり、逆にあまり大きすぎると膜にクラ
ックが入ったり、焼成時に基板ガラスに反りなどの変形
が生じやすくなるので、30〜120nmの厚みとする
ことが好ましく、ガラス面側から投射される光の反射色
が中性灰色にできるだけ近くなるように、45〜100
nmの厚みとすることがより好ましく、さらに好ましく
は50〜90nmである。紫外線吸収膜の屈折率よりも
低い屈折率を有する上層着色膜を前記紫外線吸収膜の上
に設けることにより、可視光の反射率を低くすることが
でき、またガラス面側から投射される光の反射色調を中
性灰色に近い色になるように、調節することができる。
【0021】低屈折率上層の屈折率をn2、紫外線吸収
膜の屈折率をn1、空気の屈折率をn3とすると、屈折率
についての無反射条件はn2=(n1×n31/2であり、
3=1であるから、無反射条件はn2=n1 1/2 とな
る。低屈折率上層の屈折率n2 はこの式から若干外れて
いても反射防止効果は大きく、従って、n2 は紫外線吸
収膜の屈折率の平方根の90〜117%、すなわち、
【数1】 1.17×n1 1/2≧n2≧0.90×n1 1/2 (1) の式(1)を満足することが好ましく、より好ましくは
95〜114%である。そして紫外線吸収膜の屈折率
は、低屈折率上層との無反射条件を得るために1.80
以上であることが好ましい。
【0022】上記着色用金微粒子は、そのマトリックス
の屈折率の値によって異なる着色を示し、マトリックス
の屈折率が高くなれば青色に近い色に着色し、マトリッ
クスの屈折率が低くなればピンク色に近い色に着色す
る。ここで低屈折率上層に金微粒子を含有させた場合膜
自体としては赤系の着色を示す。従って紫外線吸収膜と
着色膜が被覆されたガラス物品としては基板それ自体の
色と着色膜の色が複合された色を示す。
【0023】上記二層構造を有する紫外線吸収着色膜を
有するガラス板が自動車窓に、ガラス板の被覆表面が車
内側になるように、取り付けられた場合、車内側から見
た可視光反射率があまり高いと内装材の映り込みなどに
より運転者の視界を妨害するおそれがあるので、ガラス
板の被覆表面側から光を入射したときの可視光の反射率
は、約20%以下でできるだけ小さい方が好ましく、1
5%以下、更に10%以下であることがより好ましい。
また車外側から見た可視光反射率があまり高いとぎらぎ
らした外観となるので、ガラス板の被覆表面とは反対の
側から光を入射したときの可視光の反射率は、約20%
以下でできるだけ小さい方が好ましく、15%以下、更
に10%以下であることがより好ましい。
【0024】上記の紫外線吸収膜および低屈折率上層の
屈折率の組み合わせによりこの被覆表面側およびガラス
面側の可視光の反射率を低くすることができ、従って7
0%以上の可視光透過率を有する紫外線吸収着色膜被覆
ガラス板が得られる。そして反射色調、特にガラス板の
被覆表面とは反対のガラス面側から光を入射したときの
反射色調(車外から見たガラス板の色調)は中性灰色に
近いことが外観上好ましく、Lab表色系でaおよびb
の値から計算される(a2+b21/2 の値(彩度)が1
0以下であることが好ましく、より好ましくは8.0以
下、更に好ましくは5.0以下である。
【0025】また、本発明におけるガラス基材として、
グリーン色に着色された1.5〜5.5mmの厚みの透
明ガラス基板を用いることにより、中性灰色に近い透過
色をもつ紫外線遮断および熱線遮断ガラス板が得られ
る。
【0026】その一例として、Lab表色系で−7.0
〜−3.0のaの値と、−1.0〜4.0のbの透過光
色度を有するグリーン着色ガラス板と組み合わせること
により、中性灰色に近い透過色、特にLab表色系で表
して、透過光色度aおよびbの値から計算される透過光
彩度(a2+b21/2 の値が5.0以下である透過色を
有する紫外線吸収着色被覆ガラス板が得られる。着色膜
自体は金微粒子による赤系の着色を示すが、この色と補
色関係にあるガラス基板のグリーン色とが複合されて、
中性灰色に近い着色の着色被覆ガラス板が得られる。
【0027】しかも基板として紫外線遮断性能および熱
線遮断性能を有するガラス板を用いることにより、従来
のグレイ系ガラスにはないUVカット機能付き高性能グ
レイ系ガラス板が得られる。もし着色膜の屈折率が大き
くなりすぎると膜自体は青系の着色を示し、上記グリー
ン色のガラス基板と組み合わせても、中性灰色に近い色
は得られず、もっと青緑色になる。
【0028】本発明における紫外線吸収膜および上層膜
を形成する、酸化珪素、酸化チタン、および酸化セリウ
ムの原料としては、ゾルゲル法により透明な膜を形成で
きるものなら何でもよく、以下に具体的に述べる。
【0029】酸化珪素の原料としては、金属アルコキシ
ドが好適で、例えばテトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シランなどが挙げられる。またこれらの縮合体(n≧
2)、もしくは縮合体の混合物も好便に用いられる。た
とえば縮合体としては、ヘキサエトキシジシロキサン
(n=2)、オクタエトキシトリシロキサン(n=
3)、デカエトキシテトラシロキサン(n=4)、エト
キシポリシロキサン(n≧5)などが使用できる。単量
体(n=1)と縮合体(n≧2)の混合物からなるエチ
ルシリケート40〔組成は、J.Cihlarの文献、
Colloids and Surfaces A : Physicochem. Eng.Aspects
70 (1993年) 253頁から268頁に記載されており、重量
分率で単量体(n=1):12.8重量%、2量体(n
=2):10.2重量%、3量体(n=3):12.0
重量%、4量体(n=4):7.0重量%、多量体(n
≧5):56.2重量%、エタノール:1.8重量%)
である〕などが好適に使用できる。
【0030】また上記化合物のアルコキシ基が、アルキ
ル基と置換されたアルキルトリアルコキシシランなども
使用可能である。例えば、アルコキシ基がメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、
オクチル基などの直鎖状、あるいは分岐状のアルキル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロア
ルキル基、ビニル基、アリル基、γ−メタクリロキシプ
ロピル基、γ−アクリロキシプロピル基などのようなア
ルケニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基など
のアリール基、ベンジル、フェネチル基などのアラルキ
ル基またはγ−メルカプトプロピル基、γ−クロロプロ
ピル基、γ−アミノプロピル基などに置換されたものが
例示できる。
【0031】酸化チタンの原料としては、チタンアルコ
キシド、チタンアセチルアセトネート、チタンカルボキ
シレートのようなチタンの有機化合物が好適に使用され
る。チタンアルコキシドとしては、一般にTi(OR)
4 (Rは炭素数4までのアルキル基)で表わされるが、
反応性から考えて、チタンイソプロポキシド、チタンブ
トキシドが望ましい。また、チタンの場合にはアセチル
アセトネートを用いた方が、その安定性から好ましいこ
とも従来から知られている。この場合には一般式とし
て、Ti(OR)mLn(m+n=4,n≠0)で表わさ
れるが、Lがアセチルアセトンである。この場合には、
チタンアルコキシドをアセチルアセトンによってアセチ
ルアセトネート化しても構わないし、市販のチタンアセ
チルアセトネートを使用しても構わない。更には、カル
ボン酸塩を使用することも考えられる。
【0032】また酸化セリウムの原料としては、セリウ
ムアルコキシド、セリウムアセチルアセトネート、セリ
ウムカルボキシレートなどのセリウム有機化合物が好適
に使用することができる。その他に、硝酸塩、塩化物、
硫酸塩等のセリウム無機化合物も使用することができる
が、安定性、入手の容易さからセリウムの硝酸塩及びセ
リウムアセチルアセトネートが好ましい。
【0033】本発明で使用される着色用金微粒子の原料
としては、塩化金酸のような塩化物が適当であるが、安
定で可溶性であれば特に限定しない。
【0034】酸化珪素原料、酸化チタン原料、および酸
化セリウム原料としてアルコキシド類を用いる場合、そ
の加水分解触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機
酸類、酢酸、しゅう酸、蟻酸、プロピオン酸、p−トル
エンスルホン酸などの有機酸類が用いられる。
【0035】上記紫外線吸収膜および上層を被覆させる
コーティング液は、各原料をそれぞれ溶媒に溶解してお
き、それらを所定の割合で混合することにより得られ
る。
【0036】本発明で使用される溶媒である有機溶剤は
膜形成方法に依存する。例えば、グラビアコート法、フ
レキソ印刷法、ロールコート法の有機溶剤は蒸発速度の
遅い溶媒が好適である。これは蒸発速度が速い溶媒で
は、十分にレベリングが行われないうちに溶媒が蒸発し
てしまうためである。溶媒の蒸発速度は、酢酸ブチルの
それを100とした相対蒸発速度指数で一般的に評価さ
れている。この値が40以下の溶媒は“きわめて遅い”
蒸発速度をもつ溶媒として分類されており、このような
溶媒がグラビアコート法、フレキソ印刷法、ロールコー
ト法の有機溶媒として好ましい。例えば、エチルセロソ
ルブ(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ブチ
ルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテ
ル)、セロソルブアセテート(エチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート)、カルビトール(ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル)、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコールなどが挙げられる。
【0037】本発明に使用されるコーティング液の溶媒
は、このような溶媒を少なくとも1種含むことが望まし
いが、コーティング液の粘度、表面張力などを調節する
ために、上記の溶媒を複数用いても構わない。また蒸発
速度が速くて100を越える相対蒸発速度を有する溶
媒、例えばメタノール(610)、エタノール(34
0)、n−プロパノール(110)、イソプロパノール
(300)のような溶媒を、上記の40以下の相対蒸発
速度指数を有する溶媒に添加してもよい。
【0038】本発明で使用するコーティング方法として
は、特に限定されるものではないが、例えばスピンコー
ト法、ディップコート法、スプレーコート法、印刷法等
が挙げられる。特に、グラビアコート法、フレキソ印刷
法、ロールコート法、スクリーン印刷法などの印刷法
は、生産性が高くコーティング液組成物の使用効率がよ
いので好適である。
【0039】上記紫外線吸収膜用コーティング液は、上
記コーティング法によりガラス基材上に塗布され、その
後、酸化性雰囲気下、100℃〜400℃の温度で5〜
200分熱処理し、次に上層用着色膜用コーティング液
を上記コーティング法により塗布し、後は同様に、酸化
性雰囲気下、100℃〜400℃の温度で5〜200分
熱処理して上層膜中に着色用金微粒子を析出させる。更
に、500〜700℃以上の温度で10秒〜5分間焼成
することにより、紫外線吸収膜およびその上の上層着色
膜が形成される。
【0040】上記紫外線吸収膜コーティング液を塗布、
乾燥し、さらに上層用コーティング液を塗布、乾燥した
ガラス板に、必要に応じてマスキング塗装をした後、曲
げおよび/または熱強化工程を行う場合には、上記膜焼
成はこの曲げおよび/または熱強化工程で兼用すること
ができ、特別な膜焼成は不要である。
【0041】これらチタン、セリウム、珪素の原料の種
類や混合割合は、溶剤、着色用金微粒子の混和性や安定
性を、光学的には屈折率、色、反射色調を、機械的には
耐摩耗性、化学的耐久性をそれぞれ考慮して決定するの
が好ましい。
【0042】本発明において、ガラス基材として着色さ
れた透明なソーダライム珪酸塩ガラス組成を有する、強
化されていないガラス板、強化ガラス板、合わせガラス
板、複層ガラス板等が用いられ、好ましくは熱線を遮断
する着色ガラス板で、その透過光が、Lab表示で−
9.0〜−2.0のaの値と、−4.0〜4.0のbの
色度、より好ましくは−7.0〜−3.0のaの値と、
−1.0〜4.0のbの色度を有し、薄緑色に着色さ
れ、370nmの波長の紫外線の透過率が10〜70%
で、太陽光線透過率(日射透過率ともいう)が20〜8
0%であり、厚みが1.5〜5.5mmの自動車窓用ガ
ラス板が好ましく用いられる。
【0043】本発明においては、金微粒子による着色と
紫外線吸収剤による紫外線遮断を組み合わせることによ
り、透過色は中性灰色で可視光透過率が70%以上で、
太陽光線透過率が55%以下であり、また紫外線透過率
(ISO 9050による値。以下、単にTuvと略称す
る)が12%以下である紫外線遮断着色ガラスを作製す
ることができる。また二層コーティングにより、膜構成
による干渉を利用した反射率の制御、微妙な色調調整を
実現することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体的な実施例に
より更に詳細に説明する。
【0045】[実施例1〜11]硝酸セリウム6水和物
をCeO2 固形分で23.2%になるようにエチルセロ
ソルブ(EC)に加えた後、90℃に加温し一時間処理し
た。この溶液を硝酸セリウム原液とした。
【0046】攪拌しているチタンイソプロポキシド1モ
ルに、アセチルアセトン2モルを滴下ロートで滴下し
た。この溶液を酸化チタン原液とした。これはTiO2
固形分で16.5%になる。
【0047】エチルシリケート(コルコート社製「エチ
ルシリケート40」)50gに、0.1N塩酸6gとエ
チルセロソルブを44g加え、室温で2時間攪拌した。
この溶液を酸化珪素原液とした。これはSiO2 固形分
で20%になる。塩化金酸4水和物を10重量%になる
ようにエチルセロソルブに溶解して塩化金酸原液とし
た。
【0048】上記の硝酸セリウム原液、酸化チタン原
液、および酸化珪素原液をそれぞれ表1に示す量取って
混合し、最後にエチルセロソルブを表1に示す量加え、
酸化物固形分がいずれも8.5重量%である3種のコーテ
ィング液1A〜1Cを調製した。これは表1に示すよう
に実施例1〜11に使用する。
【0049】また硝酸セリウム原液0.05g、酸化チタン
原液0.05g、および酸化珪素原液1.90gを混合し、エチル
セロソルブ(EC)6.70g加え、最後に塩化金酸原液1.3
gを加えてコーティング液2Aを調合した。
【0050】更に硝酸セリウム原液0.13g、酸化チタン
原液0.12g、および酸化珪素原液2.25gを混合し、エチル
セロソルブ6.3g加え、最後に塩化金酸原液1.2g を加え
てコーティング液2Bを調合した。
【0051】上記調製したコーティング液1A〜1Cを
厚み4.9mmで10cm×10cmの寸法のグリーンガラス
基板(ガラス組成(重量%); SiO2 71.0、Al23
1.53、Fe23 0.52、CaO 8.62、MgO 4.0
6、Na2O 12.3、 K2O 0.76、屈折率1.51、可視光透
過率Ya=76.0%、太陽光線透過率Tg=51.6%、紫外線透過
率(Tuv(ISO))24.3%、可視光反射率 Rg=6.9%、透過色
調;緑、Lab表色系の色度で表して透過光色度a=-6.5、b
=0.5、透過光主波長(C光源)500nm、透過光刺激純度Pe
(C光源)2.49%、反射光色度a=-1.7、b=-0.7)の片側表
面上に回転数1500rpmで15秒間スピンコーティングを行
った。
【0052】上記第1層をコーティングしたガラス基板
を風乾後、250℃で2時間熱処理した後、上記第1層
の上に、実施例1〜9についてはコーティング液2A
を、また実施例10および11についてはコーティング
液2Bを、それぞれ表2に示すように各実施例に応じて
回転数1200〜2000rpm で15秒間スピンコーティングして
第2層を形成した。風乾後250℃で2時間熱処理し、
第2層中の金微粒子を析出させた。さらに720℃で1
20秒焼成を行い、透過色がグレイな色調を有する紫外
線吸収着色膜被覆ガラス板を得た。
【0053】このガラス板について、第1層である紫外
線吸収膜(下層)および第2層である着色膜(上層)の
膜組成、膜厚、および屈折率を表3に示し、可視光透過
率Ya、太陽光線透過率Tg、紫外線透過率Tuv、 L
ab表示による透過光の色度a,b(透過色度)、透過
光彩度(a2+b21/2を表4に示し、それぞれガラス
面側(紫外線吸収着色膜が被覆された面とは反対側)か
ら光を投射したときの、可視光反射率(ガラス面可視光
反射率)、反射光のLab表示による色度a,b(ガラ
ス面反射色度)、および反射光の彩度(a2+b21/2
(ガラス面反射彩度)、 ならびに、それぞれ紫外線吸
収着色膜面側から光を投射したときの、可視光反射率
(膜面可視光反射率)、および反射光のLab表示によ
る色度a,b(膜面反射色度) を表5に示す。得られた
紫外線吸収着色膜は耐薬品性、耐摩耗性について良好な
結果を示した。なお膜厚は触針計を用いて測定した。ま
た可視光透過率、太陽光線透過率、可視光反射率はJI
S R 3106により、紫外線透過率はISO 905
0により、 透過色度および反射色度はJIS Z 87
29によりそれぞれ測定した。
【0054】得られた紫外線吸収着色膜被覆ガラス板
は、70%以上の可視光透過率、12%以下の紫外線透
過率Tuv、55%以下の太陽光線透過率Tg、7%以下
のガラス面可視光反射率、9%以下の膜面可視光反射率
を有し、その色調については透過光彩度は、5.0以下
であり、 ガラス面反射光彩度は5%以下であって、透
過色調およびガラス面反射色調はともにグレイ色を示し
ていることがわかる。
【0055】
【表1】 ==============================コーティク゛ 実施例 酸化珪素 酸化チタン 酸化セリウム EC 液 番号 原液(g) 原液(g) 原液(g) (g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1A 1〜4,10,11 0.99 1.59 1.68 5.74 1B 5〜6 0.83 1.76 1.87 5.49 1C 7〜9 0.56 1.80 1.90 5.74 ==============================
【0056】
【表2】第2層被覆条件 ========= 実施例 スヒ゜ン条件 番号 (rpm) −−−−−−−−− 1 1400 2、5、8 1600 3、10 1800 4、6、9、11 2000 7 1200 =========
【0057】
【表3】 ==================================== 実施例 第1層(下層) | 第2層(上層) 番号 SiO2 TiO2 CeO2 膜厚 屈折率|SiO2 TiO2 CeO2 Au 膜厚 屈折率 (wt%) (wt%)(wt%) (nm) |(wt%) (wt%)(wt%)(wt%) (nm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 23.2 30.8 45.7 130 1.87 84.3 1.9 2.8 11.0 68 1.48 2 23.2 30.8 45.7 130 1.87 84.3 1.9 2.8 11.0 62 1.48 3 23.2 30.8 45.7 130 1.87 84.3 1.9 2.8 11.0 57 1.48 4 23.2 30.8 45.7 130 1.87 84.3 1.9 2.8 11.0 53 1.48 5 19.5 32.3 48.2 130 1.91 84.3 1.9 2.8 11.0 62 1.48 6 19.5 32.3 48.2 130 1.91 84.3 1.9 2.8 11.0 53 1.48 7 13.1 34.9 52.0 120 1.97 84.3 1.9 2.8 11.0 72 1.48 8 13.1 34.9 52.0 120 1.97 84.3 1.9 2.8 11.0 62 1.48 9 13.1 34.9 52.0 120 1.97 84.3 1.9 2.8 11.0 53 1.48 10 23.2 30.8 45.7 130 1.87 80.8 3.6 5.3 10.3 73 1.50 11 23.2 30.8 45.7 130 1.87 80.8 3.6 5.3 10.3 67 1.50 ====================================
【0058】
【表4】 ================================== 実施 可視光 太陽光線 紫外線 透過光色度 透過光 例 透過率 透過率 透過率 a/b 彩度 番号 Ya(%) Tg(%) Tuv(%) (a2+b2)1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 70.9 49.5 10.3 -3.36/ 0.67 3.43 2 71.3 49.7 10.6 -3.06/-0.05 3.06 3 71.2 49.8 10.7 -2.66/-0.39 2.69 4 71.3 48.5 11.0 -2.45/-0.56 2.51 5 71.3 48.7 9.8 -1.79/ 0.19 1.80 6 71.7 48.9 9.9 -1.88/ 0.80 2.04 7 70.4 48.9 10.1 -2.27/ 0.05 2.27 8 71.3 49.3 10.3 -1.58/-0.54 1.67 9 71.9 49.5 10.5 -1.77/ 0.08 1.77 10 72.2 48.8 10.0 -3.88/ 1.19 4.06 11 72.6 49.3 10.2 -3.53/ 0.46 3.56 ==================================
【0059】
【表5】 ================================== 実施例 ガラス面 ガラス面 ガラス面 膜面 膜面 番号 可視光 反射色度 反射彩度 可視光 反射色度 反射率 a/b (a2+b2)1/2 反射率 a/b (%) (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 6.15 3.55/-0.58 3.60 6.39 0.56/5.27 2 6.44 1.27/ 1.45 1.93 6.97 -2.99/7.86 3 6.76 -0.72/ 2.98 3.07 7.59 -5.96/9.52 4 6.92 -2.22/ 3.30 3.98 8.06 -7.89/9.62 5 6.49 -1.34/ 2.18 2.56 7.16 -8.41/7.82 6 6.44 -2.87/ 0.31 2.89 7.53 -10.26/5.22 7 6.49 1.12/ 1.95 2.25 6.43 -1.78/6.89 8 6.40 -2.16/ 3.20 3.86 6.79 -8.09/7.72 9 6.31 -2.94/ 1.79 3.44 7.03 -9.56/5.35 10 6.53 4.47/-1.56 4.73 6.81 2.52/3.69 11 6.45 2.74/ 0.63 2.81 7.00 -0.98/6.84 ==================================
【0060】[比較例1〜3]酸化珪素原液を2.5g
とり、これにエチルセルソロブ(EC)5.9gを加え
た後、トリメチロールフ゜ロハ゜ンアクリレートエチレンオキサイト゛6付加物(EO
6)を0.1g加え最後に塩化金酸原液を1.5g加えて
混合撹拌し、コーティング液3を作製した。
【0061】酸化珪素原液を2.5gとり、これにエチ
ルセルソロブ5.90g加えた後、トリメチロールフ゜ロハ゜ンアクリレート
エチレンオキサイト゛6付加物を0.1g加え最後に塩化金酸原液
を1.3g加えて混合撹拌し、コーティング液4を作製
した。
【0062】酸化珪素原液を2.5gとり、これにエチ
ルセルソロブ5.90g加えた後、トリメチロールフ゜ロハ゜ンアクリレート
エチレンオキサイト゛6付加物を0.10g加え最後に塩化金酸原
液を1.0g加えて混合撹拌し、コーティング液5を作
製した。
【0063】上記作製したコーティング液3〜5を、実
施例1で用いたのと同じグリーンガラス基板の片側表面
上に、表6に示すように、100〜3000rpm で15
秒間スピンコーティングを行った。風乾後250℃で2
時間熱処理し、金微粒子を析出させた。さらに720℃
で110秒、焼成を行い、紫外線吸収着色膜をもつガラ
ス板を得た。得られたガラス板は、使用したコーティン
グ液3,4,および5に対応して、それぞれ比較例1,
2,および3とする。これらのガラス板について、コー
ティング液組成、コーティングスピン回転数、膜組成、
膜厚、および屈折率を表6に示し、可視光透過率Ya、
太陽光線透過率Tg、紫外線透過率Tuv、Lab表示に
よる透過光の色度a,b(透過光色度)、透過光彩度
(a2+b21/2 を表7に示し、それぞれガラス面側
(着色膜が被覆された面とは反対側)から光を投射した
ときの、可視光反射率(ガラス面可視光反射率)、反射
光のLab表示による色度a,b(ガラス面反射色
度)、および反射光の彩度(a2+b21/2(ガラス面
反射彩度)、ならびに、それぞれ着色膜面側から光を投
射したときの、可視光反射率(膜面可視光反射率)、お
よび反射光のLab表示による色度a,b(膜面反射色
度)を表8に示す。 得られた着色膜被覆ガラス板は7
0%以上の可視光透過率を示し、透過色調もグレイ色を
示しているが紫外線透過率(Tuv)は21.3〜21.7%で実施
例に比べて10% も高く紫外線遮断性能は十分でなかっ
た。
【0064】
【表6】 ================================= 比 酸化 EO6 EC 塩化 スヒ゜ン条件 膜組成(重量%) 較 珪素 (g) (g) 金酸 (rpm) SiO2 TiO2 Au 屈折率 例 原液(g) 原液(g) (WT%) (WT%) (WT%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 2.5 0.1 5.9 1.5 3000 87.5 0.0 12.5 1.46 2 2.5 0.1 5.9 1.3 1000 89.0 0.0 11.0 1.46 3 2.5 0.1 5.9 1.0 1000 91.3 0.0 8.7 1.46 =================================
【0065】
【表7】 ================================= 比較例 可視光 太陽光線 紫外線 透過光 透過光 透過率 透過率 透過率 色度 彩度 Ya(%) Tg(%) Tuv(%) a/b (a2+b2)1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 70.8 50.1 21.7 -1.53/-0.07 1.53 2 70.8 50.4 21.3 -0.67/ 0.52 0.84 3 72.2 50.9 21.8 -1.75/ 0.57 1.84 =================================
【0066】
【表8】 ==================================== 比 ガラス面 ガラス面 ガラス面 膜面可視光 膜面 較 可視光反射率 反射色度 反射彩度 反射率 反射色度 例 (%) a/b (a2+b2)1/2 (%) a/b −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 7.11 -0.82/ 0.36 1.18 6.53 0.51/ 1.59 2 6.84 -1.38/-0.11 1.46 5.92 1.18/-1.05 3 5.69 -1.51/ 0.06 1.55 5.07 0.73/-1.56 ====================================
【0067】[比較例4〜7]表9に示すコーティング
液を作成し、実施例と同様のガラス基板に表9に示す条
件で、実施例と同様に、紫外線吸収膜(ただし、比較例
4〜6は上層、比較例7は下層)および着色膜(ただし
比較例4〜6は下層、比較例7は上層)からなる2層の
スピンコーティング・風乾・熱処理および焼成を行い、
紫外線吸収着色膜をもつガラス板を得た。このガラス板
の膜組成、屈折率、膜厚、光学特性を表10〜12に示
す。なお表11中、「T370」は370nmの波長の
紫外線に対する透過率を表している。この紫外線吸収着
色膜被覆ガラス板は透過色調がグレイ色を示している
が、比較例4〜6では可視光透過率が70%未満となり
実用上問題があり、また比較例7では可視光透過率が7
0%以上ではあるものの、透過色度a/bが−7.8/
1.9であり、 透過光彩度が8.0であって5.0を越
えており、透過色調は緑色でありグレイ色から大きくは
ずれていた。
【0068】
【表9】 ================================== 比 酸化珪素 酸化チタン 酸化セリウム EO6 EC 塩化金酸 スヒ゜ン条件 較 層 原液(g) 原液(g) 原液(g) (g) (g) 原液(g) (rpm) 例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4〜6 下層 2.5 0 0 0.13 5.6 1.3 1500 7 下層 0.29 1.56 1.66 0.13 5.6 0 1000 4 上層 0.29 1.56 1.66 0 6.49 0 1000 5 上層 0.29 1.56 1.66 0 6.49 0 1500 6 上層 0.29 1.56 1.66 0 6.49 0 2000 7 上層 2.5 0 0 0.13 5.6 1.3 2000 ==================================
【0069】
【表10】 ==================================== 上層 | 下層 比 屈 | 屈 較 膜組成(重量%) 折 膜厚| 膜組成(重量%) 折 膜厚 例 SiO2 TiO2 CeO2 Au 率 (nm)|SiO2 TiO2 CeO2 Au 率 (nm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4 7.3 36.8 54.9 0 2.02 82|89.0 0 0 11.0 1.46 108 5 〃 〃 〃 〃 〃 56| 〃 〃 〃 〃 〃 108 6 〃 〃 〃 〃 〃 45| 〃 〃 〃 〃 〃 108 7 89.0 0 0 11.0 1.46 108|23.2 30.8 46.0 0 1.89 127 ====================================
【0070】
【表11】 ================================== 比 可視光 太陽光線 紫外線 370mn 透過光 透過光 較 透過率 透過率 透過率 透過率 色度 彩度 例 Ya(%) Tg(%) Tuv(%) T370(%) a/b (a2+b2)1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4 57.2 42.0 12.9 31.4 0.8/-3.4 3.5 5 57.3 41.8 13.1 31.5 0.1/ 1.2 1.2 6 58.6 42.6 13.2 31.3 -0.8/ 2.6 2.7 7 75.0 50.0 11.7 28.4 -7.8/ 1.9 8.0 ==================================
【0071】
【表12】 =================================== 比 ガラス面 ガラス面 ガラス面 膜面 膜面 較 可視光反射率 反射色度 反射彩度 可視光反射率 反射色度 例 (%) (a/b) (a2+b2)1/2 (%) a/b −−−− −−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4 15.6 -0.6/ 3.9 2.9 24.5 -6.3/ 7.1 5 16.0 -0.9/ -1.3 1.8 24.4 -4.4/ -2.4 6 15.4 -1.1/ -3.4 2.8 22.7 -3.4/ -5.7 7 4.6 0.2/ 0.4 0.9 6.1 2.1/ -3.2 ===================================
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高い可視
光透過率、中性灰色の透過光色調、および優れた紫外線
遮断率を有する紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 5/26 G02B 5/26 5/28 5/28 (72)発明者 辻野 敏文 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表して、 酸化珪素 5〜50、 酸化チタン 20〜70、 酸化セリウム 25〜75、 を主成分として含有する紫外線吸収膜をガラス基材表面
    に被覆し、さらに前記紫外線吸収膜の上に、重量%で表
    して、 酸化珪素 55〜90、 酸化チタン 1.0〜10、 酸化セリウム 1.0〜15、 着色用金微粒子 5〜20、 を含有する、前記紫外線吸収膜の屈折率よりも低い屈折
    率を有する上層を形成してなる、可視光透過率が70%
    以上である紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品。
  2. 【請求項2】 前記ガラス基材が1.5〜5.5mmの
    厚み、Lab表色系で表して、−9.0〜−2.0のa
    の値と、−4.0〜4.0のbの値の透過光色度、10
    〜70%の紫外線透過率(370nmの波長で)、およ
    び20〜80%の太陽光線透過率を有する請求項1記載
    の紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基材がLab表色系で表し
    て、−7.0〜−3.0のaの値と、−1.0〜4.0
    のbの値の透過光色度を有する請求項1または2に記載
    の紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品。
  4. 【請求項4】 前記着色膜被覆ガラス物品が、Lab表
    色系で表して、aおよびbの値から計算される(a2
    21/2 の値が5.0以下である透過光彩度を有する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線吸収着色膜
    被覆ガラス物品。
  5. 【請求項5】 前記着色膜被覆ガラス物品が、Lab表
    色系でaおよびbの値から計算される(a2+b21/2
    の値が10以下である、ガラス面側の反射光彩度を有す
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線吸収着色
    膜被覆ガラス物品。
  6. 【請求項6】 前記着色膜被覆ガラス物品が、Lab表
    色系でaおよびbの値から計算される(a2+b21/2
    の値が5.0以下である、ガラス面側の反射光彩度を有
    する請求項5に記載の紫外線吸収着色膜被覆ガラス物
    品。
  7. 【請求項7】 前記着色膜被覆ガラス物品が15%以下
    の紫外線透過率(Tuv)を有する請求項1〜6のいずれ
    か1項に記載の紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品。
  8. 【請求項8】 前記着色膜被覆ガラス物品が12%以下
    の紫外線透過率(Tuv)を有する請求項7記載の紫外線
    吸収着色膜被覆ガラス物品。
  9. 【請求項9】 前記着色膜被覆ガラス物品の太陽光線透
    過率が55%以下である請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の紫外線吸収着色膜被覆ガラス物品。
  10. 【請求項10】 前記紫外線吸収膜は1.63〜2.2
    0の屈折率および60〜250nmの膜厚を有し、前記
    上層は1.40〜1.60の屈折率および30〜120
    nmの膜厚を有し、かつ上層の屈折率は紫外線吸収膜の
    屈折率の平方根の値の0.90〜1.17倍の範囲内に
    ある請求項1〜9のいずれか1項に記載の紫外線吸収着
    色膜被覆ガラス物品。
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